男「ズバリ、敗北が知りたいでしょう!!!!!!!」 (27)

ベースとなるのは「バキ 最凶死刑囚編」。
いろんなアニメのキャラが出てくる予定。
前半はほぼストーリーどおりです。


※はじめての投稿なので、不慣れなこともあると思いますがご了承願います。
 



【シンクロニシティ】

徳川「イヨ~、チャンピオンッッ」

小柄な老人の突然の来訪に、校長は吹き出る汗を止められないでいた。
それも当然の話であろう。
何を隠そうこの老人は日本を代表する財閥のトップであり、内閣総理大臣ですら彼の前ではその威厳を発揮することはかなわない。


刃牙「チャンピオンじゃねえだろ!どういうつもりだよジジイ!!」


そんな大物を前に、若干17歳の少年は特に緊張する様子も無い。
心臓が口から飛び出しそうな校長を室外へ追いやった徳川は、持参した包みから何やら直方体のものを取り出し、机の上に置いて見せた。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454501685


徳川「これがなんだかわかるか?バキ」
刃牙「ようかんじゃねぇよなぁ・・・」
徳川「ニトログリセリン。ひらたく言えば”爆薬”じゃ。」
刃牙「食わねえよこんなもん!」

突然来訪したかと思えば爆薬ときたもんだ。
その真意を図りかね、顔をしかめる刃牙を差し置き老人は話を進める。

徳川「今はこのような結晶化しているグリセリンじゃが、100年前までは熱しようが凍らせようがこいつは絶対に結晶化せぬ液体じゃった」


20世紀の初頭に、とある一隻の船がタルに入った液状のグリセリンを運搬していた。
しかし、僅かな振動すらも許されぬ航海を強いられたその船は、折しも記録的な台風に見舞われてしまう。
奇跡的に航海は成功するが、その真意を確認しようと船員たちは樽の蓋の開封を急いだ。

そこで彼らが見たもの―――

そう、今までに見たこともない結晶化したグリセリンがそこにあったのだ。
事態はそれには留まらず、その日を境に世界中のグリセリンが次々と結晶化を始めたと言われている・・・

徳川「シンクロニシティ」

徳川「一見無関係に思える物質や思想、生物が地球規模で同時同様の変化を起こす!!」

徳川「そのような現象を呼ぶ。」

二人の間に流れる空気は、徐々に重苦しさを増す。

徳川「ここ数日中にここ日本・・・、いや東京にどエラい連中が上陸する」

徳川「シンクロニシティ」

徳川「一見無関係に思える物質や思想、生物が地球規模で同時同様の変化を起こす!!」

徳川「そのような現象を呼ぶ。」

二人の間に流れる空気は、徐々に重苦しさを増す。

徳川「ここ数日中にここ日本・・・、いや東京にどエラい連中が上陸する」

【学級委員】

ブロンクス刑務所では、今まさに一人の凶悪な死刑囚の処刑が執行されようとしていた。

・全身を完全に拘束された状態であろうと死刑囚との接近距離は1mを堅持
・銃器類の安全装置は常時解除

まるで猛毒を持つ大型の猛獣を取り扱うかのような異例の措置である。
厳重な警備体制の中死刑囚の男は拘束されたまま死刑台の上に立たされ、絞首刑の準備は慎重かつ確実に遂行された。

神父「なにか言い残す言葉はあるかね!?」


最後の言葉をこの世に残す権利を与えられた男は、不敵な笑みを浮かべつつこう切り出した。

男「ズバリ、敗北が知りたいでしょう!!!!!!!」

今世紀最大の負け惜しみに憐みを抱く神父は胸の前で十字架を切り、それを合図に死刑執行官がレバーを引く・・・



起きてはならぬことが、そのとき起こった!!!!!!

絞首刑は10分間絞首状態を継続した後、医師の死亡確認をもって執行完了となる。
生気を失い、だらしなく舌を垂らしながら横たわる男の首に、医者は聴診器をあてがった。

――ドクン――

医者「まさかッッ!?」

そう、そんなことはありえない。あってはならない。

――ドクン――ドクン―ドクン―ドクン――――――――

次の瞬間、男は牛乳瓶の底のようなレンズの奥にある目をカッと見開き、一瞬で銃を持った刑務官4人を蹴りのみで屠り去った。
あまりの光景に声を失い、動けずにいる刑務官2名も1秒後に顔面を潰された。

続いて、人並み並外れた筋肉を膨張させ上半身の自由を奪っていた拘束具を弾き飛ばす。

丸尾「ズバリ、いつもそうでしょう!!あなた方はいつもつまらぬ勝利をもたらせてくれるでしょう!!!!!」


不満そうな彼は、動けずにいる残りの者たちも同様に八つ裂きにした。

死刑執行完了の合図が無いことに異常を感じ取った者たちが死刑執行室へ突入した時には、既に丸尾の姿はそこには無かった。
そこにあったのは、洗濯物の様に絞首状態で吊るされた無数の遺体と、彼らの血で壁に書かれた
「ズバリ、学級委員になる為に東京へ行くでしょう!!母様、待っていてください!!」の文字のみであった。

【うな重】

刑務官「なに!?」

刑務官「・・・うな重を、、、食べたい!?」

刑務官「それが人生最後の言葉かね。死ぬ間際になってまでそんなものに執着するとは・・・」

刑務官「ここから見る君の人生最後の姿は、正に重箱の中のウナギのかば焼きそのものといった風情だが・・・」

刑務官「いずれにしろ死の手前・・・、ほんの一瞬ではあるが君は自分の夢が二度と実現しないことをイヤでも実感するであろう」

一通り喋り終えた刑務官が右手を上げると、白衣を着た男は電気椅子のスイッチを入れた。

一瞬にして高圧電流が体中を巡り、男の目隠しからは血の涙が滲み出る。



再び刑務官が手を上げると電気椅子のスイッチは切られた。
身体中から煙を上げ、ぐったりとうなだれる男の死亡を刑務官が確認しようとしたその時であった・・・

バンッッ

という大きな音と共に、突如その男は電気椅子の上から姿を消した。

同時に、刑務官の後方でライフルを抱えて警戒をしていた2人の不幸な男たちの肩に後方から優しく手が添えられた。


男「うな重・・・」

次の瞬間、二人の男の顔面は激しくぶつかり合い、彼らの意識は一瞬で彼方へ飛び去った。
驚く刑務官に男は言い放つ。


男「拳銃を抜きたまえ。君の腰に下がった近代兵器の使用を許可しようというのだよ?」

男「人とウナギは銃というハンデがあって初めて対等といわれるが・・・君と俺の戦力はそれ以上だ」

男「だからこの目隠しも外さない」

怒り狂った刑務官はホルダーから銃を取り出し、「うな重ジャンキー」の異名を持つ小太りな死刑囚に向けて全身全霊を込めた一発を放った。

しかし、男の初動は弾丸が銃口を通過しきるのを待たずに彼の巨体を容易に刑務官の正面右手へと導いた。
彼の体内に身を潜めていた無数のウナギたちは銃弾が銃口を飛び出るのとほぼ同時に彼の穴と言う穴を飛び出し、一瞬で刑務官を屠り去った。

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