凛「パシフィック・リン?」 (25)


都内某所



凛「……」


『凛ちゃん聞こえるー?』


凛「!」


凛「うん! 聞こえるよー!」


『今日は頑張ろうね!』


凛「え、あ、うん」


凛「……っていうか、今日のコレって一体なんなの?」


『ふっふっふっ……それはね……』

 

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とっても可愛いのに
自分の魅力に全く気が付いていない少女 星空凛

この事実に対し我々人類は
全力で凛の可愛さを引き出すことを選んだ

凛をよく知る2人がパイロットとなり凛をコントロールし
彼女の持つポテンシャルを最大限に引き出す


それが――


【パシフィック・リン】


『要するに、私たちが指示を出して、凛ちゃんが知らない凛ちゃんの可愛さを存分に引き出してあげるってこと!』


『ばっちりサポートしてあげるんだから、感謝しなさいよね!』


凛「えー……」


『何よ、その不満そうな声』


凛「だって、なんか恥ずかしいし……」


凛「それに……」


凛「指示をくれるのが穂乃果ちゃんとにこちゃんじゃ…」









凛の後方 ロケバス内



にこ「失礼ね! 私たちを何だと思ってるのよ!」


穂乃果「まあ、まあ……」


そのコントロール方法は
ロケバスから無線で凛の耳の装着されたイヤホンに指示を出すという
いたってシンプルなやり方

凛の可愛さを最大限引き出す為、2人が随時指示を出す


凛「具体的にはどうするの?」


穂乃果『今回はμ'sの広報番組っていうウソのロケを“ある人物”と一緒にやって』


穂乃果『ロケの中で、その人に凛ちゃんの可愛さをいーっぱいアピールして』


穂乃果『その人を凛ちゃんにメロメロにさせちゃいます!』


凛「め、メロメロに……」


凛「でもそれってどうやって判断するの?」


にこ『ロケの最後に告白して、オッケーもらえれば成功』


凛「へぇー。そっかー」


凛「……」


凛「って告白!? 凛、告白するの!?」


穂乃果『大丈夫!』


にこ『私たちに任せれば、オッケー間違いなしよ!』


凛「問題はそこじゃないにゃ!!」


<オハヨウゴザイマース


穂乃果『あ、来たみたいだよ!』


凛「え!?」


にこ『今回のあんたのターゲットは……』





ことり「よろしくお願いしまーす」





凛「ことりちゃん!?」


穂乃果『それじゃあ頑張ろうね! ファイトだよ!』


凛「えぇー!?」


穂乃果「というわけで」


にこ「ことりに可愛いアピールをして好感度を上げて、告白をして、オッケーを貰うのが目標と」


穂乃果「最初のターゲットとしては最適なんじゃないかな?」


穂乃果「ことりちゃん、可愛いものすっごく好きだし」


にこ「最大限じゃなくて、ちょろっと引き出してあげれば十分かもしれないわね」


穂乃果「寧ろアピールし過ぎるとあっという間におやつにされちゃうかもしれないから、気をつけないと」


にこ「逆に難しいわね……」


ことり「凛ちゃん! 今日はよろしくね!」


凛「う、うん! よろしく……」


 穂乃果『凛ちゃん、ちょっとスタッフさんからお水貰って?』


凛「あ、すみませーん!」


凛「始める前に、お水貰っても良いですか?」


つ 【お水】


 にこ『ことりの分も一緒に貰って』


凛「2人分下さい」


つ 【お水】


凛「はい、ことりちゃん」


 穂乃果『これからいっぱい喋るから』


凛「これからいっぱい喋るから」


 穂乃果『喉を潤しておかないとね』


凛「喉を潤しておかないとね」


ことり「そうだね。凛ちゃん、ありがとう」

 

 
凛「……」グイッ


ことり「……」クピッ


 穂乃果『凛ちゃん、そのまま全部飲んで。一気飲みして』


凛「……」ゴクゴク


ことり「……はぁ」


凛「……」ゴクゴクゴク


ことり「……!?」


凛「……」ゴクゴクゴク


凛「……ぷはぁ!」


ことり「凛ちゃん、そんなに喉乾いてたの?」


 穂乃果『うん! もうカラッカラ!』


凛「うん! もうカラッカラだったにゃ!」

 

 
 穂乃果『あれ? ことりちゃん、もう飲まないの?』


凛「あれ? ことりちゃん、もう飲まないの?」


ことり「う、うん……」


ことり「ことりは一口飲めば大丈夫かな」


 穂乃果『じゃあそれ貰っても良い?』


凛「じゃあそれ貰っても良い?」


ことり「え?」


ことり「うん、良いけど……」


 穂乃果『やったー! ありがとー!』


凛「やったー! ありがとー!」


ことり「ふふっ、凛ちゃん喜びすぎだよ」

 

 
 穂乃果『それ一口飲んで』


凛「……」グビッ


 穂乃果『あっ……って。それでちょっと俯いて』


凛「あっ……」


ことり「? どうかした?」


 穂乃果『凛、ことりちゃんと間接キスしちゃった……』


凛「っ……」


凛「……凛、ことりちゃんと間接キスしちゃった」


ことり「!?」

 

 
 穂乃果『もう一口。今度はゆーっくり』


凛「……」


ことり「っ……」


凛「……」ソーッ


ことり「す、ストーップ!!」


凛「にゃ!?」


ことり「そ、そんなに飲んだらお腹冷えちゃうから、お水は没収ですっ!」


ことり「ほら、もう始めるみたいだから行こっ」タッタッタッ…


凛「……」


 穂乃果『あー、逃げられちゃった』


 にこ『でも良い先制は出来たんじゃない?』


凛「……」


 穂乃果『凛ちゃん?』


凛「穂乃果ちゃん……」


凛「凛、今すっごく恥ずかしいにゃ……///」


 にこ『まだまだこれからなのよー?』


 穂乃果『もっともっと攻めていくからね!』


凛「そんなぁ……///」

 


収録が始まり……



 穂乃果『凛ちゃん、ことりちゃんの服装褒めて?』


凛「ことりちゃん、今日のお洋服すっごく可愛いね!」


ことり「ほんと? ありがとー!」


ことり「実はちょっぴり張り切ってコーデしてきちゃいました!」


 穂乃果『春らしくてすっごく良いと思うよ!』


凛「なんかね、春っぽくてすっごく良いと思うにゃ!」


ことり「えへへ、そうかな?」


 穂乃果『凛も今日は春っぽいの着てきたんだよ』


凛「凛もね、今日は春っぽの着てきたんだー」


 穂乃果『見て見てーってシャツ軽く捲って』


凛「見て見てー」ペロンッ


ことり「!?」


 

 
ことり「り、凛ちゃん!」


ことり「そういうのは見せちゃいけません!」グイッ


 穂乃果『そうなの?』


凛「そうなの?」


ことり「そうなの!」


 にこ『でも絵里ちゃんはこうやって見せてくれるよー?』


凛「でも絵里ちゃんはこうやって見せてくれるよ?」


ことり「そんなハレンチカの真似しちゃダメですっ!!」


 穂乃果『ハレンチカ……』


 にこ『ぷふっ、素晴らしいあだ名ね』

 

 

ことり「今日はどんなことをするの?」


 穂乃果『今日はね』


凛「今日はね」


 穂乃果『ことりちゃんと一緒に色んな所を回って』


凛「ことりちゃんと一緒に色んな所を回って」


 穂乃果『楽しく遊んじゃいます!』


凛「楽しく遊んじゃうにゃー!」


ことり「……?」


ことり「えっと、それで、遊びながらμ'sのことも知ってもらうんだよね」


 穂乃果『凛ちゃん真顔になって』


 にこ『動きもストップよ』


凛「……」


ことり「あ、あれ?」

 

 
凛「……」


ことり「え、ええと……」


 穂乃果『それじゃあ早速出発ー!』


凛「それじゃあ早速出発にゃー!」


ことり「え!?」


ことり「え、あ、しゅ、出発ー!」


< ハイ、オープニングオッケーデース!

< イドウシマース!


ことり「お、オッケーなのかな……?」


凛「……」

 


 穂乃果『序盤はかなり、良い感じじゃないかな?』


 にこ『凛の天真爛漫さをアピール出来たわね』


凛「……ねえ、穂乃果ちゃん、にこちゃん」


凛「これ、ホントに可愛いアピールになってる?」


凛「凛を好き勝手動かして遊ぼうと思ってない?」


 穂乃果『……』


 にこ『……』


凛「なんで黙るの!?」

 


2人がまず訪れたのは
駅前にあるゲームセンター


にこ『ここってプライズが充実してるのよね』


穂乃果『凛ちゃん、どれでも良いから……あ、おっきいクマのぬいぐるみがあるクレーンゲームに食いついて?』


凛「あ、見て見て!」


凛「おっきいクマのぬいぐるみ!」


ことり「わぁ、可愛いね!」


穂乃果『良いなぁ』


凛「良いなぁ」


穂乃果『でも凛下手っぴだしなぁ』


凛「でも、凛下手っぴだし……」


穂乃果『ことりちゃん、こういうの得意?』


凛「ことりちゃんはこういうの得意?」


ことり「ん~、こんなに大きいのはあんまりやらないかなぁ」


穂乃果『そっかー』


凛「そっかー」


穂乃果『凛ちゃんぬいぐるみをじーっと見て』


凛「……」ジィー


ことり「……」


穂乃果『で、ちょっとため息ついて、次に行こうとして?』


凛「……はぁ」


ことり「……」


凛「ことりちゃん、他のゲーム見に……」


ことり「ちょっとだけやってみる?」


凛「えっ」


穂乃果『よしっ!』


にこ『見事に釣れたわね……』


ことり「取れるかどうかは分からないけど……」


 穂乃果『いいの?』


凛「いいの?」


ことり「あんなに名残惜しそうな顔されちゃったらスルー出来ないないよ」


 穂乃果『そんな顔してた?』


凛「凛、そんな顔してた?」


ことり「してたよ?」クスクス


 穂乃果『ちょっとだけ恥ずかしがって』


凛「うぅ……」


ことり「ふふっ」


ことり「じゃあ、やってみるね」チャリンッ

 


ことり「んー……」

 
 にこ『あれを取るのはめんどくさそうね』


 穂乃果『大丈夫だよ。仕掛けでアームの強さ最大にしてもらってるから』


 にこ『そうなの? にこも今の内に行ってこようかしら……』


ことり「この辺かなぁ」



 ウィーン……ワシィッ

 グイーン……


ことり「わっ、これアームがすっごく強い!」


凛「取れるかな? 取れるかな?」



 ウィーン……ポスッ



凛「取れたー!」


ことり「やったね!」

 

 
ことり「はい、凛ちゃんっ」


 穂乃果『凛にくれるの?』


凛「凛にくれるの?」


ことり「うん。だって凛ちゃんの為に取ったんだもん」


 穂乃果『ありがとう!って言って』


 穂乃果『嬉しそうにぎゅーってぬいぐるみを抱きしめて?』


凛「ことりちゃん、ありがとう!」


凛「えへへ……」ギュー


ことり「っ……!」


 穂乃果『あー! 今のことりちゃんの表情見た!?』


 にこ『見た見た。今のはかなり来たみたいね』

 

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