ドラえもん「靴舐めさせ機~!」 (17)
のび太「ドラえも~ん!」
[たぬき]「どうしたんだい、のび太君!」
のび太「またジャイアンたちにいじめられたよ~!」
[たぬき]「またか・・・、それで、今日は何されたの?」
のび太「実はさ、今日社会の授業でさ・・・。」
学校にて・・・
先生「世界には貧困で飢えに苦しむ人がいれば、お金持ちであって食べ物を粗末にしている人がいる。」
のび太「ふ~ん。」
先生「こうした格差が世界にはある。私たちは幸せに暮らしていることに感謝しなければなりません。」
のび太「確かに。」
放課後・・・
ジャイアン「今日の授業でさ、格差のこと言ってたじゃんか。」
スネ夫「うん。」
ジャイアン「俺たちもさ、日ごろの生活に感謝しなきゃいけねえよな。」
のび太「そうだね。」
ジャイアン「でもよ、格差なんて俺わからねえよ。だって俺たちの暮らしで格差なんかねえじゃんか。」
のび太(思いっきりあると思うけど。)
ジャイアン「そこでだ、格差を体験してみて、今の生活のありがたみを実感しようと思うんだ。」
スネ夫「どうやって?」
ジャイアン「身分制度だ。」
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のび太「身分制度・・・って何?」
スネ夫「人間に階級をつけて区別することだよ。」
のび太「そんな、差別はダメだよ!」
ジャイアン「安心しろ、格差を体験するためだ。」
のび太「どう安心しろってのさ。」
ジャイアン「何だ?」
のび太「いや、何も。」
ジャイアン「よ~し、じゃあまず俺がトップだ。」
スネ夫「僕が2番目!」
のび太「じゃあ、僕は・・・。」
ジャイアン「のび太は一番下だ!」
のび太「ええ~!」
ジャイアン「そういうわけだからのび太、お前は俺たちの言うことを聞かなきゃいけない!」
のび太「何でさ!?」
スネ夫「お前が一番身分が低いからだ!」
のび太「そんな~!」
ジャイアン「ところで、何してもらおうか。」
スネ夫「そういえば聞いたことがある、子分が親分の靴を舐めるってやつ。」
ジャイアン「よし、それだ!」
のび太「や、やだよ~!」
ジャイアン「つべこべ言わず舐めろ!」
スネ夫「舐めろ!」
のび太「うっ、うう・・・。」
現在・・・
ドラえもん「それで・・・舐めたのか?」
のび太「うん・・・。」
ドラえもん「なんて奴らだ!ふざけやがって!」
のび太「そうだ!ふざけてる!」
ドラえもん「あいつらにも同じに目合わせないと!」
のび太「どうやって?」
ドラえもん「靴舐めさせ機~!」
ドラえもん「このスイッチを押して命令すると、相手に自分の靴を舐めさせることができる。」
のび太「すご~い!」
ドラえもん「これでジャイアンに靴を舐めさせてやれ!」
のび太「うん!」
空き地・・・
ジャイアン「次はのび太に何をやってもらおうか・・・。」
スネ夫「楽しみだね!」
のび太「ジャイアン!スネ夫!」
ジャイアン「おっ、向こうから来やがったぜ。」
スネ夫「へへへ。」
ドラえもん「さあ、のび太君やれ!」
のび太「うん!」
のび太「ジャイアン!僕の靴を舐めろ!」
ジャイアン「はあ?そんなことをするわけが・・・あれれ!?」ペロペロ
スネ夫「ええ!ジャイアン!?」
ジャイアン「どうなってんだ?」ペロペロ
のび太「ふふふ・・・これは革命さ!」
スネ夫「革命!?」
のび太「そうだ!身分が逆転したんだ!だからスネ夫、君も僕の靴を・・・。」
スネ夫「うわああああ!」ペロペロ
のび太「こいつ、自分から・・・。」
ドラえもん「君にはプライドの欠片も無いんだね。」
ドラえもん「さあ、どうするのび太君?」
のび太「そうだねえ、この景色をずっと眺めてるっていうのも悪くないな。」
ドラえもん「じゃあ僕にも貸してよ。」
のび太「いいよ。」
ドラえもん「よ~し、日ごろの鬱憤を晴らしてやる。」
ジャイアン「お前ら・・・覚えてろよ!」ペロペロ
ドラえもん「何とでも言えばいいさ。さあジャイアン!僕の靴を舐めるんだ!」
ジャイアン「ちくしょおおおおお!」ペロペロ
ドラえもん「あれ?」
のび太「まだジャイアンは僕の靴を舐めてるよ?」
ジャイアン「ははは!ドラえもん!お前靴はいてねえだろ!」
ドラえもん「・・・・・・・・・・・・はっ!」
ジャイアン「とんだ間抜けだぜ!」ペロペロ
ドラえもん「ぐぬ~~~~~!着せ替えカメラ!」
ジャイアン「!?」ペロペロ
ドラえもん「のび太君、これで僕を撮って。」
のび太「あいよ。」カシャッ
ドラえもん「これでどうだ!」
ジャイアン「ドラえもんに靴が!」ペロペロ
ドラえもん「さあ今度こそ間違いなく・・・あれ?」
のび太「どうしたの?」
ドラえもん「靴舐めさせ機が無い!」
のび太「ええ!?」
ドラえもん「一体どこに?」
スネ夫「ふふふふふ・・・。」
のび太「スネ夫!どうして!」
スネ夫「どうしてだって?こんなチャンス見逃すわけないだろ。」
のび太「でも君は確か・・・。」
スネ夫「別に道具の効果で君の靴を舐めていたわけじゃない。僕は自分の意志で舐めていたのさ!」
のび太「そっ、そういえば!」
ドラえもん「バカ野郎!」
のび太「自分だって取られたくせに!」
スネ夫「ドラえもん、これやるよ!」
ドラえもん「え?これは・・・・・・ネズミイイイイイイイイイィィィィィィィィィィ・・・・・・。」
のび太「ドラえもん!?おい!?」
スネ夫「ははは、こんなおもちゃで気絶するなんてね。」
スネ夫「さてと、じゃあのび太、僕の靴を舐めるんだ!」
のび太「うわああああああああああ!」ペロペロ
スネ夫「最高の気分だ!」
ジャイアン「よくやったぞ、スネ夫。」ペロペロ
スネ夫「ん?何だい、その口の利き方は。君はのび太以下で、のび太は今僕以下になったんだ。つまり君は僕以下の存在になったんだよ。」
ジャイアン「何だと・・・スネ夫お前・・・。」ペロペロ
スネ夫「ああ、もうジャイアンは奴隷のような存在だね。奴隷に服は必要無いよね。」
ジャイアン「どういう意味だ。」ペロペロ
スネ夫「おっ、ちょうどいいところに着せ替えカメラが落ちてる。」
ジャイアン「おい、やめろ。」ペロペロ
スネ夫「それ!」カシャカシャ
ジャイアン「スネ夫~~~~!」ペロペロ
スネ夫「ははは!愉快愉快!ああごめん、のび太まで撮っちゃった。」
のび太「スネ夫~~~~~!」ペロペロ
スネ夫「二人して同じセリフを同じ格好で、面白くないんだよ、変態ども!」
のび太「ぐあっ!」ペロペロ
スネ夫「身につけている衣服が靴だけだなんて可哀想、でも格差があるんだ仕方ないよね。」
ジャイアン「ぐおおおおおおおお!」ペロペロ
スネ夫「あれ?何で起き上がれるの?」
ジャイアン「のび太を持ち上げれば靴舐めながらでも起き上がれる!」ペロペロ
スネ夫「嘘ぉ!?」
ジャイアン「おらあああ!」ペロペロ
スネ夫「ぶほぁ!」
ジャイアン「へっ、俺にこんなことするからだ。さてスネ夫もカメラで・・・。」
スネ夫「やめて!」
ジャイアン「うるせえ!」ペロカシャペロ
スネ夫「いやあああああ!」
ジャイアン「こいつはもらうぜ!」ペロペロ
スネ夫「しまった!」
ジャイアン「俺の靴を舐めろ!」ペロペロ
スネ夫「うぎゃあああ!」ペロペロ
ジャイアン「へへへ、ざまあみろ。っておい、バランスが崩れるだろうが!」ペロペロ
スネ夫「何でこんなことに~~~!」ペロペロ
のび太「ちょっと、二人に動かれると立ちががれないよ~!」ペロペロ
静香「・・・・・・・・・・・・。」
のび太「ああっ、しずかちゃん!」ペロペロ
静香「・・・・・・気持ち悪い。」
のび太「待ってしずかちゃん!誤解だよ!」ペロペロ
静香(裸でお互いの靴を舐め合っているだなんて、そんな趣味があったのね・・・。)
のび太「しずかちゃあああああああん!!」ペロペロ
こうして、ドラえもんが目覚めるまで彼らは靴を舐め合った。
そして彼らは気づいた。格差社会が生み出すものは争い、そして不幸なのだと・・・。
おしまい
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