京太郎「幼馴染に結婚を迫られて辛い」 (53)
咲「ねえ京ちゃん。今年の年末、仕事の予定あるの?」
京太郎「28日で終わりかな。仕事始めが5日だからのんびりできるぜ」
咲「ふーん」
京太郎「どっか旅行行く?2泊3日くらいでさ」
咲「京ちゃんは実家とか帰んないの?」
京太郎「そういやもう2年位帰ってねーけど」
咲「今年も?」
京太郎「ああ。もうちょっと落ち着いてからかな。たまに電話はしてるし」
咲「リニアと電車で2時間くらいだよね。近いのに」
京太郎「そうだな。で、旅行するとしたらどこ行く?」
咲「長野にしない?京ちゃんの帰省も兼ねて」
京太郎「お前も長野……だっただろ」
咲「そだね」
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京太郎「折角の休みだしなー咲と一緒に旅行でも行きたいんだけど」
咲「はー」
京太郎「さ、明日も早いしもう寝るわ」
咲「私達、付き合って何年になるかな……」
京太郎「えっと(5年)」
咲「5年だよ、5年!」
京太郎「覚えてるよ、この前お祝いしただろ」
咲「そろそろ紹介して欲しいんだけど」
京太郎「……」
咲「私には紹介できる人がいないからさ」
京太郎「……」
咲「寝ちゃった?ごめんね。京ちゃんの都合もあるよね」
京太郎(5年も付き合ってりゃこうなるのも仕方ないか)
京太郎(まだガキなんだけどな、俺)
京太郎「と、こんな事があった訳で」
一「で、須賀くんはどう返事したのさ?」
京太郎「いやー……考えとくって保留しただけっすね」
一「へー」
純「で、どうなんだよ、須賀。あ、それポン」
京太郎「どうって」
純「親に紹介するくらい簡単だろーお付き合いしてる幼馴染の咲ちゃんですってさ。その後一緒に飯食ってそれでその日は終わり。むしろ親も安心するんじゃねーの、しっかり将来のコト考えてるんだなって」
久「そうよね。で、須賀くんはあんまり乗り気じゃないと」
京太郎「うーん」
久「もう5年でしょ!?咲が期待するの無理ないわよ」
京太郎「でも早すぎませんかね。俺も咲もまだ25っすよ」
一「どうだろ、純くん」
純「俺に聞くな。でも女の25ってちょっと焦る時期ではあるよな」
純「そろそろ相手見つけねーとヤバイし、特に長く付き合ってる相手がいるならそいつとどうするかも決めなきゃならねぇ」
久「そうよねー……アラサーになって周りが次々と結婚していく恐怖!」
久「恐ろしいわね……あー美穂子がいて良かったー」
純「ケッ」
一「純君もそろそろ相手見つけなきゃ。で、須賀くんは咲ちゃんの何が不満なの?」
京太郎「不満とかじゃないっす。ただ……」
久「胸が小さい」
一「あはは」
京太郎「ちょ、ちょっとせんぱ~い」
一「あ、須賀くん。それ、ロン」
京太郎「うげっ。でかい手……」
咲「そういえば竹井さんの結婚式からもう3年だよね。先輩綺麗だったなー……美穂子さんも」
京太郎「懐かしいな」
京太郎(福路さんが高校時代の俺のズリネタだったとは口が裂けても言えねーぜ)
咲「京ちゃん、私達の知り合いで他に結婚した人知ってる?」
京太郎「あんまり知らねーなぁ……あ、ハギヨシさんが素敵な女性と結婚したって聞いたぞ。高校時代の付き合いだけだし、式の招待はなかったけど」
咲「え?あの人ヘテロだったんだ」
京太郎「そりゃそうだろ」
咲「高校時代はてっきり京ちゃんの貞操を狙ってるかと思ってたよ」
京太郎「咲さん?」
咲「冗談。うん。和ちゃんとかどうなのかなー」
京太郎「和とはお前の方が仲いいだろ」
咲「高校卒業してから滅多に連絡取ってないよ」
京太郎「そっかー……噂でも聞かねーなぁ……有名人だし、週刊誌を賑わせてもいい頃だと思うけど」
咲「染谷さんとかは?」
京太郎「Face bookでも雀荘の宣伝しかしてないぞ、あの人」
咲「それにしても竹井さんのドレス、綺麗だったなー」
京太郎(俺は福路さんの方が……竹井さんはどうしても雀荘で煙草吸ってるイメージが強くて……)
咲「京ちゃんは結婚式、洋式と和式、どっちがいいと思う?」
京太郎「洋式と和式って便所みて~だな」
咲「は?カンするよ?」
京太郎「ご、ごめん……」
一「最近そういう話多いの?」
京太郎「はい。週に一回は振られますね」
一「で、体よくあしらってると」
久「流石に咲が可哀想よ。先輩としては複雑な気分」
京太郎「参ったな」
純「逆に何がお前のネックな訳?5年も上手くいってんだからいいだろ、もう」
久「そうよね。相性だっていいわけだし、気のおけない関係でしょ?」
京太郎「そりゃー申し分ない嫁さんですよ、咲は」
京太郎「でも今は……仕事のこともあるし……尻込みしちゃうな」
純「仕事って大したコトしてねーだろお前」
一「あ、ひどい純くん。それチーね」
久「まだ雑誌の記者やってんのよね、須賀くん」
京太郎「そうっすね。インハイ特集の記事とか書いてますよ。」
純「今年のインハイ、長野はどうだった訳よ?俺達の母校がどうだったか気になるぜ」
一「まだ麻雀部ってあるのかな?」
京太郎「龍門渕は県予選2回戦敗退っすね。清澄は一応決勝まで進みましたけど、県代表は風越でした」
久「風越のコーチ、あの池田がやってるらしいわ。笑える」
一「池田ァ?」
京太郎「名門風越復活って話題になってましたよ!インハイも準決勝までコマを進めたし」
純「不甲斐ねぇな、俺らの後輩」
京太郎「ただいまー」
咲「おかえり」
京太郎「はー疲れた」ポキポキ
咲「お仕事遅かったね」
京太郎「ん。付き合いで麻雀打ってた」
咲「勝てた?」
京太郎「いや……ちと面子が悪い……諭吉2枚の損失で済んだけど」
咲「……」
京太郎「明日も早いんだよなーしかも昼から会議あるから準備しねーと」
咲「そっかー」
京太郎「そういや週末は大阪に出張だから。編集長から姫松の取材してこいって。姫松女子、覚えてるよな?」
咲「そりゃまあ」
京太郎「あそこの監督、今末原さんらしいんだけど、咲って末原さんと親交あったりする?」
咲「連絡先くらいは知ってるけど。一言伝えとく?」
京太郎「どうしよっかな……でも取材しにくくなりそうな気もするし、まあいいか」
京太郎「ところで咲は今日何してたの?」
咲「部屋の掃除とか、お買い物とか」
京太郎(心なしか綺麗……でも毎日掃除してんだよな、こいつ。ありがたいけど)
京太郎「お。ありがとな。やっぱいい嫁さんになるよ、咲は」
咲「よ、嫁さん!?」
京太郎「あっ」
咲「……///」
京太郎(口滑った……顔赤らめて俯かないでくれ……)
京太郎「でもお前もまだ若いんだし、たまには外に友達と遊びに出かけたりとかー」
咲「友達いないよ」
京太郎(そんな真顔で)
京太郎「ほら。竹井さんとか都内に住んでるだろ?一緒に遊びに行くとか。それなりに仲いいじゃん、お前ら」
咲「美穂子さんに悪いよ……それに竹井さんも社会人でしょ?銀行勤務だったっけ?」
京太郎「あ、そうだな。あの人も忙しいか(あれ?竹井さんってだいぶ前に銀行辞めて雀ゴロやってるのに)」
京太郎(こいつの社会性のなさはヤバイな)
京太郎「和は……プロは流石に暇なさそうだし……うーん」
咲「私は別に……今、幸せだし」
京太郎「そうか?」
咲「京ちゃんがいるから」
京太郎「……たまには外に麻雀打ちに出たり」
咲「知らない人と打つとか、怖いよ」
~~大阪~~
怜「久しぶりやな須賀」
怜「大学以来やん。全然連絡よこさんから死んだかと思っとったで」
京太郎「すみません、お世話になったのに」
怜「ええってええって。で最近こっちの方は儲かってまっか?」
京太郎「安月給で驢馬のように働いてますよ」
怜「相変わらず雑用か。船Qにいじめられとらんか?」
京太郎「ボスには良くしてもらってます、幸い」
怜「そうかぁ。ぷはー、ここのビール旨いなぁ」
京太郎「オッサンですか」
怜「まあ結婚すると色々所帯じみてくるんや」
京太郎(アンタはニート主婦だろ)
怜「ん。で、式はいつなん?」
京太郎「式って?俺まだ死ぬつもりはないっすよ」
怜「そら残念」
京太郎「この枝豆オツっすねぇ」モグモグ
京太郎「竜華さんとは上手くいってるんですか?」
怜「まあな~~アレ、ウチにぞっこんやし」
京太郎「ぞっこんって」
怜「ほんまモンのぞっこんやで。怜は家事とかせんでええ、ウチがやるから!って」
怜「ちょっと引くくらいや。仕事で忙しいのに」
怜「そのおかげでのんびりやれて最高やけどな」
京太郎「はえ~いいっすね~~俺も養ってくれる子と結ばれたいなぁ」
怜「男が何言うとんねん」
京太郎「最近主夫って流行りらしいですよ」
怜「あそ」
京太郎「そういや竜華さんはいいんですか?こんな夜遅くに」
怜「あいつ今博多やで。何でも九州場所とか。お前ホンマに麻雀雑誌の記者か?」
京太郎「インハイの取材ばっかしてるもんで」
怜「女子高生の尻ばかり追いかけちゃあかんで」
怜「ぷはー」
京太郎「いい飲みっぷりですねぇ。次何頼みますか?」
京太郎(ビールばっか飲んでたら太るぞ先輩)
怜「河岸変えるで。っと。その前に便所」
京太郎(あ、咲から連絡入ってる)
京太郎(大阪どう?末原さん元気だった?って)
京太郎(適当に返事してっと)
京太郎「咲かぁ……」
京太郎(俺も結婚するのかね、いつか)
怜「おまたせ。次はもちっと洒落たとこでもいこっか」
京太郎(怜さんは御茶目で綺麗で、一緒にいてとても楽しい人だった)
京太郎(大学卒業と同時に清水谷プロと結婚。誰もが羨む幸せな式だったな)
京太郎(学生時代は結婚なんて人生の墓場や!と酒の席で豪語していた彼女だったけど)
怜「そら、須賀。時には大人にならんとあかん時もあるで」
京太郎(バーで飲む彼女の横顔は、昔よりちょびっとだけ憂いを帯びていた)
怜「ウチかてもっと自由に遊びたかったわ。あの頃はホンマに何でも出来た気がしてなぁ」
京太郎「園城寺怜の武勇伝、今でも後輩たちの間じゃ語り草っす」
怜「そんなウチも今じゃ家庭に入って色のない暮らしや」
怜「竜華の奴厳しくて厳しくて」
怜「で、お前はどうなんや?」
京太郎「咲のいない人生……」
怜「咲ちゃんええ娘やろ。何でアンタみたいな男を選んだのかは理解できひんが」
京太郎「それはひどい」
怜「男ならドーンと行かんかい!ほら、所帯を持って一人前やろ、社会人てもんわ」
京太郎「……」
怜「ん。まあええわ。アンタの人生、自分で決めや。そういやこの前玄の馬鹿と久しぶりに会ってなぁ……」
京太郎(その晩は昔の思い出話に花が咲いて店を追い出されるまで酒を飲んだ)
怜「あ~~天井廻る~~はよサイコロ廻せ須賀ぁ」
京太郎「タクシー乗りましょ、先輩。住所教えて下さい」
怜「嫌や!朝まで飲むんや!」
京太郎「はいはい。もう俺らもいい年なんですから」
怜「ぐー……ぐー……」
京太郎「参ったな……ホテル連れてく訳にも行かないし」
京太郎(でも怜さんいい体してんだよなぁ……結婚生活で色々溜まってるみたいだし)ゴクッ
京太郎(なんかヤっても許してくれそうな)
怜「……Zzzz」
京太郎「怜さん!住所!」
怜「~~区の~~、マンション千里山……」
京太郎「ウンちゃん、そこまで」
京太郎「ほら、怜さん、部屋付きましたよ。俺、もう帰りますから」
怜「うい~~」フラフラ
京太郎「はい、水」
怜「ゴクゴク……ぷはー……ありがとな……」
京太郎(こんなトコ竜華さんに見られたら俺、ぶっ殺されるよな)
京太郎「今日はありがとうございました。それじゃ」
怜「ん。京太郎」グイッ
怜「今日竜華おらんって話……したよな……昔からアンタのこと……悪い気はしてなかったで」
京太郎「冗談はよして下さいよ」
怜「冗談かどうか試してみんか?なぁ……人妻やけど……ウチ……実はヘテロやねん」
京太郎「は?」
怜「竜華の手前、隠してたんやけど……一緒になると、どうしても、な」
怜「それですっかりご無沙汰やねん。半年近くな、膝枕だけや」
怜「冷蔵庫に酒入っとるで。飲み直すか、須賀……ええってええって。ウチとアンタの仲やろ」
怜「それともアラサー女にはもう興味……ないんか?」
京太郎(据え膳食わぬは男の恥。そんな言葉が過ぎった。その後に昔の、怜さんとの色々な思い出が通りすぎて)
京太郎(咲の顔が、思い浮かんだ)
続く
京太郎「最近竹井さん見ないなあ」
一「あれ?須賀くん知らないの?」
純「おめぇも最近来てなかったじゃねーか」
津山「うむ」リーチダヨ
京太郎「河岸変えたんですかね。あの人雀ゴロでしょ?ほら、ここらはもう荒らし尽くして出禁とか」
純「出禁食らうのは二流。アレは一流だからな、悔しいが」
一「でもアッチの方は奥さんの方が一枚上手だったみたいだね」
津山「うむ」
一「何でも福路さんに浮気がばれたとか」
京太郎「え」ぽろっ
津山「ロン」
京太郎「ちょ、むっきーさんそれ待ったっ」
津山「麻雀に待ったなし」
京太郎「詳しく教えて下さいよぉ」
純「奥さんに浮気がばれて監禁されてるらしーぜ」
一「もう出てこれないってもっぱらの噂だよ」
京太郎(まあ色々手が早い人ではあるけどさぁ……既婚者でしょ先輩)
京太郎「それにしても監禁ってバイヤーっすねぇ」
純「あくまで噂、だけどな」
津山「でも浮気してたのは事実……」
京太郎「で、お相手は?」
津山「今売出し中の新人アイドルプロ。この前グッドルーキー賞を事務所の力で獲った子。」
京太郎「ええ~~~!!マジッスかぁ!!あの娘とぉ?羨ましい……さすがスケコマシ」
純「オメーは何で知ってんだよ」
津山「う、うむ」
京太郎(むっきーさん業界通だからなぁ……めっちゃ口固いけど)
一「どこから仕入れたネタかは聞かないけどさ、それってマジなの?」
津山「うむ」
純「まあ竹井なら仕方ないか。でも、離婚じゃなくて監禁なのね」
一「ふつーなら慰謝料とかすっごい請求されて、下手したら仕事も失って人生のどん底だよね」
純「浮気ってこえーよ、なあ須賀!」
京太郎「俺は咲一筋っすからね」
一「でも咲ちゃんも離婚というよりは監禁とかしそうなタイプだよね」
津山「うむ」
京太郎「そこ、同意しないで下さいよ!」
京太郎(なんてタイムリーな話題になってんだよ……竹井さん、御愁傷様です)
咲「おかえり京ちゃん、コートかけとくね」
京太郎「サンキュー咲」
咲「大阪どうだった?」
京太郎「仕事でぐったり。ああ末原さんには会ってきたよ。俺が清澄高校出身だって言ったらすっげーびっくりしてた」
咲「私の事覚えてた?」
京太郎「そりゃ話題になったぞ!咲が全然連絡くれないからもう忘れられたと思っとったって」
咲「末原さんまだ独身なの?」
京太郎「あー……聞いてないけど。なんか独り身っぽい雰囲気はあったな」
咲「そうなんだぁ。で、京ちゃんは私と付き合ってること伝えたの?」
京太郎「いいや。わざわざ言う事でもねーし」
咲「他には誰か知り合いに会った?」
京太郎「大学時代の先輩とあって酒飲んできたよ。それくらいだな」
咲「麻雀、やりたいな……久しぶりに」
京太郎「ネトマは?」
咲「あんなの麻雀じゃないもん」
京太郎「じゃあフリーで。咲さん、お金稼いで来て下さいよ」
咲「私がやると遊びじゃなくなるよ。冗談。お金かけて打つ麻雀つまらないし」
京太郎「ええ~~お金賭けないほうがつまらねーだろ!」
咲「価値観の違いは離婚のきっかけ第一位!京ちゃん、コレは由々しき問題だよ」
京太郎「(結婚してねーぞ俺たち)でもよ、金賭けてないと全ツッパするだろ。ほら、ネトマなんて酷いぜ」
咲「お金賭けて負けた悲しい顔を見るのも、自分がひもじい思いするのもどっちも嫌!」
京太郎「うーん甘ちゃん」
咲「……」
純「かわいい子かわいい子してるだけだろ、それ」
一「言ったれ純くん!」
純「そもそも俺らだって舞台さえあれば金賭けて打たねーよ。昔みたいに勝つか負けるか全力で打ち込める場所があるならよ」
純「でも大人になって、今更麻雀の大会に出るには時間も実力ないし、もう燃えられるものもないし……となると、ハラハラするのは金しかないんだよな」
一「でも負けた晩に涙は流さなくなったのは寂しいなあ」
京太郎「ごもっともなんですけどね。なんか咲のはそういうのと違うというか。どこか強い信念があるっていうか」
津山「信念あるものに牌は応える……うむ……想像の域を出ませんが」
津山「宮永さんはその昔、お金を賭けた麻雀でとても悲しい思いをした」
一「ボロ負けして大きな借金こさえたとか?ボクの生物学的父親のように」
京太郎「そんな話は聞いたこと……ないなぁ」
純「何にせよ昔の宮永咲に勝てる奴なんざこの国に何人いるんだよ」
京太郎「へー……咲ってそんな強かったんすか?確かにインハイではぼちぼち活躍してたけど」
一「ボクらからしたら衣に勝てる人間がこの世にいたのかって衝撃だったからね」
京太郎「天江さん今何してるの?」
純「衣はなぁ……」
京太郎「子供!?」
咲「うん」
京太郎「ちょっと待てちょっと待て。子供は早いぞ、俺たち」
咲「そんな本気にしないでよ」
京太郎「ほっ。冗談か……(突然子供欲しいって……心臓に悪いわ)」
咲「むっ」
京太郎「子供ねえ。まあそういうのはしっかり順序を踏んでだな。清く正しい男女交際だからね、俺たち」
咲「馬鹿。昔京ちゃん言ってたじゃん。子供いっぱい作るぞーって」
京太郎「そんな事あったっけ」
咲「やきもきしたんだよ、私。京ちゃんが無理やり生で挿れたりさ。嫌がる私が可愛いとか後で甘い言葉たっぷり囁いて」
京太郎(学生時代は馬鹿な事やってたな……あの頃は咲の反応もいちいち可愛かったし)
咲「あーあ、あの頃出来てたらどうなってたんだろ」
京太郎「責任は取ってたよ、うん。きっと。」
咲「責任って?」
京太郎「辞任かな」
咲「宮永総理は簡単には辞表を受け付けませんよーだ」
京太郎「厳しいなぁ」
咲「出来ちゃった婚かぁ」
京太郎(強引に話を戻さないで)
咲「京ちゃん的にはどうなの?やっぱり、恥ずかしいとかあるのかな」
京太郎「恥ずかしいってのはないけど……ちょっと無計画だよな」
京太郎「生で出来ちゃったらいいきっかけと捉える関係だから結婚するのか、中絶とか別れ話とか面倒くさいから結婚するのかはわからんけど」
京太郎「俺はしっかり順序正しい男女交際を心掛けたいね」
咲「交換日記→初デート→告白→一緒に手を繋いで下校→ABC→CCC→倦怠期→仲直りのC→安定期→同棲→結婚→新しい命→子育て→老後」
京太郎「それが君の考える正しい男女交際かい」
咲「私と京ちゃんの場合だと、色々複雑だけどさ。上のチャートで行けば私達の次のステップは何かな?」
京太郎「人生、寄り道も悪く無いと思……」
咲「それを人は逃げ道と言う」
京太郎「参ったなぁ。よし、俺も男だ」
咲「っ!」
京太郎「ここらで咲との関係も一歩進めてみようと思います」
咲「うんうん」
京太郎「上の穴、下の穴と来て次は後ろ穴も」
咲「ひゃうっ!いきなり触らないでっ馬鹿っ」
京太郎「いいじゃんいいじゃん、次のステップ」
咲「そこは駄目って昔言ったでしょ!次の日血が出るし、緩くなるんだよ!」
京太郎「今回はしっかりほぐしてからやるからさぁ」
咲「絶対嫌!」
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