伝えたい (9)

その肌に指を滑らせる

ツツツ、と

こそばゆいのか体をくねる肢体は、興奮を高めてくれた

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掌を腰に当て、ゆっくりと背中に回していくと、彼女は少し体を持ち上げて私を奥に誘った

少し強めに抱き着き、胸元に顔を埋める。彼女の呼吸に合わせて頭が上下する

背中に回していた右手を外し、彼女の手を求める

肘からゆっくり腕を伝い、指を絡めていく

優しく握ると、思ったより強い力で握り返してくれた

左手も同様に

彼女の両手を押し付けながら体を上方に持ち上げ、顔を覗く。見つめ合う

少し少し腕を曲げ、顔を近付ける

ゆっくりと目を閉じた

ゆっくりとキスをした

唇を離してから初めてでも無いのに恥ずかしくなる

頭を横にずらしてベッドに倒れ込み、顔を隠した

我ながら女々しいと思う

呼吸を整えまた体を持ち上げる。彼女の顔を見る為に

伝わっただろうか

言葉にすればたった4文字で済むようなこの気持ちは

伝わっただろうか

言葉に、文字に、絵に、形に、音に、何かで表す事が出来ないこの気持ちは

彼女を見る

顔が近付いてきて、私はまた目を閉じた

おわり

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