杉下右京「大洗女子学園が廃校ですか」 (42)

ガルパンと相棒とのクロス。オリキャラあり。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459772191

杏「すいません、ちょっと急いでいたので」

右京「いえ、大丈夫ですよ。おや、県立大洗女子学園の生徒さんでもしかすると生徒会長の角谷杏さんですか」

杏「失礼ですが、何で分かったんですか?」

右京「この前の第63回戦車道大会で優勝した際インタビューを受けていたのを、覚えていましたので」

杏「インタビューといっても、主役は西住ちゃん、で、私のインタビューはほんのちょっとしか出ていなかったのを覚えていたんですか?」

右京「そうです、決勝戦でのあの戦いぶりは実に見事でしたので、よく覚えていますよ」

杏「そうですか、ありがとうございました」

右京「所で、なにかお急ぎの用でしたが?」

杏「はい、これから戦車道連盟の本部に向かう所でしたので」

右京「戦車道連盟の本部ですか?何故に?」

杏「それは…」

~説明中~

杏「あのもういいですか?」

右京「構いませんよ」

右京「冠城君、少しおかしいとは思いませんか?」

冠城「おかしいとは」

右京「本来なら来年の3月31日に廃止解体する予定が半年も前倒しになるのは、些か強引過ぎるのでは有りませんか?」

冠城「確かに、おかしいですね。余程の理由がなければそんな事はしませんし、それに2年後に行われる戦車道の世界大会招致の為に戦車道が有る学校は、戦車道に力を入れるべしという通達を文科省から各学校に行われました」


右京「その通りです。そして大洗女子学園が優勝して、その優勝に影響を受けて戦車道の新規参入を表明している学校が確か数校ほど、有ると記憶しています。それなのに」

冠城「その優勝をした大洗女子学園を廃止解体、それも前倒しで行おうとしている。はっきり言って矛盾しています」

右京「どうして、大洗女子学園を廃止解体したいのか、その辺りの理由が分かりません。気になりますよね冠城君」

冠城「確かに、気になりますよね右京さん。細かいことが気になるのは」

右京「僕の悪い癖」

右京「冠城君、文科省に知り合いが居ませんか?その学園艦局長と会って少し話を聞きたいのですが」

冠城「文科省ですか。大学時代の同期生が居ますので、そいつに頼めば何とかなるかと」

右京「そうですか、だったら今連絡して下さい」

冠城「わっかりました。今連絡します」

文科相内

東條「久しぶりにお前から連絡があったら、行き成り学園艦局長と会いたいだと、会談の段取りをする。俺の苦労も考えろや」

冠城「東條、お前がそんな表情するという事は、今の局長に思うところが結構有るのか?」

東條「ああ、戦車道に力を入れろと言って、優勝した学園を廃止解体するのは、幾らなんでもおかしいだろ?」

東條「例え廃止解体したいなら当初の予定通りの来年の3月31日付けで廃止解体をすれば良いのに半年前倒しで廃止解体だ」

東條「お陰で猫の手が借りたい程、忙しいよ。それにな今の局長、まだ省内での噂話の類いなんだが外で議員やら企業の人間とよく会っているらしい」



右京「おや、局長クラスの人物が議員と企業の人間が会っているとは噂話でも、それは興味深い話ですね。どうして会っているのでしょうか?」

東條「どんな理由で会っているのか分かりませんよ杉下さん、けど関係が有るかどうか一時期局長に関して妙な話が流行った事が」

右京「妙な話、それは一体どんな話ですか?」

東條「今の局長、まだ独身で将来の為の資産運用で先物取引に手を出したと、最初のうちは利益を出していたが途中から大損をしたという話が出たんですけど」

冠城「けど、何だ東條」

東條「急かすな冠城、本人は先物取引なんかやっていない事実無根の話だと断言したんで、その話はそれきりになってなそれ以降そのての話は聞かなかったが」

東條「その代わりに先に話した議員と企業の人間と会っている噂話が浮上した」


右京「そうですか、ありがとうございます」

東條「何を聞きたいのかは聞かないが、廃止解体に関して少しでも納得のいく事を聞き出してくれよな。頼むぞ冠城」

冠城「鋭意努力してみる」

局長室

右京「初めまして警視庁特命係の杉下です」

冠城「法務省から警視庁に出向中の冠城です」

メガネ「これは、これは、警視庁と法務省の方が一体なんの御用でお訪ねにいらっしゃたのですか?」

メガネ「立ち話もなんですので、どうぞお座りになって下さい」

右京「いえ、用件は直ぐに終わりますので、立ち話で結構です」

メガネ「そうですか、それで御用件とは?」

右京「はい、大洗女子学園が閉校になり、学園艦に有る大洗学園艦特別駐在所が閉鎖になりますので、その件に関しての事情を確認しに参りました」

冠城「同様に法務省の方も、今回の学園艦の廃止解体に関して法律上の手続きに問題や不備がないかどうかの確認で来ました」

メガネ「失礼ながら学園艦特別駐在所閉鎖の件は、もうすでに警察庁の方に正式書類を提出しております」

メガネ「それから学園艦の廃止解体に関しては法律上の手続きには一切の不備問題等は有りませんよ」

メガネ「たったそれだけの事の為に来たんですか?警視庁と法務省は余ほど暇なんですか?こちらは学園艦の廃止解体の手続きで大忙しなんですから」

右京「いえ、いえ、一応形式上問題が無いか確認しに来ただけですので問題が無ければ宜しいので、冠城君、君の方は?」

冠城「一応、今の発言から法律上の問題ならび不備は無いと思いますので、こちらも構いませんが」

メガネ「なら良かった。それで、他に用件は?」

右京「一つお尋ねしたい事が有りますので、少々宜しいでしょうか?」

メガネ「どのような用件ですか?」

右京「どうして大洗女子学園の廃止解体が当初の予定よりも半年前倒しになったのでしょうか?」

メガネ「ついさっきも大洗女子学園の生徒会長が来てその事を説明したばかり何ですが良いでしょう。要は様々な諸事情を検討した結果を受けて廃止解体を決定した事ですよ」

右京「そうですか、そうすると一つ疑問が発生します。確か貴方は第63回戦車道大会で優勝すれば大洗女子学園の廃止解体を撤廃するような事を発言していた筈です」

右京「この事はどのように説明しますか?それに戦車道に対して文科省が出した通達と矛盾していますが?」

冠城「右京さんの言う通りです。文科省は2年後に行われる戦車道世界大会招致の為に戦車道が有る学校には、より戦車道に力を入れるべしという通達を全国の学校に行っています」

冠城「その通達の流れの結果一旦は戦車道が廃れていた大洗女子学園の戦車道が復活し、結果的に大洗女子学園は優勝を果たし」

冠城「その優勝を受けて戦車道を復活もしくは新規の参入を検討している学校も有り」

冠城「確か中立高校という所も大洗の優勝を観て参加を表明しています。それなのにその切っ掛けになった大洗女子学園を廃止解体するのは如何なものかと?」

メガネ「大洗女子学園の優勝ですか、あんなのマグレですよマグレに過ぎませんよ」

冠城「マグレですか?」

メガネ「そうです、マグレで優勝したに過ぎませんよ」

右京「失礼ながら、マグレで勝ったとは正直言って僕には思えないのですが第63回戦車道大会で大洗女子学園は、サンダース、アンツィオ、プラウダ、黒森峰の四校と対戦しましたが」

右京「戦力が対等だったのは確か2回戦で対戦したアンツィオだけで後の三校は全て大洗よりも上の戦力と性能の有る戦車を備えて、尚且つ毎年優勝候補に上がる三校相手にしてマグレで勝てるとは不可能だと思うのですが?」

冠城「右京さんの言う通りです。おまけに大洗が所有する戦車は戦車同士の性能差が有りすぎます。そこら辺の事情も考えると正直言ってマグレでは勝てるとは思えませんが」

メガネ「そんなの簡単な話ですよ大洗の隊長が優秀だったからだです。西住流は知っていますよね。そこの家元の娘が隊長だったから一旦は廃れた大洗でも勝てたんですよ」

右京「おや、不思議な事を言いますね。確かに大洗の隊長は西住流の西住みほさんで大変優秀ですが」

右京「貴方の言い方ですと隊長が優秀で有れば、戦車の性能差も、それを動かす技量、そしてチームワークも無視しても良いように聞こえますが、そこの所はどうなのでしょうか?」

メガネ「そ、それは、偶々、本当に偶々、凄い運やら偶然とかが付いていたんでしょうな」

冠城「アインシュタインはご存じですか?」

メガネ「それぐらいは知っているが、それがどうした?」

冠城「アインシュタインは『神はサイコロを振らない』という言葉を残しました」

冠城「これはどういう意味かというと、乱暴な言い方をすると運やら偶然等は存在せず、同時に未来を予測するのが不可能という意味です」

冠城「局長の先程の発言はまるで大洗女子学園が運やら偶然を味方にし、尚且つ未来も予測して試合を行っているように聞こえますが、そこの所の説明をお願いいたします」

右京「冠城君、君良いことを言いますね。僕も先程の発言、非常に気になりますので、不才の身である自分にも説明お願いします」

メガネ「そんなの知るか!とにかく大洗が勝ったのはマグレにしか過ぎない!!用件が済んだらとっとと帰ってくれたまえ!!!」

右京「分かりました。それでは失礼しますが最後に一つだけ、宜しいでしょうか?」

メガネ「何だね!!」

右京「何でも、噂によると先物取引で結構な損失を発生させて、その穴埋めの資金繰りが結構大変だったと、お聞きしましたが?その噂は本当でしょうか?」

右京「もし、そうなら冗談では済まないと思うのですが?」

メガネ「そんなの根も葉もない噂話だ!!まったくそんな噂を信じないで貰いたい!!人が横領をしたかの様な話しは止めて貰いたい!!」

右京「それは申し訳ありませんでした。無神経な発言、お許し下さい」

メガネ「噂話でも非常識な発言、止めてください!」

廊下

東條「おい、冠城お前一体全体どんな話をしたんだ?局長室から怒鳴り声が聞こえぞ」

冠城「済まんな、東條、暫くの間あの局長の機嫌相当悪いぞ」

東條「勘弁してくれよな。これで学生時代の貸し借りは無しだからな。そこんとこは覚えてろよ。それで収穫は有ったのか教えてくれ」


右京「それでは東條さん教える代償に一つ頼まれてくれませんか?」

東條「それは、どういう事ですか?」

右京「学園艦局長の動きを可能な限り、こちらに教えてくれませんか?まず間違いなく局長は何かしらの動きを見せます」

冠城「それは、どんな意味ですか?右京さん」

右京「冠城君、先物取引の話をした時に局長はこう言っていました『人が横領したかの様な話しは止めて貰いたい』と変だと思いませんか?」

冠城「確かに、横領の横の字も言って無いのにそんな発言をするという事は」

右京「横領をしている可能性が有るかも知れません。もし横領をしているとしたら段々と色んな事が見えてきますので折尾さん、どんな些細な事でも良いですから。局長の動きを伝えて下さい」

東條「もしかすると藪をつついて蛇を出しちまったか、学園艦局長の横領なんて洒落にもならんな、冠城、お前に貸しを作ってやるぞ」

冠城「貸しね借りの返済は?」

東條「大洗の廃止解体の阻止ないし延期」

冠城「東條、難しく困難な話だが、いっちょやりますか右京さん」

右京「東條さん、後、冠城君、もしかすると他にも何か有るかも知れませんよ」

冠城「他にも何かと言いますと、ひょっとして東條が話していた例の噂話ですか?」

右京「それらを含めて、これから調べてみましょう。調べれば色んな事が分かると思いますので、東條さん、局長の動き改めて頼みましたよ」

東條「分かりました。それじゃ戻りますんで局長の動きは伝えますんで杉下さんと冠城も頼みましたよ」

右京「それでは冠城君、行きますか」

冠城「右京さん、行きますか」

翌日 都内

片山「例の野党議員の動きに関して、何かしらの情報を入手したの?」

秘書「はい、入手しレポートに纏めましたのがこちらになりますので、ご覧ください」


『これを利用すれば野党の勢力を削ぐことが出来、文科省にも影響力を与える事が可能で、更に党内での重鎮にも恩を売る事が出来ると同時に党内での自分の立場を補強するのにも充分に使えるけど、最大の問題点なのは』

片山「このレポート内容は、まだ確実な裏付けになる証拠が取れてないわよね?」

秘書「はい、その件に関しましては、これから調査ならび確度の高い情報収集を行いますが」

『そう完全な裏付けがまだ取れてないことが最大の問題なのよね。ここまで調べた事は大したものだけど、これ以上調べると感ずかれる可能性が有るし』

『感ずかれた時の反応がこちらの想定内で済めば問題無いけど、想定外の反応を行う可能性も有るから、ここで一旦情報収集を止めるのも手だけど、でもこの情報をこのまま塩漬けにしておくのは下策と言わざるえないし』

『そうだ、あそこに教えれば良いわ。あそこだったらこの情報に興味を持つ可能性が高いし、何より裏付けをこちらが調べなくても向こうが勝手に調べてくれるし、後は調べた事をどのようにして利用するかを考えれば問題は無いわね』

片山「このレポート内容を、匿名で警視庁の特命係に送って頂戴。そうすれば、後は警視庁の方が対応してくれるわ」

秘書「警視庁の特命係ですか分かりました。その様に手配致します」

片山「杉下さん、この興味深い情報をどのように利用するか拝見いたしますわ」

警視庁特命係 室内


角田「よう、暇か」

冠城「角田課長、これは一体何ですか?」

角田「いやな、警部殿にお礼の品だそうだ、何でも1年くらい前に交通事故を起こした時に助けて貰ったお礼の品だと」

右京「1年前に交通事故を起こして助けた?妙ですね。僕にはそんな事をした記憶が無いのですが?」

右京「折角なので開けて、中を確認しましょう」

冠城「右京さん、このUSBメモリーは何ですかね?」

右京「何か分かりませんが、取り合えず米沢さんの所に持っていて調べてみますか。角田課長、ありがとうございました。クッキーは皆さま方で食べて下さい」

角田「警部殿、本当に食べて良いのか?」

警視庁 鑑識 室内

米沢「杉下警部、調べた範囲内ではでは特にウイルス等の類いは有りませんねファイルが有るだけです」

右京「そうですか、それでは米沢さん早速ですがファイルの中身を確認したいのですが」

米沢「分かりました」

冠城「特命係だから匿名で送られて来たのは、何の冗談ですかね右京さん」

右京「例えそうで有っても、この情報は調べる価値は有りますよ冠城君」

冠城「失礼、うん、東條か、もしもし、東條、局長に何か動きが有ったのか?うん、うん、何!!そうか分かった他にも動きが有ったら知らせてくれ。こちらの方もなんとかなりそうだ。情報ありがとう」

冠城「右京さん、試合が決まったそうです」

右京「試合ですか?」


冠城「そうです。大洗女子学園と大学選抜チームとの試合です。この試合で大洗が勝ったら廃止解体は撤廃するそうですが」

右京「何か問題が有るとしかおもえませんが」

冠城「大学選抜チームは30両で編制するそうです。それに対して大洗は」

右京「僅か8両です。冠城君、ゴルディアスの結び目を一気に解ける絶好の機会が訪れましたよ」

右京「おそらく、学園艦局長はあの手この手で大洗を負かす為の動きをしますので」

冠城「その間に、この情報の裏付けをしましょう。問題が有るとしたら右京さん」

右京「ええ、時間との戦いですよ」

右京「例えそうで有っても、この情報は調べる価値は有りますよ冠城君」

冠城「失礼、うん、東條か、もしもし、東條、局長に何か動きが有ったのか?うん、うん、何!!そうか分かった他にも動きが有ったら知らせてくれ。こちらの方もなんとかなりそうだ。情報ありがとう」

冠城「右京さん、試合が決まったそうです」

右京「試合ですか?」


冠城「そうです。大洗女子学園と大学選抜チームとの試合です。この試合で大洗が勝ったら廃止解体は撤廃するそうですが」

右京「何か問題が有るとしかおもえませんが」

冠城「大学選抜チームは30両で編制するそうです。それに対して大洗は」

右京「僅か8両です。冠城君、ゴルディアスの結び目を一気に解ける絶好の機会が訪れましたよ」

右京「おそらく、学園艦局長はあの手この手で大洗を負かす為の動きをしますので」

冠城「その間に、この情報の裏付けをしましょう。問題が有るとしたら右京さん」

右京「ええ、時間との戦いですよ」

大洗対大学選抜 試合会場

冠城「右京さん、もうじき試合が始まりますよ。東條の情報通りなら大洗に援軍が来ます」

右京「そうですね。しかし学園艦局長は余程、大洗に勝たせたく無いようですね」

右京「フラッグ戦から殲滅戦にごり押しで変更、ランチェスターの第2法則で計算するなら現行の状況では大洗に勝ち目は全く有りません」

冠城「大洗8両、大学選抜30両、64対900の戦力比で大学選抜は3両の損失で大洗を殲滅出来ます。正直言って試合では無く単なる虐殺です」

右京「その通りですよ。冠城君」

冠城「他にも色々とごり押しで派手に動いたお蔭と計算外の援護で、学園艦局長、野党の議員、企業の裏付け捜査が予想以上に進展したのは計算違いでした。右京さん」

右京「ええ、その件に関しては僕も計算していませんでしたよ。まさか甲斐長官官房付が直々の命令で学園艦局長、議員、企業の捜査をせよ命ぜられるとは思いもしませんでした」

右京「そして証拠の裏付けを報告後、学園艦局長の確保の為に北海道迄来ることになろうとは正直言って驚きなのですが、ただ1つ分からないのは局長の確保は試合後にせよというのは、どういう訳なのでしょうか?」

冠城「人生とは常に驚きに溢れていると言いますが、右京さん思い出しましたよ。確か2人いる文部科学審議官の1人が甲斐長官官房付の旧友だという話ですよ。推測ですけど文科省内の根回しも有るのでは?」

右京「成る程、そういう理由でしたか」

冠城「東條、間に合わんぞ」

『待ったー!!!』

BGM 学園十色です!
https://m.youtube.com/watch?v=virwfQlF1EA

右京「冠城君、ギリギリで間に合いましたね」

冠城「本当にギリギリだぞ、東條」

右京「冠城君、戦車の台数は同数ですが問題点も有りますよ」

冠城「分かっています。大洗の戦車は戦車同士の性能差が大きい分、戦車の性能を良く把握して適材適所に戦車を配備する必要性がある上、1度もまともにチームを組んだ事の無い学校同士で戦う以上、戦術面では未だに大洗は不利です」

冠城「それに引き換え大学選抜は、選抜と名乗るだけの事も有り今のチームで何度も試合を行っておりチームワークという点では大洗よりも上で」

冠城「おまけにM26パーシング重戦車24両を主力としていますので戦車の性能差が小さく、これ等の事も考慮に入れますと戦術面では大学選抜が有利な上にジョーカーが2枚有ります」

冠城「それを使った時の対応が最大の焦点で、それを乗り切れば大洗に勝ち目が出てきますが、後はリーダーの指揮ぶりが勝敗の鍵を握りますね右京さん」

右京「そうですね。冠城君」

右京「冠城君、大洗と大学選抜の戦術どう考えますか?」

冠城「大洗は、序盤に中央部の高い丘を陣取って両翼の援護を行うと同時に、丘を攻める大学選抜を上から攻撃するという有る意味、定石通りの戦術を採用しましたね」

冠城「急増チームである為に、下手に複雑な戦術を採用出来ない事情の為、定石通りの戦術を取らざるを得ない結果」

冠城「大洗の右翼は、大学選抜の付かず離れずの戦術で戦力を拘束され、左翼を突破しようとする大学選抜に中央部の丘を確保した部隊が援護攻撃を行おうとした絶妙な瞬間に、丘にカール自走臼砲の砲撃を喰らいました」

冠城「この砲撃の結果パンター2両が撃破され、更に丘からの援護攻撃が受けられなかった為に左翼は突破を許してしまい」

冠城「その過程で迂闊な攻撃をした97式中戦車1両と改1両を撃破される間に丘の正面と迂回突破を果たした大学選抜は丘の裏側から攻撃を開始すると、中央部の部隊は不利を察知して正面突破で戦線離脱をするも追撃とカール自走臼砲の砲撃に曝された結果」

冠城「T34/85、KV2、JS2の3両を撃破されました。大洗はこの時点で計7両の戦車を失いました。一方の大学選抜はM26を1両失なっただけですから序盤戦は完全に大学選抜の圧勝でしたが」

冠城「砲撃の正体をカール自走臼砲と判断した大洗は、89式中戦車、CV33、ヘッツアー、BT42の4両でカール自走臼砲の発見に務めます」

冠城「おそらく地形からカールが運営出来る場所を何ヵ所か絞っていたんでしょうが」

冠城「カールを見付けようとするのをバレない様する為にワザと大学選抜に攻撃を仕掛けるフリをしたんでしょう」

右京「その目論見は成功し、カールを発見するとこれを撃破するのと同時に護衛に付いていた3両のM26も撃破しましたので索敵攻撃としては、これ以上無い成功ですよ冠城君」

冠城「確かにジョーカーの1枚カール自走臼砲を撃破したのは見事です。損害もBT42だけの損失で済んでいますから戦術的にも戦略的にも大洗の勝ちです」

右京「その通りです。頭上から艦砲クラスの砲撃を受ける心配が無くなったのは大洗にとっては有利な材料になりましたが、大学選抜には、まだジョーカーの1枚が有ります」

右京「それらも含めて、遊園地跡地での戦闘は両チームのリーダーの指揮能力が試されます」

冠城「正念場ですよ。此処は」

右京「全くです」

右京「冠城君、勝敗が決した様ですね」

冠城「はい、それにしても観覧車を転がして包囲網を破る策を思い浮かべるとは大したものですよ。大洗は、それでは右京さん参りますか」

右京「ええ、こちらの勝敗も決めに行きましょう」

メガネ『何故だ、M26パーシング24両、M24チャーフィー3両、センチュリオン、T28重戦車、カール自走臼砲を揃えて戦力的には此方の方が圧倒的に上で、幾ら大洗に援軍が来ても此方が負ける可能性は無く』

メガネ『戦術的にも途中迄は圧倒的に有利極まりない状況だったのが、どうして、どうして負けてしまうんだ、不味い、不味いぞ、非常に不味いぞ、こうなったら手段を選んでいられない』

メガネ『誓約書も反古にしても構わん、どうせマスコミ等が騒ぐのは最初の内だけで、それを乗りきり尚且つ西住流と島田流を黙らせる事が出来れば問題無い、大洗の廃止解体をしなければ身の破滅だ。関係各所に根回しをしなければ』

メガネ「何をするんだ!私のスマホを返せ!!」

右京「失礼また、お会いしましたね。警視庁特命係の杉下です」

冠城「同じく法務省から出向中の冠城です」

メガネ「またかね一体全体何の用だね!これから火急な用件で関係各所に連絡しなければいけないんだ!!早く返したまえ!!!」

右京「残念ながら、返すわ訳にはいきません。失礼ながら貴方には業務上横領、贈収賄、証券取引法、ならび国家公務員倫理法違反の疑いが有りますので、ご同行を御願いしたいのですが」

メガネ「何の事だか、さっぱり分からん!証拠は、そう証拠は有るのか!!」

右京「証拠ですか。もし、貴方が当初の予定通りに来年の3月31日付けで大洗女子学園を廃止解体していれば証拠を見付けるのは非常に困難だったでしょうが、時期が僕達に味方をしてくれましたよ」

メガネ「時期だと」

右京「そう、時期です。本来なら来年の4月上旬に特別会計監査が文科省に行われる予定でしたが」

右京「それが今年の10月上旬に変更に成った結果、貴方はその前迄に強引かつごり押しで大洗女子学園と学園艦の廃止解体を行い纏まった資金を作る必要性に貴方は迫られていました」

冠城「調べさせて貰いましたよ。自分の口座から証拠金として600万円が投資会社を通じて投資していますよね先物取引に」

冠城「最初の頃は順調に利益が出ており投資会社の方からも利乗せ取引を進められ、更に拡大取引、分散取引で取引をしていましたが」

冠城「先物市場が下落した際に投資会社から難平を進められ更に400万円投資しましたが、それでも下落が止まらず投資会社から追証を求められました」

冠城「でもその時点で貴方の口座には殆ど現金が残って無いにも関わらず追証を支払って有るのは何故でしょうか不思議ですよね?」

右京「冠城君の言う通りです。口座には現金が殆ど無いにも追証が払えたのは他から現金を調達したからです」

冠城「貴方は学園艦局長の立場を利用して、学園艦運用予算に手を出し追証を払いました。利益が出れば直ぐに穴埋めをすれば良いと自分に言い聞かせて横領をしましたが」

冠城「利益が出る所か更なる追証が発生し発生する度に横領を繰り返して居るうちに、何時の間にか横領をしているという感覚が薄れていきましたが」

右京「特別会計監査が10月上旬に行われるという情報が耳に入りました。監査が入れば横領の事実が明確に成るのは時間の問題です」

冠城「先物市場が下落した際に投資会社から難平を進められ更に400万円投資しましたが、それでも下落が止まらず投資会社から追証を求められました」

冠城「でもその時点で貴方の口座には殆ど現金が残って無いにも関わらず追証を支払って有るのは何故でしょうか不思議ですよね?」

右京「冠城君の言う通りです。口座には現金が殆ど無いにも追証が払えたのは他から現金を調達したからです」

冠城「貴方は学園艦局長の立場を利用して、学園艦運用予算に手を出し追証を払いました。利益が出れば直ぐに穴埋めをすれば良いと自分に言い聞かせて横領をしましたが」

冠城「利益が出る所か更なる追証が発生し発生する度に横領を繰り返して居るうちに、何時の間にか横領をしているという感覚が薄れていきましたが」

右京「特別会計監査が10月上旬に行われるという情報が耳に入りました。監査が入れば横領の事実が明確に成るのは時間の問題と学園艦の廃止解体を自分に支援してくれる企業に斡旋する様に持ち掛けました。それなら何とか成ると貴方達は判断しました」

ミスったのてあとで投稿仕直します。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom