・沙織「みぽりんが……理想の婚約者?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449906716
のリクエストにあった、澤梓ルートです
・百合
・劇場版ネタバレ注意
・元スレの設定は引き継いでいません
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455174222
みほ「皆さん、練習お疲れさまでした。明日はお休みですけど、各自車両点検してから解散にしてください」
「「お疲れさまでしたー!」」
梓(今日の西住隊長も、かっこよかったなぁ……)ポーッ
梓(指揮してる時の隊長って、表情はきりっとしてるのに肩にはムダな力とか入ってなくて、自然体で……)
梓(そこが逆に余裕を感じさせるというか、頼もしいというか……素敵なんだよね)
梓(逆に戦車を降りたとたんにほわほわした雰囲気になるのは……ギャップがあって何か可愛い)
梓(あっ!特に何もない所でなぜかつまづいた!)
梓(……と思ったら秋山先輩と武部先輩に支えてもらってた)ホッ
梓(さすがあんこうチーム、息が合ってるなぁ……私たちも見習わないと)
梓(でも、もし私があそこにいたら……)
モヤモヤ
◇◇◇
梓「西住隊長!大丈夫ですか?」
みほ「あ、ご、ごめんね澤さん、お姫様抱っこの体勢で抱きとめてもらっちゃって……」
梓「いえ!これぐらいお安い御用です。むしろどんとこいです!」ニコッ
みほ「あ、あの……でももう平気だから……そろそろ下ろしてもらえるかな?///」
梓「ダメです」
みほ「えっ?」
梓「西住隊長はいつも危なっかしくて見てられませんから……もうこのまま抱っこで運んであげます♡」
みほ「さ、澤さんっ……///」トゥンク♡
◇◇◇
梓(な……なーんちゃって……///)
梓(って、何考えてるの私、都合良すぎだよ!大体お姫様抱っこになる意味も分かんないし、そもそもそんな腕力ないし……)
梓(だからむしろ、支えきれなくて失敗しちゃう感じで……)
桂利奈「梓ー?」
◇◇◇
ドサッ
梓「きゃっ! ご、ごめんなさい隊長、私が支えられなかったせいで押し倒されたみたいな感じになっちゃって……///」
みほ「くす……そんなこと言って、本当は期待してたんでしょ、澤さん?」
梓「えっ……?」ドキッ
みほ「悪い子の澤さんには、お仕置きが必要ですね……」クイ
スッ…
梓(あっ……隊長の顔が、どんどん近づいてきて……///)
◇◇◇
優季「梓~?」
梓(そそそんな、いきなりキキキスだなんて……西住隊長大胆です……///)
梓(って、いやいや……だから都合良すぎるんだってば!)
梓(大体隊長はそんなキャラじゃないし……これじゃまるで女たらしだよ)
あゆみ「梓……梓ってば!」チョンチョン
梓「あっ、ごめんごめん。じゃあみんな、整備点検しよっか」
桂利奈「そうじゃなくて……呼ばれてるよ?」
梓「?」
みほ「澤さん?」ヒョイ
梓「ひっ!?ににに西住隊長っ!いつの間に目の前に?」ビクーッ!
あや「いや、普通に歩いてきてたけど……」
みほ「あの、顔が赤いけど、大丈夫?」
梓「いえ、何でも……何でもありません!///」
梓(でも本当はちょっと変な事考えてました……ごめんなさい)
みほ「あのね、澤さんに大事な話があって……今度ちょっと時間もらえないかな?」
梓(大事な話……西住隊長が、私に……?)
◇◇◇
梓「隊長、あの……お話って何ですか?」
みほ「うん、私ね、ずっと前から澤さんの事、好きだったの///」モジモジ
みほ「だから、もし嫌じゃなかったら……私の、恋人になってほしいなって///」
梓「わかりました喜んで!」キリッ
みほ「本当に?嬉しい……澤さん……ううん、梓……」
梓「隊長……いえ、みほさん……」
チュッ……♡
◇◇◇
梓(えへへへへ……♡)
あや「梓ー、梓ってば!」
桂利奈「今回はなかなか戻ってこないねー、梓」
優季「西住先輩、もう行っちゃったよ?」
梓「はっ!」
あゆみ「明日、どうするの?」
梓「……え?明日?」
あゆみ「いやだから、明日の日曜日。会う約束してたでしょ、たった今」
梓「へっ!?」
紗希「……」ボー
──梓自室──
梓「ぜ、全然何の心の準備もしてないのに……いきなり隊長と、二人っきりで会う約束しちゃうなんて……どうすればいいと思う、紗希!?」
紗希「……」ボー
梓「何とか言ってよ、紗希!」ユサユサ!
紗希「……」グラグラ
あや「いや、紗希ちゃんにそれを求めるのは酷なんじゃ……」
あゆみ「……」
あゆみ「あのさ梓。もういい加減、西住先輩に告白したら?」
梓「えっ!?」
優季「私もそれがいいと思う~。ちょうど明日はバレンタインデーだしぃ~♪」
梓「ええっ?」
あや「確かに、最近妄想してる時間も長くなる一方だしねー、ちゃんとはっきりさせた方がいいような気がするなー」
梓「ええええーっ!?」ドキーン!
梓「み、みんな、何言ってるの!ご、誤解だよ……私はただ隊長のこと、そ、尊敬してるだけで……こ、告白とか好きだとか、そんな!///」ブンブン
あゆみあや優希「……」
あゆみ(……どう思う?)
あや(もしかしてごまかせると思ってるのかなー……それとも、自覚がないだけ?)
優季(いいこと思いついた~、こういう時は、あの人を呼ぼうよ~♪)
桂利奈(あの人?)
◇◇◇
沙織「というわけで呼ばれて来たけど……」
沙織「これは恋ね!」
梓「!?」
沙織「梓ちゃんは、みぽりんに恋しちゃってるっ!」ビシッ
梓「ち、違うんですっ……私は本当に、そんな……尊敬してるっていうか、憧れてるっていうか、ただそれだけで……///」
沙織「大洗の恋愛(経験ゼロ)マスターの私の目はごまかせないよ」スチャ
あゆみ「まあ、いつも西住先輩と話してる時だけ変になるしね」
優希「めちゃくちゃ緊張してるしぃ、声も上ずってるしぃ~、後妄想も~♪」
あや「気づいてた、梓?最近は私たちと話してる時も八割がた西住先輩の話題になっちゃってるんだけど」
梓「そ、そんな……///」
沙織「梓ちゃん、言いにくいんだけど……正直なところ教えるとね」
沙織「ウサギさんチームだけじゃなくて、周りの人ほとんどはとっくに気づいてると思うよ……みぽりん本人を除いて」
梓「うそっ!?そうなんですか!?」
あゆみあや優希「うん」
紗希「……」コクリ
梓「紗希もなの!?気づいてたなら言ってくれてもいいじゃない、何で黙ってたの!?」ユサユサ
紗希「……」ガックンガックン
あや「だから紗希ちゃんにそれを求めるのは酷だってば」
桂利奈「あのー……」
桂利奈「さっきからみんな、何の話してるの?」
沙織「あっ、数少ない例外の子がいた」
桂利奈「そ、そうだったの、梓っ!西住隊長のことが好きだったの!?恋愛的な意味で!?」
梓「あ、あうう……///」
桂利奈「百合か?百合なのか!?マジで!?」
梓「あ、あのね……そ、そこまで言うほどじゃ、ないっていうか……その……///」
桂利奈「リアルで初めて見た……女の子同士かぁ……ほぉぉぉぉ……」
梓「うう……ううう……そんなにじろじろ見ないでよぉ……///」プシューッ
あや「もうそれぐらいにしといてあげて桂利奈ちゃん」
あゆみ「恥ずかしさで梓が死んじゃうから」
沙織「はいはい、そんなことよりみんな集まって!始めるよ!」パンパン
優希「何を始めるんですか~?」
沙織「もちろん、チョコ作りに決まってるでしょ。明日はバレンタインデーだよ?」ドサドサ
あゆみ「うわ……すごい材料の量」
沙織「梓ちゃんの心のこもった手作りチョコを渡して告白すれば、みぽりんのハートもゲットできること間違いなし☆」
梓「いや、あの、そんな急に告白とか……ムリムリムリですっ!///」
梓「それに、隊長は他に大事なお話があるってことでしたし……(この時期だし、冷静に考えたら、多分内容は……)」
沙織「あっまーい!チョコよりも甘いよ、梓ちゃん!」ビシッ
梓「?」
沙織「恋愛の成功の秘訣は、積極性だよ!速攻で押して押して押しまくらないと!」
沙織「大体みぽりんってめちゃくちゃそういうの鈍そうだから、このままだとずーっと気付いてもらえないままになっちゃうよ?それでもいいの?」
梓「うっ……そ、それは……」
梓「あんまりよく、ないです……」
沙織「それに、もう一つ忘れちゃいけないことがあるんだよ。今は受験シーズンで、それから新年度への引き継ぎ時期でしょ?」
梓「……?」
沙織「てことは、それが終わったら、ヒマができたあの人たちが動き出す……卒業して距離が遠くなっちゃう前に、みぽりんとの関係を進展させようと焦ってる、3年生たちが!」
梓「……!」
◇◇◇
紅茶好きな3年生「こんな言葉を知ってる、みほさん?”愛されることは幸福ではない。愛することこそ幸福だ”」
みほ「あ、あの、どういう意味でしょう……?」
ダー「私は今、この上なく幸福だという意味ですわ。願わくばみほさん、あなたにもこの幸せを分けて差し上げたいのだけれど」
みほ「ダ……ダージリンさんっ……///」
ちんちくりんな3年生「ミホーシャ!や……やちぇびゃーりゅぶりゅー!///」
みほ「えっ?や、やちぇ……何ですか?」
カチュ「いいから復唱しなさいっ!やちぇびゃーりゅぶりゅー!///」
みほ「は、はいっ……や、やちぇびゃー、りゅぶりゅー?」
カチュ「い……言ったわね……言っちゃったわねっ……///」プルプル
ノンナ『ほう……白昼堂々と私たちの同志に愛の告白をするとは……』←ロシア語
クラーラ『これは責任を取ってもらわないといけませんね』←ロシア語
みほ「えっ……えっ?」
カチュ「さあ来なさいミホーシャ、シベリアで新婚旅行100ルーブルよっ!」グイグイ
みほ「ふぇ……ふぇぇぇーっ!?」
アメリカかぶれの3年生「ハーイミホ! I love You! 結婚して!」
みほ「なっ……挨拶と同時にプロポーズですか!?気が早すぎますよ、ケイさん……///」
お姉ちゃんな3年生「みほ。それより私と結婚しよう」
みほ「お姉ちゃんも!?というか姉妹じゃ結婚できないからね、念のために言っとくけど!」
まほ「問題ない。西住流の威光と戦車砲の威嚇で国会に法改正させる」
みほ「それもうクーデターになっちゃってるから!」
パスタ好きな3年生「いやそれより私と」
突撃命の3年生「いや私と」
放浪の3年生「いや私と」
みほ「きゃっ!?ちょ、ちょっと皆さん、一斉に結婚を迫って来ないでくださーいっ……!///」
◇◇◇
梓「だ、ダメーっっ!そんな、結婚を無理強いするなんて!」
沙織「へっ?だ、誰もそんなこと言ってないけど」ビクッ
梓「あの人たち……絶対に西住隊長に近づけちゃいけないっ……!」キッ
梓「私、やります!頑張って告白して、危険な3年生たちから隊長を守ってみせますっ!」ゴゴゴ…
あゆみあや優希桂利奈「おおーっ」パチパチ
沙織「何か風評被害的なものも感じるけど……とにかくやる気になったんなら良かったよ」ニコ
沙織「じゃあ早速始めよー、”ちょこちょこ作戦”開始だよ!」
ウサギ「レッツラゴーッ!」
◇
◇
◇
優季「って言っても、手作りチョコって溶かしてまた固めるだけじゃないんですか~?」
沙織「甘いわね優希ちゃん!チョコより甘い!」
沙織「ただ溶かす工程一つとっても、チョコは温度管理が超・重要なの。それ以外もいろいろと繊細に取り扱わないと、失敗してボソボソのダメチョコになっちゃうんだから」
沙織「中にはカカオ豆から作るっていう強者もいるし、ケーキとかクッキーとかタルトとかにするなら他のお菓子作りの技術もいるし、もちろんラッピングもこだわらないと!」
沙織「それぐらいしなくちゃ気になる相手のハートは撃ち落せないんだからね?」
優季「さすが先輩ですぅ~♪」
あや「歴戦の勇士って感じ……今までに何人のハートを撃ち落してきたんですか?」
沙織「うぇっ!?え、ええと……か、数で数えられるようなものじゃない、かな……あはは……」
桂利奈「さすがです先輩!数えきれないほどなんて!」
沙織「う、うん……(まあ本命チョコ渡したことはないけど……0だって数えられないんだから間違ってはいない……よね?)」ダラダラ
あや「あれ?ていうか優季ちゃんは彼氏に作ったことないの?」
優季「あっ……ええとぉ、彼はチョコ嫌いだから……あっいやアレルギーでぇ……というか、甘いモノ全般がダメでぇ~」
あゆみ「その辺の設定はちゃんと詰めといてよ、もう」
梓「あ、あの!チョコマカロンって作れますか?教えてくださいっ!」
沙織「うん、もちろん!」
優季「私生チョコ作ってみたいです~」
沙織「オッケー、任しといて♪」
あゆみ「ダイエットに効くチョコって無いですか!?」
沙織「いや……それは聞いたことないなぁ……多分無いんじゃないかな……」
桂利奈「あいっ!私マットビハイクルチョコ作りたいです!」
沙織「は?マット……?」
桂利奈「帰って来たウルトラメンに出てくる車ですっ!」
沙織「よく分かんないけど、お菓子のメニューで言ってほしかったなー」
あや「あの……割れないメガネチョコとか作れますかね?レンズ部分はゼラチンとかにして」
沙織「いや、できるできない以前に何でそれを作りたいと思ったの?」
紗希「……」サラサラ
沙織「紗希ちゃんっ、全員の材料に昆布茶のパウダー混ぜようとするのはやめて!せめて自分の分だけにしといて!」
◇
◇
◇
──翌日2月14日、大洗アウトレットモール──
梓「あっ、西住隊長!こっちです!」フリフリ
みほ「ご、ごめんね、遅れちゃって……部屋出る時靴左右で間違えてて……戻ったら今度は鍵かけ忘れてて……」ハァハァ
梓「あは、そんな待ってないから大丈夫ですよー……あれ?」
梓「あの、コートのボタン……1つ掛け間違っちゃってますよ?」コソッ
みほ「ふぇっ!?う、うそっ……私、学園艦からずっとこのままで……///」カァァ
梓「そんなに目立たないから大丈夫だと思いますけど、とりあえず私の後ろで直しちゃってください」
みほ「は、はいっ……」ゴソゴソ
みほ(ううう……遅刻した上にこんなみっともないとこまで……ダメな先輩だって引かれちゃったかな……)ショボン
梓(なんか、あわあわしてる隊長も可愛い♡ それに私服姿、あんまり見れないからちょっと新鮮かも……♡)
梓「あ、隊長。走ったから髪の毛ぼさぼさになっちゃってる……ちょっとじっとしててくださいね」スッスッ
みほ「わ、ご、ごめんね、ありがとう……澤さん、いつも櫛持ってるんだ」
梓「あはは……いつもいろいろ入れ過ぎるおかげで、ついついバッグが重くなっちゃって……はい、オッケーです」
みほ(澤さん、女の子って感じだなぁ……私なんてオープニングでいつも鍵かけ忘れてるのに)
梓「ところで知ってました、隊長?今日はバレンタイン・ボコフェアをやってるらしいでんすよ」
みほ「ええっ、ホントに?早く行こすぐ行こっ!」グイグイ
梓「わわっ!ちょ、ちょっと、慌てないでくださいっ……///」
梓(どさくさまぎれに手、繋いじゃった……///)
梓(バレンタインとボコに何の関係があるのか分かんないけど、とにかくありがとーボコ!)
◇◇◇
──県道2号線を走るM3リー ──
ドコドコドコ…
あゆみ「梓、もう中に入っちゃったかなぁ?桂利奈、飛ばして飛ばして!」
桂利奈「あいあーい!」
優季「もう、あやが寝坊するからぁ~」
あや「寝坊したのは優季ちゃんもでしょ!ていうかみんなでしょ!」
優季「それより、二人のデートをこっそり追っかけるのは面白そうだけど~、戦車じゃ目立ち過ぎじゃない~?」
あゆみ「大丈夫じゃない?この辺ってよくコンビニとかに戦車で乗り付ける人多いらしいし」
あや「それ絶対ウチの関係者だよね……」
桂利奈「あっ見て、ちょうど前の方でも一台戦車が信号待ちしてるよー」
優季「……なんか、どっかで見たような戦車だね~?」
あや「ってアレ……」
あゆみ桂利奈優季あや「「センチュリオンじゃんっ!?」」ギョッ!
紗希「……」ボー
あや「キューポラの上にいるの、島田さんだよね?大学選抜の。何でこんなとこに……」
あゆみ「やっぱあれじゃない?ボコフェアやってるから来たんじゃ……」
優季「えー、それってマズくな~い?梓たちと鉢合わせちゃったらぁ……」
あやあゆみ優季(うっ……ディープなボコトークを繰り広げる二人に置いてかれてショボンとなってる未来の梓の姿が見える……)
あゆみ「……しょうがないな。何とかしてここで食い止めるか」
桂利奈「よっしゃー!やったるでー!」
優季「重戦車キラーだぁ♪」
あゆみ「……やっと撃てる」グッ
あや「いや、センチュリオンは重戦車じゃないし。そもそも砲弾積んできてないし」
◇◇◇
みほ「すっごーい!歴代のボコぬいぐるみ全シリーズはもちろん、ボコカレンダー、ボコ貯金箱、ボコペナント……ありとあらゆるボコグッズが集まってるー!」
梓(こんな嬉しそうな隊長初めて見た……全国大会や大学選抜に勝った時より嬉しそうだよ……)
梓「……ふふっ」
みほ「あの、澤さん?どうかした?」
梓「いえ、ただ……楽しいなーって、思って」ニコ
みほ「……うんっ。楽しいね!」ニコニコ
みほ「ねえ、あっちでボコシアターやってるみたいなの。もう始まっちゃうから、早く行こう?」タッ…
梓(あっ!……これは、何も無い所でつまづくパターン……!)
みほ「!?」コケッ
梓「危ないっ!」ギュッ
みほ「わぷっ」
みほ(あれ……さ、澤さんに、抱きとめられちゃった……!?///)
梓「隊長、大丈夫ですか?」
みほ「う、うん……ありがとう……澤さんって、反射神経いいんだね///」
梓「あっ!い、いえ、特にそういうわけじゃなくて……な、何だかすみません!///」パッ
みほ「う、ううん、こっちこそごめんね///」
梓「いえ……///」
みほ梓「……///」
みほ「あっ!ボコシアター!い、行こっか……?///」
梓「そ、そうですね!///」
◇◇◇
愛里寿「あなたたちは……大洗の、M3リー……」ジーッ…
あゆみ「とかやってる間に見つかっちゃったじゃん!」
あや「えっとぉ……こ、こんにちはぁ……」
優季「今日はどこ行かれるんですかぁ~?」
愛里寿「……大洗のアウトレットモールを、視察に来た……///」プイッ
あや「いやあの、ボコフェアに来ただけでしょ?モールを視察とか意味わかんないですし」
愛里寿「……」ギンッ!
あや「ひっ!」ビクーッ
愛里寿「あなたたちも……モールに行くの?」
あゆみ「あ、はい。そんなとこです」
愛里寿「ふぅん……ところで、あの……西住さんは、今日はどこにいるか知ってる?」
あゆみ「うっ……ええと……今どこにいるかは分かんないです……(嘘は言ってないよね……)」
愛里寿「……」ジーッ…
あゆみ「……」ダラダラ
愛里寿「……そう。それじゃ、また後で……」
パタン
ゴゴゴゴゴゴッ
あや「ふわぁ……」クタッ
あゆみ「島田流のプレッシャー、半端ないね……」
あや「ていうか島田さんも”西住たいちょースキスキ軍団(桂利奈命名)”の一員なのかな……高校生はともかく、大学生の存在は忘れてたなー」
あゆみ「とりあえず追いかけよう。桂利奈!」
桂利奈「あいあいっ!」
ゴゴゴゴゴッ
あや「優季ちゃん、梓に連絡できるー?」
優季「は~い♪」
◇◇◇
みほ「期間限定ボコカフェなんてできてたんだ……すご-い、再現度高いね!来て良かったぁ……」ウットリ
梓「あはは……でもウェイトレスのお姉さんたちのコスプレは真に迫りすぎてて怖かったです……」
梓「あっ、口の端にケーキの食べかすが付いちゃってます……拭きますからちょっと待っててください」フキフキ
みほ「うっ……ご、ごめんね……///」
みほ「今日の私、澤さんに助けてもらってばっかりだね……上級生なのに、情けないな」ハァ
梓「そ、そんなことないです!」
梓「えっと、あの……戦車で指揮してるときの西住隊長は、もちろんかっこいいですけど!」
梓「こういう普段のときの隊長は、逆にギャップがあって、可愛いっていうか……何か、もっともっと守ってあげたくなっちゃうっていうか……えっと……あれ?」
みほ「さ、澤さん……///」カァァ
梓(な、何か私、余計なこと言い過ぎちゃった……?///」
梓「と、とにかく私がしたくてしてるだけなので!気にしないでくださいっ!」
みほ「うん……ありがとう、澤さん///」
みほ「私、戦車道以外は全然取り柄とかないって思ってたけど……そういう風に言ってもらえると、何だか嬉しいな」ニコッ♡
梓「!?///」キュンッ
梓(ちょこっとドジな隊長は可愛いけど……こんな笑顔を向けられると何ていうかもう……ま、まぶしいというか……)ドキドキ
梓(このタイミングでいいのか分かんないけど……もうこうなったら、決行しちゃおう!しちゃいます!)
梓(えっと、ま、まずチョコを渡して……それからこ、こ、告白を……!///)
梓「あのっ!西住隊長っ……!///」
みほ「うん、何?」
エンターエンターミッショーン♪
梓(う、電話が……今大事なとこなのにぃ)
梓「ごめんなさい、ちょっと出ますね。もしもし……優季?」
──アウトレットモール 駐車場──
アズミ「あなたたち、隊長がお花摘みに行ってる間に」
ルミ「ちょっと話があるの。顔貸しなさいよ」
桂利奈「ひゃいっ!?ななな何ですか!?」ビクーッ
あや(も、もしかして私たち……シメられるの?)
優季(カツアゲかなぁ~?)
あゆみ(試合で負けたお礼参り?)
メグミ「いや、そういうんじゃないから……あなたたち、あの西住流の子がどこにいるのか、知ってるんでしょ?」
優季「えぇ~、何のことでしょう、よく分からないですぅ」
あや「ぜ、全然皆目さっぱりわかりませんっ!」
あゆみ「うんうん」
ルミ「まあそれでもいいけど……とにかく知ってても、絶対に隊長には言わないで」
桂利奈「え、何でですかー?」
アズミ「だって……だって、くやしいじゃない!」キッ
あや「は?」
メグミ「あの試合があってから、隊長ってばいつもいつも西住流の子の話ばっかりで……」
ルミ「そりゃあ、敗戦の責任が私たちにあることは分かってるけど……もっともっと私たちのことも構ってほしいのよ!」
アズミ「あっ……でも素っ気なくされるのもある意味悪くはないんだけどね!隊長可愛い♡あの柔らかそうなほっぺをスリスリしたい!」
メグミ「それを言うなら、想像するだけだったらNTRもアリ……?いや、でもやっぱり取られたくない!隊長可愛い♡お風呂一緒に入りたい!」
ルミ「何言ってんのよあんたたち、隊長は私たちだけのものなんだから!あんな小娘には渡せないわ!隊長可愛い♡抱っこして一緒に寝たい!」
ミミミ「「というわけで……協力しなさいよ、いいわね?」」ジロッ
桂利奈(うわぁ……)
優季(この人たち、なんかヤバくない~?)
あや(ダメな大人ってやつだね)
あゆみ(でもまあ、奇跡的に利害は一致してるみたいだし……協力しよっか)
──大洗町 路地──
みほ「はぁ、はぁ……どうしたの澤さん、急に移動しようだなんて……」
梓「すみません、緊急避難の指示が出たので……」
梓(楽しんでた隊長には申し訳ないけど、せっかくの二人きりの時間なんだもん。これぐらいいいよね?)
梓「あ、そこ水たまりがあるので気を付けてくださいね」
みほ「う、うんっ」
梓(いつもこの人のことばっかり見てたせいか、何となくドジ回避ポイントが分かってきた気がする……いい調子だよ梓!)グッ
ゴーッ
梓(って、トラックが入ってきた……こんな狭い路地に?)
梓(こ、このパターンは……!)
梓「隊長、壁に寄ってくださいっ!」ドンッ
みほ「きゃっ!?ななな何!?///」ビクッ
みほ(こ、これって沙織さんが前に言ってた”壁ドン”ってやつじゃ……で、でもこんな外でいきなりなんて……///)グルグル
バシャーッ!
みほ「あ」
梓「大丈夫ですか!?水、かかりませんでした?」
みほ「わ、私はちょっとしか……でも澤さんが……」
梓「あー……ずぶぬれになっちゃいましたね」ポタポタ…
みほ「ど、どうしよ!大変!えっとえっと……タオルは……」ゴソゴソ
梓「あはは、平気です。それより隊長が濡れなくて良かったです♪」ニコッ
みほ「さ、澤さん……///」キュンッ
──アウトレットモール──
桂利奈「でも協力って何すんのー?」
あゆみ「これはアレだね。戦略大作戦だね」
あや「島田さんの注意をボコフェアに引きつけて、梓たちに近づけないようにする?」
優季「何か最初と目的が違ってきちゃったけど~、いいの?」
あゆみ「あはは……これも梓のためだから」
愛里寿「あっ、これ……やりたい!」
アズミ「バレンタインスペシャル・ボコられグマ体験コース?」
ルミ「わかりました隊長!」
メグミ「何を体験するのかは分からないけど……後、バレンタインと何の関係があるのかも分からないけど」
スタッフのお姉さん「ではお連れの方はこちらのボコ着ぐるみに入ってください」
ルミ「えっ、私たちが着ぐるみ着る方なの?」
アズミ「この年でこんなことするとは思わなかったわね」ゴソゴソ
メグミ「狭い、暑い……うぐ」
あや「あれっ、私も入るんですか?うっちょっと、キツイ……」ゴソゴソ
スタッフのお姉さん「では制限時間は10分になりまーす。お好きな武器を取って、どうぞ!」
愛里寿「私は……この巨大ハンマーにする。みんなも選んで」チャキッ
あゆみ「えっ何このイベント」
優季「なるほど~、ここにあるバールのようなモノであや(が入ったボコ)を攻撃すればいいんだね~?」スチャッ
あや「なるほどじゃないよ、何でちゅうちょなく攻撃態勢に入ってんの優季ちゃん!」ガビン
愛里寿「……」ジリジリ
メグミ「ちょっと待って隊長!あの、あまりにも突然過ぎて心の準備が!」
愛里寿「逃げるな刃向うな三人とも。ボコは逃げたりしない。ボコられてもボコられても立ち上がってくる、それがボコだから」
ルミ「た、隊長が指揮官モードに……」
アズミ「あっでも、幼い声でなじられながら蹂躙されるというのもこれはこれでいいかも……♪///」ゾクゾク
桂利奈「よっしゃーっ!やったるでーっ!」ブンブン
あや「桂利奈ちゃんも何でそんなノリノリなわけ!?」
あゆみ「しかたないよ、これも梓のためだもん……我慢してよあや」ジャキンッ
あゆみ「今度こそ……やっと撃てる」ボソ
あや「さっき撃てなかったのがそんなに不満だったの?」
紗希「……」ギラーン
あや「包丁構えて無言で迫ってこないで紗希ちゃん!目が怖すぎるよ!」ビクーッ!
ドカンボカン チュドーン! ザクッ
ミミミ+あや「ひっ……ひぃっ……ぎゃぁぁぁーっ!!」
スタッフのお姉さん「あ、武器はおもちゃだし着ぐるみの中には特殊カーボン貼ってあるので、ご心配なく」
◇◇◇
梓「……っくしゅん!」
みほ「澤さん……寒いよね、ホントにごめんね?」
梓「いえあのっ、私が勝手にしたことなんでっくしゅん!」ブルブル
みほ(そんなこと言っても、唇が真っ青になっちゃってる……えっとえっと、少しでもあっためてあげないと!)
ギュウウッ
梓「ひゃあっ!?たた隊長?///」
みほ「あの、こうしてくっついてれば、少しでも温かくなるかと思って……!」
梓「そんなぁ、隊長まで濡れちゃいますよぉ……///」プルプル
みほ(澤さん、まだ震えてる……これじゃダメだ)
みほ(今日は1日中澤さんに助けてもらってばっかりだったけど、こんな時ぐらい年上の私がしっかりしなくちゃ)
みほ(どこか、暖まれて服を乾かせるところは……学園艦は遠いし……)
みほ「あっ!あのホテルに入ろ、澤さん!」
梓「え、こんなところにホテルなんてありまし……たっけ……」
【バレンタイン特別割引実施中!
ご休憩 2時間 2140円(5:00~24:00)
ご宿泊 ~
延長 ~】
梓「ぶふッッ!?」
みほ「休憩だけできるホテルなんてあるんだね。でもシャワー浴びて服乾かすだけなら十分そうだし、割引中みたいだからちょうど良かった」ニコ
梓「いやいやいや全然全然ちょうど良くないです!あの、ちょっ……高校生がこういうとこに入るのはいけないと思います!///」
みほ「何でいけないの?」キョトン
梓「う……何でっていうかですね……」
梓(もしかして西住隊長、ずっと女子校だったからそういうの知らないのかな……?)
みほ「とにかく、このままじゃ風邪ひいちゃうよ?早く早く」グイグイ
梓「待っ、やっ……だ、ダメですってば……!///」
──ラブホテル 室内──
みほ「澤さん、早くシャワー浴びちゃって?私、ドライヤーで服乾かしてるから」
梓「は、はい……///」
梓(け、結局中に入っちゃった……///)
梓(よりによって隊長と今日、こんなとこに入る展開になるなんて……予想もしてなかったよ///)
梓(普通、こういうとこに入るときって……)
◇◇◇
みほ「ちょっと休憩していこっか、梓?」
梓「もう、みほさんたら……いつも全然休憩にならないじゃないですか」
みほ「ふふっ……嫌なの?」
梓「そ、そんなことは……ないですけど……///」
みほ「いつになってもウブな梓も可愛い」クイッ
梓「あっ、ダメですよみほさん、キスは中に入ってからにして……んっ///」
◇◇◇
梓(みたいな感じだって想像してたのに……///)
みほ「あの、澤さん?」
梓「は、はいっすみません!すぐに入り……あれ?」
みほ「どうかしたの?」
梓「いえ、あの……着替えるとこからシャワールームまでその、全部ガラス張り(※ルームタイプによって異なります)で……こ、これじゃ丸見えに……///」カァァ
みほ「え!?あ、あうう……な、何でこんな構造に……?///」
みほ「あ、えっと……私後ろ向いてるから!絶対覗いたりしませんから///」
梓「は、はい……すみません///」
──ボコ体験コース終了後──
ルミ「し、死ぬかと思った……」ゼェゼェ
メグミ「そう?私はその……途中から、結構良かったけど……///」
アズミ「う、うん……隊長に罵倒されながらボコられるの……クセになりそう///」
ルミ「あんたたち……一皮剥けたわね、悪い意味で」
あや「くっ!あれだけやられたのに今回はメガネ割れなかった……!」ギリッ
優季「あやは、何に悔しがってるのぉ?」
愛里寿「みんな、ありがとう……今日は楽しかった」
桂利奈「もう帰っちゃうんですかー?」
愛里寿「うん、門限あるし……帰るの時間かかるから」
愛里寿「西住さんと会えなかったのは……ちょっと残念だったけど」
あゆみ(う……なんかちょっと罪悪感が)
あゆみ「えっと、大丈夫ですよ!きっとまた機会があると思います。先輩にも伝えておきますし、それに……」
愛里寿「それに?」
優季「島田さんには仲良しの友達がもうたくさんいるじゃないですか~」
ミミミ「……」ジトーッ
あや「ていうか、ただ話してるだけでめっちゃ警戒されてるね……どんだけ過保護なのあの人たち」
愛里寿「うん……私年下なのに、みんな指揮に従ってくれて……普段も一緒に遊んでくれて……とっても大事な、その……///」
愛里寿「仲間というか、友達、かな……///」カァァ
ルミ「本当ですか隊長!」ババッ
桂利奈「うわっ!?聞いてたんですか?」ビクーッ
メグミ「今、私たちのこと……と、友達って……ただの部下じゃなくて……嬉しいっ……」グスッ
愛里寿「えっ……あの、泣かなくても」
アズミ「もう、隊長が愛しすぎる♡ほっぺスリスリしちゃいますけどいいですよね!?」スリスリ
愛里寿「わっ、ちょっと……///」
ルミ「アズミそのまま目線こっちに!写真撮って永久保存するから!」カシャカシャ!
愛里寿「あ、あの……///」
メグミ「うわぁぁん、嬉しいよぉぉ~!」ダバーッ
愛里寿「さ、三人とも、恥ずかし……やめ……///」
ギュウギュウ カシャカシャ ダバダバ
愛里寿「やめ、やめなさ……やめろッ!」カッ!
ミミミ「ひぃっ!?」ビクーッ
愛里寿「少しは自重しろッ!」ギン
ミミミ「す、すみませんでしたッ、イエスマム!」ピシーッ
あや「ある意味別の方向に危険だから気を許しすぎない方がいいよって警告しようかと思ったけど」
あゆみ「その必要はなさそうだね」
桂利奈「じゃあ、私たちも帰ろっか♪」
優季「あれぇ、そもそも何しに来たんだっけ~?私たち」
紗希「……」ボーッ
◇◇◇
みほ「澤さん、服着てみて、どう?」
梓「あ、はい。まだちょっとだけしっとりしてますけど、帰るのは問題なさそうです」
みほ「なら良かった」ニコ
みほ「ところで私、さっきから気になってたことがあるんだけど……」
梓「はい?」
みほ「このスイッチって何かな?」ポチ
ウィンウィンウィン ブーンッ
梓「っ!?」
みほ「わっすごい、ベッドが振動した……マッサージ機能とか、そういうのかな?」
梓「や、あの、たぶんですけど、医療的な用途じゃないと思います……///」
みほ「後ね、天井に鏡がついてるんだけど、なんか寝るとき落ち着かなそうだね」
梓「それは、そもそも寝ることが主目的じゃないので……///」
みほ「衣装を貸し出してるっていうからメニュー見てみたんだけど、大洗の制服もあるんだね?後黒森峰とか聖グロリアーナとかも……」
梓「こ、コスプレっ!?」ガビーンッ!
梓(そ、それは知りたくなかったなぁ……ていうか、報告したりした方がいいのかな……もちろん匿名で)
みほ「?……まあ、服が乾いてるならいいかな。えっと、それじゃあ昨日言ってたことについてなんだけど」
梓「あ、はい!」ピシッ
みほ「お話っていうのはね、今度3年生が卒業して、副隊長が不在になるでしょ?だから次の副隊長を、澤さんにやってもらえないかって」
梓(やっぱりそのことだったんだ……)
みほ「澤さんは初心者だったのに、すごく頑張ってくれて……ウサギさんチームのみんなもまとめてくれて、とっても頼りになるようになったし」
みほ「戦車道のことも熱心に勉強してくれてるでしょ?3年生の皆さんとも相談して、ぜひお願いしたいなってことになったの。どうかな?」
梓(……)
梓「その、ことなんですけど……実は、私……」
みほ「?」
梓「あの、ごめんなさいっ……私、本当は、純粋な気持ちで戦車道を頑張ってたわけじゃないんですっ……」
梓「西住隊長、練習試合の時逃げ出しちゃった私たちを怒らないで、優しくしてくれて……逆にそれがすごく申し訳なくって……」
梓「プラウダ戦のときとか、すごく苦しいときでも私たちを励ましてくれて、とっても頼もしくって、そんな隊長のこと、ずっと憧れてて」
梓「川で動けなくなっちゃったとき、本当は心細かったんですけど、でもでも絶対に隊長の足を引っ張りたくないから、置いてってくださいって言ったのに、助けに来てくれて」
梓「その時の隊長が、すごくカッコよくて……その姿見たら、もう、私……」
みほ「澤さん……?」
梓「す、好きになっちゃったんですっ!隊長のこと……」
みほ「ふ……ふぇぇっ?///」カァッ
梓「だから私、そんな資格、ないんです……」
梓「こんな不純な動機で、隊長に少しでも近づきたいって、ほめられたいって思ってただけの私に、隊長を支える立場になる、資格なんて……」
梓「ごめんなさい……気持ち悪いって、思いますよね……」グスッ…
みほ「……」スッ
ギュウッ…
梓「た……隊長?」
みほ「それで、あんなに頑張ってくれてたんだ?」
梓「あのっ、ええと……す、すみません……///」
みほ「何で謝るの?私、すっごく嬉しかったよ?」
梓「え……」
みほ「私だって、戦車道頑張ろうと思ったのは、大好きな大洗のみんなと一緒にこれからも居たいって思ったからだよ?」
みほ「でも、それが不純だなんて思わないな」
みほ「それに、私なんかのこと、好きって言ってくれるなんて、とっても嬉しいし♡」ニコ
梓「た、隊長……西住隊長っ……」ギュウウッ
みほ「えへへ……勇気出して言ってくれて、ありがとう」ナデナデ
梓「好きです……ずっと好きだったんですっ……私年下で、まだまだ全然ダメダメですけど……それでももし、良かったら」
梓「わわ私と、お付き合いしてくださいっっ!///」
梓(い、言っちゃった……ついに言っちゃったよ……///)ドキドキ
みほ「うん、こちらこそ。今日は頼りないとこばっかり見せちゃったけど……私も頑張るから、これからよろしくね?」ニコッ
梓(うわぁぁぁ……う、う、ウソみたい……聞き間違えじゃ、ないよね?)
梓「と、年下でも、ホントにいいんですかっ……?」グスッ
みほ「もう、澤さんってしっかりしてるのに、意外に泣き虫だよね」ナデナデ
みほ「というか、何で年を気にするの?」
梓「いや、あの……隊長は年上の人が好きなのかって思ってました」
みほ「え、別にそんなことないけど」キョトン
梓「ホントですか!?」
梓(や、やったぁ!今日一番嬉しい!ごめんなさい3年生の皆さん!隊長は年上別に好きじゃないそうですっ!)ガッツポーズ
みほ「……変な澤さん」クスッ
梓「あ、あの……わがままついで、なんですけど。その……下の名前で、呼んでもらっても……いいですか?///」
みほ「もちろんいいよ?ええと……梓ちゃん?梓さんの方がいいかな」
梓「よ、呼び捨てで!呼び捨てでお願いします!」
みほ「う、うん。えっと……じゃあ、梓?///」
梓「はいっ!あの……み、みほさん……///」
みほ梓「……///」
みほ「け、結構照れるね……そのうち慣れるのかな?」
梓「私はその……すごく嬉しいです……///」
梓(たいちょ……みほさんに呼び捨てにしてもらえるとか、すごくすごく特別な感じだよ……///)
梓「あっ!私チョコ作ってきたんです!みほさんの好きな、マカロンのやつ……全部武部先輩に教わってですけど」
みほ「本当?今年初めてのバレンタインチョコだぁ……あ、私も用意しておけばよかったね、ごめんね」
梓「いいんです!みほさんに食べてもらえたら、私はそれだけで……」ゴソゴソ
梓「あっ……」
みほ「わわ、びしょびしょになっちゃってる……」
梓「そんなぁ……中まで……」グスン
梓「ごめんなさい、また作り直してきますから!」
みほ「ううん、大丈夫」ヒョイッ パクッ
梓「あっ、ダ、ダメですそんな、湿気ちゃってるし……!」
みほ「そんなことないよ、美味しいよ?」ニコッ
みほ「梓が一生懸命作ってくれた最初のプレゼントだもん。全部私が食べちゃうんだから。いいよね?」クス
梓「みほさんっ……は、はいっ……つまらないものですけど、どうぞ……///」
みほ「それ、なんか堅苦しくないかなぁ」
梓「す、すいません……」
クスクス…
梓(みほさんは、ちょっと湿気ちゃったマカロンを、本当に美味しいって全部食べてくれて)
梓(私はもう、その笑顔だけでお腹いっぱいになっちゃった……///)
──外──
梓「みほさんはそこで待っててくださいね……」キョロキョロ
みほ「あの、何でそんなに周囲を警戒してるの?」
梓「こ、こんなとこ誰かに見られたら大変なことになっちゃうというか……詳しいことはまた今度説明しますから!」
「ちょっとあんたたちぃー!こんなところで何してるのっ!」
梓「ひぃっ!?ち、違うんですっ誤解です!」ビクーッ!
カエサル「ま、待て……これはただ、ちょっと中を見学していただけだ……”来た、見た、帰った”だ!」
そど子「意味がわかんないわよ!」
梓「あれ……私たちじゃ、ない……?」
カルパッチョ「そうそう、たかちゃんと将来のために見学してただけでーす♪」
パゾ美「髪の毛しっとりさせつつ腕組みながら言っても説得力ないと思うけど」
そど子「もうとっくに内偵は済んでて証拠は挙がってるんだからね……大体このクーポン券とポイントカードは何?もうちょっとで無料券ゲットのとこまで来てるじゃないの!」
ゴモヨ「大洗の風紀が乱れまくってるね……後アンツィオも……」
カエサル「くっ……ルビコンを渡ってしまったのが仇になったかっ……」
カルパッチョ「私はたかちゃんとだったら火の中でも水の中でも渡っちゃう覚悟だけど♪」
カエサル「ひ、ひなちゃん……///」
カルパッチョ「たかちゃん……♡」
そど子「あんたたちねぇぇ……いい加減にしなさいよ!もう連行よ連行っ!」
パゾ美ゴモヨ「了解っ」ガシッ
カエサル「うわぁぁぁ、ローマ法廷での正式な審理を要求するぅぅ……」
ドナドナー…
梓「うわぁ……」
みほ「そど子さんたち、何してるのかな?あの……」
梓「こ、声かけちゃダメですっ!」
みほ「な、何で?」
梓「いえ、あの……何というか……こんなところで知り合いに会うとか、気まずすぎますから……///」
梓「そど子さんたちの注意が逸れてる間に、脱出しましょう!」
パタパタ…
「……」
カシャーッカシャーッカシャーッ…
王大河「たか×ひなのスキャンダルを追ってたら……と、とんでもない特ダネが飛び込んできちゃった……!」
王大河「早速帰って編集作業しないと……!」
──翌朝、学園艦校門──
王大河「号外!号外でーすっ!」
【学園を救った英雄と次世代を担うホープ、まさかの白昼堂々の密会!バレンタインラブホテルデートを本誌記者が追った!】
ヒソヒソ
ウソーッ!
ニシズミサントサワサンガ?
キャーッ♡
梓「あ……あ……うぁぁぁぁ……///」プルプル
あゆみ「梓、あんた……///」
優季「その日のうちにラブホ行っちゃうとかぁ……///」
あや「いくらなんでも展開早すぎない……?///」
紗希「……///」
梓「違うの!これは誤解なの!お願いだからそんなドン引きした目で見ないで……」シクシク
桂利奈「ラブホテルってなにー?」
沙織「みぽりん……こ、これって……///」
麻子「さすがに予想外のニュースだ」
華「あ、アクティブ過ぎて私もまだまだ見習えそうにありません……///」
優花里「」
みほ「あ、あの……何で新聞沙汰になっちゃってるのかな……ら、ラブホテルって……?」
まこはなさお(あ、知らなかったんだ……)
麻子「つまりだな、簡単に説明すると……」
ゴニョゴニョゴニョ…
みほ「え、えっ……ふぇぇぇぇーっ!?///」グルグル
ピンポンパンポーン
『あー、西住みほと澤梓、直ちに生徒会室に出頭しろ』
『あと3年の木村貴子さんもね』
みほ「わわわっ、呼び出されちゃった……!」
梓「と、とにかく行きましょう、みほさん!」
バタバタ
梓「あの……私、ちゃんと説明します!根も葉もない話なんだって分かってもらえれば、きっと大丈夫ですから!」
みほ「根も葉もない話……かな?」
梓「えっ?」
みほ「私、昨日のホテル面白かったし、また行ってみたいな」
梓「ええええっ!?」
ギュッ
みほ「まだ私たちには早いかもだけど……いつか、ね?」クスッ
梓(私と手を繋ぎながらにっこりと笑ったみほさんは)
梓(今までのどんな想像の中のみほさんよりも、格好よくって、可愛くて……)
梓(私は、この人を……ただ支えるだけじゃなくて……)
梓(いつか、一緒に肩を並べて、歩いていけるようになりたいなと思ったんです)
梓(大洗女子学園戦車隊、次期副隊長澤梓!これからもっともっと頑張りますっ♪)
・終わりです
・読んでくれた方がいたらありがとうございました
・1レス抜けてた
・>>34と>>35の間の分です
みほ「梓!」
ウサギ(……”梓”?)
梓「みほさん……ど、どうしましょう、大変なことに……」
あんこう(……”みほさん”?)
みほ「ごめんね、私全然その、そういう場所だって、知らなくって……///」
梓「わ、私こそちゃんと説明できなくてすみません……後で言おうと思ってたんですけど……」
・カエサルの名字も学年も間違えるとは……ちょっと最後急いでたせいでミスった……
・あ、レスありがとうございます
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