提督「春か……花見日和だな」 (9)
「そうね、さっき青葉とすれ違った時も花見の事言ってたわね」
「鳳翔さんの弁当とか言ってたか?羨ましいよ……なぁ俺達も少しくらい」
「この仕事が終わったらね」
「ですよねー……桜……か」
「どうかしたの?」
「いや……ちょっと昔をな……」
「何か思い出でもあるの?」
「何かって程じゃないよ、家族とか仲間内で花見とかしてたのをな」
「ふーん」
「まぁ今は仕事か」
「……」
「どうした?」
「別に……一段落したら少し外に行きましょうか?」
「いいのか?」
「ちょっとした休憩よ」
「そうか、そりゃ楽しみだ」
「だから休憩だってば……」
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「しかし見事なもんだな」
「何でこんなに沢山植えてあるのかしら?」
「さあな、士気の高揚の為とか?」
「まぁ日本人は皆桜が好きみたいだけど」
「確かに俺の知る限りで桜嫌いな奴知らねえわ」
「……ねぇ」
「なんだ?」
「桜って綺麗だけど儚いわよね」
「そうか?まぁ確かに気がつくと散ってるけど」
「下を歩くと花びらが頭や肩に乗ってたり、舞い散る風景を桜吹雪とか、咲いてる所よりも散ってる所の方がよく聞く気がするのよ」
「んーそうかな?」
「……そう……散る時はどんな花も……みんな儚いものなのよね」
「俺はそうは思わないけどな」
「……そう」
「散るからといってそれが全て儚いってことはないよ、綺麗に咲いた後に自分の事を皆にみてもらおうと、そして後に繋がっていくためにって」
「それってやっぱり儚いんじゃないの?」
「んーそんなつもりはないんだが……」
「……散る時はどんなものでも儚いわ……そう花以外もね」
「なあ」
「そろそろ戻りましょう、仕事しないと」
「……ああそうだな」
「……そうよね?きっと……儚かったのよね……」
「……」
「これで終わりね」
「そうだな」
「じゃあ今日はこれで」
「まぁ待てよ、もう少し……ちょっと付き合ってくれないか?」
「何かあるのかしら?」
「これ」
「お酒?」
「あと鳳翔さんに頼んで軽くつまめるものをな、さっきは下を歩いてただけだろ?」
「花見酒って事ね」
「艦娘だし飲めない訳でもないしさ」
「……そうね、少しなら付き合うわ」
「おう、んじゃちょっと食堂寄ってくぞ」
「ええ」
「この辺でいいか……」
「改めて綺麗よね」
「……花見ってさ基本桜だよな、他の花でもよさそうなのに」
「この時期にやるっていう事にも意味があるんじゃないかしら?」
「あーそれで一番見応えのある桜の花って?」
「まぁ本当はどうか分からないけどね」
「いやでも実際そんなもんかもな、あったかくなるこの季節、すごしやすくなるし新しい生活も始まる、そんな中で皆で楽しんで親交を深める為ってのはありえそうだ、実際そのために花見をやってるとこも多いだろうし」
「まぁ単に食べて飲んで騒ぎたい人も多そうだけどね」
「隼鷹とか千歳は基本飲むために花見やりたがってそうだな」
「容易に想像できるわね」
「……なあ」
「なにかしら?」
「そのうちさ行きたい所があるんだよ」
「行きたい所?」
「南西諸島防衛線」
「っ……」
「聞いてるか?」
「ええ……五月雨ちゃんとかからね」
「うん……まぁまだ忙しいからその内な」
「そう……私も行っていいのかしら?」
「勿論、てか俺一人じゃどのみち行けないし」
「……そろそろ部屋に戻るわ」
「ああ」
「……ねえ」
「ん?」
「……何でもないわ」
「……」
「また明日ね」
「……何を聞きたかったのかね?……桜に聞いても返ってこないか……」
「花は喋らないもんな……花……花束ってどんなのがいいのかね?」
「……何で聞けないのかしらね……提督の答えなんて……」
「あれ?姉さん?」
「あら?こんな所でどうしたの?」
「明日のお弁当の準備してたの」
「お弁当?花見でもするのかしら?」
「うん提督さんとって思って、姉さんも一緒にね?」
「……そうね、今日は眺めてお酒飲んだだけだしね」
「良かった、じゃあ他にも誘ってみるね」
「ええ」
「それじゃまた後で」
「……お花見ね……あっ隼鷹とかは誘わないでよねー」
終わり
お気に入りの艦娘にほとんど春ボイスなかったのでムシャクシャして立てた、後悔はしていない、いい加減この子にも欲しい今日この頃妹には来てるのに……
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