伊織「インフルエンザ?」 (70)


P「そうなんだ、俺と律子と小鳥さんと社長は大丈夫だったけど」

小鳥「…伊織ちゃん以外のアイドルの皆が全員インフルに罹ってね…」

伊織「やよいはインフルにかかったって聞いてたけど、まさか全員だったなんて……」

P「今、俺と律子で一人暮らしの子を中心に、手分けして回っているんだ」

伊織「そ、そう…」


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小鳥「伊織ちゃん元気出して、皆ならすぐに元気になるわよ」

伊織「小鳥…」

P「そうだぞ、いつもみたいに「インフルにかかるなんて情けないわね!そんなに休みたかったら
  私が永眠させてあげようかしら!?」くらいは言わないと」

伊織「今まで言ったこともない台詞だけど?アンタを永眠させましょうか?」

P「すんません」

伊織「まあ私を元気付ける為に言ってると判断して許してあげるわ」


P「というわけで、俺はこれから響の所に行ってペット達の面倒をみてくるんだ」

伊織「あ~、響のところはペットが多いから辛そうね」

P「まあペットホテルを予約してるから、そこに連れて行くだけなんだがな」

小鳥「プロデューサーさん、マスクと消毒液を持っていくのを忘れないでくださいよ」

P「はい!それじゃあ行ってきます!」


<バタン


伊織「いってらっしゃい……そういえば社長はどうしてるの?」

小鳥「みんなの仕事先に説明しに行ってるわ、私は事務所で電話対応」プルルル ガチャ

小鳥「はい、お電話ありがとうございます765プロ音無小鳥です!いつもお世話になっております」


伊織「小鳥も忙しそうね……」

伊織「私も今日は仕事が終わったし帰ろうかしら」


伊織(けど、インフルエンザか…みんな辛い思いをしてるんでしょうね……)

伊織(連絡を取るのは……止めた方がいいのかしら…メールで励ますとか……)

伊織(でも病床に伏してる時にどんな文章を打てばいいのか……)

伊織(とりあえず、みんなの現状がわかればいいんだけど)

伊織(…そういえば皆ブログやツイッターをしていたわね)

伊織(更新してないかもしれないけど確認してみよう……)ピッピッ

伊織(まずは春香……あ、ツイッター更新してるわね)


春香@haruharu 57分
えへへインフルエンザにかかっちゃいました~


春香@haruharu 56分
ちょっとしんどいけど頑張って早く治すね


春香@haruharu 56分
わたしファイト~~!



伊織「前向きであざとくて可愛らしいわね、春香らしいわ」

伊織「これを見る限りでは元気そうだけど……」



春香@haruharu 42分
さっき熱を測ったら38.1℃…少しだけ下がりました~


春香@haruharu 41分
この調子で熱を下げていこう!



伊織「そういうわけでもないわね……」


春香@haruharu 30分
今日のお昼はおかゆとお豆腐温泉卵


春香@haruharu 29分
本当は食欲があまり無いんだけど……


春香@haruharu 29分
体力つけなきゃ治らないから完食!ご馳走様でした



伊織「ふふ……春香ったら」



春香@haruharu 25分
あ~少し熱下がった気がするからもう一回熱を測ります


春香@haruharu 23分
気のせいでした…


伊織「…………」


春香@haruharu 22分
38.3℃……まずい少し上がってる


春香@haruharu 21分
食べたあとだから熱が上がっただけだと予想


伊織「…………」


春香@haruharu 20分
いま測ったら多分下がってるよね……


春香@haruharu 20分
どうしようかな…もう一回測ろうかな……


伊織「…………」


春香@haruharu 18分
う~~~~~~~~~ん


春香@haruharu 17分
よしもう一回測ろう!


春香@haruharu 14分
38.3℃……やっぱり変わってない



伊織「…………」






春香@haruharu 7分
さっきの検温に納得いかなかったのでもう一回測りますね!


伊織「寝ろ!!!」


伊織「何回熱を測れば気が済むのよ!?」


春香@haruharu 4分
38.2℃少し下がりました!


伊織「誤差!それ誤差の範囲だから!!」

伊織「というか、春香のツイッター…朝からずっと呟き通しじゃない……」

伊織「病気の時くらい休みなさいよ……」

伊織「これもある意味プロ根性っていうのかしら……」


伊織「次は亜美と真美のツイッターね」


亜美真美@amami 1時間
う~体が苦しいYo(。・ω・。)(亜)


亜美真美@amami 1時間
インフルにかかるとは不覚なり!(真)



伊織「ツイッターは二人で共有しているのね…」



亜美真美@amami 1時間
家に篭ってるのは暇でしょうがないね(亜)


亜美真美@amami 1時間
昨日ゲーム機取り上げられたから娯楽がないYo(真)



伊織「この二人はまだ余裕ありそうね」


亜美真美@amami 1時間
とりあえずお腹がすいたのでご飯を食べます(亜)


亜美真美@amami 1時間
今日のお昼は真美たちのリクエストにママが答えてくれました(真)



伊織「食欲はあるのね、良かったわ」



亜美真美@amami 1時間
体調が悪い時にはこれが良いって聞いたので頼んだよ(亜)


亜美真美@amami 1時間
それではいただきま→す(^▽^)(真)



伊織「へえ、どんな食べ物かしら……あ、写真もあるわね」



伊織「って、参鶏湯じゃない!?」



なんで体調が悪い時にサムゲタンなんだよ!!

そこはおかゆだろ!?

なに?病人馬鹿にしてるの?

この双子を許すな!!



伊織「あああ、炎上してるし……」

伊織「あの二人なにをやってるのよ」プルルプルル

伊織「ん?LINE?」ピッ



マミ
炎上しまちた(´;ω;`)

アミ
いおりん助けて(つд⊂)



伊織「知らないわよ!!」ポチポチ


マミ
出来心だったんです(;´Д`)



伊織「まあ確信犯でしょうね」



アミ
まさかここまで炎上するとは思いませんでしたごめんなちい・゜・(ノД`)・゜・



伊織「私に謝っても仕方ないでしょ…」ポチポチ



マミ
これどうやって謝ったらいいの?(´-ω-`)



伊織「それは自分たちで考えるなり、調べるなりしなさい……」ポチポチ



アミ
わかったYo…


マミ
頑張って調べる…


伊織「はぁ…あの二人は本当にもう……」

伊織「次は……真のを見てみようかしら……」

伊織「……あら?ツイッターもブログも更新されてないわね」

伊織「まあ当然と言えば当然ね、体調が悪いんだもの」

伊織「特に真なんて普段病気にかかりにくそうだし、患った時はかえって酷そうね」

伊織「とりあえず、差し障りのない文章を送っておきましょう」

伊織「お身体の調子はいかがでしょうか………」ピッピッ


伊織「………体調が良くなられたら、会いたいです……っと」ピッピッ

伊織「意外と長文になったわね……まあいいわ、送信」ピッ

伊織「…………」

伊織「………なんか今になって恥ずかしくなってきたわね」

伊織「……最後の『会いたいです』は書かないほうがよかったかしら……」

伊織「いや、もう送っちゃったし…どうしようもないけど……」

伊織「………」プルルプルル

伊織「ん?今度は電話……げ、真から……」プルルプルル


伊織「はい、もしもし…」

『…………』

伊織「もしもし?真でしょ?」

『……うん、そうだよ伊織』

伊織「元気ないわね……って当然か、身体の方は大丈夫なの?」

『……大丈夫だよ伊織、それよりもさっきはありがとね』

『こんな駄目駄目な僕にあんなに優しいこと書いてもらって……』

『とっても嬉しかったよ……』


伊織「べ、別にあんなの普通よ!社交辞令よ!てか、キャラが雪歩と被ってるわよ」

『へへへ……』

伊織「むぅ…そ、それでわざわざ電話して、なんの用かしら?」

『…用なんてないよ……ただお礼を言いたかっただけさ……』

伊織「お礼って……そんなの……」

『本当に……本当に嬉しかったんだ………伊織が…僕のこと……うっ』

伊織「ちょ……真?」

『いつも…口喧嘩してた伊織に……会いたいですって言われて…………』


『……………………グスン』

伊織「!!?」


伊織「…………」

『えへへ……ごめんね……迷惑だったよね……グス』

伊織「…………」

『僕ね……風邪とかインフルとか……普段全然かからないから……』

伊織「…………」

『…駄目だね……少し熱が出たくらいで……こんな……僕らしくないよね……』

伊織「…………」

『時間をとらせてゴメンね…社交辞令でも嬉しかったよ……』

伊織「…………じゃない」

『え?』


伊織「社交辞令じゃないわよ……」

『伊織……』

伊織「私以外全員が休んでさ……」

『…………』

伊織「寂しくないけど……寂しくない……けど………静かなのよ…事務所が……」

『…………』

伊織「……だからさ」

『…………』

伊織「…早く…元気になりなさいよ……」


『うん……ありがとね、伊織…なんか元気が出てきたよ』

伊織「………うん」

『うん、よく食べてよく寝て早く治すよ』

伊織「うん……」

『そろそろ切るね……』

伊織「……うん」

『また事務所で、それじゃあ』ブツッ

伊織「………」ツーツー


伊織「…………」




伊織「…………」




伊織「…………………あ」



伊織「ああああ!なに言ってるのよ私ぃ!!」

伊織「でも、あれは駄目でしょ!あんな弱気な真は駄目でしょ!!」

伊織「こっちの調子が狂うわよ!」

伊織「ああああああああああああああああああ!!!」


小鳥「い、伊織ちゃん!?落ち着いて!!」


伊織「はあ…はあ……はあ………」

小鳥「伊織ちゃん…だ、大丈夫?」

伊織「…大丈夫よ……少し取り乱しただけだから」

小鳥「それならいいんだけど……」

伊織「それよりも聞きたいことがあるんだけど……」

小鳥「なにかしら?」

伊織「人の記憶を消し去る方法が知りたいの、やっぱり頭を殴るのがいいのかしら?」

小鳥「うん、大丈夫じゃないわね……伊織ちゃん、貴女は全然大丈夫じゃないわ……」


小鳥「はい、伊織ちゃん……オレンジジュースよ」コト

伊織「ありがと…小鳥……」ゴクゴク

小鳥「…………」

伊織「…………」


小鳥「…………」

伊織「…………」


小鳥「…え~っと……」

伊織「…………」


小鳥「そ、そういえば律子さん!今は美希ちゃんの家にいるんだって」

伊織「…美希?美希は実家暮らしでしょ?なんでまた?」

小鳥「ふふ、それがね…美希ちゃんの家族さんが全員出かけててね」

伊織「ふんふん」

小鳥「寂しくなって律子さんに電話したんですって……」

伊織「………」

小鳥「ふふふ、それで律子さんが家まで行ったってわけね」


伊織「そ、そうなの……」

小鳥「美希ちゃんも寂しいからって……まだまだ子供ねぇ」

伊織「そそそ、そうね」ダラダラ

小鳥「でも伊織ちゃんはそんなこと……」プルルルプルルル

伊織「小鳥!電話が鳴っているわ!」

小鳥「あ、本当ね…はい、お電話ありがとうございます765プロ音無小鳥です!」ガチャ

伊織「ふぅ……」


伊織「気を取り直して、次に行きましょう」

伊織「真のことは……また後で考えればいいわ」

伊織「いざとなれば……殴るのは怖いわね、色んな意味で……」

伊織「…………」

伊織「電気ショックとか………」

伊織「……………」

伊織「……雪歩はどうしているのかしら?」ピッ


伊織「ブログもツイッターも更新なし……」

伊織「まあ雪歩は両方ともあんまりしないけどね…」

伊織「ん~……真の時みたいにメールを送るべきか……悩むわね」

伊織「ん?着信?」プルルルプルルル

伊織「………雪歩から?」プルルルプルルル


伊織「……………」プルルルプルルル


伊織「……………」プルルピッ


伊織「はい、もしもし?」


『…伊織ちゃん?い、今どこにいるの?』

伊織「今って…事務所だけど?」

『そうなんだ……良かったぁ』

伊織「良かったって…なにかあったの?」

『実はね…さっきいきなり伊織ちゃんっぽい天使が現れて、
 私を天(ソラ)に連れて行こうとしたから……ビックリしちゃって』

伊織「雪歩の発言に私はビックリしているわ」


『伊織ちゃんすっごく怒ってて……全身いたるところから光が輝いててね……』

伊織「私が怒ったら全身いたるところから光が輝くみたいに、言わないでくれる?」

『私の手を引いて連れて行こうとするの……必死で抵抗したんだけど天使様には敵わなかったなぁ』

伊織「まあ天使だしね…よくわかんないけど」

『でも、その時ね……』

伊織「え?まだ続くの?」


『私が偶然手にとったノートをイオエルに投げたんだ……』

伊織「イオエル?イオエルってなに?」

『それがイオエルに当たった瞬間、天使イオエルは突然苦しみ出して消えていったの……』

伊織「あ、イオエルって私によく似た天使のことか…」

『そんなことがあって伊織ちゃんに電話したの……万が一、伊織ちゃんがイオエルだったら
 伊織ちゃんを消し去ってしまったかもって怖くなって……』

伊織「何故かしら、私とイオエルは無関係なのに心が悲しくなるのは……」

『でも、伊織ちゃんが無事でよかったよぉ……』

伊織「あ~…うん、心配……してくれたのよね?」


『もちろんだよぉ……私、心配で心配で……』

伊織「そ、そう……」

『うん!』

伊織「…………」

伊織「……ねえ、雪歩」

『なに?』


伊織「雪歩…寝てないでしょ」

『えへへ……実は昨日から一睡もしてないんだ~』

伊織「寝ろ!!」


伊織「インフルにかかっているのに何やってんのよ!」

『なんだかね……悪寒と発熱と関節痛に侵されるとね……浮かんでくるの…詩が……』

伊織「詩?歌詞じゃなくて、詩?」

『うん、詩が浮かんでは消え浮かんでは消え……まるで雪のような儚さで
 私の頭の中を舞い上がっているの……まるで雪のような儚さでね』

伊織「なんで2回も同じことを言うの?」

『だから私は眠るわけにはいかないの!
 この清く儚く美しい言葉たちを一文字でも多く書き記さないといけないから!』

伊織「あ、はい」

『うふふ………この私の詩集が完成したら…伊織ちゃんに一番に見せてあげるね』

伊織「あ、結構よ」


『イオエルは偶然掴んで投げた詩集ノートに当たって……消えてしまったでしょ?』

伊織「あ~ノートって詩集のことね……」

『伊織ちゃんに見てもらうことが……
 それが、結果的にイオエルを消し去ってしまった……私ができる精一杯の償いだから……』

伊織「それって、償ってるの?嫌がらせじゃないの?
   苦しんで消えたのよね?そのノートって多分闇属性よ?」

『ああ!また新たな詩が舞い降りてきたよ!あは、あははは!』

伊織「雪歩!?」

『大丈夫…1つ残らず書き記しておくからね………それが私の天命だから……』

伊織「………」

『ふふふ……もうすぐ…もうすぐ完成だからね………楽しみに――』ブツッ




伊織「…………」プープー



伊織「…………」ピッピッピッ

伊織「…………」プルルルプルルル ガチャ

伊織「もしもし、萩原さんのお宅ですか?」

伊織「私、雪歩さんと同じ事務所の水瀬伊織と申します」

伊織「はい…はいそうです……雪歩さんにはいつもお世話になっております」

伊織「それでこの度ご連絡させてもらったのは……雪歩さんのことで……はい」

伊織「どうも雪歩さんですが、昨日から一睡もせず…変な…書き込みをしているようで……」

伊織「…はい、そうです……どうやら幻覚も見え始めてきたようで……妄言も…はい」

伊織「至急、どこかに隔離……いえ、保護していただくよう……」

伊織「はい……はい…よろしくお願いいたします、それでは…」ブツッ


伊織「……うん、忘れよう」

伊織「記憶から消したいけど、殴るのも電気も嫌だし、頑張って忘れることにしましょう……」


伊織「次は…あずさにしましょうか」ピッ

伊織「ツイッターが更新されているわね、どれどれ……」



あずさ@azuazu 30分
いまから病院に行ってきま~す



伊織「行くなーーーーー!!」


伊織「絶対に迷うに決まってんでしょうが!!」

伊織「いやでもタクシーを使ってたら…」



あずさ@azuazu 25分
他の人に伝染したら怖いので自分の車で行きます~



伊織「ああ、駄目ね!一番良くないパターンね!!今頃他府県に……」



あずさ@azuazu 5分
病院に着きました~



伊織「えぇ!着いたの!?いや…いいんだけどね!」


伊織「熱のせいで方向感覚が良い意味で狂ったのかしら?」

伊織「なんか納得いかないけど、まあいいわ」

伊織「あずさは大丈夫そうだし…次は貴音か千早か……」

小鳥「伊織ちゃ~ん、電話変わってもらえる?」

伊織「ん?どうしたの?」

小鳥「それが…貴音ちゃんから伊織ちゃんにお願いしたいことがあるって」

伊織「貴音から?なにかしら…」


伊織「はい、伊織よ」

『ああ、伊織……事務所に居てくれて真に良かったです……』

伊織「私に用事なら直接かけてきなさいよ」

『残念ながら、私…携帯電話を所持していないもので』

伊織「あ~そういやそうだったわね……それでなにか用?」

『はい、実はお願いがありまして……』

伊織「お願い?」

『伊織にこのようなことを頼むのは非常に心苦しいのですが……』

伊織「別に構わないわ、聞ける範囲であれば聞いてあげる」


『食料の買出しをお願いしたいのです……』

『病気のため外に出れず買い物もままなりません……』

伊織「食料の買出し?あ~そういえば貴音は一人暮らしだったわね」

『ある程度備蓄があったのですがそれも底を尽きかけて……』

伊織「インフルにかかって1~2日でしょ?備蓄が少なかったのか、それ以上に食べたのか……」

『その両方です』

伊織「両方か~」


『プロデューサーと律子嬢には忙しいのか断られてしまい……頼りは伊織だけなのです』

伊織「なに?あの二人断ったの?」

『はい、お二方共「悪いけど行けない」と言われました……』

伊織「………まあいいわ、どういったものを買ってくればいいのかしら?」

『食べられるものならなんでも構いません……』

伊織「なんでもいいのね」

『……ですが出来れば麺類で……』

伊織「麺類ね」

『…その中でもラーメンがあれば…ありがたいです』

伊織「最初っからラーメンって言いなさいよ!」


伊織「はあ……まあいいわ、ラーメンね」

貴音『はい、ラーメンであればインスタントや生麺どれでも構いません』

伊織「もうちょっと栄養のあるものを食べなさいよ」

貴音『ラーメンがあれば全ての栄養価が補えます』

伊織「ほとんど炭水化物と脂質と塩分だけでしょ」

貴音『ふふふ、……メンマや焼豚、モヤシにナルト……組み合わせは無限大です』

伊織「いや…うん、まあいいんだけどさ…」

>>43訂正


伊織「はあ……まあいいわ、ラーメンね」

『はい、ラーメンであればインスタントや生麺どれでも構いません』

伊織「もうちょっと栄養のあるものを食べなさいよ」

『ラーメンがあれば全ての栄養価が補えます』

伊織「ほとんど炭水化物と脂質と塩分だけでしょ」

『ふふふ、ご冗談を……メンマや焼豚、モヤシにナルト……組み合わせは無限大です』

伊織「いや…うん、まあいいんだけどさ…」


『それではよろしくお願いいたします』

伊織「わかったわ……ところで、1ついいかしら?」

『はい、なんでしょう?』

伊織「貴音って……どこに住んでるの?」

『それはトップシークレットです』

伊織「うん、言うと思ったわ」


『私の住まいはトップシークレット中のトップシークレット
 いかに伊織といえども教えるわけにはいきません』

伊織「プロデューサーや律子にも同じこと言わなかった?」

『はい、言いました』

伊織「その後に言われた言葉は?」

『「悪いけど行けない」と言われました』

伊織「うん、私も悪いけど行けないわ」

『なんと!?』



伊織「なんで驚くのよ……住所もわからないのに、行けるわけないでしょ」

『確かに…私としたことが……こんな初歩的なことに気がつかなかったとは……お恥ずかしい』

伊織「そうね、本当に恥ずかしいと思うわよ」

『仕方ありません……家に備蓄してある食料でなんとか持たせてみせます』

伊織「もう底を付いたんじゃないの?」

『はい、ラーメン類はなくなりましたが
 ど○兵衛や赤い○つねといったうどん系は、10箱ほど残っているので……』

伊織「どんだけ買い込んでるのよ!」


伊織「はぁ……貴音にも困ったものね……」

伊織「そもそも、プロデューサーが所属アイドルの住所も把握してないっていうのはどうなの?」

伊織「まあ、あの調子じゃ飢えることはないでしょ」

伊織「……というか、どんだけラーメンに拘っているのよ……」

伊織「………なんだかラーメンが食べたくなってきたわね、夕食はラーメンにしようかしら」


伊織「さて、残るは響に美希にやよいと千早ね」

伊織「やよいは朝に見舞いに行ったからいいとして」

伊織「美希は律子が、響はプロデューサーが行ったから」

伊織「残るは千早ね」

伊織「千早はツイッターをやっていたわね」ピッピッ




如月千早@aoitori 5時間
蒼い鳥わたしは逝く




伊織「千早!?」


伊織「ちょ……なによこれ!?ど、どうしちゃったの!?」



千早ちゃんどうしたの!?

インフルなんかに負けないで!

逝ったらダメ!戻ってきて!

頑張れ!!



伊織「ほら、ファンの皆も心配してるじゃない」



今は翼を休める時だよ

そうそう元気になったら歌を聞かせてほしい

千早ちゃんに72があったんだ?

おい今なんて言った?



伊織「ん?」


千早ちゃんに対して72とか言うんじゃねえ!

うるせえ!『なに』って打ったら勝手に72に変換するんだよ!

72言ってんだコイツ?

↑お前も72になってるぞ!ふざけんな!!

72という数字はなあ!安易に使っていい数字じゃないんだよ!!

8×9は?

72だよバカ野郎!!



伊織「………」



わかったわかったとりあえず落ち着けお前ら

そうだよ千早ちゃんが苦しんでいるのに俺たちが喧嘩してどうするんだ!

そうだなごめん

悪かったよ

千早ちゃんの安否が気になるな

んで七二があったんだろう?

↑ああああああああああああ!!!!



伊織「………」


伊織「………」ピッピッ プルル

伊織「………」プルルプルル ガチャ

『……水瀬さん?』

伊織「千早?その……体調は大丈夫?」

『まだ熱はあるけど、朝より大分楽になったわ』

伊織「そ、そう?」

『あんなに熱が出たのはいつ以来かしら……
 ブームが去ったとはいえ、インフルエンザはやっぱり怖いわね』

伊織「そ、そうね」

『…ふふ、もしかして心配して連絡をくれたのかしら?嬉しいわ』

伊織「心配っていうか……ツイッターを見てたら怖くなって」

『ツイッター?』


伊織「ええ、でも大丈夫なようで安心したわ」

『ツイッターって……今日は書き込んでないはずだけど?』

伊織「え?」

『もしかして、熱にうなされて変なのを書き込んだのかしら…確認するわ』

伊織「だ、駄目!見ちゃ駄目よ!!」

『……………』

伊織「ち、千早?」

『……………』


『……水瀬さん』

伊織「……はい」

『今までありがとう、さようなら』

伊織「ええええええ!?」


伊織「さようならって……また明日って意味のさよならよね!?」

『また来世って意味のさようならよ』

伊織「そんなさよならしたくないわよ!」

『ふふ、72で争うだけのファンしかもたないアイドルなんて……この現世に必要ないのよ』

伊織「そ、そんなことはないわよ…」

『言い淀んだわね……』

伊織「そんなことないわよ!」

『ふふ、いいのよ別に……さぁ、ロウで固めた鳥の羽で飛び立とうかしら』

伊織「止めなさい!その翼は確実に落ちるから!!」


『ふふ、昔のギリシアのイカロスも飛び立つ前はこんな気持ちだったのかしら……』

伊織「オーケーわかったわ!いまからそっちに行くから!それまで変な気を起こすんじゃないわよ!?」

『こっちに来るの?インフルが感染したら悪いし危険が危ないわ』

伊織「いまアンタを一人にすることの方が危険で危ないわよ!」

『そう……それじゃあ、来る時に羽毛布団を買ってきてもらえるかしら』

伊織「低反発マットレスで我慢しなさい!」

『でも…鳥の羽が……』

伊織「それじゃあ切るわよ!」ガチャ


伊織「小鳥!ちょっと千早のとこまで行ってくるわ!」

小鳥「ええ!?か、感染の恐れがあるからダメよ」

伊織「マスクも消毒もちゃんとするから!行ってきます!」

小鳥「い、伊織ちゃーん!?」


<バタン!






伊織「はあ……今日は疲れたわ……」

伊織「千早のアパートに着くまで気が気じゃなかったし
   千早が部屋でメトロポリタンミュージアムを熱唱してた時は色んな意味でダメかと思ったわ」

伊織「そのあとは、まっくら森のうたや月のワルツを歌いだすし……」

伊織「もう今日は早く帰って寝よう……」プルルプルル

伊織「ん?メール?やよいから…なにかしら?」



ヤヨイ
伊織ちゃんへ

今日の朝お見舞いに来てくれてありがとう!
うつすと悪いから会えなかったけど嬉しかったです。
いま持ってきてくれた桃の缶詰を食べています、とっても美味しいです!
早く元気になって伊織ちゃんやみんなに会いたいです。



伊織「…ふふ」

伊織「メールなんて打ち慣れてないのに…頑張っちゃって……」

伊織「気にしないでっと」ポチポチ


伊織「………」

伊織「私も……事務所のみんなに会いたいです」ポチポチ

伊織「………」

伊織「……送信っと」ピッ

伊織「………」

伊織「ふふ……」






おわり




おまけ



伊織「……そういえば」

伊織「亜美と真美の方はどうなったのかしら」ポチポチ



亜美真美@amami 10分
え~この度は私たちの悪戯で多大なるご迷惑をおかけしたことを



伊織「あ、普通に謝っているわね、良かったわ」



亜美真美@amami 10分
を……おかけ……した…うウウゥ……




伊織「ん?」




亜美真美@amami 10分
ウウハァー誰がデー!ダデニ謝っテモ!オンナジヤオンナジヤオモデェー!ンァッ↑ハッハッハッハーwwwwwwア゛ン!!
このにほんンフンフンッハ アアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!!アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン!
コノァゥァゥ……ア゛ー!… ウッ…!全国のォ兄(c)ダヂにィ
ンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑ンゥッハー↑グズッ笑顔をォ元気をォあげたいィヒィィィィ…
アイドルの問題やないですかぁ…
命がけでッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!アダダニハワカラナイデショウネエ(野)




伊織「やると思ったわ!!あいつら絶対これやると思ったわ!!」




亜美真美@amami 8分
反省してまーす(チッ、うっせーな)(國)




伊織「これは予想外だわ!」


ふざけてんのか!

絶対に許さない!

中学生だからって言っていいことと悪いことがあるだろ

ごめん少し笑った

この双子を絶対に許すな!



伊織「そしてこの反応よ……」

伊織「まあ私も少し笑っちゃったけど」


伊織「……ん?」プルルプルル

伊織「………」ピッ



マミ
また炎上しまちた(´;ω;`)

アミ
なにがいけなかったのかな?(/ω\)


伊織「何もかもいけなかったのよ」ポチポチ



マミアミ
とりあえずいおりん助けて→(>ω<)



伊織「知るかああああ!!」





おわり

ありがとうございました

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