【フェイ東方】さとり「聖杯戦争ですか」【安価】 (41)

東方は紅魔館、妖々夢、永夜、地霊殿しかプレイした事なす
フェイトはアニメのみのにわか。何となくステイナイト辺りの雰囲気でやりたいけどキャラは東方のみで。
キャラ崩壊その他酷い感じもオッケーね、という方はどうぞ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454680968

さとり「おりん、おくー?」

さとり「こ、こいし?」

さとり「どこにもいない……ここにいるのは私だけでしょうか?」

ガィンッ,ギィンッ!!

さとり「……ん? 何やら外で物音が。おりんとおくうでしょうか」タタッ

>>5 戦ってるランサー
>>6 戦ってるアーチャー
>>7 アーチャーのマスター

大人チルノ

天子

八雲紫

天子分からないので再安価>>10
基本的に1の作品だけにしてください。
性格やボムがどうでもいいなら1以外でもオッケーです

アーチャー・・・岡崎教授
性格は>>1に任せるよ

大人チルノ(以下チルノ)「」ブンッ

チルノが岡崎に氷の槍を投擲する。

岡崎「クッ……!!」ギンッ

岡崎は背負っていた紅い十字架で何とかそれを捌く。

さとり(……あの人達は一体人の庭で何を……)

さとりが到着してから、長身のチルノがひたすらに岡崎を攻め続ける攻防が展開していた。

紫「大丈夫かしら、岡崎さん?」

岡崎「……問題ありません」

チルノ「はぁ……所詮は雑魚クラスのアーチャー。せっかくそちらの間合いで勝負してあげてるのに、一方的ね。氷符・アイシクルフォール」ズドドドッ

岡崎「……ッ! 正面ががら空きか……!? ⑨にして……!」ダッ

チルノ「」ブンッ

岡崎「ヅッ!」ギィンッ!!ササッ……

岡崎「助かった……八雲紫」

紫「援護は任せなさい。まぁ、もっとも、援護程度しか出来ないのだけれど」

チルノ「視覚的状況だけで判断し、飛び込む。まさに動物並の思考力ね」ブンッ

岡崎「くっ……!!」ギィンッ

さとり(……おかしい)

物陰に潜み、その様子を観察するさとり。

さとり(八雲紫さんと……誰だか分からない紅い娘。あのチルノさんに苦戦してる……?)

さとり(チルノさんは何故だか大きくなってる……そして圧倒的に強くなってる……何故でしょう? と言うか誰?)

さとり(まぁ最悪、そこはどうでもいいでしょう。だけど何故……)

さとり(私のサードアイが……私の心を読む程度の能力が殆ど発動しない……)

岡崎「ふぅ……誠に不本意だが、こちらもある程度全力で行かせて貰う事にするよ」(やっべー、いってー、ぶっころすー)

チルノ「どうぞご自由に。因みにその本気とやらは、後何段階残ってるの?」(わたしにはあとさんだんかいのへんしんがー)

さとり(多少は読めるけど……どうなってるの)

岡崎「」スチャッ

チルノ「……マント?」

岡崎「えぇ、マント……ただのマント」スッ

チルノ「ッ!! いつだ、いつの間に私の後ろに!!」ザッ

岡崎「マントを羽織ってる間によ」ブンッ

さとり(紅いマント羽織った紅い人……さっきまでとは別人のようにチルノさんを攻撃し始めましたね。あの紅い十字架は鈍器何でしょうか? それよりそろそろ止めて欲しい。私の庭でこんなことしないでほしいですね……)

型月作品はある程度やりましたが、pspやpsや文庫などの補完作品は知りません。
東方は1の作品と、後は二次創作系しか知りません。
何故書こうと思ったか? 久し振りに東方やって開始二分でピチュッて暇になったから。

チルノ「調子に乗らないで」ドンッ

紫「下がりなさい、岡崎」スッ

突如としてチルノの周囲に氷が漂い始めたのを見た紫は、攻撃の勢いを殺し損ねていた岡崎をスキマで回収する。

チルノ「私は最強なの。誰が見てるとか、見てないとか。そんなことどうでもいいの」キィイイイイッ

紫「あれは……まさか」(えー、こんな初っぱなからとかないわー)

チルノ「貴方達には最強の宝具で最強の攻撃を見せてあげるわ。大丈夫よ、痛みはないはずだから」(使ったことないけどなー)

さとり(あの紫さんの表情と、チルノさんの様子……こ、これは何だか不味そうですね。私が応戦しても良いんですが……サードアイや符がろくでもない今どこまでやれるか……逃げましょう)ガサッ

チルノ「………………ん?」(おー、だれかいるー?)

紫「……」(なんでひとがー?)

さとり「しまっ……」ダダダッ

チルノ「勝負はお預けといこうか、おばさんとメンヘラさん」

紫「待ちなさいチルノ、追いなさい岡崎」

岡崎「逃げるなオラーッ!!」

チルノ「パーフェクトフリーズ」ズドドドッ

さとり「追ってくる!!」ハァハァ

まだ秋。にも関わらず、さとりが吐き出した荒い息は白く凍結する。

チルノ「おかしいわね。聞いた話が間違ってたのかしら。それともイレギュラーなのかしら」スチャッ

さとり「あ……」

階段を駆け上がり、二階へ逃げ込み、角を曲がる。

そこには、いつもどこでも見掛ける愛らしい氷の妖精ではなく、まるで触れたモノを漏れ無く凍てつかせ破壊しそうな。

チルノ「知ってるわ。ここの、地霊殿の主でしょ? 確かこめいけさとり……」

さとり「…………古明地さとりです。貴方は氷の妖精、チルノさんですね? 何故私の屋敷で暴れ、私に槍を向けているのでしょうか?」

時間が止まってほしい。それが無理なら、せめて延びてほしい。さとりは心からそう願った。

チルノ「語る時間も、必要も無いわ。異変で起きたイレギュラーに何を言っても無駄だからね。深く考えようとするだけ無駄なの」

さとりは心を読んだ。読まなければ良かったと、後悔した。

チルノ「それじゃ」(さっさとしんでってねー)

ザクッ


これは、初めてのような、そうじゃないような……。

これは……そうか……死か……。

殺した相手。その死ぬ瞬間の心を読んだ事がある……。

もうそんな無意味な事は二度としないでおこうと……思ってしまうほどの……無力感、虚脱感。

ゆ……り「まだ……かろ……息が……」

……かざ……「……もう……無理……どうす……」

誰かが私を見てるのが分かる。

近いのか遠いのか、それは分からない。

寒いと言えば良いのか、熱いと言えば良いのか……多分、寒い。

何も考えられなくなる……。

ゆか……「こんな……為……令呪……」

お……ざき「正気……私は…………反対………………はぁ……好きに……」

…………令呪……?

何だろう……でも……どうでも……良いか……。

……。

おやすみなさい

天子も分からない訳ではなく、他人のプレイ動画で数回見たことはありますが、性格を出すほど知り得てはいないんです……


さとり「……」

さとり「生きてる?」

さとり(……胸の傷が無い……ということは夢……? いや、夢ならペット達が居ない理由が分からない)

さとり(いや……聞いたことがありますね。一回休み……そう、私が妖精になってしまったとすると、理由は付きます)

さとり(とにもかくにもこれは異変……異変と言えば博麗神社……博麗霊夢)

さとり「あまりそう頼りたくは有りませんが……ここにいてまた襲われたらたまったものではありません……行きましょう」


ー博麗神社ー

さとり「移動に関してはそこまで劣化している様子はありませんね」

さとり「博麗霊夢さん、いらっしゃいますか?」

さとり「……留守でしょうか……それとも……」

チルノ「霊夢はいないわ」

さとり「ッ!!」

チルノ「そしてイレギュラーたる貴方も、居なくなるのよ」

博麗神社、その境内にて、長い長い階段の始点もしくは終点に、氷の槍を構えるチルノが居た。

さとり(チルノさんの癖にサイコパスですか……彼女は私の知るチルノさんでは無いようですね……)

チルノ「足掻いても無駄よ。イレギュラーとは言え、能力の大半は制御、封印されているのだから」

さとり「何の事か分かりませんが、そうですかと素直にヤられる程、私は私を過小評価していませんよ」



さとり(非常に不味い、ですね……チルノさんの言う通り、私は戦えたものじゃありません。現にチルノさんの心を読もうとしても)

チルノ「往生際が悪いわね。そんなに痛め付けられたいのかしら?」(みんなー、ちるののあんさつきょうしつ、はじまるよー)

さとり(ろくな情報を引き出せない……何か……何か無いのでしょうか)

さとり「そういえばチルノさん、スペルカードはどうしたのでしょうか?」

チルノ「スペルカード? そんなもの無いわよ。名残で符名は言ってるけど、言わないで使用も出来るわ。こんな風に」

チルノが片手を前に出すと、左右に展開する氷の弾幕が発せられた。棒立ちだったさとりは咄嗟に身構えるも、凶氷がさとりを捉える事は無かった。

さとり「ッ!?」

チルノ「もちろん技の途中に技を複合することも、絶対に逃げ場のない攻撃を展開する事も出来る」

さとり(それは詰まり……な、なんてことでしょう)

チルノ「分かる? 私は、いいえ、私達は殺し合いをしてるのよ」

さとり「そんなことある筈がありません! 現に私は……!?」

チルノ「気付いたかしら?」

さとり「符を……唱えられない?」

チルノ「そういうこと……じゃ、悪いけど、いや、悪くないか? 死んで貰うわね」(ぱーふぇくとふりーず)

さとり(……!! なるほど)

チルノが飛ばした氷は、決して遅くはないものの、逃げに徹した場合に避けられないものではなかった。

第一弾と同時に、第二、第三と時間差と隙を埋める形で飛来してくる氷を?さとりは何とかチルノの手と疎かな思考を汲み取って避ける。

チルノ「へぇ、地霊殿の主ともあろうお方に覚えて頂いてたのね私は」(やっぱりわたしはさいっきょーね)

さとり「ペット達の長たるもの……万事に対応する為ですよ」

さとり(何とか回避出来た……だけど、そう長く、上手くいけるか? 何にせよ私も攻撃しないことには……幸い、腕力や脚力は無事……弾幕がないにしても力がゼロになってる訳ではない……)

チルノ「何とか攻撃を当てよう」

さとり「何とか……攻撃を……はっ!?」

チルノ「ふふふ……顔に書いてあるわよ。いつもいつも人を見透かした、実際に見透かしてた貴方とは思えないほどね」

さとり「……」

チルノ「なるほどね、長年、何十年と染み着いた癖は抜けないと言うわけね。なら、こうさせて貰うわ」ブンッ

さとり「……なっ……!!」ササッ

弾の軌道を予知され、ある程度思考が読まれる事を理解したチルノが取った行動は単純。

さとり(……一番困る展開ですね)

単純な、近接戦だった。

チルノ「なるほど、手の動きと筋肉の機微、踏み込みの位置と体の捻りを見てから、最後に心を読んで、攻撃を見切っているわね」ブンッブンッブブンッ

さとり「その通りです、貴方では私に当てられませんよ。」スッススッ

さとり(嘘です……)

チルノ「本当にそうかしら?」(うっそだー)ブンッ

さとり「あィッ!!」ブシュッ

単純な近接戦で、致命傷全ての攻撃を回避し続ける。そしていつ出されるかも分からないスペルに注意を傾けながら、フェイントも読みきる。

流石のさとりでも、そんな事は不可能だった。

さとり「……クッ」

チルノ「そお……れぇっ!」ブォンッ

さとり「あがッギっ!!」メキッ

チルノの大振りの横凪ぎ。それは見事にさとりの腕ごと左脇を捉えて吹っ飛ばされた。

何とかガードをしたが、少女の重心や軸、何より体重でその攻撃を耐えきれる訳もなく、さとりは大きな音を立てながら神社の納屋へ突っ込んだ。

チルノ「今ので死んだかしら?」

ー納屋ー

さとり(ぐ……痛い……本当に、殺しに来てますね……)

さとり(何とか……何とか攻撃……もしくは逃げたいところです……)

さとり「ぅ……うぅ…………ん?」

さとりは左腕を庇いながら納屋の中に何か有用なものがないか探し始めた。

そして探し始めてすぐに、それに至った。

さとり「なんでしょうか……魔法陣……? 見たことなければ……類似も見ない陣ですね」

納屋の中心に色濃く描かれた魔法陣。

さとり(スペルは使えませんが……これを発動させることは出来る……か?)

さとりは魔法陣の前にしゃがみこみ、その端線に手をそっと触れてみた。

すると、さとりが突っ込んできた壁の穴以外に光源のなかった納屋が光輝く。

まるで陽の下のように納屋は明かりに包まれる。

魔法陣から、柔らかな金色の輝きが溢れ出す。

さとり「な……!!」

輝きは徐々に失われていき、代わりに魔法陣から湯気のような煙のようなものが立ち上ぼり、周囲を隠した。

???「………………なるほど……」

>>31 出てきたセイバー

カービィ

さとり「貴女は……西行寺幽々子さん……?」

幽々子「こんにちは、怨霊も恐れ怯む少女さん」

幽々子「貴女が私のマスターね?」

さとり「マス……ター……? そ、それはつまり幽々子さんが私のペットになるというお話でしょうか?」

幽々子「いいえ、違うわ。いえ、それも良いかしら、ふふふ」

幽々子「でも、そういったお話はここを切り抜けてからにしましょうか」パキィッ

さとり「!?」

幽々子はさとりが空けた穴から入り込んだ氷の弾幕を、自信が操る黒い蝶で掻き消した。

そしてさとりと幽々子は次々に打ち出される氷の弾幕を回避しつつ、納屋から脱出する。

さとり「幽々子さんは能力が使えるんですね!」

幽々子「んー……正確に言うと否ね。元の力の大体は封じられてる……いえ、忘れてるのかしら? この死蝶を出す程度の能力しか残っていないわ」

さとり「なん……ですと……」

チルノ「……まさか、貴女もマスターだったとはね、こめいけさとり」

さとり「古明地です、わざとですか?」

幽々子とさとりの無事な姿を認めると、チルノは不快そうに眉をしかめた。

チルノ「でも会話を聞く限り、召喚には失敗したようね」キィイイイイッ

チルノの手の内ですぐに氷の槍が生成された。

幽々子「あれは……チルノちゃんかしら? 大きくなったわねぇ」

さとり「言ってる場合ですか! 早くここ場を切り抜けましょう!」

チルノを見てのほほんと笑みを浮かべる幽々子の手をさとりは掴み、何とか脱出を試みようと駆け出す。

チルノ「遅いわ。私から逃げたければせめて1光年程度の速さで動きなさい」ブンッ

さとり「くっ……!!」

迫り来る氷の槍は、焦ったさとりと幽々子を確実に捉えていた。

さとり(回避……間に合わ……)

絶望的な状況に、さとりは反射的に目を閉じた。

だが、このピンクの怨霊は違った。




幽々子「あらあら、美味しそう」ヒュオオッ




何かを吸い込むような音と、何かが弾けるような音。

チルノ「な、ん……だ……と……?」

幽々子「へぇ~こう使えば良いのね」

さとり「幽々子……さん?」

チルノの瞳には明らかな恐れの色が浮かび上がっていた。

人間誰しも、理解出来ない事態に直面すると恐れ、怯える。

それは妖精でも、妖怪でも、変わらない。それはさとりでも同じだった。

チルノ「お前……お前今、今何をした! その姿はなんだ!!」ブォォンッ

チルノは獣にも似た咆哮をあげ、双振りの槍を両手に幽々子へと突撃せする。

幽々子「貴女も満開にしてあげましょう」ギィンッ

さとり「その姿は……チルノさんの……?」

幽々子は、いつもの淡い水色のドレスから濃淡のある青と白のワンピースになり、両手にはチルノ同様に氷の長剣。

チルノ「お前……まさか……私の能力を……!!」

焦燥に駆られるチルノは猛攻を繰り返す。

よく考えると良かったのだ。能力が同じなだけ、焦る事はないと。

しかし焦りで大振りになった槍を、

幽々子「ふふ、大きくなっても変わらないわね。チルノちゃんは」キィンッ

剣で打ち上げられ、

幽々子「1厘咲きってところかな?」ヒュッ

チルノ「グッ……!!」バァンッ

幽々子が指先から放った漆黒の揚羽、反魂蝶がチルノに直撃した。

チルノ「ぐっ……がふっ……」カハッ

吹っ飛んだチルノは何とか五体満足ではあるが、満身創痍の様子だ。

ワンピースは局部の類いは隠せてはいるが、腹部を中心に引き裂かれ、腹部には大きな裂傷と出血が目立つ。

さとり「こ、殺してしまうんですか……? 幽々子さん」

幽々子「致命傷ではないのよ。私は貴女の指示に従うわ、マスター?」

さとり「私に……何故……?」

幽々子「そう、貴女は何も知らないのね。だから私もこんな能力に……」

さとり「っ……幽々子さんは今起こってる異変をーー」


チルノ「ふざけるなフザケルナ巫山戯るなァアアアアッ!!」


さとり「!?」

チルノは致命傷ではないものの明らかに重症。

さとりはそう理解していたし、それに間違いはなかった。

だが、チルノは立ち上がっていた。チルノは怒気を顔に滲ませ、さとりと幽々子に痰を発す。

チルノ「ぶっ……ハァ……お前達には私の最強であり最高の宝具をご馳走してやる!!」ポタタッ

腹部を左手で抑え、右手を二人に向けるチルノ。

腹部と口角から流れ落ちる血は熱を失せ、沸騰するような冷気に吹かれ、地面にコロコロと転げ落ちる。

周囲の大気も熱を奪われ、陽の光に輝く雪の結晶が無数に漂う。

さとり「ゆ、幽々子さん! あ、あれは不味そうですよ!! 逃げましょう!!」

幽々子「いいえ、マスター? これは遊びではないの。あの技が超速なのか、曲がるのか、追尾するのか、近接なのか弾幕なのか、何一つ情報がない」

幽々子「背を向けては駄目。受け止めてみるわ」

さとり「幽々子さん……ッ」

逃げようとしていたさとりは背後を見て、チルノを見て、そして幽々子の真っ直ぐ敵を見定める瞳を見て、理解した。

戦うしかない、と。

さとり「どんな技か分かりません。分かりませんが、出来るだけ多くをお伝えします」

幽々子「ふふ、頼りにさせてもらうわね」

チルノ「こそこそこそこそこそこそこそこそ、喋ってんじゃねぇ!」(ぶちぬいてやるぜー)

激情したチルノに聞こえないように、多分貫通系だと幽々子に耳打ちし、受け止めるよりは受け流すように進言する。

幽々子は氷の剣を両手に小さく頷いた。



チルノ「全てを破壊し保存し隠せ……エターナルフォースブリザード!!」



その瞬間、さとりの目には何も見えなかった。発動されたのか否かも、そう思考する暇さえもなかった。

その瞬間、幽々子の目には何も見えなかった。見えなかったから、さとりを力の限り突き飛ばした。

さとり「な……ッ!!」

ズォンッと空気中に衝撃が走った。理解する間も与えられずに、さとりは境内を転がり、賽銭箱に激突した。

チルノ「……ふふ」

チルノはまるで割れてしまいそうな凍結されていく空間の中で笑った。

チルノ「まさか…………初見で避けられるとはね」

幽々子「…………うっ……」 さとり「幽々子さん!!」

激突しても木の軋む音しかしなかった賽銭箱を支えに立ち上がったさとりは、あまりの光景にただただ幽々子の名前を叫ぶ事しか出来なかった。

結果すると、幽々子は生きていた。

だが、左肩から左肘までが目を逸らしたくなるほどに抉れていて、その部位を丸々凍結されていた。

さとり「こ、これが……たった一つの符術……?」

そしてチルノから直線上に、博霊神社の一部と納屋、それに見える限りの後方の山全てが真っ白に、一部の漏れも無く凍結していた。

幽々子「……1厘でも、当たると相当痛いのね」

チルノ「ふん……自爆して回避したわね。何も理解出来なかった筈なのに、そこまでするのかしら」スッ

顔をしかめる幽々子に対し、チルノは氷の槍を生成する。

さとりは技の威力に腰が引けながらも、走り寄り息絶え絶えの幽々子に肩を貸してチルノと相対した。

チルノ「…………チッ、やめよ、やめ」サァァ

さとり「な……一体どういうつもりですか?」

氷の槍を空気中に分解し、チルノは背中に携える六枚の氷の羽で宙に浮き上がった。

チルノ「別に、最強の私からするとお前達は今ここで倒す価値もないってことよ」

さとり「な……一方的に攻撃してきてそれはあんまりではないですか!?」

チルノ「なら今死にたいの? ……ふぅ、少しは頭を冷やして、長らえた命を喜びなさい。じゃあね」(かえろー)

言いたい事だけを言ったチルノはさとりの制止を無視して遥か彼方へと飛び去っていった。

さとり「……」

さとりは暫くチルノの飛び去った方角を注意するが、特に何も無さそうだ。本当に去ったんだろう、と考え、ほっと安堵を吐いた。

幽々子「お疲れ様ね、さとりさん」

さとり「いえ……幽々子さんこそその……大丈夫ですか?」

幽々子「別に大丈夫よ。そのうち治るわ」

痛々しく抉れた腕だが、不幸中の幸いか、直後に凍結された為、一刻を争うような傷では無いようだ。

さとり「……教えて下さい、幽々子さん。貴女は西行寺幽々子さんで、さっきのは氷の妖精チルノさん。私にはそう見えましたし、そう見えます」

さとり「でも……本当の本当はどうなんでしょうか?」

幽々子「ふふふ……まさか覚り妖怪に質問されて、答えを求められる日がくるなんてね」

さとり「……それも疑問の一つですね」

幽々子「分かったわ、質問には私に分かる範囲お答しましょう」

でと、と幽々子は区切り、氷の剣を大気中から生成する。

幽々子「また別のお客様のようよ。少し待っていてね、マスターさん」

さとり「え、ちょっ、ちょっと!」

幽々子は右手に長剣を握り、飛ぶよう落ちるように博霊神社の階段を降りていった。

取り残されたさとりは一瞬呆けつつも、すぐに頭を振り、ふらふらと階段へと向かっていった。

おやすみなさい

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