モバP「心さんって、涙腺緩いですよね」 (20)
心「え、そうだっけ?」
P「そうですよ」
心「んー……まあ、年取ると涙もろくなっちゃうからなぁ」
P「もう26ですからねえ」
心「だねえ」
P「………」
心「………」
心「女の前で歳の話はするなあっ!!」バンバンッ
P「いまさら!?」
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P「実は子どものころからよく泣いてた……とかではないんですか?」
P「意外と泣き虫だったとか」
心「あははっ! はぁとが泣き虫~? そんなわけないじゃん☆」
心「小さいころはねえ、それこそ男子とよく喧嘩もしたし、そのたびあつーい友情を積み上げてきたもんよ♪」
心「みんなも『はぁとちゃんつよーい!』って言ってくれてたし、超スウィーティーだったな☆」
P「スウィーティーの欠片も感じないんですが」
心「え? なんで」
P「だって、喧嘩って叩いたり蹴ったりもしたんじゃないんですか?」
心「いや、勝負方法はお菓子作り」
P「超スウィーティーだ!!」
P「え、男子も全員ノってくれたんですか?」
心「料理ができない場合はカラオケでもよかったぞ♪」
P「それ本当に喧嘩だったんですか?」
P「なんか、少女時代から濃ゆい人生送って来たんですね」
心「まーね☆はぁとってばみんなのエンジェルだから、自然といろんな人や物が集まってくるってゆーか☆」
心「いやあ、人気者は辛いわ☆」
P「ところで、最近涙腺が緩くなったというお話ですが」
心「スルーが雑!」
P「これを一緒に見てほしいんですよ」
心「ん? ……映画のDVD?」
P「奏から借りたんですけど、あの子がお勧めしてくるにしては珍しく感動系の物語だそうで」
P「どうせ見るなら思い切り感動したいので、隣に涙もろい人がいてくれたらいいなと」
心「なるほどー。隣が泣いてると自分も涙がじわーっと出てくるアレかぁ♪」
心「でもはぁと、そこまでオンオン泣くわけじゃないけどねー♪」
P「ダメですか」
心「んー……でも、奏ちゃんおススメの映画は興味あるし♪ とりあえず観る☆」
P「お、観てくれますか」
心「うん♪」
P「じゃあ、今から準備しますね」ゴソゴソ
心「………」
心「……ほんとは、あなたと一緒に映画を観たいだけなんだけどね」ボソッ
P「………」ゴソゴソ
心「………」
心「ほんとはっ!! あなたと一緒に映画を観たいだけなんだけどねっ!!!」
P「耳元で叫ばないでくださいっ!」キーーン
心「いや聞こえてないのかと思って」
P「めっちゃ小声で言ってたじゃないですか。あれ聞こえないように言ったんじゃないんですか」
心「ああいうのはボソッと言ったほうが奥ゆかしさがあるだろ☆ や~ん、はぁとってば大和撫子☆」
P「その後耳を破壊せんとばかりに叫んだら、奥ゆかしさの欠片もないですよね」
心「それはそれ♪ これはこれ♪」
P「いや全然別の話じゃないと思いますが……準備できたんで、映画観ましょうか」
心「よーし、ばっちり感動するぞー☆」
上映開始5分
『じゃあ、いってきます!』
P(この男子学生が主人公かな。家には母親しかいないみたいだけど……)チラ
心「ぐすん」
P(え、もう泣いてる?)
心「うぅ……こういう雰囲気ダメ……」グスグス
P(まだ家から出て登校してるだけなのに!? どこに泣くポイントが……)
上映開始50分
心「うううぅぅ」ズビビビ
心「うっ……ぐすっ……」チーン
心「がんばったね……がんばったね……ううぅ」
P「………」
P(感動のシーンなんだが……隣が号泣しすぎて逆に涙が引っ込んでしまった)
心「しくしくしくしく……」
P(周りが泣きすぎると、そっちに気を取られすぎて感情が収まるものなんだな……初めて実感した)
ガチャリ
奏「ただいま。レッスン、終わったわ」
P「おかえり、奏。ちょうど今、貸してもらった映画を観終わったところだよ」
奏「へえ、そうなの。どう、感想は?」
P「それが――」
心「か゛な゛て゛ぢゃあ゛あ゛ん゛!!」ダキッ
奏「きゃっ」
心「お゛お゛お゛お゛ん゛」
奏「え、ちょっと。なに? ニャンちゅう?」
心「感動したぞこらああ! ずびびび」
奏「は、はあ……それは、なにより?」
P「すごいな、あの奏が珍しく戸惑っている」
P「大号泣でしたね。奏が対応に困って逃げるくらい」
心「た、たまたまだからっ! 普段は感動映画観てもこんなに泣かないんだからな☆」
P「いいじゃないですか。感動できるってことは、登場人物への感情移入ができるってことだろうし、演技系の仕事の素質があるかも」
心「それはそれでうれしいけど!」
心「……泣きすぎて、変な顔になってなかった?」
P「いや、全然」
心「ほっ」
心「とにかく、今回は特別だったの♪ 偶然泣きのスイッチがバシッと入る内容だったから、号泣しただけ!」
心「一週間分の涙流したから、もう当分は何も出てこないぞ☆」
P「そうなんですか?」
心「そう☆ ひょっとして疑ってるの~?」
心「嘘だと思うなら試してみて♪ また感動映画持ってきてもいいから♪」
P「はあ、それじゃあ」
P「総選挙の中間順位、Paで5位です。前回圏外からの大躍進です」
P「流れに乗れれば3位以内も夢じゃないです」
心「………」
心「………」
心「」ブワッ
P「さっきより涙出る速度がやばい」
心「えぐっ、えぐっ」
P「はいティッシュ」
心「ううううぅ」チーン
心「こ、これは違うから……来週の涙を前借りしてるだけだからぁ」
P「別に強がらなくてもいいじゃないですか。努力の成果が出たわけなんだし、喜んで泣いたって誰も笑いませんよ」
心「で、でも、まだ中間だよ? 最終結果が出たわけでもないのに……それに、まだ上には何人もいるんだし。おかしいって……」
P「かまいません。それに、どうしてもって言うなら」
P「これからもっと頑張って、次は『おかしくないうれし泣き』をできるようにしましょう」
心「………」
心「プロデューサー」
P「はい」
心「そのセリフ、ちょっと臭いね……」
P「えぇ……うまく決めたつもりだったのに」
心「あははっ……うん、おかげで涙引っ込んだ♪ サンキュ☆」
P「涙引くのと同時にドン引きされてません? すごい複雑なんですけど」
心「気にすんな☆ ドン引きまではいってないから☆」
P「フォローが微妙」
心「ま、元気出せよっ!」
P「いつの間に俺が慰められる側になったんですかね」
心「世の中ギブ&テイク☆ やられたらやり返せ☆」
心「はぁとは最後まで全力疾走だから、ちゃーんとついてきてよ?」ニコッ
P「はいはい、わかってますよ」
心「……お願いね、プロデューサー」
心「しっかし、今度こそ涙は出し切った! もう泣かない!」
P「また言ってる」
心「今度こそは本当!」
P「まあ、どっちでもいいですけど……お腹すきましたし、食堂にいきます?」
P「なんか、今日限定の特別なラーメンがあるとか」
心「限定メニュー? いくいく♪ はぁと、そういうのはとりあえず食べるタイプ☆」
その後
P「限定ラーメン……超激辛ピリピリラーメン」
心「辛いぃぃ……スウィーティーじゃなくてスパイシー……」シクシク
P「まだ涙出るじゃないですか」
心「辛いもの食べたら出るのは生理現象だろぉ~?」
P「あはは」
心「む~……おまえもくえっ!」グイッ
P「むぐっ! ……辛っ!!」
心「ふはは☆」
奏「………」
奏「お邪魔しないほうがよさそうね、あれは」フフ
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
総選挙もいよいよ明日まで。
いろんな仕事を楽しみながら、まっすぐ前に進んでいく佐藤心さんにぜひ一票をお願いします
パッション&スウィーティーで魅力的な人です、はい。実は結構涙もろいらしいです
過去作もよければどうぞ(今回のSSとは別の世界線です)
佐藤心「心の休息」
二宮飛鳥「コンビニは強い」 ライラ「なるほどですねー」
モバP「しざーはぁと」
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