妹「兄様しか魔王は倒せないんですよ……」
勇者「何で?」
妹「兄様は、勇者だった父上の血を引いています……だか――」
勇者「なら、血の繋がった妹のお前が行け。はい、論破」
妹「兄様……」
勇者「ていうか、さ」
勇者「ガキの頃から次世代勇者ってずっと言われてきた俺の気持ちが分かる?」
妹「いえ、ですが……兄様は剣術も魔法も人より優れ本当にお父様の血を――」
勇者「黙れ! そうやって、血筋血筋言いやがって」
勇者「俺が、そう言われてどれだけ苦しんだのか分かるか?」
勇者「勇者だけど質問ある? っと」カチカチ
妹「兄様……私は信じてますからね」ダッダッ
勇者「……こんな俺を信じてどうなるんだよ」
勇者「俺は、弱いんだよ」
勇者「剣術は、戦士より遥かに劣り、魔法は年下の魔法使いや僧侶より遥かに劣る」
勇者「……はは。そんな俺が魔王を倒せるはずないだろ」
戦士「勇者の野郎未だに旅に出ずに家にいるらしいぜwwだせえwww」
僧侶「戦士さんwwwやめてあげてくださいw仮にも勇者(笑)なんですよww」
魔法使い「良いじゃん。私達が魔王倒せばいいんだしさ」
戦士「当たり前だろwwていうか俺が勇者になってやんよ」
偽勇者「……あ? 誰を差し置いて言ってんだ? カス野郎が」
戦士「わ、わりぃ」
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