男「う○こ拾いました」(181)


男(――いつも通りの帰り道。友との喧嘩の理由は些細なことからだった)


男「――あぁ!?メロンパンと言えば、外はカリカリ中はフワフワがいいに決まってだろぉ!?」

友「いいや、間違ってるッ!!外はしっとり中はフワフワが一番に決まってるだルルォォ!!」

男「んん……!!」

友「ぐるるるるる!!」

男「……どうやら、今日こそお前と決着をつけなければならないようだな」

友「いいぜ。ちょうどはっきりさせておくべきだと思ってんだよナァ…」

友「俺達の立場ってヤツをよォ……!!」

男「そうだな……!」


男「……武器を取れ!お互いに握ったモノ、それが自身の武器だ!!」

友「ヨッシャア!!」ガシッ

男「おめぇ!割れ欠けのビンは反則だぞ!」

友「うるせぇ!握ったもん勝ちだ!」

男「クソヤロォ……!なら……俺は!!」ムニュ


男「……んんっ!?」

男(今握ったそれは妙に生暖かく、そして程よく柔らかい。なんとなく、嫌な気がする)

男(手に握っていたそれは……)


男「う、う……」


男「うん○じゃねぇか!!」


友「うわぁ……お前う○こ素手で触るってマジかよ……」

男「こ、こんなものっ!」

友「お前、一度握った武器を捨てるというのか?男なら正々堂々、初志貫徹ッ!一度握った武器を離すなァ!!」

男「ち、ちくしょう……」

男「……でも捨てる」ポイ

友「捨てるのかよ」

「いたっ!」


男 友「「……ん?」」


男「今、声聞こえたよな……?」

友「お、おう……。確かに聞こえた」

男「けど、周りに誰もいないよな……」

友「いない、はずだが……」


「ここにいるだろ!」


男「……」

友「……」

友「下、からだよなぁ……?」

男「そうみたいだ。……一斉の声で見るぞ」

友「おうよ。じゃないと、俺チビッちまうかもしんねぇ……」

男「お前意外とこういうの弱いんだな……。……とりあえず、いくぞ!」


「一斉の声!!」バッ


うん○


男「……う○こだな」

友「○んこだな」


「だれがうん○じゃ!」

男「……」

友「……」




「「ウ、ウンコガシャベッター!!!!」」


う○こ「さっきからうん○う○こと、ガキじゃあるまいに……」

男「……」

友「」ポカーン

う○こ「ったく、私は曲がりなりにも神様だぞ」

男「……友、俺は疲れてるようだ。まさか、うん○が神様と名乗る幻を見るまでに疲労しているとは、思いもしなかった」

友「そうだな……。だから、さっきみたいにメロンパンが発端で喧嘩すんだよ……」

男「俺的には、早くここから逃げたほうが良いと思うんだが……」

友「おう……。行動は早くしねぇとな……」


う○こ「おい、まさか私の元から去るというのか……。初めて人間と接触できたというのに……」

う○こ「……決めた。お前ら、私の元から逃げるというのならお前達も私と同じ姿にしてやろう……!!」

男「世の中には物騒なう○こもいたもんだぜ。よし、俺の合図で逃げるぞ……!」

友「おう……。お前のタイミングに任せるぜ」

う○こ「えー、本当に逃げるのー?それじゃあ、遠慮無く神の力を使っちゃうよー?」


男「行くぞ……3.2.1……」

男「逃げろぉ!!」

友「ダァーーーッシュ!!」

男「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

う○こ「……聞かないのなら、仕方ない。ではいくぞ……」

う○こ「はっ!!」ブリッ

男「……え」


ブリブリブチブチブリブリブッチ


男 友「「大変申し訳ありませんでした」」


う○こ「分かったならよろしい」

う○こ「まったく、お前らのお陰で無駄に力を使ってしまった。これでまたノルマが遠のいた……」

男「あの、ウン○様……じゃなかった、神様」

う○こ「またウ○コにしてやろうか」

男「すいません」


男「それで、あなたはう○この神様ってことでいいですか?」

友「というより、そうとしか言いようがねぇ……」

う○こ「失敬な!私は断じてう○この神ではない!っていうか、う○この形をした神がこの世にいると思うか!」

友「ここに……」

う○こ「あっ、そうだった……」


う○こ「じゃなくて!この姿になったのは深い理由があるのだ!」

男「それ、聞かないと駄目ですか……?」

う○こ「当たり前だ。お前らは私に協力しなければならない……」

う○こ「特に最初に私を握ったそこの男。お前は特にだ」

男「俺が?」

う○こ「それは追々説明しよう。まずは、私がこの様な姿になったわけを話すのだったな……」


~~~~



神様「ちぇっ!くそ、また負けた!」

神様の友達「あんた、やっぱりギャンブルの運無いよねぇ……。曲がりなりにも運を司る神なのに」

神様「うるさいっ!人間界のジャ○ラーであったなら今頃、私も億万長者の大富豪だ……!」

神様の友達「天界のカジノはどこも偉い神様のプロテクトかかってるから無理だねー」

神様「こうなったら全財産つっこんでやる……!」

神様の友達「あーあ。私はどうなっても知らないからね……」



神様「……負けた」

神様「くそっ!絶対あの台、偉い神様の調整ミスってるだろっ……!」

神様「神友とか周りは勝ってるのに私だけ負けるって……」

神様「とりあえず、今月の生活どうするか……。神友は一銭もやらないとぬかしおって……」

神様「あいつは下着の神に頼んで、持っている下着全部ブリーフにしてやる……!股間にシミのついたな……!」


神様「……はぁ。どこかに金は無いものか……」


神様「……ん?」


<天界メイドカフェ!高収入、高待遇の神職場!>


神様「これだ……!」


「はぁ……。しかし、本当に神様が働いてもよろしいのでしょうか?」

神様「構わない。私が言ってるのだぞ」

神様「さらに、私の様なボンキュッボンの超絶美少女が働くとなれば、この店の売上も鰻上りよ」

「確かにそうですが……」

神様「何も悪いことはなかろう。では早速、接客に就くとしよう」


「は、はぁ……。あっ、そういえば――」


神様「おかえりなさいませご主人様っ♡ニャンニャン♡」

神様「――って」


偉い神様「……」


「偉い神様は当店の常連様なのですが……って」

偉い神様「……」


神様「」

偉い神様「……先程の事はどういう事か説明してもらおう」

神様「……お金に困っていて」

偉い神様「何故だ?お前程の地位で金に困ることなどなかろう」

神様「えぇと、あの……その、カジノで使いすぎてしまって……」

偉い神様「カジノ?天界カジノのことか?」

神様「……はい。ジャ○ラーに。周りの台は大当たりだったのに、私の所だけ……」

偉い神様「……」アセダラダラ

神様「偉い神様、絶対調整間違えましたよね……?」


偉い神様「うるさいっ!!」

神様(うわぁ……、これ絶対間違ってる。間違いない)

偉い神様「カジノに金をつぎ込む神っ!そして、メイドカフェで働く神など言語道断っ!」

偉い神様「お前など、運の神ではないっ!運の下……う○この神だっ!」

神様「……え?」


偉い神様「罰を与えるっ!お前はう○この姿で人間界に降り立ち、私の課すノルマを達成してもらう!」

偉い神様「姿を変えられる程の力は没収だ!人間の願いを叶え、そして力を回収せよ!」

偉い神様「……以上だ。では、ゆくぞ。う○この神よ(笑)」

神様「ちょっ、偉い神様。考えなおしてください」

キュィィィィィン

神様「あ、え、いやああああああああああああああああああああ」


~~~~


う○こ「……これが私がこの姿になった理由だ」

男「俺、こいつの事敬うのやめるわ」

友「つか、ジ○グラー勝たせてくれよ」

う○こ「駄目だ!お前らは学生であり、未成年であろう!賭博はしっかりとした収入、貯蓄を得てからだ!」

男「説得力ねぇ……」

う○こ「うるさい!」


男「……それで、俺があんたに協力しなくちゃいけない理由って何だ?」

友「俺、メロンパン食いてぇよ」

う○こ「それはお前……さっき私の体のあんな所やこんな所、そんな所まで触ったであろう……!」

男「は?」

う○こ「これ以上言わせるでない……」カァァ


男(……ということはやはり性別は女か。自分で美少女って痛いこと言ってたし)


友「おい、うん○から湯気出てるぞ」


男「う○こにもあるんだな……性感帯」

友「どこだろうな……」ソォ…

う○こ「ギャアアアアアア!!触るな―ーっ!!う○こにするぞーーーーーっ!!!」

友「……」

う○こ「……ゴホン。今のはほんの軽いジョークだ。本当の理由は他にある」

男「本当の理由って?」


う○こ「そこのお前、名前は?」

男「男だ」

う○こ「……男。お前が最初に私に触れたせいでリンクしてしまったようだ」

男「リ○ク?あの回転斬りの?」

う○こ「そんなハ○ラル的な要素ではないわ!繋がる方のリンクだ!」

友「神様も知ってるのか……」


う○こ「天界でもス○ブラは流行ってるからな。64の」

男「なんで64なんだ……」

う○こ「天界に人間界の物が流通し始めるのは結構遅くてな……。今、天界はPS2で大騒ぎだ」

う○こ「私は任○堂派だがな……。バーチャルボーイなんて感動したぞ……!首の痛みを代償に……!」

男(……言えない。今HMDはバーチャルボーイの技術を優に上まってるなんて言えない……!)


う○こ「話が逸れてしまったな……。リンクとは人間と神が繋がることだ。そのままと言えば、そのままなのだが」

う○こ「神と人間が力を共有できるようになる……。最も、これには条件がある」

う○こ「人間は力を取り入れることしかできないのだ……。いわば力の入力装置といったところか」

う○こ「神は力を出すことしかできない。ディスプレイの役割しか果たせないのだ」

う○こ「つまり、神は人間とリンクして力を取り入れることによって、始めて力を発揮できるようになる」


男「なんで、パソコン周りを例に出すのか……。神は人間を使って力を回収していると」

友「…?……?」

う○こ「そうだ。例えば、マンガやドラマなどで土壇場で力を発揮する主人公がいるだろう?」

う○こ「そういう所で力を発揮できるのは神のおかげだ。私達がそいつらを強化しているのだ」

う○こ「そのような場で得られる力はとてつもなく大量だからな」


男「さっきから力、力言ってるけど……力ってなんだよ」

う○こ「力……それは、人間の願いだ」

う○こ「人の願いが大きければ大きいほど、神も大きな力を得ることができる」

男「じゃあ、神様が力を使って、簡単に願いを叶えればいいんじゃないか?」

う○こ「そうはいかない。その様なやり方では大きな力を得ることはできないからな」

う○こ「試練を与えて、困難に立ち向かわせて、より願いを大きなものにする」

う○こ「だから、神はそう簡単に力を貸したりはせず、最後の最後で力を使い、願いを叶えるのだ」


男「なるほど……。じゃあ、大体大変そうな人とか、有名な人は神様とリンクしてるんだな」

う○こ「ほとんどはそうだな。まぁ、神の力を使わずにその地位に上り詰めた物もいるが」

男「へぇ……。という事は、お前はリンクした俺から力を回収したいんだな」

う○こ「そういう事だ。しかし、困ったな」

男「なにが?」

う○こ「……お前には、願いが何一つないのだ」

男「え?分かるの?」


う○こ「もちろんだ。人間から出るオーラの量、色で分かるものだが……」

男「じゃあ、友は何を願っているんだ?」

う○こ「……」

友「…?……?」

う○こ「メロンパン食べたいらしいぞ」

友「すげぇー!!当てやがったー!」

男(……)


う○こ「うーむ、これでは少々面倒なことになるぞ」

男「どういう事だ?」

う○こ「お前が誰かの願いを叶え、そして私がお前を媒体にして力を得る」


う○こ「お前が、人の願いを叶えるのだ」


男「……え?俺が?」

男「ちょっ、それはなんかスケールが大きすぎるっていうか……」


男「率直に言うとめんどくさい」

う○こ「やらなければ、お前を一生う○この姿にしてやる……」

男「ヒッ」

男「やります」

う○こ「ふむ、お前は物分りのいいやつだ」

う○こ「では、早速そこのやつの願いを叶えてやるとしよう」

友「あ? 俺ェ……?」


~~~~


う○こ「という事でパン屋に来たぞ」

男「……」

う○こ「どうした?何かあったか?」

男「わかってる……。お前が本物のう○こじゃないって、あの本物と同じように汚くて臭いわけでもない……」

男「でも、う○こを手のひらに乗せながらここまで来るって相当な苦痛だぞっ!!」


友「普通に見たらドン引きだな」

う○こ「神の足となることがそんなに不満か!」

男「お前がう○この姿なのが不満なんだよ……」

う○こ「……ゴホン。とりあえず、男。そいつの願いを叶えてやるのだ」

男「……俺が友にメロンパンをやればいいんだな?」

う○こ「そうだ」

男「……しゃあない、今回はおごりだぜ」


アザシター

男「ほらよ、外はしっとり中はフワフワのメロンパン」

友「おっしゃ!サンキュー男!」

友「じゃ、いただき……はむっ」

友「おぉ……!これだ!俺が求めてたメロンパンは……!」

シュンッ

男「っ!」

男(今、見えない何かが俺の中に入ったような……)

う○こ「どうやら力を回収できたようだな。ほんの鼻くそ程度だが」

友「は、鼻くそだとぉ……!」

う○こ「そうだ。鼻くそだ。今のみたいに一時的な願いだと、少ししか力を得ることができない

う○こ「私のノルマを達成するのに今ぐらいの願いなら、千回以上は叶えなければならんだろう」

男「まじかよ……」

う○こ「マジだ。このままだとこれを千回以上繰り返すか、作文コンクール入賞したいと思いながら、五十回入賞しないと……」

う○こ「……お前は一生う○この私に憑き纏われるぞ。逃げたら、お前を一生う○こにする」

男「う○こに一生つき纏われるのも嫌だし、一生う○こになるのはもっとごめんだ……」


う○こ「なら考えろ。どうすれば大きな願いを叶えられるかを」

~~~~


男「とりあえず、人助けをすることにした」

う○こ「それでは先程と同じだぞ?千回も人助けなどできるか?」

男「いやぁ……手当たり次第あたっていけばその内、すげぇ願いが来るかもしれないからな」

う○こ「ギャンブルというわけだな……。キャンブルは嫌いじゃないぞ。むしろ大好き、未来永劫一緒にいたい存在だ」

男「あんたはそれでう○こになってんだろうが」


う○こ「細かいことはいい! ……とりあえずやってみるがいい。ただし、私が力を使うことはしないからな」

男「わかってるよ」

友「俺はぁ、何をすりゃあいいんだ?」

男「うーんと、俺の言ったことをしてくれればいい。お前バカだし」

う○こ「私も少ししか見てないが……。それでも、確かにお前はバカだな」

友「んだとぉ……このう○こ……!!」フミ


友「んん!?!?」

バナナ「やぁ」

友「な、なぁーーーー!!」ツルッ

ドッシャーン!!


う○こ「……見事なまでにバカだな」

男「まぁ、それがあいつのいい所でもあるし、悪い所でもある」


友「クソっ!転んだ先にかわいい女がいたらパンツ覗けたかもしんねーのに! ついてねぇ……」

う○こ「そんな芸当は神が憑いてないとできんぞ」

男「くだらねぇ事言ってないで早く行くぞ。日が暮れちまう」

友「いーじゃねぇか。別に今日からやり始めなくても」

男「お前わかってるのか……?それはう○こが纏わりついてくる時間が増えるってことだぞ……」

う○こ「うんこではない。神だ」


友「確かにこの賭博大好きう○こがついてくるのは嫌だなァ……」

う○こ「賭博大好きだがう○こではない。運の神だ」

男「だろ?それにこいつ結構頭おかしいから、早めに離れておきたい」

友「ああ、そうだな……!」

う○こ「ちょっ、無視するな!あと、私は健常者だ!神だ!」


男(それから俺達は……)


「ありがとねぇ」

男「いえいえ、これぐらいどうってことないですよ」


男(明らかに荷物が重量オーバーで助けてくださいと言わんばかりのおばあちゃんの手助けをしたり……)


「うわぁーん!おかあさーん!」

「うちの子を見つけてくれてありがとうございます!」

男「いえいえ、当たり前の事をしたまでです」

男「もうお母さんから離れちゃ駄目だぞ」

「……うんっ!ありがとうおにーちゃん!」


友「今の人妻、相当綺麗だったな……!」

う○こ「分かるぞ。あの調度良く熟れた感じがそそるな……!」

ワカッテルナァウ○コ!! ウン○デハナイ!カミダ!


男(迷子の女の子を見つけたり……)


「いやー、知らない子だけど助かったよ。ありがとう」

男「いえいえ、困ったときはお互い様ですよ」

友「男ー!俺コーラ一つ!」

う○こ「私はウォッカで」

男「……」

「ところで、君は本当に誰?」


男(働いたことのない、忙しそうな店のヘルプに入ったり……)


~~~~


―自宅―


男「これじゃあ、俺ただのいい人じゃねぇか!!」

う○こ「そうだな」

う○こ「ちなみに今日回収した分は……グリーンピースぐらいだな」

男「あんだけやってグリーンピースかよ……」


う○こ「そうだ。ちなみにノルマ達成には大ラーメンヤサイマシマシぐらいは必要だぞ」

男「まじかぁぁぁ……」

う○こ「だから言ってるだろう。10ポンドステーキぐらい大きな願いを叶えろと」

男「そんなのどれだけすごい願いだ……。世界選手権に出させるぐらいとかか?」

う○こ「そんな事はない。願いとは想い。想いの強さが願いの大きさに比例するのだ」

男「えっ……マジで?」


う○こ「そうだ。今日お前が回収した力はあの美熟女のがほとんどで、それ以外は鼻くそ以下だったぞ」

男「それを早く言えよ!つか、お前願いの大きさ分かるんだろ!」

う○こ「だって、男が私を頼ってくれないのが悪いんだぞ……///」ウワメヅカイ

男「その照れを表現するために/(スラッシュ)と言うのをやめろ」

う○こ「チッ」


う○こ「まぁ、私はオーラで願いの大きさがわかるし、なんならセンサーにもなれる」

う○こ「大きな願いが発生したらお前を誘導してやろう。私も早く元の姿に戻りたいからな」

男「ああ、頼むぜ……。俺もう○こ隠しながら生活し続けるなんて嫌だからな……」

今回はここまで。

多分、ラブコメ……?

~~~~



チョンチョン


男「……ふぁ……」

男(柔らかくて、生暖かい指先の様なものが俺の頬をつつく……。もしかして――)

う○こ「男!早く起きて、見ろこの姿を!手足が!手足が生えてきたぞ!!」

男「……」

男(……うんこが喋っている事に慣れている自分がいる。すごく怖い)

男(できれば、う○この神に取り憑かれたの……夢だったらよかったのにな……)



男「――ってう○こから手足が生えてるっ!!」


う○こ「フフン。これで私も自由に動くことができるぞ」

男(このう○こから手足が生えたという状況をどう説明すれば良いのか……)

男「すげぇキモイ絵面なんだけど……。とりあえず、俺は学校行かなきゃならんから」


う○こ「学校とな!それは願いに満ち溢れてるではないか!」

男「それがどうしたんだよ……」

う○こ「学校で願いを叶えるのだ!勿論、私を連れてな!」

う○こ「というか、私を連れて行かないと、リンクが薄れて力を回収できんぞ!」

男「えぇ……。お前、透明になったりできないの?」

う○こ「透明化というのは意外と力を使うから無理だな。通常時なら基本中の基本スキルなのだが」

男「うぇ……。じゃあ、どうやってお前を持ち運びすればいいんだよ……」

う○こ「――それなら、私に考えがある」


~~~~


男「なるほど……。バナナの皮を着ぐるみ代わりにするとは」

う○こ「昨日のバカが滑った時に着想を得た。これなら少しぐらいはカモフラージュできるだろう」

男「ああ。……あと、問題はバナナに向かって話しかけている怪しい俺をどうするかだ」

う○こ「ううむ……。これは力を使って脳波を使って会話できるようにするしかないな」

男「力か……」


う○こ「力を使うと言っても鼻くそ程度だから大丈夫だ。昨日のバカの願い分だと考えれば安いものだろう?」

男「確かに。そうだな……。じゃあ、頼む」

う○こ「よし。それじゃあ、いくぞ」ブリッ

男「音どうにかならねぇのか」

う○こ「……これで完了だ。試しにやってみるぞ」

男「ああ」


う○こ((ファ○チキください))

男((こいつ、直接脳内に…!))

う○こ「……と言った感じだ。困ったときはこれを使うがいい」

男「わかった。つうか、常時これ使いてぇよ」

う○こ「それもいいが……。会話ができるのは私と男だけだから、第三者を入れての会話はできない事を理解しろ」

男「あいよ。……神様っていうことでちょっと思い出したんだけどよ」

う○こ「なんだ?」

まずい、モザイクをかけわすれた……!!

男「トイ○の神様って歌あるけど……トイレの神様なんかもいるの?」

う○こ「いることにはいるぞ。便所の平和を司る神が」

男「それじゃあ、あの歌の歌詞の様に綺麗な神様なのか?」

う○こ「それなんだが……実はあの歌の歌詞の女神様とは私のことなんだ」

男「は……?」

う○こ「いや、偶然人間界に来ていた時に……思わず催してしまってな……」

う○こ「ト○レを借りていたら、うっかり透明化するのを忘れていて見つかってしまったんだ」

う○こ「思わず『あ……お借りしてます。神様です』なんて言ってしまったぞ!」

う○こ「おばあちゃん、すんごい顔で私のこと見てたよ!股を大きく開いていた私を!」

男「……」

う○こ「……結構これ、私の中で嫌な思い出ベスト10に入るぐらいの失態だからな……!」

男「お前、それ以外にもやらかしてるか」

う○こ「ああ……!人間界に来ていた時に全r――」

男「げっ!!」

う○こ「……ど、どうした男よ」


男((まさかの今日が荷物の抜き打ち検査だったとは……!))

う○こ((あの校門らしき所に立っている風紀委員らしき奴らが、バックらしき物の中をあさっているあの光景がそうか))

男((そうだ……!まさか、今日の今日に限って……!))

う○こ((どうする?私が単独で逃げたしてもいいが……))

男((それは駄目だろ。手足の生えたう○こが走る光景なんて見たくないし、野生の動物が追いかけてきたらどうなる))

男((それはすなわち、お前の死だぞ……!))

う○こ((ハッ……!))

男((ここは任せろ……。校門をぬけ出す道が――))


「――男、こんな所で何をしている」


男「……あ」


女「その様子、まさか抜き打ち検査から逃れようとしてないか?」

男「……いえ、まったく」

女「お前の様な問題児の為に検査が行われているんだ。なのにお前が受けないとなると私達の行動も無駄だろう」

女「さぁ、大人しく荷物を見せてもらおうか」

男「……」

女「どうした?まさか、また怪しい物を……」


男「すまん、見逃してくれ」ドゲザ


女「……ますます怪しいな」

男「なぁ、俺達昔からの仲だろ?そのよしみとしてさ、今日だけは見逃してくれ」

女「い、今はそのことは関係ないっ!さぁ、中身を見せてもらう!」

男「ぎゃ、や、やめろぉ!」

ムニュ

う○こ「あんっ……」


女「……」

男「……」

女「……これは、バナナか?」

男「……ああ。声の出るバナナのおもちゃでな。友が俺の家に持ってきたまま忘れていったんだ」

女「あぁ、友君が……。なら持っていそうね、こんな物」

男「だろ。あいつバカだから」

女「でも、これの為に男は土下座を……?他になにかあるんじゃないかしら」

男「友の名誉を守りたかったんだよ……!あいつの汚名を少しでも返上したかった」

女「ほんと……? とりあえず、今回はそういうことにしてあげる。でも次は無いから」

女「友君にも言っておいて。もうそんなおもちゃに手を出さないように」

男「ああ。きつく言っておくぜ」

女「……早く行かないと遅刻するわよ。急ぎなさい」

女「問題を起こさないでね。その分だけ私達が面倒になるから」

男「それは耳が痛いほど聞いてるぜ……。じゃあな」


男「……ふぅぅぅぅ」

う○こ((どうやら、助かったようだな))

男((ああ……。つか、お前声出してんじゃねぇよ))

う○こ((気持ちよかったのだ……。私の一番好きな所を揉まれたのでな……))

う○こ((どこか気になってるだろうが、残念ながら教えてはやらんぞ))

男((別に知りたくねぇよ……))


う○こ((ところで、私には負けるが超絶美少女で黒髪の彼女は何者だ? 知り合いのようだったが))

男((あいつは女。風紀委員の偉いやつだ))

う○こ((それだけではなかろう。昔からの仲云々言っていたであろう))

男((……単なる腐れ縁。それ以上でもそれ以下でもねぇよ))

う○こ((ふむ、そうか……))



う○こ(一瞬、あの者から強烈なオーラを感じたような……)


う○こ(……気のせいか。う○こになって鈍ってしまったか)

今回はここまで。

~~~~


男(自称神様のう○この言う通り、願いの満ち溢れているらしい学校でそれらしい事をしようとしたが……)


友「男ォー!てめぇ、女さんにまた変なこと吹き込みやがったなッー!」

男「あ?そんなことしたか……?」

友「ああ!変なバナナのおもちゃを買うのはやめろだと……。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにしてそんなもん買ったっていうんだよォ!!」

男「あー……。それにはちょっとした理由があるんだ。今は話せないから後でな」

友「小賢しいッ!男児たるものこういう時は、決闘だァ!!」

男「は?だから、それは――」

友「うるさいッ!俺はここに、女さん(に掛けられた疑惑を解かなくちゃいけない俺)の為に男、お前に決闘を申し込むッ!!」

男「えぇ……やるわけねぇだろ……」

エーケットウ-? イイゾー!ヤレヤレー! ケットウダー! ケットウトイエバカケダロカケ!!

友「ふむ、観客のボルテージも十分のようだ……。さぁ、男!武器を取れ!」

男「やんねぇよ……お前のそれは誤解だから、何も決闘する必要はないって」

友「ははぁん……男。まさか、逃げ出すのかァ?」

男「」ピクッ 

友「お前がそんな弱腰野郎だとは思わなかったぜ……。そんなに俺に負けるのが怖いか……!」

男「んだと、てめぇ……!どこの誰が貧弱糞雑魚弱腰野郎だって……?」

友「やっと調子が出てきたみてぇだな……!ヨッシャアッ!!武器を取れェ!!」

男「望む所だっ!!今日こそお前と決着をつけてやるっ!!」

友「応ッ!!ケリをつけてやるぜっ!!」ガシッ

男「ちょ、お前、今朝とれたての卵とか卑怯だぞ!!」

友「うるせぇ!取ったもん勝ちって言ってんだろォ!」

男「なら、俺は――」


「何をやっているの、あなた達っ!」


男「あっ」

友「げぇっ!」


女「校内での問題事は許さないって……いつも、言ってるはずだけど?」

女「治安部隊!そこの二人を拘束しなさいっ!」

「「「はっ!」」」

男「おい、やめっ!」

友「ちょ、そこはさわんじゃねぇ!気持ちいいから!!」

「確保しましたっ!」

女「じゃあ、連れて行って」

「了解!!」

男「やめろ、俺にはやることがぁぁぁぁぁぁぁ!!」

女「……それで、今回の喧嘩の発端は何?」


男「えと、友の勘違いで……」

友「違うだろっ!お前が女さんにまたホラ吹き込んだからだろぉ!」

男「だから、理由があんだって……!!」

女「また些細な事から……。それぐらいで喧嘩されると困るんだけど」

男「だけど、友がまた俺の事を変なこと言い始めるし……」

女「男。あなたのそのすぐカッとなる性格を治すことは無理でも、少しはどうにかできるでしょう?」

男「……はい」

女「友君。あなたも何かあれば、すぐに喧嘩しようとするの止めなさい。些細な理由で喧嘩起こされる周りの身にもなってみなさい」

女「そんなことで騒がれたら周りのみんなに迷惑でしょ?」

友「おっしゃる通りです……」

女「……今回はまだ喧嘩が始まる前だったから処分は何もないわ」

女「もう、喧嘩とかしないでね。私は二人が殴り合いしてる所なんて見たくないから」

男 友 「「すいませんでした」」

~~~~


~自宅~


う○こ「……」

男「……」

う○こ「何も進まなかったな」

男「ああ……」


う○こ「あのバカとお前はいつもああなのか?」

男「そんなわけないだろ。一週間に一回か二回ある程度だ」

う○こ「結構な頻度じゃないのかそれは……」

男「昔に比べれば減った方だ」

う○こ「……お前ら、本当に友達か?」


男「まぁ、とりあえずこの一件は置いといてだ。……問題はどうやって力を手にするか」

男「お前を学校に連れてった割には、オーラがどうとかって話は出てこなったけど……あったか、デカイやつは」

う○こ「それほどのオーラは感じなかったが……、少なくともおにぎり程度の力は感じ取れたぞ」

男「おお……!!それじゃ、早速そいつらの願いを叶えれば……」

う○こ「いや、そう簡単にはいかないだろう。もし、見ず知らずの人間から『あなたの願い叶えます』的な感じで近づいたら、お前はどう思う?」

男「壺を買わないように用心するな」

う○こ「そうだろう。こっちから願いを叶えに行くのは難しい。なら、どうするべきだと思う」

男「あっちから頼んできたら、やりやすいだろうな」

う○こ「その通り。ではそのような条件に持っていく為には何が必要か」

男「んーと……。思いつかない」

う○こ「ここは先人の知恵を借りるのだ……。目安箱を設置すればいい」


男「なるほど。それなら自然かつ、効率的に人の願いを叶えることができるな」

男「しかし、目安箱の設置自体が難しいんじゃないか?職員や生徒会を説得しなきゃならんし」

う○こ「そこは任せろ。お前がもらった人妻のグリンピースの力を用いて、後は私がホホイのホイだ」

男「人妻のグリンピースって……。まぁ、大きな願いを叶える為なら、それぐらい使うのは仕方ないな」


男「よしっ、目安箱を設置して学校中の願いを叶えてやんぞ!」

今回はここまで。

ウン○メの先が見えない。

~~~~


「こんな所に目安箱なんてありましたっけ?」

「うーんと、どうだったろう……」


男「……」チラッ

友「……」チラッ


友「……なぁ、男。俺も付き合う必要あんのかぁ?」ヒソヒソ

男「ああ。いざという時に必要になる存在、それがお前だ」ヒソヒソ

友「ヘヘっ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか」

う○こ((ちょろいなこいつ))

男「よし、神様。今そこにちょうど、生徒会長っぽいヤツいるから、例の頼むぜ」

う○こ「任せろっ!」


シュンッ!!


「……! この目安箱は先週ある部活の活動で使用すると許可をしたじゃないか!」

「そうでしたね……」

「人助けをする部活……素晴らしいじゃないか!」


男「おぉ……。あいつら、認識を変えたぞ」

う○こ「ふふん、これがグリーンピースの程の力だ。神の力を舐めるな」

男「流石です神様」


男「これで俺達は目安箱に意見が入るのを待つのみって事か……」

友「悩みなんてちょちょいと終わりにしてやろうぜ!俺らの手にかかれば余裕だろォ!」

男「まぁ、意見が入ればの話なんだけどなー」

友「そうだけどよぉ……」



トリアエズキョウハカエッテスマ○ラヤロウゼ オウッ!!カカッテコイッ! ワタシモヤリタイゾ



「……」

「……悩み事、かぁ」

「なんだか、面白そうだから入れてみようかな?」


~~~~


キーンコーンカーンコーン

友「しゃあ、男!目安箱見に行こうぜ!!」

男「うるせぇ! ……ったく、昨日はあまり乗り気じゃなかったくせに」

友「人の悩みを解決していくって、なんだか勧善懲悪の時代劇みたいでカッコよくねぇか!?」

男「バカなくせに、たまに難しい言葉使うの不思議だよな」

う○こ「難しい言葉を使うと頭良くなった気分になるからな」

友「よくわかってるじゃねぇかう○こォ!」

男「うるせぇ!!」


友「さぁーて、中身は……」

男「そんな期待しながら見ても一日ぐらいじゃ入ってるわけが……」

う○こ「あったぞ」

男「あったの!?」

友「おう。なになに……。ほ、ほうかごおくじょうでまってます……?」

友「おぉと!!まさかこれは俺に惚れた女の子が俺宛に出したラブレターじゃあねぇかァ!?」

男「そりゃあ無いな。俺なら可能性あるけど、さすがにお前は……」

友「あぁ?何が言いてぇんだ……?」


う○こ「どっちもねーから。ほら、屋上行くぞ」


友「つか、う○こ普通に喋るのな」

う○こ「う○こではない、神だ。周りに誰もいなければ特に気を使う必要もなかろう」

男「もしもの時は脳内で会話できるぞ。ただし俺だけ」

友「くそっ、何だか羨ましいぜ……」

男「う○こと脳内会話する事で羨ましいことなんてあるか……?」

う○こ「だから、神だと言っておろう!!」



男「……さてと。着いたは着いたけど、なんかのイタズラで騙されてるんだったら虚しいよな」

う○こ「どれだけネガティブなんだお前は。少しは明るくなれ、世の中にはギャンブルという素敵なものが溢れているだろう?」

男「うるせぇギャンブル狂。そんな事考えて明るくなる神はお前だけだ」

う○こ「いや、それは違うぞ。ギャンブル好きな神はたくさんいるからな……。ルーレットで赤の11番しか選ばない橋渡の神とか」

男「どんなこだわりを持って赤の11番しか選ばないんだそいつは」


友「~♪~♪」

男「バカはなんだか、自分へのラブレターって思い上がってるし……。ま、とりあえずこの扉を開けないことには始まらないな」

男「よし、いくぞ――」ガチャ


ギィィィ



「……あっ」


男「……目安箱の依頼主ってのはあんたで合ってる?」

「はい。目安箱の記念すべき、最初の依頼主ですっ」

男「あ、自覚あったのね……。それでまずは学年、名前を聞いてもいいか?」

後輩「えーと、1年の後輩って言います」

友「」グッ

男「おい、そこガッツポーズすんな」

後輩「……?」


男「えーと……という事は俺達のひとつ下ってわけか」

後輩「はいっ。センパイ達とは一つしか離れてないってことです」

後輩「年が近いっていいですよね~」

友「おうっ。ちなみに俺は年下嫌いじゃないぜ」

後輩「あーそうなんですかーうれしー」

男((この感じ……。友、脈なしと見た))

う○こ((上に同じ))


男「そんじゃあ、単刀直入に聞くが……そっちの依頼ってのは何だ?」

友「」ドキドキ

後輩「……」


後輩「……ある人を、探してほしいです」

友「」

男「人探し……?」


後輩「はい。私が探してるというよりも、私の妹が会いたがってるって言ったほうが正しいんですけどね」

男「具体的に聞かせてくれないか?どんな経緯だったりとか、探してる人の特徴とかを」

後輩「数日前に妹が迷子になった時に助けてくれた人がいたらしくて……その人に会いたがっているんです」

後輩「この高校の制服着てたって言うんで見つけるのは簡単だと思うんですけど、私一人じゃどうにも不安なんですよー」

後輩「だから、センパイ達に手伝ってほしいなーって感じです」

男「……」


後輩「……センパイ?」

男「……それ、俺だよ」

友「」





後輩「…………えっ」


~~~~



幼女「わーい!おにーちゃんだっ!」

男「おー元気にしてたか―。お母さんのこと心配にさせてないか?」

幼女「うんっ!おにーちゃんのいったこと、ちゃんとまもってるもん!」

男「偉いじゃないかー。おにーちゃんとの約束これからも守るんだぞ」ナデナデ

幼女「えへへ……」

後輩「……」



後輩「まさか、センパイがその人だったとは……」

男「んあ? なんか不服そうな顔してんな」

後輩「そりゃそうですよー!ちょっと、目安箱って何するんだろう? とか、協力して悩み事解決するのって楽しそうだな―とか思ってワクワクして依頼したのに……」

後輩「こうも簡単に解決されたら、こっちも納得いかないですよぉー」

男「とか言われても……、なぁ?」

幼女「おねーちゃん、あんまりおこらないで」

後輩「おこってないよ、よーちゃん」


男((……まさか、こないだ助けた幼女と人妻がこの後輩の家族だったとはな))

う○こ((まさかのまさかだな。もしかするとこれはルートに入ったかもしれないぞ))

男((念の為に聞くけど、誰ルートに?))

う○こ((私と人妻がいちゃいちゃするルートだ))

男((……))

う○こ((冗談だ))


男((とりあえず、これで願いは叶えられたのか?))

う○こ((そうだな……。幼女の願いだけだが))

男((え?後輩の方はどうなってる?))

う○こ((そいつの願いは叶えられてない。彼女の本当の願いはもっと大きくて……黒いモノだ))

男((黒いモノ……?))


う○こ((負の感情と言うべきか。簡単には解決できない何かを抱え込んでいる))

う○こ((それ相応に大きい願いで有ることは確かだがな……))

男((そうか……))

う○こ((叶えるかどうかはお前次第だかな……。まぁ、このまま彼女を放っておくわけにいかないがな……))

男((……))

~~~~


後輩「ほら、よーちゃん。おにーちゃんに挨拶は?」

幼女「おにーちゃんばいばいー!またきてねー!」

男「ああ、またな」

後輩「……ところで、センパイ」


男「ん?」

後輩「あの人、いつまで口開けたまま固まってるんです?」

友「」

男「……なにか、ショックなことがあったんだろう。深くは詮索してやるな」

後輩「そ、そうですか」



後輩「……今日は妹のワガママに付き合ってもらってありがとーございました」

男「好きでやってる事だ。礼言われるまでもない」

後輩「そうですか……」

男「また、幼女ちゃんが会いたくなったら言ってくれ。出来る限りなら会いに行く」

後輩「わかりました」


後輩「……センパイ」


男「どうした?」

後輩「センパイが、人の悩み事を解決したりしようとするのはなんでですか……?」

男(う○こから開放される為……なんて口やケツが裂けても言えない。ここは……)


『ありがとう、おとこ…!』


男(……)


男「……笑顔が好きなんだ」


後輩「……!」

男「やっぱり、泣いてたりとか、怒ってるよりも笑ってる方がその人も幸せだし、見てるこっちだって幸せな気持ちになれる」

男「だから、俺は笑顔が好きだ。誰かが悲しんでるようだったり、悩んでたりしたら助けてやりたいって思う」

男「笑ってるのが一番だと思うからな」


男「……これが俺が目安箱を置いた理由だ」

後輩「……」


男「……もし、よかったらお前も手伝ってくれないか?」

後輩「なにを、ですか?」

男「目安箱に出された悩みを解決するのを。協力して解決するの楽しそうとか思ったんだろ?」

男「なら、俺達と一緒にやろう。協力して解決していこうぜ」


後輩「……いいですよ」

後輩「その誘い……受けてあげます」


男「……! ほんとか?」

後輩「はいっ。最近、丁度放課後暇してたところなんでー」

後輩「……私、――少ないし」ボソッ

男「そうか!じゃあ、これから頑張っていこうぜ!」


後輩「はい……よろしくおねがいしますね、センパイ?」

今回はここまで。

後輩にウ◯コ見つかって罵倒されたい

>>111
それいいですねー! 後で出します(笑)

~~~~



友「こりゃあ、いったいどういうことだァ……?」


後輩「あっ、どもどもっす。おじゃましちゃってますー」

男「友ーお菓子切れてるぞー。じゃが○こ買ってこい」

後輩「私はグミをお願いします~」


友「人の家に勝手に入り込んでぇ!スマブラ勝手にやってんじゃアァァねぇぞォォ!!!」


友「つうか、そこのお前!」

後輩「……はい?」

友「なんでお前がここにいるんだァ!?昨日、お前は俺を振っただルルォ!?」

後輩「巻き舌でわけわからない事言われても困ります」

友「な、なんだとォ……!」

後輩「昨日、今日と見てきて分かったんですけど、友先輩ってバカですよね」

男「バカだな」

う○こ((バカだ))


友「んだとぉ……!!お、男ぉ!どうして、こいつがいるんだぁ!?」

男「昨日、目安箱に出された依頼一緒に解決するって言ってただろ?」

友「言ってたかぁ?」

後輩「言いましたね」

友「言ってたか……じゃねぇよドアホッ!ちょっと来い、男っ!」グイッ

男「服を引っ張るな馬鹿力っ!」




友「あいつも協力するってこたぁ……もうう○この事は言ったのか?」

男「言ってない。つか女子にう○こなんか見せられねぇだろ」

友「そりゃあそうだがよ……。でも、俺達が目安箱を設置した理由とかどうすんだ?」

男「……それはうまくやっといた」ソー…

友「おい。なんで目を逸らす。こっちを見ろ」

男「……細かいことはいいんだよ!」


後輩「そうですよー」

男 友 「「うわ!」」

後輩「二人だけで内緒話とかズルいです。私にも聞かせてくださいよー」プンスカ

友「グハッ……!」バタッ

男「友が死んだァー!!」


男「……ハッ! 忘れていたっ! こいつが昔から女のあざとい行動に弱いことをッ……!」

後輩「あざといって……これが普通ですよー」


う○こ((自覚症状が無いとは……こいつ、やりおるっ!))

男((いや、普通にこれは演技じゃないか?))


後輩「むー、センパイ。ぼーっとしてますね。私の話聞いてます?」ノゾキコミ


男「聞いてる聞いてる……。あれだよな、う○こがあざといって話だよな」

後輩「……なんですかそれ」ジトー

男「あっ、いや、なんでもないっ!」

男「と、とりあえず戻って今日の当初の目的を果たそうじゃないかー! ハッハッハー!」

後輩「……そうですね」ジトー

~~~~



男「――という事で。私達、『人々の悩みを解消する会(仮)』の今後の方針を話し合いたいと思います」


後輩「……」ジトー

友「……あぇ」ムクリ


男「目安箱に投函された依頼を解決をしていくという基本姿勢は変えていきません」

男「しかし、このまま待っているだけでは依頼が来ることはほぼないでしょう」

男「では、依頼が来るようにするにはどうすればよいでしょう。はい、後輩さん」

後輩「まずはその敬語を直しませんか?」

男「あ、はい。という事で、後輩は何かいい案あるか?」


後輩「えっと、やっぱり目安箱の存在を知ってもらう事が大事じゃないですかー?」

男「それはそうなんだが……その存在を広める方法がどうするかが問題なんだよ」

友「うん……じゃなくて、またあいつの力借りるのは?」

後輩「誰のことです?」

男「……誰のことカナー? ほ、他になにかないか?」


友「チラシ配り!」

後輩「それでは駄目です、インパクトが弱すぎます。チラシ配った所でゴミにされて終わりですよ」

男「変な所で現実的なのな、お前」

後輩「放送部に掛けあって、お昼とかに情報を流してもらうのはどうです?」

男「おっ、それいいな。なんだか可能性ありそうだし」

友「それじゃあ、俺のビュウティフォウなヴォイスで学校中の女共をメロメロにしてやろぉうじゃねぇか!」

後輩「それはキモいんでやめましょう」

友「グハッ……!!」グサッ

男「と、友がまた死んだァー!!」


~~~~



<<えー、ここで『人々の悩みを解消する会(仮)』よりお知らせです>>

<<あなたの悩み事や願い事。私達がお手伝い、または解決します>>

<<気軽に目安箱にて依頼内容を投函してください。私達が力になります>>

<<以上、『人々の悩みを解消する会(仮)』からのお知らせでした>>


「なにこれー、すんごい胡散臭くない?」

女「そうね……。まず、団体の名前がおかしい」

女「それに、生徒会や風紀委員でも無いのに、こんなモノ好きな事をやる人がいるのかしら……?」


『おれがちからになってやる!』


女「……」

「ん?どうしたの女?」

女「いえ、なんでもないわ」


女「……まるで、昔のあなたみたいね」ボソッ


~~~~


友「ゼロだ」

男「……マジで?」

友「0だ」

後輩「何がいけなかったでしょうねー」


う○こ((どう考えても名前だろ))

男((……たしかにそうかもしれない))


男「うぅむ……。でも、これで学校中に目安箱の存在は知れ渡ったはず」

友「明日はめっちゃ入ってるかもしんねぇぞ」

後輩「そうですっ。めげずに頑張りましょう!」

男「……そうだな。じゃあ、今日はひとまず解散で」

友「おう、じゃあなー」フリフリ


男(……あんな大々的に存在を知らせたのにまさか依頼ゼロとは……)

男(もしかしたらあのバカが何か勘違いしてるかもしれない。もう一度確認してみよう)


後輩「……あれ、センパイ?帰らないんですか?」

男「ちょっと用事があってな。まだ残ろうと思う」

後輩「お手伝いしましょーか?」

男「いや、いい。俺だけで十分だ」


後輩「……わかりました。センパイ、依頼が無かったからって落ち込んじゃダメですよー?」

男「お、おちこんでねぇし……」

後輩「それじゃあ、センパイ。また明日ですっ」ケイレイ

男「おう、じゃあなー」



う○こ「……今、行っても無意味だと思うぞ。いくらあのバカでも見間違いはしないだろう」

男「いや、分かんねぇぞ。あいつは俺達の想像の上の、さらに上をいくバカだからな」

う○こ「確かにそうではあるが」

男「いくぞ、もう一度確認しにいく」

う○こ「というかついていかざるを得ない。う○こだし」

男「……」



男「……」

男「入っててくれよな……」ブンブン

男「……もう一回だ」ブンブン


男「入ってねーじゃねぇか!!」

う○こ「だから言ったろう。無意味だと」


男「これだとあのバカに負けた気がしてなんか嫌だぜ……」

う○こ「いや、あのバカは悪く無いだろう」

ガタッ

男「ん……?」

「……」


男(物音がした方に振り向くと、そこには白い紙を持った少女がいた……。間違いない、彼女は……)


「……」バッ!

男「っておい!逃げんのかよ!待てぇ!!」

「……」タッタッタッ

男(意外と逃げ足が早い……!それに綺麗なフォームといい……なにモンだあいつは!)

う○こ((男っ!あいつを絶対に逃すな!あいつからは強大な願いを感じるぞ!))

男「オッケー……任せろ!」


男「ぜぇぜぇ……おい、そこのあんた!目安箱に依頼を出してくれようとしてくれてたんだろぉ!」

「……」

男「なんか言えよ! あと逃げるなぁ!」


男(彼女はおもむろに俺の言葉に応えようとしない。階段にさしかかると、彼女はそのまま上に上がった)

男(上に上がった……? 今現在、ここは最上階だ……。ただしあそこを除いて)

男「……ということは」





男「……ふぅ。やっと追い詰めたぜ」

「……っ」

男「屋上に逃げこむとは、ナンセンスだったな。さぁ、大人しく依頼を見せるんだ……!」

う○こ((手をワキワキさせるな……端から見るとこれ危ないシーンに見えかねないぞ))

「……だ、だめ」

男「どうしてだ?依頼を出そうとしたんだろう」

「やっぱり恥ずかしい……」

男「大丈夫だ。どんな悩みでも真剣に捉えて、どうすればいいか一緒に考えて、そして手助けをする」



男「どんな悩みでも、願いでも俺達が解決する……!だから、あんたの依頼を教えてくれないか?」

男(俺からう○こを引き離すために……!)

「……わかった」

「わたしの依頼は……これ」

男「えーと、なになに……」ピラッ…


『友達がほしい』


男「……なるほどな」

「変、でしょ……高校生にもなって友達がほしいなんて」

男「全然変なんかじゃない。ここまで悩みに悩んで、どうしようか迷って……そして俺達を頼ってくれたんだ」

男「そんな願いを、変だなんて言えるわけが無い」

「……」


「私、人とコミュニケーション取るのが苦手で……今まで、友達ができたことなんてほとんど無かった」

「努力はしたけど、それでもダメだった。時には、酷いこともしてしまった」

「そんな、私に友達が本当にできるの?」

男「任せろ。そうだな……まずは、俺と友達になろう」

「え……」


男「心配すんな。俺と、俺達と一緒にコミュニケーションを取れるように頑張っていこう」

男「そうすれば、きっと友達なんて意識しなくてもすぐできるようになるって」

「ほ、ほんとうに……?」

男「ああ。本当に本当だ」


男「……じゃあ、まずは自己紹介だな。俺は二年の男。お前は?」

「わ、私は……」

無口「二年の、無口……」

男「無口か、こう、改まって言うのもなんだが、仲良くやってこうぜ」

無口「う、うん……よろしく、お願いします」

今回はここまで。

無口ちゃんにウ◯コ見つかって(ry

>>142
いいですねー! 後で(ry


~~~~


男「――ということで今回の依頼は、コミュニケーション能力の向上だ」

男「はい、無口。まずは自己紹介からだ」

無口「は、はい」

無口「あっ……んと…………」

無口「…………無口です。よろしくおねがいします……」


友「……」ポカーン

後輩「……」ポカーン


男「どうしたお前ら。まるで鳩がイデオ○ガン喰らったような顔してんけど」

う○こ((鳩どころか惑星が大変なことになりそうだな))

友「」ポカーン

後輩「あの、センパイ。無口さんがどんな人か知らないんですか……?」

男「……人とコミュニケーションを取るのが苦手な女の子だ」

後輩「そういう事ではありません……!無口さんが学校でも一二を争う美貌……」

後輩「そして、随一の鉄壁を誇ったことをセンパイは知らないんですかー?」

男「えー……。聞いたことないけど」

無口「……?」


後輩「まったく。仕方ない人ですね……。この際、1から説明しましょう」

後輩「無口は見ての通り、この大人びた端正な顔立ちに、抜群のスタイル……」

後輩「そして、一つ一つの仕草や動作もまさに女性の理想……『立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花』とは無口さんの為にある言葉じゃないですかねぇ?」

男「なんでさっきから若干キレ気味なんだ……」

無口「……」ポッ

後輩「……続けますよ。女性から見て理想的な人物な無口さんを、周りの男が放っておくわけがないんですよ」

後輩「幾度の男達が無口さんに挑みました……。しかし、結果は全て残念な結果だったらしいです」

後輩「中には何も言われずにただ睨まれただけとか、そもそも指定した場所に現れないとか。……これはどういうことですか、無口さんー?」


無口「あ、はい……。えっと……」

無口「……男の人はあまり得意ではなくて……それに私こんな性格だし……」

後輩「……つまり、無口さんはただ身持ちが固いとかではなく、ただコミュ障なだけだったと」

無口「……コミュ障?」

後輩「あーもうなんですかこの天然記念物。あざとすぎません?あざといですよね。そのあざとさを少し私にも分けてくださいよ」

男「あまりムキになるなよ……。というか、何でお前はそんなに無口について詳しいんだ?」


後輩「それはライバ……ゴホン! 無口さんの情報といえば、なにもしなくても耳に入ってくるものですよ?」

男「そ、そうなのか……」

後輩「センパイってそういうとこ無頓着っていうか、関心薄いですよねー?」

男「……別によくねぇか」

後輩「なーんか、気になるんですよねー」

無口「……あ、あのっ!」


男「ん?どうした?」

無口「そこの方は、平気なんでしょうか……?」

友「」

男「……いつの間にか鼻血吹き出して倒れてんじゃん」

後輩「これは無意識の内にも無口さんのあざとさにやられたんじゃないんですかねぇ……」

無口「はぅ……」

男((弱すぎるな友……))

う○こ((ごめん、私も鼻血出てきた))

男((やめろ、制服がなんか染みてきたから!!))

((やめろ、制服がなんか染みてきたから!!))

男「と、とりあえず!俺達の中で唯一の女性メンバーの後輩が、無口にコミュニケーションがなんたるかを教えてやってくれ」

男「お前、日頃から男を手球に取ってそうな感じするし」

後輩「私、そんなキャラじゃないですよぉ」

男「今の完全に意識してるそれだろ」

後輩「……分かりました。無口さんもそういう方針で育てていけばいいですか?」

男「……純粋な感じの方針にしてくれ。後、キャラ作りとかじゃなくていいから。コミュニケーション力をつけるだけでいいからな?」

後輩「了解ですー。まーとりあえず、センパイはそっち方面が好きってことでいいですね?」

男「あー……。もうそういう事でいいよ」

~~~~



友「……俺はァ、いつの間に……」

男「無口さん見ただけでぶっ倒れてたじゃねぇか……」

友「そうだ……!オメェどうやって無口ちゃん連れてきたんだよォ!」

男「ちょうど、目安箱に依頼を出す所に出くわして……それからは成り行きだ」

友「嘘だろ……!俺なんか、告白しようと無口ちゃん呼び出したら……」

友「来なかったんだよォ!約束した場所によォ……!」


友「思えば、アレも俺のトラウマの一つかもしんねぇナァ……」

男「お前女子の耐性無いのに、よくも告白なんてできるよな……」

友「そりゃあお前、恋愛って言ったら漢の夢だろォ!!」

男「……よく分かんねぇわお前のこと」

友「あぁ!? やんのかオメェ……?」


後輩「……お待たせしましたー!」


友「ん……?」

男「おっ。調子はどうだ?」

後輩「もう、むー先輩可愛すぎて私が虜になるところでしたよ~」

無口「そ、そんなことは……」

後輩「何かする度に恥じらう姿は理性に訴えてくるものがありましたよ―。私、女同士でもいいかもって初めて思いました」


男「あくまで、依頼は友達を作る為にコミュニケーション力を上げるっつうことだからな」

後輩「そんなの分かってますよぅ。じゃあ、早速いってみましょう!」

男「そうだな……。じゃあ、試しに友と話してみるか」

無口「は、はい……!」

友「か、かかってこいよッ……!!」タラー…

後輩「友先輩、既に鼻血垂れてきてますけど大丈夫ですか」


無口「じゃ、じゃあ、行きますね……」

友「お、おうっ……!」


無口「……わ、わたしと友達になってほしい……にゃん」カァァ


友「」コブシツキアゲ

男「友……?」

友「――我が生涯に一片の悔い無しッ……!!」


後輩「あっ、友さんが逝った」

男「友ォォォォォォォォ!!」

無口「だ、大丈夫ですか……?」

男「大丈夫だろ。放置してれば、その内治るから」

後輩「いや、そっちじゃないですよセンパイ……」ジトー

男「え?俺の下半身を見て、何を……」

男(俺のポケット周辺、つまり股間周辺を見てみる……そこには)

無口「ち、血が……」

男「」


男「う○ここんにゃああろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

今回はここまで。

~~~~


男「……」


う○こ「悪かったとは思ってる」

男「……」

う○こ「あ、あれは無口ちゃんが可愛すぎるのがいけないのだ!あんなに愛くるしい仕草されたらたまらないだろう!」

男「……お前、女だよな」

う○こ「性別で言うならそうなるな。ま、別に私は男も女も神もいけるがな!」

男「……」


男「普通さ、興奮して下半身から出血する男なんていると思う?」

う○こ「いるんじゃないか……?」

男「いねーだろ!もう、それ酷い病気の域だからな!」

男「無口は普通にすげぇ心配してきてこっちが申し訳なくなったし、後輩は『○病ですか?』とか言っちゃうし!」

男「一番ショックなのは、友が普通にドン引きしてた事だよ!あいつにあんな目で見られる日が来るなんて思わなかった……!」

う○こ「……まぁ、大丈夫だ。私だって同じ経験したことあるけど、大体次の日には忘れられてるって」

う○こ「不思議とみんなその事に気を使わなくなるんだ。みんな物忘れが早いんだな」

男「無かったことにしてるだけだろ……」


う○こ「……ゴホン。くだらない話はここまでにしといて……私達の本来の目的である願いの回収についてだ」

男「露骨に話題を変えるな。俺の学園生活に結構な支障が出そうなんだぞ……!」

う○こ「常時う○こを持ち歩く状況が一番ヤバイと思うが」

男「言われてみればそうだった……」

う○こ「まぁ、ここ何日間で大きな願いを持った人間を発見するには至ったが……回収はできてない」

男「どういうことだ……?後輩はまだしも、無口は?」


う○こ「それはお前も分かるだろう。現に無口ちゃんから力を回収した感覚はなかったろう」

男「言われてみれば……。つまり、無口も他に願いを持っているということか」

う○こ「その通りだ。オーラの感じから見るからに……回収には時間がかかるかもしれないな」

男「オーラを見ただけでそんなことも分かるのか?」

う○こ「大体はな。大きな願いは大抵そういう物だ。そして無口ちゃんも後輩と同じく、何かに負の感情を抱いている」

う○こ「負の感情というのは結構厄介でな。神の間でも敬遠される事が多い」

う○こ「中には神の力を使ってもどうにもできないこともあるからな」

男「それがどうしたって言うんだ?」


う○こ「――彼女らの願いを諦めるのも一つの手という事だ」


男「……」

う○こ「小さな願いを数多く叶えていく方が効率がいいかもしれないからな。これは経験上からのアドバイスとでもいったところだな」

う○こ「……お前がどうするかは自由だ。しかし、私だって早く元の姿に戻りたいし、お前だって早く私から開放されたいだろう」

う○こ「自分にとって何が一番いい選択なのか、よく考えることだ」

男「……ああ」



~数日後~



男「……今日もこんなもんか」ガサガサ

後輩「依頼があるだけいいんじゃないですかねー? ついこの間まで空に日々が続いたんですし」

友「だなぁ。けど、掃除だったり電球を変えたりとか雑用みたいな依頼ばっかでどうにも楽しくねぇよな?」

男「んなことねぇだろ。少しでも困ってる人を助けるだけでも得るものがあるだろ?」


男(主に、力の回収だが)


友「そうだけどよぉ……。なんか楽しくないぜ」

後輩「私ももうちょっと派手な感じのやつを想像してたんですけどねー」

無口「……私は、男君の言ってることも……ま、間違ってないと思う」

男「小さなことでもその人の大事な願いだからな。それを無下にするわけにもいかねぇだろ」

友「た、確かに……!」

後輩「ていうか、なんでむー先輩まで一緒にいるんですか? 私的にはむー先輩大好きなんでいいですけどー」ギュー

無口「こ、こうはいちゃん……ちょっと」カァァ

う○こ((あぁ^~))


男「無口はこの間の依頼を引き続く感じで、俺達と一緒に行動してコミュニケーション力を高めるって言うちゃんとした目的があるんだからな」

後輩「というのは建前なんじゃないですか○病のセンパイ?」

無口「……」

男「だから、あれはポケットに入ってたトマトケチャップが破裂しただけだと何度言ったら……!」

う○こ((その言い訳無理ありすぎだろ))

男((てめぇのせいだろうが!!))


後輩「でもあれ明らかに血だったと思うんですけど」

友「血のニオイがしたなァ……」

男「だから違うって!!」ズイッ


ポロッ

男「あっ」

友「げっ」

後輩「えっ」

無口「……」



う○こ「……」

男「」



男「              」

今回はここまで。

冷静に考えてう○こに諭されるのって結構すごい状況だと思う。


後輩「……なんですかこれ」ギロリ

無口「……」ジトー

男「ま、まて! これには深いわけが……! だよな、友?」

友「そ、そうだッ!これは、実は……!」

後輩「どう見てもう○こじゃないですか」

無口「……」ジトー

男「女の子がう、う○こなんて言うもんじゃないだろ!」


後輩「センパイは今ズボンを履いてるので漏らしたって事は無いでしょうけど。まさか、う○こを持ち歩くスカ○ロ野郎だったなんて……」

後輩「しかも、あろうことかその汚い物体を私達の前に見せてしまう……」

後輩「――サイテーですね」


男「」グサッ


無口「……男君がそんな人だとは思わなかった」


男「」グサグサッ


男「ち、ちがうんだ……」

後輩「言い訳があるんですか? こんなリアルな造形をしたう○こがまさか玩具だなんて言いませんよね?」

男「そ、それは……玩具じゃなんかじゃない……」

友「そのう○この正体は――ずばり、神だッ!!」


後輩「……は?」ギロリ

無口「……」ジトー


友「」グサッ


友「と、ということで……男、あとは頼んだッ……!」バタッ

男(……豆腐メンタルすぎだろ、お前。かくいう俺も、倒れる寸前なんだけども……)

男「ていうか、さっきから黙ってないで何か言えよこのう○こォ!!」

後輩「何言ってるんですか。う○こが神様とか妄言も大概にしてください」

無口「……これ以上、その、あんまり言い訳するのはよくないと思う……」

男「言い訳なんかじゃねぇってホントだっての!」


男「何か言いやがれこの糞ヤロォーッ!!」ニギッ


う○こ「……んっ」


後輩「……えっ?」

無口「……?」


う○こ「荒々しいな男……。突然尻なんぞ揉まれたら声を我慢できないであろう……」

男「なにしてんだお前」

う○こ「いや、二人の罵倒する声と目線がこうグッきてな……!もうちょっと堪能してから声を出そうかと思ってた」


後輩「な、なんで、そんなものから声が……!」

無口「……」フラフラ

う○こ「案の定驚いてるな。おい、そこの茶髪。あんまり女の子がう○こう○こ言うものではないぞ」

後輩「え、これって腹話術かなにかですよね?そうですよねー?」

無口「……」バタン……


男「腹話術なんかできるわけねぇだろ。第一声、それから出てんだろ」

う○こ「そうだ。私は正真正銘、神様だ」

後輩「……ちょっと頭が痛くなってきました」

無口「」

男「無口気絶してるじゃねぇか……。とりあえず、簡単に話すからよく聞けよ」

後輩「……は、はぁ」


~~~~


後輩「……つまり、神様を元に戻す為に色々とやらなきゃいけなくて、さらに神様は近くに置いてないといけないってことですか」

無口「形とかは本物と一緒だけども……ニオイとかしないみたい。これは確かにう、う……」

男「頑張って言わなくていいぞ。……とにかく物分りが早くて助かった」

男(……勿論、俺が目安箱を設置した理由を力を回収するためだとは説明していない)

男(あんだけ言っておいて今さらこんなことを言えないからな……)


う○こ「ちなみに最近では手足が出せるようになったぞ」ニョキ

後輩「うわ、キモッ……」

無口「……ひっ」

男「……この通り、中身は残念な神様だ。何故か血も出るし、たまに湯気も出る」

う○こ「豊かな感情表現と言ってほしいものだな。そして私は立派な神だ」

男「……」


男「……まぁ、これからは何かしらにくるんでおく」

後輩「そうですね……。いくら姿形だけとは言え、目にし続けるのはキツイですからねー」

無口「……」コクリ

男「だろ?バナナの皮を被せるんじゃあ、その内皮が腐ってきてダメになるんだよな……。他にいい考えがあればいいんだけど」

う○こ「……とりあえず、二人共。改めて、出会いを祝して握手でもしようじゃないか」ピョコ


後輩「……」ジトー

無口「……」


う○こ「え?あれ?私どこで間違ったかな?」

男「自分の姿を忘れたのかよ……」


~~~~


バタンッ!

女「あなた達、今すぐ大人しくしなさいっ!」

女「屋上で延々と猥褻な発言をすることは許さない……って」


シーン


女「誰もいないじゃない……。さっきの情報は嘘だったのかしら」フミッ

女「……ん?」


友「」チーン


女「……どうやら、また男が何かしたみたいね」

女「まったく、手がかかるんだから……」

今回はここまで。

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