喜多見柚「Pサン、あのね!」 (15)

Pサン、あのね!

さっき、そこで買ってきたケーキなんだけど、すっごいおいしいんだよ!

Pサンも一緒に食べよ!

ちゃんとPサンの分も買ってきたから!

えへへっ、本当にすごいおいしいんだよ!

ぜったいぜーったいPサンもおいしいって言っちゃうよ!

はいっ、どーぞ!

……

……

えっ、じっと見てたら食べづらいって?

ゴメンゴメン!

……

……

おいしい?

へへっ、買ってきてよかったーっ!


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Pサン、あのね!

今日バドミントンの試合したんだけど

すーっごく気持ちいいスマッシュが決まったの!

こう……シュッて跳んで、バーンって!

すっごいスカッとして!

やったーって!

……その瞬間、Pサンにも見てほしかったなぁ

今度絶対見に来てね!

Pサン、あのね!

さっき街中でファンの子にあってね!

柚のこと好きです、応援していますって!

アタシ、うれしくて!

うれしくて、うれしくて!

その子にサインあげちゃった!

えへへっ、アタシ本当にアイドルなんだね

……えっ、ちゃんと変装しろって?

わかった、次からちゃんと変装するっ!

Pサン、あのね!

……

……

あのね!

…………

…………

ごめん、やっぱりなんでもない!

Pサン、あのね!

今着てるこのパーカー、新しく買ったヤツなんだ!

でねでね、このフード、すっごい大きくて

これを被ると……ほら、鼻まで隠れちゃうんだ!

……変装!

これで、柚のことはみんな柚ってわかんないよ!

……ダメ?

じゃあ変装用のは別に買わなきゃかー

でもでも、これ面白いんだよ

こうやってフードを被ってー……目を瞑ればー……寝ててもバレない!

……って、授業は制服ジャン!

これできないじゃんっ!

……あ、うん

授業中寝たらダメだよね、へへっ

Pサン、あのね!

今日すごいとこ見ちゃったの!

あのね、あのね!

柚の友達と……カレシだったのかな……?

その二人がね……こう……ちゅー、って、してたの!

ちっ、違うよ、見に行ったわけじゃなくて!

たまたま、たまたま見ちゃったの!

本当にたまたまだからっ!

……

ねぇ、Pサンは……ちゅーってしたことあるの?

……恥ずかしくて話せない?

そっか……

……

……

ねぇ、Pサン

……柚と

柚と……

……

な、なんでもない!

Pサン、あのね!

……

すぅ……はぁ……

……

あのね、アタシね

Pサンのこと、スキ!

……Pサンも、スキって?

……そっか!

えへへっ、うれしいなっ!

……

Pサン、あのね!

今日、学校の友達がアタシのライブ見に来てくれてたの!

さっきメールですごかったってきたんだー

それに、なんか柚ちゃんいつもより明るいって言ってた!

いっつも柚こんな感じでみんなと話してるのにね!

えへへっ、変なのーっ!

……

ううん、柚もわかってるんだ

アタシって、自分が前に出るのって、正直そんなにうまくないし

そもそも、そういうこともぜんぜんしてこなかったケド……

でも、Pサンのおかげで、柚も変われたって思ってて

友達もそう思ってくれたってことは、本当に変わっちゃったってことで

なんか楽しいんだ!

だから、Pサン、ありがとっ!

Pサン、あのね!

今日、アタシ、すごい失敗しちゃって

いろんな人に、いっぱいいっぱい謝って、謝って

でも、まだPサンにちゃんと謝ってなくて……お礼も言ってなくて

だから、Pサン、今日はごめんなさい!

それと、一緒に謝ってくれて、ありがとうございました!

……プロデューサーだから、当然?

それでも、それでもだよ!

アタシ、Pサンが隣にいてくれて、それだけですっごい、安心できてて

どうしよ、どうしよ、って思ってたんだけど、Pサンが隣にいてくれたから――

――アイドルと共に歩むのがプロデューサー?

そっか……そっか……へへ

そうだよね……柚は、柚一人じゃないんだよね

柚と、Pサンとで、柚なんだよね

……えへへっ!

ありがとっ、Pサン!

今日のことも、これまでのことも!

柚と一緒にいてくれて!

……これからも、って

そうだよね……うん、これからも、一緒に、よろしくお願いしますっ!

……

これからも、ずっと――

Pサン、あのね!

あのね!

……あのね!

えっと、あのね!

うまく、コトバが出ないけど、えっと

あのね!

アタシ、Pサンがスキなの

……Pサンもアタシがスキ……って、うん、前も言ってくれたよね

柚、すっごいうれしかったケド!

Pサンは柚と一緒に歩いてくれるって言ってくれて

すーっごいうれしかったケド!

でもでも、思っちゃったの

アタシとPサンのスキの大きさって、違うのカナって

……きっと、Pサン、柚のスキの大きさを勘違いしてるのカナ、って思っちゃって

だから、えっと、あのね

もっと、もっと、柚のスキを伝えたいの!

だからね!

えっと……あのね!

……あのね!

あのね!

Pサン、あのね!

柚は、Pサンのことが

いっちばんダイスキなんだよっ!

ダイスキで、ダイスキで、ダイスキなの!

ほんとに、ダイスキっ!

すっごく、ダイスキっ

いっぱい、ダイスキっ!

ダイスキっ!

ダイスキっ!

……

あ、アハハ、恥ずかしくなってきちゃった……

でも、でもでも、まだまだ、まだまだあるんだよ?

もっといっぱい、いーっぱい柚の中にはスキがいっぱいあるの!

…………

ねぇ

Pサン

Pサンは柚のスキと同じくらい、柚のことスキ?

………………

…………

……

そっか

……えへ

えへへっ!






おしまい

二、三番煎じくらいになってそうな題材ですが、書きたかったので
柚の直球な好意を受けたい人生だった

誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません、ここまで読んでいただきありがとうございました。


これとは別の柚SSも書いてましたので、よかったらこちらもどうぞ
喜多見柚「恋というキモチ」
喜多見柚「恋というキモチ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453467686/)

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