モバP「早苗さんの膝枕」 (45)

P「ただいま戻りましたー……」

早苗「あらP君、おかえり」

P「あーぁー…。はぁ……」

早苗「うん? どうしたの、そんなに落ち込んで」

P「せっかく取った仕事が向こうに一方的にキャンセルされたんですよ……」

早苗「あら…、それはくるわね……」

P「はあーぁ……」

早苗「大丈夫? あたしの胸で泣く?」

P「えっ!? マジで!? いいんですか!?」ガバッ

早苗「いや、そもそも冗談だし、そのがっつき具合は引くわ……」


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P「こ、こっちも冗談ですよ……?」

早苗「いや、眼がマジだったわよ……」

P「まあ、正直な所1度は顔をうずめてみたいなとは思ってるんですけどね」

早苗「友紀ちゃんにさせてもらいなさい。……やったらシメるけど」

P「いやー、でも、大きなお胸はやっぱり男のロマンですよ」

早苗「そういうもんなの? やっぱり」

P「ええ。柔らかそう、だとか飛びついてみたい、だとか」

早苗「ふーん……」

早苗「まあ、よくP君も人の胸を見つめてるもんねぇ?」

P「えっ、俺そんなに見てました?」

早苗「うん、すっごい見てるわよ? そういう視線ってすぐ気付くんだから」

P「ま、マジか……」

早苗「……ん、床にゴミが」

P「…………」

早苗「ほら、今みたいにしゃがみ込んだ時とかすっごい覗き込んでるし」

P「ぎくっ」

早苗「ま、あたしはそこまで気にしないけど、エスカレートして他の子に幻滅される前にやめなさいよ?」

P「は、はい……」

P「じゃあ、膝枕……」

早苗「えっ?」

P「傷心の俺を慰める為に、せめて膝枕くらいは……」

早苗「いや、自分で傷心だのなんだの言ってるうちはまだ余裕だと思うけど……」

P「うっ……」

早苗「あ、膝枕で思い出したけど、『ぜったいりょういき』ってなに?」

P「あー、確か靴下とズボン? までの間の素肌の事だったと……」

早苗「じゃあ、あたしだったらくるぶしからここまで?」

P「靴下といっても膝より上の長いやつを履いてる時にどうたらこうたら……」

早苗「へぇー……、今時そんなのが流行ってるのねぇ」

珠美「おはようございまーす」

P「おはよう、珠。今日は部活しなかったのか?」

珠美「はい、今日は三年生が学校の行事で参加しなくて、それでみんな自由参加なのです」

早苗「あら、珠ちゃんおはようー」

珠美「早苗殿! 早苗殿は今日お仕事の予定は?」

早苗「んー、夜からねー? えーと、たしか……」

P「お花見に最適にお酒について語る、っていう雑誌の取材ですよ」

早苗「そう! どれが酔いやすいとか、おつまみはどうだとか、値段がー、って語るのよー」

珠美「なんというか、実に早苗殿らしい仕事ですな」

珠美「さて、珠美は課題でもしますかな。今日はちょっと多めに出されたのです」

早苗「あ、今時の学生ってなに勉強してるかしらー?」

珠美「普通に因数分解や生物や歴史に古文などです」

早苗「あー…、因数分解ってどうやるんだっけ……。P君覚えてるー?」

P「プロデューサーという役職において因数分解の知識は不要なんですよ」

珠美「忘れたのですね……」

早苗「国語はー……、『こころ』とか。あの……、虎になる奴! あれはもうやった?」

珠美「こころ、はまだですな。 2年生の教科書に載ってました!」

珠美「あと、虎になるやつは山月記ですな。あれは個人的に気になって読んだことがあります」

早苗「そうそう! それ! 懐かしいわぁ……」

早苗「さて、珠ちゃんの勉強の邪魔をしちゃ悪いわね。雑誌でも読んでよーっと」

珠美「そこまで気を使って貰わなくともよいのですが……」

早苗「だめだめ、しっかり集中しないと身に付かないんだから!」

珠美「そう、ですな! じゃあ、課題に取り掛かるとしますか!」

P「じゃあ俺も、お仕事の続きを……」

早苗「…………」ペラッ

珠美「えーと、xイコールルート……」カリカリ…

P「美優さんに仕事回さないと…。本社の方からなんか来ないかな……」

珠美「……ふあぁ」

ーーーーーーーー………


P「ふぅ、一旦休憩。続きは美優さんが帰ってきたら……。ん?」

珠美「……ぅぁ」ウツラ…

早苗「珠ちゃん、眠たいの?」

珠美「少し…、実は昨晩は寝不足で……」

早苗「……あっ、ならお姉さんが膝枕してあげるわよー?」

珠美「本当、ですか…? なら、お言葉に甘えて……」

早苗「いらっしゃいいらっしゃい♪」

珠美「ふぁ…、高さがちょうど良くて……、とても……」

早苗「ほーら、寝ちゃいなさい」ポンポン

珠美「んぅ…、うにゅ……。すぅ……」

早苗「……寝た寝た。P君、毛布かけてあげて?」

P「ええ。……よいしょ」

早苗「んー、ちっちゃな頭。かわいいわねー」

P「……なんだか、お母さんみたいですねぇ」

早苗「あー、言ったなー。そりゃあもう子供がいてもなんらおかしくない歳だけど」

早苗「……まっ。今はアイドルやってるし、誰かの物になるのはまだお預けかしらね? ねー、Pくーん?」

P「……まあ、そうですかね」

珠美「くぅ…、んん……」

早苗「ふふっ…。娘って、こんな感じなのかしらねぇ……」ナデナデ

P「いくつで産んだ子ですか」

早苗「えーと、珠ちゃんが16であたしが28だから……」

早苗「12歳の時……。だめだめ、深く考えちゃだめ」

P「逆に、早苗さんがそろそろ中学生にあがるかなー、って頃に珠は産まれたんですね……」

早苗「そう考えると結構年齢差があるように感じるわ……」

P「干支も同じですしねぇ」

早苗「やめ、やめなさい! 最年長の心に傷をつけるのは!」

早苗「はぁ…、いつまでも若いつもりでいたんだけど、もうあたしもそんな歳かぁ……」

珠美「ふぇ…、おかあ、さん……」

早苗「…………」ナデナデ

珠美「ぅー…。むにゃ……」

早苗「でも、あたしもまだまだ通用するわよね? 若い子ばっかりのアイドルの世界で……」

P「ええ、絶対。珠や友紀には出せないオトナの色気こそ、早苗さんの武器ですから」

早苗「うふふっ! そうよね! まだまだ若い子には負けてらんないんだから!」

P「というわけで、俺にも後で膝枕……」

早苗「却下♪」

ーーーーーーー………


珠美「くぅ、ふあぁ……。いま、なんじ……」

早苗「あら珠ちゃん、おはよう。今は……、6時前よ?」

珠美「おかーさん……。起こすの…、はやいです……」

珠美「ん…、もっかいねる……」

早苗「ぷっ…! ふふふふ……!」

珠美「ぅー……。ん…、ん? あーーっ!?」

早苗「あはははっ! 珠ちゃん、あたしの事お母さんって! あはっ! はぁー……!」

珠美「わあああ!? ね、寝ぼけていたのですから! ノーカウントです!」

P「いったい何をカウントしてるんだよ」

珠美「ううぅー……!」

ーーそれから、夜ーー


記者「……はい。とりあえずこれで取材はおしまいですねー」

早苗「あー、はい。もっと語ろうかと思ったんですけどー……」

記者「いやー…、まさかお酒の値段関連でこんなに語られるとは……」

早苗「お酒っていうのは、場の空気を肴にして飲む物だと思うんですよー。だ、か、ら、安くてもたくさん楽しい雰囲気を流しこめるようなお酒の方がいいかなー? って」

P「介抱する側の身にもなってくださいよ……」

記者「あはは……」

早苗「じゃあすいません、お疲れ様でしたー」

記者「はいお疲れ様でした。再来週発売の本誌に掲載予定ですので、その時には事務所の方に発送させてもらいますね」

P「はい、ありがとうございます」

早苗「ふーぁ、今日のお仕事おーしまい!」

P「遅くまでお疲れ様でした、早苗さん」

早苗「遅く……? 遅くって言ってもまだ10時ちょいじゃない! 取材の内容的にもなんだか飲みたい気分ねぇ……」

P「……実は、ここの隣の居酒屋で美優さんと留美さんが待機中です」

早苗「ホント!? じゃあ早く行かないと!」

P「俺はまだ仕事あるんで、終わったら呼んでくださいね。すぐ迎えに行くんで」

早苗「はーい! よーし! 飲むぞぉー!」

早苗「お! やっほー! 美優ちゃん留美ちゃんお待たせー!」

美優「あ、早苗さん。取材どうでしたか?」

早苗「んー? いい感じよー! 安酒には安酒の味があるって語ったわよー!」

留美「ふふっ、なんだか早苗さんらしいわね」

美優「じゃあ、集まった事ですし……、注文しましょう?」

早苗「何飲むー? まずは生? それともワインとか日本酒?」

留美「んー…、ビールはこの前飲んだから……」

美優「……ビールがいいです」

早苗「お! 美優ちゃんも喉が開いてきた?」

美優「お風呂あがりの一本が、とても……!」

留美「水風呂あがりよね……?」

早苗「グラス持ったー? じゃ、かんぱーい!」

美優「かんぱーい!」
留美「乾杯!」

早苗「んっ、んっ、かぁーーーっ! 1日のシメに飲むビールはうまいっ!」

美優「んっ…。ふぅ……。せせりの炒め物がビールにあいますね……!」

留美「この手羽先は塩胡椒が効きすぎてるのが逆にいいアクセントね…。お酒が、ビールが進んじゃうわ……」

早苗「串焼きの盛り合わせもあるわよー? ももや胸もいいけど……、あたしは断然皮と砂ズリ!」

留美「あ! 皮と砂ズリは後でまた単品で頼みましょう!」

美優「鶏肉ばかり……。フライドポテトやイカ焼き、トマトスライスも頼みます?」

早苗「あ! ポテサラ食べたいわ! ポテサラが!」

留美「んっ、んっ……、ぷはっ! 揚げホルモンとかないかしら……!」

早苗「ふぃー……。一通り注文したし、あとは待つだけねえ」

美優「この居酒屋、席が畳と座布団っていうのが落ち着きますね……」

留美「あと、ここのすだれを垂らせば……」

早苗「おっ! なんだか一気にプライベートな空間に!」

美優「声は筒抜けですから、気を付けないと……」

早苗「おっと、声のボリューム下げないとねっ?」

留美「……今さらかしら。んっ……」

早苗「はー…、でも……」

美優「でも……?」

早苗「あたしも歳かしらねぇ……」

留美「ど、どうしたの……?」


早苗「今日珠ちゃんに膝枕して寝かしつけてあげたんだけど、まあP君は親子みたいって茶化してくるし。寝起きの珠ちゃんにはお母さんって言われるし……」

美優「……私も、友紀ちゃんと珠美ちゃんにお母さんって……」

留美「私は友紀ちゃんから、そんなようなことを……」

早苗「あたしも友紀ちゃんとおんなじ感じではしゃいでるつもりなのよー? あの子に合わせとけばあたしもハタチみたいに見えるかなーって」

留美「けど、本当のハタチには及ばないのよね……」

美優「流行にも全然ついていけませんし……」

早苗「そう! ちょっと前は森ガールがどうこう言ってたと思えば、今度は宇宙柄の服とか流行ってるし!」

留美「宇宙柄はもう流行ってないわ……」

早苗「マジで!? もー…、ほんと、若い子の流行り廃りってわからないわー……」

美優「若い子の感性が理解できないから、こうやって歳を取って、少しずつ取り残されていくんですかね……」

留美「そう……。それに厄介な事に友紀ちゃんも珠ちゃんも流行に乗るような子じゃないでしょう? んっ…、あ、生のおかわり……」

早苗「それよ! せっかく若い子がそばにいるんだから、それを見て流行を学ぼうにも方やキャッツのユニフォームか中学男子ファッションだし! 方や学校の制服!」

美優「学校制服はともかく、友紀ちゃんは格好をどうにかしないといけませんね……」

留美「私達が着なくなった服でも渡してみる? いくらか女の子らしさがますかもしれないわ」

早苗「いや、あたし達すら着なくなった服なんて、流行に遅れに遅れてるはずよ……」

美優「悪循環ですね……」

留美「くっ……」


早苗「もー! この話はいったん止め! なんだか悲しくなるわ……」

美優「ですね……」

留美「えぇ…、ふぅ……」

早苗「若い子のように振る舞うのが無理なら……。大人しくP君のアドバイス通りにオトナの雰囲気で攻めるかあ……」

美優「やっぱり、早苗さんはその方がいいかもしれませんね……」

留美「ふぅ…、ひっく……。抱擁力があるもろれ……」

早苗「けど、これを認めると一種の若作りへの希望を捨てるみたいでなんだか抵抗が……」

留美「なら! 早苗さんは、もうお母さんとしての道を進んでみうのよ!」

早苗「え、ええ!?」

美優「留美さん、ろれつが……」

留美「うちの事務所で一番歳上なのだから、そこをアピールするのよ!」

早苗「え、えぇー……」

美優「で、でも…、どうやって……?」

留美「ひっく…。母性ある行動と言えば……。抱擁とひざまくら……?」

早苗「じゃ、じゃあ! 早苗お母さんが膝枕やっちゃらい! おいで! 留美ちゃん!」

留美「ええ!」

美優「えー……」

早苗「ほら、どうぞー……!」

留美「お邪魔するわ……!」

早苗「あーら、留美ちゃん可愛いわねー。なんだか撫でやすいわぁ……!」ナデナデ

留美「ふぁっ、なんだか、気持ちいい……」

留美「駄目…、なんだか、寝ちゃいそう……」

美優「あ、あの、帰ってきてくださーい……。留美さーん……?」

早苗「ほら、美優ちゃんもおいでー?」

美優「わ、私もですか……?」

早苗「ほらほら! お母さんの右膝は空いているのよ!」

美優「で、でも……」

早苗「なによー、あたしの膝枕がお気に召さないっていうのー?」

美優「そ、そういうわけじゃ……。はぁ…、なら、お邪魔します……」

早苗「よしよし、子供はそれくらい素直でいいのよー♪」ナデナデ

美優(私も留美さんも、もう26なのに……)


留美「くぅ…、んん、ふっ……。ふぅ……」

美優(あ、留美さん寝ちゃった……)

早苗「あー、大きくなった娘が久々に甘えてきた時ってこんな風なのかしらね……」

美優「そう、かもしれませんね……」

早苗「あたしももういい歳なんだけどなぁ……。はぁ……」

美優「……やっぱり、これからの事が心配になりますよね」

早苗「うん……。結婚がー、とか安定がー、とか……」

早苗「けど、アイドルになっちゃった以上、こんなあたしのファンをやってくれてるみんなを裏切れないし……」

美優「…………」

早苗「あたしも、もっともっと人気者になれたらどうなるかしらねー……」

早苗「テレビや舞台やドラマやなんかでも引っ張りだこになって、常に週刊誌とかのカメラマンに追いかけまわされる様になったりするかしら……」

早苗「それとは別に……、もしも、もしも誰かと結婚するー、ってなって、その時世間からは何て言われるのかも不安だし……」

早苗「……けど、ウェディングドレスも、ハネムーンも、新婚生活だとかいうのも女の子の憧れでしょう?」

早苗「……捨てきれないわぁ」

美優「くぅ…、すぅ……」

早苗「あ…、美優ちゃんも寝ちゃってた……」

留美「くかー……、んんっ、ふぁー……」

早苗「……よしよし」ナデナデ

美優「んぅっ……」

留美「ぅぁ…、くぅ……」

早苗「さて、P君に迎えに来てもらおうかしらねー」

ーーーーーーーーー………


P「はい、お会計済ましてきましたよ」

早苗「いやー、悪いわね! ゴチになりました!」

P「……にしても」

美優「ふぅ…、んっ……」

留美「かぁ…、くぅ……」

P「……足、痺れてません?」

早苗「もはや感覚がないわ……」

P「留美さんはだいぶ深く眠ってるようなので、美優さんだけ起こしますか」

早苗「そうねぇ。ほーら、美優ちゃん起きてー? そろそろ帰るわよー」ユサユサ

美優「……ふぁ? お母さん……? 会社はもう辞め、た……。あ、あぁぁぁ……!?」///

早苗「美優ちゃんにまでお母さんって言われるとは思わなかったわ……」

美優「そ、その! 膝枕がすごく心地よくて、お母さんに甘えてた頃を思い出しちゃって……!」

早苗「……そんなにあたしの膝枕気持ちいい?」

早苗「しかし…、うー……。だいぶ足が痺れて……」

美優「肩貸しますよ…。おっとと……」

早苗「おっと、助かるわぁ……」

P「俺は留美さんを……、よいしょっ!」

留美「んぅー……」

美優「留美さんは…、今日は私の家に泊めましょうか……?」

P「いいですか? じゃあお願いしますね」

早苗「さ、飲んで愚痴ってスッキリしたし、お開きにしましょうかー。うぃー……」

美優「はーい……」

P「さ、乗ってください」

ーーーーー………


美優「送迎ありがとうございました……」

P「いえいえ。では、また明日」

早苗「じゃあねー。留美ちゃん吐いちゃだめよー?」

留美「うぁー……。んん……」

美優「さ、留美さん。歩いてくれないとお家に入れませんよ」

留美「わあっれるわよー…。くぅ……」

美優「ちょ…! こ、ここで崩れ落ちないで……!」

P「……大丈夫ですかね」

早苗「いつもああだから大丈夫よ……」

P「それにしても、凄いですねぇ。早苗さんの膝枕の魔力」

早苗「そんな大それたものじゃないわよー……。でも、どうしてみんな寝ちゃうのかしらねぇ? お酒の回ってた留美ちゃんはともかく、あの酒豪の美優ちゃんまで寝ちゃったし」

P「まあ、単に夜遅くて眠いのもあったんでしょうけど……」

P「信頼できる人の温もりを感じつつ、頭を任せて完全に気を抜けるから、じゃないですかね」

早苗「信頼できる、人……」

P「たとえば親だとか、そんな間柄じゃないとなかなか自分の寝顔を晒そうなんて思えませんし」

早苗「……それもそうよね」

P「そして膝枕する側も、相手の重みを受け止めて、それでいて優しくその姿を見守ってあげる…。えーと、なんというか……」

早苗「……相互の信頼関係、よね」

P「そう、それです」

P「そして、その信頼関係を築く事が出来たのは早苗さんがウチの事務所の、みんなのまとめ役……」

P「年齢も趣味もバラバラだけど、同じアイドルとしての目標を持っているみんなのお母さん役だからこそ……」

早苗「そうやって信頼して貰えてるってわけねぇ……」

早苗「……嬉しいわね」ボソッ

P「早苗さん?」

早苗「いーや、なんでもないわ! さ、もっとスピード出しなさい! まだあたしはお風呂に入らないといけないんだから!」

P「それが元交通課の言う事ですか」

早苗「あははっ! ま、そうお堅い事は抜き! ね?」

P「もー……。大人しく座っててください」

早苗「はーい!」

ーー翌日ーー


早苗「ほらほら、友紀ちゃんはこんなのとか似合うんじゃない? スカートも履いてみなさいよー」

友紀「うーん…。この服とかなら、あたしも悪くないと思うけど……」

P「お? 何見てるんですか?」

早苗「んー? お洋服のカタログ。友紀ちゃんに似合うようなのあるかなー、ってね」

友紀「早苗さんと選んでるんだー。えへへ、でも、なんだか懐かしいなぁ……」

早苗「あら、何が?」

友紀「昔ね、お母さんとこうやって通信販売でお洋服選んだなあ、って……」

友紀「でね、早苗さんとこうやって見てると、あの頃みたいにお母さんと2人で選んでるみたい!」

早苗「ふふっ。そーう?」ナデナデ

友紀「うんっ! えへへ……」

P「へー……。ま、早苗さんに可愛くしてもらえよ」

友紀「うんっ! ……で、この服はあたし結構好きかなぁ」

早苗「これー? あ、それとこっちのカーディガン合わせたらいいんじゃない?」

友紀「おー、そういうのもあるのかー。ファッションって奥が深いなぁ」

P「早苗さん、ボディコン着てる事多いですけどまともなファッションもわかるんですね」

早苗「まとも、ってどういう意味よ……。あっちはあたしの趣味! こっちはちゃんとしたやつ!」

友紀「ボディコン……。以外とあたしに似合うかな」

早苗「お! 友紀ちゃんも着てみるか!」

P「お願いだから止めて」

友紀「はーい」

早苗「ちっ……」

友紀「じゃあねー、これとこれっ! このふたつ買ってみよー!」

早苗「決まったー? なら、今度の休みに買いに行きましょっ!」

友紀「うん!」

友紀「じゃあ、あたしはそろそろ帰るねー!」

P「あ、そういえばお前今日オフだったな」

友紀「うん、早苗さんと服選ぶ為に来てたから。じゃ、また明日ー」

早苗「気をつけて帰るのよー」

友紀「はーい!」

早苗「……友紀ちゃんもあたしの事お母さんって」

P「言われましたねえ」

早苗「はぁ……、カタログ見てよっと。ふあーぁ……」


ーーーーーー………


P「ふぃー……! 来月のスケジュールの打ち込みお終い! 後は5人の実績を纏めて印刷して本社に送って……」

早苗「くぁー…、すぴー……。んんー……」

P「……あ、早苗さんいつのまにか寝てる」

早苗「ふぁ…、くかー……」

P「早苗さんは長ソファの端っこ…。足は出るけどギリギリ俺が寝っ転がれるな……」

早苗「すぅ…、すぅ……」

P「…………」

P「……よし」


ーーーーーーーー………


早苗「……んぁ。んー……」

早苗「いかんいかん…、寝てたわぁ……」

早苗「……あら? 毛布かけてくれてる……」

P「くかー…、んがっ……。ふぁー……」

早苗「あら、まあ。デスクで寝ちゃって。こーら、Pくーん? 首痛めるわよー?」

早苗「それに、風邪も引いちゃうんだから」

早苗「……はい、毛布」ファサッ

P「んー……」

早苗「よしよし……。いつもご苦労様、感謝してますよー」

早苗「しかし、こんな美女とふたりっきりで、その美女が寝てるっていうのにやる事が毛布をかけてあげるってだけとはねぇ……」

早苗「紳士ぶっちゃって♪ 歳下の癖に」

早苗「……あたしの膝くらい、勝手に使ってもよかったのに」

早苗「なーんて、面と向かっちゃあ恥ずかしくって言えないけどー……」

P「かぁ…、さな、え、さん……」

早苗「は、はいっ!?」

P「んん…、飲み過ぎ……、ですよ……。くぅ……」

早苗「……寝言かぁ」

早苗「もうっ! 歳上をからかうんじゃないぞ!」ぺちっ!

P「んがっ……! ん、すぅ……」

早苗「……じゃ、後で起こしてあげるから。もうちょっと寝てなさい♪」

早苗「……お父さん♪」



お付き合いありがとうございました、これにて完結です。

書けば出る……。
つまりこうやって書けばガチャ目玉やイベ上位報酬として出てきてくれるわけですね。

それではネタが浮かべば、またいつか。

またしぶりんと一緒に来やがった!

くそぉ!、

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