光彦「ほんとうですか光彦君!」
光彦「はい!度重なる人体実験によって得られた膨大なデータを基に」
光彦「極限までその威力と精度を高めた自信作です!」
光彦「さすが光彦君ですね!」
光彦「えへへ~そんなことないですよ~」
光彦「じゃあ光彦君!これをもって出かけてきます!」タタッ
光彦「くれぐれも悪用しないでくださいよ~?」
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光彦「早く試してみたいです」ウズウズ
光彦「ん?向こうから手を振って走ってくるのは……」
光彦「お~い光彦く~ん!」
光彦「あれは光彦君じゃないですか!最高のタイミングですね!」
光彦「では早速スイッチを押しましょう」ポチッ
光彦「あ゙あ゙っ゙!?」チュドーン
光彦「お゙お゙ぅ゙!?」チュドーン
光彦邸光彦「ん゙べあ゙」チュドーン
光彦「……」
光彦「……」
光彦「……も~ひどいですよ光彦く~ん」
光彦「顔を合わせた瞬間爆破しないで下さいよ~」
光彦「つい出来心で……///」
光彦「ぼくたちに再生機能がなかったら殺人ですよ!」
光彦「しっかり道徳的・倫理的規範を守ってください!」
光彦「ぜ、善処します……」
光彦「それにしても、そのスイッチはまた光彦君の発明ですか?」
光彦「はい!さっき貰って来たんです!」
光彦「ぼくこれから光彦君や光彦君、それに光彦君たちと遊ぶんですけど」
光彦「そこに持って行って押してみましょうよ!」
光彦「さすが光彦君!名案ですね!」
光彦「そうと決まれば急ぎましょう!」タタッ
光彦「はいっ!」タタッ
光彦「も~遅いですよ光彦君、それに光彦君も!」
光彦「すいません!少し爆散してたので遅くなってしまいました!」
光彦「知ってますよ!ぼくらだって爆散した身ですからね」
光彦「あ、それもそうですね」
ハハハハハ
光彦「それがさっきの爆発のスイッチですか?」
光彦「えぇ!みんながいるところで爆発させてみようと思って!」
光彦「面白そうな案ですね!」
光彦「早速押してみましょうよ!」
光彦「はい!」ポチッ
光彦「い゙だい゙い゙だい゙い゙だあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙い゙!!!」チュドーン
光彦「ご゙め゙ん゙な゙ざあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙い゙い゙」チュドーン
光彦「ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙あ゙あ゙あ゙あ゙」チュドーン
光彦「ぱ゙べぁ゙あ゙あ゙あ゙」チュドーン
光彦「ら゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」チュドーン
光彦「……すごいですね」
光彦「はい!威力、範囲、外観、正確性、全て一級品です!」
光彦「さすが光彦君ですね!こんなものをつくってしまうなんて!」
光彦「……もう一回、押してみませんか……?」ゴクッ
「そこまでだ!光彦!!」
光彦s「!?」
光彦「あれは……」
光彦「まさか……そんなはずはありません!」
光彦「この世界は僕たちだけのもののはず……!」
光彦「でも、あそこにいるのは確かに!」
コナン「よう光彦!久しぶりだな」
光彦「コ、コナン君!!なぜこんなところに?」
コナン「バーロー!俺だけじゃないぜ!」
元太「俺もいるぜ!」
歩美「私もいるよ!」
服部「ついでに俺もや!」
光彦「み、みなさん!なんで……」
光彦「この世界は博士の『全人類を光彦君にするスイッチ』によって」
光彦「光彦だけの世界になったはずです!」
光彦「それなのに!」
コナン「バーロー!そう簡単にくたばってたまるかよ!」
コナン「あのスイッチが押され、世界が混沌と渦巻いたとき」
コナン「俺や元太や歩美、服部や蘭や小五郎のおっちゃんは咄嗟に」
コナン「阿笠邸の『スイッチによる干渉を受けない地下室』に逃げ込んだんだ!」
コナン「俺たちはそこで生き永らえ、機会をひたすら待った……!」
コナン「この世界を!光彦、お前たちを倒すその日をな!」
光彦「あのスイッチを押したのはコナン君じゃないですか!」
コナン「バァァァァァロォォォォォォ!!!!!!光彦ォォォォォ!!!!!!!!」
コナン「どの口がそんなこと言いやがるんだ!!この悪鬼羅刹がぁぁぁぁぁ!!」
コナン「大切なのは過程じゃねえ!!たったひとつの真実だ!!」
コナン「俺らがどんな思いをして地下室ライフを満喫してたのか、オメーにわかんのか!?」
光彦「……なら言わせてもらいますけどね」
光彦「光彦しかいなくなったこの世界で、賑やかな孤独のこの世界で!」
光彦「ぼくたちができることと言えば、お互いのお尻を犯すことや!」
光彦「自分たちの不死性を弄ぶことだけでした!」
光彦「その苦しみが、コナン君たちにわかるんですか!?」
コナン「バーロー!犯罪を犯すやつの気持ちなんて知ったこっちゃねーんだよ!」
コナン「俺たちは俺たちの未来のためにお前を倒す!それだけだ光彦ォ!」
コナン「既に蘭やおっちゃんは世界中の光彦を駆逐し始めてる!」
光彦「上等ですよ、コナン君……」スッ
光彦「勝負しましょう、コナン君。どちらが未来を歩むものにふさわしいのか!」ポチッ
コナン(なんだあのスイッチは!?)
歩美「見てコナン君!上よ!」
コナン「!?」
服部「なんやあれは……空を埋め尽くす……ソバカスの坊主……」
コナン「その大群があのスイッチをもった光彦に向かっていく……」
元太「うな……うな……」ガクガク
光彦「さぁ、世界中の光彦君!一つになりましょう!」
コナン「どんどん吸収されて合体していく……」
歩美「まるで市町村の合併政策みたい……」
服部「なんちゅうおぞましさや……すっぴんの和葉とええ勝負やでほんま……」
元太「うなぁ……」プルプル
光彦「フゥ……こんなものですかね」
コナン「テメェ光彦!何しやがったんだ!」
光彦「これは光彦君が作った『世界中の光彦を吸収して取り込むスイッチ』です」
光彦「数十億の光彦のスペックを有したこの僕は、最強の生命体……」
光彦「まさに神というやつですかねぇ……」ニヤリ
コナン「バーロー……バーロォ……」ガクガク
角「コナン君!」
小五郎「コナーン!」
コナン「蘭姉ちゃん!おっちゃん!」
角「急に戦ってた光彦たちがある方向に飛んでいくから追いかけてきたんだけど」
角「何あれ……園子?」
コナン「違うよ蘭姉ちゃん。あれは世界中の光彦が合体した生物……」
コナン「究極光彦だよ」
角「そんな……どうすればいいの?」
光彦「ふふふ。無駄ですよ」
光彦「今の僕はまさに完全無欠。弱点なんてありません!」
コナン(くそぉ……どうすれば……!?)
服部「あかん!工藤どないするんや!」
コナン「バーロー!今考えてるんだ!」
歩美「コナン君……」
コナン(こんなところで……終わりなのかよ!?)
角「見て……ソバカスが蠢いてる……寝起きの園子みたい……」
小五郎「あぁ……目暮警部の帽子の中身みたいだ……」
コナン(待てよ……!?そうか、これならいけるかもしれねぇ!)キュピーン
コナン「蘭姉ちゃん!たしか『小嶋元太をビタミンCの塊にするスイッチ』持ってたよね!?」
角「え?あぁ、うん!持ってるよ!」
コナン「それを押して!早く!」
光彦「今更何をしようと無駄です!」バッ
歩美「きゃあああああ汚物がこっちに来るよ!」
コナン「蘭姉ちゃん!」
角「う、うん!」ポチッ
元太「ウナッ……?」キュィィィン
ビタミンC「」
コナン「よし、あとはこのキック力増強シューズで」シュィィィィン
コナン「いっけえええええええ元太ああああああ!!!!」
ビタミンC「」ドゴォ
光彦「なんだあれは……元太君?」
光彦「そんなもの効きませんよ!!」バッ
コナン「どうかな……!?」ニヤリ
光彦「!?」
光彦「身体が……溶けるうううううううう!!!!」シュゥゥゥ
角「どういうことコナン君!」
コナン「簡単なことだよ」
コナン「光彦はもともとソバカスに生命が宿ったもの」
コナン「つまり光彦はソバカスそのものなんだ」
コナン「そこにソバカスに効果的と言われるビタミンCをぶち込めば、光彦は存在を保てなくなるんだ」
角「なるほど!」
光彦「コナアアアアンンンンン!!!!」シュワァァァァァァァ
服部「ええ格好やな、あのガキ」
歩美「園子お姉ちゃんの寝顔みたーい!」
小五郎「これで……俺たちの世界は救われたんだな……」
角「……」グスッ
光彦「まだ……まだですよ!」スッ
コナン「!?なんだあれは!?」
光彦「これは『光彦君を爆散させるスイッチ』です!」
光彦「多数の光彦の集合体であるこの僕がこれを押せば、どうなるかコナン君ならわかりますよね?」
コナン「バーロー!そんなことさせるかよ!」
光彦「皆さん、しばしの別れです」
光彦「あっちの世界で会いましょう!!」ポチッ
コナン「やめろおおおおおおおおおお!!!!」
光彦「!?」
コナン「!?」
服部「何も……起きてへんぞ」
歩美「どういうこと?」
コナン「何が起こったんだ……?」
光彦「そ、そんな馬鹿な!」ポチッ
光彦「故障ですか!こんなときに!」ポチッ
光彦「い、嫌です!こんな……こんな終わり方なんて!」ポチポチッ
光彦「うわああああああああああああああああああああ」
「ほっほっほ」
全員「!?」
コナン「あれは!」
歩美「阿笠博士!」
阿笠「ワシじゃよ」
小五郎「阿笠博士!行方不明のはずじゃ……」
阿笠「いや、黒の組織の社員旅行で熱海に行っておったんじゃよ」
小五郎「そうだったんですか」
阿笠「それにもちろん……ほれ」
歩美「哀ちゃん!」
コナン「バーロー灰原!死んだんじゃなかったのかよ!」
灰原「バカね……私が死ぬはずないでしょ?」
歩美「哀ちゃ~~ん!!!」グスッ
灰原「吉田さん……大変だったわね」
歩美「ううん……でも、また哀ちゃんに会えただけで、私……!」ガバッ
服部「なんや、えらいええ光景やんけ……」ウルッ
光彦「馬鹿な……何故……」
阿笠「簡単な事じゃよ」
阿笠「世界の創造主たるこのワシにかかれば」
阿笠「光彦君如きのスイッチの効果を消すことなど造作もないわい」
光彦「ふざけるな……!あああああああああ!!!!!!」
コナン「博士!!危ない!!」
阿笠「ほっほ」
阿笠「偽りの神に本物の死を見せてやろうかのう」パチン
光彦「!?」
阿笠「さよならじゃよ、光彦君」
光彦「うわっ……うわああああああああああああああ!!!!!!」
こうして世界光彦事件は幕を閉じた。
壊れちまった世界は『世界を修復するスイッチ』と『因果律を調整するスイッチ』で元通りになった。
ただ、ビタミンCの塊になっちまった元太はどうにもならねーみたいだ。
少年探偵団は俺と灰原と歩美の三人だけになっちまったが、両手の花を楽しんでる。
歩美「何してるのコナンくーん!」
灰原「早く来ないと置いていくわよ」
コナン「ワリーワリー。今行くぜ」
街を見下ろすその丘には桜の花が咲いていて、元太の墓はそのすぐ近くにあった。
コナン(会いに来たぜ、元太!)
俺たちは守らなくてはならない。この美しい世界を。元太がいた、この素晴らしい世界を。
歩美「その……コナン君、この後予定ある?」モジモジ
コナン「いや、ないぜ?」
歩美「じゃあ、いつもみたいに……哀ちゃんと三人で……ホテル、行こ?」
コナン「まったく、甘えん坊だな歩美は!」
灰原「ふふっ。ほんとに元気なんだから」クスッ
この幸福な3Pのある世界を。ずっと、いつまでも―――。
服部「アカン!!!おっちゃん堪忍してや!!!」
小五郎「そんなこと言ったって……阿笠博士!止めてください!」パンパン
阿笠「ホッホッホ!!数珠つなぎは気持ちがいいのう!!」
角(いいな、男同士って……///)ポッ
Happy End
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