左門くんはプロデューサー (29)

モバマス×左門くんはサモナー


※コレジャナイ感

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ちひろ「もしもーし、そこの方ー?」

左門「……」

ちひろ「そこのとんがり頭の方ー?」

左門「……僕のこと?」

ちひろ「ええ」

ちひろ「突然ですけど、プロデューサーに興味はありませんか?」

左門「……?」

ちひろ「私、アイドルプロダクションの事務員やってるんですけど」

ちひろ「元いたプロデューサーが夜逃げしちゃいまして」

ちひろ「なので、新しいプロデューサーを探してるんですよね」

左門「僕、下校中の高校生なんですけど」

ちひろ「高校生でもできる簡単なお仕事ですよ」

ちひろ「小学生のアイドルだっていますし、高校生のプロデューサーがいても何もおかしくありません」

左門「いや、おかしいでしょ」

ちひろ「ちょっと放課後にバイト感覚で事務所まで来てくれればかまいませんから」

左門「……」

ちひろ「どうでしょうか?」

左門「興味ないです」

ちひろ「えー……」

ちひろ「自分好みのアイドルとか作れちゃうのにですか?」

左門「……」

左門「……」

左門「というわけで、今から行ってみるんだ」

天使ヶ原「事務所に?」

左門「うん、面白そうだしね」

天使ヶ原「……左門くんってアイドル好きだったっけ?」

左門「いや、別に」

左門「ただ、僕好みのアイドルが作れるっていうからさ」

左門「九頭竜くんみたいな子が作れるってことでしょ?」

天使ヶ原「そういう意味じゃないと思うけど!?」

天使ヶ原「そうじゃなくてさ、こう……可愛いとかカッコいいとか、そういう意味で好みのアイドルが作れるってだけでしょ」

天使ヶ原「第一、たとえばおしとやかな子とか、寡黙な子とかをプロデュースするってなったらどうするの」

左門「そのときはそのときさ」

左門「あの手この手を使って根底から作っていくよ」

天使ヶ原「人間でキャラメイクするな!!」

左門「そして、その子でたくさん遊ぶのさ」

左門「玩具が増えるのは楽しいよね」

天使ヶ原「お前本当のカスだな!」

左門「まあ、ともかく。そんなわけで今日は忙しいから、天使ヶ原さんへの嫌がらせはまた今度にするよ」

左門「じゃね、また明日」

天使ヶ原「……」

左門「……なんでついてきたのさ」

天使ヶ原「左門くんに任せてると危ないからだよ!」

左門「そんな危ないことをするつもりはないよ」

左門「ちょっと悪魔を召喚するだけだし」

天使ヶ原「それを慣れって言うんだよ」

天使ヶ原「もう、左門くん、本当にそういうのやっちゃだめだからね!」

左門「えーっと、ここだよね」

天使ヶ原「聞けよ!」

左門「それじゃ、お邪魔し――」

麗奈「くらいなさいっ!」ヒュッ

左門「――」ベチャッ

天使ヶ原(……うわっ、左門くんの顔がパイまみれに……)

麗奈「アーッハッハ! ひっかかったわね!」

左門「……」

麗奈「顔面真っ白ね、ププッ」

左門「……」

麗奈「あー、おっかし! こんなに見事に当たってくれるとは思わなかったわ、アハハッ!」

左門「……」

天使ヶ原「あ、あの、左門くん……?」

左門「先輩で……いや、イフリートか……?」

天使ヶ原(悪魔呼び出そうとしてる!!)

天使ヶ原「ちょっと左門くん、やめなよ!」

左門「離してくれ天使ヶ原さん!」

左門「これは僕のプライドをかけた戦いなんだ!」

天使ヶ原「たかがパイ投げで!?」

麗奈「悔しかったら仕返してみなさいよ!」

左門「……ああ、仕返すよ」

左門「僕の顔を真っ白にしてくれたように、君の未来も真っ白にしてやるさ」

天使ヶ原「何倍返しだ!?」

天使ヶ原「ほら、相手は子供なんだから、子供の悪戯なんだから!」

麗奈「ちょっとアンタ! 子ども扱いすんじゃないわよ!」

左門「ほら、彼女もこういっているじゃないか」

左門「だから、僕は彼女を大人として扱いたい!」

左門「大人として、対等に制裁したい!」

天使ヶ原「悪戯に対する制裁にしては大人気なさ過ぎるんだけど!」

左門「用意はできた」パチンッ

ベヒモス「……」ズズズ

左門「さあ、行けベヒモス!」

左門「彼女の辞書を空腹の文字で埋め尽くしてやれ!」

天使ヶ原「だから、レベルの差!!」

天使ヶ原「先輩もストップ、ストップ!」

麗奈「……なんかよくわかんないけどやばそうね」

麗奈「こういうときは逃げ――」クルッ

麗奈「――あたっ!」ドンッ

麗奈「ちょっと、あんたどこに目をつけて――」

ちひろ「麗奈ちゃん?」

麗奈「あっ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


麗奈「……」セイザ

ちひろ「ほら、麗奈ちゃん」

麗奈「……ごめんなさい」

左門「大丈夫です、僕は大人なので」

左門「大人ですから、気にしません。彼女と違って大人ですから」

麗奈「……」ムッ

天使ヶ原(凄く根に持ってる……)

ちひろ「麗奈ちゃんはちょっと悪戯好きで……迷惑をかけないようにとは言ったんですけど」

麗奈「迷惑をかけたつもりはないわ」

麗奈「アンタはアタシの手下になるんだから」

麗奈「早いうちから主従関係をわからせただけよ」

麗奈「アンタも今のでわかったでしょ?」

麗奈「アタシが上、アンタが下ってことを!」

麗奈「アーッハッハッハ! 見事にひっかかったアンタは面白――」

ちひろ「――麗奈ちゃん?」

麗奈「……はいはい」

ちひろ「……というわけで」

ちひろ「あなたにプロデュースして頂きたいのはこの子です」

左門「……」

天使ヶ原(うわ、嫌そう……)

ちひろ「じゃあ、麗奈ちゃん、自己紹介お願い」

麗奈「……アタシは小関麗奈よ」

麗奈「どんな手を使ってでもトップアイドルになるつもりだから」

麗奈「せいぜいアンタはアタシの手足として働きなさい」

左門「……どんな手をつかってでも?」

麗奈「そうよ」

麗奈「世の中、イイコが勝つんじゃない、頭の良い奴が勝つのよ」

麗奈「正々堂々とかスポーツマンシップとか、そういうのは古いわ」

麗奈「勝った奴が正義なのよ」

麗奈「そして、アタシは勝ち続けてトップになるの!」

麗奈「それで、世界中にレイナサマの名をとどろかせてやるわ!」

左門「へぇ……」

左門「どんな手でも使うのかい?」

麗奈「だから、そういったでしょ」

麗奈「勝つためだったら何だって使って、どんなことだってしてやるわ!」

左門「へぇ……!」

天使ヶ原(さっきあんな嫌そうにしてたのに、めちゃくちゃ嬉しそうだな!)

天使ヶ原「……え、えっと……その、何だってするっていう言葉は取り消した方がいいと思うんだけど……」

麗奈「なんで取り消さなきゃいけないのよ」

天使ヶ原「いや、えっと……」

左門「そうだよ、天使ヶ原さん」

左門「勝つために色々な努力をすることは間違いなんかじゃないはずだよ?」

天使ヶ原「お前のしてることはただの蹴落としじゃねーか!」

左門「結果的に僕が上にいればいいのさ」

麗奈「あら、アンタもそういう考えなの、気が合うわね」

天使ヶ原(ああ、もうっ!)

天使ヶ原(こういう結託してほしくないから言ってたのに!)

ちひろ「……じゃあ、麗奈ちゃんのこともわかってくれたみたいですし」

ちひろ「次は、あなたのことを聞いてもいいですか?」

左門「わかりました」

左門「僕は左門召介、召喚術師をやってます」

麗奈「は? 召喚術?」

左門「そう召喚術。悪魔の召喚をよくしてるよ」

麗奈「……へぇ、面白いじゃない」

左門「おや、信じるのかい?」

麗奈「あんたたち悪魔だなんだってさっき騒いでたじゃない」

麗奈「あと、変な象みたいなのも見えたし」

麗奈「それに、召喚術ができないならそれはそれでいいわ」

麗奈「アンタができる手下か、できない手下か変わるだけよ」

左門「……ふーん」

ちひろ「じゃあ、お二人の自己紹介も住んだところで……」

麗奈「コイツはいいの?」

天使ヶ原「……あ、私?」

天使ヶ原「私は、左門くんの付き添いみたいなもんだから気にしないでもいいよ」

麗奈「それでも名乗るくらいしなさいよ」

麗奈「アタシの名前を教えたのに……なんか不公平じゃない」

天使ヶ原「……じゃあ、えっと……天使ヶ原桜です、よろしくお願いします」

麗奈「ん、よろしく」

ちひろ「……今度こそ、自己紹介もすんだところで」

ちひろ「改めて言いますと、左門さんには麗奈ちゃんのプロデューサーをやってもらいます」

左門「ん」

ちひろ「……と言っても、左門さんは学生ですから、営業などには学業の関係などで行けないでしょう」

ちひろ「そういった外回りの仕事なんかは私がやっておきますので、それ以外の仕事をお願いしますね」

左門「……それ以外って言いますと?」

ちひろ「レッスンやライブ、収録の付き添いなんかですね」

ちひろ「また、どういったレッスンや仕事が欲しいかも言ってくれれば私が用意しておきます」

左門「……なるほど、わかりました」

ちひろ「そうなりますね」

天使ヶ原(左門くんが敬語使ってると凄い胡散臭いな)

ちひろ「前も言いましたがあくまでバイトみたいなものですので、気楽にやってくださいね」

左門「わかりました」

ちひろ「それでは、私は少し外に出てくるので」

ちひろ「麗奈ちゃんをよろしくお願いしますね」

左門「はい」

ちひろ「あと、召喚術で事務所を壊したりしないでくださいね」

天使ヶ原(……この人も悪魔信じてるんだ)

ちひろ「それでは」ガチャ

左門「……」

麗奈「……」

左門「さて、どうしようか」

天使ヶ原「麗奈ちゃんはこの後予定あるの?」

麗奈「えーっと……ビジュアルレッスンね」

天使ヶ原「ビジュアルレッスン?」

麗奈「ええ」

麗奈「もっと楽しそうに笑えーとか泣けーとか、つまんないことこの上ないわ」

麗奈「ねぇ、アンタ悪魔が召喚できるっていうならそういうのが楽になる悪魔とか召喚してよ」

左門「そうだなぁ……」

左門「そのレッスンって、ビジュアルで相手を虜にするのが目的だろ?」

麗奈「そうね」

左門「なら、その本職の人を呼んだほうが早いと思うんだ」

麗奈「本職?」

左門「ああ、その美貌で何人もの人間を虜にした悪魔さ」

天使ヶ原(……まさか)

左門「呼ぶのに3時間かかるんだけど――」

天使ヶ原「あだ名が淫魔の人じゃねーか!!」

天使ヶ原「やめようよ!」

天使ヶ原「あの人のテクニックはアイドルとは程遠いんだし!」

左門「でも、男を誘惑して骨抜きにするのは得意な悪魔だよ?」

天使ヶ原「古い合コンテクしかしなかったぞあいつ!」

麗奈「……というか、3時間あったらビジュアルレッスン終わってるわよ」

麗奈「もっと役に立つのないの?」

左門「そうだなぁ……」

左門「じゃあ、アンリからアカを借りよう」

麗奈「アカ?」

左門「ああ」

左門「そいつを取り憑かせたら相手を簡単に洗脳できる」

左門「だから、レッスンを楽にするのなんて簡単なことさ」

麗奈「洗脳……」

麗奈「……いいわね、それ」

天使ヶ原「よくないから!」

天使ヶ原「それ何もレッスンしてないからね! レベル上がってないからね!」

麗奈「でも、そんな便利なものが使えるなら、何もレッスンに使う必要はないわ」

左門「ん?」

麗奈「もっと面白いものを思いついたのよ、ついてきなさい!」

天使ヶ原(嫌な予感しかしない……)

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麗奈「今ここでライブやってるのよ」

天使ヶ原「……本当だ、ポスター貼ってる」

左門「で、どうするんだい?」

麗奈「邪魔してやるのよ!」

天使ヶ原「……えっ?」

麗奈「アタシがこのステージに参加して、台無しにしてやるわ!」

麗奈「それで、今日ここにきてる奴を全員あたしのファンにするのよ!」

左門「……なるほど」

左門「そのために、アカを使うってことか」

麗奈「ええ」

麗奈「関係者全員を洗脳して、このステージに入るわよ!」

天使ヶ原「やめてやれ!」

左門「大丈夫だよ、明日になれば解けるさ」

左門「彼らには今日の間だけ犠牲になってもらうだけさ」

天使ヶ原「だからってさ……」

麗奈「さ、行くわよ!」ダッ

左門「ああ」ダッ

天使ヶ原「あっ、ちょ、ちょっと待ってよ!」

左門「こっちに来ても無駄だよ、天使ヶ原さん」

左門「洗脳した奴ら全員に天使ヶ原さんだけは絶対にステージにいれるなって命令するから」

天使ヶ原「私に何の恨みがあるんだ!?」

麗奈「……本当にステージ前にこれたわね」

左門「関係者全員は洗脳済みだ」

左門「天使ヶ原さんもここに来ていない」

左門「色々言っていたようだけど、関係者の壁には勝てなかったようだ」

左門「だから僕らが何をしようと咎められることはない」

麗奈「……つまり、ここからはアタシの独壇場ってことね?」

左門「そうなるね」

麗奈「フフッ、アンタがいるとアタシがトップになるのがさらに早まる気がするわ」

左門「もちろんさ」

左門「僕も君のような欲まみれな人間は大好きだからね」

左門「君が欲を見せるたびに僕はそれを手伝うよ」

左門「悪魔でも何でも使ってね」

麗奈「……そう」

左門「照明や音響なんかの機械類はすべてグレムリンにいじってもらった」

左門「君の衣装や歌の音源もガープを使って取ってきた」

左門「もちろん、それ以外の小細工もしている

左門「あとは君があそこに出て歌うだけさ」

左門「準備はできているかい?」

麗奈「もちろんよ」

麗奈「今日が悪魔の力を手に入れた新生レイナサマの第一歩の日よ!」

麗奈「見てなさい、このレイナサマが頂点に立つところを!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


麗奈「……」セイザ

左門「……」セイザ

ちひろ「まったく……二人とも何してるんですか?」

麗奈「歌を歌ったわ」

左門「その手伝いをしました」

ちひろ「そういうことを聞いているのではなく」

麗奈「……でも、みんな喜んでいたわよ」

ちひろ「そうですね」

ちひろ「確かに、熱狂的に盛り上がりました……驚くほどに」

ちひろ「もっとブーイングの嵐とか来ると思ってたんですけど……ゲリラなんてレベルじゃありませんでしたし」

ちひろ「流れている歌を突然止めて、急にステージに現れて歌いだすって何なんですか」

左門(……念のため出しておいたグシオンのおかげだ)

麗奈「……結局アタシのファンは増えたんでしょ?」

麗奈「ならいいじゃない」

ちひろ「鳴り止まないこの電話の音を聞いてもそう思いますか?」

麗奈「……」

麗奈「ちょっと、関係者全員洗脳したんじゃないの?」ボソボソ

左門「……おそらく観客側にいたジャーナリストとかから漏れたんだろう」ボソボソ

麗奈「しっかりしなさいよ、まったく」ボソボソ

左門「しかし、そいつらもみんな君のことを好きになってくれたはずだ」ボソボソ

左門「だから、外には良かったようにしか伝わらないはずだ」ボソボソ

麗奈「じゃあなんであんなに電話が――」ボソボソ

ちひろ「――聞いてますか?」

麗奈「はい」

左門「はい」

ちひろ「確かに、気楽にやってくださいとは言いましたけど」

ちひろ「事務所を壊すなとしか言ってませんけど」

ちひろ「自由にやってくださいとは言ってませんよね」

左門「……」

ちひろ「そもそも――」

麗奈「……ねぇ、この長くなりそうな説教を終える悪魔とかいないの?」ボソボソ

左門「……」

左門「……先輩」ボソボソ

ベヒモス「……」食欲ビーム

ちひろ「ちなみに、私にそんな低級な悪魔の攻撃は効きませんので」

左門「!?」

麗奈「!?」






おわり

沼駿先生とアイマスは微塵も関係ないけど、左門くんとレイナサマって愛称よさそうだなって突発的に思ったので書きました

左門くんはサモナーが今のジャンプで一番楽しみです

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