男「何だあれは!」(17)

その男は、何とズボンをはいたままで尿をしていた。

しかし、ズボンの股は濡れていない。

そこでよく見てみると、ズボンのチャックから細い管が出ている。

そして、その中を黄色い液体が流れている。

どうやら彼は、ちんこに管を付けて尿をしているようだ。

俺がじっと見ていると、彼は尿を途中で止め、すぐにトイレを出て行ってしまった。

俺はその男の後をつけてみた。

すると、彼は頭に黄色い器具を乗せ、空中に浮かび上がった。

そして、まるで人間とは思えないような速さで飛び去ったのだった。

恐ろしい。

それ以来、ずっとあの男のことが気になっていた。

しかし、彼はトイレで会ったきり俺の前に姿を現さない。

排尿装置を見られたのが屈辱だったのだろうか。

それなら、最初からやらなきゃいいのに。

そんな事を思いながら、2ヶ月過ごした。

ふと窓の外を見ると、小雨が降り出していた。

俺は洗濯物を取り込みに屋上に向かっていた。

その時だった。

鼓膜が爆発するような轟音とともに、家全体が上下左右に揺れた。

そして、窓の外が黄色い光に包まれる。

窓を開けて外を見ると、その光の中に人間が浮いていた。

俺はその人間が彼であることにすぐ気が付いた。

しばらくすると、頭に器具を乗せた彼が窓から家に入ってきた。

そして、器具を取り外すと、腹部に付いたポケットにそれを入れた。

さらに、俺に何か小声で言っている。

「ヨクモ、ミタナ」

いや、あれだけの轟音と轟光を発している人がいたら、誰だって気になる。

「ユルサナイ。オレハ、ミラレルコトガ、クツジョクダ」

すると、彼はズボンのチャックを開け、管を伸ばした。

「オイ。トイレヲカセ」

俺は、すぐ断った。

が、彼は無言でトイレに入った。

俺はカメラコントロールルームに急いだ。

この家には80個の監視カメラが付いている。

もちろん、このトイレにも、だ。

俺は彼が尿をしているところを観察した。

やはりあの時と同様、透明の管から黄色い液体を出している。

俺が驚いたのは、彼がその後とった行動だ。

何と、ズボンの尻ポケットに太い管を入れ、その管から大便を出している。

一体どういう構造になっているんだ。

彼は大便をし終わると、トイレから出てきた。

俺は彼に駆け寄る。

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