モバP「モバマス昔話」 (30)

~桃太郎~


昔昔、あるところにそれはそれは仲の良い夫婦が住んでおりました。

P「おっし、山に芝刈りにいくか!」

ちひろ「それよりもっと金になる仕事やってこいよ穀潰しが」ボソリ

P「・・・行ってきます」

ちひろ「行ってらっしゃい」ニコリ

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯へ出かけました。

おばあさんが川へ洗濯に行くと、上流からとても大きな桃が流れてきました。

ちひろ「こんなに大きい桃は初めてですね。売ればどれだけになるんでしょうか・・・」

おばあさんは桃を手に入れ、家に持ち帰りました。

P「こんなに大きな桃、どこからくすねてきたんだ?」

ちひろ「あなたと違って私は日頃の行いがいいので、天からの贈り物に違いません」

P「まあいい。取りあえず、刃を入れてみるか・・・」

ちひろ「ちょっと待ってください。これは売るんですよ。どこかの金持ちにでも売りつければ・・・ふへへ」

おばあさんは慌てておじいさんから包丁を奪い取りました。

P「おっまあっぶな! 怪我したらどうすんだよ! 俺がいなきゃ生活なりたたねえぞ!」

ちひろ「・・・そうですねえ。それは、昨日までの話じゃ、ありませんか?」

おばあさんはしばし思案して、妖艶な笑みを浮かべました。それは今までに見たどんなものより恐ろしいものでした。

P「おいちょっと待て。包丁を下ろせ」

ちひろ「大丈夫ですよ」

P「何が!?」

おばあさんが包丁をおじいさんに突き刺そうとしたそのとき、桃が真っ二つに割れました。そしてそこから白く細い腕が二本、おばあさん目掛けて伸びました。

まゆ「・・・私のPさんに何をやっているんです?」

断末魔の悲鳴に驚いて目を閉じたおじいさんの指先に伝わる感触は生暖かく、ドロリとした何か。それは・・・

まゆ「うふふ。やっぱりPさんとまゆは運命の赤いリボンで繋がっているんですねえ」

手の先から続く、赤い液。それはまゆと名乗る女の手に繋がっていた。

まゆ「今まで育てていただいた恩、返しに来ましたよお♪」ニコリ

その笑顔は先ほどのおばあさんより怖かったそうな。

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~浦島太郎~

昔昔、ある浜辺で亀がいじめ(?)られていました。

きらり「にょっわー! なんてかわいい亀なんだにぃ! お持ち帰りしちゃおっと♪」

杏「うわあー! 誰か助けて-!」

P「待ちなさい! 嫌がっているだろう! 離してあげなさい!」

きらり「うう・・・ごめんね、亀さん」

突如現れた青年の一声に、如何に自分勝手な行いをしていたかを悟った少女は、ぶん回していた亀に謝り、一目散に帰って行った。

杏「うう・・・目が回る」

P「大丈夫か」

杏「助けてくれてどうも。お礼をしたいけど、おなかが減ってそれどころじゃないんだ。ごめんね」

亀は元気なさそうに言うと、砂浜にだらりと寝そべった。

P「ならうちでご飯を馳走しよう。それに、お礼なんていいよ」

杏「ほんと!? じゃあ行こう!」

青年は亀を持ち上げ、予想以上の重さに唸りながらも家に無事到着した。

杏「おお! こたつあるじゃん!」

家に着き、こたつを見つけた亀はするりと内部に這い入り、気の抜けた顔を見せる。

P「少しご飯の用意をするからちょっと待っていてくれ」

杏「うん・・・」

青年が夕餉を持って行くと、亀はスヤスヤと寝息をたてていた。

P「くつろぎすぎじゃないか? そもそも亀ってコタツとかいいのだろうか?」

仕方がないので一人で飯を食らっていると、もぞもぞと動きだし、亀は目を覚ました。

杏「一人だけ食べるなんてずるい!」

P「起こしたら悪いかなって。ご飯の用意もしてあるから好きに食べろ」

杏「やった!」

P「そういやお前さん、何で砂浜なんかに来たんだ。物珍しさに人が集まるのはわかるだろうに」

杏「あ~、竜宮城から追い出されちゃってね」

P「竜宮城!?」

竜宮城とは古くから伝わる言い伝えで、ものすごい美人の乙姫様と、美しい魚が暮らす、海の底にある煌びやかな城のことだ。

P「そこじゃあ年をとらねえって話だが本当なのか?」

杏「うん。そこの乙姫様が外に出なさいって」

P「結構酷い人なんだな、乙姫様ってのは・・・」

杏「あーうん、そうだね」

P「よし! 俺が竜宮城に戻れるように説得してやる!」

杏「・・・ほんとは行きたいだけなんじゃ?」

P「ばれたか」

杏「めんどいけど、助けてくれたからね。連れて行ってもいいけど・・・」

P「どうした?」

杏「乙姫様は自分の年齢を保つために外から来た人の生気をすうって噂が」

P「んー、じゃあやめとくか~」

杏「それがいいよ」

そこから青年と亀は亀をぶん回していた少女とも仲良くなり、三人で仲良く暮らしましたとさ。そこで青年は乙姫様が亀を追い出した理由を知ったのは別のお話。


菜々「何か酷い誤解を受けた気がしたんですけど・・・」
七海「気のせいれすよ~♪」

~桃太郎2~

一命を取り留めたおばあさんでしたが、こんな恐ろしい子とは暮らせませんと家を出て行きました。

P「最初はびっくりしたけど、俺を助けてくれるためだからな・・・」

まゆ「Pさんが殺されちゃうと思って一心不乱であんなことを・・・。本当におばあさんには申し訳ないことをしました」

P「いやいいよ。まゆがいい子なのは知ってるから!」

まゆ「本当ですかあ? うれしいです♪」

Pは桃から生まれた少女をまゆと名付けました。

P「しかし桃から人の子が生まれるとは奇特なこともあるものだな」

まゆ「私は元は桃の木だったんですよ」

まゆの話ではPが芝刈りをしていたあたりにあった一本の実のならない桃の木、それがまゆだったとのこと。Pが芝を刈ってくれたおかげで、栄養が木に集中し、快適な生活を送れたらしい。

まゆ「どうしてもPさんに恩返しがしたい、そんな一心で流れる星に祈っていたら、久々に桃がなったんですよ! それが私です。あまりに大きなものですから、木から川に落ちちゃいましたけど、こうやって出会うことができました。これってやっぱり運命ですよね?」

P「そうだな。そうに違いない!」

それから二人は仲良く暮らしていき、数年が経った頃でした。

P「最近鬼が暴れ回っているらしいな。金銀財宝が被害に遭いまくっているらしい」

まゆ「怖いですねえ・・・決めました。まゆ、鬼退治に行きたいです!」

P「いきなりどうしたんだ! そんな危険な目に合わせられるわけが・・・」

まゆ「誰かがやらなくちゃいけないんです。それに、まゆとPさんの安寧を脅かす可能性は極力排除しておきたいんですよお♪」

まゆが来てから護身用にと買った刀を手に取り、まゆは腰に差した。

まゆ「大丈夫ですよ、まゆはPさんのためなら何だってできます」

P「・・・どうしても行くんだな?」

まゆ「はい」

しっかりと意思を感じさせる頷きで、Pは彼女を止めることをあきらめた。

P「じゃあこれを持って行け」

まゆ「これは?」

P「きび団子だ。おなかがすいたら食べなさい」

まゆ「ありがとうございます。大切に食べますね」

P「それとこれからは桃太郎と名乗りなさい。女の一人旅だと危ないし、なめられる」
 
おじいさんは桃太郎の髪を結い、赤いリボンで鉢巻きを作り、可能な限り男っぽく見えるようにしました。

まゆ「桃太郎、行ってきます」

P「絶対、無事で帰ってこいよ」

まゆ「Pさんがいるところがまゆの帰る場所ですから」

そうして桃太郎は鬼退治を目標にし、出発した。

まゆ「しかし、Pさんのきび団子ですか。できるならば食べることなく保管しておきたいところですが、Pさんの負担を軽くするために路銀は少なくしておきましたし、食べざるを得なさそうですねえ」

「ちょっと待つにゃ!」

前方に陰が現れた瞬間、桃太郎は一歩引き、腰の刀に手をかけました。

まゆ「邪魔をするのは誰ですか~?」

みく「ちょ、ちょっと本当に待つにゃ!」

まゆ「猫ちゃんですか~。何のようですか?」

みく「おなかがすいて今にも死にそうなのにゃ! 何か食べ物をくれたら何でもするにゃ!」

まゆ「へえ~何でも・・・」

みく「あ、あの」

桃太郎の舐めるような視線に身の毛のよだつ猫。その目は深淵のように深く、暗く、恐ろしかった。

まゆ「仕方ないですねえ。もうすぐ街につくのでそこで何か買ってあげましょう」

みく「やっぱなしに・・・」

まゆ「何でもやってもらわないといけませんからねえ♪」

みく「ひいっ!」

この人間は阿修羅に違いない。骨の髄まで使われて捨てられる。そう猫は思った。

まゆ「私は桃太郎と言います。猫ちゃんのお名前は何ですか?」

みく「みくはみくって言うにゃ」

もう何もかも悟った猫は諦めて桃太郎のおともになることにした。

みく「でも何で次の街にゃ? いい匂いがしたから何か持っているんじゃないかにゃ? この袋化にゃ?」

猫が手をかけようとしたとき、桃太郎は驚く早さで猫の腕をつかみ、捻りあげた。

まゆ「私はあなたのの主です。言われたことだけをやればいいんですよ。わかっていますか?」

みく「いたいいたい! いたいにゃ! わかった、わかったから離して~!」

まゆ「わかればいいんですよ~」

みく「うう~」

猫は涙目になりながらも桃太郎に続く。

みく「それで、みくに何をやってほしいのか。それを教えてほしいにゃ」

まゆ「鬼退治のお手伝いでしょうか」

みく「鬼退治!?」

桃太郎は猫にいきさつを話しました。

みく「酷いやつにゃ! それならみくも喜んで手伝うにゃ!」

まゆ「じゃあご飯はいいんですね?」

みく「それとこれとは別の話にゃ!」

まゆ「・・・止まって」

みく「へ?」

「ふふ、私たちに気づくとは中々やり手なんじゃないかしら?」

「本当・・・ですね。久々に、腕がなります」

みく「・・・何かすごくいやな予感がするにゃ。初対面なのに」

のあ「初めまして。のあよ」

アナスタシア「ミーニャ ザヴート アナスタシア。アナスタシアと・・・言います。アーニャとお呼びください」

まゆ「私は桃太郎ですよ。こちらは僕のみくです」

のあ「・・・面白そうな子ね」

みく「ひいっ!」

まゆ「それで、わざわざ道をふさいで何のようですか? 邪魔をするなら、斬りますよ~?」

スラリと長い刀を抜く。

のあ「・・・猫である我々に刀を向けるとは中々に余裕がないのね」

まゆ「そうなんですよ。懐に隠し持ってる銃で撃たれたら死んじゃいますからねえ」

のあ「!」

アナスタシア「のあ、落ち着いて、ください」

のあ「ええ、わかっている。争いに来たわけじゃないの」

まゆ「じゃあ何を?」

アーニャ「さっき、聞きました。鬼退治、行くそうですね?」

まゆ「ええ」

のあ「・・・私たちも、鬼には困っている。被害にあったから」

アーニャ「でも皆鬼が怖い、だから倒しに行かない、ですね。あなたはナジェージタ・・・あー、希望ですから、お手伝い、したいです」

のあ「・・・桃太郎、貴方はいい目をしているわ。気迫も確か、信用できるわ」

まゆ「そういうことなら是非お願いします♪ 正直このポンコツダメダメネコだけでは心許なかったんですよ」

みく「そんな風に思ってたのかにゃ!?」

まゆ「さあ、少し腹ごしらえをして、向かいましょうか~」

みく「ちょっと!?」

まゆ「世の中にはこんな料理があるんですねえ」

みく「ちょっと! 何でみくの料理魚になってるにゃ!?」

のあ「・・・ごめんなさい。今はお肉の気分なの」

みく「だったら最初から頼めばいいじゃん!」

のあ「・・・折角の食事、楽しみましょう?」

みく「お前のせいにゃ~~~!」

アーニャ「キラキラしてますね。まるで、ミチオール、流星みたいな輝き、ですね。お魚、おいしそうですよ?」

みく「うう・・・」

のあ「私が責任を持つわ」

唐突に箸を持つと、猫の口目掛けて魚を突っ込んだ。

みく「にゃ~~~!」

アーニャ「船旅も終わり、つきましたね、鬼ヶ島」

のあ「ええ」

みく「もう魚はいや、魚はいや」ブツブツ

のあ「魚がみせる輝きに、彼方へと届く光を見るわ。・・・それが進むべき未来・・・魚こそ、一つの鍵」

みく「そんなの嫌にゃ~~、船の上でもう一生分の魚はたべたにゃ!」

アーニャ「ええと、桃太郎、どこですか?」

まゆ「こ、ここですよ~」

のあ「・・・大丈夫かしら。船酔い、辛かったでしょう?」

まゆ「ちょっとだけ、待っててもらえますか?」

のあ「・・・私は貴方の内なる心に希望の星を観た。桃太郎。これからも共に目指す、未来へ向けて、あと少し」

まゆ「先に・・・行っててください。追いつきますので」

アーニャ「・・・ダー、行きましょう。先手、必勝。気づかれてると、困ります、ね?」

みく「みくも早く魚以外のもの食べるにゃ!」

のあ「・・・行くわ」

まゆ「・・・うう」

~~

アナスタシア「美しき氷の華はホーロドヌィ」

氷を生み出し、アーニャが鬼を凍りづけにしていく。

のあ「・・・出番はまだ?」

みく「みくたちいらない子にゃ?」

アーニャ「そうでも、ないみたいですね」

「ボンバー!」

炎を纏いし鬼が突っ込んでくる。その熱量で当たりの鬼たちは氷共々溶ける。

茜「あなたたちが侵入者ですね! やっつけます! トラーイ!」

アーニャ「アーニャの氷、効かない、ですね。のあ」

のあ「やっと私の出番ね」

懐から取り出した、銃を構える。

のあ「っと、危ない」

炎の鬼の突進を避け、引き金に手をかける。

のあ「・・・あら?」

茜「ボンバー!」

みく「・・・そのままどっかいっちゃったにゃ」

「ありゃ? あかねちんまた消えちゃった?」

「また探しに行かないといけませんね」

のあ「誰?」

未央「おっとっと。銃をつきつけられちゃ落ち着いて話しもできないよ」

藍子「みなさんクールダウン。冷静になりましょう?」

アナスタシア「そうですね。なら、冷たい天使の輝きを、あげましょう」

未央「あーちゃん」

藍子「は、恥ずかしいけど。ゆるふわタイム!」

アーニャ「あ、あれ?」

未央「説明しよう! このあーちゃんの技は相手に強制的にゆるふわ状態にしてしまうんだ。ゆるふわ状態になると敵意だとかが消え ガン

藍子「未央ちゃ!? う・・・」ガン

アーニャ「アパズタール・・・遅刻、ですよ」

まゆ「遅れてすいません。でも仕事はしましたよ?」

未央「いたた。今のは効いたな・・・」

藍子「うう、何で」

まゆ「敵意はありませんもの。・・・私にあるのはただ一つの愛ですから」

のあ「・・・ここは任せて」

まゆ「ええ。お願いします。恐らく次の相手は私が手を下さねばなりませんから・・・」ニコリ

みく「わあ、味方でもすごく怖い」

未央「ここは通さないよ!」

まゆ「みくちゃ~ん」

みく「桃太郎は死んでも通すにゃ!」

藍子「行かせない!」

アーニャ「おっと、アーニャのこと、忘れないでください」

のあ「・・・私は」オロオロ

茜「ボンバー!」

のあ「いた」ホッ

まゆ「みなさん、お願いしますね」ダッ

~~

「ふへ、ふへへへへ。こんなにお宝が・・・。売ったらいくらに」

バタン

勢いよく宝物庫の扉が開く。

「誰ですか!?」

まゆ「やっぱりあなたでしたか・・・おばあさん」

ちひろ「お、お前は~~~~!」

まゆ「やはり最初に殺しておくべきでしたね」

ちひろ「前回は不意を突かれただけですよ。対面からなら負けません」

まゆ「まゆはあなたを殺します。これは確定事項ですよ」

両者は刀を抜き、飛びかかる。

まゆ「平穏に暮らしていれば見逃したものを・・・。でもこれであなたを殺す大義名分が再びできました。うふふ」

ちひろ「こんな切羽詰まった状態で笑顔とは余裕ですね」

まゆ「Pさんの中にまだあなたの存在はありました・・・それを今から消せると思うと嬉しくて笑顔にもなっちゃいますよ!」

ちひろ「ぐっ!」

まゆ「じり貧なのはどっちですかね?」

ちひろ「舐めないでください」

急におばあさんの服が発光する。

まゆ「あああああああああああっ!!」

ちひろ「何でこんなだっさい蛍光緑の服着てると思ってるんですか? このためですよ!」

おばあさんはとどめを刺そうと刀を振り上げる。しかし振り下ろそうにも下ろせない。

ちひろ「あ、あれ?」

まゆ「まゆがあんなに近づいといて何もしないわけないでしょう? 自慢のリボンで縛っておきました♪」

ヨロヨロとまゆはたちあがり、刀をおばあさんに向ける。

まゆ「さあ、地獄ではせいぜい鬼、悪魔となかよくしていてくださいね♥」

ちひろ「これは私のお金だああああ!」

ザシュッ

▼鬼ヶ島のボスを倒した

まゆ「みなさーん、おわりまし・・・話し声が聞こえますね」

未央「え、みくにゃん何でもできるの!?」

のあ「ええ、私が保証するわ」

みく「ちょっと待つにゃ!」

アーニャ「あ-、魚の踊り食いとか、面白そうですね」

茜「さっき間違って海に突っ込んでしまったときに魚を捕まえておきました!」

みく「藍子ちゃん! 助けて!」

藍子「・・・あはは」

のあ「さあ、みく。動いておなかすいたでしょ?」

みく「みくの扱い酷くない?」

未央「さあさあ早く!」

アーニャ「こういうときのかけ声、知っています! イッキ、イッキ、ですね?」

イッキイッキイッキイッキ

まゆ「・・・まゆが大変なときにこの人たちは歓談・・・ですか。うふふふふふふふ」

この日鬼ヶ島に響いた断末魔の叫びは一つや二つではすまなかったらしい。

まゆ「最後はPさんとまゆが幸せに暮らしておわり。紛う事なきハッピーエンド、ですよね? もし違うと言うのなら、あなたの体を真っ赤なリボンでコーティングしてあげますから」


おわり

のあーにゃのセリフ難しい

気が向いたらまた書くかもしれない
金太郎ってどんな話だっけ

~金太郎~


ちひろ「拾った子供を売り飛ばせば金になると思ったんですけどな・・・まさか奴隷廃止制度があるとは。故郷でこき使わせたくはありますが、さすがに遠いし、うるさいこのガキ連れて道中進むのは嫌ですね。捨てていきますか」

「ん、ん~」

ちひろ「しっかしいつまでも仏頂面でかわいくないですねえ。誰か面倒見てくれる人に拾われると良いですね」サッサッ

「んーーー」

「・・・何の声でごぜーますか?」

「・・・き、聞かれても知らないんですけど」

「えっと、私もあんまり知らないかな・・・?」

「全く、皆知らないのにゃ? これは多分人間の声にゃ」

仁奈「ちょっと見てくるでごぜーますよ!」ダッ

森久保「え、あ、ちょっと。危険だとおもうんですけど・・・」

みく「美優さん、行くにゃ!」ダッ

美優「あ、うん。仁奈ちゃん心配だもんね」タッ

森久保「あ、う、森久保を一人にしないでほしいんですけどぉ・・・うう」サッ

~~

「ん~」

仁奈「うわ~、小せえですね」

みく「仁奈ちゃん、あんまり人間の通る道に近づくのは危ないにゃ」

仁奈「ご、ごめんなさい。でもこいつはなんでこんなところにいるでごぜーますか?」

美優「・・・きっと捨てられたのね」

仁奈「・・・え?」

美優「人間は残酷なの。自分が育てたくないって思ったら、無力な子供を捨てるのよ」

仁奈「・・・」

みく「でもみくたちには関係ないにゃ。さっさと戻ろ。人間に見つかったら事にゃ」

仁奈「決めたでごぜーます! この子は仁奈が育てるですよ!」

みく「却下するにゃ」

仁奈「何ででごぜーますか!」

森久保(え、え? 来ていきなりこの状況は何なんですか? 修羅場ですか? 修羅場なんですね?)

美優「あのね仁奈ちゃん。人間は危険なの。育ったら絶対私たちの敵になるわ」

仁奈「でも! 今はこんなに小さくて、なのに一人で、そんなのぜってえおかしいです!」

美優「仁奈ちゃん・・・」

みく「・・・仁奈ちゃんにここまで言われたら引き下がるしかないにゃ。それでいいよね、美優さん、乃々ちゃん」

美優「そうね」

森久保「あ、あの、森久保は現状維持がいいんですけど・・・」

みく「仁奈ちゃん、皆良いって」

森久保(あれ?)

仁奈「やったー! この子を立派なクマにするでごぜーますよ!」

みく「ダメにゃ。この子は猫にするにゃ」

森久保(種族は変えられないと思うんですけど)

美優「まあまあ。それでこの子の名前はどうする?」

仁奈「名前はもう決めてるですよ。名前は・・・拓海でごぜーますよ!」

~十数年後~

仁奈「おおー! もう魚を捕まえるくらいわけねーでごぜーますな」

拓海「当たり前だろ。何年やってると思ってんだ」

みく「ぎゃー! また魚捕ってる! 止めてって言ってるにゃ!」

拓海「お前が食わなくてもアタシらが食うっての」

美優「イノシシ捕ってきたよ~!」

森久保(あれから時が経ち、拓海さんは立派に育ちました。一所立派すぎるところがあるんですけど)

拓海「おいリスクボ! 何やってんだ。飯の時間だぞ!」

森久保「あ、あの。森久保なんですけど。それと森久保のことは放っておいて
拓海「いいから早く来い!」

森久保「あ、はい」

森久保(こんな日々を送っています。拓海さんを拾ってから臆病だった美優さんが劇的に変わりました。昔はウサギでも怖がっていたのに、今ではこんなに大きな獲物まで・・・そもそも森久保は草食なんですけど)

「フフーン♪」

仁奈「あ、幸子おねーさんでごぜーます!」

幸子「お久しぶりですね! 今から昼食ですか?」バサッ

拓海「見りゃわかんだろ」

幸子「相変わらずクチが悪いですね」

美優「今日は珍しく一人なのね」

幸子「そうなんですよ! 皆さん怖がって最近外に出ないんですよ!」

仁奈「怖い? 何がでごぜーますか?」

森久保(世間が、でごぜーますよ、なんちゃって)

幸子「最近都でPってやつが暴れているらしくて。それで余興と称して飛んでいる鳥に石を投げて撃ち落とそうとするんですよ! それ以来皆さん怖がってあまり飛びたがらないんですよ!」

拓海「そりゃ普通だろ。飛んでるお前があほだ」

幸子「都の方行かなきゃすむ話でしょう! ボクのカワイさを世に知らしめなければなりませんので、ボクに飛ばないという選択肢はありません」

美優「そういえば菜々ちゃんや智恵理ちゃんも最近都が騒がしいって言ってましたね・・・」

拓海「まあお前なら大丈夫だろ」

幸子「当然ですよ! ボクは鶴ですからね!」

森久保(何の解決にもなっていないと思うんですけど)

幸子「それじゃあボクは行きますね!」

森久保(そう言って舞い上がった彼女に待ち受けていたのは彼女にとって死よりも恐ろしい、片翼を失うという事実でした)

拓海「幸子!」

美優「ダメ、石が貫通してる!」

仁奈「ち、治療するでごぜーますよ!」

拓海「・・・Pってやつのせいか、野郎!」

美優「拓海ちゃん! どこ行くの!」

幸子「い、痛い・・・」

美結「! 大丈夫よ幸子ちゃん! 仁奈ちゃん、葉っぱとしっかりした枝持ってきて!」

仁奈「拓海・・・」

森久保「あ、あの、葉っぱと枝ならここに・・・」

美優「ありがと乃々ちゃん!」

美優(十中八九拓海ちゃんは都行ったわよね・・・血の気が多いんだから!)

森久保「あ、あれ? 仁奈ちゃんは?」

美優「まさか仁奈ちゃんまで!? ・・・今日は厄日だわ」

~~

拓海「っくしょう! ぜってえぶっ殺してやる!」ザッザッ

人間「なんだありゃ」

人間2「えれえ別嬪じゃねえか。ちょっかいかけっか?」

人間「止めとけ! Pにばれたらぶっ殺されて、臓器を売られちまう」

人間2「・・・そういやそうか。あんな都中の女集めて毎日パーティーたあ良いご身分だよな全く」

人間「それほどの力が、やつにはあるからな」

~~

美優「取りあえず応急措置はこれでいいわね。後は薬草採ってこなきゃ!」

森久保「あ、あの。みくさんが・・・」

美優「! そう、みくちゃん!」

みく「うう・・・」ガクガク

美優「みくちゃん! 大丈夫! 石なんて飛んでこな」ヒュン

みく「いやっ!」

「おやあ? 撃ち落とした鳥を見にこれば、これはこれは。面白そうな獣がたーくさん。やりがいがありますね」パシン

美優(この声は!)

清良「楽しませてください♪」ニコリ

森久保(その声の方を見ると、手の中で数個石を弄びながら、颯爽と暴力が現れました)

美優「・・・清良!」

清良「・・・おや~、その顔の傷。どこか見覚えがあると思ったら、かつての私の獲物じゃあありませんか!」

美優「お前だけは必ずこの手で!」

清良「あなたにもらった傷、剥製にでもして飾れば幾らか癒えますかねぇ?」ビュン

美優(避けたらみくちゃんに当たる!)バシッ

清良「石だけに集中してたらだめじゃないですか♪」

森久保(鈍い音とともに美優さんの体が若干浮き上がる。それを皮切りに、サングラスをかけた女は休む暇無く手足で追撃をくらわす)

美優「いい加減に!」ブンッ

森久保(美優さんの攻撃をひらりとかわすと、人間はいったん距離を取り、近くの手頃な石を拾いました)

清良「お互い年は取りたくないわね。寿命が短いあなたはなおさらでしょうけど」

美優(・・・怖い、昔はこんなこと思わなかったのに)

清良「それともその子を庇っているから動きが鈍いのかしら? ま、私にとってはどうでもいいですけど!」

美優(くっ!)バシ

森久保(石を弾くも今度はしっかり人間の攻撃を受け止めました。しかし美優さんの不利が変わるわけではありません。本来なら虎が人間に負ける道理はありませんが・・・)

美優(今みくちゃんから離れて狙われたら一溜まりもない。)

森久保(みくちゃんのハンデもそうですが、美優さんが恐がりになったのは人間に傷をつけられてから。そのトラウマが彼女の動きを鈍らせる・・・虎だけに)

美優(怖い・・・けど)

清良「・・・初撃成功した時に決めておけばよかった。隙がないわね」

森久保(! 震えが止まった・・・だと?)

美優「自分の命だけならまだしもみくちゃんの命がかかっているときに怯えている場合じゃないわね」

森久保(あんなに恐がりだった美優さんが・・・拓海さんに触れたからといって人間を克服できたわけでもないのに。・・・森久保も現実逃避してる場合じゃないですね・・・)

美優(少しでも隙ができればのど元食いちぎる!)

清良「仕方ないわね、あまり西洋の道具は使いたくなかったけど・・・」スッ

森久保(今!)ブンッ

清良「っ!?」バシッ

美優「はあああああっ!」ドスッ

森久保(森久保の投げた木の実が人間の手にあたり、その隙を美優さんは逃しませんでした。一瞬で距離を詰め、思いっきり正拳突き、そして倒れたところに馬乗りになりました)

美優「誰も殺させない」

清良「・・・見逃してたリスごときに隙作らされるとは思ってませんでしたね」

ガブッ

~~

拓海「P! どこだ! ・・・場所がわからねえ。都まで来たはいいが、Pってやつはそもそもどいつだ?」

「俺をお捜しかい?」

拓海 バッ

P「森から出てくるの、見てたよ」ニヤリ

拓海「てめえか・・・!?」ゾワリ

拓海(なんなんだこいつ・・・この悪寒、それによくよく考えりゃ言葉通じんのもおかしな話じゃねえか)

P「なぜ意思の疎通ができるか、思案でもしているのかい?」

拓海「ッ!」

P「君は非常に顔に出るな、かわいらしい」

拓海「気色わりいな、お前」

P「何、すぐに君も私を気に入るさ。私には力が、金がいくらでもあるんだからな!」

拓海(連れの女どもは全員楽しそうな面浮かべてねえが・・・それよりあいつのせいで幸子は・・・)

P「君も我が側室の一人にしよう。うん、そうしよう! もう少し寄ってもいいぞ」

拓海「・・・うるっせえぞこのばかたれが!」ボゴッ

P「いっ!? 貴様! 俺に何を!?」

拓海「ガタガタぬかしてんじゃねえぞ変態野郎。てめえのせいでっ!」

P「俺に刃向かうとは・・・側室はやめだ、見せしめとしてまた処刑してやる!」

側室「やばい!」

側室2「またあいつが来る! 逃げろ!」ダッ

P「酒呑童子!」

拓海「なんだあ・・・?」

P(酒呑童子)「ククク、ま~た俺様の出番か~。酒の準備しとけよなあ~」

拓海(さっきの悪寒が強くなった! それに黒い瘴気が立ち上ってやがる。何なんだ!?)

P(酒呑童)「さっさと終わらせて酒でも呑ませてもらうかの~!」スッ

ふわりと浮き上がったかと思うと、ひらりと身を翻し、拓海に向かってくる。

P(酒呑)「おら、しめえだ」

空中からの連撃を拓海は両手でうまく受け流す。

P(酒)「ほう? 中々~やるじゃあねえか~。んならこいつはどうだあ~?」

拓海「安心しろよカスが、お前はアタシがぶっころす!」

~~

美優「乃々ちゃん、悪いんだけどみくちゃんのこと見ていてくれるかな?」

乃々「あ、あの、美優さんはどちらに?」

美優「私は拓海ちゃんと仁奈ちゃんが心配だからちょっと見てくる」

乃々(揺らぎがない、あれは強者の目。普段は森久保と同じ焦点の定まらないような弱者の目だったのに・・・。やはり変わる・・・ものですね)

美優「だから、少し怖いかもしれないけれど、みくちゃんのこと

パーン

乃々(聞いたことのない、何かが破裂するような音。びびりの森久保は思わず身をすくませてしまいます。目の前で美優さんが崩れ落ちていく様を見て、結局美優さんも昔と同じだった・・・そうほっとした森久保がバカでした。美優さんが倒れたのは恐怖によるものではなかったのです。それは・・・流れる赤い血が証明していました)

清良「・・・甘かったわね。私を殺したと慢心? 胴と頭完全分離させるくらいしないとね? 殺し合い、なんだから」フラッ

乃々(手には黒く光る堅そうなもの。フラリと立ち上がり、それをもう一度こちらに向けました)

みく「みゆ・・・さ、ん?」

清良「悪く思わないで・・・ま、私もそう長くはないだろうけど、負けは嫌なの。お互い守るもの、のために、命をかけた。・・・それに敬意を表して、私もこれで死

みく「うにゃああああああああああ!」

乃々(ああ、気づいたときには何事も遅い。みくちゃんのギリギリの理性が、バチンと弾けました)

みく(?)「ヴヴゥ・・・」

乃々(低く唸ると空を飛ぶように跳躍、そして、敵の顔面を思い切り殴打しました)

乃々(彼女のもう一つの人格、拳聖前川。普段は柔らかい肉球を可能な限り硬くし、全身のエネルギーを込めて放つ拳の威力は虎である美優さんの一撃すら凌駕します)

乃々(かつては自身で制御不可故に周りを多数傷つけた。それ故に彼女は嫌われ、肉弾戦は分が悪いと遠くから石を投げられ迫害された経験を持つ)

乃々(彼女のような性格ならば、本来はここにはいないはず。しかし、その欠陥故に追い出された彼女は今ここにいる)

乃々「・・・気づいたら終わっているみたいですね」

みく「あ、あ、みく、また・・・」

乃々(青ざめる彼女よりまずは美優さん。理由はわからないですが、なぜか肩を損傷しています。恐らくあの人間が持っていたものの性なのでしょうが、今はどうでもいいです)

乃々「幸子さんに使用した余りの葉と蔓で止血を・・・」ギュッ

美優「う、うう・・・拓海・・・ちゃん、になちゃん」

乃々「美優さん・・・こんなになってまで拓海さんたちを・・・」

乃々(でも森久保にできることなんて・・・)

みく「み、みく・・・は」

乃々(・・・森久保は、静かに、誰にも見つからず過ごしたいだけの人生でした)

乃々(仁奈さんに見つかり、なしくずしてきに一緒に過ごすようになったこの方たちでしたが、森久保は・・・嫌いじゃありませんでした)

乃々「一人だったら森久保は既に死んでいたはずです。だったら拾ってもらったこの命で、恩返し、しなきゃですね」

乃々(森久保に力はありません。だから)

乃々「みくさん、戦、です」

~~

拓海「なめんな!」ボゴッ

P()「っつ! なんつう女だ」

拓海「お前、クチだけは達者なトーシロだな。力はつええし、反応もいいが、まるで体の使い方がなっちゃいねえ」

P()「んにゃろうが~!」バッ

拓海「ただのカカシだな!」ガスッ

P()「グフッ!」

拓海「魚捕りで手に入れたアタシの動体視力舐めんなっての!」

P()「ちくしょうめえ!」

仁奈「たくみ-!」

拓海「仁奈!?」

P()「・・・チャ~ン~ス~!」ニヤリ

仁奈「ヒャッ!」

P()「おいお前! こいつがどうなってもいいのか!?」

拓海「てんめえ!」

仁奈(?)「やはりあなたでしたかー」

P()「あ?」

~~


みく「みくが現実逃避している間にそんなことが・・・」

乃々「急がないと拓海さんたちが危ないです! ・・・しかし仁奈さんが菜々さんや智恵理さんを呼んだのは驚きでしたね」

みく「今の状態の美優さんと幸子ちゃんを放置しておくのはだめだもんね」

乃々「しかしさっきまで震えていたのにみくさん余裕そうですね」

みく「乃々ちゃんが一念発起したのにみくだけ逃げてるわけにいかないにゃ」

乃々「・・・そうですか」

みく「もうすぐ都中央にゃ!」

バッ

P「」

拓海「仁奈!」

仁奈「たくみー!」

「一件落着でして-」

乃々「・・・あ、あれ?」

みく「・・・っもうおわって、る?」

拓海「あれ? お前ら来たのか?」

みく「あ、うん。乃々ちゃんがボデフッ!」ボコオ

乃々「森久保は何も言ってないんですけど!?」

拓海「お、おう。今日はやけにアグレッシブだな・・・」

みく ピクピク

乃々「それで、そこの方は?」

拓海「ああ、アタシも今日知ったんだが山神さんらしい」

乃々「山神さまですか!?」

芳乃「はいー、性は依田、名は芳乃でしてー。以後お見知りおきを-」

仁奈「今回は酒呑童子の一件仕業だと思ったから、山神様にお願いしたんでごぜーますよ!」

芳乃「仁奈には感謝しておりますー。酒呑童子にはほとほと手をやいておりましてー」

仁奈「だから憑依してもらって、やっつけてもらったです!」

拓海「お前も考えてんだなあ・・・」ナデナデ

仁奈「仁奈はこう見えて拓海より年上でごぜーますよ!」

拓海「ははっ! わりいわりい。乃々も、来てくれてサンキューな」ナデナデ

乃々(乃々も年上なんですけど・・・なでられるのは悪い気しないですけど)

みく「そうにゃ! 美優さんと幸子ちゃんが!」

芳乃「それならご心配なくー」

~~

智恵理「世界に遍く存在する精霊よ、我が慈愛の心を以て治癒成す助力を貸し給え」

菜々「傷がみるみるうちに!?」

智恵理「あんまり天使の姿を見せちゃいけないんだけど、菜々さんもウサミンで特殊だから、お互い秘密ってことで」

菜々「は、はい・・・」

菜々(う、ウサミンってせってゲフンゲフン! ウサミンは存在しますけど、菜々は公言してるじゃないですか! 交換条件になっていませんよ!)

~~

拓海「そんなことがあったのか・・・」

芳乃「近くに悪しき心の持ち主もいましたが、それも酒呑童子の性故。しかし、根幹に破壊への悦びがあったのもまた事実。ならば浄化すればいいと判断しましてー」

みく「じゃああの人が生き返っても危害は加えないってことにゃ?」

芳乃「ええー」

乃々(道理で絶命したはずの人間が・・・しかし山神様が言うなら安心ですね)

P「う、うう・・・」

拓海「・・・起きたか」

P「ん・・・うわあ!」

拓海「お前を守る酒呑童子はもういねえ。存分にお前を痛めつけられるな」パキパキ

乃々(拓海さんが拳を鳴らすと酷く様になりますね・・・)

P「ご、ごめんなさい! 魔がさしたんだ! 許してくれ!」

拓海「お前そんな・・・

仁奈「なんで、こんなことをしたでごぜーますか? 酒呑童子と契約してまで」

P「お、女に捨てられたから・・・」

拓海「・・・は?」

***

P「え、別れる!?」

「ええ、あなたといてももう益にはなりませんから」

P「ちょ、ちょっと待て! 俺らあんなに愛しあっ

「はい? 私はあなたではなくあなたのお金を愛していただけですよ?」

P「え、そんな・・・」

「そもそもあなたみたいな冴えない男、誰が好きになるんですか? ここまで年齢=彼女いない歴であることを理解してください」

「権力もない、名声もない、今はお金もないあなたに価値はありません。さようなら」

P「待って! お願いだ! 親になんて言えばいいんだ! ちひろおおおおおおおおおおおおぉ!」

***

拓海「ひでえやつだな・・・」

芳乃「あー。ちひろ殿でしたかー・・・」

P「それで意気消沈した俺に酒呑童子が・・・」

仁奈「でも結果的にはお前の心の弱さが招いた結果でごぜーます。その性でどれだけの命が脅かされたか・・・」

P「もう悪さはしねえ! お願いだ! 助けてくれ!」

芳乃「・・・嘘をついてはいないようでしてー・・・今は」チラリ

P「ひいっ!」

拓海「・・・」ガン

P「いたい!」

拓海「帰るぞ」

P「へ?」

みく「あー、拓海ちゃんの拳は痛いからにゃー」

拓海「お前ほどじゃないだろ」ボソリ

仁奈「拓海・・・」

拓海「もういいだろこんなやつ、ほかっとけよ」

仁奈「・・・そうでごぜーますね」

拓海「ほら、おぶってやるよ」

仁奈「わーい!」

乃々「あ、あのみくさん、帰りも乗って・・・」

みく「仕方ないな-、乃々ちゃん歩きとすごく遅いもんね」

P「あ、あの!」

拓海「まだ何かようか!」

P「っ、どうしたら、そんなに仲良くできる?」

拓海「は?」

P「俺は・・・初めて話せるやつができたんだ。それがちひろだった。それでも裏切られた。俺にはどうしたらいいか・・・」

拓海「じゃあ来るか?」

P「は?」

拓海「アタシらが二度と悪さしないように見張ってやるから。山神様も近くにいるし」

みく「そんなこと言って、雑用全部任せるきでしょ」

拓海「・・・」

P「ついていって・・・いいのか?」

拓海「お前が望むなら」

P「・・・あ、ありがとう」グスリ



そうしてPは森で暮らすことになりました。酒呑童子の影響を受けた彼は森久保たちの意思疎通を容易にこなし、森で襲ってきた人間との通訳としても働きました。

襲ってきた人間は山神様の力により悪しき心とともに記憶もなくなってしまったようで、山で生活することになりました。

拓海「おいP! さっさと水もってこい!」

P「はいただいま!」

美優「えっと、あの、イノシシは・・・」

清良「あ、イノシシならこの間狩れましたよ」

仁奈「うきゃー♪ お魚たくさんでごぜーますよ!」

みく「うぎゃー! お魚飛ばさないでよ仁奈ちゃん!」

森久保(森久保たちは今日も平和に暮らしています)



終わり

次はプロデューサー金太郎かなあ?
なおサラリーマン金太郎は読んだことも見たこともない

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