大臣「貴様のような者が姫様に釣り合う訳がなかろう!」(66)

大臣「平民め」

平民「ですよねー」

大臣「うむ」

平民「ですから姫様と別れますわ」

大臣「うむ…ってえぇ!?」

平民「だってそれがお望みなんでしょう?」

大臣「いや、確かにそうだけど」

大臣「なんていうか、私を認めさせるために何か試練に立ち向かったりさぁ…あるじゃん」

平民「えぇーそこまでして姫様とつき合いたい訳じゃないんで」

大臣「えぇー…俺は本気なんだ!とか言わないの?ねぇ言わないの?」

平民「言わないよ絶対」

大臣「まじか…こちとら試練を色々準備したのに」

平民「例えば?」

大臣「武術大会で優勝しろとか、凶暴なドラゴンを退治しろとか、とにかく色々だよ」

平民「どれもこれも面倒じゃん。やるわけねーよ、たかが女一人の為に」

大臣「なっ、姫様はそんじょそこらの女とは違うのだぞ!高貴な立ち振る舞い、上品な仕草…そして放漫なバスト!女性として姫様以上に魅力的な者はおらん!」

平民「確かに乳はデカいよな。でも乳輪も比例してデカいんだよね」

大臣「まじか。てか見たのか、触ったのか揉んだのか舐めたのかァァァン!?」

平民「そりゃもうおっぱいおっぱい」

大臣「私も舐めた事ないのに!」

平民「そりゃそうだろ。大臣が自分の国の姫の乳舐めてたら打ち首だ打ち首」

大臣「くそぅ、うらやまけしからん奴め!」

平民「お前本当に大臣かよ…こんなエロでよくやっていけるな」

大臣「大きなお世話だい」

平民「で、俺もう帰っていいすか。夜から合コンあるんすよね」

大臣「えっ、姫様とつき合ってるんじゃないの?」

平民「んー、彼女は一人だけにしなきゃいけない法律もないですしねぇ。それに今時彼女彼氏の一人や二人、フツーフツー」

大臣「これがジェネレーションギャップか…」

平民「さぁー今回は何人とやれるかなぁ」

大臣「なっ、今からセクロスの事を考えているのか!」

平民「そりゃ合コンとくればセクロスに決まってるでやんす」

大臣(なぜ急に矢部口調に…)

平民「いやぁ、テニサーに入って正解だったなぁ」

大臣「サークルに入ってるのかよ…てか大学生?」

平民「ウッス、バイトもせず親の仕送りで合コンと麻雀とパチンコの日々っす、単位落としまくりっす」

大臣「なんて奴だ」

平民「もう話は終わりっすか?後で姫に別れるってラインしとくんで」

大臣「別れるのにラインを使うのか、あんたは!」

平民「まぁ今時ふつうっしょ」

大臣「最近の若い奴らは…」

平民「黙れよ老害www」

大臣「なに笑てんねん」

大臣「だがよく考えれば、別れて正解かもしれん。こんないいかげんな奴とは早く縁を切った方が姫様のためだ」

平民「言うねぇ…あんたなかなか正直者だよ、痺れるねェ…」

ビンッ

平民「俺はさ、男気溢れる男に出会うとさ…立つのさ」

大臣「な、なにが…」

平民「チンポだろ!」

大臣「な、なんだと…お前は…まさか…」

ニヤッ

平民「そのまさか、と言ったらどうするンだい?」

ヌギッ

平民「男ってのは元来、男も女もどっちもいけるモンらしいぜ?」

大臣「ば、ばかな」

平民「あんたが男好きじゃないっていうのなら!股間を見せて証明してみろ!」

ビィィィィィン

大臣「わ、わかった…」

ヌギヌギ

大臣「ほ、ほれ。どうだ、よく見ろ…無反応だろうが」

シナァ…

大臣「私は男好きではない。これで証明できたな」

平民「果たして、そうかな…」

ニヤッ

大臣「何だと…それは一体どうい…」

平民「こういう意味さ」

ブゥン

大臣「なっ、消え…」

ガシィッ

平民「俺が羽交い締めをしたんだ…意味は分かるな?」

大臣「わ、分かる訳が…」

ギシィッ

平民「分かれよ…この意味を、分かる必要があるんだ!お前は…お前等は…お前等、帝国軍は!」

大臣「なっ…ならば君は…連合の…民なのか…!?」

平民「そうさ…帝国が踏みつぶした…連合の生き残りさ!どうせ覚えちゃいないンだろう…帝国以外の人間は虫けら同然なんだろう、貴様等はよ!」

大臣「なんという事だ…君は…」

平民「そもそも俺があんたらの姫様に近づいたのは復讐の為さ」

平民「簡単だったぜェ…頭空っぽの馬鹿女をたぶらかすのはよォ…快感だったぜェ…純情な処女の穴をズブズブに犯すのはよォ…でもな!」

平民「でも、そんなもンじゃ俺の気は晴れねェ…晴れやしねェんだよォォォ!」

ギシィッギシィッ

大臣「ぐっ、羽交い締めの締め付けが…ぶはっ!」

平民「このまま折りたたみ携帯みてェにへし折ってやるァァァ!」

ギシィッ

大臣「や、止めるんだシン…」

平民「誰がシンやねん、お前もアスランってツラちゃうやろ」

大臣「帝国は…絶対王者でなければならんのだ…連合は反乱の計画をたてていた…未然に防ぐ、いや、徹底的に叩き潰すしかなかった…なぜなら帝国だからだ!帝国は…畏怖の対象でなければならない!諸国に、恐れられなければならない!あの国に仇成せば、容赦なく粉砕される、そんな存在でなければならんのだ!」

平民「そんな理屈、知るかよ…ただ俺は…平和に暮らせれば…なのに!奪った!奪ったんだ、お前等は!俺から…平和を!家を!父母を!姉を!友を!根こそぎ奪ったんだ…奪ったんだぞ…ちくしょう、なんでだ…なんで俺が…俺達が奪われなけりゃならないんだ…」

ギシィッ

大臣「ぬぐっ…」

平民「おしゃべりはここまでた。そろそろ骨が二、三本折れる頃だ」

ギシィッ

大臣「い、嫌だ…骨折れるのやだぁぁぁ!」

ジタバタ
ガクガク ブルブル
チョロロロロ…

大臣「あ゛…い゛い゛…」

平民「ちっ、恐怖のあまり失禁しやがったか」

平民「しかし情けない。帝国の人間が失禁するなんてよ…こんな奴がいる国に…俺は怒っていたのか」

スゥッ

平民「確かに虚しいな、復讐なんて…分かっていたんだ…本当は…」

ユルッ

大臣(羽交い締めが緩く…脱出のチィヤァァァンス!)

大臣「ん…ネコジャラシ!」

クネクネクネ

平民「う、うわぁぁぁ気持ち悪い動きだ!」

クネクネクネ

大臣「脱出成功というやつさ」

平民「やるな大臣…だが、これならば!」

ザザッ

大臣「なっ、速い…」

ガシィッ

平民「再び羽交い締め…さぁて、祭りはまだ終わらないのさ」

大臣「くっ、さっきより強力な羽交い締めに違いない!」

ギシィッ

大臣「んっ…くっ…この羽交い締めすごいよォォォォォ!」

ビクンビクン

大臣「新鮮な海老みたいに反り返っちゃうにょろォォォォォ!」

平民「そうだ、そのまま反り返って天国(ヘヴン)に行きな!」

ギシィッ

大臣「あんっ…りみでっど…ぶれっ…いいっ…どぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

平民「クスッ…」

大臣(駄目…このままじゃ私は…海老…海老になってしまう…だから、ここは…あえて…私は!)

ビィィィィィン

大臣「反り…返る…!」

平民「なっ…正気か!?その反り角度ではお前の背骨は!」

ミシィ…

大臣「ぶへらばぁぁぁ!」

ブフッ

平民「そらみろ、折れた背骨が肉や臓器を突き破り、血が!」

大臣「だが…こうする事が…現状を打開する一手…逆転への布石…ぐふっ…」

ブフッ

大臣「がはぁっ!砕けた骨や臓物の破片が口から!」

ビチャビチャビチャ

平民「や、止めなはれ!あんさん、本当に死にますえ!」

大臣「そう…死ななきゃ…抜け出せない…生きようとしている限り…打破できない…だから私は…海老になるのさ!」

ビィィィィィン
バキバキバキ
ブチィィィ

大臣「ぐふっ…」

平民「止めろ…死んでしまうぞ!」

大臣「死なないさ…私は…海老になる!私が…海老だ!」

バキバキバキ
パァァァァ

大臣「ラァァァァァァァァ!」

平民「何だ、大臣の体が光り…うわぁぁぁ!」

大臣「あっちいってろォォォォォ!」

ブワッ

平民「うわぁぁぁ、この衝撃波はぁぁぁ!」

ブォォン

大臣「…」

エビィ…

平民「あ…あぁあ…嘘だろ…姿が…海老に…なってやがる…」

大臣「この皮膚…曲がり具合…そうか、私は海老に…」

全ての生命には
その細胞に他の生物の情報が刻まれているという。
故に
人間が海老になるなどという
荒唐無稽な奇跡が
起きるのもあり得ない話ではないのだ。

大臣「さて平民よ…私は、なにものだ?」

平民「あ…ぁあ…」

大臣「答えよ…私は、なにものだ?」

平民「え、え…び…」

大臣「正解だ」

平民「馬鹿な…こんな馬鹿な事が…ありえない!」

大臣「ありえない?ありえるだろ」

エビィ

大臣「だって私は海老なのだから」

平民「ゆ、夢なら覚めてくれ…」

と、そこに!
通りすがりのタマネギが通りかかった!

タマネギ「おっ、プリップリの海老やんけ!」

ダダッ
ガシッ

大臣「き、きゃあ!急に何するんですか!ひ、人を呼びますよ!」

タマネギ「だっておまはん、海老やろ。わて、タマネギだんねん…」

大臣「だ、だから何だというのだね!?」

タマネギ「わてとおまはん…後は…」

ハッ

平民「そ、そうか…あとはチリソースさえあれば…チリソースさえあれば!!!!!」

ニヤリ

タマネギ「ほぅ、そのガキは察しがいいみたいやな…」

大臣「い、いったい何だというのだね…」

平民「よく考えるんだ大臣サンよ…海老になったあんた、そこの通りすがりのタマネギ…これが意味するのは…」

ハッ

大臣「ま、まさか」

タマネギ「その、まさかや」

大臣「もしチリソースが現れれば…私達は…エビチリになるしかない!」

平民「そういう…こった…」

ガクガク ブルブル

大臣「い、嫌だ…私は海老にはなったが…エビチリにはなりたくない!」

平民「だろうな…でもな、現状を見ろ。もはや確定している…避けられやしない…しないんだよ」

大臣「あ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」

アタマ ガリガリガリ
カオ ガリガリガリ

平民「ひ、ヒステリー…爪で自分をひっかいてやがる」

タマネギ「男のヒステリーは手に負えないぜ」

大臣「だ、だが待てよ…チリソースがここに来ない限りは…エビチリにはならない…ははっ、大丈夫だ、大丈夫に決まっている」

平民「…いや、残念だが…向こうを見てみろ」

大臣「えっ…」

チラッ

大臣「あ…向こうから歩いてくるのは…まさか…」

タマネギ「せや、わてが何の用意もなく来たとでも思たか?ドアホ、わてはな、二手も三手も先を読んどるんじゃ」

テクテクテク

大臣「あ…ぁぁ…お、お前は!」

チリソース「チッス」

タマネギ「よう来たなチリソース。お膳立てはしたった、あとはおまはん次第や」

チリソース「そうっスか…俺次第っスか…」

テクテク

タマネギ「せや、わてと海老とおまは…」

ザクッ

タマネギ「…あ゛?」

ドバドバ

タマネギ「あ゛あ゛~?」

チリソース「すいませんっス、俺、エビチリにはタマネギ入れない派なんで」

タマネギ「お、おまはんは~~~」

バタリ

チリソース「タマネギみたいに主張が強い野菜は海老の繊細な味をぼやけさせてしまう…だからエビチリにはエビチリしか入れないのが俺のジャスティンなのさ」

レッツゴージャスティン…

タマネギ「ぐふっ…」

バタリ

平民「ち、チリソースの奴…躊躇なくタマネギを刺し殺しやがった!」

チリソース「はぁ~あ、まったくつまらない…つまらない奴だったぜタマネギ先輩よぉ~」

ゲシッ

チリソース「今となっちゃただの野菜か、ははははは!」

平民「や、野郎…タマネギの死体を蹴った…ドの付くゲスってのはこいつの事だぜ!」

大臣「だがこれで私は助かっ…」

ムンズ

大臣「!?」

エビチリ「誰がぁ~助かったってぇ~~~?」

大臣「は、離せ!」

エビチリ「いやだね…せっかくこんな上玉に出会えたんだ…立派なエビチリになろうぜぇ~」

サワサワ

大臣「嫌っ…そこは!」

エビチリ「ギャーギャー騒ぐなよ…生娘じゃあるま…」

クニッ

エビチリ「!」

大臣「…」

エビチリ「皮…しかも未開拓の皮…まさか…」

大臣「私の秘密を知られたからには…生かしておけぬ…」

ブンッ
ドシン

チリソース「ぐっ、突き飛ばされた俺!」

大臣「この構え…二度見る者はいない…見た者は死ぬからだ…この構えになす統べなく死ぬからだ!」

ホァァァァ…

平民「大臣のあの構え…まるで…まるでカブトムシみてェだ!」

大臣「そう…これこそ昆虫拳…火舞闘武神の構え!」

昆虫拳、火武闘武神の構え。

手を繋ぎ、前方へ突き出し
足を肩幅に開き尻を後方へ突き出す。
顔は正面を見据え
するどい眼孔で相手を睨む。

この構え
一対一の対決において無敵
見た者には死、あるのみ!

チリソース「な、なんだよ…そんな構えがなんだってんだよ!」

平民「よし、チリソースは動揺している。今がチャンスに違いない!」

大臣「言われなくても!」

ビキィィィン

大臣「火武闘武神の構え…最終決戦奥義!」

平民「いきなり奥義を出すのかよ…大臣め、本気だな!」

大臣「私はいつでも全力全開!」

ナノハァ…

ブゥゥン…
ブゥゥン…

平民「なんだ…なにか音が…」
ブゥゥンブゥゥンブゥゥン

平民「こ、これはカブトムシの大群!」

ブゥゥンブゥゥンブゥゥン
ガシッガシッガシッガシッ

チリソース「か、カブトムシが俺の手足を拘束しやがった…う、動けない…!」

大臣「だから言っている…」

ホァァァァ…

大臣「これが私の全力全開!」

ピカァァァ

大臣「すみやかに楽にするビートルアタァァァック!」

すみやかに
楽にする
ビートルアタック

平民「りゃ、略して…」

「「「SLB!!!」」」

ズキュゥゥゥン!

チリソース「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ズキュゥゥゥン!

平民「高威力の光線だ…一撃でチリソースを蒸発させちまった…」

大臣「いかんな…調子に乗って出力を上げ過ぎた…このままでは地球が吹き飛んでしまう…」

平民「なぁ~にぃ~…やっちまったな!」

大臣「今はそんな冗談をやっている場合ではない!光線の向きからいって、このままでは姫様のいる城が!」

平民「なんだと!?」

大臣「くそっ…このままでは城ごと姫様が吹き飛んでしまう!」

ピポパ

平民「ラインライン…姫にライン……」

大臣「こんな時でもラインか、貴様というやつは!今さら姫に避難しろとラインしたところで手遅れだ!」

平民「俺には…最後にこれくらいしか残せないからな…」

スマホ ポイッ

平民「武空術…」

フワッ

平民「じゃあな大臣サン、色々あったけど、俺…あんたの事嫌いじゃなかったぜ」

バヒュゥゥゥン

大臣「なっ…飛んでいった…おい平民、どこへ行く気だ!!」

コツン

大臣「ぬっ、足に何か…これは平民のスマホ…」

ヒョイ

大臣「っ!」

プルプル

『姫、ごめんな』

『愛してるぜ』

『さよなら』

大臣「このラインの内容は…まさかあいつ!」

~帝国軍の城の前~

フワフワ

平民「間に合ったか…まだ光線は来ていない」

グォォォォ…

平民「って言ってるそばからおいでなすったか…」

バシュゥゥゥ

平民「はぁぁぁぁっ!俺の命と引き替えに…気を高める!」

バシュゥゥゥ

平民「文字通り命賭け…見返りの無い、馬鹿な賭けさ!」

バシュゥゥゥ

平民「だらぁぁぁっ!止めてみせる、俺の後ろには城が…姫がいるんだ!」

バシュゥゥゥ
グォォォォ
バシュゥゥゥ
グォォォォ

平民「はぁぁぁぁっ!」

ガシィィィン
バチバチッ ビリッ

平民「ぐぬぁぁぁ…止める…止めるんだ…らぁぁぁぁい!」

ビリッ バババババリッ

平民「ららぁ…らぁぁぁい、らぁぁぁぁい!」

ピカァァァ…

平民「へっ…やっぱり俺ってヒーロー…」

ドガァァァァァァァァン!

~帝国軍の城内~

兵A「なんだ今の音は!」

兵B「振動もだ!」

兵C「爆発…敵襲か?」

ザワザワ ガヤガヤ

~帝国軍の城、王の間~

王「動揺するでない!」

姫「お父様、私怖いわ…何が起きてるのかしら…」

王「心配するでない姫よ…この城は…帝国は無敵なのじゃから」

姫「は、はい…」

姫「…あ、そうですわ」

スッ
スマホ

姫「つぶやかなくちゃ…Twitterで…爆発なう…あら、ラインが…?」

姫「…」

姫「平民から…このラインは…一体…」

ハッ

姫(急に胸騒ぎが…平民…貴方に何かが…?)

ドタドタドタ

王「あっ、姫よ、どうしたのじゃ!」

ガラッ

王「いきなり窓を開けるなど、危険じゃ、何が起きているか分かっておらぬのじゃぞ!」

姫「…空に…煙…が…」

姫はなぜだか
煙の漂う空間に
愛しさと、切なさと
心強さを感じていた。

姫「何故かしら…私は…」

ポロッ…

姫「なみ、だ…?」

何の
何に対しての涙なのか
姫自身にも分からなかった。

ただ、姫は
悲しくなった。
とてもとても、悲しくなったのだ。

・ ・ ・ ・ ・

大臣「…」

大臣「だから言ったであろう」

大臣「貴様のような命を粗末にする者は…くっ…貴様のような者は!」



大臣「貴様のような者が姫様に釣り合う訳がなかろう!」



【完】

~エピローグ~

『♪~』

『あっ、ママ、何作ってるの?』

『今日はね、エビチリよ』

『わーい、エビチリ!』

『昔ね、私の大切な人が好きだったのよ』

『大切な人?じいちゃんより?ばあちゃんより?パパより?』

『そうね…昔昔…大切だった…あの頃の私の…』

『ママ…泣いてるの?』

『…うぅん、タマネギが目に染みただけ』

『…』

『平民…』

『私は…』

『生きているわ』

『貴方が救ったこの世界で』

『ねぇ』

『また』

『会えるかしら…?』

『輪廻の輪の向こうで』

『いつか…』



【Fin】

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