男「そっか……ちなみになんて話しかけたの？」

友「そりゃ、『大きいですね』って」

男「お、大きい？」

友「胸がな、そりゃあもう大きくてな、でな」

男「うわ、そんなの嫌がるに決まってるじゃん……」

友「そうか？女子同士胸が大きいって言い合いして嬉しそうだったけどな？」

男「そうなの？」

友「ああ……」

男「へえ……あっ、あの子！」


少女「」ｽﾀｽﾀ


男「ごめん！また明日ね！」ﾀｯﾀｯﾀ

友「お？ナンパか？頑張れよー！」

男「ねえ君！」

少女「」ﾋﾞｸｯ

男「君、朝ぶつかった子だよね？」

少女「は、はい……」

男「大丈夫だった？どこか痛くない？」

少女「あの、大丈夫なんで、本当に」ｽﾀｽﾀ

男「でも、もしかしたら後で痛むかもしれないし……」ｽﾀｽﾀ

少女「いえ、大丈夫なので……」ｽﾀｽﾀ

男「連絡先だけでも教えてくれない？」ｽﾀｽﾀ

少女「え、嫌です……」ｽﾀｽﾀ

男「あ、じゃあ俺の連絡先教えるから……」ｽﾀｽﾀ

少女「い、要らないです……」ｽﾀｽﾀ

男「それは困るよ！何かあったら大変……」

少女「もうやめてくださいナンパですか気持ち悪いっ！」

男「ええ！？ナ、ナンパ？」

少女「そうですよ！もうかかわらないで下さい！」

男「……あっ！」ﾀｯﾀｯﾀ

少女「……？」

男「女の子が川で溺れてるよ！？」

少女「えっ……」

男(はやくあの子を助けなきゃ！)ｼﾞｬﾊﾞｼﾞｬﾊﾞ

少女「あ、あの、この川深いからうかつに入ると上がれなくなりますよー！」

少女「……聞いてない」


男「ごめん！俺泳げないんだった！おぼぼぼ」

少女「まじかよ」

ｻﾞﾊﾞｧ…

少女「……世話のかかる人ですね」

男「ねえ、君、大丈夫！？」

女「」

男「どうしよう！この子息してないよ！？」

少女「本当ですか？じゃあ救急車を……」

男「ふっふっふっふっ」

男「ふぅうううう！ふぅううううう！！」

少女「じ、人工呼吸ですか……！？」

女「！げほっ……げほ……」

男「あっ良かったー！意識が戻ったよ！」

少女「そ、そうですね、よかった……」

女「あれ……わたし……？」

男「君、川で溺れてたんだよ！もうビックリしたよー！」

女「……あなたが助けたの？」

男「え？いや、実は引き上げたのはこの子なんだ」

男「俺が君を引き上げるつもりが、溺れちゃって」ｴﾍﾍ

男「あ、引き上げてくれてありがとう！」ﾆｺｯ

少女「……別に……//」

女「そうなんだ……別に助けてくれなくてよかったのに……」

男「え？」

女「何でもない、じゃあさよなら」ｽﾀｽﾀ

男「あー待って、タオル貸すよ！」

女「いらないわ」

男「でもびしょびしょだし！」

女「もう、ついてこないでよ」ﾀｯﾀｯﾀ

少女「……またナンパですか……」


女(何なのあの男……お節介なのよ)ｽｯ

男「何切るの？」

女「！？」

男「こんなところでナイフ持ってたら危ないよ」

女「…………」ﾀｯﾀｯﾀ

男「え？ちょっと、まだ信号は赤……」

女「…………」ﾀｯﾀｯﾀ

男「っ危ない！」

女(このまま車がスピードをキープして突っ込んでくれば、楽になれる)

女(もう、何も考えなくていい、嫌なことも、好きなことも)

女(…………誰も邪魔をしなければ)ﾑｯ

男「っ……大丈夫？」

女「…………」

男「ど、どうしたの！？どこか痛い？」

女「…………何で」

男「え？」

女「何で邪魔するの？」

男「じゃ、邪魔？」

女「私は死にたいの！分からないの？分からないなら分かってよ！」

男「死にたいって……どうして！？」

女「もう嫌なのよ！うんざり！あんたも含めて！」

男「えっ……俺？」ｱｾｱｾ

女「オトコよオトコ！オトコなんか大っ嫌い！あー死にたくなる！」

男「オトコ？オトコが嫌いなの？だから死にたいって」

女「オトコって女子の身体ばっかり見て妄想膨らませて興奮して」

女「すぐえろいことしたがって気持ち悪い！」

女「そーゆーオトコを見るたび、死にたくなるのよ！」

女「今日だって声までかけてきた変態オトコもいた！」

女「入学早々死にたくなったわ！」

男(もしかして　友)

女「あんただってどうせ溺れた女の子を助けていい感じになっちゃおうとか思ってるんでしょ！」

男「違う！違うよ！」

女「お願いだからもう死なせて！これから先ずっと苦しむなんて嫌！」

男「じゃ……じゃあ」

女「何！？」

男「俺が……君の代わりに死ぬ！」

女「……は？」

男「君が死にたくなったら俺が代わりに死ぬから！」

女「意味わかんない……」

男「だから、死ぬなんて言うな！」

女「…………」

女「……あんた、馬鹿じゃないの」

男「うん、よく言われる」

女「生きてて楽しい？」

男「うん、楽しいよ！君は？」

女「楽しくない」

男「なら、俺が君を楽しませるよ！ねっ？」

女「……じゃあ今日家まで送って、一人で帰るの怖いから……」

男「いいよ！でもどうして？」

女「命、狙われてるから……殺し屋に」

男「えっ」