愛梨「私だけの特権」 (90)

――事務所

ガチャッ

愛梨「こんにちは」

ちひろ「あら愛梨ちゃん、おはようございます。今日はちょっと早いですね」

愛梨「……Pさん、お仕事ですかぁ?」キョロキョロ

ちひろ「えーっと、確か周子ちゃんのロケに向かってからまだ戻ってきていないはず……もうちょっと待っててください」

愛梨「周子ちゃんの……」ボソッ

ちひろ「まあすぐ戻ってきますよ。あの人、愛梨ちゃんをお仕事に送った後は蘭子ちゃんのお迎えもありますから」

愛梨「……はい」

ちひろ「ソファでのんびりしててください。私は今日はデスクワークだけですから、何かあったら呼んでくださいね」

愛梨「……」


……
…………


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――数年前

『初代シンデレラガールは……十時愛梨ちゃんですっ!』

<ワアアアアアア!!!!


愛梨「……や、やった……やりましたあっ!」ピョンピョンッ!

P「よくやったな愛梨! おめでとう!」

愛梨「え、えへへ……私、すっごく嬉しいですっ」

P「今まで頑張ってきたもんな……」

愛梨「はい! たくさん頑張ってきましたからっ!」

P「うん、うん……そうだな、これからもっと忙しくなるけど、愛梨が仕事しやすいように俺ももっと頑張るよ」

愛梨「えへへ♪」

――――――
――――
――

愛梨「Pさーん、今日のお仕事はお車で送ってくれないんですかぁ?」

P「ちょっと忙しいんだがな……まあ、仕方が無い。シンデレラガールのお願いだもんな」

ちひろ「大丈夫ですか?」

P「もう大分片付いてますし大丈夫ですよ。ほら愛梨、準備するから出る支度しなさい」

愛梨「はぁーい」イソイソ

みく「むむむ……Pチャン、愛梨チャンにだけ妙に甘いにゃ。みくには厳しいのに!」プンスカ

愛梨「えへへっ、私だけの特権ですっ♪」

P「ま、シンデレラガール特権ってヤツだな」

みく「じゃーみくは電車じゃなくてタクシーで現場までいこうかにゃー?」チラッ、チラッ

ちひろ「自腹でならいいですよ?」ニッコリ

みく「……電車にするにゃ」

――――――
――――
――

愛梨「Pさーん、もう今日のお仕事終わりですよね?」

P「ん、そうだな……あとは事務所に戻って書類置くだけか……ちひろさんも帰ってるだろうなぁ」

愛梨「それなら私、どこかで晩御飯食べたいです!」

P「ええっ!? この時間か……ちょっと遅い時間だし愛梨を早く家に帰さなきゃならないんだが……」

愛梨「私は大丈夫ですっ。Pさんと美味しいもの食べたいなーって……ダメですか?」

P「ワガママ言わないでくれよ。明日も仕事があるだろう?」

愛梨「むーっ、シンデレラガールの特権ですよ!」

P「むぅ……まあ、いいか。ここら辺で美味いもん食える店って言えば……」

愛梨「やったぁ♪ ふふっ、Pさんとごはん、ごはん……」

――――――
――――
――

P「アニバーサリーイベントお疲れ様。大変だったろう?」

愛梨「大丈夫ですっ。とっても楽しかったですし、みんなも盛り上がって……あっ」

P「ん? ……雪か」

愛梨「わぁ……くしゅんっ! ちょっと寒いですね」モゾモゾ

P「そうだな。風邪引いたら困るし、みんないるパーティ会場に戻ろうか」

愛梨「あっ、も、もうちょっとだけ、外にいませんか?」

P「雪も降ってきたし寒いだろう? それに俺も抜けちゃってるし、会場のほうで何かあっても困るし」

愛梨「わ、私、シンデレラガールのイベントですからっ! も、もうちょっとだけここで……」

P「……まったく、愛梨もずいぶんワガママになったな。まあ、会場は会場で騒がしいし、あと少しだけな」

愛梨「……えへへ、私だけの特権……です♪」ギューッ!

――――――
――――
――

『2代目シンデレラガールは……』


愛梨(……)ドキドキ


『神崎蘭子ちゃんですっ!』

<ワアアアアアア!!!!


愛梨(あ……)


蘭子「闇に飲まれよ!」

P「なんで突然お疲れ様なんだよっ!」

蘭子「あっ……え、えっと、こんなとき、なんて言えばいいのかなって……」

P「嬉しいなら嬉しいって言わないとな。ほら、みんなにお礼も言わないと。熊本弁じゃなくて、自分の言葉でな」

蘭子「自分の言葉……み、みんな……応援してくれて……ありがとう!」

<ウオオオオオオ!!!!!!

P「よくやったな蘭子、おめでとう!」

蘭子「プ、プロデューサーさんが一緒にいてくれたから……えへへ」

P「ははっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか」


愛梨(シンデレラガール……なれなかったな……)

――――――
――――
――

愛梨「Pさん、今日のお仕事……」

P「すまん愛梨、これから急いで蘭子を現場に送っていかなきゃならないんだ。領収書切っていいから、タクシーで仕事向かってくれ」ドタバタ!

蘭子「我が眷属よ、儀式の時は近い! 宵闇の彼方へ向かう箱舟の用意を!」

P「はいはい、いま車出してくるから準備しておけよ」タタタッ

蘭子「はーい」


愛梨「……お仕事、行ってきます」トボトボ

ちひろ「あ、愛梨ちゃん、気をつけて行ってきてくださいね」

――――――
――――
――

愛梨「……」ソワソワ

ガチャッ!

愛梨「Pさん……!」パッ!


ちひろ「……あら? 愛梨ちゃん、まだ事務所に残っていたんですか?」

愛梨「……はい、Pさんが帰ってくるの待ってて……」

ちひろ「プロデューサーさんですか? あー、そういえばさっき連絡があって、蘭子ちゃんと晩御飯食べてから戻ってくるそうですよ」

愛梨「蘭子ちゃんと……」

ちひろ「現場遠かったはずですし、今からご飯食べて戻ってくるってなると凄く遅くなると思いますから、愛梨ちゃんも帰ったほうがいいですよ」

ちひろ「プロデューサーさんなら明日も事務所にいますし、用事があるなら明日のほうがいいですよ?」

愛梨「……はい」シュン

愛梨(Pさん……最近は他の子たちのお仕事に付き添って忙しみたいだし……仕方ないよね……)

――――――
――――
――

愛梨「えへへっ♪」

P「ん、どうした愛梨?」

愛梨「久しぶりにPさんが現場までお迎えにきてくれたなーって」

P「そういえば……最近はあまり構ってやれなかったな」

愛梨「Pさんもお仕事大変ですもんね。みんなのこと、見てあげなきゃいけませんし」

P「そうだなぁ。まあ、みんな頑張ってくれてるし、俺も頑張らないとな」

愛梨「……あ、そうですっ! Pさん、もう夜ですし、私お腹空いちゃいましたっ。どこかごはんに――」

P「ご飯? いや、ちょっと今日はダメだな」

愛梨「えーっ……私のとっ……」ハッ

愛梨(そうだ、私、もうシンデレラガールじゃないから……)

P「んー、いや、この後蘭子を迎えに行かなきゃダメなんだ。愛梨の現場と反対方向でな……愛梨を事務所まで送ったらすぐ行かなきゃダメなんだ」

愛梨「……そうですね、それならダメですよね」

愛梨(Pさん、蘭子ちゃんとはごはん食べたのに……)

P「ああ、また次の機会だな」

愛梨「……はい」

――――――
――――
――

愛梨「Pさん、会場で見当たらなかったけどどこに行ったんだろう……あっ――」タタタッ



P「どうした蘭子、外に呼び出して……早く会場に戻らないと」

蘭子「ぷ、プロデューサー……今日は、その……」モジモジ

P「ん?」

蘭子「こ、こんな素敵なパーティ……あ、ありがとう……私、とっても嬉しくて……」

P「ははっ……なんだ、そんなことか。今日は蘭子が主役のアニバーサリーパーティだろう? みんな蘭子のために頑張って準備したんだよ」

蘭子「で、でも、私、嬉しくて……プロデューサーには、ちゃんとお礼、言いたくて……」

P「そっか。蘭子が喜んでくれるなら……俺も嬉しいよ」

蘭子「……え、えへへ……プロデューサー♪」ギュッ

P[こらこら、甘えん坊じゃないんだからそんなくっ付かないで離れてくれよ。俺が恥ずかしいんだから」

蘭子「だ、ダメですっ、私からのお礼……離しません!」ギューッ!!



愛梨(私の……特権……)

――――――
――――
――

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


愛梨「……」スマホポチポチ

『最近、何だかお仕事をしっかりやれている自信が無いんです。どうしたらいいんでしょうか?』ピロリンッ♪

愛梨(…………)

ヴヴヴヴヴ!!

愛梨「!」ササッ

『俺も最近愛梨の現場を見れる機会が減ってきたが……愛梨がいつも一生懸命頑張っているのは俺が一番良く知っているよ』
『もっと自信を持って、不安になったらまた話してくれよ。なるべく時間を空けて愛梨の現場に付き添うようにするから』

愛梨「Pさん……えへへ♪ そうだよね、Pさん……忙しくてもちゃんと私のこと見てくれてるから……」スマホポチポチ


『私はいまちょっぴり不安なんですよっ! だからPさん、次のお仕事は絶対に付いてきてくださいね! 私の特権――』

ポチポチ……

愛梨「……」

……ポチポチポチ

『私はいまちょっぴり不安なんですよっ! だからPさん、今度のお仕事は付いてきてくださいね! 私楽しみにしてますからっ』ピロリンッ♪


愛梨「……うん」

愛梨(次は絶対にシンデレラガールになろう……頑張らないと……)

――――――
――――
――


『3代目シンデレラガールは……』


愛梨(今年は絶対……!)ドキドキ


『渋谷凛ちゃんですっ!』

<ワアアアアアア!!!!


愛梨「あ……」


凛「私がシンデレラガール? ふーん……悪くないかな」

P「おいおい、そう言いながらも顔がにやけてるぞ?」

凛「ま、まあ、ね……嬉しい、嬉しいよ」

P「こういうときくらい素直に喜んでいいと思うぞ? 俺は凛がシンデレラガールになってくれて嬉しいよ」

凛「……ありがと」


愛梨「……」ギュッ……

――――――
――――
――

愛梨「……」


凛「プロデューサー、今日の仕事は?」

P「今日はTPで撮影だな……奈緒と加蓮は別の現場に行ってるから途中で拾わなきゃダメだが……」

凛「そっか。それじゃ早く行こうよ」

P「ま、そろそろいい時間だしな。それじゃあちひろさん、外出てきますね」

ちひろ「はーい、気をつけて行ってきてくださいね」




愛梨「……」トボトボ

ちひろ「あら? 愛梨ちゃん、今日はレッスンでしたよね? そろそろ行かないと遅れちゃいますよ?」

愛梨「あ……はい、私ももう行きますね」

ちひろ「頑張ってくださいね! 今日はプロデューサーさんも久しぶりにレッスン場に立ち寄るみたいですし」

愛梨「そうなんですか……?」

ちひろ「ええ、しばらくトレーナーさんとお話しも出来ていなかったみたいで、レッスンの様子を見ながらトレーナーさんと打ち合わせするらしいですよ」

愛梨「……が、頑張りますねっ」タタタッ

ちひろ「いってらっしゃーい」

――――――
――――
――

ベテトレ「ほら十時、ターンの入りが遅いぞ!」

愛梨「は、はい!」キュッ!キュッ!

ベテトレ「身が入ってないぞ! 他のメンバーよりも前に出るタイミングがズレてる!」

愛梨「す、すみません……!」ハァ、ハァ……

愛梨(ダメ、しっかりやらないと……今日はPさんが見に来てくれるんだから……!)


みく「うひー……今日のレッスンは一段と厳しいにゃ……」

ベテトレ「前川ァ!! 無駄口は叩くな!」

みく「にゃああああ!?」ビクッ!!

――――――
――――
――

ベテトレ「今日のレッスン、後半はよく頑張ったな。調子も上がっていったみたいだな」

愛梨「……はい、ありがとうございます」

ベテトレ「まあ、十時ならもう少し振り付けの難易度も上げていいとは思うが……」

愛梨「あ、あのっ、今日……Pさんがレッスン場に来るって聞いてたんですけど……」

ベテトレ「プロデューサーが? ああ、その予定だったんだがな……どうやら現場が長引いているみたいで次の機会にしてくれと連絡があってな」

愛梨「……そう、ですか」シュン

ベテトレ「さて……そろそろレッスン場も閉めなきゃダメだからな。疲れは残さないように早めに家に帰るんだぞ」

愛梨「お疲れ様でした……」トボトボ

――――――
――――
――

愛梨(……Pさん、お仕事忙しいのかな……凛ちゃんたちの撮影、長引いてるって)

愛梨(私がシンデレラガールだったとき、お仕事はちゃんと終わらせてたけど……たまたま凛ちゃんの苦手なお仕事だったのかな……)


<ホラプロデューサー、コッチダヨ

<ワカッタワカッタ……


愛梨「あっ……」ピクッ



凛「ほら、ここの喫茶店、この前卯月たちと来たんだ。結構良さそうなところでしょ?」

P「そうだな、まあまあかな……ほら、あんまり時間も無いんだし、早く店に入ろう」

凛「ふふっ、撮影が長引いて遅くなっちゃったけど、それでプロデューサーも時間が空いたし丁度良かったかも」

P「はいはい……まったく、俺はまだ仕事が残ってるんだが……凛のワガママにも困ったもんだ」

凛「稼ぎ頭のシンデレラガールなんだから、今のうちに少しくらいワガママ言ってもいいでしょ?」

P「それを言われちゃあな……ほらほら、店入るぞ」



愛梨(ワガママ……凛ちゃん、Pさんはお仕事で忙しいのに……)

――――――
――――
――

ガチャッ!

P「はー、ようやくみんなの送迎終わった……残りの仕事も片付けないと……?」


愛梨「……」


P「……愛梨? どうしたんだこんな遅くまで事務所に残ってるなんて……今日はレッスンだったろう?」

愛梨「……Pさん、今日はレッスン場に来てくれるって、ちひろさんから聞いて……」

P「ああ、ちょっと現場のほうが時間掛かって来れなかったんだけどな……どうかしたか?」

愛梨「……」


凛『ふふっ、撮影が長引いて遅くなっちゃったけど、それでプロデューサーも時間が空いたし丁度良かったかも』

P『はいはい……まったく、俺はまだ仕事が残ってるんだが……凛のワガママにも困ったもんだ』


愛梨「……」ギュッ

愛梨「今日、レッスンが上手く出来なくて……Pさんがレッスン場に来てくれたら、お話できたのになって……」

P「そうだったのか……タイミングが悪くてすまん。来れたらその場で相談に乗れたんだが……」

愛梨「……で、でも、Pさん、まだお仕事残ってるんですよね? こんな時間でも事務所に戻って……私、今日は――」

P「いや、大丈夫だよ。愛梨が悩んでいるときにレッスン場に来れなかった俺が悪い。愛梨さえよかったら、今からでも話を聞かせてくれないか?」

愛梨「……いいんですか?」

P「いいさ、愛梨もこんな時間まで事務所に1人で残って待ってくれたんだろう? これで愛梨の話を聞かないで家に帰したら俺はプロデューサー失格だよ」

愛梨「で、でも、私、そんなワガママ……」

P「愛梨のワガママならいくらでも聞くよ。ほら、そんな暗い顔しないで……ちょっとコーヒー入れてくるから待っててくれよ」

愛梨「Pさん……」

P「インスタントコーヒーまだ余ってたかな……外出る前にちひろさんが飲んでたような……」ガサゴソ

愛梨「……」


P『愛梨のワガママならいくらでも聞くよ』


愛梨(Pさん……私がワガママでも、ちゃんとお話し聞いてくれる……Pさんだって忙しいのに……)


愛梨『……えへへ、私だけの特権……です♪』


愛梨(Pさんにワガママを言っていいのは、私だけの……)スッ……

愛梨「……Pさん」

P「見当たらないな……ん、どうした愛梨?」

愛梨「私、コーヒーよりミルクティーが飲みたいですっ」

P「ミルクティー? 冷蔵庫に無いが……それじゃあ近くのファミレスに行くか。時間も時間だし、話すだけなら外でも大丈夫だろうし」

愛梨「……えへへっ♪」ギューッ

――――――
――――
――


凛「ほらプロデューサー、もっとこっち寄っていいよ」

P「寒くないか? 今日は冷えるみたいだし、早いとこアニバーサリー会場に戻ろう」

凛「もうちょっと待ってよ……なんだかあそこにいると、夢を見てるんじゃないかって思っちゃって」

P「夢?」

凛「私がシンデレラガールになって、今までよりもっと仕事も増えて忙しくなって……なのに今日はこんなに嬉しい気持ちで一杯で」

凛「それも全部、プロデューサーがいたから……私が歩いてきた道を、プロデューサーが一緒に歩いてくれて」

凛「やっぱりプロデューサーがいてくれなかったら、私はここまでこれなかったんだなって改めて思うよ」

P「全部凛の力だよ。俺は後押ししただけだからな」

凛「私はそうは思ってないよ。……だからプロデューサー、みんなのところに戻る前に、もう少しだけワガママでいい……?」スッ……

P「凛……」



愛梨「…………」

愛梨(私だけの……特権……)

――――――
――――
――

愛梨「Pさんっ!」

P「ん、どうした愛梨、明日は撮影だろう? 今日は早めに帰って休んでおいたほうがいいぞ」

愛梨「あの、明日の撮影なんですけど……初めて行くスタジオでちょっと不安なんです。だからPさんについてきて欲しいなぁって」

P「愛梨がそんなこと言うなんて珍しいな……うん、明日のこの時間は余裕あるか……いいぞ、少しくらいなら撮影の様子も見ておけそうだ」

愛梨「本当ですか!?」

P「ああ、急用でも入らなければ大丈夫だよ。愛梨の仕事に付き添うのも久しぶりになるな。前に付き添ったときの撮影も良かったからなぁ」

愛梨「私、頑張りますねっ! だからPさん、ぜーったいにお仕事付いてきてくださいね」

P「はははっ、愛梨がそこまでやる気なら明日が楽しみだよ」

愛梨「えへへっ♪」

――――――
――――
――

愛梨「えっ……Pさん、凛ちゃんと蘭子ちゃんのお仕事に行ったんですか?」

ちひろ「ええ、ちょっと機材のトラブルがあって今日の収録内容を急遽変更するみたいで……」

愛梨「……」

ちひろ「プロデューサーさん、その打ち合わせに急いで向かったので……愛梨ちゃんには申し訳ないんですけど、今日のお仕事はタクシーで向かってください」

愛梨「……はい」

ちひろ「さて、と……それじゃ私はデスクにいるんで、時間になったらお仕事頑張ってくださいね」

愛梨(Pさん……)チラッ

愛梨「あれっ、あそこに置いてある雑誌……」

愛梨(水着のグラビアのお仕事で私が載ってる雑誌……)スッ……

ペラッ、ペラッ、ペラッ……

愛梨(私のページ……付箋で目印付いて……)

愛梨「Pさん……」ボソッ


P『――前に付き添ったときの撮影も良かったからなぁ』


愛梨(Pさん、ホントに私の撮影、楽しみにしてくれて……それなのに蘭子ちゃんと凛ちゃんがPさんにワガママだから……)ギュッ

愛梨「ちひろさんっ、私、お仕事行ってきますね!」

ちひろ「えっ? え、ええ、いってらっしゃい……」

愛梨「行ってきますっ!」タタタタッ……

ガチャッ……バタンッ!



ちひろ「愛梨ちゃん、どうしたんでしょうか? いまからスタジオに行ってもお仕事の時間より随分早く着きそうなのに……」

愛海「あれっ? ねーねーちひろさん、テーブルに置いてあったあたしの雑誌知らない?」

ちひろ「雑誌ですか? んー……どこにもなさそうですけど……」

愛海「おっかしーなー……あたしのお気に入りページに付箋貼って分かるようにしてたヤツなんだけど……」キョロキョロ

ちひろ「他のところに置いてきたんじゃないですか?」

愛海「そうかなぁ……ちょっと探してこようっと」

――――――
――――
――

『4代目シンデレラガールは……』


愛梨(今年は……今年は絶対……)ドキドキ


『塩見周子ちゃんですっ!』

<ワアアアアアア!!!!


愛梨「……」


周子「えー? シューコちゃんシンデレラガールになっちゃった?」

P「おう、なったぞ」

周子「いやービックリだね……うん、ビックリ、ビックリした」

P「そうだな。ホントに鳩が豆鉄砲食らったような顔になってるぞ。っていうかみんなの前でそんな顔すんなって」

周子「……っとと、そうだねー。ちょっと真面目にみんなの前に出ておかないと」

P「しっかりやってこいよ」

周子「はーい。まー適当に真面目に挨拶してくるよー」



愛梨「……」

愛梨(私の……わたし、の……わたし……)

――――――
――――
――

――事務所

愛梨(Pさん……まだかな……)

ちひろ「そういえばプロデューサーさん、遅いですねえ……もうそろそろ戻ってくる時間のはずですけど」

愛梨「周子ちゃんのロケで何かあったんでしょうか?」

ちひろ「今日のロケは前の日に収録できなかった分だけって聞いたので、そんなに時間掛からないと思うんですけどね」


ガチャッ!


P「戻りましたー」

愛梨「Pさ……」

周子「ただいまー」

ちひろ「あら、お2人とも戻ってきましたね」

P「ちょっと周子の次の仕事について監督さんと話してまして……愛梨は来ていますか?」キョロキョロ

愛梨「Pさんっ、私……待ってたんですよ?」トトトッ

P「お、愛梨来てたか。それじゃあ次は愛梨を送っていくか……」

周子「ねえねえPさん」クイックイッ

P「ん?」

周子「さっきの話、夜待ってるからねー」

愛梨(さっきの話……夜……?)

P「夜だろ? 忙しいからあんま遅くまではダメだからな?」

周子「覚えてるならいっか。それじゃ楽しみに待ってるからねー」

P「はいはい……ほら、愛梨も準備して早く移動しよう」

愛梨「は、はい……」

……
…………

――車内

愛梨(……さっきの)


周子『さっきの話、夜待ってるからねー』


愛梨「……あ、あのっ、Pさん」

P「どうした? もうちょっとで現場着くけど」

愛梨「さ、さっき事務所で周子ちゃんとお話していたことって……」

P「んー? ああ……いや、周子が今晩デートしてくれって戻ってる途中に何度も言ってきてな」

愛梨「え……」

P「デートって言うけどアレだよ、ほら、周子はダーツやってるだろ? 最近忙しくてダーツやれないっていうからさ」

P「近場のダーツバーに連れてってやるって話をしてたんだよ」

愛梨(デート……Pさんとデート……デート……デート……)

P「……おーい、愛梨ー、聞いてるかー?」

愛梨「っ! は、はいっ!」ビクッ

P「まあ、そんな話でな……こっちは夜も仕事があるし遅くならない程度に付き合ってやるってことだよ」

愛梨「Pさん、疲れているんですか?」

P「疲れてるっていわれると……まあ程ほどにな」

P「今晩も他メンバーの深夜生放送の立会いに行かなきゃならないし、それまで少し寝てようと思ってたんだけどな」

P「まったく、周子のワガママには困ったもんだよ」

愛梨(周子ちゃんが……Pさんにワガママだから……Pさん、大変なのに……)

P「ま、周子と出かけるのは何だかんだ楽しいし、いいっちゃいいんだけどな」

愛梨「……っ」ビクッ

P「どうした愛梨? 何か具合悪そうに見えるが……」

愛梨「な、何でもないですっ! 私、ちゃんとお仕事できますから!」

P「ならいいんだが……無理なときはしっかり言ってくれよ? 愛梨に無理させるつもりは無いから」

愛梨「……」

P「ここ曲がれば現場か。愛梨を降ろした後、俺は蘭子の迎えに行かなきゃならないから、撮影終わったらメールで一本連絡入れてな」

愛梨「はい……」


……
…………

――数時間後、夕方

愛梨「……」ポパピプペ

愛梨「Pさん、早ければもう周子ちゃんと……」


prrrrr!


周子『はーい、シューコちゃんだよー』

愛梨「あっ、周子ちゃん」

周子『愛梨ちゃん? どしたの突然、何かあった?』

愛梨「……あ、あのっ、今日、Pさんとお出かけするって……」

周子『お出かけ……あー、そーそー、夜にPさんが遊びに連れてってくれるんだー。まだPさん戻ってきてないけど』

愛梨「そ、そのお話しなんですけど……Pさん、今日は凄く疲れているみたいで……」

周子『え、そうなの?』

愛梨「今日も、深夜にお仕事があるって言ってて……」

周子『ふーん……』

愛梨「だから、あまりPさんに無理をさせたらダメだって、私思って……それで……」

周子『えー? でもPさん、今日くらいなら別にいいって言ってくれたよ? せっかくだしあたしも遊びたいし』

愛梨「し、周子ちゃんっ!」

周子『残念だなー。ホントは誰か誘おうと思ってて、丁度今日は愛梨ちゃんが仕事だってPさんから聞いてたから愛梨ちゃんも誘おうと思ってたんだけどなー』

周子『さっきPさんと電話で夜のこと話してたときに、Pさんも愛梨ちゃんを誘おうかなって言ってたけど』

愛梨「え……」

周子『ま、でも愛梨ちゃんはPさんのことしっかり考えてあげてるみたいだし、今日は無理だよね? ざんねんざんねん』

愛梨「あ……わ、私は……」

周子『嘘』

愛梨「え……?」

周子『いま凄く行きたそうな声したよね? ホントはPさんと電話してないんだよねー』

周子『もしかして愛梨ちゃん、ヤキモチ?』

愛梨「周子ちゃんっ! 私は本当にPさんのこと……!!」

周子『あははは、ゴメンゴメン、冗談だって。愛梨ちゃん、Pさんと付き合い長いもんね。心配しちゃうの分かるし』

周子『まー、それじゃあ今日はPさんに電話して、ダーツはまたの機会にしてって話しておこうかな』

愛梨「そ、そうですっ、そのほうがPさんも助かると思いますし……」

周子『うんうん、それじゃあPさんには電話入れておくよ。愛梨ちゃんも、わざわざありがとうね』

愛梨「いいんです、私はPさんが心配だっただけで……」

周子『あははは、ぞっこんだねー……ま、いっか。それじゃまたね』ピッ


ツー、ツー……


愛梨「よかった……Pさん……」

愛梨(私と全然お出かけしてくれないのに、周子ちゃんとは……)

愛梨「……」フルフルッ

愛梨「……そろそろ帰ろ」


……
…………

――翌日、事務所

ガチャッ!

愛梨「おはようございまーすっ」

ちひろ「あ、おはようございます、愛梨ちゃん」

P「おはよう愛梨……いつつ……」

ちひろ「もうっ、そんなにはしゃいじゃうからこうなるんですよ?」

愛梨「Pさん? どうしたんですか?」

P「いやな、昨日話したと思うけど、周子と夜にダーツバーに行って俺もダーツ投げたんだが、腕が筋肉痛になって……」

愛梨「……え?」

ちひろ「深夜もお仕事だったのに無茶しちゃって……まったくこの人は……」ペシッ!

P「痛っ!? ちひろさんもうちょっと優しくしてくださいよ……」

愛梨(なんで……)

ちひろ「自業自得ですっ。今日だってお仕事あるのに、週末じゃないんですよ?」

愛梨(周子ちゃん……昨日Pさんには電話で断っておくって……)

P「おっしゃるとおりで……はあ、今日はしんどいな……」

愛梨「周子ちゃん……Pさんに、ワガママで……Pさんのこと、困らせて……」ブツブツ

P「まあ、仕方が無いですよ。これも仕事のうちですし」

ちひろ「ま、そうですけどね」

愛梨(Pさんにワガママを言っていいのは、私だけの特権なのに……)

P「周子は今回のシンデレラガールですからね。頑張ってくれたし、少しくらいはワガママに付き合ってやらないと」

愛梨「ぁ……」ピクッ

愛梨(違う……)

ちひろ「そりゃあそうですよ。周子ちゃんは今年大変な身ですから、ちゃんとケアしてあげるのもプロデューサーさんのお仕事なんですからね?」

愛梨(私の……特権なのに……)



愛梨『えへへっ、私だけの特権ですっ♪』


愛梨(違う……わたしの……)


愛梨『むーっ、シンデレラガールの特権ですよ!』


愛梨(シンデレラガールの……特権……)



P「もちろん、周子も中々いい加減ですしヘソ曲げられても困っちゃいますからね……周子に限ってそういうことは無いと思いますけど」

愛梨(イヤ……私の、特権……)

ちひろ「……あっ、愛梨ちゃん、そろそろレッスンのお時間じゃないですか?」

愛梨「っ!?」ビクッ

P「もうこんな時間か……ほら愛梨、レッスン行ってきなさい。今日も頑張ってな」

愛梨「……はい、行ってきます」トボトボ

ガチャッ……バタンッ

P「愛梨……?」


……
…………

――レッスン場

愛梨「周子ちゃんっ!」

周子「お、愛梨ちゃんおはよー」

愛梨「周子ちゃん! 昨日お電話したこと……」

周子「あー、ダーツバーのこと? それがさー、Pさん全然ダーツヘタクソでねー」

愛梨「そんなこと聞いてませんっ! 昨日、Pさんとのお出かけは断るって言ってたのに……」

周子「えー? あたし断るなんて言ってないよ? 別の機会にするって言ったかもしれないけどさ」

愛梨「……!」

周子「そんなに睨まないでよ……あたしが悪かったからさ」

愛梨「に、睨んでなんて……」

周子「……ま、これではっきりしたからいいけどさ」ヨッコラセ

愛梨「え?」

周子「愛梨ちゃんさー、Pさんのこと好きでしょ?」

愛梨「……え、えええええっ!?」

周子「お、その反応はアタリだね……いやねー、愛梨ちゃんってもしかしなくてもPさんのこと好きだよねーって思って見てたんだけどさ」

周子「見れば見るほど、Pさんに構ってもらえなくて落ち込んでる愛梨ちゃんの姿ばっかり見ててさ」

愛梨「わ、私……もしかして、みんなからそんなふうに見えてたのかな……」

周子「うん、わりと……てか凛ちゃんとか蘭子ちゃんとか、愛梨ちゃんのライバルもバッチリ気付いてるよ」

愛梨「えっ!? り、凛ちゃんと蘭子ちゃん……?」

周子「だってあの2人もPさんのこと好きみたいだしさー、誰がPさんのことゲットするのかなーって思ってたけど」

愛梨「わ、私は別に、Pさんとは……」

周子「あれ? それじゃあPさんが凛ちゃんや蘭子ちゃんとムフフなことしちゃっててもいいの?」

愛梨「ムフフなこと……ダ、ダメですっ! 絶対ダメです!」ブンブン!

周子「それじゃあほら、愛梨ちゃんが最初にムフフなことやってPさんのことゲットしかないとダメじゃない?」

愛梨「で、でも……」

周子「ダイジョーブダイジョーブ、そんなときのための……」


志希「呼んだー?」

周子「これから呼ぼうとしたけど勝手に出てきた」

愛梨「し、志希ちゃん……?」

志希「にゃはははは、実はねー……最近ちょっと新しいクスリを作ったんだけど実験相手がいなくてねー」

愛梨「新しいお薬……ですか?」

志希「そそ、飲ませた相手に何でも自分の言うこと聞かせちゃうってクスリ、誰で試そうかなーって思ってたんだけどね」

周子「だけど志希ちゃん自らモルモットに近づくと相手が警戒して薬を飲んでくれないのであったとさ」

志希「そーそー、だからちょーっと実験できなくてねー。だから愛梨ちゃんにこれを託そう!」

愛梨「これは……粉薬ですか?」

志希「この量だと効果が続くのは1日……いや、一晩くらいかなー? 愛梨ちゃんにあげるから好きに使っちゃっていいよ」

志希「これを愛梨ちゃんが誰かに飲ませたら、薬の効果が続くうちなら飲んだ相手はどんなことでも愛梨ちゃんの言うことなら聞くからねー」

愛梨「どんなことでも……」

愛梨(私のことなら……Pさん……)

志希「ま、好きに使っちゃってオッケーだからさ、効果がどんなものかはこっそり観察してるけどね」

愛梨(Pさん……P、さん……)

愛梨「……」


……
…………

――夜、事務所

P「疲れる……ん、ここの文書直したつもりが……」カタカタッ……


ガチャッ……


P「ん、ちひろさん?」

愛梨「……Pさん」

P「愛梨……? どうした、こんな時間に事務所に来て」

愛梨「え、えっと……」

P「そういえば前にもこんな時間に事務所で話したことあるな……相談事か?」

愛梨「い、いえっ、あの……わ、私、Pさんにお茶入れてようかなって!」

P「お茶? はははっ、お茶入れるために事務所までは来ないだろう? ほら、どうしたんだ」

愛梨「あ、あの……と、とりあえず私、飲み物持ってきますから!」タタタッ

P「あ、おい……何なんだ一体……」



愛梨「……」カサッ……

愛梨(お茶……でいいよね……志希ちゃんからもらったお薬を……)サラサラサラ……

愛梨(Pさん、Pさん……私の言うことを……)


蘭子『だ、ダメですっ、私からのお礼……離しません!』

凛『私はそうは思ってないよ。……だからプロデューサー、みんなのところに戻る前に、もう少しだけワガママでいい……?』


愛梨「私だけの、特権……」

カタッ……


愛梨「Pさんっ! はい、どうぞ♪」

P「ん、すまんな。ちょっと疲れてたところだったから……」スッ

愛梨「……」ゴクリッ

P「どこかのタイミングで休憩して、もうひと頑張りしようと思ってたところだったんだよな」

愛梨「そうだったんですか。それなら、丁度良かったです」

P「ははっ、愛梨は気が利くな。タイミングが良いというか……もう最近は休む暇もなかったからなぁ」

愛梨「そうなんですか?」

P「ま、プロデューサーらしく、みんなの仕事ぶりも見ないといけないしな。俺の仕事っちゃ仕事だから……」

愛梨「でも、無理はダメですよ? 私、とっても心配してるんですからねっ」

P「そうか……愛梨に心配……させて……たか……」

愛梨「ええ、でも……それももう……」

P「あ……れ……あい、り……」

P「……」

愛梨「……Pさん、Pさーん?」

愛梨(志希ちゃんが言ってた……Pさん、薬を飲んだあとは少し眠っちゃうけど、起きたあとは……)

愛梨「……」ゴクッ


……
…………

――仮眠室

P「……ん、俺は……寝てた、のか……」

愛梨「……あ、Pさん、起きましたかぁ?」

P「あい、り……なんだ、俺は……仮眠室で……あれ、愛梨も寝てた、のか……?」

愛梨「えへへ、Pさんと一緒に寝ちゃいました♪ あの、Pさん、ところで……」

P「なんだ……?」

愛梨「あの……Pさんの、ワイシャツのボタン……外してもらってもいいですか?」

P「……ああ、これで……いいか?」プチッ、プチッ……

愛梨「……それじゃあ、私、暑くなってきたんですけど、脱いじゃっていいですよね?」シュルッ……

P「ああ、いいよ……」

愛梨「……えへ♪ それじゃあ、Pさん……Pさん、とーっても疲れているみたいなので……」パサッ……



愛梨「私が……Pさんのこと、たくさん癒してあげますからね……」



……
…………

――事務室


『あっ、あんっ! Pさん、Pさん!!』

『くっ……あ、愛梨、そんなに動かれたら……』



ちひろ「おっ、ようやく始まりましたねー」

志希「にゃはははっ! あのまま2人ともぐっすりー、だったらカメラ回してる意味無いからねー」

ちひろ「一晩頑張ってほしいですねー。アイドルの裏モノは結構良い値段になりますからね」

志希「シンデレラガールだった愛梨ちゃんなら結構稼げる? 稼げちゃったり?」

ちひろ「そうですねー……まあ、普段志希ちゃんにお渡ししている報酬よりは多くなりそうですね。蘭子ちゃんと凛ちゃんのときと同じくらいでしょうか」

志希「あの2人も結構イイカンジに薬使ってくれたもんねー。あたしの研究資金の回収に一役買ってくれて大助かり!」

ちひろ「それにしても、プロデューサーさんも可哀そうですね。自分の知らないところでアイドルたちによろしくやっちゃって」

志希「まーオイシイ思いしているところは記憶にないからねー。ていうか、ちひろさんがそんなこと言っちゃう?」

ちひろ「ま、私はお金稼げるなら何でもいいんですけどね。あとはシンデレラガールの3人で仲良くやってくれればいいんですけど」チラッ


『あっ、あ、あ……Pさん、私、あっ! も、もう……イ……あああっ!?』

『愛梨っ、そ、そろそろ……くうっ……』

『あ……P、さん……あああ……』


志希「んー、1回戦終了? もっといっとく? いっとく?」

ちひろ「もっと張り切ってもらわないと困りますよ。せめて2時間……蘭子ちゃんたちもそれくらい張り切ってましたからね」

――仮眠室


愛梨「あ……んっ、P……さん、Pさん……どうですかぁ?」


ギシッ、ギシッ……


P「あ、ああ……凄く、気持ちいいよ……愛梨……」

愛梨「ふふっ……そうですよね? すっごく気持ちよくなってくれますよね? 私のことも、気持ちよくしてくれますよね?」

P「ああ……愛梨のことも、気持ちよく……」

愛梨「これからも、私とこうして一緒にいてくれますか? 蘭子ちゃんや、凛ちゃんじゃなくて、私と……」

P「ああ……これからも……愛梨と一緒に……」

愛梨「そうですよね。だって、Pさんと一緒にいるのは……」



愛梨「私だけの……特権、なんですから」



……
…………

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