幸子「ボクと乃々さんでラジオを?」乃々「むーりぃー…」 (130)

幸子アイプロの頃に途中まで書いたものが出て来たから完成させた。
序盤のネタがちょっと古いのはそのせい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463649774

(軽快なジングル)

『にゃん・にゃん・にゃんラジオ、始まるワン』

『Да!』

『カットカット!! カットにゃぁああああ!!!!』

幸子「…えっ? な、なんですか、今のジングルは!?」

幸子「えー…、コホン。こんにちは、カワイイボクこと輿水幸子です! 今日はカワイイボクと!」

幸子「…カワイイボクと!」

幸子「……」

幸子「乃々さん!!」

乃々「ヒィッ…!」

幸子「何やっているんですか!? 『むーりぃー』じゃないですよ!」

幸子「あと、マイクが遠すぎて、音拾えていないですからね!?」

幸子「さあ、練習通りにもう一度やりますよ! 今日はカワイイボクと!」

乃々「も、ももも、もりくぼが…!」

幸子「にゃん・にゃん・にゃんラジオを乗っ取ってしましました!」

幸子「って、まだ帰っちゃあダメですよ! あと、まだマイクが遠いです!」

乃々「むーりぃー…」

幸子「いいから観念してカンペ読んで下さい! リスナーの皆さん、絶対キョトンとしてますよ!?」

乃々「うぅ…。な、なんでもりくぼがこんな目に…。ほ、他にパーソナリティがいないから幸子さんと30分繋げなんて、きゅ、急に言われても…。グスッ…」

幸子「な、泣かないで下さいよ! ほら、スタッフさんたち、早速放送事故が起きて青ざめていますよ! いいんですか?」

乃々「か、カンペ…。きょ、今日は、にゃん・にゃん・にゃんの三人が全員体調不良で出演できないので、もりくぼと幸子さんの二人で、ラジオをお送りします…」

幸子「はい! ということで、短い間ですが、ボクたち二人のラジオにお付き合い下さい!」

幸子「さて、乃々さん。今日限りの、ボクたちのラジオが始まりましたね!」

乃々「はい…。始まってしまいましたけど…」

幸子「なんだかさっきまでバタバタとしていて、あっという間に始まってしまいましたけど、とにかく頑張っていきましょうか!」

乃々「ぜ、絶対にもりくぼなんか出ない方が良いんですけど…。にゃん・にゃん・にゃんのファンの方に失礼です…」

幸子「だ、大丈夫です! 確かに告知も遅れましたし、ラジオが始まってからパーソナリティの変更を知った人もいるでしょうけど…。お三方のファンにも満足して頂けるような楽しい30分にすれば良いんです!」

乃々「ハードルが高すぎてむーりぃー…」

幸子「では、改めて自己紹介をしましょうか! 」

幸子「ボクの名前は輿水幸子。14歳です! 『カワイイボクと142's』というユニットで何度かにゃん・にゃん・にゃんともライブバトルをしましたし、みくさんとはバラエティ番組とかで共演することも多いので、ファンの中には知っている方も多いのではないでしょうか?」

幸子「そうでなくとも、ライブやバラエティなどにも沢山出ているので、きっとどこかで名前くらいは聞いたことがあると思いますよ!」

幸子「今日のラジオをキッカケに、カワイイボクのファンになっても良いんですからね!」

幸子「次は乃々さんの番です!」

乃々「もりくぼです…。はい…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「いや、もっと自己紹介をして下さいよ!?」

乃々「そんなの求められていませんし…。そもそも、もりくぼの存在自体求められてないですから…」

幸子「…えっと、ボクの対面に座っているのは森久保乃々さんです! ボクと同じ14歳で、『むーりぃー』が口癖の、ネガティブ系オドオドアイドルですね!」

乃々「結構酷い言われようです…。間違っていませんけど…」

幸子「縦ロールが特徴の、恥ずかしがり屋な子ですよ! 因みに、今日会ってからまだ一度も目を合わせてくれません!」

幸子「ほら! ちょっとくらいボクのカワイイ顔を見てみたらどうです?」

乃々「幸子さんは、結構グイグイ来るので、こわい…」

幸子「今日はそんなボクと乃々さんでラジオをお送りします!」

幸子「ところで、乃々さんは最近何かありましたか?」

乃々「…え? い、いきなりなんですか? 別に何もありませんけど…」

幸子「えっと。なにも、変わったこととかじゃなくても良いんですよ? フリートークなので?」

乃々「もりくぼの日常は平穏そのものですけど…。アイドルをやらされていること以外は…」

幸子「じゃあそこから何か語れますよね!?」

乃々「で、でも、私の話なんか聞いて喜ぶ人なんていないと思いますけど…?」

幸子「そんなことないですよ! 乃々さんはアイドルなんですから! ファンの人たちは乃々さんの日常トークを聞きたいはずです!」

乃々「けど、これ、元々のあさんたちのラジオですし…」

幸子「うっ…。そ、そうです! ここでのあさんたちのファンを奪い取るくらいのつもりで喋れば良いんですよ!」

乃々「あの…。じゃあ、まずは幸子さんがお手本をお願いします…」

幸子「え? ぼ、ボクからですか…?」

幸子「そ、そうですね。最近はやっぱり、番組のロケでノルウェーへオーロラを見に行ったことですかね…」

乃々「確か、犬ぞりに乗ったんですよね…?」

幸子「はい! オーロラもなかなかカワイかったですけど、まあボクのカワイさには敵わなかったですね!」

乃々「アイドルなんですから、車とかで行けなかったんですか…?」

幸子「雪原ですし、無理なんじゃあないですかね?」

幸子「それに、オーロラを見に行く途中の撮影も込みでしたから! 放送された際には、カワイイボクと犬たちの触れ合いのあまりのカワイさに気絶しないで下さいね!」

乃々「オマケ映像は、幸子さんの極圏寒中水泳だとか…」

幸子「やってませんからね!? どこからその話が漏れたんですか?」

乃々「もりくぼは水着とか、絶対にむーりぃー…」

幸子「乃々さんもボクほどでも無いにしてもカワイイんですから、もっと自信持って下さいよ!」

乃々「水着とか、魂が消えますけど…」

幸子「アイドルなんですから、いつかは着る日が来るかもしれないですからね。覚悟はしておいた方が良いですよ?」

乃々「うぅ…。やっぱりアイドルなんて無理なんですけど…」

幸子「さて、次は乃々さんの話を聞きましょうか?」

乃々「え、えぇと…。皆さん、もっと幸子さんのカワイイ話を聞きたいんじゃないですかね…? 軽くノルウェーの話をしただけですし…」

幸子「そうですかね? まあカワイイボクのお話を聞きたい気持ちもよくわかりますけど!」

乃々「じゃあ、引き続き幸子さんのお話をどうぞ…」

幸子「と言っても、ノルウェーの話は放送まであまりできませんからね…。他の話となると…、この前の142'sでのライブですかね」

乃々「ああ。そんな話も聞きましたね…」

幸子「小さなライブでしたけど、観客も当然満員で、かなり盛り上がりましたよ! これもボクのカワイさのおかげですね!」

乃々「そうですね…」

幸子「あ! 先月、ボクたちの新しいシングルが発売されましたからね! まだ聴いていない人は要チェックです!」

乃々「要チェックですね…」

幸子「なんだか相槌が雑になってきてませんか!?」

乃々「と言われても、何を言えば良いのか…」

幸子「何か感想とか無いんですか? ボクたちの新曲、聴いてないんですか?」

乃々「聴きましたけど…」

幸子「けど?」

乃々「えーっと…。またキノコさんを取られたって、美玲さんが不機嫌になってました…」

幸子「ああ…」

幸子「あっ。キノコさんっていうのは、星輝子さんの事ですよ! 知っている人は一発で誰だかわかるアダ名ですね!」

乃々「…最近、142'sのお仕事が多いですよね…?」

幸子「ボクはカワイイですから! どうです? 乃々さんもこっち来ませんか?」

乃々「えぇ…」

幸子「きっと美玲さんよりボクの方が良いリーダーですよ!」

乃々「そんな事言っていると、また美玲さんにひっかかれますよ…?」

幸子「うっ…。で、でもボクの無敵のカワイイガードがあれば大丈夫です! 多分!」

乃々「それに、私、身長149ありますし…。142'sはちょっと…」

幸子「そういえば、乃々さんって結構身長あるんですよね。意外と美玲さんより高いですし」

乃々「私も高い方じゃあないですけど…。というか、142cmが低すぎるだけな気も…」

幸子「女の子はちょっと身長が低いくらいの方がカワイイんです!」

乃々「そ、そうなんですか…?」

幸子「そうなんです! 現に、ボクはカワイイですからね!」

乃々「そうですか…」

幸子「さて、いい加減に乃々さんの話も聞きますか」

乃々「も、もりくぼの話ですか…。そんなの聞いても、やっぱり楽しくなんて…」

幸子「なんでもいいですから、何か話してみて下さい! まだフリートークの時間が残っているんです!」

乃々「で、でも、一体何を話せば…」

幸子「じゃあ、昨日は何をしていましたか? 」

乃々「え…? えっと…。昨日は学校が終わってから、事務所に行って、軽くレッスンをして帰りましたけど…」

幸子「その後はどうしましたか? 家で何をしたかとか、晩ご飯はどうしたとか」

乃々「その後は…。家に帰って、マンガを読んでいました…」

幸子「乃々さんは少女マンガが好きなんですよね! カワイイ趣味じゃないですか!」

乃々「ま、まぁ…。ただ好きで読んでいるだけなんですけど…」

幸子「その他にはどうしましたか? 晩ご飯とかは?」

乃々「晩ご飯は、事務所で貰ったパンで済ませましたけど…。あとは、寝ました…」

幸子「そ、そうですか…」

乃々「……」

幸子「……」

乃々「どうですか…? やっぱり全く盛り上がらなかったですよね…?」

幸子「い、いえ! そんなことないですよ!?」

乃々「私の話なんてしても、やっぱり誰も喜ばないですし…」

幸子「も、もっとポジティブに生きて下さい!」

乃々「ポジティブとか、もりくぼから最も遠い言葉なんですけど…」

乃々「あ。幸子さん、カンペが…」

幸子「え、えー…。言い忘れてしまいましたが、この番組では、リスナーの皆さんからのお便りを随時募集しています。今日の放送では特別に、カワイイボクと乃々さんへのお便りも募集中です!」

幸子「また、放送中に紹介できなかったお便りも、一部公式サイトで回答をさせて頂きますので、どしどし送って下さい!」

幸子「ほら、乃々さんも続き読んで下さい!」

乃々「えぇ…。あ、あの…。お便りはふつおたとか、質問とか、お悩み相談とか、なんでも大丈夫です…」

乃々「送信は公式サイトのメールフォームか、nyannyannyan@cinderela.co.jp宛にどうぞ…」

幸子「カワイイボクに直接質問をするチャンスです! 奮って送って下さいね!」

―CM―

―CM開け―

幸子「さて、ここでお便りのコーナーに移りたいと思います! 乃々さん!」

乃々「えぇ…? も、もりくぼが読むんですか…? お便りを…?」

幸子「乃々さんはお便りに先にコメントを返す係が良いんですね? わかりました!」

乃々「うぅ…。酷い二択なんですけど…」

幸子「あ。ちなみに、放送中ボクたちへ送って頂いたお便りは、今日の放送で優先的に読まれますので。まずは、放送開始までに頂いた分です! さあ、どうぞ!」

乃々「み、三重県にお住まいのラジオネーム――」

幸子「乃々さん、にゃんこネームです」

乃々「な、なんですか、それ…?」

幸子「メッセージにも書いてありますよね? この番組では、ラジオネームは『にゃんこネーム』です!」

乃々「うぅ…、なんなんですか…。三重県にお住まいの…、にゃ、にゃんこネーム『ブリの照り焼き』さんからです…。あ、あの、これ…」

幸子「ちゃんと読んで下さいね? わかっているとは思いますが、挨拶は『こんにちにゃん!』ですから!」

乃々「いぢめですか…? ラジオ番組ぐるみでもりくぼをいぢめているんですか…?」

幸子「虐めていないですから読んで下さい! 最初から!」

乃々「…三重県にお住まいのにゃんこネーム『ブリの照り焼き』さん16歳男性からのお便りです…。のあにゃん、みくにゃん、アーにゃん、こんにちにゃん…」

幸子「三人はいませんが、こんにちにゃん!」

乃々「こ、こんにちにゃん、ですけど…」

幸子「乃々さん、続きを」

乃々「さ、最近、僕には気になる女の子がいます。クラスの同級生なのですが、いわゆるクラスのマドンナという感じで、みんなの憧れの的です…」

幸子「あ。恋愛相談ですね、これは!」

乃々「幸子さんは、こういうお悩みの解決に自信があるんですか…?」

幸子「ボクはカワイイですからね! まあ、ボクはあまりに高嶺の花すぎて、実際に告白とかされた事は ――って、なんですかその目は!?」

乃々「いえ…。ただ、幸子さんはそうですよね、と…」

幸子「なんか凄い失礼な事を言われた気がしますよ!?」

乃々「あの、一応まだ続きがあるみたいなので…」

幸子「そ、そうですか? じゃあ続きもお願いします!」

乃々「とても可愛い子で、お付き合いをしたいなー、なんて心の底で思っちゃっていますが、地味で何の取り柄もない僕みたいな男は、どう声を掛ければ良いのかすらわかりません…」

乃々「アイドルで現役高校生のみくさんとアナスタシアさんは当然、クラスのマドンナですよね? お二人は、どんな風に声を掛けられたら、『この男は違う!』という印象を持ちますか…? 是非教えて下さい…」

幸子「なるほど。気になる女の子にどう声を掛ければ良いのかわからない、ということですか」

乃々「では、幸子さん…。回答をどうぞ…」

幸子「クラスのマドンナというか、世界のマドンナから言わせてもらいますと…」

乃々「世界のマドンナって、マドンナ本人なんじゃあ…」

幸子「コホンッ! とりあえず、難しい事は考えずに、気軽に声を掛けてみたらどうですかね?」

乃々「その心は…?」

幸子「一番カワイイボクの経験から言わせてもらうと、正直、カワイイと言われ、それに相応しい扱いを受ける事には慣れてしまいます!」

幸子「ですから、ここは敢えて下心を隠して、普通に接してみるのはどうでしょう?」

幸子「『私の可愛さ目当てに近付いてきた他の人たちとは違う!』なんて思われるかもしれませんよ!」

乃々「つまり、敢えてクラスのマドンナ扱いをしない、という事ですか…?」

幸子「そうなりますね!」

乃々「……」

幸子「な、なんですか、乃々さん? それに、スタッフさんたちも…?」

乃々「いえ…。ただ、幸子さんの回答が、凄いマトモだったので…」

幸子「ボク、乃々さんにどんな印象を持たれていたんですか!?」

乃々「いえ、その…」

幸子「と、とにかく、ボクからの提案は以上です! 乃々さんはどう思いますか?」

乃々「え、えっと、その…」

幸子「何か良い案は無いのですか? 少女漫画から得た知識とか」

乃々「いえ…。もりくぼ、あまりそういう恋愛モノは好きじゃあ…」

幸子「あれ? そうなんですか?」

乃々「はい…」

乃々「だ、第一、少女漫画の恋愛なんて、非現実的なんですけど…!」

幸子「そんなもんなんですか?」

乃々「ちょっと優しくされたらコロッと好きになったり…。大嫌いだった人の意外な一面を見ただけど即落ちだったり…。そんなの絶対にあり得ないんですけど…!」

幸子「そ、そうですか…?」

乃々「しかも、その相手が、お金持ちの家の生まれの、スポーツ万能成績優秀のイケメンだったりしたら、もう天文学的確率ですよ…。夢見過ぎです…」

乃々「だ、大体、普段とは違う態度で接してきた人がいるからと言って、そんなにすぐに好きになりますか…?」

幸子「ど、どうなんでしょうか? でも、気になったりはするかもしれませんよ…?」

乃々「…そういえば、幸子さん。実家は結構良いお家だという噂が…」

幸子「え? きゅ、急にどうしたんですか? ま、まあ、それなり程度だとは思いますけど…」

乃々「どうですか…? ちょっとお金持ち扱いされなかったり、カワイイ扱いされなかったり程度の事で、その人を好きになりますか…?」

幸子「いえ、それは…。その…」

乃々「絶対にならないと思うんですけど…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「回答、どうしますか?」

乃々「えっ…?」

幸子「ボクの回答は乃々さんに全否定されてしまったので。何かどうぞ」

乃々「え、えっと、その…」

乃々「…自分磨き?」

幸子「自分磨き」

乃々「……」

幸子「……」

幸子「で、では、にゃんこネーム『ぶりの照り焼き』さんは、自分磨きを頑張ってから、ちょっと変わった自分を見せつけるように声をかけてみて下さい!」

乃々「が、頑張って下さい…」

幸子「お便りが採用された方には、番組特製タオルをお贈りしますので、どしどしメッセージを送って下さいね!」

乃々「お風呂上がりとかに、このタオルで磨いて下さい…。自分を…」

幸子「では、次のメッセージを――」

乃々「あ、幸子さん。カンペが…」

幸子「どうやら、早速ボクと乃々さん宛にメッセージが届いたみたいですね!」

乃々「私にメッセージを出す奇特な人はいないと思いますから、きっと全部幸子さん宛です…。だからもりくぼはもう帰りたいと思います…」

幸子「では、読んで下さい! 乃々さん!」

乃々「あぅ…」

乃々「えっと…。東京都にお住まいの、にゃんこネーム『鯖の押し寿司』さん25歳男性からです…」

乃々「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちにゃん…」

幸子「こんにちにゃんです!」

乃々「こんにちにゃん、です…」

乃々「いつも通りにゃん・にゃん・にゃんのラジオを聴こうとしたら、幸子ちゃんと乃々ちゃんが出てきてビックリしました…」

乃々「のあにゃんたちは急病とのことですが、大丈夫でしょうか…? あのみくにゃんが仕事をお休みなんて、大変な事になっているのではないかと心配でたまりません…」

乃々「ところで、幸子ちゃんと乃々ちゃんの組み合わせとは珍しいですね…。お二人でラジオ出演なんて、とても意外です…。実は、プライベートでも仲が良かったりするんですか…?」

乃々「追伸。142'sの新譜買いました。Bメロでの謎のラップ音は仕様ですよね? ね…!? とのことです…」

幸子「メッセージありがとうございます、『鯖の押し寿司』さん! さて、どの質問から答えていきましょうか?」

乃々「ら、ラップ音…?」

幸子「そ、それは後にしましょうか!」

乃々「しょ、初期不良とかじゃあ…?」

幸子「…何度収録し直しても、修正しても、いつの間にか入っているんです…」

乃々「えぇ…」

幸子「ま、まあ! あの音も曲の良いアクセントになりますし、もはや仕様ですね! スタッフさんたちもそれで納得しましたし!」

乃々「それで良いんですかね…」

幸子「ボクのカワイさに悪影響は無いですし、問題はありませんよ!」

幸子「…噂を聞いたそっち方面のマニアの方が、こぞって買ってくださっているみたいですし」

乃々「そ、それは本当に良いんですか…?」

幸子「えーっと、次は…。プライベートでのボクと乃々さん、ですか?」

乃々「しょ、正直、特別関わりは無いですよね…」

幸子「でも、この前に皆さんで一緒にお出かけしたじゃないですか!」

乃々「そういえば…。一緒にお洋服を買ったり、映画を観たり…」

幸子「楽しかったですね!」

乃々「幸子さんと美玲さんがケンカしなければ、もっと楽しかったと思うんですけど…」

幸子「うっ…」

乃々「もりくぼを着せ替え人形にして、あっちが似合う、いやこっちが似合うと…」

幸子「だ、だって乃々さんにはあんな爪もフードも似合いませんし!」

乃々「もりくぼ的には、幸子さんお薦めの真っ白でフリフリのワンピースも同じくらいむーりぃー…」

幸子「いえ! あれは確実に似合っていました!」

乃々「何を言われても、あれはむーりぃー…!」

乃々「その後も、お昼は和食か洋食かでケンカして…」

幸子「多数決では和食でしたよ! ちょっとお店が遠かっただけで…」

乃々「デザートはクレープかあんみつかでケンカして…」

幸子「ボクがわざわざ下調べしてきた美味しいお茶屋さんだったんです!」

乃々「息が合ったのは、ホラー映画鑑賞に反対した時だけだったじゃないですか…」

幸子「あ、あれは…、偶然そういう気分じゃなかっただけです!」

乃々「…幸子さんと美玲さん、一緒にいる時はなんだか精神年齢下がってませんか…? カワイイガードってなんなんですか…?」

幸子「さ、下がってません!」

乃々「お二人とも、普段は結構頼れる感じなのに…」

幸子「ボクはいつでもカワイくて頼れる幸子ですよ!」

乃々「あれですかね…? もしかして、ケンカする程仲が――」

幸子「それは絶対にあり得ないですっ!」

乃々「そ、そうですか…。はい…」

幸子「まあ、お話した通り、皆さんで一緒にお出かけしたり、事務所でご一緒したらお話をしたり、そんな感じの仲ですね」

乃々「そんな感じの仲です…」

幸子「因みに、ボクが代役に選ばれたのは、ボクのカワイさのせいですね!」

乃々「もりくぼは、事務所で静かにマンガを読んでいたら、無理矢理…」

幸子「後は…。みくさんたちの容体ですか。これはボクも詳しくは知らないんですよね。急に代役を頼まれて、飛んで来たので」

乃々「え? そうなんですか…?」

幸子「はい。命に別状はなくて、数日で復帰できるみたいな事は聞きましたが。乃々さんは何か知っているのですか?」

乃々「え、えっと…。あれは話していいのかわからないので…」

幸子「あっ。乃々さん、カンペです。どうやら話してもいいらしいですよ!」

乃々「えっ? は、話してもいいんですか…? あ、あれを…? ほ、本当に…?」

幸子「一体、お三方の身に何があったんですか?」

乃々「あ、あれは、今日のお昼頃の話なんですけど…。もりくぼはいつも通り、事務所で静かにマンガを読んでいました…」

乃々「事務所には、他に、のあさんを待ちながらラジオまで時間を潰している、みくさんとアナスタシアさんがいました…」

幸子「なるほど。お昼の時点ではお二人は無事だったんですね」

乃々「はい…」

乃々「楽しそうに談笑していて、穏やかな時間だったんですけど…。と、突然、事務所の扉を勢い良く開けて、のあさんが入ってきました…」

乃々「…何故か、フィッシングウェア姿で、クーラーボックスを抱えながら…」

幸子「…はい?」

乃々「のあさんは、いつもの無表情のまま、クーラーボックスから鯖を取り出し、事務所のテーブルで捌き始めて…」

幸子「一体何をやっているんですか、あの人!?」

乃々「どうやら、一人で海釣りに行っていたらしいです…」

乃々「そして、捌いた魚をアナスタシアさんと一緒になって、みくさんに無理矢理…」

幸子「…なんでうちのCoアイドルは、みんなちょっとミステリアスを誤解しているんですかね…?」

乃々「多分、あれは素です…」

幸子「え? つまり、にゃん・にゃん・にゃんが急病、というのは…?」

乃々「全員鯖に中って、救急車が…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「それの代役が、ボクたちですか」

乃々「はい…」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「…えーっと、気を取り直して次のメッセージに行きましょう! どうやら続々とボクへのメッセージが届いているようです! 乃々さん!」

乃々「と、栃木県にお住まいの、にゃんこネーム『醤油まみれの鉄火巻き』さん23歳女性からのお便りです…」

乃々「の、乃々にゃん、幸子にゃん、こんにちにゃん…」

幸子「こんにちにゃん!」

乃々「あ、あの…。『乃々にゃん』だけは勘弁して下さい…」

幸子「どうしてです? カワイイじゃないですか!」

乃々「そういうのはむーりぃー…」

幸子「とりあえず、挨拶と続きをお願いします!」

乃々「こ、こんにちにゃん…。え、えっと、私は乃々にゃんの大ファンです…」

乃々「だから乃々にゃんはむーりぃー…」

幸子「あまり無理無理言うと、逆に乃々さんのファンは喜んでしまうのではないですか?」

乃々「あぅう…」

幸子「あと、顔が耳まで真っ赤ですよ、乃々さん?」

乃々「つ、続き、読みます…」

乃々「そんな乃々にゃんの声が、いつも聴いているにゃん・にゃん・にゃんのラジオから突然流れてきて、本当にビックリしました…」

乃々「私は、いつもおどおどしていて自信なさ気だけど、ライブやイベントの時になると涙を浮かべながら必死にお仕事をこなす乃々にゃんの姿が、大大大スキです…」

乃々「あの、何のいぢめですか、これ…。もう残りは幸子さんに読んでもらって、もりくぼは帰――」

乃々「え? ダメ? いえ、そんなスケッチブックいっぱいに『ダメ』なんて書かなくても…。うぅ…」

幸子「頑張って下さい、乃々さん!」

乃々「そんな乃々にゃんも大好きですけど、たまに『こんなに可愛いのだから、もっと自分に自信を持っても良いんじゃあないのかな?』と思います…」

乃々「そこで、いつも自信たっぷりで世界一カワイイを豪語する幸子ちゃんにお願いがあります…。私の可愛い乃々にゃんがもっと自信を持てるように、何か適切なアドバイスをズバッとしてあげて下さい…」

幸子「…すごい愛されようですね? というか、ボクだけ普通に『幸子ちゃん』って呼ばれてますし」

乃々「もりくぼは誰のものでもないのですけど…。あと、別に可愛くなんてないですし…」

乃々「…え、えっと。とにかく、そんな感じのお便りでした…」

幸子「あれ? まだ続きがありますよね?」

乃々「こ、これは違いますけど…!」

幸子「いいから見せて下さい! ――なになに…?」

幸子「…なんと言えばいいのでしょうか? その、メッセージの後半、じゅう、にじゅう…、四十行くらいビッシリと、『醤油まみれの鉄火巻き』さんが考える乃々さんの可愛いところが列挙されています…」

乃々「うぅ…。いぢめです…。ラジオのリスナーさんからいぢめられています…。なんでこんな短時間でこんなメッセージを…」

幸子「26行目から読み上げますね。『ファンから可愛いと言われると、必死に目を逸らしながら顔を真っ赤にしつつ力なく「いぢめですか…?」「むーりぃー…」と呟く乃々にゃんも大好きです!』とのことです」

乃々「退路が絶たれているんですけど…!?」

幸子「さて、乃々にゃんにもっと自信を持って欲しい、とのことですが…」

乃々「うぅ…。幸子さんまでもりくぼいぢめに加担ですか…?」

幸子「まあ、乃々さんもボクほどではないにしても、十分カワイイんですから、もっと自信を持っていいと思いますよ?」

乃々「いえ、もりくぼが可愛いなんてあり得ないですから…」

幸子「うーん…。これは根が深いですね…」

幸子「では、こうしましょう! 乃々さんにはボクが発行する『カワイイ免許』を差し上げます!」

乃々「な、なんですか、それ…?」

幸子「ボクがカワイイと思ったものだけに発行する免許です! 現時点で、輝子さんと小梅さんと、美穂さんとまゆさんと、ノルウェーのオーロラしか持っていない、素晴らしい免許なんです!」

乃々「最後ので発行の基準がわからなくなったんですけど…」

幸子「待っていて下さい! 今、乃々さんの名前を書き入れますから!」

乃々「な、なんでブースの中にまで持ってきているんですか…?」

幸子「カワイイは一期一会かもしれませんからね! はい、どうぞ! 世界一カワイイボクのお墨付きですので、これで自信を持って下さい!」

幸子「5年間カワイくあり続ければゴールドカワイイ免許になりますので、日々精進して下さいね!」

乃々「あ、はい…。ありがとうございます…」

幸子「――さて。では、ここで一曲聴いてもらいましょうか! 曲は輿水幸子で『To my darling...』です! どうぞ!」

乃々「ど、どうぞ…」

少し休憩

――――――

――――

――

幸子「えー。現在聴いて頂いているのは、CINDERELLA MASTER20より『To my darling』です!」

幸子「何度聴いてもカワイイ曲ですねぇ…。我ながら惚れ惚れしてしまいます!」

幸子「おっと、ボクの歌声のあまりのカワイさに気絶しないで下さいね! ラジオはまだまだ続きますから! さあ、乃々さん!」

乃々「えっと…。今日のにゃん・にゃん・にゃんラジオは、パーソナリティ三人が急病のため、森久保乃々と輿水幸子でお送りしています…」

乃々「それと、この番組では、引き続きリスナーの方々からのメッセージを募集しています…」

乃々「宛先は公式サイトのメールフォームか、nyannyannyan@cinderela.co.jpまでお願いします…。内容は、ふつおたからお悩み相談まで、なんでもOKです…」

乃々「…あと、さっきから『乃々にゃん可愛い』などという怪文書が、複数人から届いているらしいんですが…。10通くらい…」

乃々「これ以上やられたら、もりくぼは本気で逃げますけど…」

乃々「もりくぼいぢめ、ダメゼッタイ、です…」

幸子「ボクのカワイさを称えるメッセージなら何万通でもOKですよ!! 奮ってお送り下さい!」

幸子「では、次のコーナーに移りますか」

幸子「とは言ったものの、この番組のゲームコーナーは三人でやるものしか用意されたいないので、今スタッフさんが必死に準備をしています! 準備が終わるまで、カワイイボクと乃々さんのフリートークをお楽しみ下さい!」

乃々「あとはもう、ずっと幸子さんの曲を流していれば良いんじゃあないですかね…」

幸子「当然ダメです!」

乃々「あぅ…」

幸子「さて、再びのフリートークタイムということなんですが…。あ、その前に告知タイムですか?」

乃々「こ、告知ですか…?」

幸子「はい。まずは乃々さんからどうぞ!」

乃々「でも、別に告知するようなことなんて…」

幸子「カンペには『朗読会』って出ていますよ?」

乃々「あ、えっと…。前回の絵本の朗読会が何故か妙に好評で、二回目をやることになりました…。チケットは、来週の水曜日から発売です…」

幸子「絵本の朗読会ですか。アイドルにしては珍しいお仕事ですね!」

乃々「はい…。でも、撮影とかライブとかよりは気が楽で…。大勢の前で声を出すのは怖いですけど…」

幸子「因みに、どんな本を朗読するんですか?」

乃々「そ、それは当日まで内緒、です…。一応、もりくぼが好きな絵本ですけど…」

乃々「幸子さんは、何か告知ありますか…?」

幸子「先月発売されたカワイイボクと142'sのニューシングル発売を記念して、イベントが開催されますよ!」

幸子「DVD付きの特装版に入っているハガキから応募ができますので、しっかり応募して下さいね! まだ買っていない人は、今すぐ購入です!」

乃々「ユニットでのお仕事ですか…?」

幸子「はい! トークショーにミニライブ、握手会の豪華三本立てです!」

乃々「見事に全部、もりくぼが苦手なお仕事です…」

幸子「カワイイボクのファンは特装版を一万枚買って、山のように応募ハガキを出して下さいね! これは輿水幸子ファンの義務ですよ!」

乃々「そ、そうなんですか…」

幸子「さて、乃々さん。ラジオもまだまだ続きますが、ここまでの感想はどうですか?」

乃々「乃々にゃんだけは勘弁して下さい…」

幸子「えーっと…。どうやら、合計13通の乃々にゃんへの熱い応援メッセージが届いたらしいですよ」

乃々「なんなんですか…。やっぱりいぢめですか…」

幸子「しかし、正直不安もありましたが、なんとかなるものですね! これもボクのカワイさのおかげです!」

乃々「そ、そうですね…?」

幸子「…なんでちょっと疑問形なんですか?」

乃々「いえ…。なんでもないですけど…」

幸子「仕方がないですね。ここはフリートークの時間を目一杯に使って、ボクのカワイイアピールを ――え? ゲームの準備ができた? も、もうですか?」

乃々「あの…。もう、幸子さんのカワイイアピールタイムで良いんじゃあないですかね…? 残りの時間、ずっと…」

幸子「では、次のコーナーに移ります! 乃々さん、コーナー名をどうぞ!」

乃々「えっと…。『負けたらネコに!? カワイイしりとり!』のコーナー、ですけど…」

幸子「では、ルールの説明をしますね!」

幸子「ルールは基本的に、普通のしりとりと同じです! 手拍子のリズムに合わせて、しりとりをします!」

幸子「ただし、答えはカワイイもの以外禁止です! また、時間の短縮のために、『カワイイ』に因んで『カ』『ワ』『イ』の文字で終わっても負けになります!」

乃々「な、なんだか難しそうです…」

幸子「そうですか? まあ、カワイイ概念の擬人化であるボクには余裕に思えますけどね!」

幸子「ゲームは5本試合で3本先取すれば勝ちです!」

幸子「それで、負けた時の罰ゲームですが…。ここからは乃々さんが読んで下さい!」

乃々「は、はい…。えっと、一本取られてしまった時点で、負けた方は…、ね、ネコミミを装備…!?」

幸子「はい! こちらがそのネコミミになります!」

乃々「ま、待って欲しいんですけど!?」

幸子「続きを!」

乃々「う、うぅ…」

乃々「に、二本取られたらネコの尻尾、三本取られたら肉球グローブを付けます…」

幸子「こちらがその尻尾とグローブですね!」

乃々「そして、三本取られて負けてしまった方は、リスナー考案のにゃんにゃんボイスを撮り下ろして公式サイトで配布します…」

幸子「大盤振る舞いですね!」

乃々「なお、ラジオ終了時点の格好で記念撮影をし、ツイッター公式アカウントで公開を ――もりくぼ、もう帰っていいですか?」

幸子「ダメです!」

乃々「こんなのむーりぃー…!」

幸子「今から、リスナーの方へ、ボクか乃々さんに言って貰いたいにゃんにゃんボイスの募集をします! 奮ってご応募下さい! 一度に二人への要望もOKですよ!」

乃々「さ、幸子さん…! もりくぼの手を離して欲しいんですけど…!?」

幸子「じゃあ、逃げないで下さいね!」

乃々「むーりぃー…!!」

乃々「うぅ…。な、なんでこんな罰ゲーム…」

幸子「にゃん・にゃん・にゃんラジオの枠なのに、ネコ要素が薄いとの判断らしいです!」

乃々「もりくぼにネコ要素なんていらないんですけど…。もりくぼには貧弱で臆病なリスがお似合いです…。今すぐリスになって森に帰ります…」

幸子「では、始めますよ!」

幸子「まず、どちらから答えるか、じゃんけんで決めます」

幸子「じゃーんけーん…」

乃々「ぽい…」

幸子「えー。ボクがグーで乃々さんがチョキなので、乃々さんから回答です!」

乃々「い、一度も負けるわけにはいかないんですけど…!」

幸子「では、最初は…。カワイイボクこと『こしみずさちこ』から『こ』でスタートです! いきますよ!」

乃々「は、はい…!」

幸子「カワイイしりとり!」

パンパン

幸子「輿水幸子!」

パンパン

乃々「こ…、こ…。こぉ…。えっと…」

ブブーッ!

幸子「…乃々さん?」

乃々「きゅ、急にはむーりぃー…!」

幸子「ま、まさか一発目でとは…」

乃々「頭が、真っ白になって…」

幸子「な、なにはともあれ、まずはネコミミです! どうぞ!」

乃々「じ、慈悲を…」

幸子「それはスタッフさんに言って下さい! 無駄だと思いますけど!」

乃々「な、なんでもりくぼがこんな目にぃ…」

幸子「リスナーの方には見えないですが、乃々さんが今、ネコミミを付けました。顔が真っ赤ですね」

乃々「むーりぃー…」

幸子「因みに、これで乃々さんは番組終了後にネコミミを付けて写真を撮ることが決定しました!」

乃々「むーりぃー…!」

幸子「ではテンポ良く二戦目に行きましょう! 次は乃々さんからです! この勢いで勝ちますよ!」

乃々「えっと、次は『もりくぼのの』かららしいです…」

幸子「『の』ですね!」

乃々「では、カワイイしりとり…」

パンパン

乃々「森久保乃々」

パンパン

幸子「の、の…。の…、乃々さん!」

ブブーッ!

幸子「あ、あれぇ!?」

乃々「もりくぼは、可愛くなんてないですから…」

幸子「…ああ、普通に『ん』が付いてましたね」

乃々「そ、そもそも、人名はともかく、『さん』付けはダメなのでは…?」

幸子「うぅ…。た、確かに…」

幸子「というか、これ難易度高くないですか!? スタッフさんはテストプレイしました!?」

乃々「や、やっぱりこんなの中止に…。あ、ダメですか、はい…」

幸子「仕方がないですね。カワイイボクもネコミミを付けます!」

乃々「幸子さんはノーダメージみたいで、ずるい…」

幸子「カワイイボクでも人並みの羞恥心はあります!」

幸子「…コホン。気を取り直して、次に行きましょう!」

幸子「でも、その前にもう少しテンポ遅くしません…? ゆっくり目の手拍子で『パンッパンッパンッパン』くらいに?」

乃々「そ、その方が…。え、遅くして良いんですか…?」

幸子「じゃあ少しテンポを遅くして再開です! 次は『らじお』の『お』から!」

乃々「も、もう負けるわけには…!」

幸子「いきますよ! カワイイしりとり!」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「ラジオ!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「お、太田優」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「う、牛!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「し、し…、渋谷凛」

ブブーッ!

乃々「…あっ、『ん』が…」

幸子「二連続で『ん』で終わるしりとりも珍しいですね…」

乃々「うぅ…。最初のところで、岡崎さんとか乙倉さんにしておけば…。や、やっぱり、咄嗟に名前が出ない…」

幸子「というか乃々さん、アイドルの名前しか答えてないじゃないですか! 確かにカワイイもの縛りはクリアできますけど!」

乃々「最初にもりくぼの名前を出したのは、幸子さんですから…」

幸子「そ、そういえば…」

乃々「敬称略、です…」

幸子「とりあえず、ネコ尻尾をどうぞ!」

乃々「うぅ…。ほ、本当に付けないと…?」

幸子「はい!」

乃々「…はい、付けましたけど…。満足ですか、きちくスタッフさん…?」

幸子「なかなか似合ってますよ!」

乃々「全く嬉しくないんですけど…!」

幸子「さて、次で決着をつけますよ!」

乃々「も、もう後が無いんですけど…!」

幸子「次は『まいく』の『く』から、とのことです!」

乃々「は、はい…。では、いきます…。カワイイしりとり」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「マイク」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「く、クール・タチバナ!」

ブブーッ!

幸子「な、なんでですか!? アイドル名はOKなんですよね!?」

幸子「え? クール・タチバナはクールだから、カワイイしりとりではダメ?」

幸子「あれはどう考えてもキュートじゃないですか!! 営業妨害? どういうことですか!?」

乃々「も、もりくぼの勝ち、です…!」

幸子「な、なんだか納得がいきません!」

乃々「工藤忍さんとか、結構いるのに…」

幸子「と、咄嗟に浮かばなかったんです!」

幸子「仕方ないので、ボクもネコの尻尾を付けます。まあ、ネコミミとネコ尻尾姿のボクもカワイイですけどね!」

幸子「…やっぱりちょっと恥ずかしいですけど」

乃々「お互い、後が無いですね…」

幸子「この時点でボクも乃々さんも、写真を撮られたら十分恥ずかしい格好になっている気もしますが…。ボイスは阻止してみせます!」

乃々「最後のゲームは『すてーじ』の『じ』からです…」

幸子「そういえば、この場合は『し』もOKなんですか?」

乃々「OK、じゃないですかね…?」

幸子「わかりました! では、泣いても笑っても、最後のゲームです! いきますよ!」

幸子「カワイイしりとり!」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「ステージ!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「塩見周子」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「輿水幸子!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「こ、こ…、小早川紗枝」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「え、えー、衛藤美紗希!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「き、き、喜多日菜子」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「こ、小関麗奈!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「な…、中野有香」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「か、片桐早苗!」

パンッパンッパンッパンッ

乃々「え、え、海老原菜帆」

パンッパンッパンッパンッ

幸子「ほ、北条加蓮!」

ブブーッ!

幸子「…加蓮さん、『ん』が付いてましたね…」

乃々「か、勝った…。もりくぼは勝ちましたけど…!」

幸子「ま、まさか、このボクが負けるなんて…。しかも、カワイイしりとりで…」

乃々「…途中から、アイドル名しりとりになっていましたけど…」

幸子「こ、こんなはずでは…!」

乃々「…え? なんですか、スタッフさん…? も、もりくぼの、負け…?」

幸子「どういうことですか?」

乃々「な、中野有香さん…? 有香さんがどうしたんですか…?」

幸子「あっ! 『かわいい』に因んで『か』『わ』『い』の三文字もダメなんですよ!」

乃々「そ、そんなルール完全に無かったことになっていた気がするんですけど…!?」

幸子「とは言っても、ルールはルールですからね! フフーン! ボクの華麗な逆転勝ちです!」

乃々「あぅ…」

幸子「えー。では、乃々さんは番組終了後、にゃんにゃんボイスの収録です! 覚悟を決めておいて下さいね!」

乃々「け、けど、幸子さんも、『ん』がついて…」

幸子「乃々さんの負けが確定してからですから!」

乃々「――す、スタッフさん…? ど、どうしたんですか…?」

乃々「…さ、最後の一回は引き分けに、ですか…?」

幸子「ま、待って下さい! じゃあ罰ゲームはどうするんですか!?」

幸子「え? ふ、二人で収録!? そんな!?」

乃々「幸子さん…? こ、ここはもう諦めて、二人で収録しましょう…? 二人でやれば、恥ずかしさも半分かもしれません…」

幸子「そ、そんなの――」

乃々「お、お願いします…。一人でなんて、もりくぼ耐えられません…」

幸子「袖を引かないで下さい! 上目遣いで見ないで下さい! ちょっと涙を浮かべないで下さい!」

乃々「さ、幸子さん…。グスッ…」

幸子「も、もう! わかりましたよ! 一緒に恥ずかしいボイスを収録しましょう!」

乃々「あ、ありがとうございます…!」

幸子「うぅ…。どうしてこんなことに…?」

乃々「…あ。幸子さん、カンペが…」

幸子「えっと、ゲームが思ったより早めに終わってしまったので、とりあえずお便りでも読みますね! では、乃々さん!」

乃々「さ、埼玉県にお住まいの、にゃんこネーム『人間86年』さん22歳女性からです…」

乃々「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちは…」

幸子「こんにちは!」

乃々「こんにちは…」

乃々「今日のにゃん・にゃん・にゃんラジオは幸子ちゃんと乃々ちゃんがパーソナリティと聞いて、飛んできました…」

幸子「ボクのファンの方ですかね! わざわざ偉いです! フフーン!」

乃々「あ、そうみたいです…。続き読みますね…」

乃々「142'sの新譜、買いましたよ…。イベント当選を願って、人生初の複数枚買いです…」

幸子「ありがとうございます! 是非とも当てて、生輿水幸子を見に来て下さいね!」

乃々「乃々ちゃんの朗読会のチケットも購入するつもりです…。参加できるように、チケット争奪戦、頑張ります…」

乃々「いえ、争奪戦なんて起きないですから…。それより、もりくぼの朗読会に行くくらいなら、幸子さんたちのCDをもっと買って応募をした方が…」

幸子「なるほど。ボクと乃々さん両方のファンでしたか!」

乃々「142'sの新譜に乃々ちゃんのイベントで、今月は財布の中がピンチで、嬉しい悲鳴を上げています…」

乃々「142'sのイベントの当落と、乃々ちゃんの朗読会のチケットの発売日を、今から心待ちにしていますね…」

乃々「早く、この目で直接幸子ちゃんと生乃々ちゃんを見たいです…」

乃々「…あの、もりくぼにそんなにお金掛けないで下さい…。凄い申し訳ないです…」

幸子「カワイイボクに入れ込むのは仕方ないですけど、身体には気を付けて下さいね!」

乃々「次のお便りです…。ラジオネーム『今年スマホ3回喪失マン』さん26歳男性からのお便りです…」

乃々「ラジオネームの通りです…。大好きなカワイイ幸子ちゃん、励まして下さい…」

幸子「カワイイボクの顔を見て元気出して下さい! 生きていれば良い事ありますから!」

乃々「ラジオなんですけど…」

幸子「じゃあ、カワイイボクの声を聴いて元気を出して下さい!」

乃々「つ、次…。ラジオネーム『水漏れ水筒』さん23歳男性からのお便りです…」

乃々「この間の142'sライブ、参戦しました…。曲は勿論、毎度のことながら三人の掛け合いのMCが素晴らしかったです…」

乃々「小梅ちゃんの怖い話からの輝子ちゃんのシャウト、幸子ちゃんのツッコミの流れは、何度見ても笑ってしまいます…」

幸子「ボク的にはアレ止めたいのですがね! なんか知りませんが、気付くと毎回あの流れになっています!」

乃々「ど、どんなMCしているんですか…?」

幸子「こればかりは実際に見て下さい、としか」

乃々「次はCDでの購入者特典イベントですね…。応募しましたが、無事当選するか不安です…」

乃々「幸子ちゃんの出るライブは毎回とても楽しいので、もっともっとライブ会場で生幸子ちゃんを見る機会が欲しいです…」

幸子「そうですねぇ…。ボクももっとライブやりたいですね!」

乃々「も、もりくぼのライブへの出演権なら喜んで譲りますけど…」

幸子「そんな事したら乃々さんのファンに怒られそうです!」

乃々「そ、そんなことは…」

幸子「あ。なにかの準備が整ったみたいですね! どうしたんでしょう?」

幸子「ちょっと待って下さい!」

乃々「待って下さい…」

幸子「…えっと。只今をもって、ボクと乃々さんに言って欲しいにゃんにゃんボイスの受け付けを終了させて頂きます! はい、どうぞ乃々さん!」

乃々「さ、幸子さん…? もりくぼの前に置かれたこの紙束はまさか…」

幸子「沢山のご応募、ありがとうございます!」

乃々「あぅ…。酷いいぢめです…。リスナーはみんな敵でした…」

幸子「あ、乃々さんの方に置いたのはボクへ送られた候補ですね! ボクが持っているのが乃々さんのです!」

乃々「どっちにしても、多すぎるんですけど…。精々、2通3通くらいかと…」

幸子「これから、ボクが乃々さんの、乃々さんがボクの収録するセリフを選びます!」

乃々「も、もりくぼが、幸子さんが読むセリフを選ぶんですか…?」

幸子「はい!」

乃々「…幸子さん? こ、ここはお互いに無難な――」

幸子「因みに、スタッフさんたちがよりカワイく恥ずかしいと思った方のセリフをよりプッシュして配信するそうですよ!」

乃々「これは本気で恥ずかしいセリフを選ばないといけません…」

幸子「一瞬で勝ちを取りに行きましたね! でも、ボクもだって恥ずかしいものは恥ずかしいんです! 負けるつもりはありません!」

幸子「うーん。やっぱりここは『乃々にゃん』は外せないですね…」

乃々「そ、それはご勘弁を…」

幸子「あ、この『ラヴリー乃々にゃん』って一節は良いですね! これ候補に入れておきましょう!」

乃々「ヒィッ!?」

幸子「乃々さんはどんなの選んでいますか?」

乃々「さ、幸子さんへの応募、『いぢめて下さい』的なニュアンスのセリフが多くて…。輿水幸子ファンの闇ぃ…」

幸子「ボク、ファンの方たちからそんな目で見られていたんですか!?」

乃々「こ、この『いっぱいいっぱい虐めて欲しいにゃん』ってのは…」

幸子「ら、ラジオが終わったら、ボクの路線について上役と相談させていただきます」

乃々「私に来たのは、どんな感じですか…?」

幸子「やっぱり被虐的なのが多いですね!」

乃々「もりくぼも路線変更、したいです…。いえ、むしろ脱線…。アイドル街道から…」

幸子「うーん…。しかし、これだけあると迷いますね…」

乃々「デレデレに甘えるタイプのセリフの方が、ダメージが…」

幸子「…ボクたちの敵はスタッフさんたちですからね? 全力でボクを殺しに来ないで下さい」

乃々「こ、ここで負けるわけには…」

幸子「その熱意をアイドル活動にも向けましょう!」

乃々「…やっぱり、これが良いかもしれません…。幸子さんに読んで貰うセリフは、これにします…」

幸子「決まりましたか? じゃあ、少し待っていて下さい!」

乃々「お、お手柔らかに…」

幸子「そうですね…。ここはあまり捻ったモノよりも、スタンダードにカワイイセリフの方が良いかもしれないですね…」

幸子「はい。ボクも決めましたよ!」

乃々「こ、これでどうするんですか…?」

幸子「えー。お互いの紙を交換します」

乃々「はい、どうぞ…」

幸子「では、順番に収録するにゃんにゃんボイスを発表します!」

乃々「うぅ…」

幸子「どれどれ…。ボクが読むセリフは、滋賀県在住のにゃんこネーム『シャーペンの消しゴム』さん18歳男性からのご応募で」


幸子『気まぐれでカワイイ仔ネコのさちにゃんですよ! ほら、もっと撫でて、構ってくれてもいいんですよ?』


幸子「……」

乃々「……」

幸子「選考理由を…」

乃々「ね、熱意…?」

幸子「た、確かに凄い熱意を感じます…。演技指導まで書かれていますからね!」

幸子「なになに…? 最初の『気まぐれでカワイイ仔ネコのさちにゃんですよ!』はハイテンションで楽しそうに、大好きな飼い主の足元にじゃれつくイメージで」

幸子「その後、伏目がちな声色で徐々にトーンを落としながら、『構ってくれても』のあとに一拍置き、『いいんですよ?』は上目遣いでちょっと寂しそうな感じにして下さい」

幸子「とのことです! もう、どれだけボクの事が好きなんですかね!」

乃々「さ、流石にちょっとだけこわいです…」

幸子「まあ、ありがたいことですよ! でも、収録が大変そうですね」

幸子「続いては、乃々さんの読むセリフの発表です! どうぞ!」

乃々「こ、高知県にお住まいのにゃんこネーム『サーモン風味』さん20歳女性からの応募です…。よ、読みます…」


乃々『乃々にゃんにゃ。ご主人様、寂しくないように、いっぱいいーっぱいナデナデして欲しいにゃ』


乃々「……」

幸子「……」

乃々「せ、選考理由を…」

幸子「虐める方向のもいっぱいありましたけど、こういう甘える方向のものも良いかな、と。全力で甘えた声を出して下さいね!」

乃々「こ、こんなのむーりぃー…」

幸子「はい。そんなわけで、番組終了後ににゃんにゃんボイスの収録が行われますから、今晩には公式ホームページにアップロードされるはずです!」

幸子「ボクと乃々さんのカワイイボイスをお楽しみに!」

乃々「むーりぃー…!」

―CM―

―CM開け―

幸子「東京都にお住まいのにゃんこネーム『透過処理済み日傘』さん15歳女性からのお便りです!」

幸子「この度、私に妹ができることになりました!」

乃々「おめでとうございます…」

幸子「おめでとうございます! えっと、私は一人っ子でずっとずっと下の兄弟が欲しいと思っていたのですが、私ももう15歳。すっかり諦めていたので、とても嬉しいです!」

幸子「幸子ちゃんと乃々ちゃんはご兄弟はいますか? あと、下に兄弟ができるとしたら、弟か妹のどっちが欲しいですか?」

乃々「もりくぼは一人っ子ですけど…」

幸子「ボクもですね! こんなにカワイイボクが一人っ子で、パパもママもボクを物凄いカワイがってくれました!」

乃々「幸子さんは、どっちが欲しいですか…?」

幸子「うーん…。正直、いまさら年下の兄弟が出来ても困るという気持ちもありますね…」

幸子「それに、下の兄弟ができると、パパもママもそっちに付きっ切りになってしまうでしょうし、それはちょっと寂しい気もします!」

幸子「乃々さんはどうですか?」

乃々「もりくぼは…。どちらかと言うと、お姉さんが欲しかったです…」

幸子「お姉さん、ですか?」

乃々「はい…。優しくて、甘えさせてくれて、守ってくれるようなお姉さんが…」

幸子「まゆさんみたいな人ですかね?」

乃々「ま、まあ、その…。ま、周りに年上の方は沢山いますけど、親しい人だとまゆさんくらいなので…。そういうイメージに…」

幸子「えっ?」

乃々「えっ…?」

乃々「も、もりくぼ、何か変な事を言いましたか…?」

幸子「いえ、その…。輝子さんは…? 一つ上ですよね?」

乃々「あっ…」

幸子「……」

乃々「……」

乃々「こ、この事はどうかご内密に…」

幸子「別に良いですけど、多分輝子さんも聴いていますよ、これ? ボクと乃々さんが出演すると番組が始まる前に連絡しておいたので!」

乃々「え、えっと、これは違うんですけど…! しょ、輝子さんは…、お姉さんというよりも、お友達なので…」

幸子「因みに、まゆさんにも連絡はしておいたので!」

乃々「め、滅茶苦茶恥ずかしいんですけどっ!」

幸子「しかし、今から生まれるという前提が無いなら話は別ですね!」

乃々「や、やっぱり欲しいんですか…?」

幸子「そうですねぇ…。小梅さんを見てると、妹がいたらこんな感じかもしれないと思うことがありますね!」

乃々「ああ…。なんとなくわかる気がします…」

幸子「なんというか、こう…。進んで面倒を見たいというか、もっと頼って欲しいというか、そんな感じです!」

幸子「そういう点から考えると、乃々さんもなかなか妹ポイント高いですよ!」

乃々「も、もりくぼがですか…!?」

幸子「はい! ちょっと試しに『幸子お姉ちゃん』って呼んでみて下さいよ!」

乃々「えぇ…?」

幸子「ほらほら! 遠慮しないで!」

乃々「さ、幸子、お姉ちゃん…?」

幸子「……」

乃々「……」

幸子「……」

乃々「ど、どうしたんですか?」

幸子「いえ。思ったよりも良くなかったんで…。もっとキュンと来るものなのかと…」

乃々「そもそも、私8月生まれですし…。幸子さんより、早生まれ…」

幸子「そういえばそうでしたね! 乃々お姉ちゃん!」

乃々「や、やめて欲しいんですけど…!?」

乃々「こんな大きな妹はむーりぃー…!」

幸子「次が時間的に最後のメッセージですかね。東京都にお住まいのにゃんこネーム『鯛茶漬け』さん19歳からのお便りです!」

幸子「幸子ちゃん、乃々ちゃん、こんにちにゃん!」

乃々「こんにちにゃん…」

幸子「こんにちにゃん、です! お二人のラジオ、とても楽しく聴かせています!」

幸子「普段はにゃん・にゃん・にゃんラジオを聴いていますが、お二人の掛け合いも面白いです! 今回限りで終わってしまうのは惜しいので、またどこかで開催して欲しいな、なんて思っています!」

幸子「ただ、今度放送される時は、もっと告知を早くしてもらいたいですね。そうしたらすぐに駆けつけます! とのことです」

幸子「嬉しい事を言ってくれますね! どうです、乃々さん?」

乃々「もりくぼにラジオなんて無理なんですけど…」

幸子「こんな感じで乃々さんの方が乗り気ではないので、二回目は無理かもしれませんね!」

幸子「まあ、聴けた人はラッキーな、今日限りの放送ということです!」

幸子「さて、にゃん・にゃん・にゃんラジオ特別版も、そろそろ終わりのお時間が近付いてきました! 長いようで短い30分でしたね!」

乃々「な、長かったです…。間違いなく…」

幸子「ここまで終えて、感想はどうです、乃々さん?」

乃々「もりくぼにしては、頑張ったと思います…。これ以上は求めないで下さい…」

幸子「乃々さんもなかなか喋れていましたよ!」

乃々「さ、幸子さんはどうでしたか…?」

幸子「ボクのカワイさが伝わった30分だったと思います!」

乃々「あ、はい…。そうですね…」

幸子「最後に再び告知のコーナーです! ボクがリーダーを務めるユニット『カワイイボクと142's』のニューシングル発売を記念したイベントが開催されます!」

幸子「DVD付き特装版に付属しているハガキから応募できますので、忘れずに応募して下さいね! まだ買っていない人は今すぐお店にダッシュです!」

乃々「あ、あの…。もりくぼの二回目の絵本朗読会が開催されてしまいます…。チケットは来週の水曜日から発売開始ですが、別に買わなくても――」

幸子「乃々さんのファンは絶対購入ですよ!」

乃々「あうぅ…」

幸子「そんなわけで、とうとうお別れのお時間です! カワイイボクと乃々さんのラジオ、名残惜しいですよね、皆さん!」

乃々「よ、ようやく帰れるんですけど…!」

幸子「終わったら肉球グローブも付けて撮影をした後、ボイスの収録ですよ!」

乃々「うぅ…。き、記憶から消していたのにぃ…!」

幸子「さて、今日のラジオは、カワイイボクこと輿水幸子と!」

乃々「別にカワイくなんてない森久保乃々がお送りしました…」

幸子「では皆さん、さようなら!」

乃々「森久保は、ダッシュで逃げます…」

幸子「ダメですよ!」

乃々「ヒィッ!? さ、幸子さん、手を離し――」

―徐々にフェードアウトしていくBGM―

その後、ラジオの公式ツイッターアカウントに、幸子と乃々がネコミミとネコ尻尾、肉球グローブを付けた写真がアップロードされた。

若干頬を染めながらもドヤ顔をする幸子と、顔を真っ赤にし涙目で必死にカメラから目を逸らす乃々の二人がネコのポーズを取っているツーショットは、ファンの加虐心を盛大に煽り、公開から1時間で1万リツイートを突破した。

また、それに伴い撮り下ろしボイスのダウンロードも急増することとなり、ダウンロード数を知った乃々は事務所の机の下で、生まれてから一番大きな声で悲鳴を上げた。

おわり。HTML化依頼してきます。
とりあえず、我ながら、やりたかった事をとにかく詰め込んだ感が凄い。
今度は142'sとインディヴィの話を書きたい。幸子と美玲が主導権争いで精神年齢低めのケンカをして、横から小梅がホラー要素をぶっ込み、輝子が唐突にシャウトを上げ、森久保が涙目で逃げ出すような、個性の玉突き事故みたいな話を。

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