チノ「早く俺さん来ないかな」 ココア「チノちゃんに俺さんは渡さないよ!」 (135)

チノ「渡さないってなんですか? 俺さんはココアさんのじゃありませんよ」

ココア「俺さんは私のものになるんだからいいの」

チノ「なりません!」

ココア「絶対私のものにするもん!」

リゼ「なんだ? 喧嘩か?」

ココア「あっ、リゼちゃん! 今ね、どっちが俺さんの彼女になるか話してたの」

チノ「別にそんな話してないです///」

リゼ「なっ!? 俺さんはココアにもチノにも渡さないぞ!」

チノ「リゼさんまで……」

ココア「リゼちゃんにも負けないんだから」

カランカラン

俺「うーっす!」

ココア チノ リゼ 「「「俺さん!」」」

チノ「待ってましたよ。ここに座ってください」

俺「あぁ、ありがとう」

ココア「俺さんがチノちゃんの隣に! チノちゃんずるい。」

リゼ「こら、チノ。抜け駆けなんてズルいぞ」

チノ「俺さん」

俺「どうしたんだチノちゃん?」

チノ「い、いえ。なんでもないです///」

ココア「なんでもないならそこどいてよ!」

チノ「嫌です。 ココアさんはリゼさんと仕事しててください」

ココア「人も全然いないしいいじゃん!」

リゼ「チノも仕事しろよ!」

チノ「ココアさんは頼れるしっかり者のお姉ちゃんなので私がやらなくても大丈夫です」

ココア「こういう時だけズルいよ」

チノ「そういうことなので二人で頑張ってください」

リゼ「はぁ……俺さんからチノに何か言ってやってください」

俺「チノちゃんダメじゃないか。ちゃんと仕事しなくちゃ」

チノ「ご、ごめんなさい」

俺「仕事終わったらご褒美あげるから」

チノ「本当ですか? 約束ですよ俺さん」

俺「あぁ、約束する」

ココア「チノちゃんばっかりズルいよ! 私にもご褒美ちょうだい」

リゼ「私もほしい……です」

俺「わかったよ! みんなにもあげるから」

─2時間─

チノ「終わりましたね」

ココア「ご褒美ご褒美」

リゼ(何もらえるのかな……俺さんからもらえるならなんでもいいけど)

俺「みんなお疲れ。がんばったね」

ココア「俺さん、ご褒美ってなにくれるの?」

俺「何がほしい? なんでもリクエストしてくれ」

ココア「なんでもいいの? じゃあ、彼女にして!」

俺「ごめんねココアちゃん。それはできないかな」

ココア「えぇ……なんでもって言ったじゃん」

俺「悪かったよ」

チノ「私、俺さんとデートしたいです」

俺「デートねわかった」

リゼ「じゃあ、私もデートで」

チノ「リゼさん真似しないでください」

リゼ「いいだろ別に真似したって」

ココア「それなら私もデートにする」

チノ「ココアさんまで」

俺「みんなデートか。それなら4人ででかけよう! その方が楽しいし」

チノ「何もわかっていませんね」

リゼ「まったくだ」

俺「え?」

チノ「いえ、なんでもありません。楽しみにしてます」

ココア「デート! デート!」

俺「そうだ、もう時間だから帰るね」

チノ「もう帰っちゃうんですか?」

俺「また明日も来るからさ」

チノ「はい……」

ココア「俺さんバイバイ」

リゼ「俺さんまた」

俺「ふぅ……」

タカヒロ「俺君、今日も助かったよ。これは今日の分だ」スッ

俺「ありがとうございます。……って10万円!? こんなにいいんですか?」

タカヒロ「あぁ、受け取ってくれ。君が来てからチノ達もよく働くようになったし笑顔も増えた」

タカヒロ「君のおかげさ。それにデートに行くんだろ?」

俺「えぇ、まぁ」

タカヒロ「ふっ……楽しんできなさい」

俺「はい」

チノ(そういうことだったんですね……)

カランカラン

俺「うーっす!」

リゼ「俺さん遅かったですね」

ココア「俺さん待ってました」

俺「遅れてごめん」

チノ「……」

リゼ「どうしたんだチノ? 早く来いよ」

チノ「大丈夫です。今、行きますよ……」

俺「デートどこに行こうか一緒に決めようと思うんだけど」

チノ「……俺さん、私たちに何か隠し事していませんか?」

俺「え? そんなことあるわけないじゃないか」

チノ「そうですか……残念です」オボンバシィ

俺「ッ!?」バタッ

リゼ「おい、チノ! 何してるんだ」

ココア「俺さん、大丈夫!?ユサユサ

ガチャ

タカヒロ「……俺君……くそっ……遅かったか」チマミレー

リゼ「おじさん!? 血まみれじゃないですか!?」

ココア「なにがどうなってるの!?」

チノ「私がやりました。俺さんが悪いんですよ」

タカヒロ「まさか……ここまで俺君に惚れていたとは思わなかったよ」チマミレー

リゼ「チノ、なんでこんなことしたんだ」

チノ「……私昨日見たんです。父と俺さんが会ってるところを」

チノ「そして、私たちをもっと働かせる為に父がお金を俺さんに渡しているところを」

ココア「そんな」

リゼ「なんだって!?」

タカヒロ「見られていたとは……迂闊だった」チマミレー

チノ「ココアさん、リゼさん手伝ってください」

ココア「え?」

リゼ「な、なにを」

チノ「今から俺さんを監禁します」

タカヒロ「バカな真似はよせ」チマミレー

チノ「クズは黙っててください」オボンバシィ

タカヒロ「くっ……」バタン

ココア「チノちゃんもうやめてー!」

リゼ「そんなことして何の意味があるんだ」

チノ「私がいないと生きていけないように俺さんを調教するんですよ」

ココア「チノちゃん怖い」

リゼ「ココア逃げるぞ」

チノ「遅いです」オボンペチィ

ココア「」バタン

リゼ「くぅ……」フラフラ

チノ「さすがリゼさんです。これなら手加減する必要なかったですね」

リゼ「チノ……」バタン

チノ「大人しく手伝ってればよかったのに」

チノ「さて、連れて行きますかね」ヒキズリー

俺「うっ……」

リゼ「目が覚めましたか俺さん」

ココア「よかったぁ」

俺「リゼちゃんにココアちゃん、それにタカヒロさん!?」

俺「血まみれじゃないですか」

タカヒロ「」チマミレー

俺「なんてことを」

俺「とにかくロープをほどいてここから脱出しないと」

チノ「よけいなことはしない方がいいですよ」

俺「チノちゃん……こんなことはやめるんだ」

チノ「俺さんがいけないんですよ」オボンバシィ

チノ「父からお金もらって私たちに近づいて」オボンバシィ

俺「うくっ、わ、悪かったよ」

チノ「私の心を弄んで」オボンバシィ

チノ「私のこと好きですよね?」オボンバシィバシィバシィ

チノ「私のものになってもらいますからね」

俺「……わかった」

ココア リゼ「「俺さん!?」」

俺「その代わり三人を解放するんだ」

チノ「それはできません」

チノ「解放したら通報されてしまいます」

ココア「私たちなら大丈夫だよ俺さん」

リゼ「あぁ、俺さんを犠牲になんてできない」

チノ「二人は黙っててください」オボンペチィ

俺「やめろぉ!」

ココア「」バタン

リゼ「ッ……またやったなチノ」ギロッ

チノ「そんなに睨まないでくださいリゼさん」

チノ「俺さんの前だからまた手加減してあげたんです」

チノ「感謝してほしいくらいです」

リゼ「おぼんで叩かれて感謝するヤツがいるか!」

チノ「まぁ、いいです」

チノ「あとでご飯持ってきてあげますからリゼさんは反省しといてください」

チノ「それと早く私のものにならないともっと酷いことをココアさんやリゼさんにしないといけなくなりますからね? 俺さん」

俺「くっ……」

チノ「それでは私、やることがあるので。またあとでね俺さん」バタン

俺「ごめんリゼちゃん」

リゼ「俺さん……チノが言っていたことは本当なんですか?」

リゼ「おじさんからお金をもらってたって話」

俺「あぁ、本当だ」

リゼ「どうしてですか?」

俺「……シャロ」

リゼ「シャロがどうしたんですか?」

俺「シャロちゃんを養っていくにはこうするしかなかったんだ」

リゼ「え?」

俺「1ヶ月半前に、ニートの俺はフルール・ド・ラパンに行ったんだ」

リゼ「俺さんニートだったんですか!?」

俺「そこで見つけたんだ。天使のように可愛いシャロちゃんを……」

俺「俺は一目惚れをした、そしてすぐに告白した」

俺「だが、フラれた。『あなたのこと全然知らないし私、貧乏だから迷惑けちゃうんでごめんなさい』ってそう言われたんだ」

俺「だから俺は働いてお金稼いでシャロちゃんを養っていこうって決めたんだ」

俺「俺はバイトをしようと仕事を探した。でも、ニートの俺を雇ってくれるところなんてなかった」

俺「そして俺は、とうとうかーちゃんに家を追い出されてホームレスになったんだ」

俺「一文無しの俺は途方に暮れていた」

俺「そんな時だった、タカヒロさんと出会ったのは」

─1ヶ月前・橋の下─

俺「……」

タカヒロ「ちょっと、そこの君」

俺「俺ですか?」

タカヒロ「こんなところで何をしているんだい?」

俺「見ればわかるでしょ? ここで暮らしてるんですよ」

タカヒロ「そうか。じゃあ君はホームレスってことだね?」

俺「そうだよ。ってか何なんですか? 冷やかしならどっか行ってください」

タカヒロ「ごめんごめん。でも、ホームレスならお金に困ってるんじゃないかと思ってね」

タカヒロ「どうせニートだからどこも雇ってくれるところなんてなかったのだろう?」

俺「……」

タカヒロ「図星のようだね。私の頼みを聞いてくれたら君にお金をあげよう」

俺「え?」

タカヒロ「私の店で働いている娘たちがいるんだが」

タカヒロ「お客が少ないことをいいことに最近サボるようになってきたんだ」

俺「それで?」

タカヒロ「娘たちをやる気にさせてほしいんだ」

タカヒロ「どうだい? 引き受けてくれるかい?」

俺「……やらせていただきます」

タカヒロ「ありがとう。……おっと、自己紹介がまだだったね」

タカヒロ「俺は香風タカヒロ。君の名前は?」

俺「俺です。よろしくお願いしますタカヒロさん!」

────
───
──

俺「ということなんだ」

俺「……ごめんリゼちゃん」

リゼ「私たちと過ごした時間は嘘だったんですか?」

俺「それは嘘なんかじゃない。今日だって遅れたのはデートどこ行こうか考えてて──」

リゼ「だったら、許します」

俺「こんな俺を許してくれるって言うのか?」

リゼ「はい、許します。俺さんがシャロのこと好きでも……それでも私は俺さんのことが好きですから」

俺「……ありがとうリゼちゃん」

リゼ「いえ、こちらこそ話してくれてありがとうございます」

ココア「……さない」

リゼ「ココア! 目が覚めたのか」

ココア「許さない」

ココア「許さない許さない許さない許さない許さない」

リゼ「お前、俺さんの話聞いてたのか」

ココア「ふん」ゴッ

俺「ッ!」グラッ

リゼ「なにするんだココア」

俺「いいんだリゼちゃん。俺は許されないことをしたんだ」

俺「ココアちゃん、君の気が済むまで好きなだけ頭突きしてくれて構わな──」

ココア「ふん! ふん! ふん!」ゴッゴッゴッ

俺「」チダラー

リゼ「俺さん血が。やりすぎだココア」

ココア「リゼちゃんは黙ってて」

俺「はーココアちゃん俺を怒らせちゃったねぇ!おじさん怒らせちゃったねぇ!」

ココア「俺君!?」

俺「おじさんはねぇココアちゃんみたいな可愛い子が大好きなんだよねぇ」

俺「オラァァァァァァ!!」

ココア「ぎゃああああああああああ」ゴッゴッゴ

俺「誰が大声出していいっつったコラァ!」

俺「言うこと聞いてくれないと死んじゃうよ?オラオラ」

ココア「許してください」

俺「暴れると痛いゾ~」

リゼ「お、俺さんもうヤメないか?」

俺「アァ!?オラァ!」

俺「リゼちゃんも俺のこと怒らせちゃったねぇ!許せないねぇ!」

チノ「ご飯を持ってきてあげたっていうのに何を騒いで──」

チノ「お、お、お、俺さんの頭から血が血が」

チノ「私の俺さんにこんなことしたの誰ですか!?」

ココア「私だよチノちゃん。このクズをもっと痛めつけなきゃ」

チノ「やめてくださいココアさん。それに俺さんをクズ呼ばわりしないでください」

ココア「だってこのクズお金の為にシャロちゃんが好きなくせに私たちに近づいて」

ココア「私をその気にさせて……クズじゃなきゃなんなのよ!」

チノ「それがどうしたんですか?」

ココア「え……?」

チノ「ココアさんの俺さんへの想いはその程度だったんですか?」

チノ「シャロさんが好き? それがどうしたんですか?」

チノ「だったら、上書きすればいいじゃないですか」

ココア「う、うるさいうるさいうるさーい」

チノ「騒がないでください」オボンバシィ

ココア「何度も気絶すると思わないでよチノちゃん」

チノ「なっ、あのココアさんが私の攻撃に耐えた!?」

ココア「仕返しだよチノちゃん。ふん!」ゴッ

タカヒロ「させない……うっ」チマミレー

ココア「自分の身を犠牲にしてチノちゃんを守るなんて!」

チノ「どうして私なんかを守ったんですかお父さん」

チノ「私、お父さんのことをこんなに血まみれにしたのに──」

タカヒロ「何を言っているんだ。父が娘を守るなんて当然のことだろう?」チマミレー

チノ「お、お父さん」ウルウル

タカヒロ「……ごめんチノ。俺が間違っていたんだ」チマミレー

タカヒロ「シャロ君のことが好きな俺君に頼んでしまったばっかりに」

リゼ「それは違います」

チノ「そうです。お父さんが俺さんに頼んだから私たちは俺さんに会えたんです」

チノ「だから間違ってなんかないです」

タカヒロ「チノ、それにリゼ君」チマミレー

ココア「素敵な親子愛だね! もう話は済んだかな? ふん!」ゴッ

タカヒロ「くっ……」チマミレー

チノ「もうやめてくださいココアさん」

ココア「ロープをほどいてくれたらやめてあげるよチノちゃん」ニコッ

チノ「わ、わかりました」

チノ「よいしょ……これでほどけましたよ」

ココア「ありがとうチノちゃん」ドンッ

チノ「なにするんですかココアさん、押さないでください」

ココア「フフッ」ギュッ

チノ「縛らないでください! やめてください!」

ココア「立場逆転しちゃったねチノちゃん」

ココア「さぁて、これからどうしよっかな」

リゼ「もうやめろココア!」

ココア「やめないよリゼちゃん」

ココア「リゼちゃんが私の味方してくれるならリゼちゃんには何もしないであげる」

リゼ「俺さんの話聞いてたんだろ?」

リゼ「だったら、私が俺さんのこと好きだってのも聞いてたはずだ」

リゼ「その私がお前の味方なんかになるわけな──」

ココア「ふん!」ゴッ

リゼ「」バタン

ココア「ふぅ……決めた」

ココア「シャロちゃんをここに連れてこよ」

ココア「あはは、俺さん喜ぶだろうなぁ」ガチャ

チノ「このままじゃヤバいです」

チノ「今のココアさんは何をするかわかりません」

チノ「俺さんもお父さんもリゼさんも気絶してるし、私がなんとかしないと」

俺「うっ……」チダラー

チノ「目が覚めましたか俺さん、大丈夫ですか?」

俺「チノちゃん!? どうしてチノちゃんが縛られて」チダラー

チノ「ココアさんにやられました」

チノ「それよりシャロさんが」

俺「シャロちゃんがどうしたって!?」チダラー

チノ「むぅ……その反応、ちょっと嫉妬しちゃいます」プンプン

俺「ご、ごめん。それより、シャロちゃんがどうしたって?」チダラー

チノ「ココアさんがシャロさんをここに連れてくるそうです」

俺「ココアちゃんが……」チダラー

チノ「ココアさんは俺さんのこと相当恨んでます」

チノ「俺さんに精神的ダメージを与える為にシャロさんに何かするかもしれません」

俺「くそっ、ココアちゃんを止めなきゃ」チダラー

チノ「そうだ、ご飯がありました」

俺「ご飯? 今は食べてる暇なんかないよ」チダラー

チノ「そうじゃありません」

チノ「俺さんにご飯を食べさせてあげようとスプーンとフォークを持ってきているんです」

チノ「お箸より食べさせてあげやすいですからね」

チノ「フォークでロープを切りましょう」

俺「そんなんで切れるの?」チダラー

チノ「気合いでどうにかするんです」

チノ「シャロさんがどうなってもいいんですか?」

俺「それは困る」チダラー

チノ「即答ですか……」プンプン

チノ「まぁ、いいです。すぐに取り掛かりましょう」

─30分後─

俺「くそっ、全然切れない」ギギギ

チノ「やっぱり無理がありましたか」

俺「でも、このままじゃ」ギギギ

ガチャ

ココア「お待たせ!」

シャロ「こんなところに連れて来ていったい何なのよ」

チノ「シャロさん」

俺「シャロちゃん……」チダラー

シャロ「チノちゃんと私に告白してきた人……っていやああああああああああああ」

シャロ「血が出てるじゃない。大丈夫なの?」

俺「これくらい平気だよ」チダラー

シャロ「そ、そう。ってチノちゃんのお父さんまで血まみれじゃない」

シャロ「それにリゼ先輩が倒れてる!?」

シャロ「なに? どういうことよ!」

シャロ「説明しなさいよココア」

ココア「それはかくかくしかじかで~」

シャロ「だいたい事情はわかったわ」

シャロ「ココア……覚悟はできてるんでしょうね?」ゴゴゴ

ココア「シャロちゃん?」

シャロ「なにリゼ先輩に乱暴してるのよぉ!」チョップ

ココア「いたっ!」

シャロ「そこに座りなさい!」ゴゴゴ

ココア「はい……」

シャロ「チノちゃんも俺さん?も座りなさい」

俺「はい」

チノ「なんでですか?」

シャロ「チノちゃんもリゼ先輩をおぼんで叩いたじゃないの!」チョップ

チノ「痛いです」

シャロ「あと、俺さんはなに勝手に私を養おうとしてるのよ!」チョップ

俺「痛い……けど嬉しい」チダラー

シャロ「俺さんに養われるほど落ちぶれてないわよ」

シャロ「あとリゼ先輩に好かれてて羨ましい」

シャロ「リゼ先輩起きてください」ユサユサ

リゼ「んっ……あれシャロ? どうしてここに?」

シャロ「ココアに連れてこられたのよ」

シャロ「それより怪我はないですか先輩?」

リゼ「あぁ、大丈夫だ」

シャロ「今ロープをほどいてあげますから」シュッ

リゼ「ありがとうシャロ。みんなのもほどいてやってくれ」

シャロ「わかりました先輩」シュッシュッ

シャロ「終わりました先輩」

リゼ「よくやったシャロ」

チノ「私、逮捕されるんでしょうか……」ガクブル

タカヒロ「大丈夫。この怪我は階段から転んだってことにしておくから」チマミレー

チノ「お父さん」ウルウル

チノ「私は父を病院に連れて行きます」

チノ「俺さんはどうしますか?」

俺「俺のは大したことないからいいよ」

チノ「では、後のこと任せます」スタスタ

タカヒロ「迷惑かけたね俺君」チマミレー

俺「いえ、こちらこそ。お気をつけて」

シャロ「行っちゃった」

リゼ「それでココアをどうするかだ」

シャロ「そうですね。先輩に暴力ふるうなんて酷いです」

ココア「悪かったって……許してよ」

リゼ「散々、俺さんに頭突きしといて何言ってるんだ」

俺「いいよココアちゃん」

ココア「えっ?」

リゼ「いいんですか!? あんなことされたのに」

俺「許すも何も俺が全部悪かったんだ」

俺「許してもらうのは俺の方だよ」

俺「ごめんねココアちゃん」

ココア「……私の方こそごめんなさい」

ココア「許します俺さんのことを」

俺「ありがとうココアちゃん」

リゼ「これで一件落着だな」

シャロ「いいえ、リゼ先輩まだです」

リゼ「まだ何かあるっていうのか?」

シャロ「はい。誰が俺さんの彼女になるかってことです」

リゼ「なっ!? 何言ってるんだ///」

ココア「えっ!?///」

リゼ「でも、俺さんの好きな人はシャロで」

ココア「そうだよ」

シャロ「本当にそうですか?俺さん」

俺「……答えられない」

リゼ「どういうことなんですか!?」

シャロ「俺さんはリゼ先輩のことを好きになってるのよ」

シャロ「私もリゼ先輩のことが好きだからわかるの」

リゼ「ほ、本当なんですか俺さん?///」

俺「あぁ……」

ココア「そ、そんなぁ……」

シャロ「当然よね。ずっとリゼ先輩は俺さんに味方していたもの」

シャロ「これで好きにならないなんて男じゃないわ」

俺「でも、俺はシャロちゃんとリゼちゃん、二人を好きに……」

俺「どうすれば」

リゼ「すぐに決めなくてもいいと思います」

リゼ「俺さんが出した答えだったらなんだって受け入れます」

俺「リゼちゃん」

ココア「そもそも俺さんとリゼちゃんは両想いってことじゃん」

ココア「ズルいよ!」

シャロ(そもそも私は俺さんのこと好きじゃないんだけどね……)

シャロ「それじゃ帰りましょ」

リゼ「そうだな。今日はもう疲れた」

ココア「俺さん……また明日もラビットハウス来てくれますか?」

俺「もちろんさ」

─次の日─

チノ「私が父を病院に連れて行ってる間にそんなことになってたなんて」

リゼ「えへへ~」

ココア「リゼちゃんだけズルいよね」

チノ「俺さんのことをクズ呼ばわりしてたくせに」

ココア「それは……一時の気の迷いだよ」

リゼ「まぁまぁ、喧嘩するなよ二人共」

チノ「してないです」

ココア「私たち仲良しだもん」

チノ「すぐに上書きしてみせますよ」

チノ「リゼさんはせいぜい今を楽しんでください」

カランカラン

俺「うーっす」

ココア チノ リゼ「「「俺さん!」」」

ココア「俺さん来てくれたんだ」

俺「約束したからね」

チノ「俺さん昨日はすみませんでした」

俺「いいよ、こっちこそごめんね」

チノ「それよりリゼさんのこと好きって本当ですか?」


俺「え? それは……まぁ、本当かな」

リゼ「フフッ///」

チノ「でも、まだ付き合ってはいないんですよね?」

俺「そうだけど」

チノ「じゃあ、私にもチャンスはありますよね?」

俺「今日はグイグイくるねチノちゃん」

チノ「ありますよね?」

俺「う、うん……あるんじゃないかな」

チノ「それならいいです」

チノ「私のことも好きになってもらいますから」

ココア「私だって負けないんだから」

俺「あはは……」

俺「それより、デートのことなんだけど」

俺「遊園地に行こうとおもう」

リゼ「遊園地ですか。いいですね」

ココア「楽しみだなぁ」

チノ「俺さん、二人で観覧車乗りましょう」

ココア「それじゃあ、私は俺さんとコーヒーカップに乗るー!」

リゼ「私は俺さんとならなんでも」

ココア「両想いだからって随分余裕だねリゼちゃん」

リゼ「そんなつもりじゃ」

チノ「シャロさんや千夜さんも誘いましょう」

ココア「え? どうして?」

チノ「この4人で行ったらリゼさんの独壇場になる可能性があります」コソコソ

チノ「まぁ、そんなことはさせませんけど」コソコソ

チノ「念のためそれを避ける為に俺さんの好きなシャロさんも連れて行くんです」コソコソ

ココア「じゃあ、千夜ちゃんは?」コソコソ

チノ「だから念のためです」コソコソ

ココア「な、なるほど」コソコソ

チノ「少しは頭を使ってください」コソコソ

リゼ「二人で何こそこそ話してるんだ?」

チノ「なんでもないですよ」

俺「あの、千夜ちゃんって?」

ココア「千夜ちゃんは私たちの友達だよ」

ココア「俺さんもすぐ仲良くなれると思うよ」

俺「それは楽しみだな」

チノ「楽しみですか。誘わない方がいいかもしれませんね」

俺「え?」

チノ「冗談ですよ」

俺「じょ、冗談か」

俺「ぞれじゃ、明後日遊園地に行こう」

俺「集合場所は遊園地前、集合時間は10時だ」

リゼ「わかりました」

─二日後・遊園地前─

俺「ちょっと早く着いちゃったかな」

俺「まぁ、待たせるよりかはマシか」

シャロ「俺さーん!」

俺「シャロちゃん、それに千夜ちゃんだよね?」

千夜「千夜です。よろしくお願いします」

俺「こちらこそよろしく」

千夜「ココアちゃんやシャロちゃんから色々聞いてるわ」

千夜「俺さんはハーレムでも築くつもりかしら」

千夜「もう既に3人も惚れさせて」

千夜「きっとこのデートでシャロちゃんを落として」

千夜「ゆくゆくは私まで──」

シャロ「ちょっと、千夜何言ってるのよ!」

千夜「冗談よ」

俺「は、ははは……」

俺(なんなんだこの子は……)

リゼ「はぁ…はぁ……もう来てたんですか俺さん」

俺「おはようリゼちゃん」

シャロ「リゼ先輩」

千夜「よかったですね俺さん」

千夜「本命二人がそろいましたよ」

リゼ「うぅ///」

シャロ「わ、私は別に」

俺(嬉しいけど、なんなんだこれは……)

千夜「ココアちゃんとチノちゃんはまだみたいね」

千夜「そこのベンチに座りましょうか」

千夜「ずっと立ってるのもあれだし」

リゼ「そうだな」

シャロ(リゼ先輩の隣、リゼ先輩の隣)

千夜「そっちじゃないわシャロちゃん。こっちよ」

シャロ「なんでリゼ先輩の隣じゃないのよー!」

千夜「こっちの方が色々面白そう……じゃなくって俺さんが主役みたいなものだから」

千夜「俺さんが真ん中に座るべきよ。ね? リゼちゃん」

リゼ「あ、あぁ///」

俺(好きな二人に挟まれて座れるとは思わなかった……)

シャロ「ってかこれ三人用じゃない」

シャロ「千夜はどこに座るのよ」

千夜「ここよ。俺さんの膝の上」ポスン

俺「ちょ!? なにしてるの!?」

リゼ「なっ!?」

シャロ「なにやってるのよ!」

千夜「座るところがないんだからいいじゃない」

リゼ「お前わざとだろ!」

千夜「なんのことかしら?」

リゼ「とぼけやがって」

ココア「みんな~お待たせ~」

チノ「遅れてすみません」

チノ「ココアさんが寝坊したせいで」

ココア「なんで千夜ちゃんが俺さんの膝の上に乗ってるの!?」

チノ「新たなライバル登場ですか?」ゴゴゴ

千夜「チノちゃん燃えてるわね」

千夜「みんな揃ったし行きましょうか」

シャロ「なんで千夜が仕切ってるのよ……」

─遊園地内─

俺「人多いなぁ」

千夜「まずは、何に乗りましょうか?」

チノ「観覧車」

ココア「コーヒーカップ」

リゼ「私はなんでも」

シャロ「私もリゼ先輩とならなんでも」

千夜「俺さんは?」

俺「コーヒーカップでいいんじゃないかな」

ココア「やった!」

チノ「むぅ……なんでコーヒーカップなんですか?」

俺「あとで観覧車にも乗るから」

チノ「……わかりました」

リゼ「それじゃ、行こうか」

千夜「シャロちゃんは私と乗りましょ」

シャロ「え!? 私はリゼ先輩と」

千夜「いいから」グイッ

ココア「俺さん早く早く!」

俺「待ってココアちゃん」

チノ「なんで私がリゼさんとペアなんですか」

リゼ「私じゃ不満か?」

チノ「そういうわけじゃないですけど、リゼさんだって俺さんとがいいですよね?」

リゼ「それはそうだけど……」

千夜「はりきって回しちゃうわよ」

シャロ「はりきらなくていいわよ……」

俺「ココアちゃんやめ……ストップ」

ココア「楽しいですね俺さん」グルグルグルグル

俺「回しすぎ……もう少しゆっくり……」

ココア「え? なんですか? 聞こえません」グルグルグルグル

リゼ「意外と楽しいなこれ」グルグル

チノ「あまり回さないでください」

チノ「ココアさんを監視できないじゃないですか」

リゼ「ごめん……」グル

千夜「楽しいわねシャロちゃん」グルグルグルグルグルグルグルグル

シャロ「」キゼツ

千夜「あら? 楽しすぎて声も出ないのかしら?」グルグルグルグルグルグルグルグル

ココア「楽しかったね俺さん!」

俺「あ、うん。楽しかったね……」グッタリ

千夜「シャロちゃんはどうだった?」

シャロ「全然楽しくなかったわよ! 回しすぎよ!」

チノ「特に何も手を出してはなかったですね」

リゼ「おいチノ、監視してないでもっと楽しんだらどうだ?」

チノ「楽しんでますよ」

リゼ「そ、そうか」

チノ「次に行きましょう」

俺「少し休ませて」グッタリ

ココア「大変! 私のせいで俺さんの体調がよくないみたい」

ココア「私が見てるからチノちゃんは飲み物買ってきて」

ココア「あと、人が多いから迷子にならないようにリゼちゃんも一緒に行ってくれる?」

リゼ「あぁ、わかった」

チノ「これが狙いですか……こんなことに頭を使わないでください」

リゼ「チノ、俺さんの為に早く行くぞ」グイッ

チノ「い、行きますからひっぱらないでください」スタスタ

千夜「ココアちゃん、私たちちょっとお手洗い行ってくるから」グイッ

シャロ「え? 私はいいわよ」

千夜「ココアちゃんが俺さんに何か仕掛ける気よ」コソコソ

千夜「面白そうだから二人っきりにしてみましょ?」コソコソ

千夜「あとでリゼちゃんと一緒のペアになるようにしてあげるから」コソコソ

シャロ「わ、わかったわよ」スタスタ

千夜「それじゃ、俺さんのことよろしくねココアちゃん」スタスタ

ココア(ナイス千夜ちゃん。これで俺さんと二人っきりに)

ココア「俺さん、大丈夫ですか?」

俺「うん、大丈夫。少し休めば治るから」グッタリ

ココア「あっちの方、日陰になってるからあっちで休も」

俺「でも、みんなをここで待たないと」グッタリ

ココア「いいからいいから」グイッ

俺「ちょっと、ココアちゃん」グッタリ

ココア「ここのベンチに座ろ」

俺「もう……大丈夫だから」

ココア「安静にしてなきゃダメだよ」

ココア「私の膝、貸してあげるから」

俺「えぇ!?」

ココア「膝枕だよ! ほらほら」ポスン

俺「や、柔らかい///」

ココア「えへへ~」

俺「じゃなくて」ガバッ

ココア「なんで起きちゃうの?」

ココア「そんなに私の膝枕嫌だった……?」

俺「そういうわけじゃないけど……」

ココア「じゃあ、いいじゃん!」ポスン

俺「み、みんなに見られたらまずいって///」

ココア「だったら、みんなが来る前にやめればいいじゃん」

俺「でも──」

ココア「俺さん、動かないでね?」

ココア「動いたら頭突きして気絶させるから!」ニコッ

俺「笑顔で怖いこと言わないでよ」

俺「はぁ……動かないから頭突きはやめてね」

ココア「わかればよろしい」

俺「このあと何乗ろうか」

俺「ココアちゃん、何か乗りたいものある?」

ココア「そんなことはみんなが来てから考えればいいよ」

ココア「それよりも」ナデナデ

俺「ちょっ///」

ココア「二人っきりの時間を楽しもうよ」ナデナデ

俺「楽しむのはいいけど」

俺「撫でられるのは、その……」

ココア「ん? どうしたの?」

俺「は、恥ずかしいというか……」

ココア「膝枕されてるのに、今さら何言ってるの?」

俺「それはそうだけどさ」

ココア「もっと撫でちゃえ」ナデナデ

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