咲「記憶忘却系主人公?」京太郎「え?なんだって?」 (77)

本格美少女麻雀物語「咲 -saki-」のSSです。

登場人物の性格や生い立ちなどが多少改変されているかもしれませんご容赦を。

ほのぼの日常系ギャグ(時々ホラー?)

それでは、かなりゆっくり更新。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456668215

~序幕~
それは彼女、宮永咲の高校生活最初の初夏だった。


NAGANO県飯山市清澄高校麻雀部

須賀京太郎「ようこそお姫様。カモつれてきたぞーっ」

竹井久「この空間を支配する・・超人的な豪運が・・!!」

宮永咲「カン」

原村和「退部してもらえませんか」

片岡優希「い・・今はダメっ」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~

ザァー

・s・・き・・・・

・・・さ・・き・・

・・・・・・・咲!!


はっ!!

気が付くと背中がぐっしょりと濡れていた。

「はぁ、またあの夢か。」ザァー

姿勢を起こし枕元の時計を確認する。

ここのところ同じ夢を見てばかり・・・だと思う。

「まったく・・これだから雨の日は・・」ザァー

愚痴を漏らしつつ、そろりとベッドから降り、窓から外の様子を伺う。

ザァー

ザァー

暗くて外の様子は分からない。

時刻は午前3時前、外は漆黒の闇で覆われている。ザァー

気を抜くと自分がその中に吸い込まれそうになる。


・・ぎっ・・

「ん?」ザァー

何か雨音に交じって耳障りな音が聞こえた・・・ような気がする。

「気のせいか。」ザァー

そう呟い ・・ぎぎ・・

いや、気のせいではない・・・ような気がする。

恐ろしくなり、そばにあったケータイを握りしめる。

「怖いよ。・・・・京ちゃん」ザァー

ケータイを開き、おぼつかない手で操作する。

恐怖の為か、思ったように操作できない。


「いや、それはもともとか・・・」ザァー

よし、まだ冗談を言える余裕があるな。そう思ったとき、またどこからか

・・・ぎぎぎぎっ・・  ザァー

ザァー ・・・ぎぎぎ・・・

音が、 ・・ぎぎぎ・・・

「ひっ」

喉が引きつり、声にならない声を出す。

京ちゃん!!お願い!助けて!必死の思いでケータイのコールボタンを押す。

Prrrrrrrr..Prrrrrrr..

「ぁあ、咲か。どうs「京ちゃん!!よかった繋がった!!」

「おいおい、どうしたんだよこんな時間に。」

「う、うん。」ザァー

寝ぼけた友人の声で、いくらか落ち着きを取り戻した。

「あ、あのね京ちゃん。何か家にいるみたいなの。怖いよ。」

自分の声が震えているのが分かる。

「ん? あはははは! さては怖い夢でも見たな。そんなんで電話してくるとは咲もまだまだお子ちゃまだなぁ~」

「ほ、ほんとなんだって!」ザァー

「分かった。分かった。じゃあ、たまにはホラー小説以外も読んでみろよ。怖い夢も見なくなるだろ。」

「むぅー。京ちゃんはまたそうやって私をバカにしてー」ザァー

ああ、京ちゃんはいつだってそうだ。

いつも私を小馬鹿にしてくる。・・・・・ううん、私にかまってきてくれる。

今までの恐怖は何処吹く風。

・・・ぎ・・・


気が付くとカーテンの隙間から光が差し込んできていた。

いつの間にか雨も上がっていたようだ。

また学校で、と言葉を交わしケータイを切る。

「あれ?なんで京ちゃんと電話してたんだっけ?」

「ま、いっか。ちょっと早いけど朝食の準備でもしておこう。」

もぞもぞとベッドから起き上がり、ドアのノブに手をかける。


その時、視界の隅に違和感が、何か、何かが見えた・・・気がする。

全身が強張る。本能のようなものが振り向いてはいけないと言っている。でも・・・全神経が視界の隅、右端に集中する。

そして、顔を少し横へ・・ぎ・・向ける。

そこには、しかし、何もなかった。ただ、白い壁があるだけである。

「ふぅ、気のせいか。」

「あんなことがあったせいで、神経が張ってるのかな。」

などとつぶやきながら、リビングへと向かう。


あれ?あんなことってなんだっけ・・

~幕間~

21世紀・・

世界の麻雀競技人口は一億人の大台を突破

我が国日本でも大規模な全国大会が毎年開催されプロに直結する成績を残すべく高校麻雀部員達が覇を競っていた

これはその頂点を目指す少女たちの軌跡!!


・・・の裏であった不思議な不思議な物語・・・かもしれない。

~~~~

翌朝。

ぴぴぴぴぴぴぴぴっバコン

「ふあ~」

朝が弱い私にとって目覚ましの音は辛い。

深い深海でひっそりと過ごしていたのに、強引に水中へと引き上げられる深海魚の気分だ。

「うん、いまの例えはないな・・」

自嘲気味に呟きながら、カーテンをシュッと開ける。

「う、眩しい」

思わず目を細める。


その時、・・ぎ・・ また視界の隅に何かが映った・・・気がする。


Prrrrrrrrrr

突然ケータイが鳴り響く。電話だ、しかもこの着信音は・・・

Prrrrrrrrrr

信じられない。驚愕と焦り、それから緊張でケータイを開く手が震える。

画面に表示される名前を見る。

「どうして・・・・・お姉ちゃん・・・」Prrrrrrrrrrr

そこには咲の姉、宮永照の名前が映し出されている。

Prrrrrrrrrr

私たちは仲が良い姉妹・・・とは言えないだろう。

Prrrrrrrrrr

なんせ別居中だ、まして電話なんてしたことがない。


少し思案する。

Prrrrrrrrrr

ピッ「も、もしもし。お姉ちゃん?」

緊張で声が震えている。以前は恐怖で震えていたか。

あれ?以前ってなんだっけ?そんなことあったっけ・・・・

「うん、そう・・・久しぶり、咲・・・」

「・・・うん、久しぶり・・だね、お姉ちゃん・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

沈黙が二人を包む。

「あ、あのねお姉ちゃん、その・・」

「咲!!」

「な、何?どうしたのお姉ちゃん?」

「・を・・ぎぎ・・けて・・ぎ・」

「え?よく聞こえないよお姉ちゃん!」

「・さ・・き・ブツッ

そこで通話は途切れた。


画面には赤々とバッテリーのマークが表示されている。

「電池切れ・・・・、お姉ちゃん、なんだったんだろう」

気づくと全身が強張っており、額から汗が流れ落ちた。

「取り敢えず、落ち着こう。・・シャワーでも浴びて来よう」


~幕間~

竹井久「全国優勝の夢くらい見させてよ」

宮永咲「これって麻雀なの・・?」

須賀京太郎「おまえ・・何言ってんだ・・?」

原村和「負けたらここにはいられない」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


強化合宿最終日


「う、うーん」

昨夜はよく眠れなかった・・・ような気がする。


・・・ごそっ・・・

「っ!!」

今のははっきり聞こえた。

合宿に来てからこんなことなかったのに・・

ん?合宿に来てから?来る前はどうだったっけ・・?


「すみません。起こしてしまいましたか?」

その時、隣から声がした。麻雀部の仲間、原村和だ。


近くに滝があるらしいので、そこへ3人で行くことにした。

私、原村さん、優希ちゃんの麻雀部1年の3人トリオだ。

京ちゃんは・・・・忘れてないよ、ごめん。

宿泊所を出て森の中を少し歩くと、湿った冷たい風が吹いてきた。夏とはいえ、長野の山の朝は少し肌寒い。


ザザー

乙女滝、というらしい。なんともメルヘンな名前だ。

京ちゃんは乙女じゃないから呼ばなかったんだよ・・うん、そう。

ザザー

自分自身に言い訳をし、滝に近づく。

ザザー


ふと、どこからか視線を感じた。原村さんと優希ちゃんは・・向こうでカニをつついている。

では、何処から?あたりを見回すと滝の方へと自然に目が行った。

いや、滝の裏側だろうか。

今にも駆け出したい衝動にかられた。どこへ?・・分からない。


「咲ちゃんもこっち来るじぇー!」

友人の声で我に返った。


~幕間~

「グレーゴルはきっと・・む・・・し・・として生きる快楽に目覚めたんだよ。」

~~~~


ぴぴぴぴぴぴぴぴっ

「んん、朝か」


あれ?おかしい、体が動かない。

金縛り?でも、朝に金縛りなんて聞いたことがない。

怖いよ。京ちゃん・・・

最近、恐ろしいことが多い・・・・ような気がする。

目線を下げ、なんとか自分の体を見ようとする。


「ッ!!!」

         ・・・虫、蟲、虫、蟲・・・

「ぎっぎぎぎぎっ!」

声を出そうにも声が出せない。否、声は ・・・ぎぎっ・・・ 出ている。

自分の体が、手が足が・・・ぎぎぎ・・・蟲になって・・ぎぎ・・・

ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ


ドンッ

「っ!! はあ、はあ、はぁ・・・」

夢、か・・・

最悪な夢だった・・・・気がする。

いつの間にかベッドから転げ落ちていた。

全身に汗をかいている。

気持ち悪い。汗が・・?それとも・・ぎ・ぎっ・・になった自分・・?


いまだに夢の中にいるような胡乱な面持ちで、脱衣所へと向か・・ぎぎっ・・

「いやぁっ!!」

叫んでその場にうずくまる。

「何なの!もうやめてよ!!」

殆ど発狂寸前で、叫ぶ。

部屋を見回すが、何も不審なものはない。



ぴぴぴぴぴぴぴぴ・・・

目覚ましが空気を割くように鳴り出した。

「あぁ、今日は県予選か・・・」

ぴぴぴぴぴぴぴぴ・・・


~幕間~

県予選初日

竹井久「さァ、行こうか!」

咲、和、優希、京太郎「はいっ!!」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


「ここが・・県予選会場か・・」ガヤガヤ

葡萄の実文化会館、なんとも適当な名前だ。

フランス語とかでかっこよく決めればいいのに・・レザンホール・・とか?

ガヤガヤ

他愛もないことを考えて気を紛らわせる。

今朝のことが心身ともに効いているみたいだ。

・・今朝のことって・・・・・ええと・・・

いや、そんなことより試合に集中しないと!!


自分自身に喝を入れ・・・ぎぎぎっ・・・

「うっ!!」

な、何?こんなところにまで!?

ここは麻雀の大会の会場。多くの人がいるのに・・どうしてっ!!ガヤガヤ


        ・・・ぎぎ・・・・

人々の雑踏に交じってガヤガヤ・・ぎぎ・・・ガヤガヤ

何か ガヤガヤ 不快な音が、

・・・・・ぎぎぎぎぎっぎぎ・・・聞こえてくる・・・・・気がする。

ガヤガヤ


音に導かれるように、ふらふらと歩みを進める。

「・・・・・」


~幕間~

須賀京太郎「うーわー人多いなー」

片岡優希「咲ちゃんがいないじょー」

原村和「え・・・・」

竹井久「相変わらずどこか抜けてるわね」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


・・・・・・ぎぎ・・・・・ぎ・・・・・

「ここ・・は?」

いつのまにか人混みから随分はなれたようだ。

・・・ぎぎっ・・・・・・


「あれ?・・ぎぎっ・・先輩・・?」

「おぉ~咲、ここにおったか。」

・・ぎぎぎ・・・・・・ぎ・・・・・


「先輩、良かった。怖かったんです。この音なんなんですか?」

「あれ?あんたは知らんのか?」

・・・・ぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・

「はい?」

「これは・・・・ぎぎぎぎ・・・む・・・し・・じゃ。夏になると悪さするけんの~。」

「え、えっと・・それは、どういう・・・」


・・・・・ぎぎぎ・・・・

「咲はこのあたりの出身じゃなかったんか?常識じゃと思うがのぉ~。まさか、おまじないをしなかったんか?」

「は、はい。地元はここですけど、そんな話・・・お、おまじない・・?」

なんだそんな話今まで聞いたことない・・・・・・・・はず・・

第一、こんな不気味な、気持ちの悪い虫?がいるはずがない・・・・と思う。

     ・・・・・・ぎぎぎ・・・

そうだ、これも夢だ。そうだ、たちの悪い夢なんだ・・

そうだよね・・・京ちゃん・・・


・・・ぎぎぎっ・・・・


~**~

咲 フラフラ

?「おせーなア」

?「また目覚ましが壊れたりしてるに違・・」

?「・・・・覚まし5つセットしたぞ」

?「うわァ」


ゾゾゾ


?「・・・に似た空気を感じたよ」

?「まさかな」

咲 ドテッ

~~~~

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
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~幕間~

「県予選決勝二度目の数え役満!」

「しかもまた嶺上開花!」

「県予選団体戦はこれで完全決着!!」

「そして試合の最終結果は・・清澄高校の逆転優勝です!!」

~~~~


私たち清澄高校は、団体戦でインターハイへと出場することとなった。

全国へ向けての合宿もできたし・・京ちゃんはお留守番だったけど・・

私たち皆、強くなったと思う。

原村さん、ううん、和ちゃんとも約束した。全国優勝するって!!

和ちゃんもなんだか訳ありみたいだった。


私も、・・・全国でお姉ちゃんと・・・・

お姉ちゃんとはあれ以来、連絡を取っていない。


「ん?」

あれ以来・・・っていつだっけ・・・ぎっ・・


「うぅ・・」

まただ!突然天と地がひっくり返ったかのように回りだす。

「ぐううぅ・・」 ・・・・ぎぎ・・・・

ひどい眩暈だ。耐え切れずにその場に ・・・ぎぎっ・・・ しゃがみ込む。

最近はずっとこの調子だ。

眩暈や耳鳴が不意に襲ってくる。

世界がぐるぐると回りながら、その中で

    ・・・・ぎっ・・・・ 

不快な音が聞こえる・・・・気がする。

「はぁ、はぁ、治まった・・・かな。」

「私の体、どうしちゃったのかな?一度病院で診てもらおうか?」


・・・・・・夏になると・・・・・虫・・・・おまじなぃ・・・・・


なんだか大切なことを・・・以前聞いている・・・・・ような気がする。



~幕間~

「ウラジミールとエストラゴンは誰を待っているの?」

「どう思うかい?」

「うーん、ゴッド?」

「それは少し早計じゃあないかな?二人の最後のセリフを思い出してみて・・」

~~~~


「うーん、何だかよく分かんない。」

ぽいっ、と今しがた読んでいた本をベッドに投げる。

いつも部長、竹井先輩が寝ているベッドだ。

「あら、本を粗末に扱う子にはお仕置きが必要ね。」

部長が、悪い笑みを浮かべながらこちらを見ている。

「あ、そういうつもりじゃ・・」

「ふぅーん・・・・それで、何読んでたの?」

ずいっと部長が近づいてくる。

「ゴドーを待ちながらねぇ、よくまぁこんなに古い本を。咲はてっきりBL本しか読まないと思ってたわ」

あはは、と部長は笑いながらさらに悪い顔つきになる。

この時の部長にはもう逃げられない。

「え、いや、そんな・・・・読みませんよ。」

顔から火が出るとは正にこのことだ、と思った。

部長はいまだにニタニタしている。


すると突然、ぐわぁーーんと天と地がまたひっくり返った。

「う、うぅぅ・・・・・ぎぃ・・・」

ベッドにそのまま倒れこむ。

「ぶちょ・・う・・・・・」

視界の端で部長が慌てて駆け寄るのが見えた。


しかし、咲の目と耳は部長の口元とそこから発せられる言葉に釘付けとなった。

「******」

い、いま、何て?ぶ・・ちょう・・・・・ぎぎっ・・・


~幕間~

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


「知らない天井・・・」

テンプレのような言葉選びだなと思いつつ、重い頭を左右に動かし、周囲の状況確認。

「右良し、左良し、右良し!」

なるほど、ここは病院だと分かった。

他のベッドにも病人がいるのだろうか?仕切られていて見えない。


「お目覚めかしら?」

足元から声がかかる。部長の声だ。

「部長、私は一体・・・・」

「ちょっと待ってて、医者を呼んでくるから」

私の声はまるで聞こえていなかったかの様に、部長はせかせかと病室から出て行った。


「ええと、どうして私はここにいるんだっけ?」

思い出そうとしてみる。

ああ、そうか、眩暈がして倒れたんだ。そうだ、そうだった。

そして、その場にいた部長が助けてくれたんだ。

     ・・・・・・ぎぎぎっ・・・・・・・


うんうん、そうだ。部長はあの時・・・・・・・・ぎぃ・・・・


「おはよう、目が覚めたようだね。ええと、宮永咲さん。」

「はい。」

いかにも人畜無害というような白髪初老の医者が現れた。

「そこの、ええと竹井さんから聞いたけれど、急に倒れたらしいね。君が寝ている間に検査来てみたけれど、体には何の異常もなかったよ。一応脳の精密検査をしたけれど、健康体そのものだった。」

「だとしたら先生、やっぱりアレ・・ですかね・・・・」

部長が医者に尋ねる。

「うむ、そうかもしれん。」


アレ?

「あ、あの。その、アレっていうのは何ですか?」

「「えっ?」」

医者と部長は目を見開いて咲を見る。

まるで、そんなことも知らないのかと言わんばかりだ。

「あ、ええと、その・・・・」

なぜか私がひどい間違いを犯した気分になり、委縮してしまう。


「「「・・・・・」」」ザァー

外は、雨が降っているようだ。

・・・・・・・沈黙。


~幕間~

「To be or not to be, that is the question.」

~~~~


私は今、手術台に寝ている。

麻酔のせいで、頭がぼぉーとしている。

なんでこんなことに、手術なんか・・・・

上手く働かない頭で必死に思い出す。

あぁ・・・そうだ確か、・・・・・


「ココロに・・・ぎっ・・む・・し・・・が取り付いてますね。」

とか何とか、医者が言っていた・・・・・ような気がする。

そもそもココロって何だろ・・・・心臓じゃないのかな・・・

「・咲に・・・・・ま・・・・・・が差した・・・かな・・」

部長が何か言っていた・・・・・・ような気がする。


意識が深い底へと・・・深く・・・・深く・・・・・・・


~幕間~

「・・・ユダの中にサタンが入り、イエスを裏切ったんです・・・」

「なにそれ、っマジやべー。」

「日本語でも言うじゃないですか・・ほら・・・・・・・・・魔が差すって・・・・・」

~~~~


キィィィィィィ、キィィィィィィ、

脳髄に刺さるような音で、闇の底から咲の意識は戻ってきた。

「う、うぅ」

眠い、眠い、眠い・・・

キィィィィィィ、キィィィィィィ、

意識がはっきりしない中、目を開ける。

・・・・・あぁ、そうか手術中か・・・キィィィィィィ


人畜無害そうな初老の医者がドリルを持って、キィィィィィィ

一体、何を・・・・やめて・・・・キィィィィィィ


「大丈夫ですよ。ココロの・・・・・・ぎぎぎ・・・・を取るだけですからね。」

キィィィィィィ、キィィィィィィ

ががががガガガガガガガガガが


・・・・・・そこは・・・・・心臓・・・・・・・あぁぁぁ・・・・


ガガガガガガがががががががガ


~終章~

原村和「いよいよですね」

宮永咲「うん」

須賀京太郎「」

竹井久「決勝までは長いわ・・・」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


~***~

最近はすこぶる体調がいい。

もちろん麻雀も!


そして、お姉ちゃんに会うために全国に来たんだから!!


あぁ・・・でも今日は曇り空かぁ・・・・

雨降らないといいけど。

雨が降ると嫌なこと思い出すから・・・・・


・・・・・・・・・あれ?・・・・・・・・


嫌なことって・・・・なんだっけ?・・・・





     ・・・・・・・・・ぎぎぎっ・・・・・・・

~閉幕?~


以上

最後まで読んで下さった心の広い方、ありがとうございました。
一応今後の展開も考えていますが、

とりあえず、カン!


>>1です。
レスありがとうございます。

咲本編や阿知賀編を読んだり、アニメを見たり、と勉強しながらなので時間がかかってすみません。
これからちょっと白糸台の下見に行ってきます。




(レザンホールは実際に存在する・・・・・・ような気がする。)


~開幕~

数日前、15時36分西東京

「試合終了!!」

「これでインターハイ西東京代表は3年連続 白糸台高校!!」


「率いるのは高校生1万人の頂点!」

「インターハイと言えばすなわち彼女のこと!

「現インターハイチャンピオン 宮永照!!」

「史上初の全国3連覇に向けて動き出しました!!」

~~~~


地区大会優勝の祝勝会、反省会、それとインターハイ3連覇に向けての壮行会も終わり、帰路に就く。

「ん、んー。」

軽く伸びをする。

私は一応、白糸台高校の顔として、様々な場所で挨拶をしなければならない。

「はぁ。」

・・・・・また深くため息を付く。


あまり人前でしゃべるのは得意ではない。

麻雀部のチーム虎姫のメンバーは、そんな私を気遣ってくれる。

特に菫、弘世菫は・・・・・いつも私の隣にいてくれる。

困った私に手を差し伸べてくれる。

私は、・・・・・・そんな菫が、・・・・・・虎姫の仲間が、・・・・・・・

「はぁ~・・」

またため息。


最近はこればかりだ。

この前淡、大星淡に「テルー、ため息ばかりしてると幸せが逃げちゃうよ~。」と言われた。

「はぁ。」

後輩に心配かけるなんて、先輩失格だ。


幸せなんて、とうの昔に逃げちゃったのかもしれない。

「フフッ・・・・・・」

自嘲気味に笑う。

「はぁ・・・・・・・・・さき・・・・・・」


~幕間~

須賀京太郎「」

竹井久「さてさて、笑壺の会になるかしら」

原村和「マホちゃん!」

片岡優希「ムロマホコンビだじぇ」

染谷まこ「アツシボでーす」

~~~~


「照、ご飯できたわよ。」

眠りの底から引き上げられる。

「う、う~ん。」

時計を確認する。      ザァー

もう夕食の時間か。

帰宅した後、倒れこむように眠ってしまった・・・・・・・ような気がする。

やはり今日は人前に出たせいで、疲れていたのだろう。


ザァー

「雨か・・・・・・」

疲労のせいもあってか、さらに陰鬱な気分になる。

リビングへ行くと母が食卓に料理、といってもスーパーのお惣菜だが、を並べている。

ザァー

私たち二人の料理スキルは・・・・・・・・・まあ、ね・・・・・・・・。

私たち二人、というのは、私と母のことで、父と妹とは別居している。

妹、咲たちは飯山市、あぁ地元長野県ね・・・・、そして私たち二人は府中市紅葉ヶ池、東京都だ。


そういえば何で別居しているんだっけ・・・・・・・・・過去の記憶を探る。

ザァー

「今年もインターハイに出るんでしょう。おめでとう。」

しかし私の思考は、母の言葉で中断された。     ザァー

「うん。ありがとう・・・・・・・・」


~幕間~

「世界は劇場、劇場は世界」

~~~~


ぴぴぴぴぴぴぴぴっバコン

「んん・・・」

朝か。

私は朝に弱い・・・・・・・・咲はどうだったかな・・・・・・・・

雨は夜のうちに上がり、カーテンの隙間から日が差し込んできていた。


・・・・・・・・・・・・・・・ぎ・・・・・・・・・ぎぎっ・・・・・・・・

「ん?」

何やら不快な音が聞こえた・・・・・・・・・気がする。


今日は休日だが、麻雀部は活動する。

当然だ。全国大会、インターハイに出るのだから。

朝食を摂りにリビングへ行くと、母がもう起きていた。

・・・・・・誰かと電話してる?・・・・・・

別に盗み聞きするつもりはなかったが、ドアのノブに手をかけたところで歩みをやめた。

「・・・・・・えぇ、えぇ、そうなんです。・・・・・・・・はい、・・・・・・・・・むしが、・・・・・・・えぇ、・・・・・・・・・・・・でも!それじゃあ・・・・・・・・・・・・。分かりました。・・・・・・・失礼します。」

何の話だろう?

気にはなったが、盗み聞き紛いの事をしている自分が馬鹿みたいに思え、リビングへと入る。

「あら、照、おはよう。今日は早いのね。」

「おはよう。今の電話は・・・・・・?」

「電話・・・・・?あぁ、そうそう、照、そういえばこの前咲に電話したでしょ?」

「え?」

何か・・・・・・何か違和感を・・・・・・・感じた・・・・・・ような気がする。

が、咲の名前を出されたことでそちらに意識が飛ぶ。

「ほら、お父さ・・・・・・界さんの誕生日の時、・・・・・・・」

もうお父さんって呼べばいいじゃん、と心の中で悪態を付きつつ記憶を探る。

「ん~ん・・・・・・」

咲に電話、咲に電話・・・・・・あぁ、そういえば電話した・・・・・・・・ような気がする。

でもすぐに切られてしまった・・・・・・・ぎぎッ・・・・・・ような気がする。

でも何でお父さんじゃなくて、咲に・・・・・・・・?


お母さんが心配そうな面持ちでこちらを覗く。

「照?」

「あ~・・・・・・、二人とも元気だった。お父さんはもう若くないからタバコやめるように伝えてって、咲に言っといた。」
・・・・・・・これ以上思い出すのも億劫だったので、それらしいことを話して誤魔化す。

でも、お父さんの身を案じているのは本当だ。

もう齢40の半ばだろうに・・・・・・・・まだまだ若いつもりでいる。


「ふ~ん・・・・・そう・・・・」

母は興味がすっかり無くなったと言わんばかりに、朝食の準備に取り掛かった。


~intermedio~

染谷まこ「アツシボでーす」

染谷まこ「劇中に著者のコメントが入るのはあまり、好かんのじゃがのぉ~。メタファー的な視点はできれば避けたいんじゃ。」

染谷まこ「じゃが、上演前に説明をせんかった>>1が悪い。」

>>1「はい。まこさんのおっしゃる通りです。以下私の脳内妄想に入ります。ウザいという方は読み飛ばしてください。」


>>1「まず、物語の風呂敷はどんどん広がっていってるかのように思われますが、収束先は一応ある・・・・・・・・・かもしれません。また、最近はあらゆる現象に理由を求められる方が多いです。勿論それを否定はしませんし、私自身そうです。では何故理由を求めるのか?それは説明不可能なものは~怖い~からだと私は思います。その怖さ、不条理さを楽しんでいただけたら幸いです。もしこの>>1のコメントで気分を害された方がいらっしゃったら、そっとスレを閉じていただけると幸甚に存じます。」

~~~~~~~


カタ、タン、タン、タン・・・・・・・・・・

部室に響く牌の音。心地いい。

「4本場」

タン、タン、タン・・・・・・・・・・・・

「うっ、そろそろテルーを止めないと・・・・・・ダブルリーチ!!!」

「くっ、今度は淡か。」

タン、タン、カタ、タン・・・・・・・・・・

「カン!!」

タン、タン、カタ、タン・・・・・・・・・・

「自摸!!!!ダブリー、ドラ4・・・・・・・・・」

「今回は淡がトップか。」



「・・・・て・・・・・・る・・・・・、照!!」

「はっ!!・・・・・・菫・・・・・」

まただ、最近ぼぅとすることが多い。

「どうしたんだ照?大丈夫か?最近、心ここに在らずって感じだぞ。淡のダブリーも止められてないし・・・・・・」

「あぁ、うん、菫・・・・・・ごめん」

部活仲間にまで心配をかけて、はぁ・・・・・・最悪だ。


「あまりこんなこと言いたくないが、インターハイが近いんだ。気を引き締めてもらわないと・・・・・・・」

「うん、分かってる・・・・・・・・・」

淡を含め他の仲間達、亦野誠子や渋谷尭深も、心配そうな顔つきでこちらを伺っている。

ごめんね、みんな・・・・・・・



実は最近よく眠れていない。とある音・・・・の様なもののせいだ。


~幕間~

大星淡「女子会しよう」

弘世菫「しない」

大星淡「えっ」

~~~~


「ごちそうさま。」

夕食を食べ、自室へと戻る。

「はぁ・・・・・」

またため息が出る。

何だか上手くいかないことばかりだ・・・・・・・・・ぎっ・・


それも全て・・・・・・ぎぎ・・・・・・・

・・・・・・・・・・ぎぎぎ・・・・・・この音のせい。

世間の小学生はこれを、妖怪のせいなどと言うのか?

妖怪のせいだったほうがまだましだ、姿さえ見えれば私のコークスクリューで・・・・・・・

・・・・・・ぎ・・・・・・

「うるさい、うるさい、うるさい!!!」

思わず声に出る。・・・・・・・・・ぎぎ・・・・・・・

「ッ!!」

ベッドへと飛び込み、耳を ・・・・ぎ・・・・ぎぎっ・・・・・ ふさぐ。


~夢想~

懐かしい夢を見た。


「リンシャンカイホー?」

「麻雀の役の名前だよ。山の上で花が咲くって意味なんだ。」

「咲く? おんなじだ!私の名前と!!」

「そうだね、咲。森林限界を超えた高い山の上、そこに花が咲くこともある。」

「おまえもその花の・・・ぎ・・・・・・・ぎ・・・・ん?」


「花・・・・花の蜜・・・・・・・・ぎぎ・・・・虫が・・・・・・」

「ち、違う!!!」

蟲、蟲、蟲、蟲・・・・・・・ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・・

「嫌っ、いやぁ!!」


    ・・・・・・・ぎっ

~~~~


ぴぴぴぴぴぴぴぴっバコン

「んん・・・・」

朝・・・・・・

何だか懐かしい夢を・・・・・・・・・嫌な夢を・・・・・見た・・・

             ・・・・・・・・・・気がする。


今日は麻雀部も休みだ。

もしかしたら、気分転換して来いとの菫からのメッセージかもしれない。

・・・・・・・ありがとう・・・・・・・すみれ・・・・・・・

ささっと朝食、着替えを済ませ、外へ出る。

天気は生憎の曇り空だ・・・・・・・

「はぁ・・」

またため息・・・・・よくない。


気を取り直して付近を散策する。

「いつも行かないところに行こう。」

学校とは反対の方角へと足を進める。

気分転換なのだから、普段とは違う方へ行くのは当たり前だ。

「ここら辺、初めて来たなぁ。」

私の住まいは府中市紅葉ヶ池、といっても池はないらしい。

とうの昔に埋め立てられたか、もしくは・・・・・・・・・


「へぇ、こんなところあったんだ。」

一層緑が多くなる。

「公園かな?」

それにしては黒い服を着た人が多い気がするが・・・・・・


ともあれ、中に入ってみる。

しばらく真っ直ぐ歩くが、一向に公園の向こう側から出る気配がない。

「広い・・・・・・・」

真っ直ぐ歩けば、真っ直ぐ戻ればよい。以前菫にそう言われた。

なんでも、迷子を防ぐ為だとか。

なるほど、淡とかはすぐに迷子になりそうだ。

今度私がしっかり見といてあげないと・・・・・・

「ふふっ・・・・・・」

思わず笑みがこぼれる。笑ったのはいつ以来だったか・・・・・・・・

気晴らしにいつもと違う場所へと赴いたのは正解だったかもしれない。


ふと目線を脇にやると、木々の隙間から石・・・・・・の様なものが見える。

「何だろう、あれ・・・・・・?」

少し気にはなったが、歩みを止めることはない。


「うえっ!!」

視界の開けた場所に出たが、墓、墓、墓、・・・・・・・・

「お墓か・・・・・・・」

どうやら先ほど見えていた、石・・・・・の様なものは、どうやら墓石だったらしい。

見渡す限りお墓しかない。

家の近くにこんなところがあったんだ・・・・・・・

・・・・・・・・ぎ・・・・・

少し気分が悪くなり、引き返そうと足を動か・・コツン

「ん?」

足に何か当たった・・・・・・・ような気がする。

恐る恐る足元を確認すると、木でできた看板・・・・とはもはや呼べないが、・・・・ボロボロに朽ちた元看板らしきものが、横たわっていた。

   ・・・・・・ぎっ・・・・

「何か・・・・・文字が・・・・・・・ええと・・・・・・・多摩墓地・・・・・・・ぎぎっ・・・・・・ひっ!!」

思わず変な声が出た。


よく見ると朽ちた看板の下から・・・・・・中から・・・・・・・

・・・・・おびただしい数の・・・・・・蟲が・・・・・・・

今にも足を登ってこようとしている。

「いやぁ!!!」


ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ


~幕開け~

弘世菫「おい・・・・・照」

宮永照「ん・・・・・」

宮永照「一生懸命頑張ります!応援よろしくお願いいたします!」

記者「これは鉄板だろ!!」





宮永照「!千里山・・・・」

松実玄、花田煌「「園城寺さん・・・・!!」」





大星淡「今回はアレ使わなかったんだねぇ。あのギギギーってやつ・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・ぎぎ・・・・・・・・ぎっ・・・・・・・

~~~~~


「え?い、今・・・・・・何て・・・・・?」

                ・・・・・・・・ぎぎっ・・・・・・

私は今、先鋒戦を終え控室に ・・・・ぎぎ・・・・・ 戻り一息ついたところだ。

   ・・・・・・ぎぃ・・・・・・・・


「やだ、淡・・・・・・・・えっ・・・・・・・い、いま・・・・・・」

「テルー、どうしたの? あのぎぎぎぃ~ってやつだよ。」

「あ、あぁ~・・・・・・・ぎぎっ・・・・・・・そんな・・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・ぎっ


拙い文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
本編の「裏で」あった不思議な物語ですから、本編とリンクさせるのに神経使いました。

今は点と点をバラバラに配置した感じで、後は・・・・いつか・・・・線で結んでいきたいです。

では取り敢えず、カン!!


染谷まこ「アツシボでーす」

~終幕?~


~前章~


時は21世紀・・・・・。

麻雀の実力が人生を左右する時代に、天才女子高生が舞い降りる。


「チッ!!なんだよクソッ!!」

「何が麻雀は好きじゃないだ、クソッ!!」

「あ"ー、イライラする!!」

清澄高校1年須賀京太郎。麻雀部唯一の男子部員である。

宮永咲を麻雀部へ勧誘して、数日後のことだ。

「和が咲に怒るのも分かるぜ・・・・・」

「あ"ー、思い出しただけで腹が立つ!!」

京太郎はご乱心の様子だ。

無理もない。

今まで自分がいなきゃ何も出来ないと思っていた幼馴染、咲には、実はとんでもない麻雀の才能があったからだ。

それでいて、麻雀が好きではないと来たからこの始末である。

「何が、家族麻雀でお年玉を・・・・・だ!!・・・・・」ブツブツ


「みんな呪われちまえばいいんだ!!!」


~言霊~


それからしばらく経った日の早朝・・・・・と言っても太陽は顔を出していないが。

ある一本の電話が、彼の睡眠を妨げる。

Prrrrrrrrr.Prrrrrrrrrr.

「ん?誰だこんな時間に。」

ケータイの画面を覗き、驚く。

「咲・・・・・か。」

ピッ

「ぁあ、咲か。どうs「京ちゃん!!よかった繋がった!!」

「おいおい、どうしたんだよこんな時間に。」

「う、うん。 あ、あのね京ちゃん。何か家にいるみたいなの。怖いよ。」

彼はこう思った。おそらく咲は変な夢でも見たんだろうと。

「ん? あはははは! さては怖い夢でも見たな。そんなんで電話してくるとは咲もまだまだお子ちゃまだなぁ~」

「ほ、ほんとなんだって!」

「分かった。分かった。じゃあ、たまにはホラー小説以外も読んでみろよ。怖い夢も見なくなるだろ。」

「むぅー。京ちゃんはまたそうやって私をバカにしてー」


一時は咲を憎いと思ったとはいえ、彼らは幼馴染で仲が良い。

京太郎の心からは、憎悪の感情は消えていた。


話し込んでいるといつの間にか日が差してきていた。

また学校で、と言い電話を切る。

「今まで恨んでた自分が馬鹿みたいだ。やっぱり咲は咲だな。」ウンウン


「さあて、今日も朝のランニングをしますかね。」

中学時代からの習慣である、毎朝のランニングは欠かさない。


~憎悪~


「今日は時間もあるし、いつもと違う道を走るか。」

雨上がりの朝は心地よい。

やや肌寒く感じるが、走る時にはそれくらいがちょうど良い。

走りながら周りの景色を楽しむ。


「へえ、こんな道有ったんだ。」

朝になり、活動し始めた鳥たちのさえずりが聞こえてくる。


                ・・・・・ぎ・・・・・

「・・・・・ん?」

今のは・・・・・


     ・・・・・いやまさか、そんなはずは・・・・・

頭によぎった考えを否定する。

「まだ時期じゃないだろ・・・・・それとも・・・・・」


                 ・・・・・ぎ・・・・・

「いや、これは少しまずいな。」

「ランニングの帰りに・・・ぎ・・・・ぎぎっ・・・・に寄ってくか。」

何か独り言を呟くと、彼は走るスピードを速めた。


~風土~


「ええと、確か此処であってるよな。」

須賀京太郎はとある・・ぎ・・・ぎっ・・・の前に立っている。

壁に貼ってある紙には達筆で・・・・・


~呪術~


いつもの如く、仰向けで台に寝かされ、そこで・・・ぎっ・・・・を待つ。

口にはマスクが被せられ、徐々に麻酔が効いてゆくのが分かる。

体の感覚がない。


「だんだん、気持ちよ~くなるからねぇ~。」

いつもの声が聞こえる。

朦朧とする意識の中で、一つの不安が頭をよぎる。

「あぁ、今年は慌ててきたせいで、咲を連れてくるの忘れたな。」

「まぁ、咲ももう高校生だし、一人で来れるだろ。」

そこで彼の意識は消える。


~幕開~

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