勇者「俺の知ってる魔法使いはシャバトゥビうるさくない」 (25)

王「おお、王子よ!たくましくなったのお…」

勇者「だって俺は勇者だかんな。逞しくて当然だろ?」

王「…本当は自分の息子に魔王退治など頼みたく無いんじゃがのお」

勇者「だって俺、勇者だぜ?」

勇者「光を持って闇を切り拓く、それが勇者なんだろ?」

王「…じゃあ、旅の無事を祈っておるぞ」

勇者「ああ!」

兵士長「王子様のご出発だ!皆のもの!敬礼!」

ザッ バッ

勇者「ははは、そんなこと堅苦しくしなくていいって」

勇者「じゃ、行ってくる」


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-郊外-

勇者「…ふー」

勇者「さってと、さっさく次の町に行こうかな」

もうこの世界は"魔王"にかなり侵食されちまってる

勇者「一人旅ってのはやっぱ寂しいなあ」

緑豊かだったこの国も、もうすぐそこの郊外に出るだけで獰猛な魔物がちらほらと見える

勇者「でも、頑張らなくちゃ」

この世界に居る魔物なんてのは、昔は猪や狼みたいな獣と大差なかった

怪鳥「キョーーーッ!!!!」

勇者「お、いきなりかあ!」

怪鳥「キキョエッ!」ブン!

勇者「おっとっと」ヒョイ

勇者「お前は運が良いぜ、なんたって世界を救うヒーローにやられた魔物第一号なんだからよ!」チャキィン!

それが今では、こんな化物もすぐ身近にいる…
これがこの世界の現状だ

勇者「はっ!」ザシュッ

怪鳥「ギィャッ!?」

勇者「どうした?まさか反撃するなんて思って無かったのか?」

怪鳥「グエーッ!!」バッ

勇者「頭に血が登って突撃するようじゃあ」ガキン

勇者「俺には勝てねえな」

怪鳥「ギッ、ギギィ…ッ」

勇者「俺のオリジナル魔法パート4!」バチバチバチバチ

勇者「雷斬!!」バリバリバリィッ!

………
……

-郊外南の森・夕方-

勇者「やっちまった」ザッザッザッ

勇者「俺全然魔力ないのに魔法いきなり使っちまった」ザッザッザッ

勇者「夜までに次の村につかないと」ザッザッザッ

勇者「魔物がここまでいなけりゃ馬車ですぐなのに」ザッザッザッ

勇者「昔、南の森のハチミツ好きだったなー」ピタリ

魔物が増える前までは交易もあった。
その頃は王国近辺の村や町とも繋がりもあったが、今や伝書鳩程度でしか情報伝達もままならない。

勇者「よーっし!ハチミツ探しながら行くか!」キョロキョロ

………
……

-南の森・夜-

勇者「やっちまった」

勇者「そりゃそうだ、急がなきゃ間に合わないのにハチミツ探しながらだったら間に合うわきゃねーわ」

勇者「そして迷子」

勇者「あっはっはっは」

ガサガサッ

勇者「!」バッ

ガサガサッ ガサガサガサッ

勇者「(魔物か、獣か…)」チャキ…

勇者「来るなら来いっ!相手してやる!」

「その声…王子様ですか?」

勇者「へ?」

ガサガサッ バサッ!

「お久しぶりです!王子様!」

勇者「……?」

娘「南の村の村長の娘です!小さい頃遊んだの、覚えてませんか?」

勇者「あ!」

勇者「娘ちゃん…おっきくなったね!」

娘「王子様こそ!」

勇者「もしかしてこの近くに村が?」

娘「はい!」

娘「王子様よくこの道知ってましたね」


娘「この道、地元の私達しか知らない裏道なんですよー!」

勇者「へ?あ、ああ、まあ…ね?」

勇者「(ラッキー)」

娘「一緒に行きます?」

勇者「おお、是時是非!」

×是時是非
○是非是非

あと前のレス途中送信してしまった

勇者「あの…娘ちゃん」テクテク

娘「なんですかー?」

勇者「この辺は魔物もでるだろ?村の外に出るなんて、しかも夜遅くってかなり危ないぞ」

娘「大丈夫ですよー!えーっと…」キョロキョロ

娘「あった!」ブチッ

勇者「これは?」

娘「この草、聖水の原料なんです!」

娘「この草の群生地には魔物も近寄れないみたいで、この道は安全なんです」

勇者「へー…」ジロジロ

娘「もう少し向こうには泉もあって、綺麗なんですよ!」

勇者「(この森にそんな植物が自生してるなんて…)」

娘「王子様?」

勇者「(じゃあこの植物が森全体に広がればこの森もまた…)」

娘「王子様っ!」

勇者「うおっ」ビクッ

娘「はやく帰りましょ!あったかいスープとご飯ぐらいならご馳走できますよっ!」

勇者「おう!じゃあ行くか!」

ザッザッザッ

ザッザッザッ

ザッザッザッ

ザッザッザッ

勇者「おっあれが…」

娘「ここが私達の村です!」

娘「門番さーん開けてくださーい」チリンチリンチリン

勇者「それは?」

娘「ここにある鐘を3回鳴らすのが村の者同士の合図なんです」

ガチャ……ギィィィィ……

門番「…………」ヌッ

娘「あっ」

勇者「この人が…」

娘「はい、門番さんです」

門番「…………」

娘「あの、遅れてごめんなさ…」

門番「…………」スッ

娘「あ、はい」

勇者「(無口な人だな)」

……

すいません
明日日曜なんで早く寝ます
おやすみなさい

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