男「もう高校生だし将来の事考えなくちゃな」(95)


女「そうだね」

男「俺ら2人がなぜ放課後の教室に残ってると思う?」

女「うん」

男「最終進路希望調査を書き終えてないから」

女「うーん」

男「馬鹿だから大学に行けんのだよな」

女「勉強頑張ればいいのに」

男「そっちこそ!」

女「自分は大学に行く気は無いの!!専門に行くの!!」

男「あ・・・そう」

女「フー」

男「・・・」


男「何の専門行くの?」

女「給料のいい仕事につけるようなとこ」

男「あ、そぉ」

女「男は?」

男「え?」

女「どこ行くの?」

男「んー就職でもいいけど専門もアリだな、金はバイトで貯めてるし」

女「何系?」

男「ゲーム、アニメ関係か医療」

女「偏りありすぎ・・・」


男「やっぱ好きなことなら頑張れる、給料良いのも頑張れる」

女「単純オタクが」

男「やっぱ医者だとさ、いいじゃん」

女「給料高そうだよね」

男「それもあるけど」

女「?」

男「モテるしな」

女「・・・」

男「なに?」

女「お金目当ての女からモテて嬉しい?」

男「」

女「や・・・ごめん」


男(なんか機嫌悪い・・・?)

女(モテたいんだ・・・)


男「女さ、数学できるじゃん。看護とかどう?」

女「え?」

男「一緒に医療、看護で」

女(一緒)

女「や・・・私人の傷口とか駄目だから・・・」

男「そっか・・・」

女(医療と、看護じゃ、別々だよ)


女「医療関係って書かないの?」

男「うーん・・・考え中」

女「優柔不断」

男「女こそ」

女「うるさい」

男(女が看護って書いてくれたら、迷わず医療って書けたけどなぁ)

男「医者って忙しそう、家に帰れないイメージある」

女「あー確かに」


女「奥さんに寂しい思いさせるね」

男「だな、てゆうか俺結婚できるかな」

女「・・・」

男「哀れむ目で俺を見るなっ・・・!!泣くぞ!!」

女(結婚しちゃうのかぁ、するよなぁ)

男「・・・30までには結婚したいな」

女「三十路?」

男「あんまり親が歳だと子供がかわいそうだ」

女「そうかな?」

男「まぁこれは自論だけどな」


女「結婚かぁ、私できるかな」

男「出来るだろ〝女〟ってだけで男が群がる」

女「それは・・・どうだろうね」

男「いやいや、それに女は美人だし」

女(えっ)

男(あっ)

女「い・・・や、美人じゃないよー」

男「そ、そうかぁ?」

男(なにポロっと言ってんだか)


女「・・・」

男「専業主婦ってのもアリなんじゃね」

女「相手がいないでしょうが」

男「俺らのクラスからでも相手探せよ」

女「・・・」

男「ほら、同じくらすのイケメンなんかいいんじゃ・・・」

女「私は好きな人としか付き合わない」

男「・・・」

女「・・・今の台詞かっこいいでしょ」

男「そうだな」

男(目がマジだった)


男「女って今までに何人と付き合ったの?」

女「聞きたい?」

男「えっ、うん」

女「 ゼ ロ 」

男「嘘だ」

女「じゃあ私のそう言う噂聞いたことある?」

男「無いけどさ・・・」

女「じゃあ男は?」

男「うっ」

女「何人と付き合っ・・・いや、ヤったの?」

男「ブフッ!!!!!」

女「噂ではいろいろ聞くけど実際何人?」

男「女って下ネタ話せるんだな」


女「しっ・・・!!そう言うのじゃなくてただ単純に数が知りたいだけ!!」

男(照れてる)

男「実はな」

女「うん」

男「ゼロなんだ」

女「何言ってんの?」

男「実はさ、男友とかに見栄張って経験済みって話をしてたら・・・」

女「広められたんだ・・・可哀想な人だね男って」

男「まぁ正直どうでもいいけどな」

女「でもそれで周りの目って変わるじゃん」

男「え?」


女「周りから、その・・・や、ヤったんだーって・・・思われ・・」

男(恥ずかしいなら言わなくていいのに)

男「まぁ好きでもない人にそう思われても別に・・・」

女「・・・」

女(そうだよね・・・)

男「でもとりあえず女には誤解が解けたし、よかった」

女「はは」

女(え?)

男(あれ?)

はよ(´д` )


男「あ、分かった」

女「なにが」

男「女が出来そうな金のいい仕事」

女「なに?」

男「キャバ嬢」

女「男と付き合ったこと無いって言ったでしょうが」

男「冗談だよ」

女「でもキャバ嬢って給料すごいよね、絶対」

男「ナンバーは入れたらすごいだろうな」

女「でも人見知りだから無理・・・」

男「でも俺と話せてるじゃん」

女「出会ってから何年経つと思ってるの」

男「そうですね」


男「ちょっとキャバごっこしよう」

女「子供か!」

男「お客さんいくつですかぁぁ?」

女「男がキャバ嬢かよ」

男「いくつですぅ?」

女「いくつに見えます?」

男「んー17かな」

女「正解」


男「あれ?女って今17だっけ、誕生日いつ?」

女「8月」

男「あー夏休み中であんまり周りに祝ってもらえない奴ね」

女「うん、毎年、親と友達のメールでしか。メールは超嬉しいけどね」

男「嬉しいんだ、じゃあ俺も送ろっか」

女(え)

男(あれ、引かれた?)

女「アド知らないし」

男「あ、そうだな」

女(交換する?って言っていいのだろうか、引かれないだろうか)

男(交換する流れか?でも何て言えば)

女「・・・」

男「・・・メールって絵文字派?顔文字派?」

女「デコメ派」


男(タイミング逃した)

女(もうアドレス聞けないな)


男「そういいえば、女」

女「ん?」

男「前に隣のクラスのチャラ男に告られたって聞いたけど・・・」

女「ぅ・・・」

男「なんで断ったの?」

女「だって、私は正直チャラ男君の事・・・知らなかったし」

男「知らなかった!?隣のクラスなのに!?」

女「しょうがないじゃん同じクラスでもないのに 興味沸かないよ」

男(可哀想すぎる)

キタキタキター(((o(*゚▽゚*)o)))


男(興味なかったらフられるのか)

女(しまった、感じ悪い子って思われたかな)


男「そういえば男友が女友のこと可愛いって褒めてた」

女「ホント?明日言ってやろー」

男「俺が言ったって内緒な」

女「オッケー」

男(二人だけの秘密みたいな)


女「付き合えばいいのにね」

女(そしたらその事でもっと男と話せるな)

男「だな」

男(そしたら女ともっと・・・)

女・男(性格悪いなー自分)

男「あ、夕陽すげー綺麗」

女「ロマンチストか」

男「マジだって」

女「マジだ」


女「あー委員長とギャル男だ。一緒に帰ってる」

男「どこ」

女「門のとこ」

男「どこ」

女「いまちょうど門出た!!」

男「うおっ!!やっぱ付き合ってたんだ」

女「ふふふー」

男「微笑ましいですな」

女「ええ、とても」


男「意外だよな、委員長とギャル男」

女「そう?お似合いだと思うよ」

男「そうか?」

女「ギャル男は、ああ見えて誠実らしいよ」

男「見た目関係無しなのか」

女「性格が良いかどうかの方が大事でしょ」

男「そんなもん?女も性格重視?」

女「そー・・・うだね」

男(俺、これから誠実になろう。とても)

女(今、恋バナをしてるのではないだろうか)


女(男と恋バナ・・・いや、男子と恋バナなんて初めてだ!!)

男「俺って性格いいかな?」

女「え」

男「あ」

女(聞いてなかった)

男(今のじゃあからさますぎたか、引かれたか・・・)

女「ゴメン、なんて?」

男「やっ、別にー」

女「気になるやつだな」

男「忘れて」


男「あ、女・・・制服にホコリついてる」

女「どこ」

男「もっと下」

女「見えん」

男「取るわ」

女「どうも・・・」

男(触ってしまった)

女(触られてしまった)

女「で、なんて書く?進路希望」

男「忘れてた」


男「あーわかんねー」

女「うーん」

男(付き合いてー)

女(私も医療に進んでみたりして、ってどうかな・・・)

男(付き合ってデートとかしてみてー)

女(でもお互いに忙しかったらすれ違うか)

男(そんで俺の家ぐらいで、女と・・・)

女(って、なに付き合う前提で考えてんの・・・)

男(はっ、イカンイカン!!危うく欲望の塊のクズ男になるところだった)

女・男「はぁ」

どこを触ったのかkwsk

>>29
今まで内気だった男がいきなり「付き合いてー」などと
思ってしまうような場所


女「・・・」

男「・・・」

男(書けんな・・・)

女「・・・ねえ」

男「ん」

女「・・・」

男「なんだ?」

女「男」

男「ん?」

女「キスってどんな感じ?」

男「ブハァ!!」

女「吹かなくても」

男「えー・・・と」

女「したこと無いの?」

男「まぁ、一回だけ・・・」


女(昔付き合ってた人いたもんね)

女「一回だけ?」

男「あぁ」

男(なんだこの会話、女の奴誘ってんのか)

女(ここからどう恋バナに持っていこうか・・・)

女(もう一回、男と恋バナしたいから、こんな話し持ちかけたけど・・・)

女(なんて返してくるかな)


男「んー・・・なんだろうな。間違いなくレモンの味はしないけど」

女「レモンの味って・・・」

男「んー・・・」

女「・・・」

男「試す?」

女「・・・なにいってんの」

男「う・・・うそだよ・・・」

女「だよね、ごめん」

女(うそ・・・)

女(そりゃしたいけどさ・・・付き合ってないのに)

男(俺はっ・・・!!何を言っている・・・!!)


女「付き合ってどれぐらい経ってからしたの?」

男「ぐいぐいくるな」

女「うん」

男「・・・し・・・」

女「え?なんて?」

男「半年経って・・・」

女「長ぇな!!」

男(ツッコミ!?)

女(しまった!!友達同士のノリで!!)

男「し、かたねーだろ」

女「なんでぇ」

男「どうしたらいいか分かんなかったし」

女「 」

男「引くな」


女「オクテなんですね」

男「はい」

女「うん、でも似合ってるよ。男ってm要素ありそうだもん」

男「えっええええエム!?」

女「・・・うん」

女(あああああああああ!!!つい友達同士とのクセで下ネタを!!)

男「いやいやいやいやいや」

女(やってしまったー)

男「俺はど、どちらかと言うと・・・」

女(そういう話を軽々しくする女だと思われたに違いない)


男(どちらかと言うと、今にでも女を襲いたいほどの・・・)

男「え、sかな」

女「えぇっ!?sなの!?」

男・女(なんて淫らな会話をしてるんだああああああ)

女「・・・」

男「は、はは」

男(もうどうにでもなーれー)

女「・・・意外」

女(sだなんて)

男(あれ?この話まだ続ける感じ?)

男「そうかな・・・」


男(続けよう、なんか興奮するし)

男「じゃあ女は?」

女「はっ!?」

男(miss!!直球すぎたあああ!!)

女「や、私は・・・普通だよ」

男「あーうん」

女(こう答えるしかないじゃんか・・・!!)

男(mだな)キラン

女「なに?」

男「ううん、何も」


女(自分で話続けといてなんだけど・・・恥ずかしいから終わらせよう)

男「まぁ俺はそこまでのsじゃないけど」

女(続いたー!!)

女「へ、へェ・・・」

男(あれ?まさか引いてる・・・?)

男「女、俺さ 女「じゃっ進路希望書きますか!!」

男「 」

女 カキカキ

男「あ・・・」

女「男も早く書きなよ」

男「おう」カキカキ

男「じゃあ一緒に先生に出しに行くか」

女(一緒に・・・)

男「ほら、早く」

女「うん・・・」


先生「オッケーばっちし」

男「遅くなってすいませーん」

女「すいません・・・」

先生「いいってーもう外がちょっと暗めだから早く帰りな」

女「はい」

男「うっす」

先生「最近なぁ、露出狂がよく出るって噂だしな・・・」

女「 」

男「露出狂・・・」

先生「分かったらすぐ帰れー」

先生(ま、嘘だけどね)


女・男「失礼しましたー」


先生「ふう・・・ガキはこうでも言わないとずっとダベってなかなか帰んねーからなぁ」

先生「あー俺ってなんて気が利くんだ・・・」

ガラガラ

女教師「せーんせっ」

先生「女教師さん、なんです?」

女教師「見ました?ニュース、速報の」

先生「なんのですか?」

女教師「ウチの学校の校区で誘拐未遂があったんですって」

先生「 」

女教師「だから部活してる生徒は親御さん達にお迎えに来てもらうように・・・ってさっき校長先生が」


先生(まぁ、ちょっと間違ってるけど・・・大丈夫かな)

女教師「先生、受け持ちの部活動に連絡されてます?」

先生「僕の部はもうとっくに全員帰ってるんですよ」

女教師「あぁ、よかったですね」

先生「えぇ」

先生(ま、アイツらは2人で帰るだろうし大丈夫だな)

女教師「よければ仕事終わった後、どこか食べに行きません?」

先生「あー、すいません。今日は家に仕事持って帰ろうかと思ってまして」

女教師「あ・・・そうですか・・・」

先生(進路希望のやつまとめないと・・・)

女教師(勇気出したのに・・・)


男「冬は暗くなるのが早いなー」

女「寒い・・・」

男「家どこ?」

女「××町」

男「めちゃくちゃ遠いじゃん!!自転車で来ないの?」

女「いやー自転車今、修理に出してて・・・」

男「迎えは?」

女「親・・・働いてるから」

男「共働き?すげーな」

女「ううん、片親・・・」

男「あ、ごめん・・・」

女「別に?私はあんまり気にしてなくて」

男「そっか」


男「じゃあ送るわ」

女「はぁ?」

男「はぁ?って・・・」

女「××町だってば!!」

男「じゃあお前露出狂に会いたいのかよ!!」

女「いやっ・・・う・・・」

男「・・・・・・分かった」

女「えっ!?」

女(帰っちゃうの?)


男「俺は今から××町にある本屋に行って漫画を買ってくる」

女「・・・え」

男「本屋に行くついでに女を家まで送る。いい?」

女「・・・う、ん」

男(俺、今もしかして超絶にかっこいいんじゃないの?)

女(なんだか色々とフラグが立ってるんですけど)

男「早く帰ろ、寒い」

女「うん」


男「・・・」

女「・・・」

男・女(会話が・・・)

男(夜道、寒い冬、二人きり。これだけの条件がそろっているのに)

女(手を繋ぐこともできない・・・なぜなら私達は恋人同士ではないから)

男(だがそれをぶち壊すのが 漢(オトコ)!)

男「寒いな・・・」

女「それ何回目・・・」

男「今ので8回目・・・」

男(予想外の答えだった・・・)

男(そこは普通 サムイ→ウン・・・→テヲツナグ→ナンテオトコラシイノ!! という流れだろう)

女(んーカップルじゃない私達が手繋ぐにはどうしたらいいんだろう)

男「寒い」

女「9回目」


女(これだ!!)

男(どうするーもう〝寒いな〟は使えん・・・)

女「私寒いとすぐ手冷えるー、冷え性酷くてさ」

男「まじで」(次は何て話せば・・・)

女(あれ・・・)

男(次は手が冷えるな。とかベタなので責めるか・・・あれ?)

女(結構ベタに言ったんだけどな・・・)

男(今、女手が冷えるって言った?)

女(いや、もう一押し!!)

女「男も冷えるタイプの人?」

男(手の話なのか?)


男「ま、まぁな」

女(なんでキョドってんの?)

女「へ、へぇー一緒だね」

男(女も冷えるのか・・・手の話だよな)

男(・・・そうだ、いい考えが!!名案だ)

男「あぁ・・・じゃあ」

女(手を出してきた!)

男「これさ・・・カイロ」

女「・・・い、いいもん持ってるじゃーん!」

女(違うよ・・・男・・・)


男「この上から、手ぇつなご」

女「ん・・・え?」

女(はい?)

男「俺も寒いからカイロ離したくないし・・・」

男(無茶かな・・・?)

女「えっ、え」

女(どういうことなの・・・)

女「どーゆーこと・・・?」

男「だから・・・このカイロ持ってる方の手のひらにお前が手重ねて繋げば、お互いに手が温くなるだろ・・・」

女(えー・・・)

男「片手だけでも温くしようと・・・」

男(やべ、言ってて恥ずかしくなってきた。何言ってんだ俺、死にたい)

女「分かった・・・」

女(ここで断ったら一生後悔するよ私)

男(あ、マジで繋ぐの?やべえ心臓がドキドキ・・・なんてもんじゃねぇドクドクなってる)


女(男子と行事とか以外で手繋ぐのって・・・そんな経験ないよ・・・慣れてないのに)

男(女、なかなか手ぇだしてこねーな)

女(でも早く繋がなきゃ、〝分かった〟って言ったんだし。男に変な風に思われる前に)

男(なんでためらってるんだろう・・・俺と繋ぐのそんなに嫌だったかな・・・)

女(いけ!私!!女は度胸!!)

女「よし」ボソッ

男「ん?なんか言っ・・・」

ギュッ

男(キタ!!)


男(うわあああ・・・繋いでる・・・)

女(ヤバイ緊張しすぎて鳥肌が)


男「まっあまあだな」

女「なにがっ!?」

男「温さ・・・」

女「あぁ・・・まぁまぁだね・・・」

男「手の温度が上がってきた」

男(手汗かきそう)

女「・・・私も」

女(緊張しすぎて話に集中できない・・・)


女「あ、ちょっと向こうの方にマンション見えるでしょ」

男「もしかして、女ってマンション暮ら・・・」

女「その隣にあるアパートが私の家」

男「そうか」

女(あと5分ぐらいで着いちゃう・・・)

男(あとちょっとだな・・・)

男「この辺暗いなあ」

女「外灯少ないからね、いつも帰りは怖い」

男「毎日送ってやろうか」

女「毎日、本買いに行く気?このオタクめ」

男「ははっ」

男(おれもこの地区に住んでたらなぁ・・・)



?「・・・・・・」

男「なんだ、箱バンが道のど真ん中止まってる」

女「迷惑」

男「いやいや、なにか事情があるのやもしれん」

女「まぁ、通れるスペースあるからいいけど」

男「うんうん」

女・男(あとちょっとで着く・・・)

男「・・・あのさ、女」

女「ん」

男「やっぱ俺、遅くなった日は家まで送っ・・・ぐっ!!」ガンッ

女「!?」

男「うっ」


男(何かで殴られた・・・意識が・・・)

女「男っ!!んっ・・・!!んうーーー!!」

女(なにこの布・・・だんだ・・・ん眠・・・く・・・)

?「2人だけかよ、しかも一人男・・・」

?2「まぁいいじゃないですか」

?「はやく、車に乗せるぞ」

?2「了解っす」


男(露出狂と聞いて油断していた俺にも非がある)

男(目の前で何らかの薬を嗅がされていた女を見ながら意識を失ったことは)

男(きっと俺の一生の恥になる)

男「・・・ここは」


?「ついたか、コイツら降ろすか」

?2「まず、車を裏に隠しましょう」

?「ったく、念入りだな・・・」

?2「まぁ、先輩とやってくには慎重にしてかないとね」

?「言うようになったな」

?2「いえ、俺は先輩を尊敬してますから」

?「フッ・・・ハハハ」

男(ん・・・?コイツら・・・?)


ドサドサッ

男「いてっ」

男(女!!・・・は完璧寝てやがる・・・)

男「・・・何すんだよ!!ここ何処だ!!」

?「聞こえねぇなぁ・・・」

男「はぁ!?」

?2「誘拐、ここは×○町の廃ビル。これで満足?」

男「・・・お前ら」

?「何だ?説教なら勘弁だぜ」

男「×○町のヤンキーとシモベじゃねーか」

ヤンキー・シモベ「!!」

シモベ「先輩、俺らの有名っぷりって・・・隣町まで伝わってるんすね」

ヤンキー「光栄だ」

男(どうする・・・2人ともご丁寧に縄で縛られてるし・・・)

シモベ「女の方は計画通りにして・・・男の方はどうします?」

ヤンキー「そうだな・・・どうしようか」

男「計画って・・・オイ」

ヤンキー「とりあえずもう一度作戦を練ろう」

男「お前ら何するつもり・・・」

シモベ「あ、じゃあコイツら更衣室にでも閉じ込めときます?」

ヤンキー「いいね、もう閉じ込めるとか、そういう響きが」

男「お前ら・・・」

ヤンキー「・・・お前も男なら、分かるだろ。男が女に何をするかなんて」

男「・・・!!」

シモベ「まぁ、心の準備する時間をやるからさー」

ヤンキー「じゃ、連れてくか」

男「はなせよ!!」

シモベ「暴れんなって」


男(更衣室に閉じ込められたけど)

男(縄を解く方法もここから出る方法も検討つかない)

男(・・・わからん)

男(いったいどうすれば・・・)

女「どうする?」

男「今悩んで・・・・・・・・・っていつから起きてたんだよ!!!!」

女「え・・・車から降ろされる時・・・」

男「結構前なんだな!!」

女「いやいや、それよりそんな大声で話してたらあの人らが・・・」

男「あっ」

シモベ「あ、女の方ちょうど起きてるじゃん」

ヤンキー「都合がいい女は嫌いじゃない」

女「・・・・」

女(来ちゃった)

男「お前らっ・・・」


ヤンキー「2人とも携帯は何処にある」

女「・・・」

男「・・・誰が教えるか」

シモベ「へぇ、出さないの!?」チャキッ

女「ひっ!!」

男「・・・!!女子にナイフ向けるなんて卑怯だぞ!!」

シモベ「何言ってんの?アンタが携帯出さないからこの子はナイフ向けられてんだよ!!あー可哀想」

男「・・・ズボンのポケット」

女「せ・・・制服の胸ポケッ・・・ト・・・」

男(女が・・・涙目に・・・一度もこんなとこ見たこと無いのに・・・)

シモベ「ズボンだと座ってたら取りにくいな、立て」

男「・・・」

ヤンキー「女の方がどうなってもいいのか」

男 「・・・」 スクッ

ヤンキー「それでいい」

ヤンキー「なんだ、まだ折りたたみ式か」

俺「悪かったな」

男(いま、何かが乗り移った気が・・・)

女「・・・」

ヤンキー「胸ポケットっと・・・」ギュッ

女「!!!!!」

男(コイツ・・・!?)

ヤンキー「そう睨むな。手が滑って偶然鷲づかみになっただけだろうが」

シモベ「もー先輩はー」

ヤンキー「まぁまぁだったぜ」

シモベ「じゃ、親御さんたちにメール打っときますね、お二人さん」

シモベ「今日は友達の家泊まるからって」

男(それじゃあ親が捜しに来なくなる・・・)

女(・・・)






女「・・・」

男「・・・大丈夫か」

女「もう、アイツらどっか行ったよね・・・」

男「あぁ、でも一応小声で話そう」

女「うん・・・男」

男「なに?」

女「私のスカートのポケットから取って」

男「なにを・・・」

女「はやく・・・」

男「分かったよ・・・」


男「ポケットどこだよ」

女「ここ、この足がでてるとこ」

男「お前・・・」

女「なに?早く・・・」

男「太ももにアザが・・・」

女「ちょ・・・これは体育でできたアザ。変なとこ見ずに早く取って」

男 ゴソゴソ

女「そんな・・・足に手をくっつけながら取らなくても・・・」

男「手も縄で縛られてるから自由がきかん」

男「女・・・お前・・・」

女「私・・・つい最近機種変更してね」

男「・・・女」

女「今携帯2台持ちで・・・」

男「なんで・・・こんな時期にまた折りたたみ式の買ったんだよ・・・!」

女「そこかよ馬鹿」


女「これで・・・」

男「警察か親かにメールか電話しよう」

女「・・・・・・」

男「どうした」

女「・・・グスッ」

男「えっ!?」

男(何で泣いて・・・助かるのが嬉しいのか・・?)

女「・・・んっ・・・い」

男「大丈夫、呼んだらきっとすぐに・・・」

女「圏外っ・・・」


男「 」

女「・・・ごめん」

男「いやっ、女はなにも悪くない」

女「どうしよう・・・どうしよう。これじゃ私・・・」

男(あ・・・さっきの俺とヤンキーの会話・・・聞いてたのか)

女「わたしっ」

男「女・・・」

女「男っ、どうしよう」

男「・・・」

男(なんで俺は何も出来ないんだ・・・)


女「もう・・・どうしようも・・・グス」

男(もう、どうしようも、無い・・・か)

男「・・・」

女「グスグス」

男(もう・・・ここからは逃げられないよなあ・・・)

男(窓もあるけど・・・景色を見る限り、ここ1階や2階じゃないだろうし)

男(縄も丈夫だし・・・解き方が皆目見当もつかない・・・どんな結び方してんだ)

男(でも、俺男だし・・・女は守らないとなあ・・・)

女「うっ・・・グス」

男「お、女」

女「・・・なにグス」

男(相手はナイフを女に向けるような連中だしな・・・下手したら・・・)

男「俺、医者になるのやめようかな」

女「・・・なに?こんなときに・・」


男「やっぱ好きなこと・・・まぁゲーム会社にでも入ってさ、適当に就職して」

女「・・・」

男「適当に結婚して、適当に子供作って・・・いやらしい意味じゃなくてな」

女「ふふっ」

男「適当に老後迎えたいなあ、なんて」

女「いいね」

男(いいねか・・・こんな雑な将来設計・・・)

男「女・・・」

女「なに?」

男「お前と一緒に」

女「・・・本当?」

男「うん」

女「・・・いいね」


男(恥ずかしい・・・予想以上に)

女(・・・これって・・・告白なのかな、よく分かんない)

男「ふぅ・・・」

女「男・・・」

男「なに?」

女「私の事どういう風に思ってるの・・・?」

男「えっ」

女(・・・なんで驚いてるの・・・)

男(今のじゃ分かりにくかった!?)

男「いや・・・だから・・・な」

シモベ「はいはーい、差し入れっすよー」

男・女「 」


シモベ「なんだよ・・・その目・・・俺なんかした?」

男「・・・現在進行形で誘拐してるだろうが」

シモベ「いっけね☆忘れてた」

女「なにしに・・・」

シモベ「いや、お腹がすくと思って・・・飴ちゃん持ってきてあげたのさ」

男「・・・何か入ってんじゃねーの」

シモベ「いやいや!!正真正銘の飴ちゃんだから!!ヤンキー先輩は鬼畜だからねー、俺からの同情をこめて」

男「・・・」

女(ツンデレ・・・)

シモベ「さ、イチゴ、レモン、ブドウ、砂糖、オレンジ。どれがいい?」

女「・・・ブドウで」

男「・・・レモン」

シモベ「オッケー、じゃああとちょっとでヤンキー先輩連れてくるから!!女の方は心の準備してて」

女「・・・!!」

女「・・・グス」

男「・・・」

男(よし、男は度胸)

男 パクッ

男「女、俺さ女に嘘ついた」

女「・・・嘘?えっ」

チュ

男「初キスはレモンの味しない って」

女「・・・なっ」

男「まぁこれは飴の味だけど・・・」

女「なんで今・・・」

男(だって・・・もうこれからできなくなるかもしれないから・・・)

男「だって俺は、女のこと・・・好きだから」


ヤンキー「はーい、こんばんは~」

シモベ「やってまいりました~」


女 ビクッ

ヤンキー「まぁ怯えんなって、よけい興奮するだけだから」

男(またナイフを女に突きつけたまま・・・)

ヤンキー「・・・ん?何だ?コレ・・・」

男・女(しまったっ・・・!!!!)

シモベ「・・・携帯!!まさかこいつら!!」

ヤンキー「いや、これ・・・圏外だ」

シモベ「はぁ・・・なんだよ・・・」

ヤンキー「携帯は電波がいいやつ使わないとな・・・そう、俺とシモベみたいに」

シモベ「俺らの携帯はここでもバリバリ電波立ってるぜ」

男「・・・」

女「グス」


男(俺には作戦があった)

男(奴らはこのまま事に及ぶだろう、そこでその女にまたがって油断ができた瞬間)

男(俺がヤンキーにタックルをかまして、女を一時的に守る)

男(その際にきっと片手から取りこぼすであろうナイフを俺が取る)

男(それで縄を切って、ヤンキー達を脅しながら女の縄も切る)

男(きっとシモベもその頃にはナイフを取り出してくると思うので)

男(その時は俺が犠牲にでも何にでもなって女を逃がす)

男(いろいろと不完全な部分があるが、とりあえずコレで・・・)

シモベ「じゃあ、計画通り男の方、隣の部屋に連れて行きますね」

男「 」


男「離せえええええ!!!」

シモベ「無理だね、近くに置いとくと何をしでかすか分からないんだから」

男(エスパーかボケ)

シモベ「はい、ここが隣の部屋」

~♪♪

シモベ「まぁ様子なら見れるから心配すんな」

男「携帯・・・?」

シモベ「ヤンキー先輩からだ。分かるな?テレビ電話でお前に向こうの様子を見せようって事だよ」

男「お前ら・・・」

シモベ「出るぞ」ピッ


ヤンキー『・・・繋がったな、いまから始めまーす。まず服を・・・』

女『やめっ・・・離せ!!』

男「女ああああ!!」

女『男っ!!助けて!!』

ヤンキー『無理だよ、だって、男くんは縄で縛られてるんだから・・・』

男「女っ!!大丈夫か!!」

女『いやああああああ!!』

ヤンキー『あー・・・やっぱ気が変わった・・・うるさいから切るわ、終わったらまたかける』

シモベ「へいへい」

ピッ

男「おいっお前!!!!」

シモベ「ここでお前に質問だ」

男「!?」


シモベ「今あっちに行ったら逆上したヤンキー先輩に間違いなく刺される、死ぬかもな」

男「・・・」

シモベ「それでもお前、女を助けたいか?」

男「言わなきゃ分からないのか」

シモベ「まぁ・・・だろうな」

シモベ「じゃあ、次は問題だ。正解だったら褒美をやる」

男「・・・」

シモベ「俺はヤンキー先輩を、尊敬しているか。していないか。どっちだと思う?」

男「・・・してるんだろ」

シモベ「・・・」

男(何のつもりだ・・・)


シモベ「不正解だ、罰ゲームだな」

男「なっ!!だってお前・・・!!」

シモベ「ほらよっ」シュッ

男「うわっ、なに投げて・・・」

シモベ「隣に乗り込んでヤンキー先輩に殺されてきな」

男「ナイフ・・・」

シモベ「早く行けよ。罰ゲームは絶対やらねーと面白くねーだろ」

男「あぁ・・・」ダッ

シモベ(まぁ正解したら褒美でナイフやるつもりだったけどな・・・)

シモベ(最近のヤンキー先輩は、ちぃとやりすぎな部分がある」

シモベ「さぁて、次はどの街に行こうかな」


女「うっ、痛い・・・」

ヤンキー「ごめんって、偶然ナイフが腕にかすっただけじゃん」

女「やめてください・・・」

ヤンキー「・・・無理」

女(もう服脱がされて・・・腕も切られて・・・後は・・・後は・・・)

ヤンキー「もういいだろ」

女「嫌に決まってんでしょ!!いや!!」




男「女!!まだ大丈夫かああああ!!!」

ヤンキー「なっ・・・シモベのやつ・・・なにしてんだ!!」

女「男・・・!!私は平気ー!!」

ヤンキー「お前っ・・・ナイフ・・・ははーん、シモベが裏切ったのか」

男「あぁ、おかげで縄も切れてすっきりした」

女「男・・・」

ヤンキー「邪魔じやがって・・・いねやあああああ!!」

女「男!!危ない!!」

男「うわっ・・・ぐっ」

ヤンキー「へへっ」

女「男おおおおおおお!!」

男「腹が・・・」(よし・・・これで・・)

ヤンキー「うっ!?」

男「はぁはぁ」

ヤンキー「お前・・・よくもそんな・・・とこ・・・刺せる・・・な・・・それでも・・・男・・・」

男「正当防衛だろ・・・考えただけで鳥肌が立つけどよぉ・・・」

女「・・・」

女(ナニコレ)

ヤンキー「うっぐああ・・・」ドサッ

男「女、縄切るよ!今のうちに逃げよう!!」

女「うん・・・」


女「あ、ちょっと待ってよ・・・この・・・格好じゃ・・」

男「え・・・あ、あああ!!ごめん!!あそこの服取るから!!」

女「・・・」

男「はい、着て」

女「・・・男・・・ありがとうございました」

男「えっ、あ、おう」

女「・・・あたし、将来は専業主婦かな」

男「・・・よろしく頼みます」

女「・・・こちらこそ」



男(俺ら2人はこの事を警察に言わなかった)

男(泣き寝入りとかじゃなくて、ただ単にこれからも普通の学校生活を送って行きたいから)

男(まぁ、それでなくても女がそういう目で見られるのは嬉しくないので、これでいいと思っている)

男(ていうか俺もヤンキーに酷いことしたしな・・・)

男(腹の傷はなんとかごまかして今は治療中)




女(あれからまた学校生活が始まった)

女(何も変わらない日常、でも、未だに刃物を見ると怖くなる)

女(でも友達や男といる時間がきっとそれを忘れさせてくれるに違いない)




先生「・・・いや、進路変えるのはいいけどさ」

男「はい、ゲーム、アニメ会社関係で行こうかと」

先生「医療から えっらい方向転換するなァ」

男「まぁ」

先生「女の奴も看護からパートに変えてやがるし」

先生「まぁ俺は本人の意思を尊重するけど」

男「・・・ありがとうございます」

先生「お前ら、付き合ってるんだってな」

男「噂回るのはやいっすねー」

先生「まぁほどほどにしろよ」

男「うっす、失礼しましたー」


女「男、一緒に帰ろう」

男「おう、今日も送ってくわ」

女「今日は何の本買うの?」

男「漫画に決まってんだろ」



おわり


今日中に終わらせたかった
最後ちょっと投げやりな部分が見えるけど許してちょんまげ

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