【ゆるゆり】櫻子「昔話を読んであげよう!」 (47)


(花子の部屋)


花子「うー、カゼ引いたし・・・」グズグズ・・・

櫻子「ちゃんと寝てなきゃダメじゃん花子」

花子「わっ!櫻子、いつの間に部屋入ったし。ノックぐらいしろし」



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櫻子「別にいいじゃん。ちょっと花子の様子が気になってさー。・・・それより」

櫻子「今日は花子が寝付くまで、昔話を読んであげよう!」本ペラ

花子「別にいらないし・・・。子供じゃあるまいし・・・」ゴロン

櫻子「まーまー、そんな事言わないでよ。・・・第一話、」

花子「いらないって言ってるのに始めてるし。もう、よけい熱あがるし・・・」






『腕ながばあさん』





「昔々」

「ある所に、腕を自由に伸ばしたり縮めたりできるおばあさんが住んでいました」



「おっ、ばあさんや。ちょっくら柿もぎ手伝ってくれんかのう」

「あいよ」ニョキニョキ・・・


「ばあさん。これを川向こうの権兵衛に届けてくれんか?」

「あいよ」ニョキニョキ・・・



「こんな感じで、おばあさんは村の皆にたいそう重宝がられていました」

「そんなおばあさんの楽しみは、」

「孫と遊ぶ事でした」



「ばぁば!あのカブトムシ捕まえてー」

「あいよー」ニョキニョキ・・・


「わあ、すごいでっかいカブトムシだぁ」

「うふふふ・・・」



「そんなある日の晩、孫がこんな事を言い出しました」



「ばぁば、あのお月様とってー」

「お月様かえ?ちと、難しいのぉ・・・。またカブトムシ取ってやるから」

「嫌だ嫌だ!お月様が欲しいんだい!」



「困り果てたおばあさんは、」

「月に向かって、目いっぱい腕を伸ばしました」



「よいしょ、よいしょ・・・」

「ばぁば、がんばれー」



「やがて、おばあさんの腕はとうとうお月様へと届き、」

「おばあさんはそれを一生懸命引っ張りはじめました」



「うんせ、うんせ・・・」

「ばぁば、しっかりー」



「しかし、いくら引っ張ってもお月様はびくともしません。」

「それどころか、逆におばあさんがお月様に向かって引っ張られていくではありませんか」



「あれあれ・・・」

「ばぁばー・・・?」



「あっという間に、おばあさんは夜空に吸い込まれるように消えていきました」

「残された孫は、ぽかーんと月を見上げるばかりです」



「ばぁば・・・」

「消えちゃった・・・」



「その時、おばあさんの声が辺りに響きました」

「寂しいよぉ・・・。寂しいよぉ・・・」

「そしてそれと同時に、夜空からスルスルと腕が伸びてくるではありませんか」



「わっ、わっ・・・!」

「来ないで、来ないで!」



「腕は、どこまでもニョキニョキと孫を追いかけ回し、」

「とうとう捕まえると、そのまま夜空の彼方に引っ張り上げていきました」



「わぁー・・・」




櫻子「・・・その後、腕ながばあさんとその孫を見たものはだぁれもいません」

櫻子「今でも、月夜の晩にはおばあさんが孫の友達を欲しがって、」

櫻子「月から腕をニョキニョキ伸ばして子供を捕まえにくる事があるそうです」


櫻子「めでたしめでたし」


花子「・・・ちっともめでたくないし。変な話」



櫻子「そう?けっこう面白いと思うんだけどなあ」

花子「なんか怖いし。せっかくならもっとマシな話しろし」

櫻子「じゃあ、この昔話ならどう?」本ペラ



櫻子『ターミネーター2』

花子「ちょっと櫻子!」



花子「そんな昔話、あるわけないし!」

櫻子「まぁまぁ、聞きなって。昔々・・・」

花子「人の話聞けし!」



「あるところに、T-800と呼ばれる戦闘ロボットと、その敵であるT-1000が・・・」


花子「用語がすでに昔話じゃないし!」



「T-800は未来から送られてきたロボットだったのです」


花子「昔話なのか未来の話なのかはっきりしろし」



「T-800は、ショットガンを構えるとT-1000に向かってBANG!BANG!と・・・」


花子「日本語よりむしろ英語が多くないし?」



「I’ll be back」


花子「・・・とうとう英語だけになったし」



「そうして、かわいそうなダイソンさんは・・・」


花子「・・・櫻子。本当にその本の中の話してるし?」



「T-800はガトリング銃を周囲に向かってズダダダ・・・」


花子「はぁ、もうバカバカしくて聞いてられないし・・・」ゴロン



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ーーー



櫻子「・・・こうしてT-1000を沈めた溶鉱炉に」

櫻子「未来を守るため、T-800も自らその体を沈めたのでした・・・」

櫻子「めでたし、めでたし」


花子「すぅ、すぅ・・・」


櫻子「・・・おや、花子は寝ちゃったか」






櫻子「・・・」




櫻子「それじゃあ、最後にとっておきの話を一つ」







『お話し妖怪』




「子供がカゼを引いたり、病気で寝込んだりした時に」




「お話しを聞かせに現れる妖怪がいます」







「その名も、お話し妖怪と言いました」




「お話し妖怪は、色々な話を語ります」







「昔話や、とてもバカバカしい話」




「さらには、怖い話まで」







「お話し妖怪は、子供が眠りこむまでお話をします」





「そして、いつしか眠り込んだ子供は・・・」







「子供は・・・」







「子供は」


















ガチャ
櫻子「花子?具合は大丈夫?」

花子「ん・・・?櫻子?」

櫻子「何だ。寝てたのか」



花子「寝てたって・・・見てたんじゃないし?」

櫻子「え?」

花子「え?」



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ーーー






「いつしか眠り込んだ子供は」






「目を覚ますと、不思議と元気を取り戻しているのです」






花子「・・・まあ、何だか熱が下がった気がするし」

櫻子「そう言えば顔色良くなったよ」

花子「寝たらだいぶラクになったし」

櫻子「良かったね、花子」

花子「その・・・。ありがとうだし」

櫻子「え?」

花子「な、何でもないし!」





「こうして、花子は元気になりました」



「・・・いつか、あなたやあなたの家族の元にも、もしかして」



「お話妖怪が、訪れるかも知れません・・・」



「・・・めでたし、めでたし」







終わり

読んでくれた方、ありがとうございました

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