佐倉「野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……野崎くん……」
佐倉「野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん」
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佐倉「……はっ!!」
佐倉「ダメだよ私……もう直ぐテストなのに野崎くんのことばっかり考えてる……」
佐倉「ここはちゃんと気持ちを切り替えて……勉強に集中しなきゃね!!」
佐倉「……」
佐倉「野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん……」
別の日
佐倉「……」ベタベタ
御子柴「野崎、花描き終わったぜ」
野崎「ありがとう御子柴」
野崎「それにしても……相変わらずお前の描く花は綺麗だな。 本当に助かる」
佐倉「!!」
御子柴「へっ……綺麗なやつが描くと花も綺麗になるってことだな」
野崎「じゃあ次はここに頼む」
御子柴「お、おう///」
佐倉「……」
野崎「……佐倉、どうしたんだ?」
佐倉「な、なんでもないよ!!」
帰り道
佐倉「ねぇみこりん」
御子柴「なんだよ?」
佐倉「……私に花の描き方、教えてくれる?」
御子柴「花か? 別にいいけど……なんでだ?」
佐倉「私、もっと野崎くんの役に立ちたいの!!」
御子柴「ああ、そういうことか……確かに花も描けるようになったら野崎にも褒められるかもしれねぇな」
佐倉「でしょ!? ……いいかな?」
御子柴「……この俺が教えてやるぜ……花の描き方だけじゃねえ……恋の仕方もな」
佐倉「ありがとうみこりん!! じゃあまた今度ね!!」
御子柴「///」
別の日
堀「背景描き終わったぞ」
野崎「ありがとうございます堀先輩。 いつも助かってます……それにしても綺麗な背景ですね」
佐倉「!!!」
堀「漫画家で背景描けないってのは致命的だぞ……精進しろよ」
野崎「はい」
若松「トーン貼り終わりましたよ!!」
野崎「ありがとう若松。 お前も大分トーンを貼るのが上手くなったな」
佐倉「!!!」
若松「はいっ!! ありがとうございます!!」
佐倉「……」
野崎「……佐倉、どうしたんだ?」
佐倉「な、なんでもないよ!!」
帰り道
佐倉「……二人に頼みたいことがあるんだけど……」
堀「頼みたいこと?」
若松「なんですか?」
佐倉「……私に背景の描き方とトーンの貼り方を教えてください!!」
堀「佐倉……急にどうしたんだ?」
佐倉「私、ベタだけじゃダメなんです!! それ以外もできるようにならないと……」
佐倉「野崎くんの為にも……なんでもできるようになりたいんです!!」
若松「佐倉先輩……」
堀「……普通そう思うのは野崎なんだけどな」
佐倉「ダメ……ですか?」
堀「……まあお前のその思いを踏みにじるわけにもいかないしな……俺は構わねえよ」
若松「俺もいいですよ!!」
佐倉「良かった……じゃあまた今度教えてください!!!」
堀「ああ」
佐倉「じゃあ私はこれで!! お休みなさい!!」ダッ
堀「ああ、お休み」
若松「お休みなさい!」
若松「佐倉先輩……凄い向上心の持ち主ですね」
堀「そうだな」
堀(まぁ好きな人の為だしな)
堀(確かになんでもできるようになれば野崎も喜ぶだろうしな)
佐倉「……」
佐倉「私が花も……背景も……トーンもできるようになれば……」
佐倉「私だけで十分になる……」
佐倉「そうすれば……三人が来る必要がなくなる……」
佐倉「私だけ……野崎くんといられる!!」
佐倉「みこりんが褒められてる時も……堀先輩が褒められてる時も……若松くんが褒められてる時も……変な気持ちになった……」
佐倉「……」
佐倉「野崎くん……私だけ見て欲しいな……私とだけしか話さないで欲しいな……私だけ褒めて欲しいな……」
佐倉「野崎くん……野崎くん……」
佐倉「野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん野崎くん」
佐倉「……っは!!」
佐倉「いけない私!! 危ない橋を渡ろうとしてた!!」
佐倉「……」
佐倉「そうだ、ここは携帯でも見て……」
佐倉「……」
佐倉「……私が保存してる画像、全部野崎くんだぁ///」
佐倉「これは去年の運動会の時の……これは掃除してる時の……」
佐倉「……!!」
佐倉「結月と鹿島くんと一緒に撮った写真だ……」
佐倉「……」
ピッ
『削除しました』
佐倉「ごめんね二人とも……二人のことは嫌いじゃないよ?」
佐倉「でもね……今の私は野崎くんとだけいたいの……」
佐倉「……」
ガサゴソ……
佐倉「……野崎くんの髪の毛///」
佐倉「……見てるだけで幸せになれるなぁ///」
佐倉「……」
佐倉「次はどこの毛を集めようかなぁ……」
その後
佐倉「野崎くん!! ベタ終わったよ!!」
野崎「ありがとう佐倉」
佐倉「花描いたよ!!」
野崎「凄いな佐倉!」
佐倉「背景描いたよ!!」
野崎「助かる佐倉!!」
佐倉「トーン貼ったよ!!」
野崎「俺も見習わなきゃいけないな……」
佐倉「みこりん!! 本当にありがとう!!」
御子柴「へっ……先輩として当然のことをしたまでだぜ」
佐倉「私が花を描けるようになったってことは……みこりん、ギャルゲーに集中できるね!!」
御子柴「ギャルゲー……?」
佐倉「うん!! 野崎くんのアシスタントがあってゲームができないってことがこれからはないよ!!」
御子柴「まぁ……確かにそうだな」
佐倉「これからは思う存分ギャルゲーを楽しんでね!!」ニコッ
御子柴「お、おう……」
佐倉「堀先輩!! 背景の描き方、教えてくれてありがとうございました!!」
堀「いや、お礼を言うのは俺の方だな。 お前の背景は参考になったからな」
佐倉「私が背景を描けるようになったから……堀先輩、部活に集中できますよ!!」
堀「……まあ確かに背景の心配をする必要はないな」
佐倉「だからこれからは思う存分部活頑張ってください!! 鹿島くんも喜びます!!」
堀「佐倉……お前まさか……俺の為に?」
佐倉「はいっ!!」ニコッ
堀「……ありがとな。 鹿島もお前ぐらい真面目でいい奴だったらな……」
佐倉「若松くんのお陰でトーン、完璧に貼れるようになったよ!! ありがとう!!」
若松「そんな……俺はただやり方を教えただけですよ」
佐倉「私がトーンを貼れるようになったから……部活に集中できるよ!!」
若松「そういえば……確かにそうですね」
佐倉「最近、バスケ部が夜遅くまで練習してるって結月が言ってたよ!! 試合が近いの?」
若松「はい……実はもうすぐ……」
佐倉「でしょ? だから若松くんは練習に集中して!! その間、私がトーン貼るから!!」ニコッ
若松「さ、佐倉先輩……」ジーン
若松「……ありがとうございます!!」
若松「……佐倉先輩って……本当に瀬尾先輩の友達なんですか?」
佐倉「うん! 友達だよ!!」
若松「なんであの瀬尾先輩の性格でこんなにいい人と友達なれるんだ……?」
佐倉「もー若松くんったらー……」
佐倉「野崎くん、終わったよ!!」
野崎「ありがとう佐倉……まさかここまでやってくれるとは」
佐倉「うん! みこりんも堀先輩も若松くんもいなくても大丈夫!!」
佐倉「だって……私がいるもん!!」
野崎「佐倉……」
野崎(俺は……いい友達を持った)
ある日の学校、昼休み
佐倉(野崎くんどこかなー♪)ルンルン
佐倉「……!!!」
野崎「とりあえずこの弁当食べてくれ」
御子柴「またかよお前……」
御子柴「……相変わらずうめえな」
野崎「!!」パァァ
佐倉「……」
佐倉(野崎くん見失っちゃった……どこだろう)
佐倉「……!!!」
野崎「台本……こんな感じでいいですか?」
堀「ああ、ありがとな」
佐倉「……」
放課後
佐倉(野崎くん野崎くん……)キョロキョロ
佐倉「……!!!」
野崎「今日もマネージャーやらせてくれ」
若松「いいですよ!!……できればバスケやってほしいですけど……」
佐倉「……」
次の日
御子柴「佐倉のやつ……俺を屋上に呼ぶなんて……」
御子柴「……一体何考えてんだ?」
ガチャッ
御子柴「……!!」
若松「御子柴先輩!!」
堀「もしかして……お前も佐倉に呼ばれたのか?」
御子柴「堀先輩……若松……」
佐倉「……全員来たね」
若松「佐倉先輩……要件はなんですか? 決闘ですか?」
堀「いや、それはねぇだろ」
佐倉「……私からお願いがあるの」
御子柴「お願い?」
佐倉「……野崎くんと距離を置いてほしいの」
御子柴「佐倉……どういうことだよ?」
佐倉「私ね……野崎くんのことが好きなの」
若松「ええっ!? そうだったんですか!?」
堀「なんだよ若松、知らなかったのか?」
若松「は、はい……」
佐倉「三人は……私の恋、応援してる?」
御子柴「当たり前だろ」
佐倉「だったら……私はもっと野崎くんといるべきだよね?」
堀「……佐倉?」
佐倉「私、ずっと野崎くんといたいから……ほかの人と一緒にいてほしくないから……」
若松「も、もしかして……野崎先輩に近づかないでほしいってことですか?」
佐倉「うん」
御子柴「佐倉……」
堀(独占欲がすげえな……)
御子柴「……まあ確かに一緒にいる時間も多かったら距離ももっと縮むだろうしな」
佐倉「でしょ?」
堀「じゃあ……俺らも野崎を佐倉と一緒にいるように催促させる方がいいのか?」
佐倉「いいですねそれ!!」
若松「野崎先輩が部活に来なくなるのは悲しいですけど……佐倉先輩と野崎先輩が結ばれる為ですもんね」
佐倉「じゃあ三人とも……いいかな?」
御子柴「おう」
佐倉「よかった!! ありがとう!! じゃあ私、野崎くんに会いに行ってくるね!!」
堀「ああ、頑張れよ」
バタン!!
若松「佐倉先輩のためにも野崎先輩と一緒にいないようにしないといけませんね……」
御子柴「……」
堀「……御子柴?」
御子柴「なんか今の佐倉……すげえ怖かったんすけど……」
その後
野崎「御子柴、この間のフィギュアの話なんだが……」
御子柴「わ、わりぃ!! 後でな!!」ダッ
野崎「……?」
佐倉「野崎くーん!!」
野崎「! 佐倉か……」
佐倉「あのね、実は昨日……」
野崎「堀先輩、台本なんですけど……」
堀「ああ……それならこの間のでOKだ」
野崎「えっ……本当にあれでよかったんですか?」
堀「ああ……それよりも佐倉が探してたぞ」
野崎「佐倉が……?」
佐倉「野崎くーん!!」
野崎「佐倉……」
野崎「……部活に来ないでほしい?」
若松「はい……もうすぐ試合だから集中したくて……すみません」
野崎「……確かに部員じゃない人がいると邪魔だな。 悪かった」
瀬尾「シュート!!」ブン!!
若松「ぐほっ!!」
野崎「……瀬尾は俺一人ではどうしようもない。 すまない」
佐倉「野崎くん!! 一緒に帰ろう!!」
野崎「ああ、そうだな」
佐倉「背景描いたよ!!」
野崎「ありがとう……佐倉にはいつも助けられてばかりだ」
佐倉「そ、そんな〜///」
野崎「……佐倉」
佐倉「?」
野崎「相談があるんだが……いいか?」
佐倉「!!」
佐倉(の、野崎くんが……私に相談!?)
佐倉「わ、私でよかったらなんでも言って!!」
野崎「ありがとう……実はな」
佐倉「『実は』……?」
野崎「……御子柴達に避けられてる気がするんだ」
佐倉「!!」
野崎「堀先輩も……若松も……話しかけようとすると用事を作ってどこかに行ってしまうんだ」
佐倉「……」
野崎「俺は何か……嫌われるようなことをしただろうか」
佐倉「……ねぇ野崎くん」
野崎「なんだ?」
佐倉「野崎くんは……みこりん達が離れると寂しい?」
野崎「俺か? 確かにそうだな……友達だしな」
佐倉「……」
野崎「……佐倉?」
佐倉「……大丈夫だよ!! 野崎くんは何も悪いことしてないよ!! 私が保証する!!」
佐倉「きっと誤解だと思うよ!!」
野崎「佐倉……ありがとう」
野崎「お前がそう言ってくれたお陰で少し楽になった気がする」
佐倉「ならよかった!!」
その後
御子柴「佐倉がまた俺達を屋上に呼び出すなんて……」
若松「今度はなんなんですかね……」
堀「まぁ野崎関連なのは間違いないよな……」
ガチャッ
御子柴「来たぞ佐倉」
佐倉「よかった!! ちゃんと来てくれて……」
若松「話って……一体なんですか?」
佐倉「……」
堀「……?」
佐倉「……ごめんなさい」
御子柴「??」
佐倉「……っていうことがあったの」
御子柴「……俺達が避けすぎた結果、野崎が不安になったってことか」
佐倉「うん……私、自分のことしか考えてなかった……」
佐倉「私にとっては野崎くん以外どうでもいいけど……野崎くんにとってはみんなが大切なんだって気づいたんだ」
御子柴「さらっとひでえこと言ったな今」
若松「佐倉先輩……」
堀「じゃあ俺達はいつも通り野崎と話していいってことか?」
佐倉「はいっ!!……本当に迷惑をかけてすみませんでした」
若松「そ、そんなっ!! 俺は全然気にしてないですよ!!」
御子柴「……お前危うくヤンデレヒロインになるところだったぞ」
佐倉「……ふう」
佐倉「これでなんとか野崎くんも元気を取り戻せるはず!!」
佐倉「……」
佐倉「……でもやっぱり嫌だなぁ」
佐倉「野崎くんと……ずっと一緒にいたい……」
佐倉「……そうだ!!」
その後
野崎(あれから御子柴達も普通に接してくれるようになったしアシスタントにも来るようになった)
野崎(俺の思い過ごしだったのだろうか)
野崎(それより昨日は御子柴と徹夜でギャルゲーをした所為で頭が痛いな……)
佐倉「野崎くーん!! おはよー!!」
野崎「佐倉か……おはよう」
佐倉「野崎くん、昨日はギャルゲーは面白かった?」
野崎「!!……なんでそれを知ってるんだ?」
佐倉「えへへー……内緒!!」
佐倉「……あっ!! ごめん!! 今日日直だから早く行くね!!」ダッ
野崎「あ、ああ……」
野崎「……」
野崎(御子柴にでも聞いたのだろうか)
佐倉「……」
佐倉(高かったけど……買ってよかったなぁ……)
佐倉(……盗聴器)
佐倉(これがあれば……私はどこにいても野崎くんの声を聞ける!!)
佐倉(野崎くん……私はずっと野崎くんの側にいるからね?)
〜終わり〜
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