シンデレラ・ガールズ・ラブ (140)
タイトル通りの内容です。
アイドルの口調や言動に違和感があるかも知れませんがご了承下さい。
全体的に低クオリティかつ短いです。
それでも良いという方はお暇つぶしにどうぞ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370616327
・ラッキークローバー
ほたる→智絵里
あなたと出会ったあの日。
『……は、初めましてっ。わたし、緒方智絵里っていいますっ』
いつものように事務所の隅にいた私に、あなたは優しく声をかけてくれた。
『……ほたるちゃんって呼んでいいですか?』
最初はぎこちなく。
『え、えっと……わたしのことは名前でいいですよ? ……そ、そうですか……』
ゆっくりと時間をかけて。
『あ、アドバイスですか? リラックスして……は当然ですよね、えへへ……』
そしていつの間にか。
『一緒のお仕事、初めてですね!』
私にとって、あなたは大切な存在になっていた。
『い、今、名前で呼んでくれましたよねっ。……嬉しい』
あなたの笑顔が眩しくて。
『あ……あった……。あったよほたるちゃん! ほら、四つ葉のクローバー!』
ずっと素直になれなかったけど。
『ほたるちゃんも、これでもっと幸せになれるよっ』
この気持ちは、伝えたい。
『私? 私はもう十分幸せだから……。ほたるちゃんにお裾分けっ!』
智絵里さん、私はあなたのことが──
「また、一緒に来ようね?」
「……智絵里さん」
「……ほたるちゃん?」
「あなたのことが──」
「──大好き、です」
・星華、月に舞う
アナスタシア→のあ
星が、綺麗な夜でした。
『……こんばんは、アナスタシア』
アナタに唐突に呼び出され、山を登り、その頂上で、星を見た。
『ここは私のお気に入りの場所……。知ってるのは私と貴女だけよ』
思えば私は、その時からアナタに惹かれていたのでしょう。
『一緒に? ……別に構わないわ』
アナタを誘い、共に星を見る夜を、何度も過ごした。
『今日も星が綺麗ね』
……のあさん、知っていましたか?
『……貴女という、地上の星も』
私が星ではなく、アナタを見ていたことを。
『……貴女の実家に? そうね……いいわよ』
アナタは私を星だと言った。でも本当に星だったのは、アナタだった。
『……流石に少し、寒いわね。……あら、上着? いいのかしら?』
アナタに引き寄せられ、その魅力に引き込まれた。抗えない力に、私は飲み込まれた。
『……面白いご両親ね。貴女にとても、似ているわ』
飲み込んだことに、アナタが気付かなくてもいい。
『……今日は、私を呼んでくれてありがとう』
ただもっと、もっと……。
『素直な私も、偶には良いでしょう?』
アナタの、側にいたい。
「……満月、とても神秘的だわ」
「……のあ、さん」
「……どうかした?」
「……──」
「──Луна увиденная совместно с вы очень прекрасные. 」
とりあえずはこの2つで終わりです。
夜のテンションで書きました。
今のところ
晴→光
文香→琴歌
蘭子→沙紀
の構想はあるので明日の夜あたりに投下します。
他に見たい組み合わせがありましたらどうぞお書き下さい。
全ては拾えませんが書けそうなのは書きます。
(低クオリティは覚悟して下さい)
夜に投下しようと思いましたが、書けたので投下します。
リクエストの方は了解しました。
こちらの3つが出来たら、書き始めます。
・オレのヒーロー
晴→光
初めて会ったのは、昼下がりの公園。
『初めましてだな、結城晴! アタシの名前は南条光! 気軽に光と呼んでくれ!』
その日は一緒にサッカーをした。自分で考えたのか、技っぽいのを叫びながらボールを蹴るその姿に、オレは思わず笑った。
『くっ、お前今アタシのこと笑ったなぁ? ……やってみると楽しいんだぞ?』
その言葉に釣られ、2人で技を叫び合ったのも今となっては良い思い出だ。
『晴はカッコイイアイドルになりたいのか……。アタシと似ているな』
その日から、光とはよく話す仲になった。光はヒーローみたいなアイドル、オレはカッコイイアイドル。類は友を呼ぶってやつだったのかもな。
『誰だっ!? ……なんだ晴か。これか? 特訓だよ特訓! ヒーローは陰で努力するんだ!』
何度も何度も練習してる姿を見た。
『せ、正義の味方は忙しいぜ……! どうした、晴?』
練習で疲れていないはずがないのに、光はいつだって元気と笑顔を周りに与える存在であり続けた。
『心配するな、正義の味方は挫けない! アタシはまだ戦える!』
そんな光を、オレはカッコイイと思ったんだ。
『晴、おめでとう! 初の仕事だからって緊張するなよ?』
光の言葉が、何よりオレの支えになった。
『衣装カッコイイな。……スカート? ……晴も案外乙女だな』
光、アンタはオレのヒーローなんだ。
『カッコイイライブだったな! 感動したぞ!』
アンタみたいなカッコイイ奴になることに、オレは憧れたんだ。
『最近凄いじゃないか。でも無理はするなよ?』
でも、今はもうそれだけじゃ足りない。
『こんなに早く共演するなんてな……。よし、晴! アタシに付いて来い!』
背中を追いかけるだけじゃ駄目なんだ。
『最近一緒の仕事が多いな。……アタシと晴でユニット? ……うん、そうだな。とりあえず──』
だから待ってろ。
『──何にだって、勝てる気がするよ』
いつか絶対、光の隣に立つから。
「……凄い歓声だな」
「……緊張してんのか、光?」
「まさか。晴こそどうなんだ?」
「馬鹿言え。んなわけあるか」
「それでこそアタシの相棒だ」
「……よし、そろそろ行くか。……なぁ、光」
「背中、任せたぜ」
・大切なコト
文香→琴歌
レッスンが終わり、女子寮に帰ろうとした私の耳に、あなたの声が聞こえた。
『はじめまして、文香さん。ちょっとお時間よろしいですか?』
栞作りが私の趣味だということを、誰かから聞いたのでしょう。用件は押し花の栞の作り方でした。
『それは本当ですかっ!』
材料と道具があること、押し花を渡してくれれば作ってこれるということ。それらを伝えた時のあなたの顔を、私は未だに覚えています。
『よろしければ文香さんのお部屋にお邪魔したいのですが……』
その日、私の部屋に初めて私以外のアイドルが来ました。この時はあなたと、琴歌さんとこんなに接することになるなんて思いもしませんでした。
『それでは文香さん、また明日』
お礼と称して一緒に食事にも行きました。
『好きなものを頼んで良いですよ。今日は私が奢りますから』
読書もよくするということを聞いて、オススメの本を教え合ったりもしましたね。
『私のオススメの本です。どうぞ読んでみて下さい』
琴歌さんから貰った本、バッグにいつも入ってます。
『……変わりましたね、文香さん』
私が変われたのも。
『私の目を、見てくれるようになりました』
前を向くことが出来るようになったのも。
『そういえば、今度のライブでは文香さんのソロがあると聞きました』
全部、琴歌さんのおかげ。
『必ず、見に行きますね』
だからこれからも──
「前祝いにお食事でもどうですか? 文香さんが好きそうなお店を見つけたんです」
「……琴歌さん」
「はい、何でしょう?」
「私のこと──」
「──ずっと、見てていただけますか?」
・色彩の宴
蘭子→沙紀
キッカケは一枚の写真。その写真に写された絵を見た私は、すぐさまその絵を描いた人のもとに走った。
『おー、蘭子ちゃん。そんなに急いでどうしたんっすか? ヘ? アタシに用事?』
沙紀さんは、最初は渋りました。絵の系統が全然違うからあんまり意味がないと。
『アタシが教えられるのは基礎くらいっすよ? それも本を買えば済むレベルっす』
それでも構わないと私は答えた。私が知りたかったのは絵を上手く書くコツではなく、自分を表現するコツだったから。
『……分かったっすよ。そこまで頼まれたら断れないっす』
そして最後は沙紀さんが折れた。それを聞いてはしゃぐ私を見て微笑み、最後にこう付け加えた。
『ただし! やるからには本気でやってもらうっすよ!』
大きく返事をする。この日から、私と沙紀さんの時間が始まったんだと思います。
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白菊ほたる(13)
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緒方智絵里(16)
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アナスタシア(15)
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高峯のあ(24)
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結城晴(12)
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南条光(14)
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鷺沢文香(19)
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西園寺琴歌(17)
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神崎蘭子(14)
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吉岡沙紀(17)
『アタシが教えることはもうないっすね』
その言葉が胸に刺さる。
『……そんな悲しい顔しないで欲しいっす。それにまだ最後の宿題があるっすよ?』
分かっていたことだけど、どうしても悲しかった。
『お題は無しっす! 蘭子ちゃんが好きなのを描くっすよ!』
でもそれ以上に。
『自分の心に正直になって描くっすよ。蘭子ちゃんなら描けるって──』
沙紀さんの期待に応えたいと。
『──アタシ、信じてるっす』
私の心が言っていた。
「……良い絵っすね」
「……ありがとうございます」
「一応、聞くっすよ? 何で……この絵を描いたんっすか?」
「好きなのを描けって言われました。だから──」
「──沙紀さんの絵を、描いたんです」
・今はまだ、26歳の母と25歳の娘
美優→楓
最初の印象は私と似てる人。
『……高垣楓です。えっと、あの……お互い、頑張りましょう……』
自己紹介を聞いて、私と同じく人付き合いが苦手な人なんだと思い、親近感が湧いた。
『……美優さんは、今日は何をするんですか?』
でも、今思えば楓さんは私との距離を測りかねてただけなんだと思います。
『美優さん、寝癖立ってますよ……?』
レッスンやお仕事を通して、あるいは休日を一緒に過ごしたりして、楓さんと触れ合う時間が積み重なる。
『ふふっ、美優さん。今夜飲みに行きませんか?』
そうして見えてくる、楓さんの全体像。
『このお酒は避けられない……ふふっ』
……こんな人だとは思ってませんでした。
『仕事ってわーくわくしますね、美優さん』
寡黙なイメージとは違って、とても子供っぽい。
『美優さんには私の心……見えてますか?』
それでいて時折見せる一面は、ひどく大人っぽい。
『お仕事、頑張ってきますね』
それなりの時間を一緒に過ごしたけれど、楓さんという人間は未だに掴みきれない。
『美優さんは今夜遅いんですか?』
掴みきれないから、振り回される。それだけなら問題無い。
『じゃあ今夜は一緒に飲みましょう。美優さんの部屋で良いですか?』
一番問題なのは──
『ふふっ。美優さんの部屋で飲むのは久しぶりですね……。楽しみです』
──この関係を更に深くしたいと、私が思ってしまっていること。
『こんばんは、美優さん。日本酒、持ってきました』
子供を世話する母親の感覚というのは、もしかしたらこのことなのかもしれないと私は思う。
『今夜は寝かせませんよ? ふふっ』
母と子の関係。それもいい。
『……どうやら私、酔っちゃったみたいです。……あの、美優さん』
それもいいけど、私が望むのは……それ以上の関係、なんだろう。
『ちょっと膝……貸してもらえますか?』
今だって、答えなんて分からないけれど。
「……楓さん? ……寝ちゃいましたか?」
「…………すぅー……すぅー……」
「……こんな時じゃないと言えないから、言いますね」
「…………すぅー」
「今も……これからも……」
「大好きですよ、楓さん」
今夜の投下はここまでです。
もう一つのリクエストは明日投下します。
言い忘れてましたがリクエストは何時でも受け付けてます。
すでに登場したアイドルと組み合わせても構いません。
ただ、アイドルの組み合わせ自体を逆にした場合は、最後のセリフを受けての反応を言われたアイドル視点で書くことになります。
http://i.imgur.com/mkyNxr5.jpg
http://i.imgur.com/uGmxgCs.jpg
三船美優(26)
http://i.imgur.com/8mK22FD.jpg
http://i.imgur.com/q9D24WY.jpg
高垣楓(26)
紗南と加蓮でよろっす
寝ボケながらリクエスト出してたら26歳児になってら、修正
http://i.imgur.com/ldST6Ur.jpg
http://i.imgur.com/ODQkNzt.jpg
高垣楓(25)
朝起きたらリクエストが増えててびっくりです。
智香→ほたる
聖→巴
愛海→乃々
卯月→幸子
紗南→加蓮
あやめ→仁美
桃華→千枝
ですね。分かりました。
矢印が無かったリクエストは書いてた順で表記していますがよろしいでしょうか?
どちらでも良いというのであれば逆にして書きたい組み合わせがあるので、答えてくれるとありがたいです。
それと、リクエストは10個溜まったら一度締め切ります。
あと3個です。
リクエストが10個溜まったので一旦締め切ります。
クラリス→木場
仁奈→智香
涼→小梅
了解しました。
それと許可頂いたので
幸子→卯月
で書きます。
10個とも骨組みは出来ましたが、投下完了は数日かかりそうです。
低クオリティのくせに遅筆で本当に申し訳ないのですが、お待ちしていただけるとありがたいです。
とりあえず今夜の9時頃にできたやつを投下します。
・送りたい心からのエール
智香→ほたる
初めてほたるちゃんを見たのは、夕方の事務所。
『は、初めまして……白菊ほたるです。……こ、この鏡ですか? えっと、その……、え……笑顔の練習です……』
ほたるちゃんは恥ずかしそうだったけど、アタシはそうは思わなかった。努力することは、決して笑われるようなことじゃないから。
『……く、暗いアイドルって思われたくなくて、どうしたらいいか分からなくて……、でも、せめて笑顔でいようって決めたんです』
そう言ってほたるちゃんは笑った。ぎこちなさはあったけど、とても暖かい笑みだった。
『私の笑顔……どうですか?』
それを見て、アタシはほたるちゃんのことを無性に応援したくなったんだ。
『ほ、褒めてもらえるなんて……』
だってアタシは。
『とても……嬉しいです……』
がんばる人の姿を見るのが、大好きだから。
『と、智香さんっ、応援ありがとうございましたっ』
ほたるちゃんの初めてのライブ。成功したのはアタシが応援してくれたからだと言われた。
『あ、あの……出来ればなんですけど、……また、応援してもらえますか?』
その言葉が嬉しくて、時間に余裕があれば何度も応援に行った。
『お、お願いしますっ!』
ほたるちゃんが生き生きとステージで踊る。
『今日のダンス、どうでしたか……?』
ほたるちゃんが伸び伸びとステージで歌う。
『……私、こんなにたくさんのファンの皆さんの前で歌ったんですね……』
そんなほたるちゃんを見られるのは嬉しかったけど、何より嬉しかったのは。
『き、今日は私が応援します! せいいっぱい頑張りますっ!』
ほたるちゃんが、アタシを応援してくれたこと。
『と、智香さん。一緒にがんばりましょうねっ』
それからしばらくして、プロデューサーのアイディアでアタシとほたるちゃんはユニットを組んだ。
『今日は三つも入ってますね……』
メインのお仕事は、他のアイドルグループのライブの途中で、ファンと一緒に参加アイドルの皆にエールを送ること。
『でも、智香さんと一緒なら大丈夫ですよね……?』
最初は乱入気味なものだったけど、最近では正式に呼ばれることが多くなった。
『こんな私でも、いろんな人に元気を与えられるなんて、思いもしませんでした』
がんばる人の姿をより見られて嬉しい。……けど、それと同時に、アタシの中である想いも大きくなっていく。
『智香さんの、おかげです』
駄目だよね。こんなこと思っちゃうなんて。
『これからも、よろしくお願いしますっ!』
アタシだけを、応援して欲しいなんて。
「智香さん、私先に準備してきますね?」
「……うん、分かった」
「……あの、智香さん?」
「……どうかした?」
「いえ、何となくいつもの元気が無いなーって……」
「あー……考え事してたんだ。でも、もう大丈夫」
「大丈夫、だから」
・願う一時
聖→巴
私の声を、もっと届けたいと思った。でも、今の私の歌ではそれが叶わないことだと分かった。
『……ん、聖か。どうしたんじゃ?』
だからいろんな歌を、学ぶことにした。いろんな歌を学べば、それだけ私を表現する術が増えるから。
『演歌か……。いや、構わんが、うちは厳しいけぇついてこれるか考えとった』
そう考えて、一番最初は巴から演歌を学ぼうと迷わず決めた。理由は……そう。
『……そこまで言われちゃ仕方ないのぅ』
巴のライブを見て、アイドルという枠に捕らわれることなく自分を表現するその姿に。
『聖が本気なんは伝わったけぇ。いっちょやったるかの!』
強く、強く。
『なぁーに、心配はいらん。聖は大船に乗ったつもりでおったらええ!』
憧れたから。
『分かっとったが筋がいいのぅ……。よし、そろそろ休憩じゃ』
巴は優しく教えてくれた。レッスンが終わった後に付きっきり。巴だって疲れてるはずなのに、そんなところは一切見せなかった。
『……なんじゃ、将棋知らんか?』
休憩と称して将棋を打ったりもした。ルールを覚えるのは簡単だったけど、巴には一度も勝てなかった。
『聖はあれじゃ、全部真っ直ぐなんじゃな』
一度も勝てなかったけど、不思議と嫌じゃなかった。
『……そこがまたええんじゃがな』
だって演歌の練習よりずっと。
『……な、なんじゃ、そがー目は! こ、こっち見るな!』
巴の近くにいれるから。
「ん……そいはうちが前に教えたやつじゃな」
「……どこか……間違えてました?」
「いんや、そんなことないけぇ」
昼下がりの事務所。
口ずさんだ演歌は最初の頃より大分上手くなったと思う。
それはつまり、巴から教わる時間の終わりが、刻々と迫って来てるということ。
「それにしてもあれじゃな。聖は一向に将棋が上手くならんな」
「失望……した……?」
「張り合いがないと思っただけじゃ……そうじゃな」
それがとても悲しい。
……悲しいけど、仕方のないことだから。
それ以上に、この時間を楽しもうと思う。
私が真っ直ぐに巴と向き合うこと。
「うちが負けたら聖の言うコト何でも一つ叶える。こいならやる気出るじゃろ?」
「……うん」
「…………頑張ってみる」
巴だって望んでるはずだから。
本日の投下終了です。
投下してから気付きましたが、聖と巴の話が全部『?から』で切れてました。稚拙な文で申し訳ないです。
方言もなるべくがんばりましたが、ところどころおかしいかもしれません。重ねて申し訳ないです。
明日の夜も投下します。
少しでも皆さんに伝わるよう文章力向上の努力を致しますので、どうか今しばらくお付き合い下さい。
http://i.imgur.com/f1QMEDC.jpg
http://i.imgur.com/NndlODh.jpg
若林智香(17)
http://i.imgur.com/Tn5ll7r.jpg
http://i.imgur.com/9yDkHWe.jpg
望月聖(13)
http://i.imgur.com/wMKCcw2.jpg
http://i.imgur.com/1G5jMSK.jpg
村上巴(13)
好評のようで何よりです。
パッションの子は一度悩んだら思い詰めるんじゃないかなー、って思った結果ああなりました。
終わり方がアレですが、プロットではちゃんとハッピーエンドです。
これは今まで書いたアイドル全員共通で、失恋エンドは一つも無いですし、これからもそうなると思います。
今夜の投下は9時頃からです。
所用があったため一つしか投下出来ませんが、リクエスト分は最低でも金曜日までに投下し終わるつもりです。
半分投下し終わったらまたリクエスト取るつもりなので、一度リクエストした方も一度もしてない方もどうぞお書き下さい。
・師匠の誤算
愛海→乃々
あの日あの時、流石のあたしもやってしまったと思った。
『あの、も、森久保乃々ですけど……実はもうアイド──ひぁっ!?』
新しく事務所に来たアイドルの自己紹介の途中、あたしはついついいつものノリで揉んでしまったのだ。
『うう……もうむーりぃー……』
バスト的にはあたしと同じだった……いや、今はそのことは置いといて。乃々ちゃんの視線は、完全にあたしを敵視していた。……それだけならまだよかったのに。
『ひっ、やだっ……近寄らないで……』
目に宿る恐怖の色。自業自得だけど凹んだ。そして心から謝りたいと思った。
『か、帰りますから……』
でも、物事っていうのはそう簡単には行かなかった。謝ろうとして近付けば離れられ。
『こ、この仕事キャンセルしたいんですけど……』
一緒の仕事はキャンセルされ、近付く機会さえ与えられない。あまりにも露骨で心が折れそうになったけど、あたしは諦めなかった。
『あ、愛海さん……』
夕暮れの事務所。扉を開けた乃々ちゃんと目が合った瞬間、あたしは反射的に頭を下げていた。
『……もう、大丈夫ですから。また明日……』
長い沈黙の後、その言葉と共に扉が閉まる音がした。もう許してもらえないかもしれないと思って、涙が出た。……でも、その翌朝。
『お、おはようございます……愛海、さん……』
昨日と違った意味で、泣きそうになった。
『愛海ちゃん、聞いて欲しいんですけど……』
それから少しずつ、乃々ちゃんと仲良くなることが出来た。一緒に買い物に行ったり、一緒にレッスンを受けたりと、地道な努力のおかげだった。
『アイドルなんてむーりぃー……』
そしてこうやっていつもの愚痴を聞いていた時、ふと気付いた。
『愛海ちゃんも一緒に抗議しよ……?』
気付いて、腑に落ちる。
むしろ今まで気付かなかったことに疑問を抱いてしまうくらいだ。
『もりくぼは良い案だと思いますけど……』
…………あたし。
『聞いてるんですけど……』
乃々ちゃんのこと、好きだわ。
「こんな衣装……似合わないんですけど……」
「そんなことないって。似合ってるよっ」
本日は次のお仕事の衣装合わせ。
先日、恋心を自覚したあたしだけど、特に接し方を変えようとは思わなかった。
まぁ一度嫌われてるし、今のところ良好な関係を築けてるのに、わざわざ壊すような真似をする必要もないだろうと思ってのことだ。
もちろんいつかは伝えるつもりだけど。
「もりくぼは無茶だと思うんですけど……」
「思わず揉みたくなるくらいかわいいって言ってるじゃないですかー」
「いや、言ってないですけど……」
でも、それを焦る必要もない。
今はこのくらいの関係で、冗談を言えるくらいの関係で、あたしは十分満足だ。
そう結論付けて、いつもの冗談をかます。
乃々ちゃんの反応も分かってる。
『やっぱりアイドルとかむーりぃー……』
そう返されて、あたしはまた笑うのだ。
「あ、じゃあ揉んでいい?」
「……別にいいですけど」
「冗談だっ───」
「────へ?」
本日の投下終了です。
ここから森久保が攻勢に転じますが、あくまで愛海→乃々なので割愛。
明日も同じ頃に投下します。
表現が分かりにくかったり疑問に思ったところなどがありましたらどうぞご質問下さい。明日投下する前に答えます。
http://i.imgur.com/U05xoqI.jpg
http://i.imgur.com/MyHGHby.jpg
森久保乃々(14)
http://i.imgur.com/UHTVnTa.jpg
http://i.imgur.com/Wn7jQnP.jpg
棟方愛海(14)
本日8時頃より投下開始します。
続きが見たい組み合わせが有りましたらリクエストにお書き下さい。
ちゃんと全員分続きは考えておりますので。
・惚れた弱み
幸子→卯月
ボクはカワイイ。
これは紛れもない事実で、絶対不変の真理であることは間違い無い。
だけどボク自身は、非常に遺憾なことに、完璧というわけではない。
否定されればちょっぴり、ほーーーんのちょっぴりだけ傷付く。
……だから。
『幸子ちゃんは本当にカワイイですね!』
肯定してくれる卯月さんの存在は、とても嬉しかった。
ボクくらいのアイドルになると、声だけで相手がどう思ってるのかが分かる。
だから心のこもってない上辺だけの言葉を聞くのは苦痛だった。
……でも卯月さんは違った。
言葉と心が一致している稀有な人。
卯月さんの賞賛は本物で、だからこそボクの心に響いた。
『本当に天使みたいでしたよ、幸子ちゃん!』
それが心地良くて、何度も話しかける。
返される言葉が嬉しくて。
ボクを肯定してくれるのが嬉しくて。
気付けばあなたは、ボクになくてはならない存在になっていた。
……それは確かに、そうなんですけど。
「幸子ちゃん、具合でも悪いんですか?」
「……いえ、気にしないで下さい」
正直に言います。
こんなに手強いとは思いませんでした。
卯月さんから好意を向けられるよう、最大限の努力をしましたが……結果は。
『お買い物ですか? いいですよ! せっかくなので皆で行きましょう!』
『おいしーい! 事務所の皆にも持って行きますね!』
『皆で遊びに来ました! 幸子ちゃんのお家、大きいですね!』
……惨敗。
実は嫌われてるんじゃないかと疑うくらい、卯月さんは鈍感でした。
これもう漫画の主人公並みです。
無個性、無個性と世間は言ってますが、そんなことはない。一歩間違えば『たらし』ですよ!
そんなことを思っていると、不意に卯月さんがボクを見た。
「そういえば幸子ちゃん、この前テレビで幸子ちゃんが出ている番組見ましたっ」
「へ、へぇ……。ど、どうでしたか? まぁ答えは分かってるんですけどね!」
「いつもと同じでとてもカワイイ幸子ちゃんでした!」
…………ズルい。
これだから、嫌いになんてなれないのだ。
どれだけ想いが届かなくても、卯月さんのことは好きなまま。
惚れた弱みというやつなんでしょうね。
「えっと幸子ちゃん? 何で私の方をずっと見てるの?」
「……卯月さんはそのままでいて下さい」
「よく分からないけど頑張りますっ!」
いつだって自分に正直で、言葉で飾らない素敵な人。
そしてそんな人を好きになったボク。
後悔なんて、微塵もない。
……覚悟して下さいね?
振り向かせるまで、諦めませんから!
本日の投下終了です。
またまた1つですみません。
明日こそ2つ投下したいと思います。
明日は投下終了後にリクエスト取ります。
○時に一番近いレス
という形で取りますのでぜひご参加ください。
http://i.imgur.com/ewAzJCb.jpg
http://i.imgur.com/Wjlh9Py.jpg
輿水幸子(14)
http://i.imgur.com/b8wXpEf.jpg
http://i.imgur.com/qGnlHW5.jpg
島村卯月(17)
本日8時頃より
紗南→加蓮
あやめ→仁美
の2本を投下開始します。
リクエストは10時頃を予定しています。
・この心をセーブして
紗南→加蓮
「ごめんね紗南ちゃん、わざわざお家まで来てもらっちゃって……」
「気にしなくていいよ! これ、事務所の皆から!」
「皆心配し過ぎだよ……」
加蓮ねぇが体調を崩した。
最近調子が良かったということもあって、事務所の皆が心配したんだけど、ただの夏風邪ということで皆ほっとした。
それでもやっぱり不安だということで、丁度仕事がなかったあたしがお見舞いに来たんだけど……。
「ほら、移しちゃうと紗南ちゃんも困るでしょ?」
加蓮ねぇはあたしが部屋にいることを良しとしなかった。
移されたら家で寝ながらゲーム出来るなー、と思ったのはゲーマーとして当然だと思う。不謹慎だけど。
「うー、……分かった。じゃあせめて……」
このまま帰るのも味気ないし、加蓮ねぇの部屋にはゲームが見当たらなかったから、暇しないように何とかしてあげようと思ったんだ。
「これ貸すよ。ずっと寝てるのも暇でしょ?」
「……確かにそうだけど、いいの?」
「いいよいいよ、まだ三台くらいあるし。充電器も一応置いてくね」
思えばこれが、ゲームでいうフラグだったんだと思う。
「それじゃバイバーイ!」
「事務所の皆によろしくねー」
「えっと、説明書無いからよく分かんないな……あ、点いた」
「モンスターを仲間にして冒険するんだ……この子にしよ。可愛いし」
「勝てない……レベル上げればいいのかな?」
「き、消えた!? もしかして電池切れ!? じ、充電器は………………こまめにセーブしといて良かったぁ……」
「もうこんな時間……。ご飯食べてお風呂入って、今日はもう寝よ……」
「寝る前にちょっとだけ……」
加蓮ねぇが事務所に復帰したのは、お見舞いに行った日の二日後だった。
「おはよ、紗南ちゃん」
「おはよー、風邪もう平気────な、何その隈っ!?」
「大丈夫、昨日はちゃんと寝たから」
話を聞くに、あたしが帰った後にゲームをやり続けて、その日は完徹。クリアするまでやり続けた結果、寝たのは昨日の夜八時頃だったらしい。
……そりゃ隈も出来るよ。
今日はレッスンだけらしいので、不幸中の幸いかなって思ったんだけど……。
「ねぇ紗南ちゃん。これって続編があるって聞いたんだけど……」
どこで選択肢を間違っちゃったのかな……?
そう思いつつも、あたしはバッグからソフトを取り出す。
「か、借りていいかな?」
「どーぞどーぞ。早く返す必要ないから、ゆっくりやってよ?」
「あはは……気を付けるね……」
結局、加蓮ねぇはそのソフトも二日で終わらせ、あたしはまた続編を貸した。
積ゲー状態になってたからあたしがまだやってない作品だったけど、迷わず貸した。
最初にやる楽しみが減るのはちょっと嫌だったけど、加蓮ねぇが喜ぶ姿を見るのは楽しかったし。
「協力プレイ?」
「そう! あたしと一緒にやろーよ!」
ゲーム仲間が増えることが、嬉しかったから。
「あたしの部屋へようこそ!」
「うわぁ……ゲームがいっぱい……」
加蓮ねぇと明日の休日が重なったので、あたしの部屋でゲームをすることになった。
あたしの部屋に所狭しと並べられたゲームを手に取って見る加蓮ねぇを見て、昨日の内に片付けといて良かったと心の底から思う。
いつものあたしの部屋は、目も当てられない有り様だからね!
「じゃ、早速始めよっか!」
パッケージの裏を眺める加蓮ねぇにそう声をかけて、コントローラーを手に取る。
「私はこっち?」
肩が触れ合うくらいの距離に、加蓮ねぇが座る。
──────とくん。
「………………ん?」
一瞬、あたしの心臓が跳ねた。
何故かは、分からない。
「まずは何やる?」
「……え、ああ! まずはこれ!」
「対戦ゲームかぁ……。紗南ちゃんから借りたやつと同じだね」
「こ、コントローラーでやるとまた違うんだよ」
誤魔化すように、ゲームを進める。
それでもやっぱり心臓は跳ねて。
ゲームに集中出来なくて。
「か、勝っちゃった……」
「ま、負けた……? も、もう一回! 次は負けないから!」
その日あたしは、何度も加蓮ねぇに負けるのだった。
紗南→加蓮終了。
あやめ→仁美投下開始します。
http://i.imgur.com/0FL2x8V.jpg
http://i.imgur.com/1QB6KRE.jpg
三好紗南(14)
http://i.imgur.com/BSBbMRD.jpg
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北条加蓮(16)
・センゴク☆ラブ
あやめ→仁美
『やあやあ遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ! アタシの名前は丹羽仁美! この世界でてっぺん獲るんでよろしくぅっ!』
新しいアイドルの自己紹介。
この言葉を聞いたわたくしは、いてもたってもいられず、自己紹介が終わった直後に突撃致しました。
『わたくし浜口あやめと申します! 丹羽殿の先程の名乗り、感服いたしました!』
わたくしを見た仁美殿は一度目を丸くし、次いでニヤリと笑いました。
その笑みに、胸の奥が大きな熱に包まれたことを、わたくしは今でも覚えております。
『その出で立ち、忍の者か! いいね、アンタとは上手くやれそうな気がするよ!』
『ははっ、有り難きお言葉!』
『一緒にてっぺん獲っちゃおうよ!』
『このあやめ、丹羽殿にどこまでもついて行きます!』
差し出された手を強く握る。
頭を抱えるプロデューサーを尻目に、わたくしの心はとても満たされていきました。
それが何なのか、当時のわたくしには分かりませんでした。
同じ話題を共有出来る仲間が出来た喜びというのはもちろんありました。
でもそれ以上に、説明しがたい何かが心に芽生え、握った手の熱を通してそれが成長するのを、わたくしは感じていたのです。
『ついて行く、じゃダメダメ! あくまで対等なんだから、並び立つんだよ!』
今思えばこの出会いは『運命』だったのでしょう。
『だからアタシのことは名前で呼んでよ。アタシも名前で呼ぶからさ!』
『は、……はいっ! 承知しました!』
仁美殿に恋心を抱くことも、この時既に決まっていたことなのだと……わたくしは思います。
『あやめっち! ほら見て、アタシにも仕事来た!』
『おめでとうございます!』
初の仕事が決まったお祝いに、二人で買い物に行きましたね。
お祝いとして仁美殿に贈ったストラップ。
今でも使ってくれていること、わたくしは知っております。
『はぁ、負けた…………でも凹まないよ! 恥じて死すより生きて汚名を雪がんって感じで頑張るよっ!』
『仁美殿…………』
ライブバトルでの初めての黒星。
気丈に振る舞う仁美殿の姿に、わたくしの胸は強く締め付けられました。
『ちょ、ちょっとあやめっち!?』
『も、申し訳ございません…………。嬉しくて、つい…………』
仁美殿とユニットを組むことが決まったのを聞いた時、わたくしは思わず泣いてしまいました。
同時に、仁美殿の存在がわたくしの中でどれだけのものになってしまっているのかも、知ってしまいました。
「いやー、買ったねー……。慶次タオルも買えたし大満足!」
「……仁美殿は本当に慶次殿がお好きなのですね」
「マイフェイバリット武将だからね! 何たって────」
いつものように武将グッズを買い歩いた後の帰り道。
仁美殿はそう言って、前田慶次殿の魅力を語り出す。
何度も聞いたことのある話ですが、魅力を力強く語る仁美殿の姿が素敵なので飽きません。
そして語ること数分の後。
不意に、仁美殿はこう切り出しました。
「ちなみにマイフェイバリットアイドルは浜口あやめね!」
不意打ちに、体が固まりました。
「あれ? あやめっち?」
「は、ははっ! 有り難きお言葉!」
遅れて出たのはそんな言葉。
素直に気持ちを表現出来ないのは情けないと思いますが、これで良いのだとわたくしは思います。
仁美殿の側にいられるだけで、わたくしは本望ですから。
「返しが遅いよ!」
「申し訳ございません……」
笑いながら仁美殿はそう言い、わたくしの前を行く。
ただせめてこれくらいは……と、わたくしは。
その背中に、心の中で言葉を届けるのです。
いつもお慕い申し上げております、と。
本日の投下終了です。
紗南は年上で大人っぽい人をさん付け、年上で大人っぽくない人をねぇさん呼びしてるイメージがあったので加蓮ねぇと呼んでいます。
イメージと合ってなかったらすみません。
ちなみに仁美はあやめの前を歩きながら
()
途中送信失礼しました。
仁美は頭の中で
(これもダメかー……。あやめっちは難攻不落だなー……)
なんて思っています。
本日の投下はもう有りませんが、予告通りリクエストは取ります。
今夜10時に一番近いレスでお願いします。
→が書いていない場合は、こちらで勝手に処理しますのでお忘れないように。
麗奈→イヴ了解しました。
明日も同じようにリクエスト取って、金曜日は多めに取ります。
それと遅ればせながら画像支援してくれた方、ありがとうございました。
それではまた明日。
http://i.imgur.com/KFmpksv.jpg
http://i.imgur.com/uZ0QHDZ.jpg
丹羽仁美(18)
http://i.imgur.com/21YmoLL.jpg
http://i.imgur.com/8VoTBoW.jpg
浜口あやめ(15)
本日の投下は9時頃からです。
桃華→千枝
をお送りします。
初期リクエストの残りは金曜日に投下します。
今日のリクエストも10時を予定していますので、ぜひご参加下さい。
ついでの文字テスト
♪
?
波線が表示されないみたいですね……。
イヴの口調が若干変化するかもしれませんが、ご了承下さい。
「?」
?
?
?
?
テスト
いろいろ試してみましたが駄目っぽいですね……。
ご協力ありがとうございました。
極力違和感が無くなるよう頑張ってみます。
が、駄目………!
試してみましたが駄目でした。
とりあえずこの件は保留しておきます。
・枝に咲く桃の花
桃華→千枝
いつものように紅茶を一口。
次いで正面の彼女を見る。
わたくしと同じく椅子に座っている彼女は、両手で持った一枚のクッキーを、まるでリスのようにカリカリと食べていた。
見ていてとても暖かい気持ちになる光景。
心地よさに身を任せて彼女を見続ける。
そんなわたくしの視線に気付いたのか、クッキーを食べ終えた彼女は小首を傾げた。
「桃華ちゃんは食べないの?」
「そんなわけありませんわ」
────千枝ちゃんが作ってきてくれたクッキーですもの。
その言葉は飲み込んで、クッキーへと手を伸ばす。
ところどころが焦げていて大きさも不揃いな、千枝ちゃんの手作りクッキー。
わたくしがいつも食べているクッキーと比べると、ひどく見劣りすることは否めない。
だけどどちらを食べたいかと問われれば、迷わずこちらを選ぶだろう。
「今日のはどうかな?」
「……とても、美味しいですわね」
「本当っ!? 良かったぁ…………」
わたくしの言葉で、満面の笑顔が咲く。
その眩い姿に、微笑みを返す。
そうしてまたわたくしは、クッキーを一口齧るのでした。
出会ったのはアイドルとして事務所に来た初日。
自己紹介を終えた後、千枝ちゃんはわたくしのもとにやってきました。
『あ、あのっ、これからいっしょに頑張りましょうね!』
一歳差とはいえ年上であったわたくしは、千枝ちゃんの良き先輩であろうと努力しました。
『桃華ちゃんはオトナっぽくて……凄く、憧れちゃいます…………』
仕事やレッスンを率先してこなし、気付いた点や気を付けるべき点をアドバイスする。
そうしている内に自然と一緒の時間が増え、わたくしと千枝ちゃんが仲良くなるまで、時間はそれほどかかりませんでした。
『千枝も桃華ちゃんに負けないくらい頑張りますっ!』
わたくしにとっての千枝ちゃんは、まるで妹のような存在だったのだと思います。
あの日を、迎えるまでは。
『紅葉、キレイですね…………』
水色の布地に様々な花を散りばめた着物。
両手に集めた紅葉は、不思議なコントラストを醸し出していて、そんな千枝ちゃんの姿に、わたくしは知らず知らずの内に息を飲んでいました。
…………それからというもの。
『ん……もしかして千枝、寝てましたか?』
千枝ちゃんの何気ない仕草に。
『桃華ちゃんっ、クッキー作ってきてみました!』
千枝ちゃんの何気ない行動に。
『桃華ちゃんといっしょだと頑張れますっ!』
千枝ちゃんの何気ない言葉に。
わたくしの胸の鼓動は速まるばかり。
『桃華ちゃん?』
『これが……そうなんですわね……』
そうしてわたくしは、千枝ちゃんへの恋心を自覚したのでした。
「この後、どうしよっか?」
「そう思ってこの前のライブの映像を貰ってきましたの」
「……もしかして桃華ちゃんと一緒のアレ?」
頷きを返した途端、千枝ちゃんの頬が赤くなり、もじもじし始める。
理由は知っているのだけれど、そんな千枝ちゃんが可愛くて、わたくしはついつい知らないフリをする。
「ア、アレは今度にしよ?」
「どうしてですの?」
「いつもより子供っぽかったし……」
「そんなの、気にする必要はありませんわ」
大人っぽい千枝ちゃんも。
子供っぽい千枝ちゃんも。
わたくしの好きな千枝ちゃんに変わりない。
そんな思いを込めて、わたくしは言葉を紡ぐ。
「千枝ちゃんは千枝ちゃんですから」
「も、桃華ちゃんがそう言ってくれるなら…………いいよ」
上目遣いにドキリと胸が鳴り、顔が熱くなる。
そんな照れを隠すように紅茶を一口。
先程よりも、甘い気がした。
本日の投下終了です。
ロリ組は微笑ましいシチュエーションが似合うと思いました。
私の文章力では上手く表現出来ませんが。
本日もリクエスト取ります。
昨日と同じで夜10時に一番近いレスでお願いします。
早耶→フレデリカ了解しました。
それではまた明日。
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櫻井桃華(12)
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佐々木千枝(11)
本日の投下、用事があるので10時頃からになると思われます。
投下終了後、最後のリクエストを取りますのでぜひご参加下さい。
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