男「手からハンカチを出す能力…?」 (23)
男「やべっ!夜更かしし過ぎちまった!遅刻しそうだ!」タッタッタッ
男「ん?あいつは…」
男「おーい、友」
友「おう、男じゃねぇか。何でまだこんなとこにいるんだ?遅刻するぞ」
男「それはお前もだろ。走れよ」タッタッタッ
友「嫌だよ疲れるしダルいし。別に遅刻ぐらいならいいや」
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友「あーあ、学校に隕石でも落ちてくんねーかなぁ~」
男「そんなこと言ってる場合かよ」
友「神様!学校に隕石落っことして下さーい!!」クワッ!!
男「ちょ、大声で叫ぶなって…一緒にいる俺まで変な目で見られるじゃねぇか…」
友「大丈夫だって。今の時間帯、ここ人通り少ないし」
ヒュゴォォォ…
男「…おい、何か聞こえないか?」
ォォォォォ…
友「ん?……確かに…何かコッチに向かってきてるような…」
男「何だぁ?この音…?」
友「……おい見ろよ…アレ…」スッ…
男「アレ?…お、おい、アレって…」
「「隕石ッッ!」」
友「ウソだろ…本当に降ってくるなんてッ!」
男「驚いてる場合かァァァーーー!衝撃に備えるんだッ!早くッ!!!」
ドッグオオォン!!!
ドヒュン! ドヒュン! ドヒュン!
友「うげぇッ!飛沫がッ!」ズシャッ!
男「だ、大丈夫かッ!?オゴェッ!」ズシャッ!
シュウウゥゥゥ…
友「う、うぅぅ…なんとか助かったぜ…」ヨロッ…
男「こっちも大丈夫だ……しかし本当に降ってくるとはな…」
友「ああ、今でも信じられねぇぜ…」
男「………」
友「おいどうした?ビビってションベンでも漏らしたか?」
男「……なぁ、友。」
友「替えのパンツなら持ってないぜ」
男「お前…さっき何て言った?」
友「え?ションベンでも漏らしたかって」
男「その前だ!隕石が落ちてくる前になんて言ったって聞いてるんだよ、オレは。」
友「ええと…学校に…!!」
男「急ぐぞッ!友!」ダッ!
友「予想が当たってなきゃあいいんだが…」ダッ!
すまぬ、寝落ちします。
ガヤガヤ ガヤガヤ
友「おいおい…こいつぁちとヤベーんじゃねえか?」
男「校舎に突っ込んでやがる…」
体育教師(以下 体 )「男と友!無事か?怪我はないか?」
友「ええ、大丈夫ッス。少し擦ったけど」
体「そうか…」
男「ところで、クラスメートは、女は無事なんですか!?」
体「ああ、無事だ。朝会で体育館にいたからな。多少怪我をしただろうが」
男「良かった……」
体「ところで、だ。」
体「遅刻だぞ。男、友」
男「ゲ!」
友「イテテ!あ、ちょっと待ってください。これは重症だ…肋骨が折れてやがる…」
体「ほう…『大丈夫』なんだよなぁ?」
友「いや、急に痛くなって…」
体「言い訳無用!一緒に来てもらおうか…」
男「あん時嘘ついときゃあよかった…」
ーーーーーー
男「全く、今日は厄日だぜ…」
女「遅刻したのは自業自得でしょう?」
友「いや、あん時隕石が落ちてなきゃあ遅刻はしてなかったはずだぜ」
女「はいはい、そんな見え透いた嘘をつかない」
男「しかし、なんでいきなり隕石なんか降ってきたんだあ?」
友「オレが言ったから?」
男「それは無いな」
友「だよねーッ!」
「「アハハハハハハッ!」」
女「……何が面白いのかサッパリだわ」
友「……なあ男」
男「なんだ?」
友「オレ達、本当に大丈夫なのか?」
男「どういう事だ?」
友「ほら、『自分では大丈夫だと思ってたけど実際はひでぇ怪我だった』っていう場合とかあるじゃねえか」
男「なんだソレ?聞いたことねーな」
友「とにかく、心配だから見てくんねーか?」
男「なんでオレがオメーの傷を見なくちゃあいけないんだ?自分で見ろ、自分で!」
友「ヤだよ。オレ、血を見るの苦手でさー。な、な、頼むよ」
男「………チッ、しょーがねぇなぁー。ホラ、服捲れ」
友「ホラよ」バッ
男「どれどれ……血どころか擦り傷すらねーぞ」
友「アレェ?確かに擦ったと思ったんだが…」
男「気のせいだろ…全く」
男「ところで女。お前、怪我はないか?」
女「ええ、大丈夫よ。ちょっとかすったけど。ってアレッ?」
女「おかしい…服は破れてるのに…」
女「血の一滴も出ていないッ!!擦り傷も無いッ!」ドン!
男「ホ、ホントだ……『服だけが』破れている……ッ!これは明らかにおかしいぞ!」
女「でも、どうして…?何も触っていないのに…」
男「その部分が破れかけてたりボロくなってたりとか?」
友「あり得なくはない…」
「…………」
男「とりあえずこの事は置いておこう」
女「そうね」
友「ところで、クラスのみんなは無事なのか?」
女「ええ。少し怪我してるけど、命に別条はないわ」
友「そうか、良かったな男!」
男「ああ…」
男「……気になるな」
友「え?」
男「隕石だよ。一体どれほどの大きさなんだろうなーって」
友「つまり?」
男「一緒に見に行かねーか?隕石を見ることができるなんてそうそうねーぞ」
友「よし、行くか!」
女「ちょっと!勝手に行くと怒られるわよ!危険だし」
男「心配すんなって、たかが隕石だぜ?」
バタン!
男「ここか……」ザッザッ
ゴゴゴゴゴ…
友「ひゃーでっけぇ…直径20mはあるぜ、このクレーター…。それに比べて隕石自体は結構小さいいんだな。7~8mといったところかぁ?」
男 「ホント…土地が広くて良かったぜ……まあそれでも怪我人は少し出たが」
男「ところで友、せっかくここまで来たんだ。あそこにある隕石の欠片でも持って帰らないか?」
友「じゃあどっちが先に下までいけるか競争だッ!負けたら一週間奢れよ!」ズザザザ
男「あっ、ズルいぞ先に行くなんて!」ズザザザ
友「ハハハ、ここまで追いついてみろ!追いつけるものならな!」ズザザザ
男「馬鹿にしやがって……うおおおおお‼!」ダダダッ!
男「おおおおおおおお!!!」ダダダッ!
友「は…速いッ!もうすぐそこまできている!」ズザザザ
男「このまま追い抜いてやるッ!!」ダダダッ!
友「させるかッ!」ダダダッ!
男&友「「うおおおおおおお‼‼!」」ダダダダダッ!
結果、引き分け!
友「……っと!なんだ引き分けか、なかなかやるじゃあねーか」スタッ
男「お前もな、友。しっかし…」スタッ
男「近くで見ると、なんというか『凄み』っていうのか?そんなものを感じるぜ…」
友「ああ…鬼気迫るもんがあるよなぁー。…おっ、こんなところにちょうどいい大きさの隕石の欠片が!ラッキー!」
男「オレも見つけたぜ!なんかキラキラしてて綺麗だな!」
男「女の分も取っておくか」
友「ついでに記念写真撮ろうぜ」
男「おう」
友「よしきた!ここに三脚を置いて……3,2,1」
パシャッ!
男「どれ…ちゃんと撮れたか?」
友「今確認するから待ってろ」
ザッザッザッザッ…
友「!」
友「ヤベッ!誰か来るぞ!」
男「 何!?それは本当か?」
友「ああ…それも複数いる…」
男「このままじゃバレちまう…行くぞッ!友!」ダッ!
友「ああ!」ダッ!
タッタッタッ
男「ハァ...ハァ...どうやら逃げ切れたみたいだ...」ゼェハァ
友「そうみたいだな...さてと、男よ。もう隕石も見たし石もゲットしたから教室に帰ろうぜ」
男「ああ、そうだな。これ以上ここにいる必要もないし、いても怪しまれるだけだしな」
ーーーーーー
ガラガラッ
男「よう、帰ってきたぞ」
女「遅い!隕石見るだけでどれだけ時間かけてるのよ!もう30分も経っているのよ!」
友「何いってんだ、そんなに経ってな...アレッ?本当だ...」
男「おかしいな...感覚では5分くらいの短い間だったはずなのに...」
女「先生、カンカンになって怒ってたわよ。『アイツら見つけたら罰として片手腕立て伏せそれぞれ50回だな』って」
友「ウゲッ...」
男「友はまだいいだろうよ...帰宅部のオレにとっちゃあ地獄だ...」
男「いやまて女よ。先生は『見つけたら』片手腕立て伏せをさせると言ったんだよな?」
女「そうよ。」
男「つまり見つからなければいいって訳だぜ!」
友「さすが男ッ!じゃあこんなところさっさとおさらばしちまおうぜッ!」ガラッ
体「ミツケタゾ......」
帰り道
男「イテテテ...あー、あの筋肉ゴリラめ!明日は筋肉痛間違いなしだな...」
女「自業自得よ」
男「うっ...そうだけど、流石に50回はやりすぎだとは思わないか?たかだか30分だぜ。あーあ、いいよなぁ友は。運動部だから筋肉痛にならなくて」
友「いや、俺でも片手で腕立てはキツいぜ...明日試合できるかなぁ」
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