佐藤心「心の休息」 (22)

とある休日の朝


心「………」

心「………」

心「ふわぁ……ねっむ」ゴシゴシ

心「今……なんだ、まだ9時じゃん」

心「昨日も一昨日も帰るの遅かったし、身体もう限界……マジ無理、もう一回寝よ」

心「睡眠睡眠……二度寝イズスウィーティー……」

心「………」スヤスヤ





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PM 0:00


心「………」スウ、スウ

心「………」

心「………」グーギュルル


心「……おなかすいた」

心「うぅ……だるい~。だるいけど何か食べなきゃ眠れもしない~」

心「しょうがない、起きよう……」モゾモゾ

心「……うわ。よく見たら下着だけで寝てるじゃん……昨日のこと覚えてないけど、たぶん帰ってすぐにバタンキューだったんだろうなあ」

心「シャワーは浴びたんだっけ……」クンクン

心「………」

心「判決。この匂いは、浴びている」

心「さすがははぁと。ギリギリやるべきことはやったといったところか……」

心「………」

心「あー。ほんっと、一人暮らしって独り言増えるよねぇ……」

心「とりあえず、もう一回シャワー浴びよ……」ノッソノッソ

心「………」

心「あちゃー……食べ物、なんもない」

心「マーガリンしかない……食パンがない……」

心「………」グゥ~

心「もう、はしたない音出すんだから……それでも乙女のお腹かお前は」

心「……買いに行くしかない、か」




心「うーん」

心「ちょっとコンビニ行くだけだし、すっぴんでも」

心「……いや、ダメダメ! はぁとはアイドル、たとえプライベートでも外に出るなら最低限見た目には気を遣わないと」

心「軽くでいいから、メイクはしとこっ♪」

心「ふんふんふーん♪ だんだんスイッチ入ってきたぞ~」


ぐーぎゅるる


心「と思ったけどやっぱり元気でない……ガス欠……」

心「とりあえず化粧はして、髪は……後ろでくくるだけでいいかな」

心「あとはジーンズとシャツ……うん、服もこれでよし」

心「いや~、はぁとってばどんな髪型しても似合っちゃうなあ♪」

心「………」

心「ふわぁ……いこ。あ、あと一応変装でサングラスかけとこ。あと香水も」

心「なんだかんだ癖になってるなぁ、身だしなみの整え方……」

――最近、アイドルの仕事が忙しくなった。

それはもちろんいいことだけど、はぁとの身体はロボットじゃないから、頑張れば頑張るだけ疲れは溜まっちゃう。歳も歳なんで☆

常に見られてることを意識して、愛想よく振る舞って、笑顔を振りまいて。
笑顔の仮面ってほどじゃあないけど、自然体でいられない時間が長いのは事実。
だから、身体だけじゃなくて心もだんだん疲れてくる。

……なかなか難しいもんだよね。アイドルって。
まあ、社会人はみんなそんなもんかもしれないけど。

外に出て


心「ん~~っ」グググッ

心(背筋伸ばしたらちょっとすっきりしたかも……コンビニじゃなくてスーパーまで行こうかな)

心「あっちのほうがお弁当も若干安いし……ん?」クンクン

心「こ、この鼻孔をくすぐるジュースィーな香りは……!」



男の子「ホットドッグひとつください!」

店員「はい。ちょっと待っててね~」



心「公園にホットドッグの屋台が来てる……」ゴクリ

心「……じゅ、ジュースィーな焼きそばの香りが」

心「で、でも。ああいうのって値段の割に高かったりするかも」


ぐぎゅるるっ


男の子「あ! 今おなかの虫鳴ったでしょー」

女の子「あたしじゃないよー」


心「………」


心「すみませーん♪ ホットドッグひとつ☆」

店員「ありがとうございます」

心(まあ、とりあえずお腹を膨らせるのが先決ってことで)

店員「お次のお客様どうぞー」

「ホットドッグ、Lサイズひとつ」

店員「かしこまりました」


心(……ん? この声)クルッ

P「ふう……ん?」チラッ


心「あ」

P「あ」

P「そこのベンチが空いてますね。座りましょうか」

心「う、うん」

心(や、やばっ……まさかプロデューサーに会うなんて想定してなかった!)

心(はぁとの格好おかしくないかな……寝ぼけたまま化粧したし、どこか失敗してたらどうしよう)

P「ふう……っと。座っただけでため息ついてたら、年寄り臭いですかね」ハハハ

心「へ? あ、う、うん。かも、ね」

P「……どうかしました? 様子が変ですけど」

心「あ、いや……その」アタフタ

心「格好、変じゃないかなって……」

P「格好? 俺の?」

心「はぁとのっ」

P「? 別に変じゃないですよ。いつもよりラフではありますけど、そういう服も似合ってると思うし」

心「ほっ……」

P「休みの日は、いつもそんな感じですか?」

心「え? えっと、それは……」

心「きょ、今日は、ほら。たまたま地味な服を着たかった気分というか♪」

心「たまには違う感じの服着て、自分自身を見直す的な?」

P「へえ」

心「あははっ☆」

心(はあ……なんとかごまかせた)

心(………)

心(あれ? そもそも、休みの日の格好のことまで見栄張る必要ある?)

心(最近仕事のスケジュールが盛りだくさんだったのは、プロデューサーだってよく知ってるんだし。『疲れてるからこれで済ませちゃった♪』で納得してくれるじゃん、きっと)

心(人に見せられないようなズボラな服装なわけでもないし……)

P「心さん?」

心「………」

心「やっぱり、この人が相手だからなのかな……」ボソッ

P「はい? なにがです?」

心「……へっ? い、今、はぁと、何か言った?」

P「ええ。この人が相手だからとかなんとか」

心「っ! わ、忘れといて、それっ!」

P「は、はあ」

心「………」イジイジ

P(なんだこの反応?)

P「あ、そうだ。冷めないうちに、ホットドッグ食べないと」

心「あっ、忘れてた!」パクッ

心「あひゃっ!?」

P「大丈夫ですか?」

心「だ、大丈夫大丈夫♪ ちょっと思ったより熱かっただけ」

P「舌、やけどとかしてないですか」

心「もう、心配性だなプロデューサーは♪」

心「ほら、なんともないだろ☆」ベー

P「………みたい、ですね」

P(いきなり舌出されたからちょっとドキッとした)

心「プロデューサーも、うっかり『あちっ』ってならないように気をつけてね♪」

P「ああ、はい。気をつけます」パク

P「お、うまい」

心「デリシャス☆」ニコニコ


心「そういえば、プロデューサーはどうしてここに?」

P「俺ですか?」

P「まあ、ただの散歩ですよ。いい匂いがしたから寄ってみたら、屋台があったってわけです」

心「あはは、はぁととおんなじだ♪ ジュースィーな香りがしたよね」

P「ですね。味も当たりだったと今わかりましたし、買ってよかったです」

心「うんうん♪」



心「散歩ってことは、この後もぶらぶらする感じ?」

P「そうなりますかね」

心「ふーん、そうなるんだぁ」

P「そうなります」

心「………」ジーー

P「………」

心「………」ニコッ

P「………」

P「よかったら、一緒に来ます?」

心「うん、行く☆」

P「……ははっ」

心「ふふっ」



心(ホットドッグ食べたら、家に帰って昼寝するつもりだったけど……でも、心のリフレッシュもしないとね♪)

心「あったかくなってきたねー♪」

P「昼間は暑いくらいかも」

心「言えてる♪」

心「これから先は、汗の臭いが気になる季節に突入☆」

P「汗臭い人は印象悪くしちゃう場合がありますからね」

心「プロデューサーは大丈夫? 汗対策は用意してる?」

P「こういう職業なんで、そこは当然」

P「プロデューサーのイメージは大事ですから」

心「さっすが~!」

P「でも、なかなか自分の臭いって消えないんですよね。しかも自分はそれに慣れてるから気づきにくいのがなんとも」

心「わかるなぁ、それ。女の子は特にその辺気を遣わなきゃいけないから――」


チリンチリンチリーン!


P「っと、危ない!」ガシッ

心「えっ」

ぐいっ

心「あ………」

P「自転車だからって好きにスピード出していいわけじゃないんだけどな……大丈夫ですか、心さん」

心(ぷ、プロデューサーに守られて、抱き寄せられる格好に!?)

P「……心さん?」

心「え、あ、はいっ! 大丈夫! 怪我とかないし♪」

P「ならよかった」

心「………」スンスン



心(確かに、人の匂いってなかなか消えないのかも……)

心「……嫌いなアレじゃ、ないかも」

P「?」

心「あ、ゲーセンあるよ♪」

P「入ります?」

心「一緒にモグラたたきしよ♪ 協力プレイ☆」

P「またですか?」

心「またぁ? 前回ゲーム開始直前で、電話入ったからって逃げたのはどこのどいつだっけ~?」ジトーー

P「そんなことありましたっけ?」

心「あったわ!」(劇場447話)

心「だいたい、プロデューサーははぁとの扱いがぞんざいで、他の子に比べて雑っていうかくどくどくどくど」

P「や、やりましょうやりましょう。モグラたたき付き合いましょう」

心「よし☆ ハイスコア更新するまで帰さないからな☆」

P「それは後ろで待ってる人に迷惑だからやめましょう」

心「はー、遊んだ遊んだ☆」

P「のんびり散歩の予定だったのに、えらく激しく運動しましたね」

P「ちょっと休みます? 自販機とベンチありますし」

心「そうする♪」

心「ぷはー、ジュースは最高だな☆」

P「すっごい癒された顔してますね」

心「よくよく考えたら、はぁともともと結構疲れてたんだよね♪」

心「プロデューサーと一緒だからって、ちょっとはしゃぎすぎちゃったかも♪」

P「疲れてた……やっぱり、仕事の量が増えてるからですよね」

P「スケジュール管理は気をつけているつもりですけど……すみません」

心「えっ? え? いやいやいや! ここマジトーンで返すとこじゃないって!」

心「仕事が多いってことは人気が出てるってことで、それははぁとも望んでることなんだから」

P「そうでしたか?」

心「そうだって。もう付き合い長いんだから、雰囲気でだいたいわかるでしょ?」

P「……そうですね。落ち着いて考えてみると、その通り」

P「たぶん俺が、ちょっと気にしすぎていたのかもしれません」

心「プロデューサーが?」

P「最近、いろんな形の仕事をやってもらってますからね。先日は林業体験もしてもらいましたし」

心「チェーンソーの感触が癖になりそうだったアレ?」

P「はい」

P「人気を取るためなら基本妥協はしないというあなたのやる気に甘えて、最近はいろいろやらせちゃってますけど……それが精神的な負担になっていないか、本当に心さんのやりたいことをやらせてあげられているのか。そう思うんです」

心「………」



心「………」チョイチョイ

P「?」

心「優しいはぁとアタック☆」ペチン

P「いて」

心「まったく、バカで心配性だなプロデューサーは」

心「はぁとは子どもじゃないんだぞ? やりたいことだけやって夢のトップアイドルつかめるなんて、そんな都合のいい話あるわけないってわかってるっつーの」

P「それは、そうでしょうけど」

心「それともなにか~? プロデューサーには、アイドルシュガーハートの笑顔が嘘に見えるの?」

P「………見えません」

心「だろ♪」

心「それに、どんな仕事でも、はぁとにとっては、全部最高に大切なものばかりなんだよ?」

心「どんな格好したって、どんな役回りを演じたって、はぁとは全部をスウィーティーにしちゃえるからな☆」

心「だから!」

P「……だから、楽しい?」

心「ふふっ、やっぱりわかってるんじゃん♪ はぁとのこと♪」

P「……付き合い、長いですから」ハハ

P「ここ最近仕事が増えたおかげで、少しプロデュース方針について考えすぎていたみたいです」

P「俺は心さんを信じます。シュガーハートを信じます」

心「よしっ! それでオッケー☆」

心「プロデューサーが信じてくれれば、はぁとも安心して突っ走れるからな☆」

P「ははは」


P「でも本当に、なにか悩みができたらすぐに言ってくださいね」

心「心配性だなあ」

P「あなたのプロデューサーなんだから、心配性なくらいがちょうどいいんですよ」

心「……それもそっか♪ 相性抜群だね☆」テヘヘ

心「ねえ、プロデューサー」

P「なんですか」

心「はぁと、トップアイドルになれると思う?」

P「……なれますよ」

心「どうして?」

P「俺が信じていますから」

心「……ばーか。さっきまで不安がってたくせに」

P「いいじゃないですか。それに、俺はそこに関しては、最初からずっと信じ続けてますよ」

心「ほんとかな~?」

P「本当ですよ。頼りないかもしれませんけど」

心「………」

心「冗談、冗談♪ 頼りないなんてとんでもない♪」

心「プロデューサーの前なら、自然体じゃないけど自然体になれるし。プロデューサーがプロデュースしてくれてる時が、一番スウィーティーでいられるから」


心「……だから、ありがと」

P「……どういたしまして」

心「さっ! そろそろ散歩の続きしよっか♪」

P「そうですね」

心「どこ行く? バッセン? カラオケ?」

P「散歩じゃないですよそれ」

心「細かいこと気にすんな☆」

P「まったく……しょうがないですね」

心「ふふ♪」


心「……プロデューサー!」

P「はい」



心「今日も、明日からも、よろしくっ☆」

P「………」

心「返事は?」

P「……はい、もちろん!」



おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます

総選挙もいよいよ終盤。
いろんな仕事を楽しみながら、まっすぐ前に進んでいく佐藤心さんにぜひ一票をお願いします
パッション&スウィーティーで魅力的な人です、はい

過去作もよければどうぞ(今回のSSとは別の世界線です)

二宮飛鳥「コンビニは強い」 ライラ「なるほどですねー」
モバP「しざーはぁと」
モバP「先輩! なにしてんすか!」 心「え゛」

乙乙

そういや某競走馬のキタサンブラックの母親がシュガーハートって名前なんだってね

某をつけた忌みがないんですがそれは

忌みがあったら怖えよ


やはりシュガハさんいい……!

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