健彦「デパートに潜む妖怪」(132)

健彦「最近デパートで妖怪フォーク爆買い男が出るんだって」

田中「なにそれホラーだな」

真尋「」

ハス太「」

健彦「どうしたんだい?」

真尋「ははは、単なるジャーキングだから気にするな、ははは」

健彦「ジャーキングって眠りそうになってビクッてなる現象だよね」

田中「寝てなかったしビクッてもないだろ」

真尋「夢遊病みたいなアレだから、あれあれ」

健彦「ふーん、よくわからないけど」

ハス太「……」

田中「なんつー噂だ、そんなオカルトありえねぇだろ」

健彦「噂では俺達と同じ高校の人って話だ」

真尋「」

健彦「またどうしたんだい?」

真尋「ははは、だからジャーキングだって、ははは」

健彦「寝不足かい?」

ハス太「ニャル子ちゃんと毎日イチャイチャしてるもんね」

真尋「……そうそう、それだよ」

田中「リア充自慢かよ、くたばれ」

健彦「仲良くするのはいいけど、身体には気をつけなよ」

真尋「ああ」

田中「フォークって消費するもんじゃねえだろ、なんで爆買いすんだ」

健彦「それがわからないから噂になっているんだ」

田中「あれ……そういえば他校の兄弟達から聞いた事があるような……」

真尋「……」

ハス太「そんなに噂広まってるんだ……」

健彦「こんどデパートにいって誰が正体なのか皆で調べようと思ってるんだ」

健彦「ハス太くんと八坂くんも来るかい?」

ハス太「遠慮しておくよ、はは……」

真尋「……僕も」

田中「なんだよノリ悪いな」

真尋「……」

田中「そういえば昨日『ハス太 咥えゴム』でググッたらさぁ――」

ハス太「うわぁ――」

真尋「……」

八坂家

真尋「……」ズーン

ニャル子「真尋さん、あからさまに頭かかえてどうなされたんですか?」

クー子「……前にメイド喫茶で働いた時にいろいろあった事まだ気にしてるの?」

真尋「それはもう風化した」

ニャル子「私に相談してくださいよ、もちつもたれつじゃないですか」

ニャル子「それはそれとしてまたメイド服来てください」

真尋「……」

クー子「……大丈夫、どんな悩みでも聞いてあげる、助けになれる保障はないけど」

ニャル子「言っちゃった方が楽になりますよ」

真尋「デパートでフォークをまとめ買いしている事が級友達にバレそう」

クー子「……」

ニャル子「あー、なるほど……」

真尋「おい、何故目をそらす」

ニャル子「……言いにくいんですがそりゃあねぇ」

クー子「……いつかこうなると思ってた」

真尋「どういう意味だコラ」

ニャル子「冷静に考えてくださいよ、外食を除いて一生に使い続けるフォークは1、2本くらいです」

ニャル子「それをカゴいっぱいに爆買いするなんて中国人だってしませんよ」

ニャル子「真尋さんはフォークを爆買いするという異常性を理解しておりますか?」

真尋「邪神ハンターやそれ関連の武器として扱うから人よりフォークを消費する」

真尋「消費する以上買わなければならないが、生活必需品を買占めるのは倫理的に反する事はわかってる」

ニャル子「ちがう、そうじゃありません」

クー子「……学校掲示板でもその話題で持ちきり」

真尋「そんなおおごとになってるのか」

ニャル子「どんな風に話題になってるんですか?」

クー子「……『妖怪フォーク爆買い男 女の子説』『妖怪フォーク爆買い男 野獣先輩説』『妖怪フォーク爆買い男 時間の干渉を無効にする説』――」

クー子「等々の思考スレが多くその数なんと49の説があげられてる」

真尋「なにそれ怖い」

真尋(そして『時間の干渉を無効にする説』書いた奴誰だ)

ニャル子「大丈夫なんですか? 真尋さんである事がバレた日にはすごい事になりますよ」

真尋「おそろしいわ、フォークをまとめ買いしただけでどうしてこうなった」

ニャル子「フォークをまとめ買いしたからでしょう」

真尋「そこまで目立つような事してたか?」

ニャル子「ほら、以前まとめ買いした時すっげーいい笑顔でカゴに入れてたじゃないですか」

クー子「……挿絵になるほど少年がもっとも輝く笑顔をしていた」

真尋「……そうだよな、よく考えればおかしいよな」

ニャル子「やっと気付かれましたか」

真尋「買い物して1人でニタニタ笑ってるとか、キチガイもいいとこだよな」

ニャル子「論点そこじゃありません」

真尋「否、どうして噂になったか問題じゃない」

真尋「本題はどうやってバレずにフォークをまとめ買いするかだ」

ニャル子「セール以外じゃ駄目なんですか?」

真尋「母さんの分も買う必要があるしサイフが寒くなる」

クー子「……世知辛い世の中」

真尋「……そういえばお前の武器はバールのようなものだよな」

ニャル子「270本以上持ち歩いてますよ」

真尋「そんなに持ち歩いてるのか」

ニャル子「原作1巻からある設定です」

真尋「あれってヤマンソ・ドットコムから仕入れたりするのか?」

ニャル子「ええ」

真尋「フォークも仕入れられないか?」

ニャル子「不可能ではありませんがデパートのセールのように安くはなりませんよ」

真尋「それなら普通に買ったほうがマシか……」

ニャル子「ではデパートに行く際、野次馬どもを我々がぶっ飛ばせば!」

真尋「お前達がいる時点で僕である事がバレるだろ」

ニャル子「だがしかし! 結界であれやこれしておけば証拠も残りません!」

真尋「その野次馬の中には級友達も来るんだ、田中はともかく余市もいるんだ」

ニャル子「田中さんにだけやたら厳しいですよね」

真尋「田中に辞書ぶんなげた奴が何言ってんだ」

クー子「……だったら余市と交渉して何とか止める事できない?」

真尋「え?」

クー子「……学級委員だし、クラスの中心みたいなものだからきっと話次第で制止してくれるはず」

真尋「なるほど」

プルルルルップルルルルッ

真尋「余市、今時間あるか?」

健彦『どうしたんだい?』

真尋「妖怪フォーク爆買い男の話だけど、あれ皆で見に行くつもりか?」

健彦『うん、学校全体に広がって来る人が多くなりそうだから』

健彦『デパート側に迷惑かけないため、1クラスにつき2人までになったんだ』

真尋(学校全体巻き込んでやがる……)

健彦『それと田中くんの話だと他所の学生も来るらしいよ、人多くなりそうだけど大丈夫かな?』

真尋(話がえらい規模に……)

真尋「でもその妖怪セール中に出るんだろ? ただでさえ混むのに危ないだろ?」

健彦『え? セール中に出るのは知らなかったよ』

真尋(墓穴掘った……)

真尋「それに今は情報社会、ツイッターとかですぐ情報が拡散する」

真尋「悪い事していないにもかかわらず、それが知れ渡るのは気分が悪いだろ、ただでさえ噂が広まってるんだ」

健彦『確かにね、八坂くんの言う通りだよ』

健彦『でもフォークを爆買いするという信者の如き暴挙、あまりにも不自然、気が狂れている人としか思えない』

真尋「お……おおげさだろ」

健彦『ヘタすればその人が自殺しでかす、否、それだけならまだいい』

真尋「まだいいっておい」

健彦『発狂して連続殺人者にもなりかねない、アメコミのジョーカー並の狂気すら想像するに容易く身震いが起きるよ』

真尋(フォーク爆買いしただけでどうしてボロクソ言われてるんだろう)

健彦『そしてその者が俺達と同じ高校に通うという事実、ヘタすれば級友の可能性だってあるんだ』

健彦『これほど恐ろしい事実はない』

真尋(あっバレたら絶交だ、これ)

健彦『でも俺は学級委員、クラスをまとめなければならない』

健彦『そうなればこの噂の真実を調べなければならない、クラスから犠牲者を出さないため』

健彦『そして噂の者の崩壊を食い止めるため』

真尋「余市……」

健彦『学級委員としての、否、人という字の如くお互いに支えあう人間であるために』

健彦『俺は真実を知りたい』

健彦『そのためにその人物を、クラス全員から救ってみせる、それが学級委員長だ!』

真尋「そうか、健闘を祈る」

健彦『そのためにあまり目立たせて被害を増やさないため、田中くんと協力して来る人を出来る限り減らすよ!』

健彦『そして真実を知るため僕はデパートに向かう』

真尋「生きて帰ってこいよ」

健彦『当たり前だ』


真尋「何がどうなってることやら」

クー子「……どうだった?」

真尋「どうしてこうなった」

ニャル子「大惨事になったんですね、わかります」

真尋「学級委員という立場をこれほど重く考えてたのか、というかああいうキャラだったのか」

真尋「バレたら絶対絶交だ」

真尋「残りフォークはたった数十本、これだけで何が出来るっていうんだ」

クー子「……食事以外でフォークを何かに使う事がすでに異常じゃないの?」

真尋「お前達の存在の方が異常だから問題ない」

クー子「……くすん」

ニャル子「いやいや、それ自身の投擲術の技術異常である事認めてますよね」

真尋「そうだ、ご都合主義の結界があったな、アレを貸してくれ」

ニャル子「良いですけどどのように使うおつもりで?」

真尋「結界がある間お前達を除いて誰からも認識されないだろ」

ニャル子「ええ」

真尋「その間に買えば――」

クー子「……店員からも認識されないよ?」

真尋「……あ」

真尋「なぁ、ニャル子」

ニャル子「どうしました、悟ったような遠い目をされて」

真尋「以前言ったよな、バレなきゃ犯罪じゃないって」

ニャル子「ええ」

真尋「という訳だ」

ニャル子「いやいや駄目ですよ駄目」

真尋「なんでだよ! お前が言ったんだろ!」

クー子「……犯罪は駄目」

真尋「論破された」

ニャル子「おちついてください」

真尋「ご都合主義の結界なんだから店員だけ認識可能にできないのか?」

ニャル子「出来ない事もないですが、まず店員が誰であるか調べ上げてから登録する必要があります」

クー子「……設定いじりが面倒、そんな都合良くいかない」

真尋「ご都合主義の結界なのにか?」

ニャル子「最近ハスターくんとクー子の結界の調子が悪くて」

クー子「……たまにバグって絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)に飛ばされたり繋がったりする」

真尋「絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)? 何その後々複線になりそうな単語」

ニャル子「どのような物でしたっけ? 確か地球上で使われている技術だったかなんだか」

クー子「……わたし達もよく覚えてない、でも一度飛ばされると戻ってくるのが大変、死にはしないけど」

ニャル子「ちなみに今、おそらくですがシャンタッ君とハスターくんが飛ばされている最中です」

真尋「急にいなくなったと思ったらそれでか」

ニャル子「ところでデパートのセールはいつ頃ですか?」

真尋「もう時期のはず、遅ければその分対策をたてられるんだが」

クー子「……デパートのセールのチラシが今朝あったよ」

真尋「明日からだ……」

ニャル子「まぁセールが一日だけという事はないでしょうし」

クー子「……結界で様子を見てタイミングを決めよう」

真尋「最初の一日目でなければ駄目だ」

ニャル子「何故ですか」

真尋「フォークが売り切れるだろ」

ニャル子「売り切れませんよ」

次の日
学校

真尋「今日は余市が何か話すらしいけど何が始まるんだ?」

ニャル子「第三次世界です」

真尋「そこまではないだろうけど、嫌な事がおきそうだな」

ニャル子「こういう場面原作だと丸々カットされるはずですが何する気でしょうか」

クー子「……妖怪フォーク爆買い男の話だったりして」

真尋「縁起でもねえ話はやめろ」

ニャル子「真尋さんが『縁起でもねえ』と言うんですか」

真尋「お、始まるぞ」


先生「これより学級委員の余市健彦君から大切な話がある、よく聞きなさい」

健彦「皆さん妖怪フォーク爆買い男の噂をご存知だろうか」


真尋「」

健彦「他のクラスでも話が出る予定だけど、デパートでフォークを爆買いする人物が現れる噂」

健彦「しかもよりによってその人物がこの市立昂陵高等学校の生徒ではないかと疑われています」

健彦「今日からそのデパートでセールが始まる、爆買いをするならおそらその期間」

健彦「皆も興味があるだろう」

健彦「だがあまり騒ぐべきでない噂だ」

健彦「フォークという身近なものに対して畏怖すら覚えるが、誰が何を買おうと法にさえ触れなければその人の自由だ」

健彦「それに今は情報社会、ツイッター等ですぐに情報が錯乱する」

健彦「その中には無許可で取られた写真等も含まれる」

健彦「これ等は好ましくない事でありフォークの爆買いという俺達常人にしてみれば狂気じみた行為をする人物である事を考えると最悪の場合……」

健彦「死人が出る」


真尋「」

ニャル子「大丈夫ですか?」

健彦「皆、よく考えてくれ」

健彦「一般的にフォークは食事の時にしか使わない」

健彦「凶器にも使えない事はないがそれなら包丁などさらに優れた物がいくつも存在する」

健彦「にもかかわらずフォークを爆買いする目的」

健彦「僕達常人には計り知れない」

健彦「これは噂である、単なる根も葉もない噂であると考える人も多いだろう」

健彦「だがこの数ヶ月間のフォーク消費量のグラフを見てくれ、こいつをどう思う?」

健彦「俺達が住む市内だけ、頭とかそういうレベルでないほど跳びぬいている」

健彦「これは都道府県別で見たフォークの消費量だ」

健彦「他の都道府県を合計しても俺達の所が一番多い、というか倍以上ある」

健彦「これをフリップで説明している俺自身がもはやギャグだよ、ネゴシックスか俺は」

健彦「信じがたい事だが、これらの事実が噂の信憑性を高めている」


真尋「(´;ω;`)」ブワッ

ニャル子「真尋さん、今泣いたらやばいですからおちついてください」写メパシャパシャ

健彦「そして皆も気付いているだろう」

健彦「この噂が立って以来、あのデパートのフォークの品揃えがあきらかに豊富になってきた」

健彦「ヒメフォーク、ケーキフォーク、フルーツフォーク、これらは俺達が一般的に目にしている種類だが……」

健彦「対地上邪神フォーク、対水中邪神フォーク、対空中邪神フォーク――」

健彦「一般的には聞きなれない、インターネットや図書館で調査しても詳細不明、デパート側に問い合わしても教えてもらえなかったフォークまでおいてある」

健彦「この由々しき事態、おそらく皆さん興味があるだろう」

健彦「だが野次馬になってしまうとデパート側にも迷惑がかかる」

健彦「フォークを爆買いするという不自然、正気ではない、これほど危険な事がかつてあっただろうか」

健彦「とはいえ大型デパートに用事がある方がいるだろう」

健彦「そこでこの学校で代表としてセールの間、俺が様子を見てくる」

健彦「この事は今日全クラスに伝わる予定だ、以上」


真尋「モウヤダ、ボクッテホントバカ……」魂スゥ-

ニャル子「魂がぬけてるじゃないですか! ヤベー! 死神っぽいのきてんじゃねーですよ! しかも『ばんかい』とかオサレな事言い始めましたよあの死神、真尋さん戻ってきてください真尋さーーん!」

昼休み

真尋「うぐっ……どうしよう……本当に……」シクシク

ニャル子「大丈夫ですよ、私がいますから何とかなりますって」ナデナデ

真尋「何でフォークまとめ買いしただけで……ひぐっ……死人が出る話になるんだ……あいつら……」メソメソ

クー子「……クラスの皆その噂に畏怖してた」

真尋「フォークまとめ買いなんてよくある事だろ、お母さんだってよく買ってたのに……」

ニャル子「それは真尋さんのご家庭だけだと思いますが」ナデナデ

真尋「うう……」

クー子「……それでもう対策は考えてあるの?」

真尋「一応……」

クー子「……それはそれとしてさっき躓いて足が痛い」

ニャル子「それがどうしたってんですか」

クー子「……わたしも少年みたいにナデナデして慰めて」

ニャル子「とうっ」グーパンチ

クー子「……いてっ」

デパート

真尋「結界張ってるか?」

ニャル子「はい、ついでにウィザードリィステルスも使ってます」

真尋「あれ結局結界との違いは何なんだ」

ニャル子「それよりなんですかその格好」

クー子「……サングラスに似合わない付け髭、深く帽子を被りトレンチコートで厚着のあからさまな変装」

ニャル子「変装なら女装にすれば良いのにぃ」

クー子「……前のメイド喫茶で証明されてる、少年のメイド姿、イケる!」

真尋「余市達にもバレてたしこれ以上社会的に殺す気か」

ニャル子「それはそれとして余市さん達はまだ来ていらっしゃらないようですね」

真尋「それなら都合がいい、手筈通りに頼む」

健彦(体良く代表として来てみたけどやはり怖い)

健彦(普段何気なく寄るデパートがさながらテロ組織に占領されたかのような恐怖)

健彦(俺はそんな経験した事がない)

健彦(だが例えられないほどの重い空気)

健彦(自分の心臓の音が鮮明に聞こえる、死が近づいているかのように)

健彦(人は危機に直面した時、すべてがスローに見える、それと同じだ)

健彦(すべての五感がフルに機能、生存を欲する生物の本能が、俺を進化させている)

健彦(フォークの爆買い、俺は今その狂気を目の当たりにするため)

健彦(その時へ近づく)

健彦(……ん?)

田中「おいおい、俺を忘れるとは水臭いな」

健彦「田中くん!」

健彦「聞いてなかったのかい? 俺が代表として――」

田中「安心しろ、手は出さないし写真等も使わない、ただの立会人だ、気にするな」

田中「級友が窮地に瀕している、こんなのを黙ってみられるか」

健彦「……」

斉藤「何辛気臭い空気にしてんのよ、男って本当馬鹿」

健彦「斉藤さん!」

田中の弟「兄貴の様子がおかしいと思ったらそういう事か」

田中の妹「私の男兄弟、馬鹿しかいないわね、せっかくだからついていくわ、それに『やってみなければわからないッ!』からね」

田中「弟! 妹!」

ニャル子が転校二日目の時に声をかけた女子生徒「まったく見てらんない、私もついていくわ」

健彦「ニャル子さんが転校二日目の時に声をかけた女子生徒さん!」

結太「フッ」

健彦「誰だ君!」

結太「壁にもたれてカッコつけてた人が多かったもんでつい真似しちゃって……えーと……すみません」

ニャル子「真尋さん、用意は出来ました?」

真尋「ああ」

真尋(この作戦を実行するためにもっとも困難と考えていた事)

真尋(防犯カメラ、購入の際のレジだけならまだしも映像として残ってしまった場合、身元がバレる)

真尋(それを防止するためニャル子からもらった機械の機能を一時的に停止させるご都合主義の液体がついたフォークを防犯カメラに刺して機能を停止)

真尋(一時的に停止するだけで時間が経てば通常通り使用可能、使用したフォークは結界を張ったニャル子達に回収させ証拠も残らない)

真尋(人体に害がある危険性があるため、このフォークは再利用できず、残りフォークも少ない)

真尋(このフォークでこの階にいる客をすべて気絶させその間にフォークを買い占める、レジの店員に認識できるよう買う時は結界を解除するがそうなっても店員以外それを誰にも見られない)

真尋(ニャル子達には使用したフォークを回収させ、すぐさま立ち去る完璧な計画)

ニャル子「結局野次馬ぶっとばす気マンマンじゃないですか」

真尋「物騒な事言うな、フォークで少し気絶させるだけだ」

クー子「……少年がやろうとしている事もかなり物騒だし、普通の人はフォークで人を気絶させられないよ」

真尋「いいから早くやるぞ」

ニャル子「おや、余市さん達が来たようですよ」

真尋「……なんで余市以外にも数名いるんだよ、代表で1人来るんじゃないのか」

健彦「ここが問題の階だ」

田中「いつもと変わらないはず……」

斉藤「だけど空気が違う」

田中の妹「……空気が嘆いている」

田中の弟「今から死者でも出るのかってくらい痺れてる」

ニャル子が転校二日目の時に声をかけた女子生徒「……私達も……ただ立会人ってだけじゃすまなそうね」

結太(その場の空気に流されてついてきてしまった)

健彦(この空気、絶対に何かが来る)

健彦(それなのに……何か気分が高揚した)

健彦(力が沸く感覚)

健彦(これはいったい……)

レグジオネータ「おや、若はいずこに」

カグヤ「あれ?」

サクヤ「探してきます」

ガグヤ「わらわもだ! レグジオネータはそこで待っておれ」

レグジオネータ「かしこまりました」

八坂頼子から受け継いだ邪神ハンターの才能

ニャル子が記憶喪失の時に戦ったニャル滝との一戦

ハス太、クー子が本気で戦ってもまともな傷を与えられなかったニャル滝の部位を真尋はフォーク一本で粉砕してみせた。

その後も邪神の事件に巻き込まれ、護身用、サポート用に使われたフォークの投擲術は磨かれていった

もはや自分の腕に疑いもない

一般人の動体視力では追えないどころか何もしていないようにすら見える速さでフォークを取り出す、片手に4本ずつ

それを客人に目掛け放つ

1人1本、0フレームで放たれたフォークは命中、それにより神経組織に刺激を与えて一時的に意識を奪う

再びフォークを取り出し放つ、客人が倒れ騒ぎになる前にレジの店員を除く全員の意識を奪う寸法である

この信じがたいほどの投擲術、彼の技術は前々から人間の範疇を越えていた。

その後、動いたのはニャル子とクー子

本気モードで変身して手筈どおり結界により誰にも気付かれず刺されたままのフォークを素早く回収して証拠を隠滅

八坂真尋の戦術は予定通り順調に進んでいった

次のターゲットは余市健彦率いる級友軍団、何人か他校の者もいるがどうでもよかった

当初、計画を思考した際、級友に危害を与える事に抵抗があったが集中によりゾーンに入ってしまった八坂真尋にとって、情は忘却の彼方

他の客を刺したように同じ行動をするだけだった

田中「なぁ、あそこに妙に厚着をした見るからにあやしい奴がいねぇ?」

健彦「本当だ」

斉藤「あの人?」

田中の弟「このまま隠れて見ればわかるかもね」

結太(ノリで来てしまったけど、噂のフォーク爆買い男の話らしいし、気になるからな――)バタッ

ニャル子が転校二日目の時に声をかけた女子生徒「あれ? あいつこっちに向かって――」バタッ

健彦「ニャル子さんが転校二日目の時に声をかけた女子生徒さん!?」

田中の弟妹「」バタッ

田中「弟! 妹――」バタッ

斉藤「」バタッ

健彦「皆?……」

ニャル子(今です!)

ニャル子は級友達に使用されたフォークを回収するため手を伸ばした瞬間

健彦「君は……だれだい?」

ニャル子(え!?)

健彦に手首を掴まれた

真尋「え……」

八坂真尋は目を疑う

フォークは確実に全員に命中していた

余市健彦も例外ではない

しかし余市健彦は立っている、それどころかフォークほどの速さではないにしろクロックアップで動いているニャル子の手首を掴んだ

仲間が倒れた事に驚きを隠せず自身に命中したフォークを手にして目を丸くしていたがすぐさま八坂真尋を睨み付けた

――勘付かれた

八坂真尋はすぐさまもう一本のフォークを余市健彦に向けて放つ

命中、だが依然として立っている

何を間違ったか、何故ミスをしたか、それよりも己の正体がバレる恐怖と混乱

日に二度もミス、ゾーンに入っていた集中力は失われ、フォークの投擲術というあまりにも特異な技術

比べる相手も居らず過剰とも取れるほど自負していたための想定外に混乱と恐怖が八坂真尋を飲み込む

健彦「君かい、妖怪フォーク爆買い男」

背筋が凍った

八坂真尋が放ったフォーク、人が気絶する力加減に調節している

邪神相手に対する特攻が付かなくとも倒すだけなら容易い

だが死なないように蟻を踏むのは難しいように、気絶しなかった物に対して再び気絶させられる力加減はあまりに難しく――

健彦「答える気がないようだね」ポイッ

ニャル子「はぎゃ!?」

健彦はニャル子を軽々と持ち上げ壁に投げつけた

真尋「……」

健彦「なら問答無用」チボァ

余市健彦は右手を自らの胸に突きつけ、そのまま中へ入れた

歯を食いしばり苦痛に満ちた表情で取り出したもの

突然エネルギー玉を投げつけ地球が滅亡する超展開のヤクザ映画を彷彿とさせるような赤い光を発する玉だった

真尋(どういう事だ、イースの偉大なる種族に魂が乗り移った時の後遺症か?)

ニャル子「いててっ」

真尋(大丈夫か!?)原作11巻で暮井珠緒の料理(殺人兵器)の処理の時に発揮したテレパシー並の意思疎通

ニャル子(余市さんってこれほどのに力ありましたっけ? これほどの邪神圧、本家の邪神でも出せませんよ、こうなったら私が余市さんを気絶――)

真尋(馬鹿! お前が地球人に手を出したら上の方からいろいろ面倒な事になるだろ! 最悪僕達会えなくなるぞ!)

ニャル子(真尋さん……)

真尋(フォークがもっとあれば融通も利くんだが……)

ニャル子(ここは店内です! フォークなら売り物があるじゃないですか!)

真尋(売り物勝手に使う訳ないだろ、道徳に反する!)

ニャル子(え、めっちゃ道徳に反する計画を実行中の人が何真面目ぶった事言ってるんですか)

健彦「ゼェゼェ」

真尋(相当な体力を使ったのか息切れを起こしている)

ニャル子(真尋さん、ヤバい事が発覚しました)

真尋(どうした、以前クー子が使ってたスカウターもどき使って)

ニャル子(それがですね……今の余市さんの戦闘力、セガール超えてます)

真尋(マジか、原作で散々会話のネタで出てきたのにアニメじゃそのシーン丸々カットされたセガールさん超えたのか)

ニャル子(はい、ちなみにあのエネルギー玉、月の黒科学(ブラックアート)含む文明が滅亡し、さらにその影響で地球上にある大型の黒科学(ブラックアート)が機能停止するほどの威力ですね、ヤベェ)

真尋(絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)に続いてまた訳のわからない用語出されても反応に困るし月に文明あるのか)

真尋(その前にここで爆発するとどうなるんだ?)

ニャル子(滅びます)

真尋(早急に手を打とう)

健彦「この玉は漏れ出した俺の力を具現化した物、これで級友達の仇を取る!」

真尋(あのエネルギー玉、フォークで刺せば機動がずらせる事が出来……否、ヘタすればそのまま爆発もありうる、なんとかならないのか!)

ニャル子(エネルギー玉を出された以上余市さん本人を狙っても爆発するだけでしょうし、そもそも前例がなくどう対処すれば――)

健彦「いけえええええ!!」エネルギー玉ブンッ

真尋「ヤバイ!」

(はねかえせですョ真尋さんっ! 悪の気がない者ならはねかえせるはずですョ)

真尋「! くっ!!!!!」バッ

真尋(よくわからないけど、跳ね返せた!――って跳ね返したエネルギー弾がニャル子の所に!?)

ニャル子(うわっヤベェーー!!)バールのようなものシャキーン

真尋(ちょっ、悪の気がない者ははねかえせるらしいけどお前這い寄る混沌だし、とにかく避けた方が――)

ニャル子「ジャストミート!」カッキーン

真尋(ナイスフルスイングでエネルギー玉はデパートの天井に穴を開けてどこかへ消え去った)

ニャル子(月まで届くほどのナイスホームランです)

真尋(マジなのかジョークなのか……)

真尋(……よくわからないけど、ひとまず危機は回避されたのか?)

真尋(その前にさっきの声……)

イス香(ワタシですョ、イス香ですョ)

真尋(お前が通信してきたって事はそっちで起きた事が原因で余市があんな事に)

イス香(はいなのですョ……)

真尋(今度は何が起こったんだ)

イス香(イス動がいつも通り以前の不手際の穴埋めのために余市さんに幸運電波を送っていたら)

イス香(余市さんの勇気ある行動に感銘を受けたらしく、余市さんに力を授けて今に至るですョ)

真尋(つまりお前達穏健派の不手際じゃねぇか!)

イス香(ワタシも止めたですョ! けど止まらなかったんですョ!)

真尋(止まらなかった結果じゃ何の意味もねぇだろ! そもそもお前の方が立場が上でイス動こき使ってたんじゃないのか!)

イス香(そうだったはずですョ、でもイス動の評価がどんどん上がってきて、マスターヨグソトスに気に入られ、今では立場が逆転してるですョ)

真尋(イス動は元犯罪者だろ、何で株上げたんだ)

イス香(ワタシも何でこうなったのか訳がわからないですョ
     ただあるとすれば、ドジで穏健派の資金の6割を博打で使い果たし、3日に1回機械を壊し
     書類も誤字脱字だらけで、お手洗いの水もよく出しっぱなしで、飲み会で吐いて
     マスターヨグソトスに目掛けて上にお茶をこぼし、書籍の本棚すべてをシュレッダーにかけ
     押すな押すなと叫ぶマスターヨグソトスを勢い良く押したら熱湯を通り越して地面に激突して
     穏健派に資金提供してくれる方々の家を燃やし、防災スイッチや自爆スイッチを誤って押したり
     マスターヨグソトスのパソコンとゲームのデータをすべて消去や骨董品をすべて転売したり
     穏健派の情報をすべて過激派に漏洩しただけですョ)

真尋(控えめに言って死ね)

イス香(先輩としての立場がないですョ、自分のドジで立場を失うなんて、まるでワタシが罪深いかのようじゃないかですョ)

真尋(存在が罪だろ)

真尋(それで余市を元に戻す方法はないのか? 僕もニャル子もヘタに手を出せなくて困ってる状況なんだ)

イス香(知らんですョ、そんな事はワタシの管轄外ですョ)

真尋「……」売り物のフォークシュシュシュ

イス香(ぐはっ!)グサグサグサッ

真尋(命に換えても調べろ)

イス香(ちょ、今フォークが飛んできたですョ! どうして次元を跨いで跳んで来るんですョ!)

真尋(僕は時間の干渉を受けないんだ、そして守りの消力(シャオリー)に転じて攻めの消力(シャオリー)があるのと同じように僕の攻撃は時間の干渉を受けない)

真尋(邪神に特攻を持つ僕の攻撃、対象が邪神ならなおさら)

イス香(まるで意味がわからんですョ! その理屈はおかしいですョ!)

真尋(そうだな、おかしいな、だが無意味だ、さっさと余市を戻す方法調べろ、でなければ殺す)

イス香(何て理不尽な!)

真尋(一回僕を殺すとか言った奴がどの口で言ってんだ、お前の存在理不尽なんだから余市が戻ったらはよ死ね)

イス香(どうしてそんなワタシにだけ厳しいですョ)

真尋(今までお前のミスや自己主張のせいでいろいろ巻き込まれてるんだから当然だろ、摂理だろ)

真尋(……クー子はどこだ? 変身後も顔が丸見えだから余市達に見せないために隠れてるのか?)

ニャル子(それが先ほどからどこにもおらず……)

真尋(……今の余市の強さは未知数、クー子が顔を隠していてくれたらいいんだが……本当にどこにもいないな)

真尋(フォークもほぼないし……)

ニャル子(それは店内のフォークを――)

真尋(だから売り物勝手に使う訳にいかないだろ)

ニャル子(先ほど売り物のフォークを勝手に時空の彼方に飛ばしてましたよね)

真尋(そうだ、イス香、クー子をここに呼んでくれ、まったくこんな時にサボりやがったか? いや流石にそれは――)

イス香(クー子サンなら絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)にとばされたようですョ)

真尋(律儀に伏線してんじゃねえよ! お前ふざけんな!)

イス香(結界の故障が原因だからこれはワタシのせいじゃないですョ!)

健彦「妖怪フォーク爆買い男オオオォォォォ!!!」タッ

真尋(ヤベェ! とにかくどうにかして今すぐ連れ戻せ!)

イス香(理不尽ですがわかったですョ)カチャカチャカチャ… ッターン!

クー子(……ここが噂の絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)、さっきまでいたデパートとまったく変わらない)

クー子(色がない、白黒の世界という点を除いて)

クー子(ニャル子でも少年でもないわたし達邪神ですら立つ事もままならないほどの異常な邪神圧を感じたけど……)

ハス太「あ」

シャンタッ君「みぃ!」

クー子「……やっぱり絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)にいたんだ」

ハス太「いきなりで悪いけど食べ物ない? お腹すいた」

クー子「……第一声がそれ? 食いしん坊キャラのポジション取らないでね」

ハス太「取らない取らない」

ハス太「昨日の昼食以降何も食べてなもんでつい」

シャンタッ君「みぃ……」

クー子「……どうやって戻るの?」

ハス太「わかったらこんなところでうろちょろしないよっ」

クー子「……だよね」

ハス太「結界の故障でこっちに来ちゃったからまたつけたままなら戻れると思ってずっと作動してるんだけどうまくいかないし」

クー子「……どうしよう、少年とニャル子が危ない」

ハス太「え、何かあったの? ……ん?」


「――――っ」


クー子「……誰か来る」

ハス太「一旦隠れようっ」サッ

フードマン「……」タタタッ

科乃「待ちなさい」

フードマン「……」ピタッ

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「はさみうちですっ」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「貴方に聞きたい事があります、捕まったら吐かざる得ないですよね」

フードマン「……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「僕、大切な人を傷つけるような人に対してかなりしつこいんですよ、こう見えて」

科乃「恋愛に関してもしつこそうだよね」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「それに関しては割りと僕あっさりしてますよ」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「あっさりしてる人は五股しませんっ」

科乃「それでフードマン、あなたこんな所で黙って捕まる人じゃないよね」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「抵抗する手立てはありますよね、ここに来るまでなんの神威(ケニング)も使ってませんし」

フードマン「……出でよ、天輪人王(ヘルギ)」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「え」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あの神威(ケニング)、勇子さんが持ち帰った物じゃないですか!」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「閲覧終わりました、あれは量産型です!」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あれって元は人間の偉い王様ですよね、いいんですか、そんな人が量産されちゃって」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「さぁ」

フードマン「……」サッ

科乃「天輪人王(ヘルギ)はわたしに任せて!」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「わかりました!」タッ

フードマン「……」グルッケリッ

理樹&フェル子合体形態【理樹】「くっ」屠竜赫怒(グラム)でガード

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「体術も強いんですね……」


クー子「(……なぁにあれぇ)」

シャンタッ君「(みみぃ)」

ハス太(この大きい剣を持った子、声も姿もおおかみくんに似てるような……)

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニル!」ピカッ

ファーヴニル「ふぁー!」フードマンをガシッ

フードマン「……」ファーヴニルをポイッ

ファーヴニル「ふぁー!?」ドカッ


クー子「……あ」

ファーヴニルドシャー

ハス太「いててっ、シャンタッ君大丈夫っ?」

クー子「……わたしの心配もして」


理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニルを投げ飛ばした!?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「先ほどから天輪人王(ヘルギ)以外の神威(ケニング)使ってきませんね、使わずにこの強さです、フェル子さん、殺す気で戦った方が良いで――あ」


ハス太「あ」目が合った

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「どうしまし……あれ?」

フードマン「……?」

科乃「え?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「戦いは僕に任せてあちらの方々に神威(ケニング)の反応を探ってください」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「あの……それがまったく反応がないんですが……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あの馬面蝙蝠もですか?」カキンカキンッ

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「はい、まったく」

フードマン「……出でよ、天輪人王(ヘルギ)」

理樹&フェル子合体形態「「二体目!?」

天輪人王二体目「……」ハス太達に向かってダッシュ


ハス太「え?」

ドシャッ

天輪人王二体目「……」

クー子「……オイタはいけないよ?」ボオオオオッ

天輪人王二体目「……」バタッ


フードマン「……」

科乃「え?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「変身しましたよ、何の神威(ケニング)を励起したんですかあれ」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「閲覧しましたがやっぱりデータにはありません」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「……フードマンさん、まだ隠し玉持ってますよね、わざわざ余裕ぶって素手で戦うんですから」

フードマン「……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「僕の事は想定内のようですがフェル子さんはイレギュラー」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あの2人と1匹に攻撃した、僕の見立てではあの人達はフェル子さんと一緒かどうかまではわかりませんが貴方にとってはイレギュラーのようですね」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「フェル子さん1人だけを狙うのとあの2人と1匹を一度に処理するの、どちらが効率的でしょうか」

フードマン「……」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「リキ、それではあの人達が――」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「大丈夫ですよ、多分」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「たぶんって……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「絶対という自信はありませんが……あの人達はなすがままにされない力を持ってるはずです」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「え?」


―――――――

――――――――――

理樹(あれは以前喫茶店や町で何度か見かける人と話す機会があった時の事)

真尋「ひっぐ……ひぐ……」メソメソ

フェル子(うわぁ……)

理樹「腹パンしたのは謝りますから泣かないでください」

真尋「う……うぐ……」メソメソ

理樹「どうしたんですか? 何やらどなたかの名前を叫んで錯乱していたようですが……」

真尋「ニャル子……」

理樹「ニャル子? ……フェル子さん、姉か妹います?」

フェル子「たぶんいないんじゃないでしょうか」

理樹「……よく考えたら『フェル子』って僕がつけたあだ名ですしあだ名が似てても血縁関係と関係ありませんか、本名でも関係ないことが多いですが」

フェル子「……そうでした、わたしの本名『フェル子』じゃなくて『フェルスズ』でした!」

理樹「僕色に染まるのは良いですがしっかり自分を持ちましょうね」

理樹「それでそのニャル子さんがどうしたんですか? 聞き間違えて錯乱するほどの事ですよね」

フェル子「わたしもいきなりでびっくりしましたよ」プンスカ

真尋「一週間ニャル子とはなればなれ……」メソメソ

理樹「その人は彼女さんですか?」

真尋「ああ……」メソメソ

理樹「つまり……一週間遠距離恋愛中で寂しくなって錯乱していたと……」

真尋「……うん」メソメソ

理樹「僕も彼女達とはなればなれになる事が多くて心配する気持ちはわかりますがそこまで心配しても意味ありませんよ」

真尋「……」

理樹「信頼してるならおちついて待ってないと相手に心配されちゃいます、せめて心配していないふりは出来ますよね」

真尋「……そうだな」

真尋「……わかってる……けど僕……ニャル子がいないと何も出来ない事を実感してさ……」

理樹「何故です?」

真尋「……今まであいつ、馬鹿みたいに騒いでそれをやかましいと思ってたけど、今じゃそれがないと辛くて」

理樹「そのニャル子さんという方と面識はありませんが、貴方順調にニャル子さん色に染まってますよ」

真尋「それに彼氏らしい事もしてなくて……」

理樹「そんなに寂しいなら連絡したらどうです?」

真尋「緊急用の連絡先しか知らないし、緊急でもないのに掛ける訳にもいかない」

理樹「ならサプライズで彼女さんのところに行ってみては?」

真尋「行きたいけどよ、普通の人間には地球外に行けないよ、邪魔するのも悪いし……」

理樹「地球外? 彼女さんは宇宙飛行士か何かですか?」

真尋「ニャル子がいない間に男らしくなろうといろいろ努力してるんだ、それが僕に出来る最大限の事」

真尋「そしたらレッグフォークを使えるようになった」

理樹「へぇ」

理樹「錯乱しているんでしょうけど、正直何言ってんだあんたって気持ちです」

フェル子「やっぱり狂人ですかこの人」

真尋「けどよ、こんなんじゃ全然、全然足りないんだ……」

理樹「はぁ……」

真尋「ニャル子ぉ……ニャル子ぉ……」メソメソ

理樹「落ち着きましょう、そうだ、ジュース奢りますよ、何が飲みたいですか?」

真尋「ミルクセーキ」

理樹「それじゃここで待っていてください」タッ

フェル子「わたしも行きます!」タッ

真尋「うう……」メソメソ


理樹(あの時はただ、錯乱して妄言を唱えてるだけだと思ってました……ですが……メイド喫茶でバイトした時……)

ナッ子「あなた様が新人かえ? 我は先輩のナッ子なのじゃ」

理樹「よろしくお願いします」

ナッ子「ところであなた様は何の邪神かの」

理樹「へっ、邪神?」

ルーヒー「その子は一般人よ」

ナッ子「今のは忘れてほしいのじゃ!」アタフタアタフタ

理樹「覚えておきますから安心してください」

ナッ子「それは困るのじゃ~」オロオロ

ルーヒーの元同僚「つーか別に邪神専門で雇ってる訳じゃないッスよ」

理樹「ハス太さん、ちょっと良いですか?」

ハス太「どうしたの?」

理樹「邪神って何ですか?」

ハス太「クトゥルー神話の事?」

理樹「それもあるかも知れませんがナッ子さんが言ってた事気になって」

理樹「妄言でも良いから聞きたいなと思いまして、今お客さんも少ないですし暇潰しに」

ハス太「それならいっか、邪神って言うのはさっき言ったクトゥルー神話のモデルになった宇宙人の事だよっ」

理樹「へぇ」

ハス太「信じる気になった?」

理樹「全然」

ハス太「だよねぇ」

理樹「……」

真尋「そういえばお前達ってどっち?」

不良「は?」

理樹「何の話ですか」

真尋「人間なのか、邪神なのか、僕は人間だ」

不良「は? 何言って――」

理樹「それに僕のところは邪神じゃなくて戦乙女(ヴァルキリー)です」

真尋「戦乙女(ヴァルキリー)? 何だそれ」

不良「邪神って何だよ」

理樹「貴方の言う邪神というのは一般的に言う宇宙人で、その中でもクトゥルー神話のモデルになった存在ですよね」

真尋「ああ」

不良「そんなオカルトありえねぇよ」

理樹「戦乙女(ヴァルキリー)というのはそれよりかなり規模が収縮しますが地球上の、天空の存在、といっても空にあるとは限りませんし詳しいことは僕もよくわかりません」

理樹「天空の神々の配下が戦乙女(ヴァルキリー)なんです」

真尋「へぇ」


――――――――――

―――――――

理樹&フェル子合体形態【理樹】(邪神と名乗る宇宙人は僕達の身近に存在します)

理樹&フェル子合体形態【理樹】(八坂さんはその者達と関わっている、あの2人の行動を見る限り邪神の者達と考えて良いでしょう)

理樹&フェル子合体形態【フェル子】(そんなファンタジーな存在、本当にいるんでしょうか)

理樹&フェル子合体形態【理樹】(僕にとってはフェル子さん達も充分ファンタジーですよ)

クー子「……えいっ!」ボオオオオ

天輪人王二体目「」メラメラメラメラ

クー子「……ハス太くんも手伝って」

ハス太「お腹空いてて無理……」

シャンタッ君「みぃ~……」

クー子「……えー」

フードマン「……」

フードマン「……」秘石(ルーン)ジャラジャラ

理樹&フェル子合体形態【理樹】「え?」

フードマン「出でよ、我が奴隷達」

フードマンの神威達「「ギャオオオオォォォ!!!」」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「一度にあんなに使うのありなんですか!?」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「4体いますね、閲覧はえーと……」

フードマン「……」タッ

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「戒める枷(レージング)!」

フードマン「……」剣でザキッ

理樹&フェル子合体形態【理樹】「くっ、剣で振り払いましたか」

ファーヴニル「ふぁーー!」タックルドカッ

フードマン「っ」バタッ

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ナイスです、ファーヴニル!」

フードマンの神威達「「ギャオオオオォォォ!!!」」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「くっ、敵が多すぎます」カキンコキン

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「くっこの!」カキンコキン

フードマン「……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「持ち主のフードマンを倒せば……」

クー子「……困ってるみたいだし助太刀する」ボオオオオッ

理樹&フェル子合体形態【理樹】「二日前の古本屋でお会いしたハス太さんの知り合いですよね、助かります」

クー子「……ハス太くんの知り合いもとい幼馴染なのは合ってるけどあなた誰?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あー、この姿じゃわかりませんよね、後で説明します」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニル、出来る限りフードマンの足止めを――」

フードマン「……」ズイッ

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「え?」

フードマン「赤毛の女、部外者がこちら側の事に手出しされては困る」

クー子「……先に手を出したのはあなた」

フードマン「……後悔するな」剣シャキーン

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニル! フードマンをなんとか……」


ファーヴニル「ふぁ……」


理樹&フェル子合体形態【理樹】(気合だけで秘石(ルーン)に戻らないよう形を保ってますが……あれではまともに戦えませんね)

フードマン(手下達、やっかいな赤毛の女を先に始末しろ)

フードマンの神威達「「ギャオオオオォォォ!!!」」

フードマン「……覚悟」タッ

理樹&フェル子合体形態【理樹】(あれ、フードマンさんの神威(ケニング)がすべて赤毛の人を狙って――)

クー子「……!」

イス香「クー子サン、ハス太サン、絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)から戻ってくるですョ」ポチッ

健彦「妖怪フォーク爆買い男オオオォォォォ!!!」タタタタタッ

真尋(ヤバイ! 追いつかれる!)


キュイーン


理樹&フェル子合体形態「「え?」」

フードマン「?」

科乃「あれ?」

ハス太「やったねっ、元の時空に戻れたよ」

シャンタッ君「みぃーっ」あらぶるシャンタック鳥のポーズ

クー子「……お」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「色があるって事は元の世界に戻って……あれ……人倒れてるしあちらから鬼のような形相をした眼鏡の方がこちらに来ますし……え? え?」

クー子「……色がある、という事は戻ってこれ――」

健彦「邪魔だ!」ドカッ

クー子「ゴハッ!!」ドサッ

閑也「ぐはっ」たまたま近くで気絶している所を吹っ飛ばされピューン

フードマン「!?」外まで吹っ飛ばされてピューン



理樹&フェル子合体形態【理樹】「……」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「……」

理樹&フェル子合体形態「「フードマーン!!!」」


健彦(あれ、一瞬クー子さんがいたような……)

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「リキ、どういう事ですか! フードマンと赤毛の貧乳が鬼の形相をした眼鏡に跳ばされちゃいましたよっ!」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「僕も何がどうなってるのやら、まさか絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)で使った神威(ケニング)の力がこちらにまで及びこうなったんですか?」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「倒れている人々には神威(ケニング)によって受けたダメージの痕跡はまったく……」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「フードマンが出した神威(ケニング)にもこのような効果はありません」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「となると……テロでもあったんですかここ」

科乃「フェル子ちゃん、おーがみ君」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「よかった、無事でしたか」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「よく倒せましたね、接近戦不利だと思ってフードマン捕まえたら助けようと思ったんですが」

科乃「いやぁ、正直キツかったけどこっちの世界に戻ったら意図せぬ事態だったみたいで混乱してる隙にこっちに」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「……ってそんなのん気にしてる場合じゃありません! フードマンの神威(ケニング)を退治しないと大変な事になってしまいます」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「神威(ケニング)がなくてもすでに大変な事態になってますし焦らなくても大丈夫だと思いますよ」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「なるほどっ」

科乃「フェル子ちゃん、騙されちゃ駄目だよ」

健彦「待てやっ! 友の仇ーーー!!」タタタッ

真尋(ヤベッ! そろそろ追いつかれる!)タタタッ

ニャル子(というか真尋さんそんなに足速かったんですね、息も乱れてませんし)タタタッ

真尋(原作序盤でしか書かれていないけどこれでも肺活量クラス1だから)

真尋(それよりなんとかしてくれ! さっきイス香から通信入って聞いた、余市はあっちの方の影響受けてるからお前達が手を出しても上にとやかく言われないはず!)

ニャル子(真尋さん結局私頼りですね、わっかりましたよ! 余市さん、辞世の句を読むが良い!)

真尋(殺すな殺すな)

ニャル子(今の余市さんに手加減を加える余裕があると思います?)

真尋(お前でも流石に無理なのか)

ニャル子(ですので真尋さん、残りのフォークであの謎モンスター達をなんとかしてください)

真尋(え?)

フードマンの神威達「「ギャオオオオォォォ!!!」」

真尋(まるで意味がわからんぞ!)


理樹&フェル子合体形態「「あ」」

真尋(ナイトゴーントのように野良化した邪神か? 見たことない奴ばっかだな……)

イス香(そのモンスターは邪神ではなくケニングですョ)

真尋(ケニングってなんだよ)

イス香(……さぁ)

真尋(というかどこから入ってきた)

イス香(絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)からハス太サンとクー子サンを戻す時にセットでついてきたようですョ)

真尋(今すぐ返品しろ)

真尋(残ってるフォークは2本だけ、逃げている間にフォーク売り場から遠退いてしまい、投擲術としてではなく接近戦で戦う必要がある訳だが……)

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」


理樹&フェル子合体形態【理樹】「大変です! 一般人が……一般人ですよね? 戦おうとすらしているように見えますが」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニル、厚着の人を守ってください!」


ファーヴニル「ふぁーー!」真尋を守ろうとして前に立つ

真尋「せぃっ!」0フレームの上段回し蹴り

ファーヴニル「ファッ!?」バタッ 秘石に戻る


理樹&フェル子合体形態【フェル子】「ファーヴニル!!」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「一般人から見たらファーヴニルもフードマンさんの神威(ケニング)も同じ敵にしか見えませんしそりゃ当然ですよね」

科乃「いやいや、赤いドラゴン見て何一つ躊躇いなく蹴りの一撃で葬る一般人なんておかしいよね」

真尋(蹴りの一撃で赤いドラゴンが消滅した)

真尋(確かに肺活量はクラス1だし邪神の事件に巻き込まれているせいで運動神経が高くなったかもしれない)

真尋(つまり……)

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」

真尋(フォークがなくても素手で倒せる!)

イス香(無茶ですョ)

真尋(黙れ! 多少無茶でもやらなきゃならないんだ!)

イス香(どうしてそこまでするんですョ!)

真尋(フォークを買うために決まってるだろ!)

イス香(ワタシが知ってる買い物と違うですョ!)

真尋「いくぞ!」タッ

真尋「たぁっ!」蹴り

フードマンの神威A「ギャオー」避けて切り裂く

真尋「てはっ」

フードマンの神威B「ギャオー」素首落とし

真尋「あべしっ」

フードマンの神威C「ギャオー」虎王完了

真尋「うわばらっ」

フードマンの神威D「キャオラッ」マッスルインフェルノ

真尋「」チーン


理樹&フェル子合体形態【理樹】「まぁそうなりますよね」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「いやいや助けましょうよ! というかシナノも見てないで矢で時間稼ぐくらいできたでしょっ!」

科乃「いやぁ、体力がほぼない状態だったとはいえファーヴニルを蹴りで倒す一般人だったから実力見てみたかったのよね」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「あー、たしかに気になりますもんね」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「そういえば天輪人王(ヘルギ)が混乱しているうちにこちらに来たって事はまだ倒してませんよね」

科乃「あ、早く倒さないと一般人巻き添えになっちゃうわね」

科乃「というかすでに巻き添えになってるよね、あのあからさまに怪しい厚着の人、壁にぶっ刺さってるし」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「フードマンの神威に臆せず戦うような人ですから大丈夫だと思います、一般人かどうかすら怪しいですし」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「厚着の人はともかく他の一般人も巻き込まれてしまいますよ、さっきの眼鏡の人とかは……赤毛のツインテールとフードマンふっとばしちゃいましたから大丈夫かな?」

科乃「私が見てない間にフードマンに何があったの」


ニャル子(ちょっ、生体時間加速(クロックアップ)してんのにどうして私と渡り合えているんですか!)バールのようなものカキンカキン

健彦「うせろ、ライダーもどき!」パンチラッシュドカドカドカ

天輪人王一体目「キエー!!」


理樹&フェル子合体形態【フェル子】「大変です、天輪人王(ヘルギ)が混乱して眼鏡の人を――」


健彦「邪魔だ!」腹パンゴッ

天輪人王一体目「」バタッ


科乃「うわぁ……」

天輪人王一体目「」ピクピクッ

健彦「くらえ!」天輪人王(ヘルギ)を振り回しブンッ

ニャル子(鎧の生命体の手首を掴んで軽々振り回して武器代わりに!?)


理樹&フェル子合体形態【フェル子】「リキやフードマンの他に神威(ケニング)を扱える男がいたんですか!?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あの人と僕の共通点を調べたら僕の謎が判明しそうですね」

科乃「気絶した神威(ケニング)を振り回すのを『扱える』内に入れていいの?」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「せめてあれくらいの運動神経身につければ僕も合体以外で役に立つんですが……」

科乃「私達戦乙女(ヴァルキリー)と合体した経験のせいで感覚が麻痺してるだけだと思うけどあの動きどう見ても人間じゃないからね」

カグヤ「んむ? 今エンカウントキャンセラーと類似した物が発動されてなかったか?」

サクヤ「気のせいじゃないですか? わたしはとくになにも……」

カグヤ「気のせいか、それはそうと流石地球の民、月の民と違って感情豊かなのだ」

サクヤ「これそういう問題じゃありませんよね、地球の民が倒れてますよ」

カグヤ「眼鏡と戦っているのはレグジオネータに近い種族か? それはそれとしてわらわのユータに埋め込んだ発信機ではここにおるはずなのだが」

サクヤ「先に兄様を見つけたものが兄様を者に出来るという事で」

カグヤ「ユータは先に余が唾をつけておいたのだ、愚妹になどにやらぬ」

サクヤ「いいじゃないですか、姉様には帰れる月があるじゃないですか、こんなにうれしい事はありませんよ! わたしなんて永久追放ですよ、永久追放! 勝手の知らない地球では1人で生きていけません!」

カグヤ「正直善行値を溜める気ないのだぞ! 永久追放と同じなのだ!」

サクヤ「あんだけ悪行犯しておいてそれでもなお必要とされているのです帰ってあげてください、いい加減諦める事を覚えてください」

カグヤ「そうだ、ユータにわらわとサクヤを一緒に娶ってもらうのは―― 駄目だな、あの童貞丸出しにそんな甲斐性があるかの?」

サクヤ「童貞って何ですか?」

カグヤ「いずれわかるのだ、いずれな、という事でわらわがユータを先に見つけるのだ!」タッ

サクヤ「待ってください、姉様」トコトコ

ハス太(どうしてこうなってるんだろう、とにかく暴走してる余市くん止めないと……けどお腹がすいて風出す力すら残ってないよ……)

シャンタッ君「みぃ~……」

ハス太「あっ、まだシャンタッ君の餌の人参が残ってたはず」ゴソゴソ

シャンタッ君「みっ!?」

ハス太「絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)がいつ出られるかわからなかったから残しておいたんだっ、はいっ」

シャンタッ君「みぃ……」ジトー

ハス太「……もしかしてひとりじめのためとかで疑ってる?」

シャンタッ君「みぃ」コクリッ

ハス太「ぼくがそんな酷い事シャンタッ君にするわけないじゃん、もぅ」

シャンタッ君「みみぃ」

ハス太「この前の古本屋でさいとうさんに渡しちゃったのは……ノリで」

シャンタッ君「みぃ~」

ハス太「とにかくこれ食べて巨大化してニャル子ちゃんを助けてあげて!」

シャンタッ君「みぃ……」不服に思いながら人参ボリボリ

結太「」チーン

カグヤ「ユーター! ヤベェ、おもいのほか重傷なのだ!」

サクヤ「脈はまだあります、兄様、起きてください!」

カグヤ「仕方あるまい、医療行為なのだ! これは建て前として医療行為なのだ、なら仕方ない、人工呼吸を!」ソーッ

結太「…マッ…マタタビッ!?」ドカッ

カグヤ「ぐはっ」起き上がった結太の額にゴッツンコ

結太「痛っ……って何の夢見てんだよ俺?」

サクヤ「わたしが知るわけないじゃないですか!」

サクヤ(……あれ?)

理樹&フェル子合体形態【理樹】「天輪人王(ヘルギ)は大丈夫そうですし残りのバラバラになったフードマンの神威(ケニング)を倒しましょう」

科乃「でも私達は3人、フェル子ちゃんとおーがみ君が合体してるから実質2人」

科乃「神威(ケニング)達が混乱しているとはいえ一度にかかったら数で負けるわ」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「で……でも早くしないと眼鏡や厚着の人ならともかく倒れている一般人に被害が出るおそれが」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「僕が科乃さんと合体して神威達が混乱している間に遠距離で破壊するという手が」

科乃「それだと神威(ケニング)達が我に帰った時近距離が手薄になるよ、フェル子ちゃんと合体した状態でもフードマンの神威(ケニング)、手に負えなかったよね」

科乃「そだ、ファーヴニルまた出せる? それで補えば……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「まだ回復しきってないようです」

科乃「あらら……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「……!? 科乃さん、あれ!」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「え、何なんですかあれ!」

「久しぶりっていうのに随分な反応じゃない」

科乃「……え?」


シュヴェルトライテ「あたしよ、シュヴェルトライテが助けに来たわよ」

シュヴェルトライテ「……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「剣子さん――」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「シュヴェルトライテ――」

シュヴェルトライテ(やっと……やっと話しかける事が出来たー!)

シュヴェルトライテ(二日前の『絶版堂』で見かけたから話そうと思ったあの日)

シュヴェルトライテ(でも久々に会うせいであいつの顔を合わせるのが恥ずかしくなってどうやって会おうかタイミング計っていたわ)

シュヴェルトライテ(けどタイミングが暗黒魔族ギルファー・デーモンしまくりでうまくいかなかったが……)

シュヴェルトライテ(よくわからないけどこの惨事の中、カッコよく助けに来る!)

シュヴェルトライテ(あれ、カッコイイよね、今のあたし、最高にカッコいいわよね)

理樹&フェル子合体形態【理樹】「剣子さん――」

シュヴェルトライテ「安心しな、あたしが来たからもう安心よ――」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「剣子さん! 後ろに敵です、逃げてください!」

シュヴェルトライテ「え?」

四大守護獣水の化身「カメェェェ!!!!!」ゴッ

シュヴェルトライテ「ぐはっ!」バタッ

シュヴェルトライテ「え、ちょっと何また神威(ケニング)が増えた!? でも神威の反応がまったくないじゃない!」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「あー、これも神威(ケニング)とは別物ですね」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「はい、閲覧してもまったく……」

四大守護獣風の化身「ガオーーー!!!」

四大守護獣炎の化身「カァーーー!!!」

四大守護獣土の化身「ギャオーーー!!!」

科乃「4匹もいるじゃない、どうなってるのよこのデパート、何かのイベントじゃないでしょうね」

シュヴェルトライテ「イベントにしてはがっつり痛かったんだが」


カグヤ「あれは四大守護獣(オーバーロード)! 以前と比べて小さくなってるな、サクヤ、どういう事なのだ」

サクヤ「子安貝ドライバー燕が故障により誤作動を起こしたようで……」

結太「おい、四大守護獣(オーバーロード)以外のモンスターがいるがあれは何だ?」

カグヤ「む? わらわが来た時にはすでにこうなっていたぞ、デパートのイベントではないのか?」

サクヤ「四大守護獣(オーバーロード)が出ても対して違和感ない辺り地球の民もなかなかすごい技術をもっているのですね」

結太「」

結太「おい、カグヤ」

カグヤ「何なのだ?」

結太「……キスするぞ」

カグヤ「ユータ! まさかこのような時にわらわを求めてくれるとは――」

結太「ちげぇよ! 俺の異能力を使ってお前の黒科学のアクセス権を一時的に復活させんだよ! いつもやってんだからわかれや、言わせんな、恥ずかしい」

サクヤ「……ですが……一般人もいる中大丈夫なのですか?」ゼェゼェ

裕太「今まで近くにいた俺達に被害が起きた事はないし大丈夫だろ」

カグヤ「ところでユータ、一つ確認してもいいか」

結太「何だ早くしろ」

カグヤ「四大守護獣(オーバーロード)以外にも見かけぬモンスターがおるが別に倒してしまっても、構わんのだろう?」

結太「ああ、遠慮はいらねぇ、おそらくヤバイレベルで動いている眼鏡も人の形をしたヤバい奴だからがつんと痛い目にあわせてやれ、カグヤ」

カグヤ「そうか、ならば、期待に応えるとしよう」

結太「……やるぞ……」


……

カグヤ「わらわの出番はここから始まる――マスターインテリジェントシステム、スタートアップ」

結太「……」

カグヤ「……」

サクヤ「」ポカーン

カグヤ「おかしいな、ハッキングできない、ノイズだけなのだ、ユータ、もしやもう一度やりたいからと言ってわざと――」

結太「眼鏡をかけている人の形をした何かがヤバいほど高速に動いている異空間の中でそんな余裕なんぞあるか!」

カグヤ「マスターインテリジェントシステム自体にトラブルがあったのか? そんな柔に造りになってないはずなのだが」

サクヤ「」ポカーン

カグヤ「……? サクヤ、どうした、おーい」

結太(そういえばサクヤの目の前でこれやった時はレグジオネータが目隠ししてやってたんだった、こいつには刺激が強いのか)

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」

結太「ゲッ! こっちに来た! 異能力が使えないとなるとお前が持ってる兵器でなんとかしろ!」

カグヤ「任せるのだ! くらうのだ、ABMプレデターを受けてみるが良い! 対サクヤ用だった気がするが別にそんなことなかったのだ!……あれ?」カチカチ


イス香「あ、誤って宇宙CQCキャンセラーの火器バージョンを余市サンが暴れているデパートに発動してしまったですョ……まぁいいかですョ」


カグヤ「……他の兵器も作動しないのだ」

結太「サクヤ、お前の白理力(ハイマテリアル)で何とかしてくれ!」

サクヤ「……子安貝ドライバー燕の誤作動で全部栄養持ってかれて力がでません……う……」ガクッ

カグヤ「そうだ、ユータの真月譚なら」

結太「無理に決まってんだろ!」

カグヤ「それしかもうないのだ! サクヤの白理力(ハイマテリアル)を防いだのを思い出すのだ!」

結太「ちくしょー!」真月譚ドカッ

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」ペシッ

結太「ぐはっ」バタッ

カグヤ「ユーター!!!」

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」

結太「ゲッ! こっちに来た! 異能力が使えないとなるとお前が持ってる兵器でなんとかしろ!」

カグヤ「任せるのだ! くらうのだ、ABMプレデターを受けてみるが良い! 対サクヤ用だった気がするが別にそんなことなかったのだ!……あれ?」カチカチ


イス香「あ、誤って宇宙CQCキャンセラーの火器バージョンを余市サンが暴れているデパートに発動してしまったですョ……まぁいいかですョ」


カグヤ「……他の兵器も作動しないのだ」

結太「サクヤ、お前の白理力(ハイマテリアル)で何とかしてくれ!」

サクヤ「……子安貝ドライバー燕の誤作動で全部栄養持ってかれて力がでません……う……」ガクッ

カグヤ「そうだ、ユータの真月譚なら」

結太「無理に決まってんだろ!」

カグヤ「それしかもうないのだ! サクヤの白理力(ハイマテリアル)を防いだのを思い出すのだ!」

結太「ちくしょー!」真月譚ドカッ

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」ペシッ

結太「ぐはっ」バタッ

カグヤ「ユーター!!!」

カグヤ「どうしてなのだ!」

結太「予想通りだよ!」

ピュー

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」タタタッ

結太「え、逃げた?」

カグヤ「どういう事なのだ――」

ピュー

結太「ぽあっ」ニャル子の流れバールのようなものドカッ

カグヤ「あぷぱ!!」同じく

カグヤ「なにが……おこったのだ……」

結太「あそこで眼鏡と戦っているレグジオネータの親戚みたいなのが……バールを武器にしてるから……おそらくその流れ弾で……ヤベェ、鈍器だから意識が……」

カグヤ「あのモンスター達は……それで逃げたのか……」

結太「そうだ……お前の発明技術でここらへんの道具を武器にして……」

カグヤ「利き手にバールが刺さったのだ……」

結太「ガチで……重傷じゃねぇか……」

カグヤ「わらわは……黒魔術(ブラックアート)がないと地球の民と対して変わらないのだ……」

結太「うそつけ……人外じみた……運動神経……してただろ」

カグヤ「ユータ……わらわ達この訳のわからない状況で死んでしまうのかの……」

結太「……死ぬ前に……やっておきたい事がある……」

カグヤ「……え」

結太「カグヤ……お前の……協力なしには出来ない」

カグヤ「協力するのでkwsk」ワクワク

結太「……お前……わりと……元気だな……」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「何なんですか、あの生物!」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「わかりませんっ」

シュヴェルトライテ「あたしのフルンティングが全然通用しないじゃないのよ!」

科乃「無差別に攻撃してるわね」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

科乃「おそらく仲間意識があるのはあの4体だけ、フードマンの神威と合流させれば敵同士でお互い倒しあうんじゃないかしら」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「なるほど、それじゃあ僕達がフードマンの神威を――」

科乃「待って、倒れている一般人を巻き込まないためにおびき寄せるなら視野が広い方がいいわ、1人はおーがみ君と合体するんだから実質3人、その中で1人は4体のモンスターをおびき寄せるんだから1人で周りを見渡せた方が安全でしょ」

シュヴェルトライテ「間違ってあの眼鏡のところに巻き込まれるよりはマシだけど……どうするんだ」

理樹&フェル子合体形態【理樹】「……なるほど、深き白の炯眼(ヘイムダル・ガッツォー)を使って、けどその場合フェル子さんはどうなりますか?」

理樹&フェル子合体形態【フェル子】「大丈夫ですっ、戒める枷(レージング)でこのモンスター達を足止めしておきます」

科乃「決まりね」

シュヴェルトライテ「?」

結太「……」ヌモモモモモモ

カグヤ「ユータ……」


結太『……打ち出の小槌(トールハンマー)……持ってるか?……』

カグヤ『丁度トウカコウカーン機能を外して丁度良い大きさまで調整できるようにしておいたものがこちらにあるぞ』

結太『また俺にそれを……使え……』

カグヤ『は?』

結太『死ぬんだったら……せめて大きい男になって……死にたい……』遠い目


カグヤ「ユータ……」

結太「……」ヌモモモモモモモ

カグヤ「身長コンプレックスが過ぎるぞ」

結太「うるせぇよ」ヌモモモモモモモ

結太「ははは、すげー、アンドレ・ザ・ジャイアントよりもずっと高ーい」ヌモモモモモ

サクヤ「……わたしが気を失っている間に何が!?」

カグヤ「おお、起きたか、実はかくかくしかしかで」

サクヤ「経緯を説明されても全然理解できませんよ!」

サクヤ「というかアレ、若干ラリった顔してますし!」

カグヤ「こら、愚妹、わらわのロムベリャガをそのような風に――」

結太「ははははは」ヌモモモモモ

カグヤ「あの人は――あの人は夢を叶えたのだ――」

サクヤ「訳がわかりません!」

結太「はははははは……ん?」ヌモモモモモ

シャンタッ君「みぃ~?」ヌモモモモモ

サクヤ「姉様、訳のわからない馬蝙蝠のモンスターにも打ち出の小槌(トールハンマー)を使うのはどうかと――」

カグヤ「あれはわらわじゃないのだ」

結太「……」ヌモモモモモ

シャンタッ君「……みぃ?」ヌモモモモモ

結太「戦争だよ!!!」真月譚ドカッ

シャンタッ君「みみぃ!?」ビクッ

カグヤ「ユータ、何をしているのだ!」

結太「俺よりでかくなってんじゃねぇよ!」

結太「今! この場で! 一番でかく! 人をゴミのように見ていいのは!」

結太「俺だけなんだよ!!!」真月譚ドカッ

シャンタッ君「みみみ!?」

サクヤ「身長コンプレックスを拗らせるとああなるんですね」

カグヤ「流石わらわのユータなのだ」

サクヤ「姉様、目が泳いでますよ」

三途の川

奏子「更紗ちゃん元気かなぁ……」ブチッブチッ

奏子「どんな生き物もいずれこちらの世界に来るんだし仕方ないとはいえ更紗ちゃんがその時私の事覚えてなかったら流石に泣くなぁ」ブチッブチッ

奏子「いや、忘れなくてもいいって言ったのは私よ、でも更紗ちゃん『絶対忘れない』って言ったもんねー」ブチッブチッ

奏子「それで忘れてたら流石に泣くなー、そんでヤンデレ化しちゃうなー、更紗ちゃんを即ハボするよ、覚えてても即ハボ余裕だけど」ブチッブチッ

奏子「何か起きないかな、ずっと三途の川で飛び石するのも辛いわー」ブチッブチッ

奏子「そりゃ生前はそれすら出来なかったけどさー、流石に飛び石二時間は辛いわー」ブチッブチッ

ノーデンス「おぬし先ほどからワシの髭をぶち抜いて川へ投げているがそれ飛び石じゃないからな、独り言がめっちゃ大きいし」

奏子「え!? じゃあ何飛ばすの!?」

ノーデンス「石飛ばせ」

奏子「ところで貴方誰、ここの死神さん?」

ノーデンス「二時間前から人の髭ぶち抜いておきながら今さらか、ワシはノーデンス、死神の短期のバイトをしておる」

奏子「『ばんかい』とかオサレな事するの?」

ノーデンス「この地域じゃしない」

奏子「これが地域格差か」

奏子「死神さんは生前何してたの?」

ノーデンス「芸能プロダクションのスカウトされるような人をスカウトするとか」

奏子「へぇ、複雑ね」

ノーデンス「仕事で地球人の中性的な男の子をスカウトして売り出そうとしていたんだ」

奏子(もしかして宇宙人? 宇宙人も三途の川に来るんだ)

ノーデンス「そしたら殺された」

奏子「何で!?」

ノーデンス「スカウトした子を売り出そうとしたらいろいろあり、そりゃ肉塊に見えるほどぐちゃぐちゃにされた」

奏子「何がどういろいろあると肉塊にされるのか想像も付かないよ」

ノーデンス「酷いよねぇ、本当」

奏子「ええ、説明のしかたも、それでどんな男の子だったんですか?」

ノーデンス「気になるか?」

奏子「話の種として、男とか興味ないんで」

ノーデンス「ああ、そうなの……」

ノーデンス「コラー! メスガキがー!」

真尋「げっ! 僕を攫って売ろうとしたノーデンス!?」

ノーデンス「おぬしのせいで死んでしまってノーデンワンキル出来なくなっただろ!」ラリアットドカッ

真尋「ぐはっ」ピューン

奏子「ラリアットで吹っ飛んだ、すげー」

ノーデンス「……あ」

奏子「どうしたの」

ノーデンス「あそこの方向現世だった」

奏子「私もあっちいっちゃ駄目?」

ノーデンス「駄目」

奏子「えー」

ミス
>>89>>90の間にこちらのレスが入ります


ノーデンス「そうだな、BL受けしそうな容姿じゃ」

奏子「GLは至上」

ノーデンス「丁度川の向こうに立っている少年のようなナリでな」

奏子「へぇ」

真尋「……」ポカーン

ノーデンス「というかあいつだ」

奏子「ナイスタイミングで死んだわね」

真尋「……へ?」

現世

真尋「……は!」

ハス太「よかった、目を覚ましたんだねっ」

真尋「僕はいったい……川でノーデンスにラリアットくらって……」

ハス太「ぼくが見つけた時、何故かまひろくんの上半身が壁に埋まっててもう駄目かと思ったよ」

真尋「あやうく死ぬところだったのか……」

ハス太「現世におかえりっ」

真尋「……はは、ただいま――」


結太「くたばれ! 馬面蝙蝠!」ドカガシッ

シャンタッ君「みみみみぃ!」ドカガシッ


真尋「ぼくがしってるげんせとちがう」

結太「俺は死ぬ前に……一瞬でもいい! 一番背が高くなりたい、だがお前の存在は俺の最後の希望を汚す悪夢」

結太「そんな事されちまったらなぁ……戦争しかねぇんだよ!」ドカバシッ

シャンタッ君「みみみみぃ!」ドカガシッ


理樹&科乃合体形態【理樹】「あのアレえ? 巨人? え? ……巨人? え、進撃するんですか?」

理樹&科乃合体形態【科乃】「おーがみ君、今さら何が出ても驚かないで――何あれ」

理樹&科乃合体形態【理樹】「これも誘導……はやめておきましょう、ヘタに動かして下の階に落ちたら大変ですし」

理樹&科乃合体形態【科乃】「すでに暴れているのに壊れないし大丈夫じゃない?」

理樹&科乃合体形態【理樹】「あの眼鏡とライダーもどきのように巻き込まれてしまった場合ただでは済まなそうでしょうし……そうだ、飽くまで保険ですが――」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

フェル子「戒める枷(レージング)!」シャキーン

シュヴェルトライテ「あたしら2人で神威(ケニング)でもないモンスター4体も誘導すんなんていろいろ無理あんだろ、ちくしょう!」カキンコキン

フェル子「ううっ、ロスヴァイセが来てくれれば……」

シュヴェルトライテ「くそ、さっきロスヴァイセに会った時誘っておけばよかった!」

フェル子「今すぐ呼べますか!?」

シュヴェルトライテ「無茶を言うな、ただでさえキツいのにお前1人じゃやられるだろ! それにロスヴァイセは鎖頭巾の神威(ケニング)を落としたとかでそれ探し回ってたらへんなおっさんに連れてかれて……」

フェル子「え、それ大変なことじゃないですか! 早くここを片付けて助けに――」

シュヴェルトライテ「馬がリレーする所まで連れられて見事1位を獲得してたわ」

フェル子「よくわからないですけどたぶん大丈夫?」

シュヴェルトライテ「っ! ちんまいの、危ない!」

四大守護獣水の化身「カメーーー!!!!!」水ドバー

フェル子「ひゃっ!」バタッ


クー子「……梃子摺っているみたいね、手を貸すよ」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

クー子「……そんなに近づくと火傷しちゃうよ?」ボオオオッ

四大守護獣火の化身「キエーー!」サッ

フェル子「戒める枷(レージング)!」シャキーン

シュヴェルトライテ「くらえ!」ザクッ

四大守護獣火の化身「キエーー!」ジタバタッ

クー子「……ありがと」

シュヴェルトライテ「礼を言うのはあたし達の方よ」

フェル子「……やっぱり、あなたは二日前に古本屋で会った……」

シュヴェルトライテ(にしても神威(ケニング)の反応がまったくないけど何でそんな芸当ができるわけ?)

クー子「……さっきはわからなかった、髪色は似てたけど輪郭が全然違った」

クー子「でも今ならわかる、古本屋で会って騒いだ事が二日前のように思い出せる」

フェル子「二日前ですからね」

クー子「……久しぶり、サクヤちゃん」

フェル子「そっちじゃありません、フェル子です、フェルスズです」

クー子(……あのニャル子が梃子摺っていた、手助けしたかったけど顔バレすると少年の努力が水の泡)

クー子(機動砲台だけニャル子のサポートに行かせたけどそれも長く持つか……)

クー子(だったらこの謎モンスターがニャル子に手を出さないように片付けておくのが今わたしに出来る最大の策)

シュヴェルトライテ「今のあたし達の力じゃこの獣達を倒すのは不可能、あんたの力がどれほどかは知らないけどこの獣を倒してもフードマンの神威(ケニング)がいるからどの道やられる」

シュヴェルトライテ「だからその二つをおびき寄せて敵同士で争わせる作戦よ、協力して」

クー子「……わかった」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

クー子「……なかなかタフ」

フェル子「相手の動きを少しだけ鈍くするのと回復は任せてくださいっ」

クー子「……わかった」

四大守護獣水の化身「……」ニィ

ハス太「ぼくが絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)にいる間におきたことを説明してくれる? ちょっと理解できないよ」

真尋「学校で僕の事が噂になっていたのは知ってるだろ」

ハス太「うん」

真尋「それが大事になって学校を代表して余市がそれを調べる事になった」

ハス太「何でわざわざ学校から代表を決めなきゃならない事態になってるのかな?」

真尋「そして今日は特売日、僕が妖怪フォーク爆買い男と思われたくなかった」

ハス太「だろうね」

真尋「だからニャル子とクー子と協力してなるべく目立たずにフォークを買う事にしたんだ」

ハス太「どうやって?」

真尋「まずここらへんの監視カメラを一時的に機能停止して結界でこの階に誰も来ないようにして、この階に残っているお客をフォークを使って一時的に気絶させた」

ハス太「それはひょっとしてギャグで言っているのかな?」

真尋「ほら、学校休んだ時に外に出た時、誰かに会ってずる休みと思われてるのは恥ずかしい、そのために帽子かぶってマスクして誰にも気付かれないようにするだろ」

真尋「それと同じだ」

ハス太(サイクロンエフェクト声)「お前実は馬鹿だろ」

ハス太「フードマンとかいうのが出したモンスターとは別のモンスターが追加されてるけどあれ何?」

真尋「さぁ、心当たりがない、今は結界があるからいいとはいえ結界外に出たらまずい事になるな……」

真尋(ん? クー子と一緒に戦っているあの銀髪ポニーテールの子、大神の彼女じゃないか、いったいどうなってるんだ?)

真尋(そういえばメイド喫茶でバイトした時大神が戦乙女(ヴァルキリー)とか言ってたな……)

真尋(そうだ、おいイス香、そろそろ余市を元に戻せそうか?)

イス香(それなら大丈夫ですョ、イス動が素直に余市サンを戻す事を承諾してくれて、さっきワタシが自らの手で余市サンに送られていた強さを司る幸運電波を0にしておいたからもう安心ですョ)

イス香(ただ急激に下がると余市サンの体に悪影響がでるので、少しずつ戻っていくようになってるですョ)

真尋(余市の強さが最初の時より強くなって残像か何かで余市が数百人いるように見えるんだが)

イス動(イス香、余市に送る強さを司る幸運電波止めると言っておきながら上限マックスになってたが大丈夫か?)

イス香(あ、しまった、ドジッちゃったですョ)テヘペロ

真尋(……)残りのフォークすべてシュシュシュ

イス香(ぶぎゃあ!)グサグサグサッ

イス動(次元を跨いでフォークが飛んできただと!?)

真尋(イス動、強さを司る幸運電波を止めておいてくれないか?)

イス動(お、おう)

真尋(そもそもお前が変な事起こさなければこんな事にはならなかっただろ)

イス動(そもそも誰かさんが監視カメラを停止させて邪神どもと協力して客を気絶させるなんざ思いつかなきゃ余市をここまで強化はしねぇよ)

イス動(我々の世界からお前達の様子は伺えるが心の闇までは覗けないのだ、どういう闇があってそんな発想出てくるんだ)

真尋(邪神と付き合えばSAN値下がって闇ぐらいできるよ)

イス動(お前の付き添いの邪神も引いていただろ)

イス動(あっそうだ、余市がエネルギー玉を出さなかったか?)

真尋(ああ、確かニャル子がバールで月まで跳ね返してた奴か)

イス動(あれは強さを司る幸運電波を急激に受けた時が身体の中に入りきらなかった電波を具現化したものだ)

イス動(それと同時に今度は幸運電波が止まる事で今まで身体の中に溜まった電波によってエネルギー玉が出来る、最低でも3つ出来る、破壊力はまちまちだが爆発を止める術はない)

イス動(ニャルラトホテプが宇宙まで吹っ飛ばしたなら、それがもっとも有効な手段だ)

イス動(エネルギー玉を完全に出し終えた場合そのまま気絶するだろうが健康面には問題ないはず、それが元に戻ったサインだ)

真尋(わかった、ニャル子に伝えてくる)タタタッ

イス動(通信はこれで最後だ、イス香のせいで穏健派の資金が足りなくて通信代が洒落にならないんでな、後は頼んだぞ)ピッ

ハス太「……そだ、最後の力を振り絞って――」

結太「タァ!」真月譚ドカッ

シャンタッ君「みいっ!」シャンタッ君キックドカッ


カグヤ「流石ユータ、血に飢えた野生動物にも引けを取らない実力だぞ!」

サクヤ「なんとなくですが血に飢えてなければ野生でもないでしょうし、地球上にこのような生物おりましたっけ?」

サクヤ「それはそうと兄様を置いていく訳にはいきませんし、これからどうしましょう」

カグヤ「うむ、何故かエンカウントキャンセラーも火器も利かぬしここにいては危ないのだ」


クー子「……え……どういう事」

フェル子「どうしたんですか?」

クー子「……ねぇ、サクヤが2人いる」

フェル子「だ か ら! 私はフェルスズです! フェル子と呼ばれているフェルスズです!」

理樹&科乃合体形態【理樹】「フェル子さん!」

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」タタタッ

フェル子「成功しそうですねっ」

シュヴェルトライテ「おい、ちょっと待て」

フェル子「ふぇ?」

四大守護獣達「「ガルルルルルッ」」

シュヴェルトライテ「立ち止まってんぞ」

クー子(……肉食動物が獲物に狙いを定めるような体勢を取ってる)

クー子「……もしかしてわたし達がおびき寄せていた獣、言葉を理解できるんじゃない?」

フェル子「え?」

クー子「……作戦とか平気で目の前で説明してたよね」

シュヴェルトライテ「おいおい、それじゃああたし達がおびき寄せたんじゃなくて」

シュヴェルトライテ「あたし達を挟み撃ちにしてるみたいじゃないか」

理樹&科乃合体形態【理樹】「謎の獣達を相当見下してました」

理樹&科乃合体形態【理樹】「僕達を襲う理由は動いているから、知能が低くカエル等のように動く物にしか反応できない、だから倒れている人達には一切手を出さなかったと」

理樹&科乃合体形態【理樹】「しかしその実、人の言葉を理解するほどの知能を用いている」

理樹&科乃合体形態【理樹】「……皆さん、作戦は続行します、獣達の掴まってください!」

四大守護獣達「「?」」

理樹&科乃合体形態【科乃】「フェル子ちゃん、動きを止めるのはお願いねっ」

フェル子「はいっ、戒める枷(レージング)!」シャキーン

シュヴェルトライテ「どうするつもりなんだよ! 獣に掴まったところでまた暴れるだろ!」

理樹&科乃合体形態【理樹】「作戦は続行です、まぁ僕を信じてください」

クー子「……虎みたいなの、倒しちゃったけど作戦に支障ないよね?」

四大守護獣風の化身「」チーン

理樹&科乃合体形態【科乃】(強っ)

理樹&科乃合体形態【理樹】「獣達のが暴れる期間が短くまだ体力も残ってますし大丈夫だと思います、たぶん」

クー子「……?」

フードマンの神威達「「「ギャオオオオォォォ!!!」」」

理樹&科乃合体形態【理樹】(来ましたね)

理樹&科乃合体形態【理樹】(フードマンの神威は術者がいない今、単純な事しか出来ない)

理樹&科乃合体形態【理樹】(おそらく命令は僕達を襲う事、他の人に対しても危害を加えていましたが、それはおそらく僕達を見つけられず、襲う事を優先した)

理樹&科乃合体形態【理樹】(単純な事しか出来ない以上、僕達が謎の獣と一緒にいればフードマンの神威は獣達も一緒に敵だと認識するはず)

理樹&科乃合体形態【理樹】(いかに獣達が賢くても、神威の事は把握していない、獣達が僕達以外を襲う神威の場面を見ていたらさらに好都合)

理樹&科乃合体形態【理樹】(獣達は僕達を襲うフードマンの神威の流れ弾に当たり、敵と認識、最初の作戦通り敵同士で戦わざるおえなくなります)

理樹&科乃合体形態【理樹】(ありがたい事に獣達は大きく動きも大振り、避ける事に集中すれば獣達の死角に入りその間に獣か神威のどちらかが倒れるでしょう)

理樹&科乃合体形態【科乃】(心の中でドヤ顔で説明してるけど神威の特性に気付いてこの作戦に切り替えようと心の中で先につぶやいたの、私だよ)

理樹&科乃合体形態【理樹】(ドヤッ)ドヤッ

理樹&科乃合体形態【科乃】(改めてドヤ顔しないでね)

理樹&科乃合体形態【科乃】(とにかく今は獣達にしがみついて、敵同士で戦わせる事に専念するわ)

理樹&科乃合体形態【科乃】(それとさっき言ってた保険の様子頼むわよ)

理樹&科乃合体形態【理樹】「わかってますよ、うまくいくかわかりませんが)

クー子(……あれ、これ巨大化してるシャンタッ君に蹴散らしてもらった方が早くない?)

健彦「ぜぇぜぇ……」

ニャル子(動きが遅くなりました、そろそろ体力の限界でしょうか)

ニャル子(かく言う私も生体時間加速(クロックアップ)が出来なくなるほど体力を使い果たしてしまいました)

健彦「……また……出来てたか……」チボァ

ニャル子(先ほども出したエネルギー玉!)

真尋(ニャル子、あの玉は余市の溢れた強さによって出来たものだ、イースの偉大なる種族から聞いた!)健彦の死角となる場所に潜んで伝えている

ニャル子(真尋さん!)

真尋(爆発を止める術はない、あれが今から最低でも3つ出てくる、さっきのように月まで吹っ飛ばしてくれ)

ニャル子(ちょっ今の体力じゃ正確に打つ事すらままならんですよ! あーもぅ、クー子の機動砲台がもうちょいちゃんとしてくれれば体力残ってましたのに!)

真尋(そんな事言ってる間に第一球目が来るぞ!)

ニャル子(ほんにゃろー! 野球回があるSSは良作である事を証明してやりますよー!)


※野球は屋外でやりましょう

理樹&科乃合体形態【理樹】「獣達強いですね、フードマンの神威をすべて蹴散らしてくれました」ゼェゼェ

フェル子「でも……わたし達も結構ピンチですよ……」ゼェゼェ

理樹&科乃合体形態【科乃】「そうね、再生能力のせいで私達の神威絶招(レギンレイヴ)じゃ効果がないし」

フェル子「わたしの屠竜赫怒(グラム)の神威絶招(レギンレイヴ)なら吹っ飛ばせる可能性もありますが……倒れてる一般人も巻き込まれてしまいますし」

理樹&科乃合体形態【理樹】「そうだ、再生能力がある相手には剣子さんの名剣(笑)(フルンティング)とダインの遺産(ダーインスレイヴ)の合体、背釖螺旋(フルンスレイヴ)で――」

シュヴェルトライテ「ダーインスレイヴは元々人から借りてた奴でさ、元の持ち主に返しちまった……」

理樹&科乃合体形態【理樹】「え、あなた借りた物を返すタイプの人だったんですか?」

シュヴェルトライテ「どういう意味だコラ!」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

理樹&科乃合体形態【科乃】(皆そろそろ限界が近そうだし奥の手使っちゃう?)

理樹&科乃合体形態【理樹】(そうですね、危険な賭けですし体力が残ってるうちに――)

クー子「……?」

真尋(最低三個って話とはいえ、もう五球目じゃねぇか)

ニャル子(英語で言うとバッターチェンジ、真尋さん、後はお願いします)ゼェゼェ

真尋(無理に決まってんだろ! 月まで飛ばせねぇよ!)

ニャル子(このバールのようなもの、ちょっと改造してありまして、うまく当たれば自動的に月まで吹っ飛ぶようになってます)

ニャル子(今の私じゃもうまともに打つ事出来ませんしお願いします、主人公らしい所を見せてください)

真尋(でも遊びでしか野球したことねぇよ)

ニャル子(いつも真尋さんのバットで私を打ち込んでるんですから大丈夫ですよ!)

真尋(その理屈はおかしいだろ!)

健彦「いくぞ! 妖怪フォーク爆買い男ーー!」ピューン

真尋(くっそーーー!)ブンッ

ニャル子(ストラーイク!)

ドッカーーン

真尋(無理無理)ガクブルガクブル

ニャル子(大丈夫大丈夫)

真尋(フォークないと普通の人間)

ニャル子(私と渡り合ってる、その事実、すでに人間の範疇にあらず)

真尋(ストライクした球、爆発、怖い)

ニャル子(大丈夫、信じて)

真尋(何を信じてって……あ)

健彦「妖怪フォーク爆買い男」

真尋「……」

健彦「おそらくこれが最後の一球」

健彦「この一球にすべてをかける」

健彦「田中、田中の弟妹、斉藤さん、ニャル子さんが転校二日目の時に声をかけた女子生徒さん、セットで付いてきた中学生」

健彦「俺のために犠牲となり殺された仲間達のために、おめぇを決して這いあがれない地獄のド底辺に突き落とす!」

真尋(殺ってない殺ってない)

健彦「くたばれーーー!!」ピュン

真尋(いやいや本当にどうする! 外れたら最悪死ぬ可能性も!)

真尋(だが何もしない訳には、でもフォークでもないのにどういう感覚で振ればいいんだ)

真尋(ニャル子のバールとはいえ、ニャル子を信じる事は出来ても僕自身の技量に依存するバールを信じる事は出来ないだろ)

健彦「……」バタッ

真尋(余市が倒れた……つまりこれで本当に最後……これさえ成功すれば……フォークをまとめ買いしてすべて終わるんだ……)

真尋(だが対してうまくないバッターとしての自分も信じる事なんて……)

真尋(……それなら自分がもっとも信じるに足る行動をすればいいのか)

理樹&科乃合体形態【理樹】(僕達は閃輝櫟弓(イチイバル)で狙いを定めていた)

理樹&科乃合体形態【科乃】(先ほどのフードマンの神威と獣を戦わせた策と対して発展しない類似した策、その手段は……あの巨人に獣と戦わせる事だった)

理樹&科乃合体形態「「射止めませい(エイワズ)――閃輝櫟弓(イチイバル)!」」


結太「馬面蝙蝠! おめえは俺の唯一の希望を蟻んこのように容易く踏みにじった、無自覚で蟻んこを踏みつけるようにお前が無自覚なのはわかってる」イチイバルザクッ

結太「だが悪意もなく善意もなく押し付けがましい我侭もなく、例えそれが摂理であろうと俺は抗い続ける、草食動物が肉食動物に抵抗するのは至極当然」

結太「そして殺しもするだろう、土足で糞がへばり付いている事が常識の鶏の脚で俺の精神を抉ろうとするお前を!」真月譚ドカッ

シャンタッ君「みみみみー!」人間の言葉は理解できるが言ってる事は理解できないため荒ぶるシャンタック鳥のポーズでとりあえず威嚇

サクヤ「前々から思ってましたが兄様って身長関連で性格変わりますね」

カグヤ「それはそうと今ユータに弓のようなものが刺さらなかったか?」

サクヤ「気のせいじゃないですか?」

サクヤ(あれ、四大守護獣と戦っている貧乳、古本屋で出会ったあばさん2人じゃ――)


理樹&科乃合体形態【科乃】(反応すらないわね)

理樹&科乃合体形態【理樹】(巨人さんが怒ってこっちに来ると計算していましたが思いのほか気長ですね)

理樹&科乃合体形態【理樹】(フェル子さん達が獣達を止めていられる時間はそう長くありません)

理樹&科乃合体形態【科乃】(ここは出し惜しみせずここは神威絶招(レギンレイヴ)ね)

理樹&科乃合体形態「「ユーダリルデストラクション!」」


サクヤ「……アレなんですか――」

カグヤ「え――」


理樹&科乃合体形態【理樹】(光の枝が一斉に降り注いだのと同時に2人の女の子の悲鳴が響いた)

理樹&科乃合体形態【科乃】(おーがみ君……)

理樹&科乃合体形態【理樹】(え、僕のせいですか? でも巨人の近くにいましたし、おそらく仲間でしょう)

理樹&科乃合体形態【科乃】(つまり私の手柄だね)

理樹&科乃合体形態【理樹】(責任だけおしつけて手柄だけ横取るなんて酷い、おっぱい触らせてください)

理樹&科乃合体形態【科乃】(ガンドしているこの身体の状態で触ったら? 衣装と髪色は私ベースだけど身体はおーがみ君ベースのこの身体で)

理樹&科乃合体形態【理樹】(それじゃ遠慮なく――痛い痛い科乃さんにも痛覚通じているんですから自分の指をあらぬ方向にするの痛い痛い)

理樹&科乃合体形態【科乃】(今はそんな事してる暇じゃないでしょ、ほら、巨人を見て!)

理樹&科乃合体形態【理樹】(なんという理不尽、あれ?)


結太「死にさらせ!」真月譚ドカッ

シャンタッ君「みみみっ!」キックドカッ


理樹&科乃合体形態【科乃】(完全にダメージ受けたはずなのに見向きもしないね)

理樹&科乃合体形態【理樹】(そうですね……巨人のほうからは何か死よりも恐れ切羽詰った焦りすら感じられますが僕達の力では逆撫でにすらならないほど、己の道に進んでますね)

理樹&科乃合体形態【科乃】(この作戦あきらめるか)

理樹&科乃合体形態【理樹】(そうですね、神威の回収はフェル子さんと剣子さんがやってくれましたし、獣達は神威じゃないから倒す必要もないと)

理樹&科乃合体形態【科乃】(戒める筋(ドローミ)で獣を縛ってあとは皆で逃げちゃお)

理樹&科乃合体形態【理樹】(後の事はお店の人に任せますか、あの獣もどっかの動物園から脱走したんでしょう、以前フェル子さんと馬子さんで動物園に行った時はそんな動物いたような気がしなくもないような気がしますし)

理樹&科乃合体形態【科乃】(火噴いたり水吐いたりまったく見た事のない獣だったけど、世の中には鉄の鱗を持つ貝もいるし、単に珍しすぎて私達が知らない動物かも)

理樹&科乃合体形態【理樹】(あそこに巨人と戦っているハス太さんのペットに似た馬蝙蝠がいますしそうかもしれませんね、そうじゃなくても神威じゃない以上僕達の専門外です)

理樹&科乃合体形態【科乃】(そうそう……ん? あの発光してる玉は何?)

理樹&科乃合体形態【理樹】「え?」

ニャル子(フォークの使用を十八番(オハコ)にしていた真尋さんも――)

ニャル子(追いつめられていたんでしょうね)

ニャル子(最後の最後――)

ニャル子(最も信頼に足るバットとして使用したのは己の脚力でしたよ)

ニャル子(私がそれを初めて見て懐かしささえ感じた――)

ニャル子(――0フレームの上段回し蹴り――)

真尋「キャオラァッッ!!」カッキーン

八坂真尋から放たれた0フレームの上段回し蹴り

脚の動き、腰の回転、速さ、重さ、タイミング

八坂真尋が行なった行動はすべて完璧であり非の打ち所がない

しかしそれでもなおエネルギー玉を飛ばすには完璧でなかった

何故か

真尋がニャル子の下へ向かうときハス太は身を案じて少ない体力を振り絞り、風の鎧を真尋に身にまとわせていた

真尋はそれに気付かず、0フレームの上段回し蹴りの際

風の鎧によりエネルギー玉に無駄な回転を与えて予測していた方向とは別に飛んでいった

結果

裕太「ぐはっ!」ドカーン

シャンタッ君「みみっ!?」

巨大化した支倉結太に掠りその部分だけ爆発した

結太「」バタッ

エネルギー玉は半分の大きさになり自身の爆風で跳ねた

理樹&科乃合体形態【理樹】「爆弾らしき物ががこちらに向かってますよ! フェル子さん、剣子さん、逃げてください!」

フェル子「え!?」

理樹&科乃合体形態【科乃】「戒める筋(ドローミ)! ……駄目ね、爆弾が早くて捕らえられない」

四大守護獣達「「ガオオオオオォォ!!!」」

理樹&科乃合体形態「「戒める筋(ドローミ)!」」ジャラン

フェル子「戒める枷(レージング)!」シャキーン

四大守護獣達「「ギャオ!?」」動きを封じられた

理樹&科乃合体形態【科乃】「爆発の巻き添え食らってね、ちなみにおーがみ君のアイディアだよ」

理樹&科乃合体形態【理樹】「科乃さんひどーい、人に罪を擦り付け――」

四大守護獣水の化身「カメーーー!!!!!」水ドバー

理樹&科乃合体形態「「あっ」」水に足を取られて転ぶ

シュヴェルトライテ「!!」

クー子「……っ、間に合わない!」

フェル子「リキ! シナノ!」

         ,イ.| ̄i| |i ̄ ̄|i>。.
        / i|!|i才| |斗-=ミs、i| |>。.
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     /斗´  i||i-‐ |!|i ̄ ̄`ヽ |ij{’ヽ.|i  `'守
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    .|i  |i   |i_三ニ|i ̄ ̄`ヽi!.|i  `i|*。..|  {      `ヽ      }、` ト 、     _|
    .|i  |i-三.|i _ニ|i―ニミヽ .|i`ト、..i| `.i|  人__      }   Tヽイ ≧=-      ○ ギャァァァァ
    .|i  |i_.=-.|i ̄ !|i     `ヽ|i` 、...i|i、  |  |i /i|`ト、 _,. ´   / ヘ ヘ          ↑
    .|i=-|i   |i   !|i__   !|i>...!i| `i!|  |i' |iヘ  Y ̄`ヽ ̄   ヘ^丶  神威の反応に気付いて駆けつけたヴァルトラウテ
    .|i  |i_-ニ!|i-ニ .|i ̄ ̄> !|i    |`'守| /` |i  ー'ト  i| ヘ     j
    .|i..,x|i   |i   !|i__   !|ト  .|  !|./`ト.|i>。 | >i。. ヽ   _/
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       ヽ二ニ<___,,...... -…=ニイ!ヾヽ         _/\/\/\/|_
        ノ//, ハ    ;    !| ,ミヽ         \          /
      / く  ,′;     :   ; | ゝ \       <   理樹殿!  >
     / /⌒ `ー--- .....____从⌒\ \    /          \ 
     (   ̄ ̄⌒          ⌒ ̄ _)    ̄|/\/\/\/ ̄

      ` ̄ ̄`ヽ           /´ ̄

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         /           ∠_
        |    f\      ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_   ) 
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     _ノ /              ,ノ 〈
    (  〈              ヽ.__ \ 
     ヽ._>              \__)

フェル子「ロスヴァイセ!?」

ロスヴァイセ「理樹殿大丈夫か!」

理樹&科乃合体形態【理樹】「馬子さん? 助けてくれたんですか、ありがと――あれ、鎖頭巾の神威はどうしたんですか?」

ロスヴァイセ「いかんいかん、忘れてた」鎖頭巾の神威使用

科乃「私の心配もしてよ」合体解除

理樹「しかしどうしてここに」解除

ロスヴァイセ「強い神威の反応がしたのでな、しかも絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)が一切展開されぬ異常事態に優勝式が終わってから急いでかけつけたのだ」

シュヴェルトライテ「そういえば絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)が一切仕事してなかったわね、どうして?」

理樹「絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)でフードマンと戦ってたらいきなりこちらに戻ってしまい……」

ロスヴァイセ「フードマンの仕業でこんな事に……」

フェル子「それも違う可能性があります、フードマンの神威の反応でこっちに来たんでしょうけど絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)から急にこっちの世界に戻った時フードマンもあからさまに驚いてしかも眼鏡の男の人にふっとばされてどっかいっちゃいました」

理樹「しかも眼鏡の人、天輪人王を倒して振り回してました」

シュヴェルトライテ「それあたしも初耳だけど、理樹のほかにまだ神威を扱える男もいたの?」

フェル子「そういう事になります」

科乃「気絶した神威を振り回す事は神威を扱える事にならないよ」

フェル子「結局ここの被害の半分以上は神威以外が原因のようです、こちらの世界に戻ってきた時からすでに惨事でしたし」

理樹「僕達が戦ったのは主に神威じゃない謎の獣でしたからね、結局何なんでしょう、あの眼鏡の人や厚着をした人も何だったのか」

クー子「……」

理樹「……ところで話は変わりますが馬子さんが持ってるトロフィーは何ですか? さっき優勝式とか言ってましたし」

ロスヴァイセ「思い出すだけで涙が……鎖頭巾の神威を落としてしまい探していたらいろいろあって馬のレースに参加させられていたのです」

科乃「何がいろいろあったのよ」

ロスヴァイセ「辛い試合でしたが遠くで応援してくれる理樹殿のおかげで優勝できたのです!」

理樹「してませんしてません」

ロスヴァイセ「あぁ、瞼を閉じれば今でもその時の様子が浮かびますぞ」

~~~~~

ロスヴァイセ「優勝したぞおおおぉぉぉ、うおおおおぉぉぉぉ!」

シゲ「畜生! また外れた! 一頭だけ二足歩行がいるってどういう事だよ! せめて騎手乗せろ騎手を!」

~~~~~

ロスヴァイセ「あれ、理樹殿はどこらへんで応援していたのだ?」

理樹「応援してませんよ」

ロスヴァイセ「ところでその女子、神威の反応が一切ないが何者だ?」

クー子「……」ギクッ

理樹「そういえばハス太さんと一緒に絶対騎行圏(ヴィーグリーズ)に入ってましたね」

フェル子「どうやって入ったんですか?」

クー子「……えーと……ちょっと調子悪くて入っちゃった」

ロスヴァイセ「他にまともな言い訳が思いつかなかったのか」

シュヴェルトライテ「おい、こんな時にのんきに買い物してる奴がいるぞ」

科乃「え、本当だ……あれってまさか」

理樹「し 知っているんですか、科乃さん!」

科乃「友佳から聞いた事はある、おそらく妖怪フォーク爆買い男!」

クー子「」←出来る限り他人の振りをしたい

真尋「よし、カゴの中にフォークをつめこんでと」

ニャル子「それでは結界を解除しますね」

真尋「お会計お願いしま――」

不良「かしこまり!」←アルバイト

真尋「」

不良「……!? 店内がテロでも起こったのかってほど破壊されてね?」←結界のせいで気付かなかった

真尋「ははは、気のせい気のせい」

不良「いやいやいやいや、現実現実、焦げ臭いしガラス割れてるし人倒れてるし……?」

不良「あれ、その声はハス太が住んでいる家の――」

真尋「邪ッッ」0フレームの上段回し蹴りドカッ

不良「」バタッ

ニャル子「真尋さん、どうされたんですか、気でもふれました?」

真尋「こいつハス太の知り合いで、バレそうだったもんで反射的に……」

ニャル子「その理由は引きますよ」

真尋「とにかく早く済まそう、店員が気絶してるしお金だけ置いて帰るか、三万円で足りるはず、それと蹴ったお詫びにアロエを置いておこう」

ニャル子「何でアロエ持ってるんですか」

真尋「早く帰るぞ、結界を早く頼む」

ニャル子「バッドタイミングで壊れました」

真尋「ウィザードリィステルスがあるだろ」

ニャル子「よく覚えてましたね」

真尋「クー子達は……おそらく無事だろ、とにかく今はフォークを持ち帰る事が最優先だ、行くぞ」

ニャル子「あいあいさー!」

理樹「つけ髭をした厚着の人、クー子って言いましたがあなたの名前ですよね」

クー子「」

フェル子「神威の反応はありませんでした」

科乃「神威と関わりがない以上私達の専門外だけど……妖怪フォーク爆買い男とどういう関係?」

理樹「ついでに炎を操れる理由もおしえてくださいっ♪」

クー子「……ねぇ」

シュヴェルトライテ「何だよ、質問に答えろよ」

クー子「……キャラが被ってる、ハスターくんも食いしん坊キャラの地位を奪おうとするし何の嫌がらせ?」

シュヴェルトライテ「かぶってねぇよ、髪色が同じだけだろ、頭にワカメつけてる奴なんかと被りたくないわ」

クー子「……ワカメじゃなくて普通の髪ゴム」

ロスヴァイセ「で、結局何者なんだ」

クー子「……勘弁してよぉ」

理樹(あの声と、ハス太さんの幼馴染のクー子さんに関わりがあるという事はほぼ確実に妖怪フォーク爆買い男は八坂真尋さんでしょう)

理樹(……闇が深そうだしそっとしておきますか)

※奇跡的に死亡者も商品の損害も0でした

八坂家

頼子「あら、今日のフォークは一段と質が良いわね」

真尋「これで一ヶ月はフォークに困らなくて済むな」

ニャル子「その量で一ヶ月しか持たないんですかそれ」

真尋「邪神の事件がほぼ毎日あればそうなるだろ」

ニャル子「そうですか?」

クー子「……戦乙女(ヴァルキリー)から逃げるの大変だった、罰として今日は少年がご飯をあ~んして」

ニャル子「なぬ! あんたなんかにやらせませんよ! 真尋さん、私も生体時間加速(クロックアップ)が使えなくなるほど頑張ったんですからあ~んしてください!」

シャンタッ君「みみみみぃ~」目キラキラ

ハス太「はははは……」

真尋「え……」

頼子「ニャル子ちゃん達の活躍がなかったら買いにいけなかったんでしょ、いいじゃないそれくらい」

真尋「……今日は苦労かけたしそのくらいしないとな」

ニャル子「やったー!」

クー子「……いぇい」

真尋「ところであのデパートどうなったんだ、爆発とか起きてたが大丈夫か?」

ニャル子「それなら大丈夫ですよ、先ほど緊急のニュースでやってましたけど」

真尋「緊急のニュースになってる時点でヤバくないか?」

ニャル子「そんな事ありませんよ、何でもあの建物の鉄筋が足りなかったらしいんですよ」

真尋「欠陥があったのか」

ニャル子「そのせいで今日の事は、鉄筋が足りなかった事によって起きた事故という事になったらしくて建てた会社の謝罪会見とかやってるようですよ」

クー子「……鉄筋が足りないなら仕方ない」

ハス太「そう……なの?」

真尋「悔い(杭)改めよって事か」

ニャル子「真尋さん……」

ハス太「まひろくん……」

クー子「……寒気に打ち上げられ凍り死んだ魚のようなギャグだね」

真尋「泣くぞコラ」

支倉家

レグジオネータ「若、どうされたのだ、FXで有り金全部溶かす人の顔して」

結太「昨日大変な目にあったはずだが思い出せない、何かあったっけ?」

レグジオネータ「デパートで一部の防犯カメラが機能停止その階の客が全員一時意識不明に陥っていたはず」

結太「……なんで俺はそんな大事件思い出せないんだ」

結太(まだセールは続くはず、シークレットシューズで安いのあるかな)

レグジオネータ「相当なショックを受けて軽い記憶喪失になった可能性が、私は別の階にいましたので平気でしたが」

カグヤ「」

サクヤ「」

結太「……ん? どうした2人とも、お前もFXで有り金全部溶かす人の顔して、サクヤに関しては二度目だな」

カグヤ カグヤ「「月が滅びた」」

結太「へぇ」

妖怪フォーク爆買い男の噂が広まった原因(一部『這いよれ!ニャル子さん』原作9巻参考)


真尋「すっげぇ安いフォークだぜ!」ルンルン

ニャル子「」ガクブル

クー子「」ガクブル


琥太郎「」

理々「早くベル助に頼まれたもの買って帰るわよ!」

琥太郎「今、ものすごい笑顔でフォークを爆買いしてる人いたよっ!」

理々「何言ってんのよ、そんなキチガイこの世にいる訳ないでしょ、何でアニメ版だとこのシーンあたしじゃなくてベル助に差し変わってんのよまったく」

耕平(1回だけでも出番があるだけマシだろ)

ディアナ(わん)

理々(こいつら、直接脳内に!)

喫茶店

理々「そういえばこの前幼馴染がデパートでフォークを爆買いする男を見たとか言ってたわ」

珠緒「へぇ、学校サイトの掲示板に噂流しておこ」


佐藤家

珠緒「デパートに妖怪フォーク爆買い男が目撃されたんだって」

友佳「タマ姉も妖怪スピーカー女として都市伝説作ってるし、そっちもその内都市伝説の仲間入りね」

珠緒「えっあたし都市伝説になってたの?」

友佳「やっぱり自覚してなかったよ」

友佳「今フリーでしょ? その子見つけて都市伝説同士で付き合っちゃえば?」

珠緒「え、嫌だよ、笑顔でフォーク爆買いする明らかに精神状態が壊れたキチガイじゃん、生理的に受け付けないし冗談でも鳥肌立っちゃったよ」

友佳「だよねー」

    _人人人人人人人人人人人人人人人人_
    >      全部珠緒のせい!        <
     ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄




くっ疲
逢空万太作品の主人公の友達ポジションには可愛い幼馴染(主人公)とお互い「あーん」等をしてこれ絶対デキてるよねと思うほどナチュラルにいちゃついたりする子がいれば、彼女持ちで親友(主人公)から愛情たっぷりのお弁当をもらう子もいる
だが余市健彦だけそういうのがなく明らかに不遇、それで活躍させようとしたら少々キャラ崩壊したけどアニメ版でも崩壊していたような気がするから問題ない
それと当たり前のように俺のニャル子SSでは斉藤が女性として書かれておりますが原作で二回しか台詞がない脇役で性別の描写もはっきりしておりません。
原作で普段男子を呼び捨てにしている先生がこの子をさん付けしたため「斉藤さん 女の子説」を推奨して書いております、ご了承ください。



このSSと話が繋がっている「這いよれ!ニャル子さん」以外の逢空万太作品のキャラが時々登場するニャル子SS一覧


田中「お前、ルーヒーと付き合ってるんだっけ?」ハス太「そうだよ」

真尋「ニャル子がいなくなった日々」

真尋「お帰りなさいませ、ご主人様」

ハス太「ぼくが望んだもの」

>>118修正

             、_ 、、 、、 ,.  _
          、二-ニヾヽヾ小〃ィ,/ノ}
         `ブ'゙フ'"´'>ァ辷;zツ ッ,/ノ
            {/ /   ノ,ニ、`Vrく=ミ、
         _/,. ‐'´    _,イ廻jァ {=ニ⌒`
    ┌<_'"_      '´  `二´  V辷ニヽ
    rリ,イ(_)) '"´,ノ ,...       V<⌒ヽ
    〔_辷_,.二=、   /       }ミヽ、
      ,ィ{┬r夊}  ;'         ノ=ニ、
       ヽ二ニ<___,,...... -…=ニイ!ヾヽ         _/\/\/\/|_
        ノ//, / ハ    ;    !| ,ミヽ         \          /
       / く  ,′;     :   ; | ゝ \       <   理樹殿!  >
     / /⌒ `ー--- .....____从⌒\ \    /          \ 
     (   ̄ ̄⌒          ⌒ ̄ _)    ̄|/\/\/\/ ̄

      ` ̄ ̄`ヽ           /´ ̄

           |            |
           ノ           |
          /            ノ   
         /           ∠_
        |    f\      ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_   ) 
        |  |            /  /
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       /  ノ           |   ,'
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     _ノ /              ,ノ 〈
    (  〈              ヽ.__ \ 
     ヽ._>              \__)

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