聖剣「安価で私を扱えそうな人を探す」 (80)
聖剣「私は聖剣……えーと、なんとか!」
聖剣「今は人の形をしているけど、本来は剣です」
聖剣「もう何百年前とかそんな大昔に使われたっきり、めっちゃ深い洞窟の仰々しい宝箱に詰め込まれてたけど……」
聖剣「正直このまま永遠に封印されてる未来しか見えないから
、自分で持ち主を探す旅に出ますっ!」
聖剣「さて、まずは >>3 にでも行って強そうな人を探してみよう!!」
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軍事帝国
聖剣「えーと、確かこの辺に小さな街があった気がするんだけどぉ……」
聖剣「あっ! ここかな!?」
聖剣「わぁー、すっご! あんなに小さかった街が、この数百年で大きくなってる!!」
聖剣「看板によると……わぁお、軍事帝国だって」
聖剣「……これはいきなり巡り会えるかも……!」
軍事帝国
聖剣「人が多いなー。さすが帝国と言うだけあるね」
聖剣「ちらほら強そうな人も見えるけど、うーん」
聖剣「よしっ、まずはあそこの人に話し掛けてみよう!」
どんな人か(性別も)↓2
聖剣「あの、ちょっといいですか?」
研究者「む、何かね。僕は急いでいるんだが」
聖剣「じ、実は私…聖剣でして!!」
研究者「……は?」
聖剣「もう何百年も誰にも使ってもらえなくて困ってるんです!」
聖剣「だからお兄さん、私を握って大冒険しませんか!?」
研究者「↓2」
聖剣「ま、まじですかぁ!?」
聖剣(自分で言うのもあれだけど、まさかあんな文句で食いつくなんて……!)
聖剣「人間って……ちょろっ!」
研究者「ん?」
聖剣「あ、いや、なんでもないです!」
聖剣「でも…お兄さんは見た感じ白衣とか着てるし、研究者さんですよね?」
聖剣「なんで私の頼みを引き受けてくれたんですか?」
研究者「↓2 」
聖剣「じ、実地テストですか……」
研究者「ああ、当然だろ?」
研究者「君がどんなに凄い剣だろうが、まず実際にその強さをこの目で見ないと、受け入れることも拒否することもできない」
研究者「僕はそういう人間だ」
聖剣「ま、まあいいですよ…使ってくれるなら何でも……」
聖剣「じゃあ剣に変身してみるので、試しに振ってみてください」
研究者「わかった」
聖剣「では、えいっ!」ボフンッ
研究者「!? ほ、本当に剣の姿に……!?」
聖剣(変身)「さあ、振ってください! もう存分に!! 気が狂うほど……!!」ハァハァ
研究者「で、では失礼して……」
研究者は上手く扱えたか否か ↓2
研究者「はっ!」ブンッ
聖剣(変身)「おぉ……!」
研究者「とうっ!」ブンッ
聖剣(変身)「あぁっ……!」
研究者「てりゃあああああ!!」ブンッ
聖剣(変身)「ああん!!」
研究者「……ふう、こんなものかな」
ボフンッ
聖剣「す、凄いですよお兄さん!!」
聖剣「あんなに私を巧みに扱えたのはお兄さんが初めてです! 見た目によらず、筋肉ありますねぇ!」
研究者「ありがとう」
研究者「僕も君を手に取ってみて分かったよ」
研究者「僕と君が出逢えたのは偶然なんかじゃない……! 正しく運命だと……!」
聖剣「い、いきなり使い手に出逢えるとかグへへ…興奮が止まりませんよぉ……!!」
聖剣「ねぇ、お兄さん? 私を使って何かをさっそく斬ってみませんか? てか、斬りましょう!?」
研究者「↓2」
聖剣「……え? 冒険、ですか?」
聖剣「ま、まあいいですけど……うーん」
研究者「実はね、僕には行きたいところがあるんだ」
研究者「その道中が険しくて、己の身一つでは不安だったんだけど……なに、君が居るなら心配はない!」
研究者「さあ行こうっ!」
聖剣「そこは何て場所ですか?」
研究者「↓2 だ!!」
聖剣「アスタゴラシア……? 知らない名前ですね」
研究者「ああ、アスタゴラシアは伝説の大陸と呼ばれてるんだ……」
研究者「とある冒険家が残した手記には確かにその名前が出てくるんだが、何十年も経った今でもその冒険家以外は誰も発見できていない……!」
研究者「終いにはただの冒険家の妄想とされてしまった!」
研究者「僕はそれが悔しいんだ……本当に世界を隅々まで探した訳でもないのに『無い』と断定しやがって……!」
研究者「僕はそんな愚かなことはしない! ちゃんとこの目で確かめてみたいんだ!」
研究者「……いい歳した大人が何を少年みたいなこと言ってんだって思うかもしれないけど、さ」
研究者「君はそれでも、ついてきてくれるかい?」
聖剣「↓2」
研究者「おお……!」
聖剣「愚問ですよ、お兄さん程の使い手をみすみす逃す理由がありませんよ!」
聖剣「まあ、気の遠くなる程長い旅になるかもしれませんけど」
聖剣「私はどこまでもお供しますっ!」
研究者「ありがとう……本当に、ありがとう……!」
聖剣(……誰かに感謝されたことって、そういえば今まで無かったなぁ)
聖剣(えへへ、悪い気はしないね!)
研究者「よし、さっそく旅立つための準備をしてくるよ!!」
聖剣「はい、じゃあ城下町の入口で待ってます」
研究者「すぐ戻るから!」
研究者の家
研究者「……職場にはまあ、適当に辞表でも叩きつけるとして」
研究者「何か持っていくものはあるかな?」
何を持っていくか ↓2
研究者「この母さんがくれたお守りでも持っていくか」
研究者「先祖代々受け継いできたものだし、持っといて損は無い、よな」
研究者「では行くとするか……さよなら、我が家」
帝国・城下町 入口
聖剣「あ、もう準備はいいんですか?」
研究者「待たせて悪かったね。さっそく旅立とう!」
聖剣「……ん? あの、ちょっといいですか?」
研究者「え、何?」
聖剣「くんくん、くんくん」スーハースーハー
研究者「わっ! な、何でそんなに僕の懐の匂いを……!?」
聖剣「あ、すいません…なんか特別な匂いがしたので……」
聖剣「聖剣だからかは分からないんですけど、魔法の匂いに敏感で」
聖剣「何かマジックアイテムの類でも持ってたりしますか?」
研究者「……ああっ! このお守りのことかな?」
聖剣「くんくん…はい! そうです!」
聖剣「多分このお守りには ↓2 の力があると思いますよ!」
研究者「凄いな、そんなことまで分かるのか聖剣は……」
聖剣「えへへっ」
研究者「しかも凄い効果だ…御先祖様々だな」
聖剣「これで旅の間は金銭面で困ることはありませんね!」
研究者「そうだね」
聖剣「あー、楽しみだなぁ。霜降り肉にワイン…ああ! カジノとかいうのもやりたいですねぇ!」
研究者「お、おい、贅沢なんかしないぞ! すぐに金なんかなくなるんだから!」
聖剣「うぅ、はーい……」
研究者「やれやれ。さて、まずは ↓2 にでも行こうか」
聖剣「おおっ! さっそく魔物相手に私を使うんですねぇ!?」
研究者「うん、今まで戦いとかそういうのには無縁だったからね……」
研究者「ちょっと慣れておこうと思って」
聖剣「素晴らしい心掛けです!! さすが聖剣の使い手!!」
聖剣「ダンジョンなら、確か北の方に割と深い洞窟があったはずです。そこに行きましょう!」
研究者「OK!」
↓コンマ
偶数…生存
奇数…死にかける
ゾロ目…全滅
帝国北のダンジョン
聖剣(変身)「オラオラオラァ! 聖剣様のお通りじゃー!」
研究者「ふっ!」ブンッ ブンッ ブォンッ
スライム「」チーン
ゴブリン「」チーン
トロル「」チーン
ボフンッ
聖剣「ああ―――血の香りのなんと心地よきことか……!」
聖剣「この生臭いモノに包まれることこそが聖剣としての至上の喜びですぅ……!」トローン
研究者「聖剣とは一体……」
聖剣「気にしたら負けですよ?」ニコッ
研究者「あ、うん」
聖剣「ところで、いやぁ…もう随分と魔物の死骸を積み上げましたねぇ」
研究者「うん、もう充分かな……君、強すぎ」
聖剣「えへ、お褒めに預かり光栄ですっ」
研究者「……ん? あそこに何かあるな……」
聖剣「おっ、ダンジョンにつきもののアレですかぁ!?」
何があったか ↓2
研究者「なんだこれ、盾……?」
聖剣「……なーんか見覚えが」
ボフンッ!
研究者「!?」
勇者の盾「お初にお目にかかる……」
勇者の盾「俺は勇者の盾。ずっと持ち主を待ち侘びていた……」
研究者「うわ、めっちゃゴッツイ人になった!」
聖剣「…あーっ!! 貴方はぁ!!」
聖剣「私のことを覚えてますか!? 勇者の盾さん!」
勇者の盾「当然だ……この耳に残る声は」
勇者の盾「―――聖剣よ、久しぶりだな」
聖剣「わぁ、かつての仲間に再び逢えるとは……!」
研究者「えっと、知り合いなの?」
聖剣「はい! 大昔に、私と勇者の盾さんは『勇者』と呼ばれていた使い手と共に旅をしたんですっ!」
聖剣「あぁ、懐かしいなぁ」
勇者の盾「うむ、確かにそうだな……だが違う」
勇者の盾「俺が姿を見せたのは、そこの男に試して貰いたかったからで、旧友との再開を喜ぶ為ではないのだ……!」
勇者の盾「さあ、そこの御仁よッ! この俺を持ち構えてみるがいいッ!」
聖剣「相変わらず固い人だなぁ……」
聖剣「ま、とりあえず持ってみてあげてください。お兄さんなら、もしかしたら……」
研究者「あ、ああ。では―――」
研究者と勇者の盾の相性はどうだったか
↓2
研究者「……」
勇者の盾(変身)「……」
研究者「えっと」
ボフンッ
研究者「わっ!」
勇者の盾「……そこそこ、といったところか」
聖剣「そこそこ、かぁ」
勇者の盾「だが、こんな薄暗い所にずっと居るよりかはマシだろうな……よし」
勇者の盾「御仁よ…この俺を持っていってくれッ!」
勇者の盾「少し馴染む程度なら、扱うことはそう難しくないだろう! だから、頼む!!」
勇者の盾「……もう、暗いのは嫌だ……!!」
聖剣「どうしますか? お兄さん」
研究者「そうだね……↓2」
勇者の盾「おお、ありがたい……!!」
勇者の盾「この身が粉々になるその時まで、貴方はこの俺が守るッ!」
研究者「ありがとう、丁度僕も防具が欲しいところだったんだ」
聖剣「賑やかな旅になりそうで良いですね!」
聖剣「同じ武具同士、仲良くしましょう! 勇者の盾さん!」
勇者の盾「そうだな……だが、その」
勇者の盾「できれば、俺と話す時は声のボリュームを絞ってくれ。俺の性能が良すぎるのか、耳が痛いのだ……」
聖剣「あ、ごめんなさい!! 善処しまーす!!」
勇者の盾「だからぁ!! もう!!」
研究者「あはは……とにかく、もう外に出ようか」
聖剣「それもそうですね。さ、行きましょう盾さん」
勇者の盾「あ、ああ……」
勇者の盾(この先、俺の耳が取れませんように……)
こんな感じで緩くやっていきます。
今日は眠いのでここまで、お疲れ様でした。
再開
聖剣「で、どうでしたか? 生の魔物との戦闘は」
研究者「ああ、少し不安だったが…聖剣さえ居てくれれば何も心配はないよ!」
研究者「心強い仲間も増えたことだしね」
勇者の盾「うむ」
聖剣「なるほど。ではでは! 次はどちらへ向かいますか?」
研究者「↓2 かな」
聖剣「お、ついに国境を越えるんですね!」
研究者「この国で生まれてからずっと過ごしてきたけど……」
研究者「アスタゴラシアに関する有益な情報なんて、1つも得られなかったよ」
研究者「……もう、この国に居る意味は無いかな」
勇者の盾「確かにそうだ。では国境の砦に向かうとしようか」
聖剣「砦ですか? なぜ砦なんかに?」
勇者の盾「それは聖剣…何もせずにただで国境を渡らせてくれるわけが無いだろう」
聖剣「えっ、今の世界ってそんな面倒なルールがあるんですか!?」
勇者の盾「お前、さては数百年ずっと誰にも拾われなかったな……」
聖剣「わ、私悪くないですよ!? 前の勇者様が安置しすぎたんですよ……!!」
勇者の盾「そういえば聖剣の伝説とやらも最近では耳にしなかったなぁ。ふっ、哀れな女よ……」
聖剣「う、うぅぅぅぅ……!!」ジワッ
研究者「ほら、2人とも。砦が見えてきたよ……」
↓コンマ
偶数…簡単に国境越え
奇数…阻まれる
―――しばらくして
聖剣「……なんだ、わざわざ砦に行く必要があると言ってたので、面倒な手続きが必要かと思ってましたが……」
勇者の盾「存外にあっさりと抜けたな……」
研究者「まあ、僕は元帝国の研究者だからね。身分証明さえできれば、後はそんなに拘束はされないよ」
研究者「……審査の際、君たちには元の武具の姿になってもらったってのもあるけどね」
聖剣「ふむふむ」
勇者の盾「それで、御主人。ここらに情報収集できそうな街や村の類はあるのか?」
研究者「↓2」
聖剣「なるほど、ではそこを目指してレッツゴー!!」
勇者の盾「」キーン
研究者「そ、そうだね……」
冒険者の街
研究者「噂通り、随分と賑やかな街だなぁ……」
聖剣「見てくださいよお兄さん! 家が全部レンガですよ! レンガ!」
勇者の盾「いや、そんな珍しいものでもないだろうに……」
研究者「確か…この街には ↓2 があったはずだ」
研究者「そこなら情報が得られる……かもしれない!」
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