モバP「釘を刺しておこう」 (111)
P「なるべくアイドル達を自由にさせてきたが、さすがに看過できなくなりつつある」
P「机の下に居着かれるなんて今やかわいいもんだ」
P「バレてないと思ったら大間違いだからな……とはいえ、晒し首にするのも可哀想か。俺以外誰もいない個室に呼び付けて直に注意するとしよう」
P「さてと、まずは>>2を呼ぶぞ」
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くるみ
くるみ「ぷ、ぷろでゅーしゃー?」
P「きたか。まあ、適当にその辺座ってくれ」
くるみ「うん……えっと、呼ばれたの、くるみだけ~?」
P「そうだよ。その方がいいかなって」
くるみ「ふぎゅっ、じゃ、じゃあこれからくるみ、ぷろでゅーしゃーに怒られる? もしかして悪いことしちゃったの? ……ぐしゅっ」
P「えーと、なんだ。言いづらいことではあるんだが、黙ってもいられないからせめて2人きりの時に注意しとこうかと」
くるみ「や、やっぱり、うぅ~、くるみ……うる~」
P「……さっさと本題に入ろう。なあくるみ、>>10についてなんだが」
その手に持ったシャツ
くるみ「ふぇっ……シャツ? ぐしゅっ」
P「あーあー、涙を拭くんじゃないよ。というかそれ、誰のだと思ってるんだ?」
くるみ「誰の? だってくるみ、ずっと持ってるよ~?」
P「いやそれサイズ合ってないし、その前に男物だし、もっと言えば俺のだし! さあ返してもらおうか。それにこれは、くるみのためでもある」
くるみ「??」
P「うん、何というか、お気に入りのぬいぐるみを抱きかかえるかのようにそのシャツを持ち歩かれると、いろいろまずい」
くるみ「そ、そうなの~?」
P「残念なことに、俺だけならともかく、下手すればくるみも最悪……死ぬ(社会的に)」
くるみ「ふぇっ、死んじゃうの!? くるみ……死んじゃう、死んじゃ……う、ううぅぅ~」
P「な? それにくるみは気づいてなかったみたいだけど、それ持って事務所にいる時なんかもう、サバンナに子犬や子猫の類が迷い込んだようなものだったぞ」
くるみ「……そっかぁ、くるみ、ライオンしゃんに食べられて死んじゃうんだねぇ……ぐしゅっ」
P「そうなる前に、それを持ち主である俺に返してくれないか、というわけだ。どうだ?」
くるみ「う、うん……わかった~。ごめんね、ぷろでゅーしゃー」
P「よしよし、よく出来ました。……ところで、本当にこれをいつどこで持ち出したのか心当たりはないのか?」
くるみ「え、えっとぉ、えっとぉ~……」
P(はぐらかしてるのか本気で思い出せないのかわからんな。ま、シャツも取り返せたし、しばらくくるみの様子を見ておこう)
P「解決、と言い切っていいかは微妙だがくるみの件はここら辺にしておこう」
P「無意識に物を持っていってしまうとかじゃなきゃいいけど。店の物持ち出して万引き~とか笑えないしな」
P「それじゃあ次のアイドルを呼び出すか。>>14かな」
ほたる
ほたる「失礼します……」
P「あれ、体調悪いのか? 顔色が悪いぞ」
ほたる「いえ、その、また……なのかなって、ちょっと思ってしまって」
P「ん? ……あー、違う違う。うちは倒産なんてしそうにないし、ほたるのせいみたいに言うつもりもないよ」
ほたる「そう、なんですか? よかった……。でも、それならどうして私をここに? 他に誰も……いませんよね」
P「それなんだが、実はな。↓1のことでほたるに話がある」
ほたる「っ!? どうしてそれを、あっ」
P「やっぱりお前があれを……。人がうつった写真、藁人形とくればほたるが何したいのか、だいたいわかる。しかし、どうして……」
ほたる「…………」
P「言えない、か。そんなに俺のこと」
ほたる「ち、違うんです! その、私がPさんを呪いたいほど憎んでるとか、そういうことじゃないんです!」
P「? それなら、どうして」
ほたる「……お話しします。けどその前に、こんな私によくしてくださってるPさんのことを嫌いだとか、憎いだとか、悪く思ってるなんてことだけは絶対に、ないので……それだけは、その」
P「ああ、わかった。信じるよ」
ほたる「ありがとう、ございます。それでは理由を話しますね。……私、今のプロダクションも駄目になったら、アイドルを辞めようと思ってました」
P「気持ちはわからなくもないけど、それと藁人形は関係があるってことでいいんだな?」
ほたる「はい……。私にとって本当の不幸はアイドルを諦めなきゃいけなくなること……でもそれよりも、私のせいでPさんが不幸になってしまうことの方がもっと嫌だな、と思うようになって」
P「うん」
ほたる「だから、もしこのプロダクションが倒産してしまっても、それによってPさんが苦しまなくて済むように、せめて一瞬で楽にさせられる方法はないかと探していたら」
P「うん……うん?」
ほたる「私の不幸の力ならこの方法が確実だという答えにたどり着いたんです」
P「待ってほたる。お願い、待って」
ほたる「……どうかしましたか?」
P「うん、どうかしてる。じゃなくて、ほたるは俺のためにそこまで考えてくれていた、ってことでいいんだな?」
ほたる「はい。そ、そうです」
P(重い……。悪気がないだけマシ、といえばマシだったかもしれないが)
P「なあ、ほたる」
ほたる「?」
P「ご覧の通り俺もプロダクションも息災ない。俺はずっとほたるのプロデューサーで、ほたるはずっとうちのアイドルだ。だから、一緒にトップアイドル目指そうな」
ほたる「っ、こ、こちらこそ、よろしくお願いしますっ」
P(じゃないと俺が死ぬ! 一瞬で逝く!)
P「あー……むしろ聞かない方が幸せだったのかもなあ」
P「うちが倒産するなんて今のところ考えられないけど、世の中何があるかわからんし少しでも業績を上げられるよう頑張ろう。ビッグになろう」
P「ほたるの件はここまでにして、次は↓1を呼ぶとするか」
こんな感じでゆっくりやっていきます
晒し首に総ツッコミされてわろた、わろた……
息災なかったらマズいんじゃないの?息災という言葉をそんな使い方しているのを初めて見たが
釘を刺しておくつもりが刺されとるやんけ!
>>30
そうですね……勘違いしてました
言葉を選ぶ前に意味や使用例をググるよう気をつけます
ご指摘いただいた点は書き終えてから直そうと思います。また何かミスしてたらその時はよろしくお願いします
志保「失礼します」
P「ああ、来たな。って何を持ってるんだ?」
志保「あれ? てっきり私の淹れたコーヒーが恋しくなって呼び出されたのかと♪」
P「そんなに人使いが荒くなった覚えはないぞ。くれるならいただくけど」
志保「どうぞどうぞ♪」
P「どうもどうも、じゃなくてだな。悪いが志保を呼んだ理由はコーヒーじゃないんだよ」
志保「そうなんですか? でしたら紅茶の方が……?」
P「飲み物から離れよう。実は↓1についてなんだ」
志保「大豆?」
P「コーヒーも紅茶も志保が淹れてくれたやつなら美味しいに決まってる。でも俺は最近違う飲み物に目がないんだ」
志保「それと大豆が何か……あっ、もしかして豆乳ですか?」
P「うん。他にはもう何も飲みたくないってレベルでな。良い大豆からは良い豆乳が作れるはずだろう?」
志保「そうだったんですね。ごめんなさい! 私、気がつかなくて」
P「いや、俺が豆乳しか飲まなくなったなんて、志保にしか話してないよ。よくコーヒーを淹れてくれたから、影でこっそり捨てなきゃならなくなるのが申し訳なくて」
志保「いいんです、私が勝手にPさんにって淹れてただけなんですから。でも、Pさんの好みを知ってるのは私だけ……ふふっ。豆乳、かぁ」
P(よしよし、これでしばらく志保から飲み物を受け取らずに済むか? 恐らくこのコーヒーもだけど、志保の淹れてくれるものって↓1なんだよな……前は普通に美味しいだけだったのに)
P(だんだんと、なんかこうムラムラするというか。もし変なものでも盛られていたら……気付かない振りしてこれを飲み続けてたらどうなるのだろう)
志保「わかりました。私、いつかPさんにとびっきりの豆乳をご用意しますね♪」
P「あ、ありがとう。楽しみにしてるよ。でも無理しなくていいからな?」
志保「大豆……大豆の名産地は……作り方も……」ブツブツ
P「おーい、聞いてるかー? 行っちゃった。聞こえてないらしい」
P(何やら今にでも良い大豆を求めて旅立っていきそうな、妙なやる気のオーラが伝わってきて怖い。本当に豆乳作って持ってくる前に次の言い訳考えとこうか……)
P「あ、志保のやつコーヒー置いていったままだ。これどうしよう……後で処理するか」
P「とりあえず志保については時間が稼げそうだし、次のアイドルでも呼ぼうかな」
P「そうだなあ。次は↓1でいこう」
杏「んー……なんか用~? せっかく寝てたのに……」
P「それは悪かったな。ちょいと杏に話しておきたいことがあったからさ」
杏「私に? …………もしかして」
P「休みはやらんぞ」
杏「えー? ってまだ何も言ってないじゃん! 積みゲー消化したいんだけどなぁ、チラッチラッ」
P「紗南に攻略手伝ってもらえばいいんじゃないか。それより、杏……↓1の件でお前に言っておきたいことがある」
P「これのことだ」
杏「えっと、なんだっけそれ」
P「妊娠検査薬だよ。それも妊娠してることを示している……らしい。この前杏がまたどこかに隠れて昼寝かゲームしてたとき、拾ったからって持ってきただろう?」
杏「あー、あれかぁ。へ、妊娠検査薬?」
P「俺も後で驚いたよ。どうしてアイドルだらけの事務所にこんなものが落ちていたかはわからないが、いろいろとまずいことは杏にもわかるだろう?」
杏「う、うん……そりゃあね」
P「そこでだ。これ、どこに落ちてたんだ? その時そこに誰が来ていた? それを俺に教えてほしい」
杏「そんなこと言われても、どうだったかなぁ。人が多過ぎて誰がいたかなんてわかんないよ」
P「頼む。何かのそばに落ちてたとか、そういう些細なことでも何でもいい。思い出してくれ」
杏「……むむ~。んーーー…………多分だけど、↓1~3とかだったような?」
P「ちひろさん、楓さん、保奈美……思いのほかアダルティーな面子でこわい」
杏「一応私より1つ年下がいるような、いないような」
P「やっぱり見過ごすわけにはいかないよなあ。ギリギリありえそうなのは、俺に言いづらいからちひろさんに相談していた説」
杏「そだね。もしくはちひろさんの寿退社がもう間近~とか。働かなくても養ってもらえるならそれなんて勝ち組?」
P「産休かもしれないぞ? とはいえ事務所としてはそれが一番傷が浅くて済むな。優秀な人がいなくなるのは痛手だけどそれはそれとして祝福したい」
杏「で、プロデューサーはどうするの?」
P「遅かれ早かれ知ることになるなら早いうちに対処したいが……↓1」
P「個別に聞いてみよう。って今とやってること変わらんなこれじゃ」
杏「もういい? ふわぁ……じゃあ私は寝直そうかな」
P「おっと、杏はそろそろレッスンだろ。さっさと着替えてレッスンしてこい」
杏「ぐぬぬ、プロデューサーのせいでお昼寝の時間が減ったのにー、もうちょっとなんかないの!?」
P「はいはい飴ちゃん飴ちゃん」
杏「いい加減その手には乗らないよ、でもくれるって言うなら貰っておこうか」
P(ちょろい)
杏「ちょろいとか考えてそうな顔してる隙にそこのコーヒーももーらいっ!」
P「あ、それは……」
杏「なんかぬるい? まあいいや、今度はもっといいもの用意しといてね~」
P「……。1度くらいなら飲んでも大丈夫、だよな。あれ」
P「妊娠検査薬……うーん。やっぱりちひろさんに任せておく方が?」
P「いや、ここはプロデューサーとして俺がしっかりとしないと。どうせいつかは俺の耳に入ることだろうし」
P「気を取り直して、次は↓1を呼んでみよう」
(以降はちひろ、楓、保奈美の場合、話題が妊娠検査薬に固定されます)
楓「お呼びですか? プロデューサー」
P「ええ、ちょっとお話が。適当に座ってください」
楓「それには及びません、なんて。ふふっ、どんなお話でしょうか」
P(あまり普段と変わらないな……というか楓さんマイペースだからいつもこんな感じか)
P「楓さん。俺はプロデューサーとして、あなたに聞いておきたいことがありましてね」
楓「? では私もアイドルとして、お答えしますね」
P「ありがとうございます。……早速ですが、これについて何か知りませんか?」 スッ
P(さすがの楓さんもこれに心当たりがあればうろたえるぐらいする、はず)
楓の様子↓1
楓「……っ」
P(! 明らかに反応してるぞ。やっぱり何か知ってるみたいだ)
P「事務所にこんなものが落ちてましてね」
楓「そう、ですか。なぜ私に?」
P「いえ、楓さんだけに限ってるわけじゃないんですが、これがここにある訳を知っている人を探していまして」
楓「……」
P「何かご存じではないでしょうか。もし知ってることがあるなら、お願いします」
楓「……わかりました。お答えしないと、いけませんね」
P(心なしかいつもより楓さんが小さく見える……仕方ないよな)
楓「実は――↓1」
楓「プロデューサーの寝込みを」
P「えっ」
楓「襲わせてもらいました」
P「えっ」
楓「完全に寝てしまわれると致せないと思ったので、ほとんど意識がない状態のプロデューサーを、というのが正確でしょうか」
P「えっ」
楓「プロデューサー?」
P「えっ」
楓「そういうことなので、あなたがパパになるんですよ」
P「えっ。いやいやいやいや! ……楓さん、冗談ですよね?」
楓「↓1」
楓「お前がパパになるんだよ! って私もこの子も言ってます」
P「いや、そんなノリの我が子? も怖いですけど、何より楓さん……本当なんですね?」
楓「ええ、間違いありません」
P「…………。どうして、俺なんかの子どもを」
楓「こうなれば担当プロデューサーとしてではなく、私……とこの子だけに、特別なプロデュースをしてくれるでしょう? きっと私がアイドルでいられる以上に永い時を」
P「そんなこと言われても、俺の意思はどうなるんですか?」
楓「いや、ですか?」
P「いやも何も、なにもかも急過ぎてついていけないんですが」
楓「わかっています。こんな形で外堀を埋めようだなんて、どうかしてますよね」
P(答えにくい……)
楓「……。プロデューサー、正直に言葉にしていただけませんか? こんな私をはっきりと拒絶してくれて構わないです。でも、そうでないなら」
P「それは……」
楓「お願いします」
P(はぐらかすわけにもいかない、よな。俺は――」
P「↓1」
P「他のアイドルにも同じような事をされてますけど、それでも良いなら」
楓「えっ」
P「えっ」
楓「同じような事、って……」
P「いや、あの、ちょっと待ってくださいね。何言ってるんでしょうね俺」
楓「……わかりました。これだけでは足りない、ということですね。プロデューサーに振り向いてもらうためには」
P「か、楓さん?」
楓「待っていてください、必ず戻ってきますから。他の子なんて一切目に入らないぐらいの私になって」
P(なんだ、いつもの25歳児なんて言っていられないほどの迫力を感じる!)
楓「……私のことしか、見ちゃ駄目なんですから」
P「待っ、楓さん!? 楓さああああん――行ってしまった……」
P「……。このままプロデューサーとしてこの事務所にいるべきなんだろうか、俺」
P「…………」
P「近い将来、修羅場の真っ只中にいたりしないよな、俺。まさかな」
P「……現実逃避したくなるから何かしよう。もともと何してたんだっけ」
P「ああそうか、アイドルの目に余る行動を注意してたんだった。ははは……えっと、↓1でも呼ぶか」
仁奈「何でごぜーますか、P!」
P(ああ、無垢な笑顔にこれほど和ませられるとは)
仁奈「……P? いきなり無言でなでなでされるとこえーですよ、どうしやがったんですか?」
P「いろいろあってな……ところで、仁奈に言わなきゃいけない事があるんだ。よく聞いてくれ」
仁奈「言わなきゃいけない事? 仁奈に?」
P「まあな。↓1のことで注意しておこうと思って」
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