女「何よそれ、楽しくもないのに笑えって？」

女「そんな酷い仕打ち、アンタは私にするの？」

男（あー、またやっちまった）

男「俺といて楽しくないか？」

女「楽しくない」ﾌﾟｲ

男「即答かよ！」

男「結構、へこむぞ…それ」ﾊｧ

女「なら、私を楽しませてみてよ」ｼﾞｯ

男「じゃあ、たい焼き買いに行くか」

女「はぁ？」

男「お前、たい焼き好きだろ」

女「好きだけど…私を楽しませるのに、たい焼きなの？」

男「あぁ、言い方が悪かった」

男「デートしよう」ｽｯ

女「うぅ………」

───
──
─

女「寒い…」

男「そんなに遠くないし少しの我慢だ」

女「そうだけど」ﾌﾞﾙ

男「…ほら、マフラー貸してやるよ」ｼｭﾙ

女「あっ、でもアンタだって寒いんでしょ！」ﾊﾟｻ

男「俺は平気だ」

女「……ありがと」

男「ん、ほら早く行こうぜ」ｽﾀｽﾀ

女「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」ｷｭｯ

男「おっ？」ｷｭｯ

女「………………//」ｶｧｧ

女（あったかい）

男「今日は雪が降りそうだな」

女「天気予報で前から降るって言ってたじゃない」

男「天気予報も外れることがあるだろ？」

女「外れて欲しかったの？」

男「明日の登校がしんどくなる」

女「休みになるかもしれないわよ」

男「雪降れー！！！」

女「現金な奴…」ﾊｧ

男「お前は学校行きたいのかよ」

女「私は……」ｷｭｯ

男「…やっぱ、嫌か？」

女「そうじゃない！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

女「私は、私はアンタが一緒なら…っ！」

男「…………」

女「っ……！早く行くわよ」ｸﾞｲｯ

───
──
─

男「よっ、おっちゃん」

爺「なんだい坊主、デートか？」ﾆｯ

男「まぁ、そんなとこだ」

女「………………」

男「たい焼き、えっと何個食う？」

女「10個」

男「食えんのか、お前…」

女「食べれるわよ」ﾌﾟｲ

男「はいはい、じゃあ12個で」

爺「あいよ！すぐ作るからちょっと待ってな」

爺「しかし、嬢ちゃん」

女「んっ？」

爺「相変わらず良い瞳してんね」

爺「俺は嬢ちゃんのその鋭い目付き好きだぜ？」ﾆｯ

女「………………」

男「おっちゃん、それ地雷だわ」

爺「地雷？はは、なんじゃそりゃ」

女「………………」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

男（こりゃ機嫌治るまで時間掛かるな）ﾊｧ

爺「ほら、出来たぜ」

爺「熱いから気をつけ──」ｽｯ

ﾌﾞﾝ！

爺「おっ…？？」

女「ふんっ！」ｽﾀｽﾀ

爺「何で怒ってんだ…？」

男「はは、まぁ気にしないでくれよ」

男「これ、お金」ｽｯ

爺「毎度あり！なぁ、坊主」

男「なんだい、おっちゃん？」

爺「あの嬢ちゃん、変わったなぁ」ﾆｯ

男「そうかな？」

爺「あぁ、坊主とここに来るようになってから変わったよ」

爺「坊主が嬢ちゃんを変えたんだ」

男「良い方に変わったかな」

爺「そりゃ、坊主が一番良く分かってんだろ？」

男「………そうだね」

───
──
─

女「んぐ…んぐ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

男「お前、ちゃんと手洗いしたか？」

女「………………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

男「まだ、怒ってんのか？」

女「ふんっ！！」

男「はぁ……… 」ﾅﾃﾞ

女「むぐっ？！」ｹﾎ

男「大丈夫か？」ﾅﾃﾞ

女「い、いきなり何すんのよ？！」

男「ふてくされんなよ」

女「別に、ふてくされてなんか…」

男「ふてくされてるよ、俺には分かる」

女「何で分かるのよ」

男「彼氏だからな」

女「意味わかんない…」

男「明日から学校だな」

女「嫌なこと言わないでよ」

男（やっぱり嫌なんだな）

男「俺が一緒にいてやるから」

女「はいはい、ありがとありがと」

男「………適当だな」