伊織「隠し事」 (50)
― 水瀬邸 伊織の部屋 ―
伊織「……」
トントントン
伊織「入りなさい」
???「失礼致します」
ガチャ
新堂「伊織お嬢様。お体に触りますのでそろそろお休みになられた方が……」
伊織「えぇわかってる。でも、あともう少しだk」
伊織「痛ッ!」バッ
新堂「お嬢様!」
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新堂「お、お邪魔立てをして申し訳ございません! 今すぐ傷のお手当を」
伊織「平気よ。これくらいツバ付けとけば治るわ」
新堂「……」
伊織(焦っちゃダメね。もう少し丁寧にやr)チラッ
伊織「なに、まだいたの? 今日はもう休んでいいわよ新堂」
新堂「……」
新堂「かしこまりました。それではお嬢様、お先に休ませて頂きます」ペコッ
――――――
――――
――
― 次の日 ―
響「いぬ美ぃ! そろそろ出発するから起きてよぉ!」グィ グィ
いぬ美「zzz」
P「えっ? 最近、伊織の様子がおかしい?」
律子「はい。まぁおかしいと言ってもほんの些細な違和感がある程度ですが……」
P「そうかぁ? 昨日も俺は、いつもの切れ味でなじられたぞ?」
律子「一見、普段通りには見えるんですけど……」
律子「何か無理をしている感じがするんです」
P「うーん」
小鳥「……」
P「小鳥さんは何か気が付くことありますか?」
小鳥「すみません。私も特にこれと言って……」
律子「そうですか……」
律子「すみません。もしかしたら私の勘違いかもしれません」
P「いや、俺も少し注視しt」
響「伊織がどうかしたのか?」ヒョイ
小鳥「!?」
律子「ねぇ? 響は最近、伊織の様子について何か違和感とかあるかしら?」
響「違和感?」
P「例えば何かこう、悩みを抱えていそうだとか……」
響「うーん」
P「〝隠し事″がありそうだとか」
響「うがぁ!?」
小鳥「……」
響「じじじ自分は別に何も知らないぞッ!!」
P「へっ?」キョトン
響「何も聞いてないし、何も教えてなんかいないんだからッ!!」
律子「……」
響「だだだだから自分に訊いても何も答えられないからねッ!!」
小鳥(素直って、時には罪よね……)
P「よしわかった。なぁ響」ニコッ
P「そろそろ時間だから、いぬ美を連れて先に下の車の中で待機していてくれないか?」
響「うん。わかったぞッ!」
響「ほ、ほらいぬ美ッ! い~く~ぞ~!」グィ
いぬ美「……」
響「うぐぐぐ…ッ!」グィ
ガチャ バタン
P「……」
P「さてと」
P「とりあえず、それほど心配する必要はなさそうだな」
律子「そうですね。でも、どうして響が……」
P「まぁその辺りも含め、暫く様子を見よう。じゃなきゃ響が報わr」
???「あ、あの……」
P「うん?」
やよい「伊織ちゃんに何かあったんですか?」
やよい「すみません。盗み聞きするつもりはなかったんですけど……」
やよい「給湯室のお掃除をしてたから話が聞こえちゃって……」
P「あーいやその!」
律子「プロデューサー。伊織の事ですから、あまり事を大きくしない方が……」コソコソ
P「わかっているよ」コソコソ
小鳥「……」
小鳥「どうやら伊織ちゃん。竜宮小町の定例ライブか近いせいか、少しお疲れ気味みたいなの」
やよい「えっ」
小鳥「ね、そうですよね?」チラッ チラッ
律子「えっ!? あーえぇ。そうみたい」
P「だから暫くそっとしてあげようって話がまとまった所だ」ニコッ
やよい「……」
――――――
――――
――
― 次の日 ―
伊織「……」
伊織(はぁ。流石にしんどいわね)
伊織「……」
伊織(でも……)
ガチャ
伊織「ふん! スーパーアイドル伊織ちゃんが戻ったわよ!」
小鳥「あら? お帰りなさい伊織ちゃん」
伊織「あら?じゃないわよ!」
伊織「私が戻ってきたら3秒以内に飲み物を持ってきなさいよね!」
小鳥「ふふっ。それじゃ今、100%オレンジジュースを入れt」
???「おかえり伊織ちゃん!」バッ
伊織「!?」ビクッ
やよい「えへへ」
伊織「なんだ。やよいも事務所へ戻っt」
やよい「はい伊織ちゃん!」サッ
やよい「伊織ちゃんの為に私、レモンのはちみつ漬け作ってきたよ!」ニコッ
伊織「へっ?」
やよい「小鳥さんから聞いたよ?」
やよい「伊織ちゃん、竜宮小町のライブが近いからすっごく疲れているって」
伊織「……チッ」ギロッ
小鳥「ピヨ…」
小鳥(これでも私はフォローした方よぉ)
やよい「ごめんね伊織ちゃん」
やよい「私、これくらいのことしか伊織ちゃんの役にたてないから……」
伊織「えっ」
しばらくそっとしてあげてって言われたけど……
でも私! 疲れている伊織ちゃんの為に何かしてあげたくて!
だからね、たーくさん作ってきたんだ!
やよい「早く伊織ちゃんに元気になってほしいから!」ニコッ
伊織「……」
やよい「他にも、私に出来ることがあったら遠慮しないでドンドン言ってね!」
小鳥「……」
やよい「えへへ」
小鳥「あぁそうだわ。そういえばコピー用紙の予備を切らしていたのよねぇ」
やよい「それなら、私がおつかいに行ってきますよー?」
小鳥「ありがとうやよいちゃん。でも、他にも調達するものがあるから私が行ってくるわ」
小鳥「だから……」
小鳥「私が戻ってくるまで〝2人″にお留守番、頼めるかしら?」ニコッ
伊織「……フン///」
――――――
――――
――
― 次の日 ―
亜美「うーん…」
真美「どうだ? なにか動きはあったか亜美刑事」
亜美「ダメですボス。ホシはまだ戻ってきません」
伊織「はぁ。遊んでないでちゃんと見張り役やりなさいよね」
真美「うんもー。いおりんはわかってないなぁ。見張り役と言えb」
亜美「あぁ!!」
伊織真美「!?」ビクッ
亜美「兄ちゃんの車が帰ってきたよッ!!」
律子「了解。さてと、それじゃみんな手はずはいい?」
真「へへっ。もっちろん!」
雪歩「美希ちゃん起きて! 2人が帰ってくるよぉ!」ユサユサ
美希「ふにゅ…」
あずさ「あらあら。美希ちゃんったら」ニコッ
貴音「……」ジー
響「まだ食べちゃダメだぞ。たかねぇ…」
千早「合図は任せたわよ、春香」
春香「ま、任せてッ!」
小鳥「しー! みんな、2人が入ってくるわよ!」
伊織「……」
ガチャ
やよい「ただいま戻りましt」
パンッ パパンッ パンッ パンッ
やよい「はわっ!?」ビクッ
春香「せーの!」
一同「やよい、誕生日おめでとー!!」
やよい「~~~ッ!?」
やよい「みなさんッ…」
P「やよい。誕生日おめでとう」ニコッ
やよい「ぷろでゅーさぁ…」ウルッ
春香「はい。これはみんなからやよいへの誕生日プレゼント」サッ
やよい「わぁ! ありがとうございます! すっごく嬉しいです!」
伊織「……」
響「あれ? 伊織〝も″渡さないのか?」
伊織「ちょッ!?///」
伊織「なんでこのタイミングで言うのよッ!/// バカじゃないの!?///」
響「へっ? いま渡さないでいつ渡すの?」キョトン
伊織「くっ…///」
真美「え、なになにッ!? もしかして……」ニヤッ
伊織「いや違ッ///」
小鳥「伊織ちゃん」
伊織「何よッ!」
小鳥「大丈夫よ」
伊織「えっ」
小鳥「きっと、喜んでくれるから」ニコッ
伊織「……」
伊織「ふぅ…」
伊織「やよい」
やよい「どうしたの伊織ちゃん?」
伊織「あ、あのね……これ…」サッ
やよい「えっ?」
小鳥「伊織ちゃんからのプレゼントよ」ニコッ
響「手作りのトートバッグだぞ」ニコッ
伊織「……」
真「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
真美「あのいおりんが手作りぃぃぃ!?」
伊織「あぁぁもうッ! だからこのタイミングで渡したくなかったのよッ!///」
伊織「別に私がなに作ろうと勝手でしょッ! 文句あるわけッ!?///」
律子「……」
律子(そういうことだったのね)ニコッ
春香「わぁ!? すごいすごいッ!」
雪歩「ホント! 縫い目もしっかりしてるし!」
美希「あはっ☆ ブタさんのアップリケが可愛いの」
亜美「買い物することが多いやよいっちにはぴったりだね!」
あずさ「竜宮小町の定例ライブ前で忙しかったのに。さすが伊織ちゃんね」ニコッ
やよい「!?」
千早「これ、水瀬さんが1人で作ったの?」
響「ふふーんッ」ドヤッ
響「実は伊織に頼まれて自分が裁縫のレクチャーをしてあげt」
貴音「響」
響「うがぁ!?」
貴音「しー、ですよ」ニコッ
響「えー! なんでー!?」
やよい「……」
伊織「ちょっとッ!? みんな勘違いしないでよねッ!///」
伊織「裁縫の練習で何となく作っただけなんだからッ!///」
やよい(よく見ると、伊織ちゃんの指に絆創膏が貼ってある)
伊織「ただ、やよいにはいろいろとお世話になっているから。どうせならばって……」
やよい(もしかして、伊織ちゃんが最近疲れていたのは……)
伊織「あ、だけど! もちろん気に入らなければ捨ててもらっても構わないk」
やよい「ッ!」ギュッ
伊織「ふぇ!?」
やよい「気に入らないわけない!」ギュッ
伊織「えっ」
やよい「私、一生の宝物にするね!」
やよい「長介たちにもいっぱいいーーーぱい自慢するね!」
やよい「だから!」
やよい「そんなこと言わないで…」ウルッ
伊織「……」
ほんとにありがとう
大好きだよ、伊織ちゃん!
伊織「……」
伊織「ううん」ニコッ
こちらこそ いつもありがとう
誕生日おめでとう やよい
― 終 ―
以上です
ありがとうございました
誕生日おめでとう、やよい!
この後、おまけ(短編)を2つをこのスレに書く予定です
【おまけ①】 輝きの向こう側へ。それを見守るカタチ
長介「~~~~!」
かすみ「~~~♪」
浩太郎・浩司「~~~ッ! ~~~ッ!」
ワイワイ ガヤガヤ
律子「やよいの弟妹たちを連れてきてくれて、本当にありがとうございます」
新堂「いえ。どうかお気になさらずに」
亜美真美「~~~~!」ニヤニヤ
伊織「ッ!? ~~~~~ッ!!」
やよい「~~~」ニコッ
ワイワイ ガヤガヤ
新堂「……」
新堂「今回、伊織お嬢様はご友人のお力添え〝だけ″で作りあげたいと申しておりました」
律子「えっ?」
律子「すみません。周りが騒がしくてよく聞こえませんでした」
新堂「いえ。伊織お嬢様には後程お迎えにあがりますとお伝え頂けないでしょうか?」
律子「それは構いませんが……」
律子「あ、あのよかったら新堂さんもゆっくりしていって下さい」
伊織「こらぁぁ亜美真美ッ! 待ちなさーいッ!!」
律子「って、少し騒がしい所ですが……」ニコッ
新堂「……」
新堂「私はこの場所から見守ることができるだけで、十分でございます」
律子「えっ」
新堂「そして、本当に皆様には感謝の言葉もございません」
律子「……」
新堂「どうか、これからも伊織お嬢様の事をよろしくお願い致します」ペコッ
律子「……」
律子「こちらこそ、これからもよろしくお願い致します」ペコッ
【おまけ②】 それがあの子たちの…
高木「はっ!」バサッ!
浩司「わぁ! すごいすごい!」
美希「よっ! さすが765プロのMr.マジックなの!」
ワイワイ ガヤガヤ
P「そういえば律子」
律子「はい?」
P「さっきは新堂さんとなに話していたんだ?」
律子「ふふっ。内緒です」ニコッ
律子「それはそうと小鳥さんは知っていたんですね。伊織の隠し事」
小鳥「はい。すみません……」
お体に触りますだと新堂が変態に...
小鳥「事務所で伊織ちゃんが響ちゃんに相談を持ち掛けていた所を目撃しちゃって」
P「うわぁ…。お気持ち察します小鳥さん」
小鳥「もうホント、伊織ちゃんに釘刺されて大変だったんですよぉ!」
小鳥「だからこの間の響ちゃんには肝を冷やしましたよぉ…」
律子「ふふっ。でもまぁ、良くも悪くもそれがあの子たちのみりょk」
響「自分がどうかした?」ヒョイ
3人「!?」ビクッ
響「あ、そうだ! それはそうと自分凄かっただろプロデューサー?」ドヤッ
P「な、何だよ。藪から棒に」
響「ほら、あれあれ!」
響「この前プロデューサーたちが伊織の事について訊いてきたでしょ?」
律子「……」
響「咄嗟に訊かれたからびっくりしたけど、上手に誤魔化せていたでしょ!」
小鳥「……」
響「自分がウソついてるって、全然気が付かなかったよね?」ニコッ
P「……」
P「あぁ。まったく俺たちにまで隠さなくても良かったじゃないか。このー」ナデナデ
響「えへへ///」ニコッ
おしまい
>>44 orz..
お体に触ります → ×
お体に障ります → ○
ごめんなさい新堂さん。いま気が付きました……
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