オウ助「ヒーロー」 (183)

オウ助「小鳥さんは若いね!」

小鳥「オウ助ちゃん。もう一回言ってくれるかしら?」

オウ助「小鳥さん、僕ならほっとかないよ?」

小鳥「結婚してぇぇぇぇぇえ!」


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千早「…あれでいいのかしら」

律子「まぁ、本人が満足してるみたいだし…」

春香「そういう問題なのかな…?」

小鳥「ピヨぉぉぉお!?本当に…本当に…こんな思いをするくらいなら…鳥に産まれたかったよぉぉお!」

響「まためちゃくちゃ言ってるぞ…」

春香「でもオウ助は優しいね」

響「そうか?」

律子「そうよ。あんなことに付き合ってあげてる時点でかなり優しいわよ」

響「でも中々エッジの利いた毒舌だと思うぞ?」

春香千早律子「「「は?」」」

響「へ?」

春香「いや、どう見ても…」

千早「慰めてるようにしか…」

響「あっ!そーかそーか、自分にしかわかんないのか」

律子「どういうことよ?」

響「あのな、例えばハム蔵は、みんなに『ヂュイ!』って言うだろ?」

春香「うん」

千早「私たちにはそう聞こえているわ」

響「うん。だけどその意味は『春香ちゃん可愛い!』だったり『千早ちゃん素敵!』だったりするんだ」

春香「つまり?」

響「つまりね…」

律子「あっ!なるほど、今回オウ助は『小鳥さんは若いね!』って鳴いてるだけで意味はまた別にあるのね?」

響「そういうことだぞ」

春香「へぇ、器用なことしてるんだね」

響「まぁ、本当にそう言ってる時もあるんだけどな」

千早「因みにさっきは本当は何て言ってたの?」

響「『そんな風に後ろ向きだから婚期まで逃げて行くんだよ!』」

春香「めちゃくちゃ辛口だ!?」

響「『元はいいんだからもっと自信持てよバカ!』」

春香「でも根はいい子!」

響「オウ助は基本的に嘘は嫌いだからな。オブラートには包むけど」

小鳥「あぁ、オウ助ちゃん!急にどうしちゃったの?」

律子「今度は何ですか?」

小鳥「オウ助ちゃんが急に喋ってくれなくなったんですぅ!」

オウ助 プイッ

千早「何か怒らせることを言ったんじゃないですか?」

小鳥「そんな…さっきの調子で喋ってただけなのに…」

律子「…それが原因じゃないですか?」

小鳥「あぁ…オウ助ちゃん、私のことを励まして…」

響「ふんふん…」

春香「響ちゃん、オウ助は何て?」

響「ピヨ子、嘘ついただろ?」

千早「嘘?」

響「オウ助は他人の嘘がわかるんだ」エッヘン

春香「オウ助凄い!?」

響「そんでもってオウ助は嘘が嫌いだからな」

律子「小鳥さん、何を言ったんですか?」

小鳥「えーっと…あっ!『私、オウ助ちゃんがいてくれたら一生独身でもいい』って…」

千早「大嘘じゃないですか…」

小鳥「テンションが上がっちゃって、つい…ごめんなさい、本当は結婚したいです…」

響「だってさ、オウ助」

オウ助「しょーがないなぁ…」

小鳥「オウ助ちゃぁぁぁぁあん!」

オウ助「誰に嘘ついたって、自分にだけは嘘ついちゃダメなんだぜ?」

小鳥「素敵!抱いて!」

ワイワイガヤガヤ

千早「…あれは嘘じゃないのね」

春香「小鳥さん…」

律子「でもオウ助は本当に賢いわよね…」

春香「そういえば、今日はなんでオウ助を連れてきたの?」

千早「そうね、いつもならハム蔵かいぬ美だけなのに…」

響「ふっふーん!今日は今からヤキニクマンに会いに行くんだぞ!」

律子春香千早「「「へ?」」」

響「近くのデパートに来るんだって!自分とオウ助は昔から大ファンなんだ!また本物に会えると思うと嬉しくてたまらないぞ!」

千早「いや、我那覇さん…ヤキニクマンは本当にいるわけじゃ…むぐ!?」

春香「だ、ダメだよ!千早ちゃん!」ヒソヒソ

千早「いや、でも…」

律子「そうよ!千早がやろうとしているのは子供にサンタクロースの正体を教えるようなものよ!」ヒソヒソ

千早「そんなに残酷なことかしら…」

響「ふっふーん♪全く、オウ助はヤキニクマンが好きなんだからなぁ。しょうがないぞ♪」ニコニコ

律子「見なさい、あの純粋にヤキニクマンを信じてやまない目を」

春香「亜美真美でもあんな目でヤキニクマン見てないよ?」

千早「それでいいのかしら…」

オウ助(ふっ、この子は変わらないなぁ…あの時もそうだった…)

オウ助(そう、あれは9年前の話だ…)

9年前

ガ-ガ-
ワンワン
ニャ-ニャ-

オウ助(9年前、俺はとあるペットショップにいた)

オウ助(と言っても、『どこかから無理やり連れ去られて…』みたいな話ではなく、産まれた時からここにいる。生っ粋の養殖野郎だ)

オウムA「コンニチハ!コンニチハ!」

オウムB「カワイイネ!カワイイネ!」

オウ助(こんな風に他のオウムと一緒に売られていたんだ…)

オウ助(え?だからそんなに冷めた性格なのかって?それは違う。俺がこんな性格になったのは…)

女「きゃー!?このオウム可愛い!」
女(って言ってる私可愛い!)

男「ははは、そうだね。まあ、君のほうが可愛いけどね」
男(げっ!?たっけぇ!?こんなもん欲しがってんじゃねーよ!)

オウ助(…これだ)

オウ助(生まれつき、俺には他人が喋ればそいつの考えてることが聞こえる)

女「きゃぁあ!?あっちのニャンちゃんもカワイイ!」
女(本当はねこアレルギーだけど…)

男「本当だね」
男(俺本当は犬派なんだよなぁ…)

オウ助(こうやって嘘に塗れた世界に生まれた時からいるんだ。そりゃ冷めた性格になってもしょーがねーだろ?『他人なんて信じるだけ無駄』ってやつだ)

オウ助(まぁ、こう言うと俺が人間の醜さに絶望してるように聞こえるかもしれないが、実際はそんなことはない)

オウムA「コンニチハ!コンニチハ!」
オウムA(ほら、お前らこういうのが好きなんだろ?)

オウムB「カワイイネ!カワイイネ!」
オウムB(こう言ってやってんだからさっさと俺を買えや)

オウ助(…俺が諦めてるのは人間だけじゃないからな)

チワワ「きゃいん!きゃいん!」
チワワ(あぁぁ…金持ちに飼われて悠々自適に暮らしてぇぇ…)

オウ助(人間が汚れてるなんて言うつもりはない、動物だって似たようなもんだ…)

ロシアンブルー「にゃーん♪」
ロシアンブルー(金持ち来い!金持ち来い!)

オウ助(だから俺は…)

ガチャンッ

店員A「あっ!?」

店員B「オウムが逃げたぞ!」

オウ助(そんな現実から逃げ出した)

オウ助「はぁ…はぁ…はぁ…」

オウ助(とは言っても温室育ちの俺にはそんなに長い時間飛び続けるなんてことは出来なかった…精々島一つ分…隣の島に行くくらいだ)

オウ助「はぁ…はぁ…うっ…ぐっ…」

オウ助(でもそれで良かった、俺はこんな嘘塗れの世の中に嫌気がさして死にに来ただけなんだから…)

オウ助「はぁ…………はぁ…………」

オウ助(こうして俺の息が途絶えかけたその時…)

響 ジ-

オウ助(…こいつは現れた)

響 ジ-

オウ助(なんだこいつ…そう思うか思わないかで俺は意識を手放した…)

オウ助「んっ…うぅぅん…」

オウ助(気がついたら俺は民家の一室にいた)

響 ジ-

オウ助(こいつと一緒に…)

オウ助(実際オウムってだけで寄ってくる輩はそれまでにも沢山いた。でもずーっと喋らない俺を見たらすぐに別の場所に行く)

響 ジ-

オウ助(…はずなんだけど)

響 ジ-

オウ助(何が面白いんだ…?)

響 ジ-

オウ助(結局こいつは一日中俺が入れられている鳥かごの前に座り続けていた)

オウ助(でもまぁそれまでだ。これでわかっただろう。俺を見ても何にも楽しいことはない。明日には興味がなくなって…)

翌日

響 ジ-

オウ助(…るはずだったんだけどなぁ…)

いぬ美 ジ-

オウ助(それになんか増えてるし…)

響いぬ美 ジ------

オウ助(ま、まぁ流石に明日には飽きて…)

更に翌日

響 ジ-

オウ助(…)

いぬ美 ジ-

ハム蔵 ジ-

オウ助(また増えてるし…)

響いぬ美ハム蔵 ジ--------------

オウ助「…なんなんだよ」ボソッ

響「喋ったぁぁぁぁぁあ!」

オウ助「おうわぁ!?」ビクッ

響「やった!やった!やっと喋ってくれたぞ!」

いぬ美「良かったわね、響ちゃん」

ハム蔵「けっ!こんなことに2日もかけてたのかよ…馬鹿らしい…」

オウ助「いやいやいや、マジで何なんだお前ら?」

響「あ、そうだね!自己紹介しなくちゃ」

オウ助「そういう意味での『何なんだ?』じゃねーよ」

響「自分、我那覇響だぞ!よろしくな!」

オウ助「よろしくしねーよ。他のオウムのとこ行ってこいよ。俺と違ってペラペラ喋ってくれるぞ」

響「あの子たちは嘘ばっかりつくから嫌だぞ!」

オウ助「嘘?」

いぬ美「響ちゃんは動物の声がわかるのよ」

ハム蔵「だから他のオウムが鳴き声とは正反対なことを考えてるのもわかるんだとよ」

オウ助「へぇ…」

響「自分嘘つく子はあんまり好きじゃないぞ」

いぬ美「だからまだ喋っていないあなたはどうかってずっと待ってたんですって」

オウ助「待ちすぎだろ!3日ってなんだよ!?ウチナータイムにも限度があるだろ!」

ハム蔵「しょーがねーだろ。頑固なんだよこいつ」

響「えへへへ〜」テレテレ

ハム蔵「いや、褒めてはねーぞ?」

オウ助「…で?その頑固な響ちゃんとやらが俺に何のようだよ?」

響「ふっふっふ…よく聞いてくれたな!」

オウ助「?」

響「自分は君を勧誘するために連れてきたんだぞ!」

オウ助「勧誘?」

響「そうだぞ!」

オウ助「勧誘って何の勧誘だよ?」

響「自分たちは、一見どこにでもいる可愛い女の子と!」

いぬ美「可愛い犬と!」

ハム蔵「かっこいいハムスターだが、実はその正体は…」

いぬ美「この島の平和を守る…」

響「ガナハマン一号!」

いぬ美「ガナハマン二号!」

ハム蔵「ガナハマン三号!」

響「3人揃って…」

響いぬ美ハム蔵「「「我那覇戦隊ガナハマン!」」」

オウ助「…」シ-ン

響「あ、あれ?」

オウ助「…」

響「さ、3人揃って!」

オウ助「いや、聞こえてるよ。聞こえた上での沈黙だよ」

響「ど、どうして?こんなにかっこいい登場したのに…」

オウ助「マジで言ってんのか。とりあえず『がなは』って言い過ぎだろ。何回言うんだよ」

ハム蔵「ほれ見ろ。だから俺の『ハム蔵様と愉快な仲間たち』にしとけば良かったんだよ」

オウ助「お前はお前でヤバいな」

いぬ美「そもそもね、響ちゃん。私たちは女の子よ?何とかマンは男の子の名前でしょ?『2人はガナキュア〜with畜生〜』とかでいいじゃない」

ハム蔵「おいこら!誰が畜生だこら!?」

いぬ美「あら?それくらいは理解できるのね?」

ハム蔵「テメェ…」

いぬ美「あ?」バチバチ

ハム蔵「あぁん?」バチバチ

オウ助「おいおい、敵が来る前から内部分裂してんじゃねーか!」

響「2人とも仲良しすぎるな!」

オウ助「お前の目には何が見えてんだよ!」

響「自分たちはこの島の平和を守るヒーローなんだぞ!」

オウ助「ガナハマンなんて聞いたことねーよ」

ハム蔵「結成したの4日前だしな」

オウ助「短っ!?」

響「4日前、自分たちはあのヤキニクマンに出会ったんだぞ!」

いぬ美「そうね、スーパーの屋上のヒーローショーに行ったものね」

響「そこで自分とヤキニクマンは協力して敵を倒したんだ!」

ハム蔵「『一緒に戦ってくれるお友達はいないか!?』って言われて手を挙げただけだけどな」

響「『君たちの助けがなかったら危なかったよ!』って言ってたぞ!」

いぬ美「そうね、響ちゃんの『頑張れヤキニクマン!』って言う声援がなければ多分負けていたわね」

ハム蔵「手を挙げた他のやつも言ってたけどな」

響「そうして共に戦った自分はヤキニクマンからこの島の平和を託されたんだ…」

ハム蔵「託されたって…『これからこの島の平和は君が守っていってくれ』とは確かに言ってたけどよ…」

響「だからこの島の平和は自分たち、ガナハマンが守るぞ!」

オウ助「お前、この3日間俺の前に張り付いてただけじゃねーか!」

響「失礼な!最近島で起こってるボヤ騒ぎの捜査もしてたぞ!」

オウ助「ショボっ!?」

ハム蔵「この二日間は俺に任せっきりだったけどな」

いぬ美「でも犯人の中学生捕まえたんでしょ?」

ハム蔵「まぁな」

オウ助「普通にお手柄じゃねーか!?」

響「ふっふーん、ハム蔵は凄いんだぞ!」エッヘン

オウ助「なんでお前が得意げなんだよ…」

響「あっ、もちろんいぬ美もいい子で凄いからね?」

いぬ美「はいはい、わかってるわよ」

響「えへへ〜」

オウ助「…なんか飼い主っぽくねーやつだな」

ハム蔵「まぁな」

オウ助「お前らも大変だな、こんな飼い主に色々巻き込まれて」

いぬ美「一度言い出したら止まらないのよ、この子…」

オウ助「で?そのガナハマンがなんなんだよ?」

響「おお、すっかり忘れるところだったぞ!」

オウ助「3日もかけた計画をすっかり忘れてんじゃねーよ!」

響「自分たちは君をガナハマン四号として勧誘しに来たんだ!」

オウ助「ガナハマン四号?」

響「うん!こういう戦隊モノは5人が基本だからな!」

いぬ美「それに陸要員はもういっぱいだから空と海要員も用意しておかないとストーリーの進行上…」

オウ助「お前は脚本家か何かなのか?」

いぬ美「違うわよ、ちゃんと商品展開も考えてるわ。鳥モチーフはハズレがないから…」

オウ助「俺は鳥そのものだよ!」

いぬ美「でも肝心のキャラがねぇ…『人間の言葉が話せる』ってだけじゃあ響ちゃんと丸被りなのよねぇ…」

オウ助「余計なお世話だ!」

いぬ美「ほら、なんか他にはないの?自分のアピールポイント」

ハム蔵「なんか適当に悲しげな過去とか付けときゃ大丈夫だろ」

オウ助「本当に適当だな…」

ハム蔵「ほら、なんかないのかよ、悲しげな過去」

いぬ美「そもそもなんであんな場所で死にかけてたの?」

響「そう言えばそうだな」

オウ助「お前らの中で物事の重要度どうなってんだよ、マジで」

響「どうしてあんなとこで倒れてたんだ?」

オウ助「それは…」

響いぬ美ハム蔵「「「それは?」」」

オウ助「…言いたくない」

響「えぇぇ!?」

ハム蔵「おい、こっちとら曲がりなりにもお前の命を助けたんだぞ?そんくらい言ってもいいんじゃねーのかよ」

オウ助「誰も助けてくれなんて頼んでないだろ…」

ハム蔵「何だと!?」

オウ助(言っても信じないだろうがよ、『他人の心の声が聞こえる』なんてよ…)

響「はっ!?もしかして、悪の手先に追われているのか?」

オウ助「だから聞けよ、人の話を」

響「もしそんな悪いやつがいるんなら自分がやっつけるぞ!なんたって自分、ヒーローだからな!」

オウ助「ヒーローねぇ…」

響「ヒーローは助けを求める声が聞こえたらどこへでも駆けつけるんだぞ!」

オウ助「…そんなやついねーよ」

響「へ?」

オウ助「そんなヒーローみたいなやつ、現実にはいねーよ。誰が私利私欲を無視して他人を助けるんだよ」

響「だから自分が…」

オウ助「お前、俺をガナハマンに入れたいから助けただけだろ?」

響「うぐっ!?」

オウ助「結局お前は私利私欲のために、打算で俺を助けたんだろ?」

響「ち、違うぞ!自分は…本当に君を助けたくて…」

オウ助「ふんっ、そんな言葉信用できるかよ」

響「そんな…自分は…自分は本当に…うぅぅ…」

ハム蔵「おいこら、鳥野郎。響ちゃん泣かしてんじゃねーよ」

オウ助「知るかよ」

ハム蔵「後であやすの誰だと思ってんだよ」

オウ助「尚更知るかよ」

響「ひっぐ…えっぐ…うわぁぁぁぁん!」

いぬ美「あぁぁ…」

ハム蔵「泣いちまった…」

響「うわぁぁぁぁん!」ダッ

いぬ美「響ちゃん!」

ハム蔵「おい!テメーいい加減にしろよ!響ちゃんどっか行っちまったじゃねーか!」

オウ助「そんなの出て行ったあいつに言えよ」

ハム蔵「テメェ…」

いぬ美「止めなさいよ」ポカッ

ハム蔵「痛っ!?この野郎!?何してくれんだよ!」

いぬ美「ここで喧嘩したって何にもならないでしょうが」

ハム蔵「そりゃそうだけどよ…」

オウ助「ふん…」

いぬ美「あなたも悪かったわね。でも響ちゃんはそんな打算であなたを助けたわけじゃないと思うわよ?」

オウ助「はっ…どうだかね…」

いぬ美「あの子はそんな子じゃないのよ」

ハム蔵「そうだな、あいつはそんなやつじゃねーよ…バカだけどな」

オウ助「は?」

いぬ美「ふっふっふっ、そうね…そこまで考えないものね、あの子は…」

オウ助「なんだよそれ…言っとくけど俺に嘘は…!?」

オウ助(そこまで言って、俺は初めて気がついた)

ハム蔵「ん?何だよ?」

オウ助(ここに来てから…『心の声』が聞こえないということに…)

いぬ美「嘘がどうかしたの?」

オウ助「…いや、何でもない」

オウ助(気絶した影響か…それとも…)

ハム蔵「しかし、そんなことより響ちゃんだ」

いぬ美「多分また森に行ったんじゃないかしら…」

ハム蔵「にぃにに怒られりゃ俺たちに、俺たちに怒られりゃ森で動物たちに慰めてもらってるもんな…」

オウ助(いや、違う…)

いぬ美「まぁ今回は私たちが怒ったわけじゃないからね。迎えに行ったらすぐに帰ってくるわよ」
いぬ美(早く探しに行かないと日がくれちゃうし…)

ハム蔵「ったくめんどくせーなぁ…」
ハム蔵(つっても早くしねーと俺たちがにぃにに怒られるしなぁ…)

オウ助(こいつらの声は聞こえる…ってことは…)

響『ち、違うぞ!自分は…本当に君を助けたくて…』

オウ助(…あれは嘘偽りのない、『心の声』そのままだったってのかよ…)

いぬ美「じゃあ探しに行きましょう」

オウ助(いや、あの時だけじゃない…あいつからはずっと『心の声』が聞こえなかった…それはつまり…)

ハム蔵「そうだな…おい!お前は頭冷やしとけよ!」

オウ助(ずーっとあいつは、嘘偽りのない『本音』で俺に喋っていたのか…)

ハム蔵「おい!聞いてんのかよ!」

オウ助「あ、ああ、そうだな…ちょっと、頭冷やさないといけねーかもな…」

ハム蔵「お、おぉぉ…えらく素直じゃねーか…」

一方その頃…

響「ひっぐ…えっぐ…うぅぅ…ひどいぞ…ひどいぞぉ…うわぁぁぁぁぁぁあん!」

ザワザワザワ....

響「うっぐ…ん?…なんだか、森の様子がおかしいぞ?」

猿「キキー!キキー!」

カラス「カーカー!」

響「ん?君たち、どうしたの?」

猿「キキー!」グイグイ

カラス「カー!」グイグイ

響「ちょっ!?引っ張らないでよぉ!」

ガサゴソガサ

響「もー!なんなの、もー!」

猿「キキー!」

響「ん?『あれを見ろ』って…あ、あれは…」

中学生「クソが…あのネズミのおかげでバレちまったからめちゃくちゃ怒られちまったじゃねーかぁぁぁぁあ!!」

響(あ、あれは…こないだハム蔵が捕まえたっていうボヤ騒ぎの犯人か!?)

中学生「ちょっとライターで遊んでただけじゃねーか!クソが!」

響(ライターなんかで火遊びしたらいけないんだぞ!危ないってにぃにが言ってたもんね!)

中学生「しかし、あのネズミムカつくぜ…そうだ!」

響(?)

中学生「あいつ、どうせこの森に住んでんだろ…ケッケッケッケッ…ならこの森ごと焼き払ってやんよぉ!」

響(な、何だってぇぇぇぇ!?)

中学生「よし、そうと決まれば一旦戻って準備をして…夜には決行だ!はっはっはー!」

響(た、大変なことになったぞ…)

ガサガサ

ハム蔵「おーい!」

いぬ美「響ちゃん、こんなところにいたのね」

ハム蔵「あの野郎も反省してっからよ、今日のところは…」

響「ハム蔵ぉぉぉお!いぬ美ぃぃぃい!大変だぁぁぁぁあ!」

ハム蔵いぬ美「「?」」

カクカクシカジカナンクルナイサ-

我那覇家

響兄「つまり、ボヤ騒ぎの犯人が逆恨みをして森を焼こうとしていると」

響「うん!」

響兄「それもどうやら決行は今日の夜らしいと」

響「うんうん!」

響兄「だから正義の味方ガナハマンとして、それを止めに行きたいと」

響「うん!ね?いいでしょ、にぃに!」

響兄「それもどうやら決行は今日の夜らしいと」

響「うんうん!」

響兄「だから正義の味方ガナハマンとして、それを止めに行きたいと」

響「うん!ね?いいでしょ、にぃに!」

響兄「いいわけあるかバカ!」

響「うぎゃー!なんでだよー!?」

ハム蔵「ほらみろ」

いぬ美「だから言ったじゃない…」

響「相手は悪いことしようとしてるんだぞ!止めないといけないだろ!」

響兄「お前が行ってなんになるんだよ。相手は中学生なんだろ?小学生の女子なんて捕まってお終いだ」

響「ハム蔵といぬ美もいるもん!」

響兄「それでもだ。やってからじゃないと『そんなつもりなかった』で終わりだ。誰も小学生や、ましてや動物の話なんて聞いてくれないぞ」

ハム蔵「その通り」

響「で、でも…この間はハム蔵が捕まえたって…」

響兄「それはハム蔵が見つけたのを俺に報告してきたから、俺が110番したんだよ」

いぬ美「そういうことよ。あなたが私たちを大事に思ってくれているのは十分知っているし、信用してくれるのはありがたいけれど他の人はそうではないの…」

響「そ、そんなぁ…」

響兄「わかったな。絶対に外に出るなよ?大丈夫、森に異変があれば俺が…」

響「それじゃダメなんだぞ!」

響兄「いや、だから…」

響「もうにぃになんて知らない!うわぁぁぁぁぁぁあん!」ダッ

響兄「ちょっ!?響!」

ハム蔵「またかよ…」

響兄「…ハム蔵、いぬ美、お願いしていいか?」

ハム蔵「へいへい」

いぬ美「しょうがないわよね」

響兄「いいか?くれぐれもあいつを外に出すんじゃないぞ?」

ハム蔵「わかってるっつーの」

響の部屋

響「えっぐ…ひっぐぅ…」

オウ助「いいじゃねーか、異変があればお前の兄ちゃんが電話してくれるんだろ?犯人は捕まるじゃねーか」

響「ダメだぞ…そんなのダメなんだぞ…」

オウ助「なんでだよ?」

響「火がついてからじゃ遅いんだぞ!それで死んじゃう子たちがいるかもしれないだろ!」

オウ助「そりゃそうだけどよ…しょうがないだろ。むしろお前がいなきゃ全滅してたかもしれないんだか…」

響「しょうがなくなんかない!」

オウ助「…」

響「そんな…そんな勝手な理由で殺されるなんて、全然しょうがなくないぞ!」

オウ助「そりゃそうだけどよ…お前がそこまで頑張らなくても…」

響「自分には…」

オウ助「?」

響「自分には聞こえるんだぞ…あの子たちの悲鳴も、助けを呼ぶ声も…」

オウ助「!?」

響「自分にしか聞こえないんだ!あの子たちの『助けて』って声は自分にしか聞こえないんだぞ!」

オウ助「お前…」

響「自分たちは…『助けて』って言ったらヤキニクマンが助けてくれる…でも、あの子たちの『助けて』はヤキニクマンには聞こえないんだぞ!」

オウ助「…」

響「ヒーローは…助けを求められたら絶対に助けるんだ…だから…だから自分が…」

ハム蔵「つってもダメなもんはダメだからな」

響「は、ハム蔵!?」

いぬ美「えぇ、今回はにぃにが正しいわ」

響「いぬ美まで…2人は動物たちがどうなってもいいのか!」

ハム蔵「あぁ、いいぜ」

オウ助「なっ!?」

響「ハム蔵!本気で言ってるのか!」

ハム蔵「あぁ、本気だよ。あんなやつらがどうなろうと正直知ったこっちゃないね」

響「なんだと!」

ハム蔵「俺も、いぬ美も…それにお前のにぃにも、見ず知らずの動物より…お前の方が大事なんだよ」

響「!?」

いぬ美「そうよ、響ちゃん。何千何百の他の命よりも、私たち自身の命よりも、私たちにとってはあなたの命が大事なの」

響「あ、あぁぁ…」

ハム蔵「大丈夫だよ、もし何かあれば警察がなんとかしてくれる」

いぬ美「ほら、今日はもう寝ましょう?」

響「…」

いぬ美「響ちゃん?」

響「…うん」

オウ助(その時、寝室に連れて行かれるこいつを見て、初めて俺はこいつの『心の声』が聞こえた…)

響(それでも…それでも、助けてあげたい!)

オウ助(それは、とても悲しい声だった…)

その日の夜

オウ助 ゴソゴソ

カチャッ

オウ助「ふん、ペットショップを逃げ出してきた俺に言わせればこんな鍵なんともねーや」

オウ助(正直自分でも何を考えているのかわからなかった…あれほど他人の考えていることがわかったくせに、最後の最後で自分の考えていることがわからないなんてとんだお笑いだな…)

オウ助「まぁ、無理矢理理由をつけるなら一宿一飯の恩義ってやつかな…」

オウ助(というか、俺は憧れてしまったのかもしれない…俺は聞こえるから逃げ出した。でもあいつは聞こえるからこそ、助けたいと思った…)

オウ助「あいつも、もしかしたらいつかは俺みたいに絶望してしまうのかもしれないな…」

オウ助(でも…だからこそ…)

オウ助「それは今じゃなくていいよな」

オウ助(こんな俺でも、今だけはあいつのように…)

オウ助「ってかっこつけすぎだな」

オウ助(にしても人間の中学生って…下手すりゃ殺されるぞ?)

オウ助「死に場所探してたやつが何を言ってんだよ」

オウ助(そりゃそーだ…)

バサッバサッバサッ

オウ助(こうして俺は森に向かった…)

響『ヒーローは…助けを求められたら絶対に助けるんだ…だから…だから自分が…』

オウ助(あいつの中のヒーローを守るために…)

一方そのころ…

響「すー…すー…ぐすんっ…」

いぬ美「泣き疲れて寝ちゃったみたいね…」

ハム蔵「あぁ…」

いぬ美「で?あなたはどこに行く気?」

ハム蔵「便所だよ、便所」

いぬ美「嘘ばっかり、そっちは森よ?」

ハム蔵「…響ちゃんの見張りはテメー1人で充分だろ?」

いぬ美「あんたも本当に素直じゃないわよね…」

ハム蔵「は?お前にだけは言われたくねーよ」

いぬ美「一応聞いておくけどどうして?あなたが言っていた通り、警察に任せればいいじゃない?」

ハム蔵「どうしてって言われりゃそれは…」

いぬ美「それは?」

ハム蔵「俺は正義の味方なんかじゃねー。あいつの…響ちゃんの味方だ。だからあいつを泣かせるやつが許せねー、そんだけだ」

いぬ美「ふふふ、あなたらしいわね」

ハム蔵「それに…」

いぬ美「?」

ハム蔵「一応、ガナハマンだしな…」

いぬ美「…なら私もね」

ハム蔵「おい、だからお前は…」

いぬ美「大丈夫、ぐっすり寝てるもの」

響「zzz…」

ハム蔵「ったく…」

いぬ美「私だってガナハマンだもの、守るのはこの子の笑顔で精一杯だけどね」

ハム蔵「かっ!チンケなヒーローだぜ」

いぬ美「うふふ、お互いにね」



中学生「さーて、準備完了だ…後はこのライターを…」

オウ助「おい」

中学生「うわっ!?な、なんだお前は!?」

オウ助(俺にできること…『人間の言葉がわかる』俺にしかできないこと…それは言葉を使った交渉だ)

オウ助「俺はこの通りどこにでもいるオウムだよ」

中学生「こんな流暢にしゃべるオウムなんかいねーよ!」

オウ助(あいつはあいつなりに戦おうとした、ならば俺も俺にしかできない戦い方をしよう…)

オウ助「そんなことはどうでもいいんだよ。それよりどうだ?そのライターを持って帰る気はないか?」

オウ助(これで引き下がってくれりゃ万事解決なんだが…)

中学生「は?あるわけねーだろ、そんなもん」

オウ助「そうか…」

中学生「ははーん?お前もこの森にいたあのネズミの仲間だな?なら同罪だ!一緒に焼け死んでもらうぜ!」

オウ助「ならしょうがないな」ビュンッ

中学生「痛っ!?こいつ…突きやがったな!?」ブンッ

オウ助「ふん!そんな大振りで当たるかよ」

中学生「くそ!くそ!」
中学生(右!左!)

オウ助(なんたって考えてることがわかるんだからな)スッ

中学生(右…と見せかけて左!)ブンッ

オウ助(それもしっかり聞こえてるっつーの)スッスッ

中学生「はぁ…はぁ…」

オウ助(このままいけば向こうの体力が…)

中学生「こうなったら…」

オウ助「!?」

中学生「うぉらぁぁぁぁあ!」バサァァァア

オウ助「うわぁぁぁぁあ!?」

中学生「はぁ…はぁ…ふん、最初からこうすりゃ良かった…」

オウ助(こ、こいつ…)

中学生「そもそも飛んでる相手に素手で挑むのが間違いだったんだ…」

オウ助(何も考えずに広範囲に砂を投げやがった…)

中学生「どうだ?たかが砂とはいえあのスピードで打ちつけられたらダメージがデカイだろう?」

オウ助(くそ!考えが読めても避けきれずにこの様かよ…)

中学生「さぁ、いよいよ火を…」

ガサッ

ハム蔵「待ちやがれ!」

いぬ美「そこまでよ!」

中学生「ちっ…次から次に…って、お前はこの間のネズミじゃねーか!?」

ハム蔵「お前、怒られたら反省しろよな…」

オウ助「お、おい…」

ハム蔵「ん?なんだ、お前もいたのか?」

いぬ美「あらあら、あんなに嫌がってたのに何?ツンデレ?」

オウ助「お前はちょっと黙ってろ」

ハム蔵「けっ!しかし、簡単にやられてりゃ世話ねーな」

いぬ美「いえ、多少弱くても小動物系男子のツンデレは女子には人気で…」

オウ助「だからお前は黙っててくれ!頼むから!」

中学生「何をヂュイヂュイわんわん言ってんだこら!」

オウ助「何って…そうか、こいつには聞こえないんだ…」

ハム蔵「うるせーよ!大事な話してんだよ!」

オウ助「いや、明らかに作品の展開の話しかしてなかっただろうが!」

中学生「こっちとらテメーのせいで親と教師から大目玉くらってんだよ!」

ハム蔵「自業自得じゃねーか…」

中学生「住んでる森ごと焼いてやろうと思ったが…こうなりゃ直接殺してやるよぉ!」

ハム蔵「普通ハムスターが森に住んでると思うか?」

いぬ美「あら?住んでたんじゃないの?」

ハム蔵「…昔の話だ」

オウ助「お、おい」

ハム蔵「あ?なんだよ四号?」

オウ助「人を勝手に四号呼ばわりすんな…じゃなくて正気か!?そいつは人間なんだぞ!?」

ハム蔵「だからどうしたってんだ?」

オウ助「だからどうしたって…」

いぬ美「つまり心配してくれてるのよ」

ハム蔵「あぁん?なら最初からそう言えよ、ツンデレられたらわかんねーよ」

オウ助「いや、だから…」

ハム蔵「安心しとけよ…」

中学生「オラァァァア!」

ハム蔵「人間は野生じゃ生きられねーだろ?」

数分後

中学生「ぐっ…はぁ…」

ハム蔵「ふぅ、いっちょあがりっと!」

オウ助「す、すげぇ…」

いぬ美「流石、野生で生き延びてただけはあるわね」

ハム蔵「だからうるせーよ」

中学生「くっ…そがぁ…」

ハム蔵「前回は初犯だったからな、手加減してやったんだ。これにこりたら…」

中学生「オラァァァア!」ブンッ

オウ助ハム蔵いぬ美「「「!?」」」

ボウッ

オウ助「こ、こいつ…ライター投げやがった!?」

中学生「へっへっへっ…最初からこうしとけば良かったんだ…」

ハム蔵「この野郎!」バキッ

中学生「ぐふっ!?」

オウ助「おい!そいつはもう動けねーよ!それより火を…」

いぬ美「大丈夫!今なら初期消火が間に合うから水を…!?」

ハム蔵「どうした!?」

いぬ美「…誰か水汲める?」

オウ助ハム蔵「「あっ…」」

いぬ美「誰も水の入ったバケツなんて持てないし…」

オウ助「そもそも蛇口も捻れねーよ…」

ハム蔵「閃いた!いぬ美!お前のしょ…」

いぬ美「それ以上喋ったら潰すわよ?」

ハム蔵「上品ぶってんじゃねーよ!生死がかかってんだぞ!」

いぬ美「そんな量出るわけないでしょうが!」

ハム蔵「バカ、お前命かけろや!いや、かけるのは…」

いぬ美「だからそれ以上言うな!」

中学生「くはははは!そうだ!そのまま泣き叫べー!」

オウ助(まずい…このままじゃ森だけじゃなく…)

ハム蔵「ちくしょう…」

いぬ美「どうすれば…」

オウ助(こいつらの命まで危ない…)

中学生「はははははははは!」

ハム蔵「だからうるせーんだよ!」バキッ

オウ助(こいつらが死んだら…)

響『そんな…そんな勝手な理由で殺されるなんて、全然しょうがなくないぞ!』

オウ助(あいつは悲しむんだろうな…)

中学生「ぐはっ!?」

ハム蔵「この野郎っ!この野郎っ!」ビシッバシッ

オウ助(それだけは…ダメだ!)

いぬ美「止めなさい!もう意味がないわよ!」

ハム蔵「だけどっ…」

オウ助(でも、自分はもう飛ぶこともできない…)

中学生「はっはっは!お前らはもう負けたんだよ!」

ハム蔵「くっ…」

オウ助(なら…)

オウ助「助けてくれぇぇぇぇえ!!」

中学生ハム蔵いぬ美「「「!?」」」

オウ助「助けてくれぇぇぇぇえ!!」

中学生「な、なんだこいつ…」

オウ助(もしも本当に…『ヒーロー』ってやつがいるんなら…)

オウ助「助けてくれぇぇぇぇ!助けてくれぇぇぇぇ!」

ハム蔵「お、おい、お前…」

オウ助(こいつらの声は無理でも…)

オウ助「助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

いぬ美「急にどうしたのよ?」

オウ助(”俺の声”なら届くんだろ?)

オウ助「誰かぁぁぁぁあ!誰かぁぁぁぁあ!」

中学生「無駄だ!無駄だ!こんな田舎の島でこんな時間に起きてる人間がいるもんか!」

オウ助「助け…ゴホッゴホッ!?」

ハム蔵「もう止めろ!喉がイカれちまうぞ!」

オウ助「だ…れ…か…ガハッ!?」

ボウボウ

いぬ美「くっ!?もうそろそろ火が…」

オウ助(くっそぉ…結局無駄だったのか…)

ハム蔵「ちっ!逃げるしかねーか…」

いぬ美「でも森が…」

ハム蔵「もう俺たちには無理だ!見ろ!あんなに燃えて…」

バシャアッ

中学生ハム蔵いぬ美オウ助「「「「え?」」」」

ジュュュュウ

中学生「ひ、火が…」

ハム蔵「水で…」

いぬ美「消えた?」

オウ助(『ヒーロー』なんていないと思っていた…)

中学生「な、何でだ!?ここにいるやつに水を持ってくることなんて…」

「だから自分が持ってきたんだぞ!」

中学生「誰だ!?」

オウ助(そんな俺の前に、そいつはいきなり現れた…)

響「助けを呼ぶ声が聞こえた!呼ばれて飛び出てガナハマン!」

オウ助(どこかの大魔王みたいなセリフをたずさえて…)

いぬ美「響ちゃん!」

ハム蔵「お前…家にいろって言っただろうが!」

響「ひ、響ちゃんなんていう可愛い女の子は知らないぞ!自分はガナハマンだ!」

いぬ美「いや、響ちゃんでしょ」

響「決して、起きたら誰もいないから抜け出してきたわけじゃないぞ!」

いぬ美「ご丁寧にどうも」

ハム蔵「俺たちと会話しちゃってる時点で確定なんだよ、バカ!」

響「き、君たち!今はそんなことを言ってる場合じゃないぞ!まずは犯人を…」

中学生 ガバッ

響「へ?」

ハム蔵「しまった!?」

中学生「はっはっはっ!油断したな!」

響「は、放せー!」

中学生「放すわけないだろうが!おい、ネズミ!こいつが人質だ!」

オウ助「くそ!」

いぬ美「やられたわね…」

ハム蔵「だからくるなって言ったんだ!」

中学生「こいつを返してほしけりゃおとなしくやられるんだなぁ!」

響「ハム蔵ー!自分に構わず撃てぇぇぇぇえ!」

ハム蔵「…あいにく俺は魔貫光殺砲の使い手じゃねーからな」

オウ助「万事休すか…」

中学生「おいおいどうした、ガナハマン?正義の味方はこんなもんか?」

響「うぅ…」

「正義の味方がピンチになればどうなるか知ってるか?」

中学生「は?」

ハム蔵「こ、この声は…」

響兄「そんな時はな、追加戦士が助けにくるんだよ。とびきり強いやつがな」

響「にぃに!」

中学生「はっ!なんだお前?見たところお前も歳下じゃねーか!そんなやつが何人増えようが…」

響兄「は?誰が『追加戦士は俺だ』なんて言った?」

中学生「は?」

ポンポン

中学生「ん?」

警察官A「ちょっといいかな?」

警察官B「君、この間の子だよね?」

中学生「…」

響兄「ほら、最強の正義の味方の参上だよ」

中学生「くそぉぉぉお!」

響「にぃに〜!」

響兄「響、怪我はないか?」

響「うん!大丈夫だぞ!」

響兄「そうか、それは良かった…」ナデナデ

響「えへへ〜」テレテレ

響兄「でも…」ギュウッ

響 ビクッ

響兄「にぃに言わなかったか?外に出るなって…」ゴゴゴゴゴゴ

響「い、いや…その…」ビクビク

響兄「言わなかったか?」

響「で、でも…」ビクビク

響兄「言・わ・な・か・っ・た・か?」

響「うぎゃー!?ごめんなさいー!」

ハム蔵「ふ、ふぅ…か、解決したみたいだな…」

いぬ美「そそそそそうねぇ!それじゃあ私たちもおいとま…」

響兄「いぬ美、ハム蔵…」

いぬ美ハム蔵 ビク-ンッ

響兄「俺、お前たちになんて言った?」

いぬ美「いや、その…」

響兄「なんて言った?」

ハム蔵「『くれぐれもあいつを外に出すんじゃないぞ?』って…」

響兄「言ったよな?それがなんで外に、それもお前たちも一緒にいるんだ?ん?」

ハム蔵「そ、それは…」

響兄「誰が喋っていいって言った?」

ハム蔵「すいませんっしたぁぁぁぁぁあ!」

オウ助(こいつやべぇぇぇぇえ!?)

オウ助(この後、俺たちに待っていたのは全員正座での説教だった…)

オウ助(抜け出したのはこいつらであってなんで俺まで…とも思ったが)

響兄「ん?なんか文句あるのか?」

オウ助「いえ、なんでもないです!」

オウ助(そんなこと、とてもじゃないが言えなかった…)

響「えっぐ…えっぐ…ごべ…ごべんなざ…いぃぃぃ!もう、もうじまぜ…うぇぇ…」

オウ助(俺の前に颯爽と現れたヒーローは涙と鼻水を流しながら、兄貴に説教を受けていた…)

響「うわぁぁぁぁん!いぬ美ー!ハム蔵ー!オウ助ー!」

いぬ美「はいはい、響ちゃん」ペロペロ

ハム蔵「今回はしょーがねーよ」ペロペロ

オウ助(そして、自分のペットに慰められている…って、ん?)

オウ助「オウ助?」

響「うぅぅ…」

いぬ美「あら?あなたオウ助って言うの?」

オウ助「いや、知らないけど…」

ハム蔵「響ちゃんがオウ助って言ったらオウ助だろ。ダサいのはしょーがねーだろ。文句言うなよな、俺たちだってハム蔵にいぬ美なんだからよ」

オウ助「いやいやいやいや、そしたら俺がお前らの仲間みたいに…」

ハム蔵「何言ってんだお前?」

いぬ美「あんだけのこと他人と一緒にできるわけないでしょ?」

オウ助「お前ら…」

ハム蔵「それにお前がいねーと責任が四分の一から三分の一になるしな」

いぬ美「ほら、早く響ちゃんをあやしてよ。今回は中々泣き止まないわよ」

響「びぇぇぇえん!」

オウ助「お前らって本当…」

ハム蔵「ん?」

いぬ美「何よ?」

オウ助「…いや、何でもない」

オウ助(何回俺を救ってくれるんだよ…)

いぬ美「ほら、響ちゃん。今回は運が悪かったのよ」

ハム蔵「そうそう。次はバレねーよーにやろーぜ」

響兄「お前ら…聞こえてるぞ?」

響ハム蔵いぬ美オウ助「「「「あっ…」」」」

響兄「まだ反省してないのかな?」ゴゴゴゴゴゴゴ

響ハム蔵いぬ美オウ助「「「「うわぁぁぁぁあ!?」」」」

そして現在

響「頑張れ!ヤキニクマン!」

律子「はぁぁ…付き合いで見に来たけど…なるほどね…いやいや、これは中々バカにしたもんじゃないわ…」

春香「律子さん、こんな時まで真面目に分析しなくても…ねぇ、千早ちゃん?」

千早「頑張って!ヤキニクマン!」

春香「千早ちゃん!?」

オウ助(あれから俺は響ちゃんの家族になった)

響「ほら、オウ助!ヤキニクマン頑張れーって!」

オウ助「ヤキニクマン頑張れー!」

オウ助(響ちゃんは俺が『ヒーローが好き』って言ってるのを『ヤキニクマンが好き』だと勝手に勘違いしているらしい)

響「えへへ〜、全く、オウ助はヤキニクマンが好きだなぁ〜」

オウ助(俺が本当に好きなヒーローはずっと俺の側にいてくれてるんだが…)

響「あっ!負けるな!ヤキニクマン!」

オウ助(それは恥ずかしいから言わないことにする…)

オウ助(願わくばこの嘘が…)

響「やったぁ!」

オウ助(響ちゃんには聞こえませんように…)

終わり

終わりです

ハム蔵といぬ美の話も書いているのでよろしければそちらも見てください

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