「ネットバトル全国大会・ジュニア部門?」【エグゼ・オリナビ募集】 (645)

以前にオリナビエグゼスレが立っていたので、触発されて書きたいと思った所存でございます


以下募集用テンプレ

ナビ名:

性格:

戦い方:

その他要望:

(なお、オペレーター設定は>>1が行いますが、オペレーターに関して何か加えたい設定があったらその他要望で)


時系列はエグゼ6終了(熱斗が小学校卒業)から数年後を予定
主人公オペレーターは小学生を予定
主人公ナビは募集した中から決める……予定

とりあえず、8体くらいまで募集してみる

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454213736

あー、すまんけど一人一ナビでお願いしたいです

とりあえず集まったので一旦募集打ち切り
主人公ナビはこっちで考えることになりそうだなあ……
ちっと構想練ってきます

導入が書けたんで、投下します

「なーなー勝斗、週刊バトルマガジン届いてるぜ」

勝斗「あー、そう」

「んだよ、興味ねえのか? じゃあ勝手に見るぜ?」

「えーと……お! ネットバトル大会だってよ!」

勝斗「ネットバトル大会?」

「なんでも、小学生を対象に、全国で最強を決めるんだってよ!」

勝斗「ふーん……」

「なあ、俺達も参加しようぜ!」

勝斗「お前はほんとにバトル好きだなあ、パイルマン」

パイルマン「へっ、前からわかってることだろ?」


メインキャラリストNo.001

二門 勝斗(にかど しょうと)
主人公。
小学生5年生。
普段は無気力な性格だが、ネットバトルの知識は豊富でチップオタク。チップにかける情熱はすごい。
自身のナビもある程度カスタマイズ出来る腕がある。

ナビ:パイルマン
人型ナビ。元々は市販のノーマルナビだったが、勝斗のカスタマイズで戦闘能力が向上した。
おかげでバトル好きな性格になっている。
右手に備えられた砲台で、撃ち出せるものは何でもぶっぱなす。
両足についたブースターで、短距離なら高速で移動可能。

勝斗「んなことよりさー、チップショップ寄りたいんだよ俺」

勝斗「フォルダ屋のメルマガ見ただろ? 在庫チップ割引セールやってるんだってさ」

勝斗「もしかしたら、掘り出し物があるかもしれないぞ?」

パイルマン「お前は相変わらずチップ好きだな」

パイルマン「まあ、俺もチップの試し撃ちが出来るからいいんだけどよ」

パイルマン「で、大会の方はどうすんだ?」

勝斗「あんまり乗り気じゃないかなー」

パイルマン「あ、優勝賞品はレアチップだってよ」

勝斗「何!? どんなチップだ?」

パイルマン「えーと、『フォルダリターン』だ」

勝斗「フォルダリターン!? バトル中に使用したチップが再び使えるようになるギガチップじゃないか!」

勝斗「あまりのぶっ壊れ性能ですぐ生産中止になって流通量がとてつもなく少なくて、幻とまで言われるチップだぞ!?」

パイルマン「よく知ってるな、お前……」

勝斗「出るぞパイルマン! 目指すは優勝! だ!」

パイルマン「途端にやる気出したな……」

パイルマン「まあ、大会は俺も望むところだ! 腕がなるぜ!」

勝斗「で、大会の詳細は? 小学生対象なんだったか?」

パイルマン「ああ、まずは各小学校で代表者を決めるそうだ」

パイルマン「小学校の代表が決まったら次は地区予選、それを勝ち抜けば全国大会本戦だ」

勝斗「全国大会なだけあって、道のりが長いな」

パイルマン「それだけ沢山戦えるんだ、俺は楽しみだな!」

勝斗「よし、じゃあフォルダ屋に行くか」

勝斗「チップを買って、戦力増強だ」

パイルマン「結局行くのか、って、おい前見ろ前!」

勝斗「え?」

ドンッ

勝斗「おわっ」ドサッ

「キャッ」ドサッ

勝斗「あてて……ごめん前見てなかった、大丈夫?」

「ええ、私の方こそごめんなさい、急いでて」

勝斗「立てる?」

「お気づかいなく」スッ

「……お嬢様」

「ちょっとクリン、お嬢様じゃなくて、いつもの調子で名前で呼んでって言ってるじゃない」

クリン「……人前ですので、クローム様」

クローム「様もいらないってば、相変わらず面倒くさい性格してるわね」

クリン「それより、ここで油を売ってる暇は……」

クローム「あ! そうだったわ! それじゃ!」ダッ

勝斗「え? あ、え?」

パイルマン「……何だったんだ?」

勝斗「さあ? 少なくとも学校では見たことない奴だったけど……」


メインキャラリストNo.002

クローム
女性。多分勝斗と同じくらいの年齢。
どこかのお嬢様らしい。

ナビ:クリン
メイド型ナビ。
普段こそ礼儀正しい態度を取るが、その本性は……

「いたか?」

「いや、こっちにはいなかった」

勝斗「ん? なんだか騒がしいな」

「あ、おい君」

勝斗「え、俺?」

「ここら辺で、君と同じくらいの年の、金髪の女の子を見なかったか?」

勝斗「えっと……知らないです」

「そうか……では失礼する」ダッ

勝斗「今日は知らない人とよく会うなあ」

パイルマン「なあ、金髪の女の子って、さっきぶつかった子じゃないか?」

勝斗「……あ、言われてみればそうだ」

パイルマン「……マジで何なんだろうな、あいつ」

勝斗「それよりさ、早くフォルダ屋に行くぞ!」

パイルマン「あのさあ、ちょっとは気にしたらどうなんだ?」

チップショップ:フォルダ屋


店長「らっしゃい! お、やっぱり来たな勝斗!」

勝斗「おうおっちゃん! 割引セールやってるんだって?」

店長「おうよ! でもお前大丈夫か?」

勝斗「何が?」

店長「何って、小遣いだよ小遣い、足りんのか?」

勝斗「…………実は心許ないです」

店長「おいおい……冷やかしは勘弁だが、まあお前は別だ、見たいだけ見ていきな」

パイルマン「はは、まけてくれねーのか」

店長「たりめーだ!」


サブキャラリストNo.001

掘田店長
男性。チップショップ「フォルダ屋」の店長。
ガッチリした体格に見た目通りの豪傑な、店長らしからぬ性格をしている。
そのため、近所の小学生に怖がられたりしているのが悩みの種。
使用ナビはノーマルナビ。

「あ……いらっしゃい」

勝斗「あれ、維音、学校から帰って早々に店の手伝いか?」

維音「うん」

勝斗「大丈夫なのか?」

維音「もう、勝斗ってば心配性なんだから」

店長「諦めろ、俺が言っても聞かねえんだ」

勝斗「はあ……まあ、程々にな?」

維音「大丈夫だってば、もうっ」

パイルマン「ようノエル、元気か?」

ノエル「あ、うん、パイルは相変わらずだね」

パイルマン「まーな! ところで……」

ノエル「ま、またバトルの申し込み? だから私には向いてないって……」

パイルマン「ちぇー、見込みあると思うんだけどな」

勝斗「お前もいい加減にしとけよ?」

パイルマン「へいへい」


メインキャラリストNo.003

掘田 維音(ほるだ いおん)
小学生5年生。女性。
チップショップ「フォルダ屋」の店長の娘であり、勝斗の幼馴染。
心優しい性格で、人見知りしない。一度決めたことは意地でも曲げない頑固ちゃん。
生まれつき心臓の病気を持っていて、過度な運動が出来ない。

ナビ:ノエル
少女ナビ。
臆病で戦いに向かない性格だが、勇気を持って敵に立ち向かう強さがある。
自在に変形するロッドを武器として扱う。ロッドは三節棍とか剣とか槍とか吹き矢とか鎖鎌とかモーニングスターとかに変形する。
変幻自在な間合いにより、見た目に反して接近戦は強い。

勝斗「んー……色んなチップがセールになってんな」

勝斗「お! コピーダメージだ、おお? カラーポイントもあるのか!」

勝斗「でも手持ちの小遣いじゃ買えねえ! ほんとに割引セールしてんの?」

店長「それでも普段より数割安いんだぞ?」

勝斗「むむむ……」

パイルマン「なあ、攻撃チップは何かないのか?」

勝斗「んー、センシャホウとかサークルガンとかかな」

パイルマン「いいじゃん、それ買おうぜ?」

勝斗「もう持ってるだろ?」

パイルマン「多いに越したことはないだろ?」

勝斗「まあこの2枚ならギリギリ買えるか……おっちゃんこれちょうだい!」

店長「まいど!」

維音「……ふふ」

勝斗「ん? なんだ?」

維音「相変わらずチップが好きなんですね」

勝斗「んー、まあな」

勝斗「あ、そういや大会あるんだけどさ、維音はどうするんだ?」

維音「んー……難しいかな、何よりノエルが……」

ノエル「む、む、無理ですよぉ私! バトルなんて!」

パイルマン「ま、学校の代表は俺と勝斗に決まるからな!」

店長「はは、すげえ自信だな」

店長「で、優勝賞品はフォルダリターンなんだって? 優勝したら俺にも見せてくれよ」

勝斗「見せるだけだよ?」

店長「わーってるって!」

勝斗「よし、チップは買った、後はトレーニングだな」

勝斗「適当にウイルスバスティングでも……」

ピリリリ

パイルマン「勝斗、電話だ。親父からだぜ」

勝斗「父さんから?」ピッ

勝斗「もしもし、どうしたの父さん」

二門博士「おお勝斗、実はちょっと頼みがあってな」

勝斗「頼みって?」

二門博士「詳しいことは家で話すが、とあるナビを預かって欲しくてね」

勝斗「ナビ?」

二門博士「まあワケありなナビでね」

勝斗「なんで俺が?」

二門博士「ま、そこも含めて家で話すさ、まずはそれだけ知らせときたかったんだ」

二門博士「じゃあ、家でな」

勝斗「うん、仕事頑張ってね」ピッ

勝斗「……ナビを預かってほしい、か」

パイルマン「どんなナビなんだろうな」

勝斗「さあなー」


サブキャラリストNo.002

二門 光流(にかど こうりゅう)
男性。勝斗の父親。
科学省の優秀な研究員で、二門博士と呼ばれ一目置かれている。

とりあえずここまで
次回には大会に入れるかなあと思いまする

ちょっと続きかけたんで投下します
大会に入ると言ったな、あれは嘘だ(汗
見通し立ててから発言しないとなあ……

二門家


二門父「ただいまー」

勝斗「父さんお帰り」

勝斗「で、父さん、話って?」

二門父「ああそれな、その前にだな……」

二門父「ご飯まだかな? 父さん腹減っちゃって」

勝斗「んな」ガクッ

パイルマン「マイペースなところは父親に似たよな、お前」

二門父「母さーん、ご飯まだ?」

二門母「ああ、それについてちょっと相談したいことがあったのよ」

二門父「相談?」

二門母「久しぶりにオーブントースターを引っ張り出してきたんだけど、電源を入れても動かないのよ」

二門父「ふむふむ」

二門母「だから出前でいい?」

二門父「えっ」

二門母「ん?」

二門父「直してほしいって相談じゃないの?」

二門母「いやなんかこう、面倒くさくなっちゃって」

二門父「ちょっとー」

パイルマン「無気力なところは母親に似たな」

勝斗「るせえ」


サブキャラリストNo.003

二門 牡丹(にかど ぼたん)
勝斗の母親。
専業主婦なのだが、面倒くさがりなところがあり、自動化できる家事はできるだけ自動化している。

二門母「まあ直せるのなら直して欲しいわね」

二門母「こういうとき、機械に強い人がいると心強いわよねー」

二門父「厳密にはプログラムなんだが、どれどれ……あー」

二門父「これはウイルスにやられてるなー」

勝斗「ウイルス?」

二門父「しばらく放置してたから、セキュリティが最新じゃないんだよ」

二門父「そこを久々に起動させたもんだから、一気にやられたみたいだな」

パイルマン「なあ、ウイルスときたら俺の出番だろ?」

勝斗「ん? あー、そうだな」

パイルマン「ここはひとつ、俺と勝斗で何とかしてやろうぜ!」

二門父「そうだな、ウイルスを何とかできればオーブンはいつも通り使えるはずだよ」

勝斗「うーん、まあやるか」

パイルマン「お前乗り気じゃねえな……昼間は大会に備えてウイルスバスティングしようとか言ってたくせに」

勝斗「腹減ってそんな気分じゃない」

パイルマン「とにかく、やるったらやるぞ!」

勝斗「仕方ないな……さくっとウイルスデリートして、早くご飯作ってもらおう」

勝斗「プラグイン! パイルマン.EXE、トランスミッション!」

ピッ!

オーブンの電脳


パイルマン「さて……おー、いたぜウイルス!」

メットール「キィ?」

勝斗「よし、ウイルスバスティング開始だ」

パイルマン「おうよ、腹減って力が出ないとか言うんじゃねえぞ?」

勝斗「アホ抜かせって、相手はメットールだ、早く済ませよう」

メットール「……!」

勝斗「じゃあ行くぞ!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

メットール「キィィィ!!」

~バトル開始~


二門父「そういえば勝斗、近々ネットバトル大会が開かれるんだったよな」

二門父「どうだ、バトルのおさらいついでに父さんのレクチャーを聞くかい?」

勝斗「大丈夫だって!」

勝斗「まずはチップを選択、選んだチップをナビに転送!」

勝斗「いけ、パイルマン!」

パイルマン「おう! くらえセンシャホウ!」

ズドンッ!

メットール「グギゥ!?」

勝斗「まだ数はいるぞ、油断するなよ」

パイルマン「分かってるよ、サークルガン!」

ダダダダッ!

メットール「ガガッ」

メットール「キィー」

パイルマン「うっし!」

メットール「キイイイイ!!」

勝斗「ん? まだいるのか、続けていくぞ!」

二門父「ふむ、チップについては問題なさそうだな」

二門父「ところで、大会に出るからには自分のナビのことをよく知っておくことが大事なのは分かっているな?」

勝斗「タリマエじゃん!」

勝斗「俺のナビ、パイルマンは右腕の砲台で、撃ち出せるものだったら何でも撃ち込めるんだ」

勝斗「例えば……チップ転送、ホウガン!」

パイルマン「いくぜ! ホウガン・バンカー!」

ズドォン!

メットール「グガッ」

勝斗「こんなふうに、前方に撃ち出して攻撃できるんだぜ」

二門父「ふむ、さすがお前がカスタマイズしただけはあるな」

パイルマン「よし、片付いたぜ」

勝斗「パイルマンお疲れ!」

二門父「なんだ、父さんのレクチャーはいらなかったみたいだな」

二門父「お父さん寂しいッ」

勝斗「やめてよ気持ち悪い……」

ザッ

メットール「ギギ……」

パイルマン「あれ? まだいたのか」

勝斗「パイルマン、さっさと蹴散らしてやろうぜ」

パイルマン「よし、チップを……あれ?」

メットール「キキッ」

メットール「ジジジ」

メットール「フシューッ」

ワラワラワラ……

パイルマン「……な、なんだこの数!?」

勝斗「おいおい……ざっと見て数十体はいるんじゃないのか?」

パイルマン「なんでこんなにいるんだ?」

二門父「起動させたのがさっきだから……元々いたウイルスが増殖したんだろうか」

パイルマン「いくらメットールといっても、これはホネだぜ……?」

ピシュン!

「……」

パイルマン「あ? 誰だお前?」

勝斗「なんだ? ナビか?」

二門父「……ん!? 勝手に出てきたのか!」

「……」

メットール「キィ?」

メットール「キキィー!」

「……」

「……イッセイソウシャ」

ズガガガガガガッ!

メットール「!?!?」

メットール「ギギィ!?」

メットール「ギァー!?」

パイルマン「んな!?」

勝斗「な……なんだこの破壊力……」

パイルマン「あれだけいたメットールが一瞬でデリートされんのか!?」

「……」

「……デリート、完了」


~バトル終了~

「……」

パイルマン「な……なんだ、やるのか!?」

二門父「待つんだパイルマン!」

パイルマン「親父?」

二門父「実はそのナビはな、今日お前に預けたいと言っていたナビなんだ」

勝斗「こいつが?」

二門父「ああ」

二門父「兵器型ナビ、ゼノアだ」

ゼノア「……よろしく」


メインキャラリストNo.004

ゼノア
科学省のとある計画で実験的に作られた兵器型女性ナビ。ブレイク属性。
製作中にとある事件が発生し、データの大部分が消失。不完全でアンバランスな状態になってしまった。
無口な性格だが、バグにより時折不可解な行動もする。
巨大な右腕と右足の砲台の攻撃の威力は絶大で、敵の防御を貫いて破壊する。

パイルマン「お、おう、よろしく……」

ゼノア「……」

パイルマン「……なんか……すごい見た目だな」

パイルマン「大砲が足についてんのか?」

ゼノア「……」

二門父「実は科学省で、とあるシステムを作成していたんだ」

勝斗「とあるプログラム?」

二門父「ウイルスキラーシステムと言うんだ」

二門父「その名の通り、対ウイルス兵器として開発されていたんだが……」

二門父「ちょっと厄介事が起きてね、ご覧のような不完全なナビになってしまった」

二門父「それで、処分されそうになっていた所を私が引き取ってきたんだ」

勝斗「それで、なんで俺に?」

二門父「いやだって、父さんが持ってたら私が無断で持ち出したってすぐバレるじゃん?」

二門父「それはちょっと困るなぁーって思って。怒られるのやだし」

勝斗「なんで引き取ったんだよ……」

二門父「そういうわけだから! お前がゼノアを持っていることは、友達にも秘密にするんだぞ?」

二門父「あっ、さっきの科学省云々の話も内緒だからな!」

勝斗「何かいわく付き? なんだか怖いなあ……」

二門母「話終わった?」

二門父「ん? ああ」

勝斗「そういやオーブンのウイルスを駆除してたんだったな」

二門母「それがねえ、今度は電源すら入らなくなっちゃって」

勝斗「え?」

ゼノア「……あ、ごめん」

ゼノア「プログラムも一緒に、吹き飛ばしちゃった……」

パイルマン「あれだけの火力だもんな、そりゃそうなるよ」

勝斗「マジかよ」

二門父「まあまあ、システムの復元は父さんの十八番だ、今度は父さんに任せなさい」

二門母「あ、別にいいわよ」

二門父「えっ?」

ピンポーン

「ちわーっす! 出前でーっす!」

二門母「とっくに出前頼んじゃった♪」

二門父「んなっ」ガクッ

勝斗「ウイルス倒した意味は……」

今回はここまで
構想練ってたら、大会までまだまだかかりそうだなあ

よし、続き投下していきます

勝斗「……」

パイルマン「……なあ」

勝斗「なんだ?」

パイルマン「もしかして、俺と一緒のPETにいるつもりなのかな」

ゼノア「……」

勝斗「この中しか、いる場所がないんじゃないのか」

パイルマン「他のPETは無いのか?」

勝斗「無い」

パイルマン「親父がここに連れてくる時のメモリーディスクは?」

勝斗「父さんの持ち物の中にいると足がつくとかなんとか」

パイルマン「マジかよ……」

勝斗「いいじゃん、見られて困るものなんて無いだろ?」

パイルマン「いやその、まあ、うん」

勝斗「なんだよ、困るものがあるのか?」

パイルマン「いやないけどさー、そのさあ、自由時間というか、なあ?」

勝斗「ネットナビにもそういうのがあるのか?」

パイルマン「あるっての! 雑用はプログラムくんに任せて、俺も一人の時間を満喫したいの!」

ゼノア「……」ズシンズシン

パイルマン「それなのにさあ、なんかついてくる! 俺の後ろを!」

パイルマン「まるでカルガモだよ、ゴツいけど」

勝斗「いいじゃん、仲良くしたげなよ」

パイルマン「それにさあ……音量、下げるけどさ」

勝斗「内緒話のつもりか?」

パイルマン「さっきの戦闘、見てたろ?」ヒソヒソ

勝斗「まあ、目の前で見てたけど」ヒソヒソ

パイルマン「あの火力でさ……PET壊されるのはイヤじゃん?」ヒソヒソ

勝斗「まあ……そうだな」

パイルマン「PETが壊されるってことはさ、俺の家が壊されるってことだぞ?」ヒソヒソ

パイルマン「そんときは俺、どうすりゃいいんだよ」ヒソヒソ

勝斗「もしもの時はサブPETがあるぞ」

パイルマン「そいつにゼノア入れろよ!」

勝斗「そんなに一緒が嫌か?」

パイルマン「なんかさあ、気まずい」

パイルマン「喋んねーし」

ゼノア「……」

勝斗「なにか話しかければ答えてくれるかもしれないぞ」

パイルマン「そうか? そうだな……」

パイルマン「あー、趣味? というか、どんな機能持ってる?」

ゼノア「……戦闘用のデータがある」

パイルマン「……他には?」

ゼノア「…………」

ゼノア「それだけ」

パイルマン「ますます一緒にいたくねえ、怖い」

勝斗「お前バトル好きなんだから一度戦ってみたらどうだ?」

勝斗「いつもノエルを誘ってるみたいにさ」

パイルマン「誰にでも喧嘩売るような馬鹿じゃねーよ! さすがの俺もデリートされんのはゴメンだ!」

パイルマン「つーかさ、俺ばっか気にしてるけどさ、勝斗はどうなんだよ?」

勝斗「いやあ……別になんとも」

勝斗「どんなデータ構造なのか気になるかなーってくらい」

パイルマン「そうかよ……」

勝斗「どうしてもっていうなら、父さんに頼んでゼノア用のPETを買ってもらうけど」

パイルマン「頼むわ」

勝斗「そうか……」

ゼノア「……」ズシンズシン

勝斗「……ふむ」カタカタ

ゼノア「んっ……」

勝斗「うっ……」

パイルマン「どうした?」

勝斗「ゼノアが随時歩きにくそうにしてたからさ」

勝斗「せめて右足の砲台をなんとかしようと思ってデータ覗いたんだけど」

勝斗「思った以上にめちゃくちゃに絡まったデータ構造になってて、気が滅入った」

勝斗「なんだかさ、えぐり取られた断面を無理やり他の断面と繋ぎ合わせた感じでさ」

勝斗「どこに手をつけたらいいのか分からん」

勝斗「これでよくナビとして機能してると思うよ」

パイルマン「ふーん」

勝斗「パイルマンのデータなら俺がいじってるからわかるんだけどなあ」

パイルマン「今の状態になるまで散々バグが起きたけどな」

勝斗「わ、悪かったな! カスタマイズ歴数ヶ月で!」

パイルマン「どうせ俺は実験台ですよーだ」

ゼノア「……」

ゼノア「仲、良い……うらやましい」

勝斗「……あっ、もうこんな時間じゃないか」

勝斗「明日も学校あるんだ、早く寝よう」

パイルマン「おう、今日のログをセーブしとくか?」

勝斗「頼む」

パイルマン「よし、セーブしたぜ」

パイルマン「じゃあ、おやすみ」

勝斗「うん、おやすみ」

ゼノア「……」

パイルマン「……? 寝ないのか?」

ゼノア「……寝るって?」

パイルマン「おいおい……お前もナビならスリープモードくらいついてるだろ?」

ゼノア「……なるほど」

パイルマン「じゃ、おやすみ」

ゼノア「おやすみ……」

数日後、大会当日


勝斗「ついに来たな……この日が」

パイルマン「ああ……ついに来たぜ」

ゼノア「えーと……全国ネットバトル大会ジュニア部門小学校代表者選定戦」

ゼノア「長い……」

勝斗「チップは俺の取っておきを揃えた」

パイルマン「新しいPETを買ってもらってゼノアは移住したから、俺のコンディションは問題無し」

勝斗「ここを簡単に切り抜けられないようじゃ、優勝なんざ夢のまた夢だ」

勝斗「待ってろよフォルダリターン! 俺が優勝してこの手に取ってやるからな!」

ピリリリ

パイルマン「あ、電話だぜ勝斗」

勝斗「ええ? これからって時に誰だよ」ピッ

勝斗「もしもーし」

店長「おう勝斗! 今日が大会だな、張り切ってるか!」

勝斗「あー店長、張り切ってるから今みたいに水を差さないでほしいかな」

店長「ははは、言うじゃねえか」

店長「うちの維音も応援するって張り切ってたからな、よろしくな」

勝斗「維音? そういや今日はまだ見かけないな」

店長「んん? 一緒じゃないのか」

勝斗「うん」

店長「家を出たのがいつも通りの時間だから、もう学校にいると思ったんだがな……」

店長「まあ、お前も大会を控えてるし、探してくれとは頼まねえけどさ」

店長「でも心配だなぁー? お前なら分かってくれると思うがなぁー?」

勝斗「……」

店長「じゃ、大会頑張れよ!」ピッ

パイルマン「……今のはさ、娘を探してくれって頼んでるようなもんだよな」

勝斗「はあ……大人になると素直に物事頼めなくなるのかな」

ピコンッ

パイルマン「ん?」

勝斗「今度はなんだ?」

パイルマン「PETに直接アクセスが……」

ノエル「はあ、はあ……」

勝斗「ノエル!? なんで俺のPETに?」

ノエル「パイル、勝斗くん、た、大変なの!」

勝斗「大変?」

パイルマン「ただ事じゃなさそうだな……また病気のことでか?」

ノエル「ち、違うの、あ、いや、維音ちゃんの事なのは合ってるけど、その」

パイルマン「落ち着け!」

ノエル「う、うん、ごめん……」

ノエル「えっと、維音ちゃんが、悪そうなヤツに捕まっちゃって」

勝斗「なっ!?」

ノエル「教室に忘れ物をしたから、取りに行ったんだけど」

ノエル「職員室に怪しい人影があったのが見えて」

勝斗「確かに、今日は大会があるから先生は全員職員室にはいないな……」

パイルマン「お前、昨日出し忘れた宿題持ってったけど鍵かかってたよな」

勝斗「余計なことは言うな」

ノエル「うん、だから気になって覗こうとしたら、鍵が開いてて、そしたら……」

パイルマン「先生じゃなくて、悪そうなヤツがいたってことか」

ノエル「維音ちゃんのおかげで私はなんとか逃げられたんだけど、維音ちゃんが捕まって……」

勝斗「職員室だったな、行くぞ!」

パイルマン「ああ!」

ピピッ

パイルマン「ん? ショートメッセージ?」

ゼノア『多分、職員室はもう鍵がかけられてると思う』

パイルマン「(なんで直接言わない……ああ、俺達以外には存在は秘密っての、守ってんのか)」

パイルマン「あっ、待て勝斗、今から行っても職員室の鍵はもうかけられてると思うぜ」

勝斗「ん、言われるとそうだな……学校の鍵ってサーバーが管理してるんだったよな?」

勝斗「職員室以外で、どこかアクセスできる場所は無いのかな……」

ピピッ

パイルマン「(またショートメッセージか)」

ゼノア『ノエルちゃんだっけ? 職員室からここに来たんだよね、どこ通って来たんだろ』

パイルマン「ノエル、お前ここに来るのにどこ通ってきたんだ?」

ノエル「え? えっと、先生のパソコンからプラグインして、サーバーを通って」

ノエル「そしたら玄関の監視カメラの電脳に着いたの」

ノエル「そしたら、たまたま勝斗の姿が見えたからここに来れたの」

勝斗「ふむ、監視カメラとサーバーが繋がってるんだな?」

パイルマン「監視カメラなら、ちょうど真上にあるな」

勝斗「ここからノエルが来たのか、よしパイルマン、学校のサーバーに急ぐんだ!」

勝斗「プラグイン! パイルマン.EXE、トランスミッション!」

ピッ

「全く、職員室の鍵をかけ忘れるとは……」

「だからさっきから謝ってるだろ?」

「私達が何故大会がある時に侵入したのか、分かっているのですか?」

「わーってるよ、人目につかないためだろ? 今ならみんな大会を見に行ってるからな」

「だというのに、人に見つかってしまってはこの時間を選んだ意味が無いではないですか」

「そりゃそうだよな、まあ今回はなんとかなったし大丈夫だろ」

「ええ、念のため睡眠ガスを持ってきて正解でしたね」

維音「……」

「で? そのカワイコちゃんはこの後どーすんの?」

「手荒なことはしたくないのでこのまま眠っていてもらいましょう、目的は別にありますからね」

「職員室の鍵は今度こそしっかりかけましたね?」

「ああ、バッチリさ」

「では目的のものを探すとしましょうか」

「ああ……あ、待て」

「今度はなんです?」

「誰かがサーバーにアクセスしてきたぜ、監視カメラを経由してきた」

「やれやれ、イレギュラーのなんと多いことか……」

「どうする?」

「私はこのまま目的のものを探します、侵入者の相手は頼みましたよ、ホップマン」

ホップマン「あいよ!」

今日はここまでです
次回ボス戦になります

続き投下します

学校サーバーの電脳


パイルマン「やれやれ、こんな形で学校のサーバーに入るとは思わなかったぜ」

勝斗「玄関の監視カメラからこんな簡単に侵入出来ていいのか?」

パイルマン「いや、頑丈そうなセキュリティウォールが張らされてるぜ」

パイルマン「入るのは簡単だが、進むのはちと無理があるんじゃねえかな」

パイルマン「ノエル、お前どうやってここをくぐって来たんだ?」

ノエル「出るのは簡単だったよ、入る時にだけ働くセキュリティみたい」

パイルマン「一方通行ってことか」

パイルマン「だが……だったらなおさらおかしいな」

勝斗「どうした?」

パイルマン「このセキュリティウォール、ココ最近は解除された形跡が全く無いんだ」

パイルマン「なのに、維音が見たってヤツはこのセキュリティウォールを通って職員室の鍵を開けたんだよな?」

勝斗「そういえばそうだな、どういう事だ?」

「ほう、侵入者とは君のことか」

パイルマン「! 誰だ!」

「……」スッ

勝斗「!? セキュリティの奥から!?」

「これはこれは、まさか侵入者がこのような可憐な美少女だったとは」

ノエル「えっ……?」

パイルマン「どっちかってーとテメーが侵入者だろーが、この虫野郎」

ホップマン「自己紹介をしよう、私はホップマン」

ホップマン「さあマドモアゼル、ここは君が来るところではないよ」

ホップマン「本当のところはこれから一緒にお茶に誘いたいところだが、あいにく今の私は仕事の途中でね」

ホップマン「ここは一つ、お帰り願えないだろうか?」

ホップマン「あ、その前にアドレス交換するかい? 今度誘うよ」

ノエル「え、えっと……」

パイルマン「けっ、そう言われてはいそうですかって帰るかってんだよ!」

ノエル「こ、このまま帰るわけにはいかないんです!」

ホップマン「ほう? どんな用でここまで来たのかな?」

ノエル「い、維音ちゃん……あなたのオペレーターが捕まえた維音ちゃんを返してください!」

パイルマン「やるってんなら、やらせてもらうぜ!」

ホップマン「ほーう、もしや君はあの子のナビなのかい」

ホップマン「それは困ったな、だったら私のオペレーターの用事が終わるまで待っててもらえるかな?」

パイルマン「……おいお前」

パイルマン「さっきから俺のこと無視してるだろ! いい加減にしろよ!」

ホップマン「うるせえッッ!! テメーの方こそいい加減にしやがれ!!」

パイルマン「んなっ!?」

勝斗「こいつ、男相手と女相手で態度がまるっきり豹変するのか……」

ホップマン「けっ、汚ねー声でギャーギャー喚きやがって」

ホップマン「俺の美声が汚れたらどうする!!」

パイルマン「知るかよ! その前にその汚い言葉遣いをなんとかしろ!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「エアシュート!」ボンッ

ホップマン「おっと!」ピョン

パイルマン「んなっ、跳んでかわしやがった」

ホップマン「いきなり攻撃するとは、汚い上に野蛮な野郎だなテメー」

ホップマン「手が早い男は女性に嫌われるってんだよ! マヌケ!」

パイルマン「テメーにだけは言われたくねえよ!」

ホップマン「ふん! お前ら侵入者の相手をするように言われてやって来たが、その必要も無いな!」

ピョーン

勝斗「ぬ、なんて高い跳躍なんだ」

パイルマン「バッタみたいな奴だな」

ホップマン「そんなものと一緒にするな! 俺はキリギリスだ!」

ホップマン「まあいい、どうせ君たちではこのセキュリティウォールは跳び越えられないだろう!」

パイルマン「そうか、セキュリティウォールに手がつけられてなかった理由がそれかよ」

勝斗「まさかウォールを飛び越えていたなんてな」

ホップマン「それではお嬢さん、ご機嫌麗しゅう」

ホップマン「そっちのテメーはウイルスのエサになってくたばれ!」スタスタ

ノエル「ま、待って!」

パイルマン「あ、あんのヤロー……!」

ノエル「で、でも、どうするの?」

ノエル「このままだと、先に進めないよ……」

パイルマン「ふんっ」ドカッ

パイルマン「うーん、力押しじゃダメそうだな……俺やノエルでは、な」

勝斗「……方法が無い……わけじゃあない」

ノエル「え、そうなの?」

勝斗「ああ」

勝斗「ホップマンとか言ってたな、あいつと同じ方法で進む」

ノエル「え、でも、あんな高いジャンプは無理だよ……」

勝斗「パイルマン」

パイルマン「……おいまさか」

勝斗「今は時間が無いんだ、やるぞ」

パイルマン「……くっ、仕方ねえか……」

ノエル「えっと……何をするの?」

勝斗「パイルマンは右腕の砲台で、撃ち出せるものは何でも撃てるんだ」

勝斗「……なんだってな」

ガシャンッ

パイルマン「準備完了」

ノエル「えっ」

ノエル「ええぇ~~!?」

ノエル「方法って、わ、私を撃ち出すの!?」

パイルマン「ああ、高く撃ち出して向こう側に飛ばすんだ」

ノエル「ま、待って待って、心の準備が……」

パイルマン「上手く着地しろよ!」

勝斗「いけ、パイルマン!」

パイルマン「ノエル・バンカー!」

ズドンッ

ノエル「ひゃああああああ~~~~!?」

ドテッ

ノエル「あうっ!?」

ノエル「いったぁ~……」

勝斗「上手く向こうに行けたみたいだな」

パイルマン「着地は上手くなかったけどな」

ノエル「ひ、ひどいよ二人共ー……」

勝斗「ノエル、近くにセキュリティウォールを解除するスイッチがないか探してきてくれ」

勝斗「そうしたら、パイルマンもそっちに行ける」

ノエル「わ、わかった……」

勝斗「……行ったか?」

パイルマン「ああ、奥に進んでいった」

勝斗「なら大丈夫そうだな」

勝斗「プラグイン! ゼノア.EXE、トランスミッション!」

ピシュン!

ゼノア「……」

パイルマン「ゼノアの存在は友達にも秘密って言われてるからな」

勝斗「ゼノア、そこのセキュリティウォール、破壊できるか?」

ゼノア「……やってみる」

ゼノア「……ギガントフィスト!」ブンッ

ドッカァン!

ゼノア「……壁、壊した」

パイルマン「ひゃー、とんでもねえ威力……」

勝斗「サンキューゼノア、戻ってくれ」

ゼノア「わかった……」ピシュン

勝斗「このまま待ってるなんて出来ないからな」

勝斗「行くぞパイルマン!」

パイルマン「おう!」

ノエル「うーん……」

ノエル「セキュリティを解除するスイッチなんて、見当たらないよ……」

ノエル「やっぱり、奥に進まないといけないのかな……」

「やれやれ、ここまで来てしまうとはね」

ノエル「!」

ホップマン「どうやってセキュリティウォールを突破したかは知らないが、いけない子だな」

「ホップマン、ここまで侵入を許したのか?」

ホップマン「わりい安都、あのセキュリティウォールなら通ってこれないと思ってたからさ」

安都「全く……ここに例のものがあるのは分かったが、取り出すのにもう少し時間がいる」

安都「その間、時間稼ぎをしてくれ」

ホップマン「了解」

ホップマン「そういう訳でお嬢さん、大人しくしててくれたら、こっちとしては嬉しいんだがね?」

ノエル「……い、維音ちゃんのためなら……」

ノエル「私だって!」ジャキッ

ホップマン「ん?」

ノエル「マジカルロッド・ロングソード!」ブンッ

ホップマン「むっ」

ガキィンッ

ホップマン「……やめてくれないか」

ホップマン「私は女性に手を上げたくないのだよ」

ノエル「い、維音ちゃんを……」

ホップマン「だからこっちの用事が済めば……」

ノエル「今すぐに! 返して!」

ノエル「マジカルロッド・ジャベリン!」ブンッ

ホップマン「くっ! パニックトーン!」

ギュイイイン!

ノエル「うあっ!?」

ホップマン「ふう、本来このバイオリンは美しい音色を奏でるんだがね?」

ホップマン「戦闘用にカスタマイズされてるから、このような不協和音も出せる」

ノエル「うっく……」フラフラ

ホップマン「その音色を響かせて混乱させた、立っているのもやっとだろう」

ホップマン「さてと、これで後は安都の方を待つだけ……」

「マークキャノン!」ズドンッ

ホップマン「ぐあっ!?」

パイルマン「おいおい、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」

ノエル「ぱ、パイル、勝斗!」

パイルマン「ノエル、下がってな」

勝斗「お前の相手は俺達だ!」

ホップマン「……こ、このド汚いドブネズミが! どこまでも調子に乗りやがって!」

ホップマン「こうなりゃ俺が直々にデリートしてやる!」

ホップマン「アリンコのように踏み潰してウイルスフードにしてやるぞ!」

パイルマン「へっ、やる気満々みたいだな!」

勝斗「行くぞパイルマン!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

ホップマン「かかってこいよ! 虫けらがァー!!」

~バトル開始~

VSホップマン


ホップマン「まずはこいつをくらえ!」

パイルマン「むっ、バイオリン型の武器か」

ホップマン「バウンドノート!」ボンッ

パイルマン「音符が飛んできた!」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「大丈夫だ、こんなもん簡単に避けられる……」

ホップマン「避けることは分かってんだよ!」ドンッ

パイルマン「なっ!?」

ホップマン「トレッドダウン!!」

勝斗「くっ、チップ転送!」

パイルマン「バリア!」

ガキィンッ

ホップマン「ふん、防いだか」スタッ

パイルマン「野郎、俺の避ける位置を読んで踏みつけてきやがった」

勝斗「ああ、油断は出来ないみたいだな」

パイルマン「今度はこっちから行くぞ!」

勝斗「チップ3枚転送!」

パイルマン「センシャホウ!」ズドンッ

ホップマン「そんな直線な攻撃が当たるかよ! バーカ!」スッ

勝斗「だったらこれはどうだ!」

パイルマン「ワイドショット!」ドンッ

ホップマン「ふん、そんなものだって、俺は簡単に避けられるんだよ!」ピョン

パイルマン「飛んでかわしたか!」

ホップマン「かわしたついでに踏みつけてやる! トレッドダウン!」

勝斗「だが読み通りだ、パイルマン!」

パイルマン「おう! フウジンラケット!」

ブオオオッ

ホップマン「なっ!? うわあああ!?」

勝斗「空中にいたら、まともに避けられはしないだろ!」

パイルマン「強風でバランスを崩したな!」

ホップマン「ぐあっ」ドテッ

勝斗「着地に失敗した今がチャンスだ!」

勝斗「バトルチップ、エリアスチール、ロングソード、スロットイン!」

パイルマン「エリアスチールで距離を縮めて」

パイルマン「ソードを砲台で撃ち込む!」

パイルマン「くらえ、パイルバンカー!!」

ズドンッ!!!

ホップマン「ぐあああ!?」

パイルマン「よっし! 手応えあった!」

勝斗「今ので大分ダメージを与えられたはずだ!」

ホップマン「ぐっ、この……!」ヨロッ

ホップマン「ウジムシの分際でぇ……!」

パイルマン「虫はテメーだろーが、バッタ!」

ホップマン「バッタじゃねええ! キリギリスだッ!!」

ブォン

安都「ホップマン!」

ホップマン「ああ? 安都か」

勝斗「お前がホップマンのオペレーターか」

パイルマン「そして教室に立て篭ってるってヤローだな」

安都「……なんだ、劣勢ではないですか」

ホップマン「うるせえ!」

安都「まあいい、撤退です」

ホップマン「あ? 撤退だ?」

安都「例のものが手に入りました」

安都「それに、そろそろタイムリミットです」

ホップマン「チッ、やられたまんまってのは癪にさわるが……仕方ねえ」

勝斗「例のもの? 一体それはなんだ!」

安都「教えるわけがないでしょう」

パイルマン「勝斗、どうする?」

勝斗「このまま逃がすわけにはいかない!」

安都「勝斗……?」

安都「もしやあなた、あの二門光流の息子ですか?」

勝斗「何!? 父さんはともかく、なんで俺のことまで知ってるんだ!」

安都「こんなところで出会うとは……」

安都「二門勝斗、あなたとはまたどこかで出会うかもしれませんね」

勝斗「どういう意味だ?」

安都「ホップマン、プラグアウトだ!」

ホップマン「覚えてやがれ!」

ピシュン!


~バトル終了~

パイルマン「くっ、逃がしたか」

勝斗「あいつ……一体何者なんだ……?」

ノエル「パイル、勝斗! 職員室の鍵、開けたよ!」

勝斗「そうだ、維音!」

パイルマン「今から行けばまだ犯人がいるかもしれねえ!」

勝斗「急いでプラグアウトだ!」

ピシュン!

職員室


勝斗「維音ッ!」バンッ

維音「……」

勝斗「……い、維音!?」

ノエル「落ち着いて、眠ってるだけみたい」

勝斗「そ、そうか……」

パイルマン「……さっきのあの男、いるか?」

勝斗「……いねえ、窓開けて逃げたみたいだ」

勝斗「とにかく、維音が無事で良かった……」

パイルマン「で、どうすんだ?」

ノエル「しばらく、目を覚ましそうにないけど……」

勝斗「ここに置いてくわけにもいかないし、おぶっていくか……よっと」スッ

ノエル「……二人共ありがとう、維音ちゃんを助けてくれて」

勝斗「よせやい、照れるっての」

パイルマン「さて、これで心置き無く大会に出られるな」

勝斗「ああ、小学校の大会なんて入口にすぎないからな」

勝斗「さくっと勝って代表者になろうぜ」

体育館


先生「優勝は満丸電太君とブレーカーマンのコンビです!」

ワアアアアアアアアア!!

電太「やったね、ブレーカーマン!」

ブレーカーマン「ふん、骨のあるヤツはいなかったな」

勝斗「……ん? 優勝?」

店長「おう勝斗! どこ行ってたんだオメー」

勝斗「あ、店長、来てたんですか」

店長「ああ、保護者たちも観戦オーケーだからな」

店長「って、維音!?」

勝斗「安心して、眠ってるだけ」

店長「そ、そうか……何があったんだ?」

勝斗「それより……大会、どうなったんです?」

店長「あっ! そうだよ、オメー何やってたんだよ」

店長「大会、もう終わっちまったぞ?」

勝斗「…………」

勝斗「はっ?」

店長「優勝者は、満丸電太ってやつと、ブレーカーマンとかいうナビだそうだ」

店長「小6の転校生なんだってよ」

勝斗「な…………」

パイルマン「な…………」

「「何ぃぃぃーーーーーーーー!?」」

メインキャラリストNo.005

安都 誠司(あんと せいじ)
悪の組織の一員。
学校のサーバーに保管されている、とあるプログラムを奪いに来た。
非常に生真面目で、自身の予定を狂わすものはとことん嫌う。

ホップマン
昆虫型ナビ。ウッド属性。
軽い性格で、女性ナビを見つけては手当り次第にナンパをしかける。反面、男性ナビは関わりたくないレベルで嫌い。
高い跳躍力を持ち、身軽な動きで攻撃をかわしたり、その上で敵を踏み付けたりする。
バイオリン型の武器を持ち、音の衝撃波を放つ。直接殴られると不協和音が頭に響いて混乱する。


メインキャラリストNo.006

満丸 電太(まんがん でんた)
小学6年生。男性。最近勝斗の学校に転校してきた。
気弱な性格でおちゃめだが、オペレートの腕は同世代の中では群を抜いて高い。

ブレーカーマン
人型ナビ。エレキ属性。
普段は落ち着いているが、何かある度にすぐキレる。
オペレーターにはもっとしゃっきりしてほしいと思っているが、そのオペレートの才能はまあ認めている。ツンデレ。
左腕のコンセント型バスターで敵の攻撃をエネルギーに変換し、自身のパワーにしたり相手に注入して爆発させたりできる。

今回はここまでです。

最初に募集したナビ全員の登場の目処がたったので、5体ほど追加募集しようと思います。
テンプレは>>1からどうぞ。

5体集まったので募集打ち切り。
ではまた今度。

うし、続き投下していきます

勝斗「あの後、職員室に不審者が入った事がちょっとした騒ぎになった」

勝斗「だけど監視カメラにもきっちり細工していたようで、奴が映っている映像は一つも無かったそうだ」

勝斗「あ、ゼノアがぶっ壊したセキュリティウォールは不審者がやったって事になった」

勝斗「俺がやったってバレたらすげー怒られるもんな」

勝斗「…………」

勝斗「だけど今は、それを考えるどころじゃないんだよなあ……」

勝斗「はあ…………」

店長「……そ、そんな落ち込むなよ」

パイルマン「はあ…………」

ノエル「……げ、元気だして……ね?」

パイルマン「まあ……俺はまだいいんだけどよ」

パイルマン「勝斗の方が、な……」

勝斗「フォルダリターン……俺の、フォルダリターン……」

パイルマン「何がお前のなんだよ」

店長「大会に負けんのはともかく、出場すら出来なかった訳だからなあ……」

維音「……ご、ごめんね、私のせいで……」

勝斗「いや、維音は悪くないよ、悪いのはあの不審者の男で……」

勝斗「はあああ~~~……」

店長「こりゃ重症だな、しばらくそっとしといた方がいいや」

「ちわーっす! 出前でーっす!」

店長「お、来た来た」

維音「あれ、出前頼んだの?」

店長「ああ、たまにはいいかなと思ってよ」

パイルマン「あー、もうそんな時間なのか」

「あっれぇー? どうしたんすか勝斗君、元気無いっすね!」

勝斗「あー……弾さん」

弾「なんかあったんすか?」

店長「いやあ、それがよ……」

弾「あー、大会のことっすね? もしかして負けちゃった?」

勝斗「…………」ズーン

店長「あー……その、だな、それ以前なんだ……」

弾「えっ?」

勝斗「…………」

弾「……あー、すんません、なんか蒸し返しちゃったみたいっすね……」

「お前は空気読めないからなあ」

弾「バスターマン、うるさいっす」

バスターマン「事実を言ったまでだぜ?」


メインキャラリストNo.007

芦屋 弾(あしや だん)
中華料理店『飯飯』のバイト店員。男性。
料理は目玉焼きくらいしか作れないが、異様なタフさを買われて出前サービスを担当している。
どこか抜けており、本人の気づかないところでいつもミスをしている。

バスターマン
身体中に武器を仕込んだナビ。
ナルシスト気味でおだてられるとすぐ調子に乗る。おかげで色々と騙されやすい。
肘からミサイル、頭からブーメラン、カカトからヨーヨー、胸部からボムを射出し、背中には大剣を背負う。
そしてチャージを捨てて超連射を極めたバスターによって、相手を懐まで寄せ付けない。

弾「……あ、そうだ、俺とネットバトルしません?」

弾「そうすりゃあ、少しは気が晴れると思うっすよ!」

勝斗「……うん……」

店長「バイトはいいのか?」

弾「少しは時間あるっす!」

弾「やるっすよバスターマン!」

バスターマン「傷心だからって、手は抜いてやらねえぜ?」

弾「バトルオペレーション、セット!」

バスターマン「イン!」

パイルマン「ほら、勝斗」

勝斗「……」

パイルマン「ほら、早くしてくれよ」

勝斗「……」

パイルマン「バトルオペレーション、セット!」

勝斗「…………イン……」

パイルマン「よし、いくぜ!」

パイルマン「って、逆じゃねえか! なんでお前がインするんだ!」

勝斗「……」

パイルマン「……突っ込むくらいしてくれよ、お前から言い出したんだろって」

パイルマン「なんか虚しいぜ……」

~バトル開始~

VSバスターマン


弾「バスターマン、とばすっす!」

バスターマン「いくぜ、エッジブーメラン!」ブンッ

パイルマン「うおっ!?」

バスターマン「ヨーヨーシュート!」ドシュッ

パイルマン「わったった!?」

バスターマン「ロックミサイル!」ドンッ

パイルマン「うわひぃ!?」

弾「むう、やるっすね、まさか全部かわされるとは」

パイルマン「くっ、ここからだぜ、勝斗、チップを」

勝斗「……ああ、スロットイン……」

パイルマン「リペアー!」

パイルマン「って、なんでだよ!!」

バスターマン「ラピッドマックス!」ズダダダッ

パイルマン「ぎゃああああ!?」ズドーン

バスターマン「……なんだよ、漫才するだけかよ」

弾「ちょっと勝斗君、いくらなんでもそりゃないっすよー」

勝斗「…………」

パイルマン「いててて……おい勝斗ってば!」

勝斗「はあ……」

ピコンッ

維音「あっ、週刊バトルマガジンだ」

ノエル「えーと……あっ」

店長「ん? なんか書いてあったのか?」

ノエル「えっとね、小学校の代表者になれなかった人達を対象に、敗者復活枠が各地区で設けられるんだって」

勝斗「!!!!」ガタッ

勝斗「詳しく教えろ!」

ノエル「え? え、えっと、自分のPETで見た方が早いと……」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「いや、今バトルの途中……」

勝斗「転送、ワイドショット、ホワイトカプセル!」

パイルマン「え、お、おう!」ドンッ

バスターマン「うおわっ!?」ビリッ

勝斗「メガキャノン3枚、スロットイン!」

パイルマン「プログラムアドバンス! ギガキャノン!」ドォンッ

バスターマン「うおおおおおわああ!?」

ドッゴォォォン!


~バトル終了~

弾「う、うわあ、こんなにもあっけなく……」

バスターマン「くっ、油断した……」

弾「いやあ相変わらず強いっすね勝斗君!」

勝斗「パイルマン、早く読め!」

パイルマン「落ち着け、えーと、各地区の特設会場でトーナメント戦だってよ」

勝斗「よし! まだチャンスがあった!」

勝斗「今度こそは! 大会に出るぞ!」

パイルマン「お前なあ、途端に元気になりやがって……」

弾「……あー、もう眼中に無いって感じっすね……」

店長「ま、元気になったみたいだからよかったんじゃねーの?」

維音「…………」

維音「よし、これだったら……」

数日後、大会当日


勝斗「来たぜ、この日が」

パイルマン「ああ、来たな」

ゼノア「エントリー、済ませた?」

勝斗「バッチリだ!」

パイルマン「あーウズウズしてきたぜ」

ゼノア「えーと……まずは予選だって」

ゼノア「用意したウイルスを、最も早く倒した8人が本戦に出れるみたい」

勝斗「タイムアタックか……」

ウイルス「キキィィィ!!」

勝斗「チップ転送! バリアブルソード!」

パイルマン「いくぜ、スーパーソニック!」ブンッ

ズバババッ!

ウイルス「キイイイイ!?」

ウイルス「グギィ!?」

勝斗「残った敵は……」

パイルマン「マークキャノン!」ズドンッ

ウイルス「ウギッ!?」

審査員「全ウイルスデリートォォ! そこまで!」

審査員「かかったタイムは……おお、これは早い!」

審査員「今大会で2位の記録です!」

勝斗「2位!? これで?」

パイルマン「俺達より早く倒した奴がいるのか」

勝斗「だけどまあ、これなら本戦出場は確実だろう」

大会会場

ガヤガヤ

司会「会場の皆さん、お待たせしましたあ!」

司会「私が本大会の司会を務めさせていただきます!」

司会「たった今、本戦出場のメンバーが決定いたしました!」

司会「それではこれより、敗者復活戦、本戦トーナメントを始めたいと思いまぁす!」

司会「まず最初のカードは! この2人!」

司会「予選2位突破の、二門勝斗君とパイルマンコンビ!」

勝斗「ひゃー、一番最初かよ、俺」

パイルマン「いいじゃねえか、これに勝って他の奴らのバトルをゆっくり観戦させてもらおうぜ」

司会「そして、予選6位突破の、掘田維音ちゃんとノエルコンビです!」

勝斗「えっ?」

維音「えへへ……」

ノエル「予選2位なんだって? すごいね!」

パイルマン「はあああ!?」

勝斗「えっ、な、なんで維音が!?」

維音「えっとね、この前学校で勝斗に助けてもらったでしょ?」

維音「でもね、守られてばかりじゃダメだと思っちゃって」

維音「だから私、強くなりたいの!」

勝斗「んなっ……」

パイルマン「……ノエル、お前もか?」

ノエル「うん、わ、私も、強くなりたいの」

ノエル「この前のホップマンとの戦いで、手も足も出なかったから……」

ノエル「だから、維音ちゃんを守れるだけの、力が欲しいんだ……!」

パイルマン「……どうする、勝斗?」

勝斗「はあ……こいつら言って聞かないもんな」

勝斗「本当にいいんだな?」

維音「うん、それに、昔よりは良くなってるから」

勝斗「そうか……悪いけど、手加減しない! 勝負だ!」

維音「うん、勝負だよ勝斗!」

司会「さあ、バトルスタートです!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

維音「ノエル、いくよ!」

ノエル「私達は、強くなる!」


~バトル開始~

VSノエル

「……標的のナビ、予選1位だったな」

「ああ、だがまあ所詮は小学生って感じだったな」

「ケッ、組織の奴ら、俺達が野良ナビだからってバカにしやがって」

「見てろよ、俺達だって例のデータを持ち帰ってやるさ!」

「だがどうやって持ち帰るんだ? 聞いた話だと、あのデータはナビの中に組み込まれてるって話だが」

「確かにナビの中に組み込まれてるが、そのデータは動いていない」

「ただ単にナビの中に格納されているだけさ」

「ちょいとフタを開ければ、簡単に引っ張り出せるはずだ」

「そうか、だったらお前に任せるぞ、アームマン」

アームマン「おう」

アームマン「で、タイミングはどうする? 予選1位だから、一筋縄ではいかなそうだが」

「……実は俺は、予選2位の奴に期待しているんだ」

「うまく勝ち進めば、1位と2位は決勝で当たる」

「決勝戦が終われば、勝った負けたに関わらず疲労しているはずだ」

「そこを狙う!」

アームマン「わかった、お前のタイミングで俺も動くぞ、ガンマン」

ガンマン「了解だ」

アームマン「じゃあ、決勝が終わるまで、逃走経路の確保を急ぐぞ」

ガンマン「ああ」

今回はここまで
やっと大会突入しました

続き投下しますー

~バトル開始~

VSノエル


パイルマン「こんな形で戦う日が来るなんてな」

ノエル「うん……負けないよ!」

勝斗「行くぞ、スロットイン!」

パイルマン「サークルガ……」

維音「ノエル!」

ノエル「マジカルアロー!」バシュンッ

パリィンッ

パイルマン「うわっ!?」

勝斗「大丈夫か!?」

パイルマン「ああ、吹き矢だから威力は大した事な……あー!?」

パイルマン「サークルガンのデータが破壊されてる!」

勝斗「チップ破壊効果か、面倒だな……」

ノエル「続けていくよ! マジカルアロー!」

パイルマン「ちっ」サッ

勝斗「チップで攻撃するのは難しいみたいだな……パイルマン!」

ノエル「マジカルアロー!」

パイルマン「ああ、パネルを引っ剥がして撃ち込む!」

パイルマン「クラックシュート!」ズドンッ

ガキィンッ

ノエル「矢が弾かれた!?」

ドゴォッ!

ノエル「きゃあっ!?」

維音「ノエル!?」

ノエル「うう……大丈夫、まだいける」

勝斗「チャンスだ、たたみこめ! チップ転送!」

勝斗「空けた穴パネルに投げ込め!」

パイルマン「カンケツセン!」

ドバァッ!

ノエル「うわああ!?」

維音「ううー……さすが勝斗、強いね……」

ノエル「くっ……でも、まだまだこれから!」

維音「チップ転送!」

ノエル「スイコミ!」

ブオオオオオオ!

パイルマン「うおおお!?」

維音「接近戦なら、こっちだって負けないよ!」

ノエル「マジカルロッド・チェーンシックル!」ブンッ

ザシュッ

パイルマン「ぐあっ!?」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「くっ、風のせいで動きにくいぜ……!」

パイルマン「追い風だから距離も取れねえ!」

ノエル「反撃だよ!」

ノエル「マジカルロッド、サンセツコン!」ジャキッ

パイルマン「くっ!」

ノエル「てやあ!」ブンッ

ガンッ

パイルマン「ぐっ! くそ!」

パイルマン「間合いが読めねえ!」

勝斗「流石に接近戦は不利か……」

勝斗「だが、一つだけ最も得意な間合いがあるんだ!」

勝斗「チップ3枚転送!」

パイルマン「ストーンキューブ!」ズシンッ

維音「盾? いや、パイルマンならストーンキューブを撃ち込んでくる……!」

維音「ノエル、撃たれる前にキューブを破壊して!」

ノエル「分かった! マジカルロッド・モーニングスター!」

ノエル「でやあ!」ブンッ

バキィンッ

勝斗「今だ! スイコミの風に乗って突っ込め!」

パイルマン「うおおおお!」

維音「突進!? だけどこの距離なら、迎え打てる!」

維音「チップ転送!」

ノエル「イアイフォーム!」

ガキンッ

ノエル「え、効かない!?」

パイルマン「おらあ!」ドカッ

ノエル「きゃあ!?」

ノエル「いたたた……体当りしてくるなんて」

ジャキンッ

ノエル「うっ……」

パイルマン「俺の最も得意な間合いはな、ゼロ距離なんだよ」

パイルマン「ワイドソード、いつでも撃ち込めるぜ」

ノエル「……な、なんでイアイフォームが効かなかったの?」

パイルマン「フィールドをよく見てみな」

維音「……あっ!?」

ララパッパ「プップロッププー」

勝斗「ストーンキューブに気を取られて、その影にあるオウエンカに気付かなかったみたいだな」

維音「そうか、無敵状態になってたからイアイフォームが効かなかったのね……」

パイルマン「続けるか?」

ノエル「……ま、参りました……」


~バトル終了~

司会「ここで決着ゥー!!」

司会「勝ったのは勝斗アンドパイルマンコンビー!!」

勝斗「うっし!」

維音「えへへ、負けちゃった……やっぱり強いね勝斗は」

勝斗「いやいや、維音が思ってたよりも強くてビックリしたぜ」

パイルマン「ノエルも、やるじゃねえか」

ノエル「パイルには、適わなかったけどね……ふふ」

司会「さあさあ、盛り上がった試合だけど、これはまだ1回戦!」

司会「熱い試合はまだまだ続きます!」

維音「じゃあ私、控室で応援してるから、頑張ってね!」

勝斗「おう!」

勝斗「じゃー俺達は控え室で他の奴らの試合を見てるか」

パイルマン「そうだな、どんな奴がいるのか気になるしな」



維音「……」

維音「うっく……」ガクッ

ノエル「維音ちゃん!?」

維音「だ、大丈夫、ちょっと張り切りすぎただけだよ……」

ノエル「もしかして、我慢してたの? 心臓の病気……」

維音「だって、勝斗にこんな姿見られたら、すごい心配するでしょ……?」

維音「それに、昔よりは大分良くなってるから、少し休めば、大丈夫だよ……ふう」

ノエル「維音ちゃん……」

維音「……楽しかったね、ネットバトル」

ノエル「……うん」

司会「さあ、これで1回戦はすべて終了です!」

勝斗「あれ!? もう1回戦終わっちまったのか!?」

パイルマン「みたいだなあ、トイレに時間かけるから……」

勝斗「仕方ねーだろ! 空いてなかったんだから!」

勝斗「なんで控え室のトイレが故障中だったんだよ……おかげで観戦客用のトイレを探すハメになったぞ……」

パイルマン「しかもでかい方だったからな、せっかく見つけても列が出来てたもんな」

勝斗「いらん事言うな」

勝斗「はあ……結局他の奴らの試合、見れなかったな」

パイルマン「次から準決勝だ、すぐに俺達の番が来るぞ」

司会「次の対戦は、予選2位の二門勝斗アンドパイルマンコンビと」

司会「予選3位の鏡銀太郎アンドリバースマンコンビとなります!」

銀太郎「はっはっはっは!」

銀太郎「よお予選2位、さっきの試合見てたぜ!」

銀太郎「まあ少しはやるみたいだが、俺様には及ばねえな!」

銀太郎「ま、俺様の試合を見てたら、それを理解してるはずだな、はははは!」

勝斗「ああごめん、トイレ行ってたからお前の試合見てなかったんだよな」

銀太郎「な………んだとぉ!?」

銀太郎「オメーそれは、俺のことなんて眼中に無いってことか、アァ!?」

勝斗「そういう訳じゃねえけど……」

銀太郎「ジョートーだ! ぶっ飛ばしてやる!リバースマン!」

リバースマン「ふう、銀太郎はすぐ熱くなるな」

リバースマン「そう焦んな、俺達の勝ちは確定してるんだからな」

パイルマン「たいした自信だな、後悔すんなよ?」

司会「それでは試合開始です!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

銀太郎「すぐに泣きベソかかせてやる!」

リバースマン「お前の攻撃、俺に通じるかな?」

~バトル開始~

VSリバースマン


勝斗「先手必勝、スロットイン!」

パイルマン「マークキャノン!」ドンッ

リバースマン「馬鹿め! リバースハンド!」

ガキィンッ

パイルマン「おわあっ!?」ズザー

勝斗「なんだ!? 跳ね返したのか?」

銀太郎「へっ、試合を見てなかったってのは本当のようだな」

リバースマン「俺はあらゆる攻撃を威力2倍にして跳ね返せるのさ」

パイルマン「ぐっ……面倒だな」

勝斗「……チップ転送、センシャホウ!」

勝斗「跳ね返された攻撃に当たらないように、動きながら当てるんだ!」

パイルマン「分かった!」ズドンッ

リバースマン「無駄無駄ぁ、リバースハンド!」ガキィンッ

銀太郎「バカの一つ覚えか? いくらやっても同じだぜ!」

勝斗「……よし、だったらこれだ、チップ転送!」

パイルマン「バンブーランス!」

リバースマン「甘い! リバースボディ!」

ガキィンッ

勝斗「何!?」

リバースマン「いい読みをしたな、確かに今までの攻撃は右手で反射させていた」

リバースマン「だから右手以外を狙えば反射されないと読んだのだろう?」

リバースマン「だが残念だったな、俺はどこからの攻撃でも反射できるのさ!」

パイルマン「どうする勝斗?」

勝斗「どこからでも?だったらどこからでも攻撃してやる!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「ホウガン! ラットン!」

リバースマン「無駄ァ! 上からでも横からでも全て反射する!」

パイルマン「ダメみたいだな」

勝斗「……」

銀太郎「そろそろこっちからいくぜ!」

リバースマン「リバースハンド・バズーカ!」

バキィ

パイルマン「ぐうっ!?」

リバースマン「跳ね返す効果を利用して、掌底突きの威力を高める!」

勝斗「ここだッ!」

パイルマン「パイルバンカー!」

ズドンッ!!

リバースマン「ぐはあっ!?」

銀太郎「何い!?」

リバースマン「ば、馬鹿な、クロスカウンターだと……」

銀太郎「リバースハンドの攻撃は跳ね返す力を利用してるんだ」

銀太郎「つまり、くらった瞬間に敵を吹き飛ばすはずだぞ!?」

銀太郎「なんで反撃できるんだ!」

勝斗「いやまあ……バリア張っただけだけど」

銀太郎「何?」

パイルマン「どんな強力な攻撃でも、単発なら耐えるからな」

パイルマン「そんでもって、攻撃してきた瞬間を狙わせてもらったのさ!」

リバースマン「くっ……!」

リバースマン「くそが! リバース……」

パイルマン「おっと」ジャキッ

リバースマン「ッ! ボディ!」

パイルマン「あれ、攻撃しないの?」

リバースマン「くっ……」

パイルマン「じゃあ、こっちからいくぜ」

パイルマン「バンブーランス! ラットン! ホウガン!」

リバースマン「くう、リバースボディ!」

パイルマン「なーんてな」

リバースマン「何!?」

パイルマン「叫んだだけだぜ?」

リバースマン「この……!」

リバースマン「(くそっ!)」

リバースマン「(リバースハンドとリバースボディは同時発動できない)」

リバースマン「(リバースボディを使えばその間は攻撃に移れない)」

リバースマン「(かといって、リバースハンドで攻撃しようとするとクロスカウンターがくるから、迂闊に攻撃できない)」

リバースマン「(そして、防御に回れば本当にいろんな方向から攻撃してくるから、リバースハンドでは対処しきれない!)」

リバースマン「(リバースボディは消耗が激しいというのに……!)」

パイルマン「ほい」ジャキッ

リバースマン「ッ!? リバースボディ!」

パイルマン「構えただけなんだが」

リバースマン「な、こいつ……!」

リバースマン「……銀太郎! どうすればいい!」

銀太郎「なっ!? どうするって聞かれても……ぐぬぬ」

勝斗「よし、そろそろ仕掛けるぞ」

勝斗「チップ2枚転送!」

パイルマン「プリズム!」

リバースマン「プリズム? 何のつもりで俺の後ろに投げて……」

パイルマン「そしてセンシャホウ!」ズドンッ

リバースマン「ふん、前からならリバースハンドで……む?」

パイルマン「狙ったのはお前じゃねえ、プリズムだ!」

ガキィンッ

リバースマン「何!?」

パイルマン「跳ね返ったセンシャホウがお前の背後にぶち当たるぜ!」

リバースマン「くっ! リバースボディ!」

ガキンガキンガキンガキンガキン

リバースマン「なっ、これは……」

勝斗「上手くハマったな!」

勝斗「リバースボディとプリズムの間で、センシャホウが延々に反射し合うぜ」

勝斗「しかもお前の反射は威力2倍にするから、反射すればするほどプリズムとの間のセンシャホウはどんどん威力が上がる」

勝斗「つまり、時間が立つほどリバースボディを解除する訳にはいかないんだが……」

パイルマン「そのリバースボディ……いつまでそのまま維持することが出来るんだ?」

リバースマン「くっ……!」

リバースマン「(リバースボディを展開している間は移動が出来ない)」

リバースマン「(だが、背中で反射してるから、リバースハンドに切り替える猶予が無い!)」

リバースマン「銀太郎ォ! どうすれば……!」

銀太郎「ううっ……!?」

リバースマン「も、もう限界、だ……リバースボディを維持するエネルギーが……」

ブチッ

パイルマン「ん? 消えた?」

銀太郎「あ、あれ? PETの電源が切れた!?」

司会「おっと、ここでアクシデント発生か!?」

勝斗「あー、どうやら反射し合ったセンシャホウの威力が高まりすぎて処理落ちしたっぽいな」

勝斗「それによってお前のナビとPETが強制終了したんだ」

勝斗「良かったな、リバースボディが切れて粉々に吹き飛ぶ前で」

銀太郎「……」

司会「どうやらリバースマンはバトル続行不可のようです!」

司会「よってこの試合、勝斗アンドパイルマンコンビの勝利!!」

銀太郎「……ふ、ふん! 今回はたまたまだ! 次は俺が勝つからな!」

勝斗「いや何度やっても同じだと思うよ」

銀太郎「何ぃ!?」

勝斗「だってお前、ナビの性能に頼りっぱなしで、オペレートしようとしてないもん」

銀太郎「な、なっ……」

勝斗「さあて次は決勝だ、ゆっくり観戦しようぜ」

パイルマン「ああ、トイレには行ったから大丈夫だな」

銀太郎「……くっそぉ!」

銀太郎「覚えてろよぉ! 俺は覚えたからな二門勝斗ぉ!!」

~バトル終了~

メインキャラリストNo.008

鏡 銀太郎(かがみ ぎんたろう)
小学5年生。
生意気な性格で、何かと理由をつけて喧嘩をふっかけるてくる。
オペレートはリバースマンの性能に頼っているのであまり上手くない。

リバースマン
人型ナビ。
自分本位な性格で、挑発的な態度を取る。
その挑発に乗った敵の攻撃を自身の能力で威力2倍にして跳ね返す戦法を得意とする。
しかし、かなりのエネルギーを消耗するため、あまり連発すると息切れする。

今回はここまでです
次は決勝です

いやあ、お待たせしました
続き投下します

司会「決勝戦に進む2人が決まりました!!」

勝斗「あれえ!? 準決勝は!?」

パイルマン「ジュース買いに行ってる間に終わっちまったみたいだな」

勝斗「くっそお、近くの自販機が全部売り切れてたから外まで出たのがいけなかったか……」

パイルマン「喉の渇きくらい、我慢すりゃ良かったんじゃないのか」

勝斗「それは言うな」

勝斗「はあ……この大会、結局一つも試合見れなかったぞ……」

パイルマン「もうすぐ俺達の試合始まるぞ」

勝斗「ゆっくりジュース飲む暇もないのかよ」プシュ

勝斗「んっ、んっ…………プハァ!」

勝斗「よし飲んだ! 行くぞ!」

司会「さあ、決勝で戦うのはこの2人!」

司会「予選2位の二門勝斗アンドパイルマンコンビと!」

司会「予選1位の辻野クロームアンドクリンコンビー!」

クローム「さて、今までの相手は張り合いがなかったけれど」

クローム「あなたは楽しませてくれるのかしら?」

勝斗「へっ! こっちも負けるつもりは……あれ?」

勝斗「どっかで会ったことない?」

クローム「?」

クローム「どこかで会ったことあったかしら? 私は記憶に無いわね」

勝斗「んー……じゃあ気のせいか」

クリン「……」

パイルマン「よお、負けないぜ」

クリン「そうですか、そう思っていればいいと思います」

パイルマン「……なんかつれないヤツだな」

司会「それでは決勝戦、開始!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

クリン「お嬢様、ご指示を」

クローム「だからお嬢様はやめ……はあ」

~バトル開始~

VSクリン


クローム「じゃあとりあえず、適当にスロットインしとくわ」

クリン「了解しました」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「いくぜ、メガキャノ」

クリン「ジェラシー」

ボガンッ!!

パイルマン「ぬぐあ!?」

勝斗「ジェラシー!? レアチップじゃないか!」

パイルマン「ちっ……」

勝斗「くそ、送ったチップが破壊されたか……」

クリン「パラディンソード」ブンッ

パイルマン「うおおおっと!?」

クリン「おや、よく避けれましたね」

勝斗「パラディンソード! またレアチップか」

クリン「ポイズンアヌビス」

ズンッ

パイルマン「ぐっ、毒か!」

勝斗「レアチップばかり使いやがって……」

勝斗「羨ましいじゃねーかよ!」

パイルマン「おい勝斗! そうじゃないだろ!」

勝斗「パイルマン!そのポイズンアヌビスを撃ち込んでやれ!」

パイルマン「おう! ポイズンアヌビス・バンカー!」ズドンッ

クリン「むっ」サッ

クローム「ふーん、置物を撃ち出してくるのね」

クリン「ですが、単調に撃って来るだけでは……」

パイルマン「クラックシュート!」

ドガッ

クリン「ぐっ!?」

パイルマン「おいおい、余裕かましすぎじゃあねーの?」

クリン「……これは失礼しました」

クローム「あら、思ったよりはやるみたいね」

クローム「じゃあちょっと本気出そうかしら」

クローム「チップ転送!」

クリン「サンクチュアリ」ブォン

パイルマン「む!?」

クリン「ドリームオーラ」ブォン

勝斗「はあああ?」

クローム「さて、これを突破できるかしら?」

クリン「スーパーバルカン」ズダダダッ

パイルマン「おっ、おわ、うわっ!」

クリン「避けてるだけですか?」

パイルマン「くっそー、すました顔してえげつないことしやがる」

勝斗「サンクチュアリにドリームオーラって……」

クローム「もしかして手も足も出なくなっちゃったかしら?」

勝斗「……まさか!」

勝斗「チップ転送! いけ!」

パイルマン「よし来た! フウジンラケット!」ブンッ

クローム「あら」

パイルマン「クサムラステージ!」ブォン

クリン「おや」

パイルマン「でもってブラックボム!」ズシン

勝斗「さて、次のチップで点火だ!」

クローム「……へえ」

クローム「ドリームオーラを風で吹き飛ばして、サンクチュアリをクサムラステージで上書きしたのね」

クローム「そして、ブラックボムで攻撃に転じて来た」

クローム「……やるじゃない、面白くなってきたわ」

クローム「クリン、本気出していいわよ」

クリン「了解しました、お嬢様」

クローム「お嬢様はやめなさい」

クリン「失礼しました」

クリン「……では」

クリン「ハキボウキ!」サッ

パイルマン「何!」

勝斗「パネルをリセットしたのか! ボムまで消えてる!」

クリン「綺麗に掃除させていただきました」

クローム「クリン、接近して攻撃」

クリン「はい」ザッ

パイルマン「むっ!?」

勝斗「チップ転送!」

クリン「シコミガタナ!」

パイルマン「エンゲツクナイ!」

ガキィンッ

クリン「……よく防ぎましたね」

パイルマン「そっちこそ、まるで動きが変わったじゃねーか」

クローム「へえ、接近した時点ですかさずスロットインするなんて」

クローム「なかなかの状況判断ね」

勝斗「そりゃどうも」

勝斗「続けていくぞ、チップ転送!」

パイルマン「トップウ!」ブンッ

クリン「むっ!?」

パイルマン「そしてセンシャホウ!」ズドンッ

クリン「くっ、風があるとはいえ、こんなものは簡単にかわせ……」

ボゴォンッ

クリン「うあっ!?」

パイルマン「着弾点付近だと爆風に巻き込まれるぜ?」

クリン「……ふふ」

パイルマン「ん?」

クリン「久しぶりに面白くなってきたぜ」ボソッ

パイルマン「えっ?」

クローム「ふふふ、ノってきたみたいね」

クローム「久しぶりついでに例のアレをやりましょうか」

クリン「了解です」

クリン「ソニックブーム!」ブンッ

パイルマン「衝撃波か!」

勝斗「だがこの距離なら対処が……」

クローム「チップ転送!」

クリン「フミコミザン!」ザッ

パイルマン「何!?」

クローム「ソニックブームにフミコミザンの斬撃を乗せて、速度を加速させる!」

勝斗「速い!?」

クリン「スラッシュクロス!」

ズバァンッ!!

パイルマン「ぐああああ!?」

勝斗「パイルマン!?」

クローム「えーと、あなたの名前忘れちゃったけど、褒めてあげるわ」

クローム「ここまでバトルらしいバトル、本当に久しぶりだったから」

パイルマン「……ぐっ」ヨロッ

パイルマン「な、何勝った気で、いるんだよ……!」

クリン「……!」

クローム「……驚いたわ、アレをくらってまだ立っていられるなんて」

勝斗「まだ終わってねえ!」

クローム「でももう無理でしょう、トドメよ」

クローム「チップ転送!」

クリン「ジャスティスワン!」

クローム「正義の鉄槌で、ジ・エンドね」

勝斗「パイルマン! チップ転送!」

パイルマン「トップウ・バンカー!」ズドンッ

クリン「無駄なあがきを」スッ

パイルマン「……かかったな!」

クリン「え? ……うわっ!?」ブオオオ

クローム「吸い寄せられてる!?」

勝斗「トップウを逆向きにして撃った! 風向きはお前から見て追い風になってんのさ!」

パイルマン「捕まえた!」ガシッ

クリン「ぐっ!? 道連れにするつもりですか!?」

パイルマン「違うな、砲台セット!」ジャキッ

クリン「なっ、これは!?」

パイルマン「テメーが落としたコブシには、テメーがぶつかってきな!」

パイルマン「クリン・バンカー!!」

ズドンッ!!

クリン「うわあああああ!?」

クローム「クリンを撃ち出した!?」

ドゴォッ!!

クリン「きゃああああああ!!」

パイルマン「……へへ、俺の勝ちだな」

ズドォンッ!!

司会「ジャスティスワンが炸裂!」

司会「さあ、一体どうなった!?」

「………………」

パイルマン「……へへ!」

司会「あーっと! 立っているのはパイルマン!」

勝斗「あらかじめ転送してたおかげで間に合ったな、バリア!」

パイルマン「ひぃー、ここまで疲れたのは久しぶりだ……」

クリン「……うぐ」

クリン「すみません、クローム……負けてしまいました」

クローム「……」

クローム「…………」

クローム「………………」

クローム「……………………あなた、名前は?」

勝斗「二門勝斗」

パイルマン「パイルマンだ」

クローム「勝斗にパイルマン……ふふ」

クローム「私はクローム、辻野クロームよ」

クローム「またいつか、お手合わせ願えるかしら?」

勝斗「ああ、もちろん!」

司会「優勝は! 勝斗アンドパイルマンコンビだああああああ!!」


~バトル終了~

パイルマン「……ふう」

クリン「……」

パイルマン「クリンだったか? 今まで戦ったナビで、一番強かったぜ」

クリン「……ええ、私も、同じです」

クリン「今までであなたが一番強かったですよ、パイルマン」

クリン「……初めて、負けましたからね」

パイルマン「そうなのか」

クリン「こう見えて、バトルは好きなものでして、ね」

パイルマン「……あぁ、確かに途中からのお前は楽しそうに見えたぜ」

クリン「おや、にじみ出てましたか……ふふ」

パイルマン「立てるか?」

クリン「……ちょっと、無理そうです」

パイルマン「手、貸すぜ」スッ

クリン「……ありがとうございま」

「スモークバレット!」

ボンッ!!

パイルマン「うわ!?」

クリン「な!?」

勝斗「なんだ!?」

「邪魔だ!」バキッ

パイルマン「ぐあっ!?」

勝斗「パイルマン!?」

クリン「きゃあ!?」

クローム「クリン!? どうしたの!?」

「確保した!」

「よし、まずは安全圏に急ぐぞ!」

クローム「何が起こってるの!?」

勝斗「くそ、煙幕で何も見えない!」

司会「ああーっと!? これは一体なんだ!?」

「お前らよく聞け!」

「この会場に爆弾を仕掛けた!」

「あと10分足らずで爆発するぜ!」

勝斗「何っ!?」

司会「う、うわあああああ!!」

司会「か、会場の皆様、落ち着いて避難してください!」

司会「私も逃げます! ひいい!」

勝斗「パイルマンプラグアウトだ!」

勝斗「何がなんだか分からないが、とにかく逃げるぞ!」

クローム「クリン!? 応答してクリン!」

勝斗「クローム! お前も早く!」

クローム「待って! クリンがいないの!」

勝斗「なんだって?」

パイルマン「さっきの奴らだ! さっき俺を殴り飛ばして、クリンを連れ去った!」

クローム「なんですって!?」

勝斗「……」

勝斗「クローム、先に避難してろ」

クローム「え?」

勝斗「いけるな、パイルマン?」

パイルマン「へへ、そう来ると思ったぜ」

勝斗「クリンは俺達が連れ戻す! 今それができるのは俺達しかいない!」

クローム「……で、でも、あなたは!」

勝斗「あ! すまん、頼みたいことがある!」

クローム「え?」

勝斗「掘田維音って子が俺の応援をしてるんだ!」

勝斗「予選6位の奴だ!」

勝斗「あいつ、病気で激しい運動が出来ないから逃げ遅れてると思うんだ!」

勝斗「控え室にいると思うから、一緒に避難してくれ!」

クローム「……分かったわ」

クローム「その子を避難させたら、後であなたも助けにいくわ」

勝斗「頼んだぞ」

クローム「こっちの方こそ、クリンを頼むわ!」ダッ

勝斗「……パイルマン、どこに逃げたか分かるか?」

パイルマン「ああ、逃げた痕跡がバッチリ残ってやがる」

勝斗「行くぞ!」

パイルマン「おう!」

アームマン「……」ズボッ

クリン「うあっ」

ガンマン「あるか? そのナビの中に」

アームマン「……見つけたぜ」

アームマン「ふんっ!」

クリン「あああ!?」

アームマン「よし、取れたぜ!」

アームマン「ははは! やったぞ、プラネットデータだ!」

クリン「うう……」

アームマン「見てるか、俺達をバカにしたヤロー共!」

アームマン「俺達でも手に入れられるんだ!」

ガンマン「早く本部に転送しよう」

アームマン「おう! ……送ったぜ!」

ガンマン「さて、後は俺達が脱出するだけだな」

アームマン「大丈夫なんだろうな?」

ガンマン「なあに、爆弾を仕掛けたって嘘を言ってやったからな、会場は大混乱だ」

ガンマン「俺達を追ってくる余裕がある奴なんていないさ」

「いるぜ、ここにな」

ガンマン「何!?」

勝斗「追いついたみたいだな!」

パイルマン「そいつを離してもらおうか!」

ガンマン「む、予選2位のナビとオペレーターか!」

クリン「……」

アームマン「……まあいいさ」

アームマン「目的のものは手に入れた、コイツは用済みだ」ドサッ

アームマン「……だが!」

ガンマン「俺達の姿を見られた以上、生かしておくわけにはいかないな」

アームマン「ここでデリートさせてもらうぞ」

パイルマン「ふん! やるってんなら……うぐ!?」ガクッ

勝斗「パイルマン!?」

アームマン「はははは! 決勝が終わったばかりだろう、まだダメージが残ってるんじゃないか?」

ガンマン「そんなんで、俺達2人を相手にしようというのか?」

パイルマン「くそっ……」

勝斗「そうか、だからこのタイミングでクリンを攫ったのか……」

アームマン「それじゃあ、サクッとやってやるよ!」

勝斗「……手が無いわけじゃあないぜ!」

勝斗「プラグイン! ゼノア.EXE、トランスミッション!」

ピシュン!

ゼノア「……」

ガンマン「何? もう一体ナビを持っていたのか!」

勝斗「ゼノア、頼むぞ!」

ゼノア「……分かった」

ゼノア「パイルマンは、その子を連れて脱出して」

パイルマン「……ああ、頼む!」

ピシュン!

アームマン「ガンマン、あいつらを追え!」

アームマン「俺はこいつを仕留める!」

ガンマン「了解!」

勝斗「うわっ!? 俺のPETにアクセスしてきた!」

勝斗「ゼノア、さっさとこいつを片付けてもう一体を止めるぞ!」

ゼノア「うん」

アームマン「ふん、向かうのはお前らじゃねえ、俺だ!」

勝斗「行くぞ! バトルオペレーション、セット!」

ゼノア「イン!」

アームマン「ぶっ潰す!」


~バトル開始~

ゼノアVSアームマン

メインキャラリストNo.002(更新)

辻野クローム
小学5年生。日本人とアメロッパ人のハーフであり、いいとこのお嬢様。日本在住。
非常にマイペースで、周りのことなど知ったことではない。
富豪の娘という枠組をうっとおしく思っており、度々家出している。
興味無いことにはとことん興味無いので、やる気の出ないネットバトルはレアチップを大量に使ってゴリ押しする。

ナビ:クリン
メイド型ナビ。ソード系統。
普段こそ礼儀正しい態度を取るが、その実バトルジャンキーな姉御肌。でもそんな本性を見せるのは今のところオペレーターのクロームだけ。
ホウキを使って剣戟を繰り出したり衝撃波を飛ばしたりする他、
エリア上のトラップや障害物などを綺麗さっぱり掃除する。

今回はここまでです
眠い

どうも。
今夜時間が空けば続きを投下する予定ですが、
現状募集したナビの登場目処が立ったので、また追加で5体ほど募集したいと思います。
テンプレは>>1より。

ナビ名: モノノフマン(又の名を真田源次郎幸村)

性格: 真田幸村をモチーフに、どんな時でも諦めず敵に立ち向かうど根性と熱血魂がインプットされている。ぶっちゃけエグゼと同じカプコン社の戦国モノのアイツ。

戦い方: 風林火山の兵法を使い二本の槍と熱血パンチでひたすら押していく。

その他要望: オペレーターは幽霊の女の子。しかもどういうわけか電脳世界に住んでいる。

>>165
技名は突きまくる「レッカ」強化版の「ダイレッカ」
炎を前方に散らす「センリョウハナビ」 フィールドをコマのように回転する「ダイグレンキャク」
そして炎の超巨大パンチ「コエン」 体力犠牲自己強化「ネッケツダイフンカ」で

集まったので募集打ち切り。
設定盛りだくさんで捌ききれるか自信が無いのは内緒な。

続き投下していきます。

~バトル開始~

ゼノアVSアームマン


アームマン「くらいな、ファイアナックル!」

ゼノア「ギガントフィスト……!」

ガンッ

アームマン「ほう? 力比べか、だが!」

ジュウウウ

ゼノア「うっ……」

アームマン「このままテメーの腕を焼き尽くしてやる!」

勝斗「チップ転送!」

ゼノア「ドリルアーム!」ギュイイイン

ガガガッ

アームマン「ぐああっ!?」

勝斗「だったらこっちはお前の腕に風穴空けてやるぜ!」

アームマン「くっ!」ザッ

勝斗「離れればこっちが有利だ!」

ゼノア「イッセイソウシャ!」ズガガガッ

アームマン「ぐっ、この……」

アームマン「仕方ねえ、こいつを使うか!」

アームマン「ギミックハンド!」バシュン

勝斗「腕を飛ばしてきた!?」

グルグル

ゼノア「うっ!?」

アームマン「捕まえた!」

勝斗「チェーンで繋がった腕か」

アームマン「このまま引き寄せて、ファイアナックルをお見舞いして」

ゼノア「ふん!」

ブチィッ

アームマン「……なっ!?」

ゼノア「こんな鎖、私を拘束するには力不足」

勝斗「チップ転送!」

ゼノア「センシャホウ!」ドゴォン

アームマン「ぐっ!?」

勝斗「たたみかけろ!」

ゼノア「ラビリング」バチィ

アームマン「ぐうっ!?」

ゼノア「トドメのギガント……」

ドスッ

ゼノア「うぐっ!?」

勝斗「ゼノア!?」

アームマン「……へへ、油断したな」

ゼノア「ぐっ……」ガクッ

勝斗「……背中にナイフが刺さってる!?」

アームマン「俺の左腕は鎖がちぎれても遠隔操作可能なのさ!」

アームマン「そいつをナイフに変形させてぶっ刺した!」

ゼノア「身体が、動かない……」

勝斗「麻痺効果付きか……」

アームマン「さあて、このまま俺のファイアナックルで」

アームマン「デリートだ!」ブンッ

勝斗「随分ファイアナックルにこだわるな」

勝斗「だが、そこが穴だ!」

ゼノア「……トラップ、カキゲンキン!」

ドガァン!

アームマン「がっはあ!?」

アームマン「罠、だとっ!?」

ゼノア「……麻痺、解けた」

勝斗「今度こそトドメだ!」

ゼノア「ギガントフィスト!」

ドゴォンッ!

アームマン「ぐあああああああ!!」

アームマン「貴様らごときに、この俺があああ!」

勝斗「悪いな、急いでるんだ!」

ドゴオオオオオオン!

ゼノア「……デリート、完了」

勝斗「早いとこもう一体の方にも向かってくれ!」

ゼノア「了解」ピシュン!


~バトル終了~

ガンマン「待て!」

パイルマン「……ちっ、追ってきたか!」

クリン「……」

ガンマン「覚悟してもらおう」

パイルマン「へっ、そう簡単に追いつかれてたまるか」

パイルマン「クラックシュート!」ズガンッ

ガンマン「むうっ!?」サッ

ガンマン「パネルを壊して道を塞いだか……」

ガンマン「だったら、ここから狙い撃つ!」

ガンマン「エイムショット!」バンッ

パイルマン「ぐっ!?」

パイルマン「くそ、この距離で当ててくるのか……!」

ガンマン「このままじっくり、追い詰めてやる」

ガンマン「エイムショット!」バンッ

パイルマン「くっ!」サッ

パイルマン「ナビ担ぎながらかわすのは厳しいぜ……!」

パイルマン「だがここまで離れればなんとか避けれる!」

ガンマン「さすがにこの距離では当たらないか……だったら」

ガンマン「パネルクリエイト!」バンッ

パイルマン「何!? 穴を塞いだ!?」

ガンマン「俺の弾丸はパネルを塗り替える効果を持っているのだよ」

ガンマン「とりあえず木属性の弾丸、ウッドバレットで穴をクサムラパネルに変えたのさ」

ガンマン「穴は塞いだ、再び距離を詰める!」

パイルマン「くそっ」

ガンマン「エイムショット!」バンッ

パイルマン「だったらこうだ、パネルシールド!」ガキンッ

ガンマン「剥がしたパネルを盾に使うだと?」

ガンマン「だが無意味だ、こいつをくらいな」

ガンマン「ペネトレイター!」ズドンッ

パイルマン「うわ!? 貫通しやがった!」

ガンマン「こいつは貫通弾だ、並の装甲なら簡単にぶち抜く」

ガンマン「もちろん、当たればタダでは済まないだろうなぁ」

パイルマン「ちっ……」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「勝斗! こっちはそろそろ限界だ!」

勝斗「ああ、安心しな、間に合ったぜ」

ピシュン!

ゼノア「……おまたせ」

パイルマン「ゼノア! ふぅー、助かったぜ」

ガンマン「何? 貴様がここにいるという事は……」

ゼノア「腕ナビ……倒した」

ガンマン「アームマンがやられただと……貴様ァ!」

勝斗「次はコイツだ! さっさとケリつけるぜ!」

勝斗「チップ転送!」

ゼノア「ラビリング!」バシュン

ガンマン「ぐっ!?」ビリッ

勝斗「パイルマン、いけるか?」

パイルマン「ああ、少しだけならな」

勝斗「よし、ワイドソード、同時転送!」

パイルマン「合わせてくれ!」

ゼノア「了解」

「「クロスソード!!」」

ズバァンッ

ガンマン「ぐああああああ!?」

ガンマン「こ、こんな、馬鹿なああああ!?」

ドゴオオオオオオン!

パイルマン「……よし、倒した!」

ゼノア「デリート完了……」

勝斗「頑張ったな、二人共」

クリン「……」

勝斗「様子はどうだ?」

パイルマン「気を失ってるだけだ、何ともないぜ」

パイルマン「……うぐ」ガクッ

勝斗「パイルマン?」

パイルマン「さ、さすがに疲れた……休ませてくれ……」

勝斗「……ああ、お疲れ様!」

勝斗「ゼノアも戻ってくれ」

ゼノア「了解……」ピシュン!

勝斗「さて、後はクリンを連れていくだけだな」

「うおおおお!!」

勝斗「ん?」

「プラグイン!」

ピシュン!

「キャノンマン、見参!」

パイルマン「え? いきなりなんだ?」

勝斗「あの、誰?」

「我が名はMr.キャノン!」

Mr.キャノン「クロームお嬢様の母君、辻野エミリー様に仕えし、お守り三銃士の1人なり!」

勝斗「お、お守り三銃士??」

Mr.キャノン「此度、クロームお嬢様の命により、勝斗殿の助太刀に参った!」

勝斗「……は、はあ」

キャノンマン「……」キョロキョロ

Mr.キャノン「して……敵はどこですかな?」

勝斗「もう倒したけど……」

Mr.キャノン「なんと!? 既に事は終わっていたとは!」

キャノンマン「……せっかくキャノンを用意したんだがな、必要無さそうだ」

パイルマン「そ、そうか、キャノンか……」

キャノンマン「クリンは無事だな?」

パイルマン「え? ああ、今は寝てるだけだぜ」

キャノンマン「聞いたか主、クリンは無事だそうだ」

Mr.キャノン「ふむ、となればもう一つの命、勝斗殿の救出を遂行する!」

勝斗「え?」

Mr.キャノン「ここに爆弾が仕掛けられていると聞いた! 早く退避するのだ!」ガシッ

勝斗「うわ、ちょ」

Mr.キャノン「安心めされい、かつぎ上げた手前、落とすような真似はせぬ!」

Mr.キャノン「では……しっかり捕まっておくのだ!」ダッ

勝斗「は、話が見えない! 何なんだー!?」

????


「……」

部下「……アイザック様、アームマンからプラネットデータが転送されてきました」

アイザック「そうか、いつも通り俺のサーバーに転送しておけ」

部下「了解しました」

部下「あと……そのアームマンとガンマンのデリートが確認されました」

アイザック「……ふん、元々オペレーターもいない野良ナビだ」

アイザック「このデータを手に入れただけでも上出来なものだな」

アイザック「下がれ」

部下「はっ!」

アイザック「さて、安都が手に入れたものと合わせて、これで6つ」

アイザック「残りは3つか……」

アイザック「WWW、ゴスペル、そしてネビュラ」

アイザック「こやつらが率先して騒ぎ立ててくれたおかげで、こうして影を潜めて事を進めることが出来たぞ」

アイザック「そして、残り3つのデータのうち、2つは居所の検討がついているが……」

アイザック「いずれの組織も壊滅した今、オフィシャルめが我々を本格的に捜査し始めるだろうな」

アイザック「ステア・アクセル!」

ステア「は、ここに」

アイザック「残り一つのプラネットデータと、コアデータの所在は掴めたか?」

ステア「いえ、残念ですが……」

アイザック「他のデータは着々と集まりつつある」

アイザック「そして、それらのデータはすべて二門光流が隠したものだと分かっている」

アイザック「俺も探してはいるがいかんせん時間が無い、奴の赴いた先を元に捜索を急ぐのだ」

ステア「はっ!」

アイザック「そうだな……オフィシャルが嗅ぎつける前に、残った2つのデータも回収しておいてもらおうか」

ステア「仰せのままに」

アイザック「くくく……我々、『ゾディアック』がこの星を支配する日は遠くないぞ」

アイザック「くくくく、はははははは!」

メインキャラリストNo.009

アームマン
人型ナビ。ヒート属性。
悪の組織の一員。オペレーターはいない。
熱血な性格で、熱くなると周りが見えなくなる。
右腕の炎のパンチは威力が高い上、左腕に備えられたギミックで細かいことも出来る。性格の割に手先が器用。


メインキャラリストNo.010

ガンマン
人型ナビ。カーソル系統。
悪の組織の一員。オペレーターはおらず、アームマンとコンビを組んでいる。
冷静な性格で、突っ走りがちなアームマンのフォローに回ることが多い。
愛用のコンデンサーを用い、連射は出来ないが様々な属性を持つ弾丸を放つ。


メインキャラリストNo.011

Mr.キャノン
男性。お守り三銃士の1人。
熱血な性格でよく叫ぶ。うるさい。が、人の話はちゃんと聞ける。
キャノンをこよなく愛する。三度の飯よりキャノン。デザートにキャノン。チップフォルダはすべてキャノン。キャノン。
ギガキャノンやマークキャノンなどは邪道と考え、あくまでキャノンのみにこだわる。キャノン。

キャノンマン
戦車型ナビ。
与えられた任務はきっちりこなす仕事人。しかしそのせいで融通が利かないことも。
とにかくキャノン。ひたすらキャノン。つまりキャノンをこれでもかとぶっぱなす。キャノン以外の攻撃は意地でもしない。キャノン。
キャノンの性能を上げる能力が備わった代償に、キャノン以外のチップを使ったら自爆する。キャノン。

悪の組織の名前が出てきたところで今回はここまで。

短めですが続き投下しますー

Mr.キャノン「お嬢様ああ! 勝斗殿を無事お連れしました!」

勝斗「ひいい、目が回った……」

クローム「あなたは声がでかいのよ、もう少しなんとかならない?」

Mr.キャノン「はっ! 申し訳ございませぬ! ……おっと」

クローム「やれやれ」

クローム「それで……」

勝斗「ああ、クリンなら連れ戻してきたぜ」

パイルマン「今そっちに転送する」ピコン

クローム「クリン!」

クリン「……う、お嬢様……?」

クローム「もう、お嬢様はやめてって言ってるじゃない」

クリン「これは、失礼、しました……」

クローム「まったく……無事でよかった、本当に……」

クローム「ありがとう勝斗、クリンを助けてくれて」

勝斗「いやあ、大したことは」

維音「勝斗!」

勝斗「あ、維音、無事だったんだな」

維音「こっちのセリフだよ! 心配したんだから」

勝斗「心配したのはこっちだぞ? お前はさ……なあ?」

維音「もう! またそうやって過保護になるんだから、お父さんみたい」

勝斗「お前が時々無茶なことするから仕方ないだろ」

勝斗「大体、今回試合に出たことだってさあ……」

維音「いつも無茶してるのは勝斗の方でしょ!」

維音「今回みたいに危ないことに自分から突っ込んで……」

クローム「……やれやれね」

Mr.キャノン「あー、オホン」

Mr.キャノン「事が済んだところで、お嬢様に物申させて頂きたい」

クローム「別に言わなくていいわよ」

Mr.キャノン「いいえ言わせていただきます!」

Mr.キャノン「何故毎回毎回、家出なされるのですかお嬢様あああ!」

Mr.キャノン「しかも、今回は我々に黙って大会にまで出る始末!」

Mr.キャノン「これ以上我々や母君にご心配かけさせるのはやめていただきたい!」

クローム「だって、家にいてもつまらないもの」

クローム「外の世界を見て回ることこそ必要なことだと思わない?」

Mr.キャノン「お嬢様はまだ幼すぎるのです!」

Mr.キャノン「1人で出歩くには、あまりにも無力!」

Mr.キャノン「ましてや辻野グループの娘! 狙う輩も少なくはないのですよ!」

Mr.キャノン「それなのに今回、大会出場して目立ちに目立って!」

Mr.キャノン「だから、そこを狙われてクリン殿がさらわれたわけで」

クローム「あーーはいはいはい、分かったわよ!」

クローム「しばらくは勝手に外に出たりはしないわよ」

クローム「だから声のボリューム下げて、お願いだから」

Mr.キャノン「むう、まだ言い足りないのですが、まあいいでしょう」

Mr.キャノン「母君が心配しております、直ちに帰りましょう」

Mr.キャノン「ああ、勝斗殿と維音殿、よろしければ自宅まで送ってあげましょう」

勝斗「いいんですか?」

Mr.キャノン「ええ、お嬢様がお世話になったそうですから」

勝斗「それじゃあ」

ギュルルルルル

勝斗「うっ!?」

維音「どうしたの勝斗?」

勝斗「き、急にお腹の調子が……」

パイルマン「……あー、お前決勝前にジュース一気飲みしたじゃん」

パイルマン「それじゃね?」

勝斗「ま、マジかよ……」

勝斗「ごめん、ちょっとトイレ!」

勝斗「うおあああ!」ダッ

維音「あ、勝斗!」

クローム「しまらないわね……」

勝斗「あの後会場の捜索が入ったんだけど」

勝斗「爆弾なんて無かったらしい」

勝斗「なので愉快犯の狂言、という事で事件は収束した」

勝斗「……」

勝斗「しかし、そんな事はどうでもいいくらいにショッキングな出来事が待っていたんだ……」

勝斗「はあ…………」

店長「……そ、そんな落ち込むなよ」

パイルマン「はあ…………」

ノエル「……げ、元気だして……ね?」

パイルマン「まあ……俺はまだいいんだけどよ」

パイルマン「勝斗の方が、な……」

勝斗「フォルダリターン……俺の、フォルダリターン……」

パイルマン「だから、何がお前のなんだよ」

店長「まさか、勝斗が出た大会が事件のせいで中止扱いになるなんてなあ」

維音「地区予選、出れなくなっちゃったんだよね……」

勝斗「あんなに頑張ったのに……」

勝斗「はああ~~~~…………」

店長「こりゃ重症だな、しばらくそっとしといた方がいいや」

弾「ちわーっす! お邪魔するっす!」

維音「あれ、弾さん?」

店長「なんだ、出前は頼んでないぞ?」

弾「いや、今回は出前じゃなくて……あれぇ?」

弾「勝斗君、また落ち込んでるんすね、今度は何すか?」

弾「この前、あんなに張り切ってたっすよね、負けちゃった?」

店長「いや、優勝はしたんだが、その大会で事件があって中止になっちまったんだ」

維音「それで、地区予選出場も無かったことになって……」

弾「あー……勝ったのにダメだったってことっすか……」

店長「で、お前は何しに来たんだ?」

弾「あーそうそう、ちょっと道案内で来たんす!」

店長「道案内?」

クローム「失礼するわ」

維音「あ、維音ちゃん!」

クローム「勝斗、ここに来てない?」

クローム「先に彼の家に寄ったんだけど、勝斗の母様からここにいるって聞いたから」

維音「うん、来てるよ」

弾「じゃあ俺はこれで失礼するっす!」

クローム「ええ、道案内ありがとう」

弾「それじゃあっす!」

クローム「……さてと」

勝斗「…………」

クローム「あら、随分元気が無さそうね」

勝斗「ん? ああ、クロームか……」

勝斗「だってさ、大会、中止になったから地区予選が……」

クローム「ああ、それね」

クローム「出れるわよ、地区予選」

勝斗「……」

勝斗「なんだって?」

クローム「地区予選、ちゃんと出場出来るわよ」

勝斗「!!!!」ガタッ

勝斗「詳しく教えろ!!」

クローム「え、ええ」

クローム「私の家、こう見えてお金持ちの有名どころだから、ある程度顔が聞くのよ」

クローム「だから大会の運営に頼み込んで、勝斗の地区予選出場をオーケーしてもらったのよ」

クローム「事件が起きたときにはもう優勝が決まっていたし、話はスムーズに通ったわ」

勝斗「ってことは!」

クローム「だから、地区予選に出れるって言ってるじゃない」

勝斗「……よっしゃあああ!」

パイルマン「やったな勝斗!」

勝斗「ありがとうクローム!」ガシッ

クローム「え、ええ、クリンを助けてもらったお礼よ」

クローム「あと、その……顔、近い……」

勝斗「え、あ! ごめん、ちっと興奮しちゃった」

クローム「ま、まあ、いいけれど」

維音「……」

ノエル「維音ちゃん、大変だよ」

維音「大変って、何が?」

ノエル「ライバル出現だよ、ライバル!」

維音「ライバルって何の?」

ノエル「もうっ、鈍いのは勝斗だけにしてよね!」

維音「……え、あ、ライバルってそういう!?」

維音「ななな、何言ってるのノエル!」

維音「クロームちゃんが、そんなわけ……」

クリン「いえ、あながち間違いではないかも……」

ノエル「うわっ!? 誰?」

クリン「これは失礼しました、わたくしクロームお嬢様のナビのクリンと申します」

ノエル「あ、ど、どうも、ノエルです……」

維音「間違いでもないって?」

クリン「ええ、お嬢様は勝斗様に会うのを楽しみにしていたので」

維音「えっ?」

クリン「以前の大会の決勝戦、お嬢様はすごく楽しんでおられました」

クリン「あんなに楽しそうなお嬢様を見たのは久しぶりです」

クリン「そして、わたくしを助けていただいた件もありますし……」

ノエル「ノエルちゃん大変だよ! 勝斗ってばきちんとフラグ立ててる!」

維音「で、でもそうと決まったわけじゃ……」

クリン「あなたがたには悪いのですが、わたくしはやはりオペレーターであるお嬢様の応援をしたいですね」

ノエル「こっちだって、負けないからね! 頑張ろう維音ちゃん!」

維音「ふ、2人で話を進めないでー!?」

勝斗「なあ、何話してんだ?」

維音「ふえええ、し、勝斗!?」

勝斗「な、なんだよそんな驚いて」

維音「ななな、なんでもないよ、ホントに!」

勝斗「えー? なんか気になるなあ」

維音「と、とにかく、勝斗はダメなの!」

勝斗「そ、そこまで言うかよ……」

パイルマン「あれだろ、乙女の秘密ってやつだろ」

勝斗「はあ、女って難しいよな」

クローム「……ふぅん、仲がいいのね」

勝斗「ん? まあ、幼なじみだしな」

クローム「あら、そうなの」

クリン「クロームお嬢様、わたくしは全面的に支援いたします」

クローム「……話が見えないのだけれど」

短いですがここまで
学校のが第1章で敗者復活戦が第2章とすると、現在第3章が始まったところですね

続き投下していきますよー

学校 放課後


勝斗「大会に出れるのはいいけど」

勝斗「その大会はしばらく先なんだよなあ」

パイルマン「いいじゃねえか、のんびりするのもさ」

パイルマン「最近はゴタゴタしてて、俺もゆっくりしたかったとこなんだ」

勝斗「ナビって疲れるの?」

パイルマン「疲れる」

パイルマン「特にお前の相手」

勝斗「おい!」

パイルマン「はははは!」

勝斗「ったく……学校終わったし、もう帰るかな」

パイルマン「待て待て、昨日出し忘れた宿題、今日の放課後に出すんだろ?」

勝斗「あー、そういやそうだった、忘れてた」

勝斗「1日忘れたからって、量を倍にするこたないのにな……」

パイルマン「自業自得だな」

勝斗「仕方ないだろー、大会あったんだし」

勝斗「さっさと提出してさっさと帰るか」

「……」

「やはりプラネットデータが奪われていたか……」

「大会があった日の不審者騒ぎの時?」

「間違いなくそうだろう、二門博士の予想が当たってしまったようだ」

「これで残されたプラネットデータはあと3つ……」

「となると、近いうちに襲われるのが……」

ガラッ

勝斗「せんせー、宿題持ってきたー」

「……二門勝斗」

勝斗「……ん?」

「……」スタスタ

勝斗「……あんな奴学校にいたかな」

勝斗「外人だよな、留学生か?」

パイルマン「俺も見たことなかったな」

パイルマン「あんな目立つ外国人がいたら、学校内ではすぐ噂になると思うがな」

勝斗「だよな、ここの学校の生徒じゃないのか?」

勝斗「……まあいいや、宿題出したし、帰ってインターネット回ろ」

「……」

「アウロラ、見回りに行くぞ」

アウロラ「了解、セラス」

セラス「ゾディアックの好きにはさせない……」



メインキャラリストNo.012

セラス
シャーロ出身の謎多き人物。勝斗と同じくらいの年齢。
ネットバトルの腕は随一。

アウロラ
女性ナビ。アクア属性。
無表情なナビで、何を考えているのか分からない。
オーロラのビームや吹雪で相手を凍りつかせ、
アイスドリルで凍った敵を粉砕する。

インターネット


勝斗「あーあ」

勝斗「あの先生、いっつも小言が多いんだよな」

勝斗「そんなだから結婚できねーんだっての!」

パイルマン「俺に愚痴るなよ」

ノーマルナビ「さあさあ、見ていくんだぞ!」

パイルマン「ん?」

ノーマルナビ「現在辻野テーマパーク20周年キャンペーン開催中だぞ!」

ノーマルナビ「ウイルスバスティングを勝ち抜くだけで、1日フリーペアチケットが貰えるぞ!」

ノーマルナビ「数に限りがあるから、早い者勝ちだぞー!」

勝斗「へえ、辻野テーマパークか」

勝斗「あそこって確か、子供から大人まで楽しめるアトラクションが多くて、どこのアトラクションも1時間以上は並ぶって聞いたぜ」

パイルマン「20周年か、かなり長く続いてるんだな」

勝斗「……ところで、辻野って」

パイルマン「ああ、クロームの名字だな」

パイルマン「なんか関係あるのか?」

キャノンマン「大いにある」

パイルマン「ん!? いつのまに!」

Mr.キャノン「辻野テーマパークは、辻野家が取り仕切る辻野グループが行っている事業の一つである」

Mr.キャノン「そして私はその夫人である辻野エミリー様に従えし、お守り三銃士の一人、Mr.キャノンなり!」

勝斗「自己紹介は聞いてねえよ……」

パイルマン「そもそも何なんだ、お守り三銃士って」

キャノンマン「まあボディガードや使用人みたいなものだ」

パイルマン「あと二人いるのか?」

キャノンマン「ああ」

パイルマン「……お前のオペレーターみたいにうるさいのがあと二人?」

キャノンマン「いや、うるさいのは俺のオペレーターだけだ、安心してくれ」

クリン「まあ、皆が過保護なのは間違いないですけどね」

パイルマン「お? クリンもいたのか」

クローム「ねえ勝斗、聞いてくれる?」

クローム「Mr.キャノンったら、私がインターネットをする時にも、クリンに護衛を付けさせるのよ?」

勝斗「インターネットまで?」

クリン「プライベートなんてあったものではないですね」

Mr.キャノン「先日の一件があるので当然でしょう!」

Mr.キャノン「当面は! このMr.キャノンが見張りにつきますゆえ!」

クローム「私がチップショップに来た時も影から見張ってたそうよ」

勝斗「ストーカーじゃねえのか、それ」

キャノンマン「とにかくだ、しばらくは観念してくれ」

クローム「はあ、嫌になるわね」

クローム「……ところで」

クローム「勝斗はこのキャンペーンに挑戦しないのかしら?」

勝斗「うーん、商品がレアチップなら真っ先に挑戦してたんだけどな」

パイルマン「ペアチケットを手に入れても、一緒に行く相手がいないもんな!」

勝斗「うっせ!」

パイルマン「まあ俺もパスだ、今日はのんびりしたいって決めてるからな」

パイルマン「他のナビの挑戦を観戦するのもいいだろ」

パイルマン「大会では誰かのせいで他の試合が全く見れなかったからな」

勝斗「今日のお前、一言多いな?」

クローム「ふーん」

勝斗「そういうクロームは?」

クローム「辻野の人間である私が挑戦する訳にもいかないでしょう」

クローム「それに、行こうと思えばいくらでも行けるしね、娘だから」

勝斗「はあー、金持ちはいいよな」

勝斗「レアチップもいっぱい買えるし」

パイルマン「つーことはさ、クリンのカスタマイズも金かかってんの?」

クリン「まあ、程々には」

クローム「お父様が誕生日にくれたナビだから、お金がかかってるのは間違いないわね」

クローム「名のある技術者にカスタマイズを頼んだらしいけれど……私は覚えてないわね」

クリン「確か、二門光流と記憶していますが」

勝斗「あれ、俺の父さんじゃん!」

クローム「あら、そうなの?」

クリン「ああ、そういえば名字が一緒ですね」

勝斗「確かに、父さんはプログラムにかなり強いからなあ」

勝斗「仕事内容までは詳しく知らないけどね」

クローム「こういう偶然もあるものなのね」

勝斗「でも父さんって、名のある技術者って言われるほど偉いのか?」

Mr.キャノン「知らないのですかな? 昨今のネットナビの飛躍的な性能向上は二門博士が一役買っているのですよ」

勝斗「へー」

クローム「へー」

Mr.キャノン「……まさか、お嬢様まで知らなかったと……?」

クローム「興味なかったもの」

ノーマルナビ「おお! おめでとう! よく勝ち抜いたんだぞ!」

キャノンマン「ん? 誰かが勝ち抜いたみたいだな」

クリン「雑談していて、気づきませんでしたね」

リバースマン「へっ、楽勝だったな」

銀太郎「よっしゃ、チケットいただき!」

パイルマン「あれ? あいつって」

勝斗「準決勝で戦ったリバースマンだな」

リバースマン「ん? あ! お前は!」

銀太郎「パイルマンに勝斗!」

勝斗「よお、数日ぶりだな」

銀太郎「隣にいるのは……決勝で戦ってたクリンとクロームか!」

クローム「えっ、誰?」

クリン「前の大会で予選3位だったナビとオペレーターです」

クローム「あらそう、まあ大会で当たらなかったから覚えてないのも無理はないわね」

クリン「自分で言いますか?」

銀太郎「なんだお前ら、デートか?」

勝斗「たまたまここで会っただけだよ」

クローム「見張り付きでデートなんて呼べるのかしら?」

パイルマン「そういうお前らはどうなんだよ」

パイルマン「ペアチケット手に入れたってことは、誘う相手がいるんだろ?」

銀太郎「え?」

リバースマン「え?」

勝斗「え?」

銀太郎「これペアチケットなのか?」

リバースマン「銀太郎、気付かなかったのか!?」

銀太郎「いやあ、辻野テーマパークってとこしか見えてなかったぜ」

リバースマン「おいおい……」

銀太郎「まあいいさ、ここであったが百年目!」

銀太郎「勝負だ勝斗! 大会のときのリベンジだ!」

リバースマン「今のウイルスバスティングで丁度良く身体が温まってるぜ」

勝斗「唐突に話が変わったなおい!」

銀太郎「俺に勝ったらこのペアチケットをくれてやる!」

勝斗「いや、別にいらないけど」

クリン「入手するなら、ウイルスバスティングに挑戦した方が早いと思われます」

Mr.キャノン「ふっ、勝斗殿が出るまででもございませぬ」

Mr.キャノン「この私が、相手をいたしましょう!」

勝斗「え? ああ、そう?」

Mr.キャノン「我が名はMr.キャノン! この私が勝負を引き受けましょう!」

銀太郎「誰だか知らねーが、パイルマンと戦う前の準備運動には丁度良さそうだな」

リバースマン「いや、準備運動はさっきのウイルスバスティングで十分なんだが」

キャノンマン「我々が身を乗り出してもいいのか?」

クローム「オペレーターは積極的でも、ナビは消極的ね」

銀太郎「いいからやるんだ、リバースマン!」

Mr.キャノン「キャノンマン! ここで勝斗殿に我々の実力を知ってもらうのがいいでしょう」

リバースマン「仕方ねーな……」

キャノンマン「やれやれ……」


~バトル開始~

リバースマンVSキャノンマン

Mr.キャノン「さあキャノンマン、お前の力を存分に見せるのだ!」

キャノンマン「ふっ、こうなったからには仕方あるまい」

パイルマン「なあ、もしかしてキャノンマンの攻撃方法って」

クリン「ええ、もしかしなくてもキャノンです」

キャノンマン「キャノン!」ズドンッ

銀太郎「キャノンだと? 簡単に弾いてやれ!」

リバースマン「リバースハンド!」ガキィン

キャノンマン「むっ!?」ズドンッ

キャノンマン「攻撃を反射させるのか」

リバースマン「跳ね返したキャノンを咄嗟にキャノンで撃ち落とすとは、なかなかやるみたいだな」

リバースマン「しかし、たかがキャノン! いくらでも跳ね返してやるぜ」

キャノンマン「甘いな、されどキャノン! キャノンの奥深さ、思い知らせてくれる」

キャノンマン「キャノン!」ズドンッ

リバースマン「ふん、リバース……っ!?」

リバースマン「ボディ!」ガキィン

キャノンマン「全身で跳ね返せるのか……」

リバースマン「ギリギリで当たる場所を狙ってきやがったな……」

銀太郎「だが結局はキャノン、跳ね返して終わりさ!」

Mr.キャノン「ふむ、ならば反射できなくなるまで撃ち続けるのみ!」

Mr.キャノン「キャノン転送!」

キャノンマン「プログラムアドバンス、ゼータキャノン!」

Mr.キャノン「ってぇーーーー!」

キャノンマン「うおおお!キャノンキャノンキャノン!」ズドンズドン

リバースマン「うおお!? なんて連射力だ!」

リバースマン「しかも反射したキャノンが自分に当たらない絶妙な角度で撃ってきやがる!」

銀太郎「だったら、チップ転送!」

リバースマン「カースシールド!」ガキィン

キャノンマン「むうう!?」サッ

銀太郎「へえ、よく避けたもんだな!」

キャノンマン「伊達に戦場は潜っておらんのでな……」

パイルマン「しばらく終わりそうにねーな」

クリン「そうみたいですね」

パイルマン「マジでキャノンしか使わねーんだな」

クリン「ええ、キャノンマンはキャノンの性能を引き上げるようにカスタマイズされていますが」

クリン「その代償として、キャノン以外のチップを使ったら自爆するようになっているそうです」

パイルマン「なんだそりゃ!? 意味分かんねえな……」

クローム「ねえクリン、今彼らはネットバトルに夢中になってるから」

クローム「こっそり抜け出せば監視の目から抜け出せるんじゃないかしら?」

クリン「なるほど、そうですね」

勝斗「おいおい、いいのか?」

Mr.キャノン「させませんぞ?」

クローム「あ、あら? バトルの途中では……」

Mr.キャノン「私がすることといえばキャノンを転送することだけですからな」

Mr.キャノン「お嬢様を見張る余裕は残っていますとも!」

クローム「それは残念ね……」

数分後……


リバースマン「はあ、はあ……」

キャノンマン「ぜえ、ぜえ……」

リバースマン「や、やるじゃねえか……ここまでキャノンで攻撃し続けて来るとは思わなかったぜ……」

キャノンマン「ふっ……俺もここまでキャノンを撃ち続けたのは久しぶりだ……」

パイルマン「なんだ? 時間がかかった末に引き分けかよ」

クリン「まあ、キャノンと反射では、勝負は着きませんでしょうね」

銀太郎「へっ、キャノンだけでリバースマンと渡り合うとは、恐れ入ったぜ」

銀太郎「その漢気を評して、このペアチケットはくれてやる!」

Mr.キャノン「おお、これはかたじけない」

Mr.キャノン「しかし、私にとっては必要でないものゆえ、これはお嬢様に差し上げましょう」

クローム「え? 私に?」

Mr.キャノン「辻野テーマパークは我々辻野グループの管轄」

Mr.キャノン「見張りをつける必要はございませんでしょう」

クローム「私が貰っても……これペアチケットでしょう?」

クローム「一緒に行く相手がいないじゃないの」

勝斗「一緒に行く相手? じゃあ俺にくれない?」

クローム「あら、一緒に行ってくれるのかしら?」

勝斗「ああ、心当たりがあるんだ」

クリン「では、どうぞ」

パイルマン「おう」

勝斗「サンキュ!」

クローム「楽しみにしてるわね」

勝斗「おう! 任せとけって!」

クリン「(……今、話が噛み合ってなかったような……)」

数日後


クローム「さて、待ち合わせの時間だけど……」

クリン「……」

維音「あ、いたいた!」

維音「クロームちゃん、お待たせ!」

クローム「あら、あなたは大会の時の……」

クローム「何でここに?」

維音「え? 一緒にテーマパークに行くんだよね?」

クローム「はい?」

維音「実は私、このテーマパークに来るの初めてなんだ!」

維音「だからすごく楽しみなの!」

ノエル「維音ちゃんたら、興奮して昨日眠れなかったんだよね」

ノエル「おかげで電車の中で寝ちゃって乗り過ごしそうになったんだもの、私焦ったよ!」

維音「も、もう! それは言わなくていいよノエル!」

クローム「……勝斗は?」

維音「え? 勝斗?」

維音「私、勝斗からこのチケット貰ったんだー」

維音「丁度手に入れたから私にくれるって」

維音「これ、元々クロームちゃんのチケットなんだよね? ありがとね!」

クローム「……」

維音「そういえば、勝斗いないね」

維音「てっきり、もう来てるのかと思ったけど」

ノエル「勝斗のことだから、寝坊してるんじゃない?」

維音「あ、それありそう!」

クローム「……」

ピピピッ

クリン「クローム、メールです」

ノエル「維音ちゃん、メールだよ」

勝斗『女二人でテーマパーク、楽しんできなよ!』

勝斗『お土産、期待してるぜ!』

維音「え、ええ~!?」

維音「勝斗来ないの!?」

クローム「はあ……期待した私が馬鹿だったわ」

クリン「(ああ、心当たりがあるって、そういう……)」

クローム「これ、ペアチケットなのよ」

維音「え!? そうなんだ! 私聞いてないよー」

維音「勝斗ったら何も説明してないんだから!」

クローム「ま、この際仕方ないわね」

クローム「私たち2人で、楽しみましょうか」

維音「……うん、そうだね!」

「……辻野グループめ……」

「今に見ておれ、この恨み今日こそ晴らしてやるぞ」

ステア「ええ、その為に私達ゾディアックとも手を組んだのよね?」

「その通りだ……」

ステア「約束通り、準備は整えてあげたわ、あとはあなた次第よ」

「ああ、感謝するぞ」

ステア「こちらの約束も守ってちょうだいね?」

「わかっておる、プラネットデータだろう?」

ステア「ええ、それさえ手に入れてこちらに送ってくれたら、後は何してもいいから」

「いいだろう……」

今回はここまでです、次回は主人公が出る予定が無いと言うね

ところで、自分のオリナビをパイルマン以外に出したくなってきたんですがいいですかね?

あざっす、じゃああと一体だけ出す方向で行きます
登場が終盤の予定だからしばらく先なんですけどね

どうもです、昨日の今日なんで続きは投下しないんですけど、
あと5体だけ、ナビ募集させてください。
テンプレはいつも通り>>1から。


ナビ名: カデンツァ(♂) シンフィア(♀)

性格: カデンツァ(♂) 華のある雰囲気の中年男性。といってもとても気さくでお茶目なオジサマ。
漢のロマンを心得ており、上品でありながらもどことなく子供っぽい。
喋り方に音楽用語を混ぜる癖がある。趣味はヴァイオリン。かなりの腕前で、DNNに特集として取り上げられた経験も。
女性の感情に特に敏感で、シンフィアの気持ちに気付きつつも、自分はその資格はないとして気づかぬふりをしている。

シンフィア(♀) 植物を愛する女の子。といっても人間としての年齢は成人一歩手前くらい。
非常にフレンドリーで、妖精のような雰囲気のかわいい乙女。 お菓子作りが得意で普段から作ってはいろんな人に配っている。
そのお菓子に使われてるミントやハーブ、その他は自信が現実世界で栽培したもの。カデンツァにほのかな好意を抱いている。


戦い方: カデンツァの武器はヴァイオリンとレイピア。レイピアでヴァイオリンを演奏して様々な補助効果を自他に引き出す。
シンフィアは武器を持たないものの、様々な花びらを撒き散らして状態異常を付加させじわりじわりと攻めつつ回復、といった、見かけによらぬ毒々しい戦法が得意。
なのだが本人はあまりこの戦い方が好きではなく、仲間の危機以外ではこの能力を使う事は一切なく、普段の戦法は華々しく可憐で楽しそうに舞い踊る感じ。

その他要望: ナビとオペレーターでありながら、どちらも自立思考型ナビ。どういうわけか持っているコピーロイドを使って実体化する事が出来るが、所持しているコピーロイドが一体なので
片方が実体化している間もう片方がナビとして電脳世界に残り、相方のオペレートを受ける形になる。
瞬時にお互いを入れ替える事もできるので、お互いの技を連携させてコンボを途切れさせないという反則技を持つ。

できればお互い、重い過去があるといいかなーと。コピーロイドもそれ絡みで。

5体集まったので募集打ち切り。
なんだか炎属性が多く集まってるんですよね

続き投下しますよー

クローム「さて、まずは何から乗る?」

維音「えっと、私激しい乗り物はダメなんだ」

クローム「そうなの?」

維音「うん、ちょっと、病気で……」

クローム「そうね……じゃあコーヒーカップかしら」

維音「うん、行こう!」

維音「って、うわあ! すごい並んでる!」

クローム「ああ、心配要らないわよ」スタスタ

スタッフ「……っ!? クロームお嬢様!?」

クローム「ええ、お仕事お疲れ様、二人分空いてる?」

スタッフ「はい、今のが終わりましたら優先させましょう」

クローム「ありがとう」

維音「…………」ポカーン

クローム「どうしたの?」

維音「ほんとにお金持ちのお嬢様なんだ……勝斗から聞いてたけど、予想以上だよ……」

クローム「正直、こういう立場は好きではないのだけれど」

クローム「ま、せっかく使えるんだから使わせてもらってるってところね」

クローム「順番が来たみたいよ、乗りましょう」

維音「うん!」

維音「あれ、このコーヒーカップってプラグインできるんだね」

クローム「ええ、ネットナビも同様にアトラクションを楽しむことができるようになってるの」

維音「ナビも? すごいんだね!」

維音「プラグイン!」

ピシュンッ

ノエル「わあ! 現実のとそっくりなコーヒーカップだよ!」

クリン「電脳アトラクションは、本物とほぼ同じ形でプログラムされています」グルグル

ノエル「ってわああああ!? クリンちゃん勢いよく回さないでー!?」

クリン「なかなかにスリリングですね」

ノエル「これそういう乗り物じゃない~~!?」

維音「あはは!」

クローム「ふふっ」

ノエル「め、め、目が回ったよー……」

クリン「まだまだ物足りませんね」

ノエル「え、えぇ~?」

クローム「ちなみに、この遊園地の電脳は敷地内にいればどこからでもプラグインできるから」

クローム「私達が移動してもナビの様子が分かるのよ」

クリン「ええ、オペレーターが動き回っても、いつでもプラグアウトできます」

維音「へえー、なんかすごいねー」

クローム「そういう訳だから、少し私達とナビに別れて別行動しましょうか?」

クリン「いいですね、それでは定番の電脳ジェットコースターに乗りましょうか」

ノエル「ま、待ってー!?」

維音「あ、このウォーターボートっていうの、乗ってみたい!」

クローム「じゃあそれにしましょう」

ノエル「維音ちゃん助けて!?」

数時間後……


クリン「ふう、もうこんな時間ですか」

クリン「時が経つのは早いですね」

ノエル「あ、足がガクガクしてるよ~……もう立つのもやっとだよ~……」

クリン「では次は……」

ノエル「まだ行くの!?」

クリン「……おや?」

ノエル「え、何?」

「……」

ノエル「ひ、ひいい、何この人形……?」

クリン「アトラクションの一つ、でしょうか?」

「……シンガイだな」ガタガタ

ノエル「ひゃああ、動いたっ」サッ

「……オレのナはドールマン、ケッしてオバケヤシキのシカケなどではない……」

クリン「そのドールマンはここで一体何を?」

ドールマン「……オペレーターとハグれてしまってな」

ノエル「え?」

クリン「はい?」

ノエル「テーマパーク内なら、どこでもPETで確認できるんじゃ……」

ドールマン「さっきからPETにオウトウがナい」

ドールマン「どうやら、オレのオペレーターはPETをオとしてしまったみたいだ」

クリン「抜けてるオペレーターですね」

ドールマン「オレもそうオモう」

ドールマン「そこでおネガいなのだが、オレのオペレーターとPETをサガしてくれないか」

ドールマン「ホカのヒトにタノもうとしても、ミンナニげてしまうのだ」

ノエル「う、うん、逃げると思うよ……私も逃げたいし」

クリン「先程から私の背中に隠れていますしね」

ノエル「だ、だって怖いもん!」

ドールマン「オレもそうオモう」

クリン「聞いていましたかクローム」

クリン「そういう訳ですので、オペレーター探しを手伝ってあげたいのですが」

クローム「そうしたいのは山々なのだけれど」

維音「今、観覧車に乗ったばかりなんだよね……」

クリン「……そうなのですか」

クローム「悪いけれど、観覧車が一周するまで待ってもらえるかしら?」

クリン「了解しました」

ガタンッ

クローム「あら?」

クリン「どうかしましたか?」

維音「……あ、あれ!? 観覧車、止まっちゃった!」

ノエル「ええ!?」

ステア「……どうやら始めたみたいね」

ステア「データが送られてくるまで、待ちましょうか……ん?」

「……」キョロキョロ

ステア「(ゴスロリに眼帯? 変わった格好ね)」

ステア「ねえキミ、どうしたのかしら?」

「え!? あっ、そ、そのっ……」

「ぺ、ぺ、PETを、落とし、ちゃって」

ステア「落し物?」

ステア「それだったら、管理センターに届けられてるのではなくて?」

「あっ、そ、そっか」

「あ、あ、ありがと……!」タッタッタッ

ステア「どういたしまして」

ステア「……まあ、その管理センターは今頃占領されてるんじゃないかしらね?」

「くくくっ、さすがはゾディアックだな」

「ここまで手を回してくれるとは、おかげで簡単に事が運びそうだ」

「さて、管理センターは占領完了した」

「オフィシャル共が来る前に、事を済ませてしまおう」

「ジェントルマン、調子はどうだ?」

ジェントルマン「現在、全アトラクションへの電源供給をストップさせた所だ」

ジェントルマン「行き場を失った電力が早速溜まってきているぞ」

「順調のようだな」

ジェントルマン「ああ、実に紳士的な進捗具合さ」

「このまま敷地内の発電所に電気が溜まっていけば、いずれはテーマパーク諸共大爆発」

ジェントルマン「その爆発は紳士的な光を放つだろう!」

「そうすれば辻野グループの社会的信用は地に落ちる!」

「この五菱 総徹! 我が五菱機業を吸収し、私を追い出した恨みは忘れぬぞ……!」

五菱「役人共が失墜した姿が目に浮かぶわ……くはははは!」

維音「ね、ねえどうしようクロームちゃん」

クローム「……うーん」

クローム「クリン、何か分かる?」

クリン「辻野テーマパークは敷地内に発電所を設けており、テーマパークの電力はそこから供給されています」

クリン「異常が起きたとしたら、おそらくそこかと」

クローム「そう、発電所のサーバーならアトラクションエリアから向かえるわね?」

クリン「しかし、管理センター以外から発電所のサーバーにアクセスするためには、パスコードが必要になるのですが」

クローム「パスコードならあるわよ」

クリン「え?」

クローム「転送しとくわね」ピピッ

クリン「な、何故クロームが持っておられるのです?」

クローム「家の中だけでも、たくさんの重要なデータが管理されてるものなのね」

クリン「持ち出したのですか!?」

クローム「コピーしただけよ、オリジナルは元の場所に残ってるわ」

クローム「それより今は発電所のサーバーに向かって頂戴」

クリン「全く、お嬢様ときたら……」

クリン「そういう訳ですので、私は発電所のサーバーに向かいます」

クリン「ノエルとドールマンはここで待っていてください」

ノエル「……分かった、気を付けてね!」

ドールマン「マってる……」

「そうはいかねえな!」

クリン「む?」

ブロロロロロ!

「今、契約相手の結果待ちなんでな」

「それが終わるまでここで待っててもらおうか! ブロロロロロ!」

クリン「バイク型のナビ?」

「一応名乗っておこうか、俺はニトロマン」

ニトロマン「ここを進むってんなら、俺はお前らをデリートするしかねえんだよな! ブロロロ!」

クローム「今回の首謀者の一人かしら?」

クローム「クリン、さっさと片付けましょう」

クリン「了解です」

ニトロマン「ブロロロロロ!!」ギュイーン

クリン「むっ……」

ニトロマン「俺の! 動きが! 捉えられるかぁ!?」

クリン「くっ、速い……」

ドールマン「チェーンハンド!」

ノエル「マジカルロッド・チェーンシックル!」

ジャラララ!

ニトロマン「ぬうっ!?」ピタッ

ドールマン「こいつのアイテ、マカせろ」

ノエル「クリンちゃんは先に進んで!」

クローム「維音!?」

維音「私なら大丈夫!」

クローム「……分かったわ」

クローム「クリン!サーバーの奥に向かうわよ!」

クリン「了解です」ダッ

ニトロマン「あ、待ちやがれ、くそっ!」

ドールマン「ニがさない」

ノエル「後を追わせないよ!」

ニトロマン「……ちっ!」

ニトロマン「ブロロロロラ!!」ブチィ

ドールマン「むっ」

ノエル「鎖を千切った!? なんてパワーなの!」

ニトロマン「俺の馬力舐めんな! ブロロ!」

ニトロマン「どうせ俺のスピードならすぐ追いつくさ、まずはお前らをデリートしてやる!」

ドールマン「クカカカカカカーー!!」

ノエル「うえぇ!? いきなり何!?」ビクッ

ドールマン「バトル! バトルだ!」

ニトロマン「ブロロロロロ!!」

ドールマン「クカカカカカ!!」

ノエル「な、何これ、バトルになったら性格が変わっちゃったよ……」

維音「……頑張って、ノエル」


~バトル開始~

ノエル・ドールマンVSニトロマン

ドールマン「キラーズデスビーム!」ビビビ

ニトロマン「ブロロロ!」サッ

ノエル「マジカルアロー!」バシュン

ニトロマン「ブロロロン!」サッ

ニトロマン「スロースロー! カスリもしねえよそんな攻撃!」

ノエル「動きが速くて狙いがつけられない!」

ドールマン「なら、カラメテだ!」

ドールマン「フィンガーマイン!」ドドド

ドゴォン!

ニトロマン「ぬおっ!?」

ニトロマン「地雷を仕掛けたのか!」

維音「だったら私も! チップ転送!」

ノエル「ステルスマイン!」

ドールマン「これでジザイにウゴくことができなくなったな! クカカ!」

ニトロマン「ちっ、ウザってぇ……」

ニトロマン「だったらこっちも動きを制限させてやる!」

ニトロマン「オイルアバランチ!」ズダダダッ

ドールマン「ぬぐっ!?」

ノエル「きゃあ!?」

維音「ノエル!」

ドールマン「ぐぐ……これは、ガソリン?」

ニトロマン「ご名答! そういう訳なので、ヒートショット!」ダンッ

ドールマン「うっ!?」

ボオオオオオッ

ドールマン「ギャアアアアアアアア!?」

ノエル「ドールマン!!」

ニトロマン「テメエも火だるまにしてやる! ヒートショット!」

ノエル「わ、わああ!?」サッ

ボオッ

ノエル「パネルに火が!?」

ニトロマン「攻撃と同時に、辺りにガソリンを散らしてやったのよ」

ニトロマン「テメエはガソリンまみれ! 周りもガソリンまみれ!」

ニトロマン「お前はいつまで炎を避け続けられるかな?」

ノエル「ううっ……」

維音「……よし、これを使えば!」

維音「チップ転送!」

ノエル「デスマッチ!」

ボコボコボコッ!

ニトロマン「ぬおっ、穴パネルだと!?」

維音「これでパネルのガソリンは消えて、相手も自由に動けない!」

ニトロマン「このヤロー……!」

ドールマン「ぐ、グウウア……」

「バブルラップ!」

シュポンッ

ドールマン「ぐっ……ち、チップ?」

「ど、ドールマン、だ、大丈夫……?」

ドールマン「ルナ! やっとツナがった!」

「う、うん、か、管理センターの、落し物リストに、ぺ、PETが置いて、あってて」

「ひ、人がいなかったのが、気になったけど……」

維音「もしかして、ドールマンのオペレーター?」

「う、うん、暮月 瑠奈……」

ドールマン「ルナ、イマバトル中なんだ、オペレートタノむ!」

瑠奈「わ、わ、分かった……」

瑠奈「………………」

維音「……」

維音「?」

瑠奈「はぁーーーっはっはっは!」

瑠奈「我が魔翌力!ここに解放せり!」

維音「!?」

瑠奈「いざゆかん! 戦いの幕は既に開かれている!」

瑠奈「我が騎士ドールマン! 異分子を殲滅せよ!」

ドールマン「クカカカカカカ!! リョウカイだ!」

瑠奈「名も知らぬ流浪の者よ!」

維音「……え、あ、えっと、私?」

瑠奈「我が闇と貴君の闇、双つの闇で敵を呑み込もうではないか!」

維音「????」

瑠奈「さあ陣を張るのだ!」

維音「な、何これ、バトルになったらまるで人が変わっちゃったよ……」

ノエル「……頑張って、維音ちゃん」

ニトロマン「しゃあ! 穴パネル直った!」

ニトロマン「もう一回ばらまいてやるぜ! オイルアバランチ!」ズダダダッ

瑠奈「む、揮発油か」

瑠奈「ならばこれだ、魔翌力流入!」

ドールマン「オーシャンシード!」

ザパァッ!

ニトロマン「げ、水かよ!」

瑠奈「揮発油は水で流され、無力化した!」

ニトロマン「くそっ、濡れた路面は滑りやすいんだっての!」

瑠奈「追撃の魔翌力を送ろうぞ!」

瑠奈「闇の雷、その濡れた身に受けよ!」

ドールマン「ドールサンダー!!」

バチィッ!!

ニトロマン「ぬぐあああ!?」

維音「す、すごい……」

瑠奈「ふっ、雌雄は決したな」

ニトロマン「…………」

ニトロマン「ブロロロロロロオオオオ!!」ギュイン

ドールマン「ナニ!?」

ノエル「まだ動けるの!?」

ニトロマン「フシュー、久々によお、キレちまったぜ」

瑠奈「ダメージが無い、だと!?」

ニトロマン「お前らも運が無かったな!」

ニトロマン「一つ教えてやる、速度制限を破った俺様はなあ」

ニトロマン「無秩序に速いんだよ!」

ニトロマン「直線距離なら! 誰にも負けねえ!」

ニトロマン「出力最大! ブロロロロロロロ!!」

ドールマン「こ、このパワーはイッタイ!?」

ニトロマン「デリートせぇや!」

ニトロマン「ヒキニゲバースト!!!」

ズドォンッ!

ノエル「きゃああああ!?」

ドールマン「グアアアアア!?」

維音「ノエル!」

瑠奈「ドールマン!」

ノエル「……うう……」

ドールマン「ぐぐ……」

ニトロマン「ブロロロ……ちっ、水パネルのせいで初速が遅くなったか」

ニトロマン「だがもう一度轢いてやれば……」

「ニトロマン、そこまでよ」

ニトロマン「あ? ステアかよ、もうちょっとで終わるんだっての」

ステア「例のプログラムが送信されてきたわ」

ステア「あと、ボスから召集命令が来てる」

ステア「ここにはもう用は無いわ」

ニトロマン「ちっ、仕方ねえな……」

ニトロマン「お前ら、命拾いしたな」

ニトロマン「次出会うことがあったら、その時は確実に轢きデリートしてやる!」

ステア「プラグアウト!」

ニトロマン「ブロロロ!」

ピシュンッ


~バトル終了~

維音「……行ったの?」

ノエル「……そ、そうみたい」

ノエル「本当に、危なかったよ……」

ドールマン「……ツヨかったな」

瑠奈「う、うん……ここまで、追い詰められる、なんて……」

維音「(あ、バトルが終わったら元に戻った)」

瑠奈「……た、大会に備えて、再特訓、しなきゃ……」

瑠奈「えっと……」

維音「あ、私は掘田 維音だよ」

瑠奈「じ、じゃあね、維音ちゃん……」

維音「うん、今回はありがとう」

瑠奈「プラ、プラグアウト……」

ドールマン「じゃあな」

ピシュンッ

維音「ふう」

維音「今回は何とかなったけれど……」

維音「私達も強くならなきゃな……」

メインキャラリストNo.013

暮月 瑠奈(くれづき るな)
小学5年生。女の子。
ゴスロリに眼帯という、極めて際立った格好をしている。眼帯はファッションなので目が悪い訳では無い。
超内気。しかしネットバトルになると邪気眼が開眼し、右腕に封じられし魔翌力が解放される。

ドールマン
人形型ナビ。
普段は無感情な喋り方だが、ネットバトルになるとハイテンションになり、高々と奇声をあげる。
上半身を飛ばしてきたり、目玉がファンネルになったり、下半身からチェーンソーが飛びだしたり、
心臓に悪い攻撃を次々に繰り出す。


メインキャラリストNo.014

ステア・アクセル
女性。悪の組織『ゾディアック』の一員。
所在の分からないプラネットデータとコアデータを探す傍らで、所在が割れている残りのプラネットデータを回収してまわっている。
愛用のバイクで、街道だろうと山道だろうと室内だろうとフルスロットルで飛ばす。

ニトロマン
バイク型ナビ。ヒート属性。
一番にならないと気が済まないタチで、電脳ロードレースは毎回優勝している。しかし交通ルールはしっかり守る。
エリアを四方八方に駆け巡って相手を惑わす他、
ガソリンを所々にばらまいて引火させることでじわじわと相手の行動を制限させていく。

今回はここまでです
大会関係無くなってきてるような……ゲフン

どうもです、続き投下します

クローム「どうやらそっちは何とかなったみたいね」

維音「うん、敵が退いたんだけどね」

維音「それで、そっちはどう?」

クローム「もうすぐ、サーバーの最深部にたどり着くところよ」

クリン「……む」

クリン「誰かがいます、おそらく首謀者でしょう」

クローム「チップ転送」

クリン「リュウセイグン」

ズドドドドッ

「ぬおっ!?」

維音「う、うわあ、容赦無いね……」

ジェントルマン「この……いきなり攻撃をしかけてくるとは、実に紳士的では無いな」

クリン「どうやらかわしていたみたいですね……おや?」

ジェントルマン「ん? お前は……」

五菱「ぬう! こいつクリンか!」

五菱「ということはクローム! 辻野の娘もいるという事か!」

クローム「えっ、誰?」

クリン「五菱機業の元オーナーの五菱総徹です」

クローム「あー……記憶に無いわ」

クローム「まず五菱機業って何?」

五菱「知らないだと!?」

五菱「調子に乗るなよ辻野の娘! 貴様らが私の五菱機業を買収したのだろうが!」

クローム「そう言われても、そういうのは全てお父様がやってる事だし」

クローム「それに、買収されたってことは、あなたの手腕が悪かったからではなくて?」

五菱「ぬぐぐぐぐぅ、不愉快な事を口走る小娘だな……!」

クリン「ともかく、テーマパークの異常を引き起こしているのはあなた達ですね」

クリン「早急に元に戻してもらいましょうか」

ジェントルマン「丁重にお断りしよう」

ジェントルマン「これは貴君ら辻野グループに対する復讐なのだ」

ジェントルマン「紳士として、途中で投げ出すことなどしない!」

クリン「復讐を企てる時点で紳士ではないと思いますが」

ジェントルマン「おや、どうやらこの婦人にはこの私の紳士ぶりが理解出来ないらしい」

ジェントルマン「実に残念だ、紳士として」

クローム「アトラクションを止めるのが復讐になるの?」

クリン「……アトラクションに回るはずの電力が発電所に留まっているようです」

クリン「このまま溜め続けて、爆発させる魂胆かと」

クローム「なるほどね」

五菱「ふん、気付かれたか」

五菱「ジェントルマン、邪魔をされる前に処分してしまえ」

五菱「ここで貴様もろともテーマパークを爆発させてやる!」

ジェントルマン「いいでしょう、紳士というものをこれでもかと御教授しよう」

ジェントルマン「そして、紳士的な復讐の幕が開けるのだ!」

クローム「自分の実力が不足していたのを他人のせいにしないで欲しいわね」

クローム「クリン、このエセ紳士ナビを倒して、システムを正常化させるのよ」

クリン「了解です、クローム」

クローム「バトルオペレーション、セット!」

クリン「イン!」

五菱「消えてもらうぞ、辻野の娘!」

ジェントルマン「紳士的に! デリートしてさしあげよう」


~バトル開始~

クリンVSジェントルマン

クローム「チップ転送」

五菱「チップ転送!」

「「パラディンソード!」」

ガキィンッ

ジェントルマン「ほう、奇しくも同じチップを使うとはな」

クリン「……」

ジェントルマン「だが、お前の剣筋には紳士さが足りないのだ!」ギィン

クリン「あなたの剣筋は野蛮さが満ち溢れていると思いますが」ガキン

クローム「クリン、二刀流で行くわよ」

クリン「了解です」

クリン「シコミガタナ!」

五菱「ふん……軽くあしらえ」

ジェントルマン「ステッキバッシュ!」

キィンッ

クリン「むっ……」

ジェントルマン「二刀の型であれば、紳士たる私に分があるようだな」

五菱「チップ転送!」

ジェントルマン「ヘビーゲージ!」

ズンッ

クローム「うっ……転送速度が遅くされたのね」

五菱「お前の戦い方はよーく知ってんだよ」

五菱「レアチップばかり使ってるんだってな」

ジェントルマン「つまり、チップが強いのであって貴女自身の性能は高くはない!」

ジェントルマン「私どころか並の紳士の足下にも及ばないだろうな!」

ズバッ!

ジェントルマン「ぬぐっ!?」

クリン「……誰の性能が低いと?」

ジェントルマン「……この紳士オブ紳士たる私にキズをつけたな」

ジェントルマン「私が紳士でよかったな」

ジェントルマン「紳士の私はこの程度で逆上したりせぬ!」

ジェントルマン「ハットブーメラン!」ブンッ

クリン「逆上してるではないですか」スッ

クリン「ハキボウキ!」

ゴウッ

ジェントルマン「むうう、私の紳士的なシルクハットが飛ばされるとは」

ジェントルマン「まあ紳士である私はもちろん予備のハットを持っているがね」スッ

五菱「ジェントルマン、遊んでないで早く片付けろ」

五菱「エネルギーが溜まってきた、そろそろ脱出せねばなるまい」

ジェントルマン「ふむ、そうか」

ジェントルマン「であればここいらで締めさせていただこうか」

ジェントルマン「ハットトリック!」バッ

バサバサッ

クリン「ハト?」

ジェントルマン「ちょっとした手品は紳士の嗜みである」

クリン「ただのシルクハット繋がりだと思いますが……この直進するだけのハトならかわせますね」スッ

バァンッ!

クリン「ぐうっ!?」

ジェントルマン「残念だったな、そのハトは爆発するのだよ」

クリン「くっ……ますます紳士から離れていきますね……」

ジェントルマン「ふむ、貴女は紳士というものを誤解しているようだ」

ジェントルマン「紳士として振舞ってきた私は、一つの真なる答えを導き出した」

ジェントルマン「紳士とは、皆の模範となる者」

ジェントルマン「何があっても立っている者が紳士なのだ」

ジェントルマン「つまり、勝者こそが紳士!」

ジェントルマン「勝てば良いのだよ、勝てばな!」ジャキッ

クリン「拳銃!?」

ジェントルマン「我が紳士道の礎となれ!」

ジェントルマン「ジェントルガン!」

バァンッ

クローム「……今!」

クリン「フミコミザン!」

ズバァッ!

ジェントルマン「ぐああああ!?」

五菱「ば、馬鹿な!?」

五菱「ジェントルガンをフミコミでかわしただと!?」

五菱「タイミングが一瞬しかないというのに!?」

クリン「その一瞬でかわしました」

ジェントルマン「うぐぐぐ……いつの間にチップを転送したのだ……」

クローム「あなたが紳士とやらを語っていた時だけど」

ジェントルマン「くっ、ステッキバ……」

クリン「シコミガタナ!」ズバッ

ジェントルマン「ぐおお!?」

クリン「紳士というには、諦めが悪いのでは?」

ジェントルマン「紳士とは勝者の事なのだ!」

ジェントルマン「決して、地に膝を着かせることはせぬ!」

ジェントルマン「私が紳士であるために!」

クローム「もういいわ、時間が無いしトドメを刺してやりましょう」

クローム「チップ転送」

クリン「クロスディバイド!」

ズバンッ!!

ジェントルマン「ぐはっ……!」

ジェントルマン「ぐぐぐぐ……」

ジェントルマン「ぐっ……うおおお!」

ジェントルマン「紳士であれば……決して倒れることはせぬ……!」

ジェントルマン「惨めに地に這いつくばるような事にはならぬうう!」

クリン「……倒れないことだけは立派と褒めてあげましょう」

クローム「いや、普通にしつこいとしか思えないけれど……」

ジェントルマン「こ、こうなれば最後の手段だ……!」

キィィィン

クリン「……エネルギーが集まっていく!?」

クローム「まさか、自爆!?」

ジェントルマン「紳士である私が自爆などするか!」

ジェントルマン「私が掴むものはあくまでも勝利よ!」

ジェントルマン「サーバーに溜まったエネルギーの一部を使い、貴女を吹き飛ばす!」

ジェントルマン「……ぐおおおおお!?」バチバチバチッ

クリン「無駄です、そのエネルギー量では満身創痍であるあなたの身が持たないでしょう」

ジェントルマン「く、ふふふ……」

ジェントルマン「たとえこの身が滅びようとも……貴女を倒した後、一瞬だけでも私が立っていれば……」

ジェントルマン「私は勝者! 紳士なのだ!」

ジェントルマン「我が紳士魂は、永遠で無限大なのだあああ!」

クリン「……なんて精神力……!?」

クリン「これ程のエネルギーを凝縮させるなんて……!」

ジェントルマン「吹き飛べえええ!」ブンッ

クリン「う、この大きさ、かわせない……!?」





「お守り三銃士、推参!!」



「ギアーマン!」

ギアーマン「ギアシールド!」

ドオオオオオオン!!

ギアーマン「ギギギ、大した爆発だな……」

ギアーマン「だが、俺の装甲を吹き飛ばすほどでは無かったようだな」

ギアーマン「大丈夫ですか、クリン様」

クリン「……ギアーマン? 何故ここに……」

クローム「ギアーマンということは……マイタ?」

マイタ「なんとか間に合ったようだな」

マイタ「そして、来ているのは俺だけではないぞ、お嬢」

ジェントルマン「なんだと……あのエネルギーを防ぎきったというのか……!?」

Mr.キャノン「キャノンマン!」

キャノンマン「うむ」ザッ

ジェントルマン「何!?」

Mr.キャノン「速やかにトドメを刺すのだ!」

キャノンマン「くらえ、キャノン!」

ズドォンッ

ジェントルマン「がああああああ!?」

ジェントルマン「わ、我が紳士道よ、永遠であれえええええ!!」

ドゴォォォォォン!!

キャノンマン「……処理完了」

総徹「ジェントルマン!?」

Mr.キャノン「ココット殿、サーバーの正常化は頼みましたぞ!」

ココット「任せて、アームズマン!」

アームズマン「「「は!」」」

ココット「サーバーを正常化させるのよ!」

アームズ次男「了解した」

アームズ三男「でも、どうすればいいのかな、これ」

アームズ長男「ぶった切ればいいだろ!」

アームズ三男「ま、待ってよ! それじゃあ爆発しちゃうよ!」

アームズ次男「お前のその壊せばいいという考えは改めた方がよいぞ」

アームズ長男「うるせえ! じゃあどうしろってんだよ!」

アームズ次男「叩けばいいのだ」

アームズ三男「結局壊すの!?」

アームズ次男「否、盾で殴るから仮に爆発しても盾で爆発は防げるのだ」

アームズ三男「え、えぇー……」

アームズ長男「ただ壊すだけの脳筋と違って、しかと考えておる」

アームズ長男「あ? どこがだよ、俺と同じじゃねえかよ」

アームズ次男「一緒にするな!」

アームズ長男「やんのか! こら!」

アームズ三男「や、やめてよ二人共ー!」

ココット「コラーーー!!」

アームズマン「「「!?」」」

ココット「さっさと復旧しなさい! 壊すのはナシ! 爆発させるのはもっとダメ!」

アームズマン「「「り、了解!」」」

カチャカチャ……

ココット「全くもう……」

アームズマン「「「…………正常化、完了しました!」」」

ガタンッ

維音「あっ、観覧車が動き出したよ!」

クリン「溜まっていたエネルギーも放散されていきます」

クローム「何とかなったみたいね」

総徹「くっ……失敗したか……」

総徹「こうなれば、逃げるしかないか……!」

Mr.キャノン「どこへ行こうというのだ?」

総徹「なっ!?」

マイタ「既にオフィシャルがここを包囲している、ここを逃げても無駄だ」

ココット「ナビもいなければ何も出来ないでしょう、大人しく投降しなさい」

Mr.キャノン「神妙にお縄につけい、五菱総徹!」

総徹「くっ……くそおおおお!!」

………………


Mr.キャノン「お嬢様あああああああ!!」

Mr.キャノン「このMr.キャノン、一生の不覚ゥ!!」

Mr.キャノン「まさかお嬢様がこのような危険な目に遭うとはああ!」

Mr.キャノン「辻野の領地だからとタカをくくっていた私めの責任でありまする!」

クローム「うるさいからボリューム下げて」

Mr.キャノン「ハッ、コレハシツレイシマシタ……」

クローム「それは下げすぎよ」

クローム「それで、どうしてここに?」

マイタ「テーマパーク含む、全てのサーバーの様子は全て辻野家で行われている」

マイタ「ここのサーバーから定時連絡が来なかったからオフィシャルに捜査依頼がいったのだ」

ココット「そしたら、お嬢様がここに遊びに来てるって聞いたものだから」

ココット「私達三人が揃って来たってわけ」

Mr.キャノン「そうそう、今回の事を起こした五菱総徹ですが」

Mr.キャノン「何やら意味深な事を喚いておりましたな」

Mr.キャノン「たしか、ゾディアックがどうとか、あいつはどうしたとか」

クローム「ゾディアック?」

マイタ「公には情報が公開されていないが、犯罪組織と聞いたことがある」

クリン「犯罪組織ですか?」

マイタ「ああ、今までは影を潜めて行動してきたが、最近になって目立つ行動が多くなってきたらしい」

マイタ「そこでオフィシャルもやっとゾディアックの存在に気付いたとのことだ」

マイタ「ただ、何を目的として犯罪を起こしているのか、未だに分かっていないそうだ」

クローム「ふーん……」

維音「……」

維音「……わ、私がこれ聞いてもよかったのかな……」

クローム「ん? ああ、言いふらさなければ大丈夫だと思うわよ」

クローム「むしろこれからはそのゾディアックとやらに対して用心した方がいいわね」

維音「わ、分かった、気をつけるよ」

維音「どうやって用心すればいいかは分からないけど」

ココット「ともあれ、これからオフィシャルの捜査が入るから、今日のところは帰るしかないわね」

マイタ「あ、そうそう、忘れるところだった」

マイタ「お嬢」

クローム「何?」

マイタ「ここの発電所のパスコード、家からコピーして持ち出したな?」

クローム「…………」

クローム「何のことかしら?」

クリン「はい、お嬢様が勝手にコピーして持ち出したようです」

クローム「ちょっとクリン!」

マイタ「やっぱりか、家の中から管理サーバーにアクセス履歴が残ってたからそうだと思ったよ」

クリン「ですが、それがあったことで今回大惨事にならなかったのも事実です」

クローム「そ、そうよ、仕方なかったわけなのよ」

マイタ「そうみたいだな……俺からは不問としておくが……」

Mr.キャノン「お嬢様自ら危険な場所に向かわれたですとお!?」

クローム「うっ、もっとうるさいのが出てきた……」

ココット「長くなりそうね……」

????


アイザック「……」

アイザック「辻野テーマパークの事件が大々的に放送されているな」

ステア「申し訳ありません、私の采配ミスです」

アイザック「ふん、五菱総徹とやらは使えん男だったようだな」

アイザック「まあよい、プラネットデータは手に入ったから、お前に関しては不問としよう」

ステア「ありがとうございます……」

アイザック「早速だが、次の仕事だ」

アイザック「残り二つのプラネットデータのうち、所在が不明だった方だが」

アイザック「俺の調査でプラネットデータと思しき反応が見つかった」

アイザック「お前には、これからそこに向かってもらいたい」

ステア「所在が分かっている方は?」

アイザック「手の空いている奴に取りに向かわせるさ」

ステア「了解しました」

ステア「それで、反応があった場所とは?」

アイザック「……」

アイザック「……ウラインターネットだ」

メインキャラリストNo.015

五菱 総徹(いつつびし そうてつ)
男性、五菱機業の元オーナー。
経営が傾いたところを辻野グループに吸収され、その立場を追われた。
その為、ゾディアックと手を組み、辻野グループへの復讐を目論む。

ジェントルマン
紳士型ナビ。
なのだが、オペレーターがオーナーの立場を追われたのを機に、紳士を振りかざして暴虐の限りを尽くすナビになってしまった。
ステッキでがむしゃらにぶっ叩いてきたり、シルクハットをブーメランのようにぶん投げてきたり、懐から拳銃を不意打ち気味に取り出したり、
実に紳士的な攻撃をする。真摯に紳士である。


メインキャラリストNo.016

マイタ・ハーモニック
男性。お守り三銃士の一人。
無愛想だが相手のことはちゃんと考える。
プログラムに詳しいので辻野家のサーバーメンテを任されている。

ギアーマン
数々の歯車が組み合わさったナビ。ブレイク系統。
一見クールに見えるが、結構熱くなることが多い。
他のナビと構造が違っているため、並のナビよりすごく頑丈だが幾多の調整が必要になる。
歯車を使って様々な攻撃を繰り出すほか、ガードにも使える。


メインキャラリストNo.017

ココット・バスティオン
女性。お守り三銃士の一人。
クリームランド出身。几帳面で世話焼き。
他の三銃士と違って護衛が本職なため、自身の実力も高い。もしかするとナビより強い?

アームズマン
3つの人格が備わっている騎士型ナビ。ソード系統。
長男は喧嘩っ早く、次男は頑固者で、三男は間に挟まれる苦労人。オペレーターの指示無しでは息が合わない。
大剣と盾による堅実な戦い方を得意とする他、
メインの人格をチェンジする事で戦法がガラリと変わる。

今日はここまで。
次回からやっと主人公が出てきます

どうもです、オフィシャルコンプリートワークス買ってウハウハです。
続き投下します

学校

勝斗「おっすー」

維音「おはよー」

勝斗「なんかテーマパークで事件があったみたいだけど、大丈夫だったか?」

維音「まあ、何ともなかったよ」

勝斗「そうか、そりゃあ何よりだ」

維音「ぶっちゃけ事件よりもお父さんの相手の方が大変だったよ……」

勝斗「あー……まあ仕方ないだろ、それは」

維音「まあ、わかってはいるけど……」

勝斗「それで、本題だが……」

勝斗「お土産は?」

維音「それどころじゃなかったからね?」

勝斗「だよねー」

パイルマン「楽しかったか?」

ノエル「聞いてよパイルー、クリンちゃんが絶叫系ばかり乗り回すから、私疲れちゃって」

維音「いいじゃない、私は乗れないんだから」

維音「ところでさ」

維音「そろそろ地区予選が始まるんじゃない?」

勝斗「ああ、そうだな」

勝斗「今回ばかりは何も起こらなければいいんだけどな」

パイルマン「確かに、今まで大会に関しては運が無かったよな」

パイルマン「学校に不審者が来たせいで大会出れなかったり」

パイルマン「敗者復活戦では爆弾騒ぎで中止扱いになったりな」

パイルマン「なんか憑いてんじゃね?」

勝斗「憑いてるって、何が?」

パイルマン「ほら、疫病神とか悪霊とか、そんな感じのやつ」

勝斗「ははは、んなわけないだろー」

ピピピッ

勝斗「ん? ショートメールだ」

ゼノア『私のPETに何かいる』

勝斗「……」

パイルマン「……」

維音「あれ、どうしたの?」

勝斗「あ、や、何でもない!」

勝斗「ちーっとトイレ行ってくる」ガタッ

維音「え? うん」

勝斗「ゼノアーー!」

勝斗「何かいるって、なんだ!?」

ゼノア「えっと」

ゼノア「よく分からないけど、ナビでもウイルスでもプログラムくんでもない何か」

勝斗「いつから! どこに!」

ゼノア「私がこのPETに入った時には既にいて」

ゼノア「今は私の隣に」

「おっすー」

勝斗「……」

勝斗「!?」

「ようやっとワシの存在に気付いてくれたのう」

勝斗「なんかいた!」

「なんかとはなんじゃ!」

「ワシには松姫という名前がちゃんとあるんじゃ!」

松姫「気軽にまっちゃんと呼んでもよいのだぞ?」

勝斗「えぇー……」

パイルマン「見た目は、人間の女の子だよな?」

パイルマン「一体なんなんだ? どういう存在なんだ?」

松姫「知らぬ」

勝斗「知らぬって……」

松姫「気づいた時にはこんな状態になっておった」

松姫「こうして電脳世界を渡り歩く存在となる以前の事はなーんにも覚えておらんでな」

勝斗「それがなんで俺のPETの中に入り込んでるんだよ」

松姫「んー……」

松姫「なんでと言われてものお……」

勝斗「物忘れが激しいのか?」

松姫「いやの、ここにいれば何かが分かる……と、直感が働いての?」

勝斗「つまり大した理由は無いと」

松姫「ぶっちゃけそうじゃな」

松姫「そんなわけで」

松姫「ワシはここでゼノアちゃんと仲良くしていたのじゃ」

ゼノア「うん」

勝斗「前からいたのならなんでもっと早く言わなかったんだ」

ゼノア「聞かれなかったし……」

勝斗「なんだそりゃ……」

パイルマン「まあ、まとめると……まとめるまででもないけど……」

パイルマン「勝斗には疫病神が憑いていた、と」

勝斗「マジかー……」

松姫「誰が疫病神じゃ! 失礼な奴め!」

パイルマン「こりゃお祓いしてもらうしかないな」

勝斗「データを祓うって、わけわかんねえな……普通に削除じゃダメか?」

松姫「こら! 疫病神で話を進めるでない!」

勝斗「てか、松姫はPETから出れないの?」

松姫「なんじゃ、ウイルスが渦巻くインターネットに、いたいけなワシを放り出そうというのか?」

松姫「ワシにデリートしろと?」

勝斗「いや、そうは言ってねえよ……」

松姫「別にここにいていいじゃろが! 何か迷惑かけたわけでもあるまいし!」

勝斗「実際大会の時に迷惑をだな」

松姫「ワシのせいにするな! ワシがやった証拠でもあるのか!」

勝斗「いや証拠って、まあ無いんだけどさ……」

パイルマン「いつでもPETから出れるってのは間違いなさそうだな」

キーンコーンカーンコーン

勝斗「あ、やっべ、授業始まっちまう!」

パイルマン「松姫の件は、ひとまず保留だな」

松姫「まー、ワシは今まで通りのんびりさせてもらうぞ」

ゼノア「……」

放課後


勝斗「うーん……」

維音「ねえ、どうしたの?」

維音「朝から悩んでるみたいだけど……」

勝斗「あーっと、だな……」

勝斗「なんか心配になってきたから、お祓いしてもらおっかなーって、思い始めたんだけど」

維音「確かに、大会の時に変なことばかり起きるもんね」

維音「あ、だったら神来神社はどう?」

勝斗「じんぐる神社?」

維音「近くにある神社なんだけど」

維音「人だけじゃなくてネットナビのお祓いもしてくれるんだって」

パイルマン「へー、なんか丁度良さそうな気がするな」

勝斗「そうだな、明日は祝日で休みだし行ってみるか!」

ノエル「今マップデータを送信するね」ピッ

勝斗「サンキュ」

勝斗「維音も一緒に行くか?」

維音「ごめん、明日は病院で定期検査を受けなきゃいけないんだ」

勝斗「あ、そうなのか」

維音「といっても、最近新しく開発された薬のおかげで、だいぶ良くなってきてるから」

勝斗「ならいいんだけどさ……」

維音「……もう! だからそんなに心配しなくていいってば!」

勝斗「だってなあ……あー分かった、じゃーな」

維音「またねー」

翌日、神来神社


勝斗「へえー、俺の町にこんな神社があったのか」

パイルマン「お前はチップ以外に興味持たないもんな」

勝斗「うっせ」

勝斗「さて、松姫」

松姫「なんじゃ」

勝斗「一旦、パイルマンのPETに移ってくれないか?」

松姫「あー、ゼノアの存在は周りに秘密にしとるんだったの」

松姫「了承した、移動するから赤外線を合わせとくれ」

勝斗「ほい」

ピコン

松姫「移動したぞ」

松姫「しかしなんじゃこっちのPETは、ごちゃごちゃしとる上になんか臭うぞ?」

松姫「男の部屋って感じじゃな、ワシは気に入らぬ」

パイルマン「言いたい放題だな……」

勝斗「今度データ整理するか……あれ」

勝斗「なんで神社にチップトレーダーが……」

「それね、おみくじみたいなもんだよー」

勝斗「えっ?」

「神社に置いとくとさー、回してくれる人が多いんだよね」

勝斗「えっと……」

「あ、私?」

「私は神来 鈴(じんぐる べる)って言うんだー」

鈴「いちおー、ここの巫女さんやってるの、よろー」

勝斗「あ、はい、よろしくお願いします」

パイルマン「(巫女らしくない派手さだな)」

松姫「(なあ、名前に突っ込んだ方がええのか?)」

「……むっ?」

鈴「あれ? どしたのキュウビマン」

キュウビマン「異様な気を感じる……」

キュウビマン「少年、何を連れているのだ?」

勝斗「あ、もしかしてこいつかな」

松姫「おっすー」

キュウビマン「なんと、面妖な……」

鈴「あー、かわいいー! ねえこれ君のナビ?」

勝斗「いや、俺のPETにいつの間にか入ってたんだ」

鈴「へー、そーなんだ」

キュウビマン「……」

勝斗「こいつ、何とかならないかなーって思ってここに来たんだけど」

松姫「聞いてくれぬか、こやつのう、ワシのことを疫病神だと罵りおるんじゃ」

勝斗「言われてるぞパイルマン」

パイルマン「お前もだろがよ!」


メインキャラリストNo.018

神来 鈴(じんぐる べる)
神来神社の神主の娘であり、巫女。
巫女なのだがイマドキファッションを散りばめるギャル。いわば巫女服はファッション。
境内の掃除をサボってインターネットしたり出前頼んだりしてる。食べても太らない体質。

キュウビマン
狐型ナビ。ヒート属性。
礼儀正しい性格だが、多くのこだわりを持っており、そこは譲らない頑固さもある。
ネットナビなのに霊感とかそういうのに敏感。
狐火を操って攻撃したり幻影を見せたりする他、式神を使役する。

勝斗「で、何とかならない?」

キュウビマン「……」

キュウビマン「そうか、こういう雰囲気なのか……」

勝斗「え?」

鈴「あっ、ごめんねー、キュウビマンてば自分一人だけで勝手に納得するのが多いんだ」

キュウビマン「その者は電脳世界に住む者達とは全く異質」

キュウビマン「現在は何か影響が出ていることは見られないが……」

キュウビマン「いずれ何らかのひずみが出来るであろう」

キュウビマン「そうなる前に、早急に手を打たねばなるまい」

勝斗「ひ、ひずみ?」

パイルマン「ホントに疫病神だったのか……!?」

松姫「何を言うか、どいつもこいつも無礼じゃな!」

キュウビマン「だが、このまま放置して困ることになるのは、お主自身だと思うが?」

松姫「あ、ワシ?」

キュウビマン「ずっとこの状態だと……むうっ!?」ピクッ

勝斗「なんだ?」

キュウビマン「……来る!!」

勝斗「来る? ま、まさか早速疫病神が」

松姫「ワシが何をしたと言うんじゃ! いい加減にせい!」

キュウビマン「近いぞ、用心しろ!」

勝斗「くっ、パイルマン!」

パイルマン「お、おう!」ジャキ

…………

勝斗「……」

パイルマン「……」

松姫「……」

キュウビマン「……」

ブロロロロロ

弾「ちわーっす、出前でーっす」

鈴「あっ、どもー」

勝斗「あれ、弾さん?」

弾「おや勝斗君、ここで会うのは珍しいっすね」

弾「はい、チャーシューメンっす」

鈴「ありがとー、はい代金」

弾「毎度っす!」

勝斗「そうか、もうすぐ昼の時間か」

キュウビマン「ぬう……まだか……!」

弾「そんな焦れなくても、今送るっすよ」

弾「バスターマン!」ピッ

バスターマン「おう」ピシュンッ

バスターマン「ほらよ、電脳麻婆油揚げ、お待ち!」

キュウビマン「来たか、待ちわびたぞ……!」

パイルマン「ま、麻婆油揚げ?」

勝斗「来るって言ってたのそれかよ!」

パイルマン「構えて損したぜ……」

キュウビマン「油断するでない!」

キュウビマン「この麻婆油揚げは、食するのに最適な時間、つまり一番美味しい温度があるのだ」

キュウビマン「そのわずかな時間に食べつくすのは、至難の業なのだ」

キュウビマン「集中せねば、為すことなど到底出来ぬ……」

バスターマン「こいつな、麻婆油揚げの食べ方に凄いこだわってんだよ」

バスターマン「だからアツアツのうちに持ってこないとすげーぐちぐち言われるんだよな」

パイルマン「はー……」

鈴「キュウビマンってば、変なところばかり意気地になるんだよねー」ズルズル

鈴「ラーメンうまー」

弾「じゃ、俺はこれで失礼するっす!」

弾「どんぶりはいつもの場所に置いててくださいっす」

鈴「はーい、また頼むねー」

勝斗「……」

勝斗「結局松姫の件はどうすりゃいいの?」

キュウビマン「ああ、その者は迷い子なのだ」

キュウビマン「だから元いた場所に戻れば全て解決する」

松姫「迷い子?」

勝斗「元いた場所って?」

キュウビマン「それは……ヌッ!!!」

パイルマン「!?」

キュウビマン「今ッッ!!」

キュウビマン「ハフハフハフハフハフ!!」ガツガツ

パイルマン「……い、いきなり麻婆油揚げをかきこみやがった」

鈴「あー、そうなるとねー、長いんだよね」

鈴「悪いけど、また今度にしてくれない?」

勝斗「えー……仕方ないか」

勝斗「俺も腹減ってきたし」

勝斗「どうも、ありがとうございました」

鈴「また何かあったら来てねー、私は何もしてないけど」

勝斗「……あっ」

勝斗「帰る前に……」

勝斗「よーし!」ガチャガチャ

勝斗「……」ゴトンッ

勝斗「メットガードかよ……」

今回はここまでです。
大会始まんねーなー……

どうもです、続き投下していきます

勝斗「元いた場所に戻ればいいとは言ってたけど」

勝斗「どこに行けばいいんだ?」

勝斗「心当たり無い?」

松姫「無い!」

勝斗「自信満々に言うんじゃねえよ」

パイルマン「そもそもその場所って、現実世界なのか電脳世界なのかも分からないよな?」

松姫「ま、別にのんびりしててもいいと思うぞ?」

勝斗「当事者がそれを言うか?」

グゥー

勝斗「……腹減ったな、一旦家に帰るかな」

ピリリリッ

パイルマン「勝斗、電話だぜ」

勝斗「ん? 誰だろ、もしもし」ピッ

店長「おう、勝斗か?」

勝斗「あ、おっちゃん、何?」

店長「いやあ、ちょっとお願いごとがあってな」

勝斗「お願いごと?」

店長「うちの維音が今日病院へ定期検査に行ってるのは知ってるよな?」

勝斗「うん」

店長「検査が終わったらいつも俺が迎えに行ってるんだが」

店長「今日は店の方に急な仕事が入っちまったんだ」

店長「だから代わりに迎えに行ってくんねーか?」

勝斗「迎えに?」

店長「一緒に帰ってくるだけでいいんだ」

店長「病気も良くなってるとは聞いているが、テーマパークの事件もあるから1人にするのはちょっとな」

勝斗「はあ、まあ暇だからいいけど」

店長「悪いな、今度チップ割引してやるからよ」

勝斗「割引って、どうせ5%ぽっちでしょ?」

店長「おーっと、そこまでにしとけよ?」

店長「5%割引が5%割増になるぜ?」

勝斗「値上げすんのかよ!」

店長「とにかく、頼んだぜ!」

ピッ

勝斗「やれやれ」

パイルマン「病院に行くのか?」

勝斗「ああ、そうなった」

勝斗「おっちゃんも人使い荒いよな」

勝斗「維音の奴もよくあの下で育ってきたと思うよ」

パイルマン「あー見えて店長は親バカだからな、案外そうとも言えねーぜ」

勝斗「それもそうか」

松姫「ふむ、その維音って子を迎えに行くのか?」

勝斗「うん」

松姫「彼女か?」

勝斗「ちげーよ、幼馴染だよ」

勝斗「昔から心臓が弱くてな、今日も病院で検査受けてるんだ」

松姫「心臓か……それは大変じゃのう……」

勝斗「じゃあ行くぞ、ここからだと時間かかるからな」

…………


「……」

ピシュンッ

「むっ、何奴?」

ホップマン「ああいや、怪しい者ではないんだがね?」

「人のPETに入り込んでいて怪しい者ではないハズがないでござろう!」

ホップマン「ま、そりゃそうか」

「今すぐ立ち去られい!」

ホップマン「俺だってさっさと立ち去りたいんだがな……お前に用があるんだよ」

「用?」

ホップマン「お前のオペレーター、意識が戻ってないんだろう?」

「!!」

ホップマン「もし俺の言うことを聞いてくれたら、腕利きの医者を紹介してやる」

ホップマン「そしたら、オペレーターの意識も戻るかもな」

「…………」

「何をしろと?」

ホップマン「簡単なことだ」

ホップマン「ちぃーっとばかし、見張りを頼みたいのさ」

ホップマン「俺が仕事している間に、な」

病院


医師「……うん、だいぶ良くなってきてるね」

医師「この調子なら、完治するのも遠くないだろう」

維音「本当ですか?」

医師「ああ」

医師「B型H.B.D.……今までのH.B.D.とは異なる心臓病」

医師「数年前、H.B.D.には効果的だった治療法が効かなかった時は挫折しかけたが……」

医師「新しく開発された新薬は効果があったみたいで、良かったよ」

ノエル「良かったね、維音ちゃん!」

維音「うん!」

医師「とは言っても、今まで通り過度な運動はダメだよ」

医師「効果が現れてるとはいえ、まだまだ何が起こるか分からないからね」

維音「分かりました」

医師「じゃあ、今日はこれで終わりだよ、また一ヶ月後にね」

維音「はい」

維音「病気の完治かぁ……」

維音「なんだか実感湧かないなあ……」

ノエル「どうして?」

維音「だって、生まれた頃からこの病気だったから」

維音「病気が付きまとう日常しか知らないから」

維音「私が元気に走り回る所とか、想像も出来ないや」

ノエル「維音ちゃん……」

ゴツンッ

維音「あいたっ」

ノエル「だ、大丈夫、維音ちゃん?」

維音「う、うん……あたたた……」

維音「自動ドアが開かなくて、思いっきりぶつかっちゃったよ……」

ノエル「何か不具合でも起きてるのかな?」

「どうかしたKAI?」

維音「あ、うん……あれ?」

維音「REIJIさん?」

REIJI「YES! 久しぶりだね維音ちゃん」

維音「どうして病院に?」

REIJI「あー、いやさあ、ちょっと突き指しちゃってNE」

維音「ええ、大丈夫なんですか?」

REIJI「大丈夫じゃないよ! おかげでしばらくお仕事出来ないのSA!」

REIJI「いくつかキャンセルしないといけなくなったワケなのYO!」

維音「た、大変ですね」

REIJI「まあそれはいいや、ここで何してるんDAI?」

維音「ここの自動ドアが開かなくて」

REIJI「ふむ?」コンコン

REIJI「確かに、何の反応もないNE」

REIJI「ここが開かなきゃ、病気の外に出られないんじゃNAI?」

維音「そうなんですよ、困ったなあ」

「REIJI、俺がちょっくら見てこようか?」

REIJI「おう、頼むぜステップマン」ピッ

ステップマン「行ってくるぜ!」

ノエル「私も見てくるよ、プラグインして!」

維音「うん、分かった」ピッ


メインキャラリストNo.019

REIJI
最近波に乗ってきたDJ。しかし現在突き指で休業中。
勝斗や維音の通う小学校のOBでちょくちょく会ったりしている。
気さくな性格でノリがいいが、すごく口が軽い。

ステップマン
ダンサー型ナビ。
普段は明るい性格で軽快にステップを踏むのだが、バトルで劣勢だったり嫌なことがあったりするとネガティブになり引きこもる。
ポジティブモード時はリズムを取りながら戦う攻撃傾向だが、
ネガティブモード時はオーラを張って閉じこもる保守傾向となる。

ノエル「……んー」

ステップマン「ふむ……」

維音「ノエル、何かわかる?」

ノエル「軽いエラーが起こってるだけみたい」

ステップマン「これならすぐに直せそうだ」

REIJI「OK、チャチャッと頼むYO」

ステップマン「あいよー!」

ノエル「……あれ?」

維音「ノエル、どうかした?」

ノエル「病院のサーバーに、誰かがアクセスした痕跡があるの」

REIJI「関係者じゃないのKAI?」

ノエル「関係者が自動ドアの電脳からサーバーにアクセスするのかな……」

維音「確かに……」

ステップマン「こりゃあ、確かめる必要がありそうだな!」

「待たれよ」ザッ

ノエル「えっ?」

ステップマン「誰だ!」

「ここから先には通すわけにはいかぬ」

「引き返してもらおう」

ノエル「なんでここから先に通さないの?」

「知らぬ、某はここの番を任されたのみ」

「そういう契約にてござる」

ステップマン「ふぅむ……」

ステップマン「別に戦う必要無くね?」

ノエル「まあ……気になるってだけで、無理にここを通ろうとは思わないもんね」

ホップマン「どうした?」シュタッ

「いや、ここに来た者に立ち去るよう勧告していただけでござる」

ホップマン「そうか、俺はこれから仕事に入る」

ホップマン「そいつらはくれぐれもここを通しては……なっ!?」

ノエル「あっ! あの時の!」

ステップマン「んなっ!?」

REIJI「ホップマン!?」

維音「え、知り合い?」

ホップマン「ステップマン……!? 何故ここにいる!」

ステップマン「こっちのセリフだ! お前今まで何やってたんだ!」

REIJI「お前がいるってことは、誠司もいるんだろ!」

ホップマン「……ちっ! 会いたくねえ奴と会っちまったぜ」

ホップマン「おい、こいつらは絶対通すな!」ザッ

「心得た」

ステップマン「待て!」

「通さぬ!」ジャキ

ステップマン「くっ……」

REIJI「……」

REIJI「ステップマン、どうやらこの先に進まなきゃあならなくなったみたいだな」

ステップマン「そのようだな」

ステップマン「アンタは下がってな、これは個人的な事情なんだ、巻き込むわけにはいかねえ」

ノエル「……わ、分かった」

「……もう一度言う」

「立ち去れぃ!」

ステップマン「いいや! 通らせてもらうぜ!」

「そうか、であれば……」

モノノフマン「このモノノフマン、お相手致す!」

モノノフマン「覚悟めされい!!」


~バトル開始~

ステップマンVSモノノフマン

今回はここまでですー

どもです、続き投下します

~バトル開始~

ステップマンVSモノノフマン


モノノフマン「行くぞおおお!」ダッ

ステップマン「速い!?」

モノノフマン「ヒバシリ!」ブンッ

ステップマン「……だが!」スッ

モノノフマン「むっ!」

ステップマン「速いだけじゃあダメだね!」

ステップマン「リズム感がまるで無いよ!」

REIJI「いけ、ステップマン!」

ステップマン「ソード!」

ズバッ

モノノフマン「ぬうっ!?」

ステップマン「直線的で隙だらけ! こりゃ余裕かな!」

モノノフマン「なんの、まだまだこれからよ!」

モノノフマン「レッカ!」ズドドド

ステップマン「よっ、ほっ」スッ

モノノフマン「ふむ、連続突きを全てかわしてみせるか」

ステップマン「ワイドソード!」ブンッ

モノノフマン「なんの!」サッ

ステップマン「おっ、流石にかわすかい」

モノノフマン「てやあ!」ブンッ

ステップマン「攻撃が単純だよ!」スッ

モノノフマン「……お主の動き、見切った!」

ステップマン「なんだって?」

モノノフマン「グレンキャク!」ブンッ

ドゴォッ

ステップマン「ぐわあっ!?」

REIJI「OOH、回転蹴りか!」

モノノフマン「お主は某の攻撃をかわす時、ギリギリまで引き付けている」

モノノフマン「いつでも反撃ができるように距離を一定にするためにだ」

モノノフマン「だが、その一定の距離全てを攻撃すれば、今まで通りにはかわせまい!」

ステップマン「あてて……わざわざそんな説明してもいいのかい?」

ステップマン「俺、二度とその範囲に近づかないぜ?」

モノノフマン「それならばそれでよし」

モノノフマン「攻撃のリーチならば某のが上よ!」ブンッ

ステップマン「くっ」サッ

ステップマン「確かに、近づかねえと攻撃出来ねえんだよな!」

REIJI「だったら一気に近づけばいいのさ!」

REIJI「チップ転送!」

ステップマン「ダッシュアタック!」ダッ

モノノフマン「甘い!」ザッ

ステップマン「うっ! 跳んでかわした!?」

モノノフマン「オウホウラク!」

ズドンッ

ステップマン「ぐああ!?」

REIJI「ステップマン!?」

モノノフマン「お主の動きは見切ったと言ったはずだ」

ステップマン「くっ……」

モノノフマン「勝負は見えた、いらぬ怪我を負う前に立ち去るがよい」

ステップマン「…………」

モノノフマン「……む?」

ステップマン「もうだめだ……おしまいだぁ……」

モノノフマン「雰囲気が変わった……?」

ノエル「い、一体どうしたの?」

ステップマン「もうダメなんだ……ホップマンを追うにしてもここ通れないんじゃどうしようもないよ……」ブツブツ

REIJI「AAAH! こんな時にネガティブになるのかよ!」

ステップマン「お前が……いるから……」

ステップマン「カウントボム……」

スッ

モノノフマン「ぬっ! カウントボム!?」

ステップマン「邪魔……邪魔……」

モノノフマン「ちい!」ブンッ

ドゴォン!

モノノフマン「ボムは壊したが……」

ステップマン「バンブーランス……」

ズドドド!

モノノフマン「うおお!?」サッ

モノノフマン「次は竹槍か!」

モノノフマン「ここまで戦い方が変わるとは!」

ステップマン「ブツブツ……ブツブツ……」

モノノフマン「このままでは埒が明かぬ! 本体を早々に叩く!」ブンッ

ガキィンッ

モノノフマン「!?」

REIJI「AHAA、オーラを張ってるのさ」

REIJI「今のステップマンには生半可な攻撃は通じないZE!」

ステップマン「時間が……過ぎていく……」

ステップマン「アースクエイク……」

モノノフマン「むう……」スッ

ズドンッ!

モノノフマン「(見たところ、あの戦い方では自分から動くことはないように見える)」

モノノフマン「であれば! 一気に決める!」ダッ

モノノフマン「うおおおおおおお!!」

モノノフマン「ダイ! レッカァァァ!!」

ガガガガガッ!

モノノフマン「おりゃああああああ!!」

ステップマン「……はあ」

REIJI「お前、オーラってのがなんだか分かってるのか?」

REIJI「一定威力以下の攻撃は全て無効化するんだぜ?」

REIJI「そんな連続攻撃、いくらやったって無駄だZE!」

モノノフマン「ふんんぬううううう!」

ピシッ

ステップマン「……えっ」

REIJI「なっ……!?」

モノノフマン「どりゃああああああああ!!」

ピシッ ピシッ

ステップマン「ひ、ヒビが……」

REIJI「馬鹿な!? 連続攻撃でオーラにヒビが入るなんて!」

ステップマン「……こ、これは!?」

ステップマン「一撃一撃の威力が上がっている……!?」

モノノフマン「せえええええりゃあああああああ!!!」

パリィンッ!

ステップマン「うっ!?」

モノノフマン「貰ったあああ!」

ズガガガガガッ!!

ステップマン「がああああああ!?」

REIJI「ステップマァァァン!?」

モノノフマン「ふぅ、ふぅ……」

ステップマン「ぐっ、うっ……」

モノノフマン「……勝負は決した、立ち去られよ」

ノエル「待って! あなたに命令したあのバッタ、悪い奴なんだよ!」

ノエル「なんで言う事を聞いてるの!?」

モノノフマン「……」

モノノフマン「某のオペレーターの為にござる」

ノエル「オペレーター……?」

モノノフマン「ここを通さぬという契約を果たせば、戻ってくる可能性があるのだ!」

ノエル「それは、利用されてるだけなんだよ……」

モノノフマン「それでも構わぬ!」

モノノフマン「もう一度、忠義を尽くすためならば!」

ノエル「……」

ピシュンッ

パイルマン「おい、なんだこりゃ?」

ノエル「あれ、パイル?」

勝斗「何やってんだ?」

維音「勝斗! なんでここに?」

勝斗「維音のおっちゃんにお迎え頼まれてさ」

REIJI「YA! 勝斗じゃないか」

勝斗「あれ、REIJIさん! REIJIさんも病院に来てたんですか?」

REIJI「まあね、ただ、今はゆっくり話してる場合じゃないんだ」

パイルマン「……あいつが何かやったのか?」

モノノフマン「新手か……ここは通さぬぞ」

勝斗「よく分からねえけど、穏やかじゃないな」

ピシュンッ

松姫「……」

パイルマン「あっおい、お前勝手に……」

松姫「モノ、ノフ、マン……?」

モノノフマン「なっ……」

モノノフマン「おや……かた…………さま?」

勝斗「えっ?」

パイルマン「知り合いか?」

ノエル「えっと、どうなってるの?」



「トレッドダウン!」

ドガッ!

モノノフマン「ぐわああ!?」

松姫「モノノフマン!?」

ホップマン「……クソが、見たくねえ顔が二つに増えてやがる」

パイルマン「テメエ、いつぞやのバッタ野郎!」

ホップマン「バッタじゃねーよ、キリギリスつってんだろがあああ!!」

安都「ホップマン、熱くなりすぎです」

ホップマン「ちっ……」

REIJI「誠司!」

安都「……もうここには用は無い、早く帰りますよ」

ノエル「なんでモノノフマンを! あなたの言うことに従ってたのに!」

ホップマン「簡単な話さマドモアゼル」

ホップマン「口封じ、というヤツだよ」

ノエル「そんな!」

モノノフマン「ぐううう……」

ホップマン「ん? まだ生きていやがったか」

モノノフマン「やっと……やっと御館様に出会えた手前で……」

モノノフマン「倒れるわけには……いかぬううう!」

松姫「モノノフマン……!」

ホップマン「な、なんだ!? どこからこんなパワーが!?」

安都「ここで仕留めないと面倒になりそうですね」

安都「ホップマン、潰しなさい!」

ホップマン「大人しく、デリートされなァ!」

ホップマン「トレッドダウン!!」バッ

松姫「モノノフマン!」

モノノフマン「ゆくぞおおおおおお!!」ダンッ

ホップマン「なっ、飛び蹴り!?」

メキョッ!

ホップマン「ぐえっ!?」

モノノフマン「おおおおおおおおおおお!!」

ホップマン「ぐううううう!?」

モノノフマン「ふぅきぃとぉべぇえええええ!!!!」

ドゴォンッ!!

ホップマン「ぐあああああああああああああ!!?」

安都「ホップマン!?」

ホップマン「あああああああぁぁぁぁ…………」

キラーン

モノノフマン「成敗!」

パイルマン「うわあ、遥か遠くに吹っ飛ばしちまいやがった……」

安都「……クソッ!」

ブチッ

REIJI「あ、誠司、待ちやがれ!」ダッ

勝斗「あっ、REIJIさん!?」

勝斗「……通信だってのにどこ向かって走ってったのさ」

モノノフマン「御館様ァ!」

松姫「元気そうでよかったぞ、モノノフマン」

パイルマン「なんだ、覚えてるのか?」

松姫「一目見たら思い出したのじゃ」

松姫「ワシはモノノフマンのオペレーターなのじゃ」

維音「この子誰?」

勝斗「俺のPETにいた疫病神」

維音「ああ、やっぱり何か憑いてたんだね」

松姫「違うと言っておろうが!」

モノノフマン「いやはや、お変わりなくてなによりにござ……お変わり……」

モノノフマン「!?」

モノノフマン「なっ!? 何故御館様が電脳世界に!?」

松姫「いやのう、それが思い出せんのじゃ」

モノノフマン「御館様は今もなお床に伏せっておられるはず……!」

松姫「は? ワシが寝たきりとな?」

パイルマン「えーと? 二人いるってこと?」

勝斗「いや、現実世界と電脳世界に1人ずついるってことか?」

ノエル「あれ?」

パイルマン「ん? どうした?」

ノエル「あのバッタが何か落としていったみたいだけど……」

パイルマン「んー? 見たことねえな、なんだこのデータ」

パイルマン「どうやって使うのか、検討もつかないぞ?……」

勝斗「一応貰っとくか?」

パイルマン「いや、要らないだろ……」

勝斗「いいから貰っとけって」

パイルマン「仕方ねえな……」

「おや?」

勝斗「あれ、父さん?」

光流「勝斗じゃないか、こんな所で会うなんてね」

勝斗「何しにここに? 何か病気?」

光流「いや、仕事でね、ここのサーバーのメンテナンスを頼まれてるんだ」

勝斗「そういう勝斗は?」

勝斗「維音のお迎え」

維音「おじさん、お久しぶりです」

光流「やあ維音ちゃん、久しぶりだね」

勝斗「あ、そうだ」

勝斗「父さん、ちょっと聞きたいことが……」

モノノフマン「御館様!」

松姫「どうしたモノノフマン」

パイルマン「ん!?」

勝斗「な、なんだいきなり」

モノノフマン「某、御館様がどのようなお姿になられても、ずっと付き従う所存にありまする!」

松姫「ワシもじゃ! こんな事になってからどうすればいいのか皆目分からなかったが」

松姫「お主がおればなんとかなる気がしてきたぞ!」

モノノフマン「御館様!」

松姫「モノノフマン!」

モノノフマン「御館様ァ!」

松姫「モノノフマァン!」

モノノフマン「おぉやかたさまァァ!!」

松姫「モォノノフマァァン!!」

維音「な、何か始まったよ?」

勝斗「うるせえぞお前ら!」

光流「こ、これは一体?」

勝斗「あ、あーっと、だな……」

…………


光流「ふむ……」

光流「おそらく、身体と精神が分離されているんじゃないかと思うよ」

松姫「分離?」

維音「身体と精神が?」

光流「何らかの理由で、精神が電脳世界に転送され」

光流「現実世界には抜け殻になった身体だけが残った」

勝斗「何らかの理由ってなんだ?」

勝斗「そもそもどうやって精神を電脳世界に繋ぐのさ」

光流「……君の知る松姫が意識不明になったのはいつから?」

モノノフマン「数年前でありまする」

光流「数年前か……だったら、アレだな」

維音「アレ?」

光流「ココロネットワークだ」

勝斗「ココロネットワーク……?」

光流「数年前、酷く心がムシャクシャした時が無かったかい?」

維音「あ、そういえば理由も無いのにすごく心が沈んだ事があったかも……」

勝斗「あー……? 俺覚えてねえや」

パイルマン「お前は悩みが無さそうだもんなあ」

勝斗「うっせ!」

光流「とにかく、その数年前には、世界を巻き込む事件があったんだ」

勝斗「事件?」

光流「まあその事件は大事になる前に収束したんだが……」

光流「その時、全人類の心がサーバーに繋がった状態だったんだ」

ノエル「ぜ、全人類……!?」

パイルマン「スケールがデカイな……」

光流「みんなの心を繋ぐ、それがココロネットワークなんだ」

光流「事件が収束した時、ほとんどの人は何事も無かったんだが」

光流「その日を境に昏睡状態に陥った人が何人かいたんだ」

光流「松姫もその一人だと思うよ」

松姫「そうだったのか……」

維音「それで……分離しちゃった精神は、元の身体に戻れるの?」

光流「意識が戻らない最大の理由は、分離した精神が何処に行ったのか分からないという事なんだ」

光流「つまり、松姫の精神はここにいるのだから戻すのは簡単だ」

松姫「そうか!」

光流「松姫の事は俺に任せておいてくれ」

モノノフマン「おお! かたじけのうござる!」

光流「じゃあ、父さん仕事だからそろそろ行くよ」

勝斗「うん、じゃあね」

維音「さよならー」

松姫「勝斗とパイルマンよ、世話になったの」

勝斗「俺達は特に何もしてないけどな」

松姫「次は、現実世界で会おうぞ!」

勝斗「おう!」

松姫「(ゼノアにもよろしくの)」

パイルマン「(おう、伝えとくぜ)」

勝斗「さあて、帰るか」

維音「そうだね」

グゥー

勝斗「……」

維音「……」

勝斗「腹減ってんのか?」

維音「だ、だって! 検査だから朝ご飯食べられなかったんだもん!」

維音「仕方ないでしょ!」

維音「うぅ、恥ずかしい……」

勝斗「ははは、じゃあ帰りに何か食べに行くか?」

維音「むぅー……」

光流「……」

「お待ちしていました」

光流「やあ、セラス」

光流「どうだった?」

セラス「……やはり、プラネットデータが盗まれていました」

光流「そうか……」

セラス「……これで、残ったプラネットデータは後一つ……」

光流「最後のプラネットデータが何処に行ったのか、俺でさえも分からない」

光流「ゾディアックが見つける前に、こちらで回収せねば……」

安都「くっ……任務失敗とは……」

安都「アイザック様にどう報告すれば……」

REIJI「誠司!」

安都「……零司兄さん」

安都「何故私がここにいると?」

REIJI「ここ、お前が好みそうな日陰だからな」

安都「……ふん」

REIJI「聞きたいことが山ほどあるんだ」

REIJI「お前、今まで何やってたんだよ」

REIJI「今、何してるんだよ!」

安都「兄さんには関係の無いことだ」

REIJI「誠司、お前!」

ズキッ

REIJI「いっててっ……」

安都「……突き指なんだろう? 無理はしない方がいい」

REIJI「誰のせいで……」

安都「……失礼する」ダッ

REIJI「……くそっ、逃げ足だけは昔から速いんだよな……」

勝斗「……」

勝斗「あ」

勝斗「あの謎のデータ、父さんに聞くの忘れてた」

勝斗「……まあいいか、後でも」

メインキャラリストNo.020

武田 松姫(たけだ まつひめ)
いつの間にかPETに潜んでいた少女。
結構マイペースでおじいちゃんっ子。古臭い喋り方はおじいちゃんの影響。
数年前、ココロネットワークによって心がサーバーに繋がった時の不具合で、精神データがネットワーク内に取り残されてしまう。
以降、インターネットをさまよっていた。

モノノフマン
戦国武将型ナビ。ヒート属性。
やたら熱血な性格でどんな敵陣にも単身突っ込む猪突猛進タイプ。うるさい。
精神が分離し、昏睡状態となったオペレーターの意識回復をずっと病室で待ち続けていた。
二振りの槍を武器に、果敢に突っ込んで接近戦を仕掛ける。

今回はここまでです
独自設定をぶっ込んだけど大丈夫かな?

どうもです、続き投下していきます

数日後


勝斗「来たぜ、地区予選!」

パイルマン「気合入るぜ!」

勝斗「今回ばかりは何も無いといいんだけどな」

パイルマン「だな」

ゼノア「えーと……」

ゼノア「大会の内容は、AからDの四つのグループに別れてリーグ戦」

ゼノア「それぞれの上位2人、全部で8人が決勝進出、だって」

勝斗「説明サンキュ」

ゼノア「……」

パイルマン「どうした、なにか気になることでもあるのか?」

ゼノア「うん……この謎のデータ」

パイルマン「病院でバッタ野郎が落としたやつだな」

勝斗「そういえば、これが何なのか父さんに聞くのを忘れてたなあ」

ゼノア「どこかで、見たことあるような……」

勝斗「知ってるのか?」

ゼノア「……分かんない」

パイルマン「まあ、今はそれを考えるところじゃないだろ」

パイルマン「早く受付済ませて控え室に行こうぜ」

勝斗「そうだな」

勝斗「……あれ」

パイルマン「どうした?」

勝斗「誰かのPETが落ちてるんだけど」

パイルマン「PET?」

勝斗「うん」ヒョイ

ドールマン「ダレだ?」

勝斗「うおっ!? ビックリした!」

パイルマン「ウイルスか!?」

ドールマン「これでもれっきとしたナビだ、ドールマンとイう」

勝斗「す、すげえ見た目してるのな……」

パイルマン「俺はウイルスかと思ったから、ナビだってことにビックリしたぜ」

ドールマン「イいカえせない」

勝斗「で、なんでこんな所に落ちてんの?」

ドールマン「オレのオペレーターがPETをオとしてしまったみたいでな」

勝斗「なんだ、抜けてるオペレーターだな」

ドールマン「オレもそうオモう」

ドールマン「そういうワケだから、オペレーターをサガしてほしい」

勝斗「そのオペレーターはどんな奴なんだ?」

ドールマン「コンカイのタイカイのシュツジョウシャだ」

勝斗「あ、偶然だな、俺も出場者なんだ」

ドールマン「そうなのか?」

パイルマン「だったら、控え室で会えるな」

勝斗「それで、どんな見た目の奴?」

ドールマン「オンナノコなんだが……まあ、ミればワかる」

勝斗「見れば分かる?」

ドールマン「ああ」

パイルマン「(こんなナビをカスタマイズしてんだからさ、悪趣味な格好してるに違いねーぜ)」ヒソヒソ

勝斗「(そうだなあ、性格もなんだかひねくれてそうだよなあ)」ヒソヒソ

ドールマン「フタリでシツレイなコトをイいアってるな?」

勝斗「さて、そろそろ行くか、時間無くなっちまう」

「アチョー!」

勝斗「ん?」

「ホワァー!」ブンッ

「アタァー!」ブンッ

勝斗「なんだ、あいつ……?」

勝斗「何かの拳法か?」

パイルマン「なあ、お前のオペレーターってまさか」

ドールマン「いや、チガう」

パイルマン「だよな、あそこまで変なやつじゃないよな」

勝斗「そもそもあいつ男だしな」

ドールマン「(……お、オナじくらいヘンなコだとはイえない……)」

「アァータタタ!」

勝斗「控え室どっちだっけ」

パイルマン「まずは建物の中に入れ」

控え室


ザワザワ

勝斗「結構人がいるな」

パイルマン「確か、一つのグループが6人だったよな」

パイルマン「それが四つあるから、全員で24人だな」

勝斗「ふむ」

「あれ?」

勝斗「ん?」

「君、もしかして同じ学校の?」

勝斗「同じ……てことは」

勝斗「……」

勝斗「(誰だ?)」ヒソヒソ

パイルマン「(満丸 電太だよ)」ヒソヒソ

勝斗「満丸 電太!」

電太「知らないなら素直にそう言ってくれればいいのに……」

勝斗「いや思い出した、学校の大会で優勝したの、お前だっけか」

電太「そうだよ」

パイルマン「なんで覚えてないんだよ」

勝斗「うっせ、出場出来なかったショックでそれどころじゃなかったんだよ」

電太「ええと、君は確か、二門勝斗君だったかな」

勝斗「知ってるのか?」

電太「敗者復活戦は一悶着あったって事でニュースにもなってたからね」

電太「でもあの大会、中止扱いになったんじゃ?」

勝斗「友達がちょーっと掛け合ってくれてな、おかげで出場出来たんだ」

電太「へえ、そうなんだ」

電太「大会で戦うことがあったらよろしくね」

勝斗「ああ、よろしく」

ブレーカーマン「ま、俺達が勝つけどな」

パイルマン「お、言ったな? 覚えとけよ?」

ドールマン「あ」

勝斗「ん?」

ドールマン「いた」

勝斗「いた?」

ドールマン「オレのオペレーターだ」

勝斗「どこ?」

ドールマン「あそこ」

瑠奈「……」

勝斗「う、うわあ」

パイルマン「確かに、見れば分かる服装してるな……」

勝斗「目が悪いのか?」

ドールマン「あのガンタイはファッションだ」

勝斗「ますますやばくないか……?」

勝斗「よ、よお」

瑠奈「え?」

勝斗「これ、お前のPETだろ? 落としてたぜ」スッ

瑠奈「えっ、あ、い、いつの間に、落としてた……!?」

ドールマン「オとしたことにもキヅかなかったのか……」

瑠奈「あ、あは、はは……」

瑠奈「ひ、ひ、拾ってくれて、あ、ありがと……」

勝斗「おう」

瑠奈「えっと……大会に出るん、だよね?」

勝斗「ああ、出る」

瑠奈「えっと……」

勝斗「俺、二門勝斗ってんだ」

瑠奈「あ、わ、私は暮月瑠奈……」

勝斗「大会で出会ったらよろしくな」

瑠奈「う、うん、よろしく……」

勝斗「話してみたら、思ってたより普通だったな」

パイルマン「だな、あんな格好してるからもっと変な性格してるかと思ったぜ」

「うおおおおお!!」バタンッ

勝斗「ん?」

「あ、あぶねー、セーフ! 遅れるところだった!」

「精神集中してたら時間がギリギリになってたぜ!」

勝斗「げ、さっき外で見かけた奴」

勝斗「あいつも出場者だったのか……」

パイルマン「ホワタァ言う精神集中ってなんだよ……」

予選開始


勝斗「さて、俺達はAグループか」

パイルマン「リーグ戦だろ? 予選だけで5回戦うのか」

勝斗「なかなか骨だな」

電太「おや?」

勝斗「あれっ」

電太「やあ、同じグループだったみたいだね」

勝斗「最初の対戦相手がお前か」

電太「悪いけど、負けるつもりは無いよ」

ブレーカーマン「学校の大会に出なかったのも、俺達に負けるのが怖かったんだろ?」

パイルマン「おぉ? 言ってくれるじゃねえか!」

勝斗「いくぜパイルマン!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

電太「いくよ、ブレーカーマン!」

ブレーカーマン「テメエの電源、落としてやるぜ!」


~バトル開始~
パイルマンVSブレーカーマン

ブレーカーマン「くらえ、ラビリング!」バチッ

パイルマン「おっと!」サッ

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「マシンガン!」ガガガッ

電太「ブレーカーマン!」

ブレーカーマン「おう!」

ブレーカーマン「パワーアブソーブ!」

キュイイン!

パイルマン「何!」

勝斗「攻撃を吸収した?」

ブレーカーマン「お返しだ! プラズマバースト!」ズドンッ

パイルマン「うおわ!?」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「ストーンキューブ!」ズシン

ドゴォンッ!

パイルマン「あぶねえ……ストーンキューブが一撃で粉々かよ」

勝斗「吸収したパワーをそのまま放ってくるのか」

勝斗「だったらこれだ、チップ転送!」

パイルマン「アースクエイク!」ブンッ

ブレーカーマン「無駄だ!そいつも吸収して……」

電太「!」

電太「下がって!」

ブレーカーマン「何っ?」サッ

パイルマン「むっ!?」ブンッ

ブレーカーマン「なっ!?」

電太「アースクエイクに気を取られて上を向いている間に、懐に入ってこようとするなんてね」

勝斗「ちぇっ、バレたか」

電太「そして、策士策に溺れるってね!」

勝斗「何だと?」

ブレーカーマン「お前の投げたアースクエイク、今はお前の頭上だぜ!」

パイルマン「げっ!?」

パイルマン「……なんてな!」

勝斗「んなこたあ承知だ!」

勝斗「こちとら、二段構えなんだよ!」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「おう! セット!」ガシャン

ブレーカーマン「落ちてきたアースクエイクを腕に?」

パイルマン「アースクエイク・バンカー!」ズドンッ

ブレーカーマン「うおお!?」

電太「くっ、吸収だ!」

ブレーカーマン「パワーアブソーブ!」キィン

パイルマン「この隙、貰ったァ!」ダッ

ブレーカーマン「!?」

勝斗「チップ転送! ロングソード!」

パイルマン「パイルバンカー!」

ズドンッッ!!

ブレーカーマン「ぐふっ!?」

電太「ブレーカーマン!?」

ブレーカーマン「ぐうう……」

パイルマン「綺麗に決まったな、今のは」

勝斗「よし、このまま攻めれば勝てるぞ」

ブレーカーマン「……くくく」

パイルマン「あん? 何笑って……うん?」

勝斗「どうした?」

パイルマン「なーんか体が軽いような……」

ブレーカーマン「かかったな」

ムクムクムクッ

パイルマン「うおおおお!?」

パイルマン「何だこりゃ!?」

勝斗「パイルマンが膨らんでいく!?」

ブレーカーマン「さっきのアースクエイクのエネルギーを、お前に注入してやったのさ!」

勝斗「何!?」

ブレーカーマン「このまま時間が経てば、そのまま膨らんでいって」

ブレーカーマン「最後は膨大なエネルギーに耐え切れずに」

ブレーカーマン「ボンッ! ってなわけだ」

パイルマン「な、なんだととと、うぬぐぐ」ムクムク

電太「勝負あったようだね」

勝斗「……」

勝斗「……つまりそのエネルギーの捌け口があればいいわけだろ?」

電太「え?」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「おっ……おおう!」ジャキッ

勝斗「俺のパイルマンは砲台で何でも撃ち出せるのさ」

勝斗「……自らのエネルギーだってな!」

パイルマン「お返しのお返しだ!」

パイルマン「エナジー・バンカー!」ズドンッ!

ゴゴゴゴゴゴ!

ブレーカーマン「うおわああああ!?」

電太「ブレーカーマン!?」

勝斗「チップ転送!」

勝斗「とどめだ!」

パイルマン「フミコミザン!」

ブレーカーマン「っ!!」

電太「っ!!」

パイルマン「貰った!」

「「シラハドリ!!」」



ズバンッ

パイルマン「ぐはっ!?」

ブレーカーマン「「……」」

勝斗「なっ……!?」

勝斗「(今、何が起きた!?)」

パイルマン「捉えた、ハズ……!?」

ブレーカーマン「「エレキソード!」」

ズバンッ!

パイルマン「ぐあっ!?」

パイルマン「速い!?」

勝斗「(なんだ!? 今の、いつスロットインしたんだ!?)」

ブレーカーマン「「プラズマバースト!!」」

ズドンッ!!

パイルマン「がああああ!?」

勝斗「……!?」

勝斗「パイルマン!!」

パイルマン「ぐうう……」ガクッ

ブレーカーマン「「……」」

電太「……!」

電太「どうやら……僕達の勝ち、みたいだね」

ブレーカーマン「……俺達の相手では無かったが、強さは認めてやろう」

勝斗「…………」

勝斗「今、何をやった?」

電太「え?」

勝斗「あのシラハドリ、あらかじめ仕掛けたやつじゃなかったはずだ」

勝斗「フミコミザンが決まる一瞬で、発動させてた」

勝斗「その後の追撃もそうだ」

勝斗「普通、オペレーションによるラグが多少なりともあるはずだ」

勝斗「なのにそれが少しも感じられなかった」

勝斗「……一体、何なんだ?」

電太「……」

電太「僕にもよく分からないんだけどね」

電太「追い詰められた時、この状態になる事があるんだ」

電太「ブレーカーマンの動きが無意識に分かるというか」

電太「まるで僕自身がネットの中で戦っているような……」

電太「なんだか、ブレーカーマンと心が重なって一つになった」

電太「そんな感覚があるんだ」

勝斗「……」

電太「……じゃあ、次の試合があるから」


~バトル終了~

勝斗「……」

パイルマン「いてて……」

パイルマン「負けたのか、俺達」

勝斗「……」

パイルマン「なあ、アレは何だったんだ?」

パイルマン「オペレートじゃあ絶対に出来ねえ反応速度だったぞ……」

勝斗「……」

勝斗「心が一つになった……か」

パイルマン「心?」

勝斗「……父さんから聞いたことがあるんだ」

勝斗「心が一つになったとき、能力を最大限に引き出す現象」

勝斗「…………あれがフルシンクロか……」

今回はここまでです
やっと大会の続きに入れました

どもです、続き投下していきます

…………


勝斗「よっし、リーグ戦2位突破!」

パイルマン「どうやら最初の負けを引きずって無いみたいだな」

勝斗「当たり前だろ!」

勝斗「このままこの大会でリベンジ果たしてやる勢いだってーの!」

パイルマン「しかし、電太の奴は1位突破か」

勝斗「リーグ全勝か、やっぱりやるみたいだな」

勝斗「決勝トーナメントで当たるとしたら、最後の決勝戦だな」

司会「さあネットバトル大会地区予選、決勝トーナメントがいよいよ始まります!」

パイルマン「どうやら俺達が一番最初らしいぜ」

勝斗「敗者復活戦のときも最初だったなあ」

司会「最初の試合は二門勝斗君&パイルマン、バーサスゥ」

司会「暮月瑠奈ちゃん&ドールマンです!」

瑠奈「あ、ど、どうも……」

勝斗「おう、お前が相手か」

ドールマン「いくぞ」

パイルマン「かかってきな!」

司会「それでは試合開始です!」

勝斗「バトルオペ……」

瑠奈「はぁーっはっはっは!!」

勝斗「!?」

ドールマン「グーカカカカカカカカ!!」

パイルマン「!?」

瑠奈「余の力、我の纏う魔の衣を打ち砕く事が出来るか」

瑠奈「しかと確かめさせてもらおう!」

ドールマン「バトルだ! クカカ!」

ドールマン「タクサン、アソぼ!」

勝斗「…………」

パイルマン「…………」

瑠奈「どうした、向かってこぬのか?」

勝斗「えっ? あ、ああ……」

勝斗「び、ビックリした、戦いになると性格が変わるのか……」

パイルマン「しかもナビとオペレーター両方だもんな」

勝斗「なんか気押されちまったが……気を取り直して」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

瑠奈「我が右腕に宿りし力、とくとご覧にいれようぞ!」

ドールマン「バラバラにしてやる!」


~バトル開始~

パイルマンVSドールマン

ドールマン「センテヒッショウ!」

ドールマン「ホーミングハンド!」ドシュッ

パイルマン「甘いな! クラックシュート!」ドンッ

ガキィンッ

ドールマン「ムムムッ」

パイルマン「腕を飛ばしてくるのか」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「ワイドショット!」ドンッ

瑠奈「マナチャージ!」

ドールマン「インビジブル!」スッ

パイルマン「ちっ、消えたか……」

ドールマン「キラーズデスビーム!」カッ

パイルマン「うおっと!」サッ

ドールマン「かわした!?」

パイルマン「後ろからとか、わかりやすいんだよ!」

勝斗「チップ転送! ……今だ!」

パイルマン「マシンガン!」ガガガッ

ドールマン「ぐあっ!?」

瑠奈「インビジの効果が切れる瞬間に攻撃を仕掛けてくるとは……!」

勝斗「チップオタクなめんな!」

ドールマン「くっ、ボディパージ!」ドシュッ

パイルマン「うわっ、今度は身体が飛んできた!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「センシャホウ!」ズドンッ

瑠奈「分離!」

ドールマン「おう!」ボンッ

パイルマン「何ぃ、さらにバラバラになった!?」

勝斗「攻撃をかわしやがった」

瑠奈「人形劇の真髄を見よ!」

ドールマン「バラバラアタック!」

ガガガッ!

パイルマン「うわわわっ! イテッ!」

勝斗「くそっ、パーツが全方位から飛んでくる」

勝斗「だったらこれだ、転送!」

パイルマン「フウジンラケット! 吹き飛べ!」ブンッ

ゴウッ

ドールマン「ぬわっ!?」

パイルマン「よしっ」

瑠奈「隙あり!」

ドールマン「おおお!」ドシュッ

パイルマン「なっ、下半身!?」

ドールマン「スプラッターチェーンソー!」ドシュッ

ギュイイイン

パイルマン「げえ、ノコギリ!」

パイルマン「避け……」

ガシッ

ドールマン「ニがさない!」

パイルマン「腕が俺の足を!? いつの間に!」

勝斗「くっ! チップ転送!」

パイルマン「トップウ!」ズンッ

ガガガッ! ゴウッ

ドールマン「ちっ、トドかないか」

パイルマン「トップウが壊されたか……」

パイルマン「いつまでも足に引っ付いてんじゃねえ!」ブンッ

腕「」ボトッ

パイルマン「こんだけバラバラになられたんじゃあ、どれを攻撃したらいいのか分かんねえよ」

ドールマン「バラバラアタック!」

パイルマン「また来やがった!」

ガガガッ!

パイルマン「いてててっ!」

勝斗「……」

勝斗「バラバラになるという事は、それを操るコアがどこかにいるはず……」

瑠奈「ほう、本体があることに気付いたか」

瑠奈「だが無駄な事! 自身の相棒が倒されるまでに見つけられるハズが無いわ!」

瑠奈「ハァーハハハ!」

ドールマン「クカカカカ!」ガガガッ

パイルマン「くそぉ、かわしようがねえぜ、イテッ、イテッ」

勝斗「……飛んでくるパーツ以外で、周りに残ってるパーツは……見当たらないか」

勝斗「どこかに隠れた? いや、隠れる場所は無いし、インビジブルを使った様子も無い」

勝斗「……ええい面倒だ! パイルマン!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「マグボルト!」

ガガガッ

ドールマン「ぬわっ!?」

勝斗「バラバラになるんなら、こっちでひとまとめにしてやる!」

瑠奈「何!?」

勝斗「捕まえたパーツ全部砲台にセット!」

パイルマン「おっしゃあ!」ガシャン

ドールマン「くっ、ハナせ!」

パイルマン「セット完了!」

勝斗「地面に向かって発射!」

パイルマン「ドールマン・バンカー!」ズドンッ!

ベキィッ!

ドールマン「ぐぎゃああ!?」

パイルマン「へっ、砲台の中で一つに戻ったようだな」

勝斗「ロングブレード転送!」

勝斗「ゼロ距離で撃ち込んでやれ!」

パイルマン「くらいな! パイルバンカー!」

ズドンッ!!

ドールマン「ごっはあ!?」

瑠奈「ドールマン!?」

ドールマン「グッ、ガッ……」ガクッ

パイルマン「勝負あり、だな」

瑠奈「ぬぬぬ、我が魔障壁を撃ち貫くとは……見事なり」

~バトル終了~

司会「バトル終了! 勝利したのは二門勝斗君&パイルマンコンビ!」

勝斗「しゃあ! 勝った!」

瑠奈「ま、ま、負けちゃった……残念」

勝斗「(あ、戻った)」

パイルマン「しかし、トリッキーな攻撃をしてきたせいで、随分と戦いづらかったぜ」

勝斗「確かに、予測出来ない攻撃が飛んできてハラハラしたな」

瑠奈「あ、あなたの方こそ、強かった、ね……」

ドールマン「イテテ……マイった」

勝斗「とにかく、控え室に戻るかあ」

勝斗「他の奴らの試合も見てみたいし」

今回はここまでです
次回準決勝です

どもです、続き投下していきますー

…………


司会「はい、第一回戦は全て終了しました!」

パイルマン「おい、他の試合終わってるぞ」

勝斗「俺の試合と同時進行だったみたいだな」

勝斗「つまり俺は悪くない!」

勝斗「トイレ行ってたからとか、ジュース買ってたからとか、そんな理由ではないんだ!」

パイルマン「何言ってんだ?」

勝斗「つうかもう次の試合か、早いなあ」

司会「第二回戦は、二門勝斗君&パイルマンコンビ」

司会「バーサス!」

司会「ジョー・ロースー君&ゼブルコンビ!」

ジョー「お前が次の相手か!」

勝斗「あ、外で変な動きしてた奴」

ジョー「変とはなんだ!」

ジョー「これはチンジャオ拳法という、我が家に代々伝わる拳法なんだぞ!」

ジョー「ホワタァー!」ビシッ

勝斗「ち、チンジャオ拳法……?」

パイルマン「なんだその食べ物みたいな名前の拳法は」

ゼブル「ジジジジ……チンジャオ拳法とは、新しく開発されたオペレーションにおける戦法なのよ」

パイルマン「あ、お前女だったのか」

ゼブル「ひどいわね……よく間違えられるから別にいいけど」

勝斗「それより新しいのか代々伝わってんのかどっちなんだよ」

ジョー「ちなみに俺はチンジャオ拳法二代目継承者だ!」

勝斗「二代目って、歴史浅いな!?」

ジョー「ふん、舐めてかかると痛い目見るぞ?」

司会「それでは、バトル開始!」

勝斗「まあいいや、誰が相手でもぶっ飛ばすだけだ!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

ジョー「チンジャオ拳法、とくと味わえ! ホワッチャアアア!」

ゼブル「シュゥゥー……行くわよ」


~バトル開始~

パイルマンVSゼブル

ジョー「いくぜ!」

ゼブル「シュー……フワチャア!」ブンッ

パイルマン「ぬおっ!?」サッ

ゼブル「ハッ! ホゥゥワ!」ブンッブンッ

パイルマン「ぐぬっ、お前も拳法かよ!」

ゼブル「言ったはずよ、オペレーションにおける戦い方だと」

ゼブル「すなわち、チンジャオ拳法とはネットワーク拳法の一つよ!」

ゼブル「ワチョー!」ブンッ

パイルマン「くっ」ガッ

勝斗「ネットワーク拳法の一つって言われても、一つも聞いたことねえよ……」

パイルマン「とにかく、接近戦は不利ってのは分かる!」

ジョー「ワタァ!」ブンッ

ゼブル「ワタァ!」ブンッ

パイルマン「ちいっ!」スッ

ジョー「アチョー!」ブンッ

ゼブル「アチョー!」ブンッ

パイルマン「おっとと!?」サッ

勝斗「……」

勝斗「あいつナビと同じ動きしてるぞ……」

パイルマン「それよりどうすりゃいいんだよ!」

勝斗「ひとまず距離を取ってパネルを飛ばせ!」

パイルマン「クラックシュート!」ズドンッ

ゼブル「ハイヤー!」

ベキィッ

パイルマン「叩き割りやがった!?」

ゼブル「瓦の方がまだ硬いわよ」

勝斗「だったら、チップ転送!」

パイルマン「ストーンキューブ・バンカー!」ズドンッ

ジョー「構えッ!」スッ

ゼブル「ハァァー……」

ゼブル「チェストッ!!」

ドゴォッ!!

勝斗「ストーンキューブも壊すのか!?」

勝斗「……だが隙は出来たな!」

パイルマン「貰った!」

ゼブル「なっ、上!?」

パイルマン「バルカン!」ダダダッ

ジョー「分裂!」

ゼブル「ムンッ!」

ボワァッ

パイルマン「何ぃ!?」

勝斗「ハエに分裂した!?」

ゼブル「……」スタッ

ジョー「フッフフフ!」

ジョー「一筋縄ではいかないぜ!」

パイルマン「また分裂する奴が相手かよ」

勝斗「面倒だな……」

ジョー「さてと、手の内を見せたところで、畳み掛けるぜ!」

ゼブル「セパレートアーツ!」ドシュッ

パイルマン「うわっ!?」

バキッ!

パイルマン「ぐえ!?」

勝斗「腕が飛んできた!?」

ゼブル「身体の一部分だけを分裂させることも出来るのよ」

パイルマン「めんどくせえな……!」

ゼブル「セパレートアーツ!」ドシュッ

パイルマン「二度もくらうか!」ガシッ

勝斗「撃ち返してやれ!」

パイルマン「アーム・バンカー!」ドンッ

ゼブル「……霧散!」

バサァ

パイルマン「ちっ……」

勝斗「撃った腕を分裂させたか」

ゼブル「私の腕だから、自在にできるのは当然でしょ」

ジョー「次はどうだ!」

ゼブル「フライガトリング!」ブワァ

パイルマン「うおっ!?」

勝斗「分裂したハエで突撃か!」

パイルマン「この、鬱陶しいな!」

勝斗「こうなりゃさっきの戦法だ」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「マグボルト!」

ガガガッ

ゼブル「うわっ!?」

勝斗「ハエ全部吸い付けてやれ!」

パイルマン「見る人見たら気持ち悪くなるぞこれ……」

ジョー「ならばこうだ! チップ転送!」

ゼブル「バーニングボディ!」

ボオオオッ

パイルマン「うわあ!? 熱、あっつ!?」

ゼブル「ジジジ……やるみたいね」

パイルマン「くそっ、離しちまった」

ジョー「そろそろ、カタをつけるぞ!」

ジョー「ハァァァー!」

ゼブル「フシュー……」

勝斗「ナビと同じ構えしてやがる……」

パイルマン「……なんだ? 相手のパワーが上がってるぞ!?」

勝斗「何だって!?」

ジョー「チンジャオ拳法の真髄はここにある!」

ジョー「ナビと同じ構え、動きをすることで、ナビと心を合わせるのだ!」

勝斗「心を合わせる?」

勝斗「……まさか」

勝斗「(フルシンクロだと!?)」

ジョー「必殺!」

ゼブル「バーニングフライ!!」ボオッ

パイルマン「な、何だこりゃ!?」

勝斗「ハエ一匹一匹に火がついてるのか!」

パイルマン「逃げ場は……」

ジョー「もう遅い! 周りは完全に取り囲んだ!」

ゼブル「これで終わりよ!」

ジョー「いけえええ!」

勝斗「……逃げ場なら一つあるさ!」

勝斗「パイルマン! パネルを飛ばせ!」

パイルマン「クラックシュート!」ズガンッ

ゼブル「一方向だけ狙ってもムダ! そもそも当たらないからムダ!」サッ

ジョー「……あれ?」

ゼブル「……な!?」

ジョー「どこ行った!?」

勝斗「どこって、見りゃあ分かるだろ」

ゼブル「……穴!」

ジョー「下か! さっきのクラックシュートだな!」

ゼブル「馬鹿ね、穴に入れば逃げ場など無いわよ!」

ジョー「突っ込め!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「逃げ場が無いのは……」

パイルマン「穴に入ったテメーも一緒だ!」

パイルマン「ワイドショット!」ズドンッ

ジョー「なっ!?」

ザバァッ!!

ゼブル「きゃああああ!?」

ゼブル「うぐっ!?」ドサッ

パイルマン「分裂してたのが一つに戻ったようだな」

勝斗「今のは効いただろ!」

ゼブル「うう……」

パイルマン「まだまだこれからだ!」

ゼブル「……」



ゼブル「もうやだぁ! やめる!」

パイルマン「は?」

勝斗「は?」

ジョー「えーー!?」

ゼブル「わたしバトルやめるー!」

ジョー「ちょ、待てよゼブル! なんでだよ!」

ゼブル「だってだってぇ、痛いのやだもん!」

パイルマン「……」

勝斗「……」

ジョー「お前さあ、いっつもそうやってダダこねるよな!」

ジョー「気合でなんとかしろ気合で!」

ゼブル「なんなのよその熱血、意味分かんない!」

ゼブル「ジョーってば、そういうムダに熱くなるところがダメなんだってば!」

ゼブル「そういう所ばかり親に似ちゃってるんだもん!」

ジョー「お前は母ちゃんのナビだった頃から成長してないな!?」

ゼブル「小学生のガキンチョに成長うんぬんなんて言われたくないわよ!」

パイルマン「……」

ゼブル「とにかくー、バトルはやめるって言ってるのー!」

ジョー「せっかく準決勝まできたのにワガママ言うなよ!」

司会「あ、あのー」

ジョー「うるせえ!」

ゼブル「黙ってて!」

司会「あ、はい……あ、いやいや、待ちなさい!」

ゼブル「何よ! もう私たちの負けでいいわよ!」

ジョー「はああ!? 勝手に決めんな!」

司会「きーみーたーちー!」

パイルマン「……ふわぁーあ……」

司会「喧嘩はよそでやって、よそで!」

司会「君達の降参ってことでいいね?」

ゼブル「だからそう言ってるでしょ!」

司会「はい、二門勝斗君&パイルマンコンビの勝ち!」

~バトル終了~

ジョー「くっそー、こうなったら俺が相手だ!」

ジョー「殴り合いなら負けねえ! チンジャオ拳法でガタガタに……あれ」

ジョー「いねえ!? どこ行った!?」

ゼブル「穴の下でしょ」

ジョー「そりゃナビの方だろが!」

パイルマン「あー、勝斗ならジュース買いに行った」

ジョー「なんだとぉ!?」

司会「はあ?」

パイルマン「いや、お前らのケンカが長くなりそうだったもんでな?」

ジョー「敵前逃亡か! この野郎待ちやがれ!」ダッ

司会「あっ、ちょっと!?」

パイルマン「……」

ゼブル「……」

司会「……何なのさ、君達ぃ……」

メインキャラリストNo.021

ジョー・ロースー
小学生の男の子。チョイナとニホンのハーフ。
熱血な性格で落ち着きが無く、そそっかしい。
ロースー家に伝わる謎のネットワーク拳法、チンジャオ拳法の二代目継承者。

ゼブル
ハエ型ナビ。こう見えて女型。ヒート属性。
わがままな性格で、やりたくない事は意地でもやらない。
元々はジョーの母親のナビだったが、チンジャオ拳法の継承と共に息子に受け継がれた。
チンジャオ拳法とかいう謎の拳法による格闘戦を得意とする他、無数のハエに分裂して炎を纏い、突撃する。

今回はここまでです
次回決勝です

どうもです、続き投下していきまっす

…………


勝斗「終わった?」

パイルマン「とっくに終わってたぞ」

勝斗「いやあ、ジュース買いに行けてよかったぜ」

勝斗「喉渇いてたんだけど、買いに行く時間が無かったからなあ」

パイルマン「対戦が同時進行だからすぐ次が始まるもんな」

スタッフ「すみませーん、準備お願いしますー」

勝斗「えっ、もう? 早くねえ?」

パイルマン「のんびりする暇も無かったな」

勝斗「なんなんだよ……ん、ん、ぷはぁ!」ゴクゴク

勝斗「よしジュース飲んだ! 行くぞ!」

パイルマン「あれ? なんか既視感あるぞ……」

司会「お待たせしました! 決勝戦の始まりです!」

司会「二門勝斗君&パイルマンコンビ!」

司会「バーサス!」

司会「満丸電太君&ブレーカーマンコンビー!」

勝斗「へへ、また会ったな」

電太「すごいね、勝ち上がってきたんだ」

勝斗「予選の雪辱は今日のうちに晴らさせてもらうぜ!」

電太「だったら、今回も返り討ちにしてあげるよ!」

パイルマン「今度は負けねえ!」

ブレーカーマン「何度やっても同じだということを教えてやる」

   /::::::::::::::::::::::::::\~プーン

  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\~プーン  >>1
  |:::::::::::::;;;;;;|_|_|_|_|~プーン
  |;;;;;;;;;;ノ∪  \,) ,,/ ヽ~
  |::( 6∪ ー─◎─◎ )~        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |ノ  (∵∴ ( o o)∴)~      <このSSを書けば賞賛の嵐だお。皆見てくれるお。レスももらえるお。
  | ∪< ∵∵   3 ∵> ムッキー!    \_____________________
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| (●), 、 (●)、 | このスレの自分以外のレスを読んだときの>>1
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
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|   ノ   ヽ、   :| このスレを閉じたときの>>1
| (●), 、 (●)、.:::|

\ ,,ノ(、_, )ヽ、,, ::/
/`ー `ニニ´一''´ \

司会「それでは決勝戦、開始です!」

勝斗「リベンジマッチだ! 気合入れろよ!」

パイルマン「おう! お前こそな!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

電太「ブレーカーマン、いくよ!」

ブレーカーマン「バリバリに感電させてやる!」


~バトル開始~

パイルマンVSブレーカーマン

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「サンダーボール!」ドンッ

ブレーカーマン「ふん、見え透いてるぜ」

ブレーカーマン「前方から来るサンダーボールに気を取られている間に他の方向から攻撃するんだろ?」

勝斗「やっぱ分かるか」

勝斗「だがな、意地でも前方に釘付けにしてやるぜ!」

勝斗「パイルマン!」

パイルマン「ワイドショット!」ドンッ

ブレーカーマン「むっ!」

勝斗「油断したか? その位置じゃあ受け止めるしかねえだろ!」

電太「……仕方ない、受け止めるんだ!」

ブレーカーマン「ちっ、パワーアブソーブ!」キュイイン

勝斗「貰った! やれ!」

電太「出す前に止める!」

電太「ブレーカーマン、溜めたエネルギーを即発射!」

パイルマン「バンブーランス!」

ブレーカーマン「プラズマバースト!」

ズガァァァンッ!!

パイルマン「がっ!?」

ブレーカーマン「ぐあっ!?」

勝斗「何!?」

電太「くっ……」

電太「……僕のブレーカーマンは電気属性だからね」

電太「ヒライシンが仕掛けてられてたのは予想できたよ」

勝斗「お前こそ、マヨイノモリを仕掛けてたなんてな」

勝斗「そりゃそうか、弱点を補う為だからな」

電太「罠を予想していたのはブレーカーマンも同じだよ」

電太「だから次の行動、こっちの方が早く動ける!」

電太「チップ転送!」

ブレーカーマン「メガキャノ……」

バチィッ!

ブレーカーマン「んぐあっ!?」

電太「何だって!?」

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆警告☆閉鎖★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★                                                                        ☆
☆                    このスレは2chから閉鎖処置を受けました                          ★
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☆              今後 書き込みを行ったものは アクセス禁止 の対象になります。                 ★

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パイルマン「おいおい、焦りすぎじゃないのか?」

パイルマン「サンダーボール、吸収しそこねてるぜ」

ブレーカーマン「ぐ、くそっ」

勝斗「チャンスだ、チップ転送!」

パイルマン「センシャホウ!」

ズドンッ!

ブレーカーマン「ぐあああ!?」

電太「ブレーカーマン!?」

ブレーカーマン「うぐう……」

パイルマン「へへ、これならいけるぜ」

勝斗「いーや、まだ油断するなよ、相手にはアレがあるんだ」

パイルマン「……確かにな」

電太「……ふう」

電太「やっぱり強いね、君達は」

電太「この大会で戦った誰よりも、強い」

ブレーカーマン「……」

電太「……本気で行くよ!」

勝斗「迎え撃つ!」

電太「チップ転送!」

勝斗「チップ転送!」

ブレーカーマン「カスタムボルト!」バチィッ

パイルマン「ストーンキューブ・バンカー!」ズドンッ

ガガガッ

ブレーカーマン「ちっ、盾代わりか!」

ブレーカーマン「パワーアブソーブ!」キュイイン

パイルマン「ここだ!」

ブレーカーマン「舐めるな!」

ブレーカーマン「アースクラッカー!」ドンッ

ズガガガガッ!!

パイルマン「うおわあ!?」

勝斗「溜めたパワーを地面に叩きつけたのか!」

電太「今だ!」

ブレーカーマン「うおおおおお!」

ブレーカーマン「「エレキブレード!」」

勝斗「(来やがった!)」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「トップウ!」ビュオオッ

ブレーカーマン「「ちっ!」」

パイルマン「この感じ……前に戦った時と同じだぜ」

勝斗「フルシンクロ……ついに出してきたな!」

ブレーカーマン「「ブラインド!」」

カッ!

パイルマン「うっ!?」

勝斗「目くらましか!」

パイルマン「ちっ、どこから来る……?」

勝斗「……」

勝斗「神経を研ぎ澄ませるんだ」

勝斗「次に相手が攻撃してきた時」

勝斗「そこを全力で叩く!」

パイルマン「おう!」

勝斗「(目で追ってたら間に合わない)」

勝斗「(感じ取るんだ、自身の全てで!)」

勝斗「……」

パイルマン「……」

…………

ブレーカーマン「「プラズマバースト!!」」ズドンッ

パイルマン「!!」

勝斗「!!」

サッ

ブレーカーマン「「なっ!? かわしただと!?」」

勝斗「(ここだ!)」

パイルマン「(ここだ!)」

パイルマン「「パイルバンカー!!!」」



ズガンッッッ!!

ブレーカーマン「「がああああああ!?」」

パイルマン「「ぶっ飛びやがれええ!」」

ブレーカーマン「「あぐあああああ!!」」ドサッ

ブレーカーマン「「がっ、あぐぅ……」」

パイルマン「「ふーっ、ふーっ……」」

電太「うぐっ……!?」ガクッ

勝斗「……はっ!?」

勝斗「い、今のは……!?」

~バトル終了~

司会「そこまでー!!」

司会「優勝は! 二門勝斗君&パイルマンコンビでーす!!」

ワアアアアアアア!!

勝斗「……かっ」

勝斗「勝ったのか! 俺達!」

パイルマン「やったな!」

勝斗「いよっしゃああ!」

電太「はあ、はあ……」

電太「はは、負けちゃったね……」

ブレーカーマン「……チクショウ」

司会「優勝した勝斗君には、トロフィーが送られます!」

司会「おめでとう!」

勝斗「ありがとうございます!」



「ぱんぱかぱーん!!」

勝斗「!?」

電太「!?」

司会「!?」

「桜花 ウリ子の! いきなり突撃インタビュー!」

ウリ子「今日のゲストは! 地区予選で優勝した二門勝斗君です!」

勝斗「えっ、いきなり何!?」

ウリ子「カウントマン! 時間は?」

カウントマン「90秒! いつも通りだ」

ウリ子「はい! では90秒でインタビューします!」

ウリ子「今のお気持ちはどうですか?」

勝斗「あ、えっと……」

勝斗「あー、すごく嬉しいです」

ウリ子「はい! バトルして思ったことは?」

勝斗「なんつーか、パイルマンと心が合わさったというか」

勝斗「考えてることがシンクロしたような感じがしたかな」

ウリ子「おお! 熱い友情というものですね!」

ウリ子「ではパイルマンさんにもお聞きします!」

パイルマン「えっ、俺にも来るの?」

ウリ子「今のお気持ちは?」

パイルマン「そりゃあ嬉しいさ、優勝できたんだからな」

ウリ子「そうですよねー優勝したら嬉しいですよね!」

ウリ子「では最後に!」

ウリ子「叫びたい事を、一文だけどうぞ!」

勝斗「優勝、だーーー! よっしゃあーーー!!」

カウントマン「90秒経過」

ウリ子「はい! 熱い心の声をありがとうございました!」

ウリ子「では今日はこれでお別れです!」

ウリ子「今日のいきなり突撃インタビューでした!」

カメラマン「オッケーでーす」

ウリ子「はーい! お疲れ様でーす!」

ウリ子「ごめんねー、いきなりだったけどノってくれてありがとうね」

勝斗「お、おう、あれで良かったのかな?」

ウリ子「そりゃもうバッチリ! このコーナー、テレビに映せるものなら基本なんでもありだから!」

勝斗「ええと、お姉さんって確かテレビに出てる……」

ウリ子「あ! 私のこと知ってる? 嬉しいなー!」

ウリ子「そうです! 私こそがDNNのアナウンサー、桜花 ウリ子です!」



メインキャラリストNo.022

桜花 ウリ子
DNNの新人アナウンサー。
どんな場所にも突撃取材するスーパーバイタリティがウリ。
若さゆえの暴走で危険な場所にも猪のごとく突撃したりするのだが、なんだかんだケガの一つ負う事もなく、不死身だとか幸運の女神の加護だとか社内で有名。

カウントマン
貴族型ナビ。
普段は寛大だが、時間に関しては異様なまでに狭量。
3つのカウンターを展開し、時間経過や攻撃を受け止めることで数値が変化し、
数値によって攻撃方法が様々に変化する。

ウリ子「そうそう、全国大会本戦の司会、私が担当することになったの!」

ウリ子「という訳だから本戦でもよろしくね!」

勝斗「あ、はい」

カウントマン「ウリ子、そろそろ時間だ」

ウリ子「リョーカーイ、それじゃあそろそろ撤収します!」

ウリ子「本戦も頑張ってね! 司会だから特定の人を応援できないけど!」ダッ

勝斗「……」

パイルマン「なんつーか、まくし立てる人だったな」

勝斗「だな……」

ギュルルルルル

勝斗「はうっ!?」

パイルマン「どうした?」

勝斗「き、急にお腹の調子が……」

パイルマン「そりゃお前アレだな」

パイルマン「決勝前に一気飲みしたジュースだな、間違いない」

勝斗「ま、マジかよ、またかよ……!」

ジョー「勝斗ォォーー!」

勝斗「え、な、なんだよ!?」

ジョー「俺との戦いはまだ決着がついてないぞお!」

ジョー「決勝が終わるまで律儀に待ってやったんだ! さあ俺と戦え!」

勝斗「えっ、ちょっ」

ジョー「チンジャオ拳法をくらえ! アチョー!」ブンッ

勝斗「はあああ!?」サッ

勝斗「お前がやるのかよ! ナビじゃないのかよ!」

ジョー「さあ来いよかかって来いよ!」

勝斗「い、い、今それどころじゃない、んだってば!」ギュルルル

勝斗「いや、それどころでも、やらないけど……!」

ジョー「何ぃ逃げるのか!?」

勝斗「トイレ! トイレ行かせて!」ダッ

ジョー「待てコラーー!」ダッ

司会「……」ポカーン

電太「……」ポカーン

司会「えーと、これは……」

電太「……取り残されちゃいましたね」

司会「……」

司会「……地区予選、終了!」

…………

ウラインターネット奥地


ニトロマン「……」ブロロロ

ニトロマン「おわ、なんだこりゃ」キキィーッ

ニトロマン「ここらへん、データが全く存在してねえ」

ステア「……だけどレーダーの反応は、今までで一番近いわ」

ニトロマン「まあそうだよな」

ニトロマン「データが無い中、その中心でどっしり構えてるぜ、怪しいヤツが」

「……」

ステア「プラネットデータを取り込んだせいかしら、そいつからかなりのパワーをPET越しでも感じるわ」

ステア「目的はプラネットデータの回収だけど、一度退いた方がいいかしらね」

ニトロマン「だが、あっちはどうも逃がしてくれそうもないな」

「……ガガガ……データ、喰ワセロ……」

ステア「今、アイザック様と回線を繋ぐわ」

ステア「ニトロマン、その間に奴のデータをスキャンしつつ撤退して」

ニトロマン「スキャンつっても、とんでもねえデータ量だぞ?」

ステア「一部だけでいいわ」

ニトロマン「ま、データ量のせいで動きはひどく鈍そうだ、問題ねえな」

「ガガゴ……カッ!!」

ニトロマン「!!」

ドゴォンッ!!

ニトロマン「あっぶねぇ……あの距離から光線撃ってきやがるのか」

ニトロマン「まあ、俺の機動力なら、当たることはねえがな、ブロロロ!」ブゥン

「データ……喰イツクス……!」

ニトロマン「しかし、スキャンしてもデータの底が見えねえ……なんなんだこいつ」

ステア「回線繋いだわ」

ブンッ

アイザック「俺だ」

ステア「アイザック様、プラネットデータを見つけました」

ステア「しかし、あのナビがデータを取り込んでいるようです」

ニトロマン「こいつ本当にナビか?」

アイザック「どれ……ほう」

アイザック「ステア、撤退しろ、スキャンも中止だ」

ステア「いいのですか?」

アイザック「スキャンの必要が無いからな」

ステア「え?」

アイザック「俺はあいつを知っている」

ステア「と言いますと?」

アイザック「あいつは……俺の過去の遺産だ」

今回はここまでです
ストーリー的には折り返し地点を過ぎたところですかね

どもです、続き投下していきますー

チップショップ


維音「地区予選突破おめでとう!」

クローム「おめでとう、すごいわね」

勝斗「ははは、ありがとう」

クローム「それで、何だったかしら?」

維音「もうすぐ町内でネットバトル大会が開かれるんだよ」

チップ屋店長「街の奴らがこぞって参加するからな、全国大会には及ばないがそこそこに盛り上がるぜ」

クローム「へえ」

勝斗「……あれ、俺の話もう終わり?」

クローム「勝斗は町内大会に出るの?」

勝斗「いや、全国大会と日程被ってるから出ないけど」

勝斗「そうじゃなくて、地区予選優勝した御褒美とか……」

チップ屋店長「あん? 予選だろ?」

勝斗「いや予選だけどさ、これでも地区代表なわけだよ?」

チップ屋店長「とにかく、全国大会で優勝してから考えてやるさ」

勝斗「なんだよケチだなあ」

勝斗「……」チラッ

クローム「何も準備してないわよ」

維音「あ、あはは……同じく」

勝斗「ちぇー……」

ガチャ

弾「ちわーっす」

維音「あ、弾さん」

チップ屋店長「おう弾、お前んとこの店長によろしく言っておけよ」

チップ屋店長「もうすぐ町内大会だからな!」

弾「あー、それうちの店長からも言われてるっす!」

弾「ぜひお手柔らかに、と」

チップ屋店長「アイツがお手柔らかなタマかよ」

チップ屋店長「それでお前何しに来たんだ、出前頼んでねえぞ」

弾「今日は勝斗君に用があってきたんす」

弾「ここにいるかと思って」

勝斗「俺?」

弾「じゃん!」

弾「プール遊園地のペアチケットっす!」

弾「地区予選優勝記念にあげるっすよ」

勝斗「おおお!!」

勝斗「ありがとう弾さん!」

勝斗「こうして祝ってくれるの、弾さんだけだよ!」

弾「え? はあ」

弾「それで……ちょっと耳貸して欲しいんすけど」

勝斗「ん?」

弾「(どっちを誘うんすか?)」ヒソヒソ

勝斗「どっち?」

クローム「あら、プール遊園地のペアチケット?」

維音「へえ、楽しそうだね!」

勝斗「……どっち」

勝斗「(そういうことか……)」

勝斗「……へん! 何もくれなかったお前らなんて誘ってやるかよ!」

クローム「あら、残念」

維音「なーんだ」

弾「(うまく逃げたっすね……)」

勝斗「さあて、じゃあそろそろ帰るかな」

勝斗「じゃーなー」

維音「うん、またね」

クローム「さようなら」

チップ屋店長「また来いよ!」

勝斗「……ペアチケット貰ったのはいいけどさ」

勝斗「誰を誘ったもんかな」

パイルマン「なんだよ、考えてなかったのか」

パイルマン「素直にどっちか誘っとけばよかったのに」

勝斗「そう言われたってなー……」

Mr.キャノン「かといって小学生2人だけで行くのも、心配なわけでありましてな」

勝斗「言われてみれば、それもあるな……」

勝斗「……え?」

Mr.キャノン「行くのならば、保護者の同伴を強く進めますとも」

勝斗「い、いたの!?」

Mr.キャノン「クロームお嬢様の影には、いつでも私がいますぞ!」

勝斗「それストーカーじゃ……」

Mr.キャノン「何を言いますか、これは護衛ですぞ」

Mr.キャノン「まあそれはいいとしてですな」

勝斗「いいのか?」

パイルマン「よくねえよな?」

Mr.キャノン「私の方から、地区予選優勝のプレゼントをと思いまして」

勝斗「え、ホントに?」

Mr.キャノン「プール遊園地のペアチケットにてございます」スッ

勝斗「同じものかよ!」

Mr.キャノン「私も被るとは予想外……いや」

Mr.キャノン「これ、福引の景品だったので、おそらく入手源も一緒かと」

勝斗「これ福引の景品だったのかよ……」

Mr.キャノン「とにかく、これで勝斗殿の他にあと3人誘えるわけですが」

Mr.キャノン「よろしければ私の方で誘っておきますが?」

勝斗「あ、いいの?」

Mr.キャノン「ええ、これも優勝記念の計らいと思っていただければ」

勝斗「じゃあお願いします」

パイルマン「いいのかよ?」

勝斗「誰誘えばいいのか、俺には分からんし」

Mr.キャノン「では、私の方で選定しておきますぞ」

当日、プール遊園地


勝斗「で、この人選か……」

銀太郎「へー! ここがプール遊園地か」

電太「よかったのかな? 僕が来ても」

ジョー「プールか! 燃えるぜ!」

銀太郎「なんで燃えるんだよ」

ジョー「プールと言えば! 水泳勝負と決まっているんだ!」

電太「そ、そうなの?」

ジョー「つまり何が言いたいかというと、俺と勝負しろ!」

銀太郎「理屈は分からんが……その勝負、乗った!」

勝斗「見事に俺の知り合い達だけど……」

勝斗「なんで知ってんの?」

Mr.キャノン「辻野家のネットワークを見くびらないで欲しいですな」

勝斗「お、おう……さすが金持ち」

Mr.キャノン「(まあ、お嬢様が大会の中継を見ていたのを横から覗いていたので知ったわけですが)」

銀太郎「早く来いよ勝斗! お前がチケット持ってんだろ?」

勝斗「分かってるっての」

勝斗「で、Mr.キャノンはどうすんの?」

Mr.キャノン「保護者の同伴が必要と言った手前、一緒に行きますぞ」

Mr.キャノン「なあに、自腹を切る程度には稼ぎは悪くないゆえ」

勝斗「さすが金持ち」

パイルマン「お守り三銃士とかいう馬鹿げた職だけどな」

勝斗「でもクロームはいいのか?」

Mr.キャノン「他の2人に任せているので心配無用」

銀太郎「なーにやってんだよ!」

ジョー「早く! するんだ! 戦う前に! 燃え尽きる!」

電太「も、燃え尽きるって……」

勝斗「わーったよ今行くよ!」

敷地内


ジョー「何!? お前ら水着穿いてきてないのか!?」

銀太郎「なんでだよ」

ジョー「パンツの代わりに水着を穿いてくるくらい当たり前だろ!」

電太「あー、よくいるよねそういう人」

勝斗「気合入りすぎだろ」

ジョー「ちぇっ、仕方ねーな、待っててやるよ」

銀太郎「何様なんだお前は……」

勝斗「まあまあ、さっさと着替えようぜ」

Mr.キャノン「待たれよ」

勝斗「うん?」

Mr.キャノン「水着に着替える時のあの技……君達は知っているかな?」

電太「あ、あの技?」

勝斗「一体、なんなんだよ……」

銀太郎「……ハッ!?」

銀太郎「ま、まさか……『アレ』か!?」

Mr.「そう……昔から伝わる、禁断の秘技」

Mr.キャノン「これを伝授するのも我ら大人の役目」

Mr.キャノン「しかと教えよう……パンツやぶりを!!」

ジョー「パ」

電太「パ」

勝斗「パンツやぶり……!?」

銀太郎「や、やっぱり……!」

勝斗「な、なんなんだそりゃ……」

銀太郎「パンツやぶりってのはな……」

銀太郎「まずズボンを脱いで、パンツの上に水着を穿くんだ」

銀太郎「そしてそのまま水着の下のパンツを脱ぐ」

銀太郎「そうすることで、一度もスッポンポンにならずに水着に着替えられるんだ」

ジョー「そ、そんな技が……!?」

電太「で、でもそれのどこが禁断の秘技なの?」

銀太郎「そ、それは……」

Mr.キャノン「そこからは私が話そう」

Mr.キャノン「この技を使うには、非常に大きなリスクを背負うのだ」

Mr.キャノン「この技でパンツを脱ぐ時、水着の裾からパンツを引っ張り」

Mr.キャノン「片足ずつ脱いでいく……」

Mr.キャノン「しかし! そうすればパンツのゴムは限界まで引っ張らなければならない」

Mr.キャノン「当然、パンツはミチミチと悲鳴を上げる……!」

勝斗「お、おい、そんなことしたら……」

Mr.キャノン「うむ、気を抜けば、パンツのゴムは音を立てて引きちぎれるであろう」

Mr.キャノン「そして最悪の場合……」

銀太郎「や、やめろ! それ以上言うんじゃない!」

Mr.キャノン「いや! これのすべてを受け継がせることが大人の役目であり、義務!」

Mr.キャノン「ゆえに! しかと、聞き届けてもらわねばならぬ!」

ココット「なーに馬鹿やってるのよ」コツン

Mr.キャノン「あいたっ」

Mr.キャノン「ってあれ、ココット殿?」

ココット「あんたがここにいるとは思ってなかったわ」

勝斗「誰?」

Mr.キャノン「私と同じお守り三銃士の一人、ココット・バスティオン殿でござる」

勝斗「ああ、この人と同じ……」

ココット「ちょっと、このうるさい人と一緒にしないでね? お願いだから」

Mr.キャノン「なぜここに? お嬢様のお守りの役目を任せたはずでは……」

ココット「そのお嬢様はね」

クローム「あら、やっぱり来てたのね」

勝斗「クローム? 来てたのか」

クローム「もうひとり来てるわよ」

維音「あ、勝斗」

勝斗「維音も来てたのか?」

維音「うちのお父さんが福引でチケットを当てたんだ」

維音「だからクロームちゃんを誘って、ここに来たの」

勝斗「やっぱりあのチケットって福引の景品なのかよ……」

クローム「それより、遊ぶのなら早く着替えてきたら?」

勝斗「おっと、そうだな」

銀太郎「よし着替えるぞ……パンツやぶりでな!」

電太「き、緊張するなあ……」

ジョー「しまった! 俺既に水着穿いてるんだった!」

Mr.キャノン「大人になってこの技を使うのは初めてだが……やってみせようぞ」

ココット「いや、普通に更衣室で着替えてきなさいよ!」



Mr.キャノン「ところでマイタ殿は?」

ココット「留守番」

Mr.キャノン「ああ……」

今回はここまでです、ナビがほとんど出てきてないけど

どもです、久々の水曜更新です
続き投下していきます

ジョー「皆着替えたな! じゃあ勝負だ!」

クローム「待ちなさい、準備運動はしっかりしないとダメよ」

ジョー「むっ……それもそうか」

ジョー「チンジャオ拳法も準備運動が大切だからな……ホアアアア」

銀太郎「何の構えだよ、そりゃ」

ジョー「これがネットワーク拳法、チンジャオ拳法なのだ」

維音「なにそれ……」

勝斗「ジョーの家で伝わってる拳法なんだってさ」

銀太郎「はーん」

電太「よく分からないけど……」

電太「するんだったら、拳法の準備運動じゃなくて水泳の準備運動だよね?」

ジョー「……」

ジョー「ホワチャア!」ビシッ

勝斗「掛け声で誤魔化すな!」

プール遊園地チャットルーム


パイルマン「で、俺らはここで留守番か」

リバースマン「しゃーねーだろ、PET持ちながら泳ぐわけにもいかないし」

ゼブル「そもそもPET入れる場所が無いでしょ」

ブレーカーマン「いやあるだろ?」

ゼブル「どこに?」

ブレーカーマン「水着の下……」

パイルマン「うげ、やめろよ気持ち悪い!」

リバースマン「それ、PETとアソコが触れ合うってことじゃねえか!」

ブレーカーマン「その点、オペレーターが女であるナビはいいよなぁ」

ブレーカーマン「PETを水着の下に仕込むとしたらだな、つまり胸……」

バキッ

ブレーカーマン「いって!?」

クリン「何を馬鹿な話で盛り上がってるのですか」

ノエル「こういう話、よくないよぉ」

ブレーカーマン「ほ、ホウキで叩くことはないだろ」

クリン「こちらがよかったですか?」チャキ

ブレーカーマン「あ、それ仕込み刀……いえ、何でもないです」

パイルマン「あれ」

パイルマン「なあクリン、お守り三銃士とやらのナビ達は?」

クリン「オペレーター達が持ち歩いてます」

リバースマン「まさか水着の下に?」

パイルマン「たしかMr.キャノンのナビってキャノンマンだろ」

パイルマン「……」

ゼブル「股間にキャノン……」

ノエル「っ! っ!」ベシベシ

ゼブル「あ、痛、ごめんなさい」

クリン「防水のポケット付きベルトを装着して、そこにPETを入れていると聞いております」

リバースマン「なるほどな」

ブレーカーマン「そういやさ、ここのチャットルームにも電脳プールが備え付けられてるよな」

ブレーカーマン「どうだ、ここは一つ泳ぎで勝負するか?」

ゼブル「あ、私パス、炎属性だから」

リバースマン「つかお前もダメだろ、漏電して一緒にプールに入った奴ら皆感電するぞ」

ブレーカーマン「むう、言われてみるとそうか……」

クリン「では、パイルマンとリバースマン、ノエルと私の4人で勝負ですね」

ノエル「えっ、私も!? まあ、いいけど……」

ゼブル「じゃあ私達は審判ね」

リバースマン「……へへっ、この勝負貰ったな」

リバースマン「俺には秘策があるんだ!」

パイルマン「果たしてそう上手くいくかな?」

パイルマン「俺にも秘策があるのさ!」

リバースマン「なんだと? やはり油断出来ないな……」

クリン「……厳しい戦いになりそうですね」

ノエル「も、もっと気楽にやろうよー……」

…………

ジョー「奥義! 水渡り!」バッシャーン

電太「うわあっ!?」

銀太郎「ぶへ!? テメーただ飛び込んだだけじゃねえか!」

ジョー「ぶはっ」バシャ

ジョー「ぬうう、やはり母ちゃんみたいにはいかないか……」

電太「ジョー君の母さんって、水の上渡れるの!?」

ジョー「ああ、何と言ってもチンジャオ拳法の達人だからな!」

銀太郎「水の上を渡る拳法ってなんなんだよ」

勝斗「あいつらはしゃいでんなあ」

クローム「まあ、男の子らしいと言えばらしいわね」

維音「勝斗は泳がないの?」

勝斗「俺はいいや」

クローム「……まさか泳げないとか?」

勝斗「ぬなっ!? ちちち違わい! 誰がカナヅチだ!」

維音「こんな事言ってるけど、昔から泳ぎ含めた運動は苦手なんだよ」

クローム「へえー、そうなんだ……」

勝斗「違うっつってんだろ! んなもん昔の話だ!」

勝斗「見てろよ! きっちり泳いでやるからな!」

勝斗「おらぁ!」バッシャーン

ジョー「ぬわーー!?」

銀太郎「テメーも飛び込んでくんなよ! やめろよ!」

クローム「……みんな元気ね」

維音「だね……」

Mr.キャノン「うむ、元気があっていいですな」

Mr.キャノン「子供は元気あってこそであります」

ココット「そんな事言うと、オヤジ臭いわよ」

Mr.キャノン「ん? ココット殿の方が私より年上……」

ココット「あん?」

Mr.キャノン「あ、いえ、何でもございませぬ」

…………

リバースマン「お前卑怯だろ!」

リバースマン「砲台に水取り込んで噴射加速とかさあ!」

パイルマン「お前こそ人のこと言えるか!」

パイルマン「リバースボディで水の上走るんじゃねえよ!」

パイルマン「泳げよ!」

ブレーカーマン「お前ら反則負けな」

リバースマン「んな!?」

パイルマン「なにぃ!?」

ゼブル「当然よね」

ブレーカーマン「そういうわけだから、クリンとノエルの一騎討ちになったな」

ノエル「え、ええ!?」

クリン「あら」

リバースマン「どっち勝つと思う? 俺クリン」

ブレーカーマン「俺もクリンだな」

ゼブル「私もクリンね」

ノエル「皆ひどい!?」

パイルマン「しゃーねーなー、昔馴染のよしみで応援してやるよ」

パイルマン「ふれーふれー」

ノエル「パイル……自分が反則負けしたから、もうどうでもいいんでしょ」

パイルマン「勝ったら祝砲撃ってやるから!」

ノエル「それ私が撃ち上げられるパターンだよね!?」

クリン「私負けませんからね、祝砲はいただきますよ」

ノエル「クリンちゃんは何故かやる気満々になったし……」

ブレーカーマン「それじゃあ位置についてー」

クリン「さあ、行きますよ」

ノエル「もう、やればいいんでしょやれば!」

ブレーカーマン「よーい……」

ザッバァ!!

クリン「きゃあ!?」

ノエル「ひゃああ!?」

リバースマン「なんだぁ!?」

ブレーカーマン「触手だ!!!」

ゼブル「何テンション上がってんのよ」

「ゲーソゲソゲソゲソ!!」

「めんこいオナゴが2人もいるじゃなイカ!」

パイルマン「誰だ!」

「オイラ様か? オイラ様はクラーケンマン言うゲソ!」

クラーケンマン「決めた! どっちかをオイラ様のお嫁さんにしようじゃなイカ! ゲソゲソ!」

パイルマン「はあ?」

クリン「くっ……離しなさい!」

ノエル「動けないよー……」

クラーケンマン「暴れるんじゃないゲソ」ギュウ

クリン「ぐうっ」

ノエル「ぅあっ」

ブレーカーマン「おお、眼福……じゃなくて、離しやがれ!」

クラーケンマン「嫌ゲソねー、つか男4人には興味無いゲソ、さっさと消えなイカ」

ゼブル「あ? 今男って言ったわね?」

クラーケンマン「ああ、お前もオンナだったゲソか」

クラーケンマン「でもオイラ様の好みじゃねえや、消えろブス」

ゼブル「ブスぅぅぅぅ???」

クラーケンマン「ブスじゃなイカ」

クラーケンマン「オイラ様の好みじゃないオンナはすべてブスなんだゲソ」

クリン「くっ……離しなさい!」

ノエル「動けないよー……」

クラーケンマン「暴れるんじゃないゲソ」ギュウ

クリン「ぐうっ」

ノエル「ぅあっ」

ブレーカーマン「おお、眼福……じゃなくて、離しやがれ!」

クラーケンマン「嫌ゲソねー、つか男4人には興味無いゲソ、さっさと消えなイカ」

ゼブル「あ? 今男って言ったわね?」

クラーケンマン「ああ、お前もオンナだったゲソか」

クラーケンマン「でもオイラ様の好みじゃねえや、消えろブス」

ゼブル「ブスぅぅぅぅ???」

クラーケンマン「ブスじゃなイカ」

クラーケンマン「オイラ様の好みじゃないオンナはすべてブスなんだゲソ」

ゼブル「…………」

リバースマン「(なんか怒ってね?)」

ブレーカーマン「(いや、あれだけ言われたら誰だってキレるって)」

パイルマン「(大会の時よりもこええぞ……)」

ゼブル「男と間違われるのはいつものことだしまあいいわよ」

ゼブル「ブスって何よ! ブスって!」

クラーケンマン「あ、怒ったゲソか?」

クラーケンマン「でも事実ゲソ、覆らない事象だゲソ!」

クラーケンマン「よってオイラ様は謝らないゲソ」

ゼブル「決めた、てめえデリートしてやるわ」

クラーケンマン「ゲソゲソ、馬鹿な奴じゃなイカ」

クラーケンマン「このオイラ様に適うと思っているのか?」

ゼブル「ふん、チンジャオ拳法の前では、その無駄な自信も打ち砕かれるわよ」

クラーケンマン「ゲソゲソ! 口だけなら誰でも達者になれるもんじゃなイカ」

クラーケンマン「かかってきな、イカしたオイラ様がボコってやるゲソ!」

今回はここまでです

でもって、ナビをあと3体だけ募集します。
これらのナビはオペレーターが小学生限定になります、ご了承ください。
テンプレは>>1よりどうぞ。

これがおそらく最後の募集になります。

ナビ名: キングマン

性格: 王様のように偉そう、悪人ではないが上から目線、

戦い方:戦わずして勝つを信条に自分は極力動かず、遠距離攻撃が主、しかし近接が出来ないわけではない

>>469
キングマンってエグゼ3に出てるんですよね
名前だけ変更してもらってもいいですか?

3体集まったのでここまで

ではまた今度

どもです、続き投下していきます

…………

勝斗「あー泳ぎ疲れた」

勝斗「ちーっと休憩……ん?」

「なあなあええやろ? ちょっちワイと付き合わへん?」

維音「え、ええと……」

クローム「あっち行きなさいよ」

「連れへんなあ、そんなんじゃ男にモテへんよ?」

「せやからワイが貰ってやるで!」

クローム「何言ってるのよあなた」

勝斗「誰お前?」

維音「あ、勝斗」

「あーん? そっちこそ誰や、この女達の連れか?」

「お前程度じゃ2人も扱えんさかい、両方ワイによこしや」

勝斗「何言ってるんだこいつ?」

クローム「私にも分からないのよね」

クローム「とりあえず、名乗りなさい」

「お? ワイに興味あるん?」

クローム「最低限の礼儀ってだけよ」

「照れなくてもええのに、まあええわ」

十兵衛「ワイは殻毱 十兵衛(からまり じゅうべえ)や、よろしくな」

十兵衛「さ、こっからはオトナの時間や、ガキは帰れ」

勝斗「ガキって、お前も俺と同じくらいじゃねえか」

十兵衛「分かってへんなあ、年のことを言っとるんやない」

十兵衛「経験や、お前とワイじゃあ圧倒的にかけ離れとるわ」

勝斗「何の経験だよ……」

十兵衛「せやなあ、恋愛事情に関しては当たり前やけど」

十兵衛「他には、例えばオペレーションやな」

十兵衛「なんたって、ワイは全国大会出場者なんやからな!」

維音「全国大会?」

十兵衛「せやでー、すごいやろ?」

十兵衛「惚れ直したかい?」

維音「いや、そもそも惚れてすらないけど……」

勝斗「ほーーーん、全国大会出場者ねえー」

十兵衛「なんや、羨ましいのか?」

十兵衛「せやろなあ、お前さんみたいな貧相なお子様じゃあ全国大会なんて」

勝斗「残念だったな、俺も全国大会出場者だぜ」

十兵衛「あん? 今なんて?」

勝斗「出場者。俺も」

十兵衛「まったまたぁー、嘘がヘタやな!」

クローム「彼も全国大会の出場者よ」

十兵衛「なんやてぇ!? ホンマか!」

勝斗「なんでクロームの言うことは真っ先に信じるんだよ」

十兵衛「なるほどなあ、お前も出場者な訳か」

十兵衛「名前、聞いとこか」

勝斗「二門勝斗だ」

十兵衛「勝斗か、おもろいわ、一丁ここでバトってみるか?」

十兵衛「大会の前に、ボコボコにしたるで!」

勝斗「へへっ、俺に喧嘩売るたあ度胸あるじゃねえか」

勝斗「その天狗っ鼻、へし折ってやるぜ!」

十兵衛「クラー……」スカッ

勝斗「パイルマ……」スカッ

十兵衛「……」

勝斗「……」

十兵衛「……」

勝斗「……」

十兵衛「……」

勝斗「……」

十兵衛「くくくっ、エラい見栄張ったもんやなあ」

十兵衛「許しを乞うなら今のうちやで」

勝斗「ふん、そっちこそ後悔することになるぞ」

勝斗「泣いて謝れば見逃してやるよ」

十兵衛「……」

勝斗「……」

十兵衛「帰ってカーチャンのオッパイでも吸ってたらどうや」

勝斗「トイレは済ませたか? 漏らしても知らないぜ」

十兵衛「……」

勝斗「……」

維音「あの、さっきから何してるの?」

クローム「アレでしょ、勇んでネットバトルしようとは言ったけれど」

クローム「お互い水着姿でPETを施設に預けてて持っていなかったから、ああやって牽制し続け合ってるのよ」

維音「あー、どっちも引き下がれないんだね」

維音「負けず嫌いなところは似てるんだね」

勝斗「うっ……」

十兵衛「ぬっ……」

十兵衛「……はんっ! PETが無いんじゃしゃーないわ、今回は退いたる」

十兵衛「大会の日を楽しみにするんやな、今日のこの日は運が良かったと嘆くことになるからなあ」

勝斗「その自信はどっから来てるんだ」

十兵衛「もちろん、ワイの素晴らしい実力からや!」

十兵衛「さて、それじゃあ……」

十兵衛「このお2人さんは貰ってくで」

維音「え?」

クローム「はい?」

勝斗「は?」

十兵衛「後はワイら3人で楽しむさかい、お前はそっちの隅っこで泳いどれや」

勝斗「引き下がるんじゃ無かったのかよ!」

十兵衛「それはネットバトルの話やで」

十兵衛「カワイコちゃん2人を連れてくのはまた別の話や!」

勝斗「なんちゅー奴……」

十兵衛「じゃあ二人共、行くか」

十兵衛「……」

十兵衛「お二人さん?」クルッ

Mr.キャノン「……」

十兵衛「!?」

Mr.キャノン「……」

十兵衛「……お、おっちゃん誰なん? アンタに用は無いで?」

Mr.キャノン「ほう、用があるのはこちらのお嬢様の方ですかな?」

十兵衛「せやせや、こちらのお嬢様……ん?」

Mr.キャノン「お嬢様に、どのような御要件で……?」ズイッ

十兵衛「な、なんやおっちゃん、おっかない顔しとるで……?」

十兵衛「ところでお嬢様ってことは、おっちゃんは護衛かなんか……なん?」

Mr.キャノン「……」

Mr.キャノン「お 嬢 様 に 、 ど の よ う な」

十兵衛「あー、あー! そろそろ帰らんと電車遅れてしまうかなー、あかんでこりゃ、あははは……」

Mr.キャノン「……」

勝斗「……」

十兵衛「……勝斗! 覚えとれよ!」

勝斗「なんで俺なんだよ!」

Mr.キャノン「行ったようですな」

クローム「お疲れ様」

Mr.キャノン「なんの、当たり前のことをしたまででございまする」

勝斗「俺、この人がちゃんとボディーガードしてるの初めて見た」

維音「私も」

クローム「私も久しぶりに見たわね」

Mr.キャノン「おやおや、なんだか風当たりがキツいですな!」

ココット「自分の胸に聞いてみなさいよ」

Mr.キャノン「……」

Mr.キャノン「ふっ!」ムキッ

勝斗「おー、筋肉すげー」

維音「えっと、胸筋って意味じゃないよね?」

ココット「はあ、変なところばかりユーモアきかせるんだから」

…………

ゼブル「ふん、チンジャオ拳法の前では、その無駄な自信も打ち砕かれるわよ」

クラーケンマン「ゲソゲソ! 口だけなら誰でも達者になれるもんじゃなイカ」

クラーケンマン「かかってきな、イカしたオイラ様がボコってやるゲソ!」


~バトル開始~

ゼブルVSクラーケンマン


クラーケンマン「テンタクルランス!」ズガガッ

ゼブル「甘い!」スッ

クラーケンマン「ちっ、すばしっこいゲソね」

クラーケンマン「ハエなだけに鬱陶しいじゃなイカ!」

ゼブル「ジジジジ……アンタなんかの攻撃なんて、いくらでもかわせるわよ」

クラーケンマン「この!」

ゼブル「遅い!」ダッ

ゼブル「チンジャオ拳法! ホアア!」

クラーケンマン「ふん!」スッ

ノエル「ひっ!?」

ゼブル「なっ!?」ピタッ

クラーケンマン「スキあり!」

ズンッ!

ゼブル「かふっ!?」

クラーケンマン「ひゃはははは! 腹に風穴空けてやったゲソ!」

リバースマン「あいつ、人質を盾にしやがった!」

ブレーカーマン「お嫁さんにするとかいいながら盾に使うのか!」

クラーケンマン「ぶっちゃけ嫁は一人いればいいゲソ」

クラーケンマン「だからどっちか1人が消えても別に問題ないじゃなイカ」

リバースマン「ゲソい……いや、ゲスい野郎だな……」

ノエル「ぜ、ゼブルさん……」

パイルマン「……ゼブルなら心配無用だ」

ゼブル「……霧散!」バッ

クラーケンマン「ぬお!? ハエの大群に分裂したゲソ!?」

ゼブル「バーニングフライ!」ボオッ

クラーケンマン「あつっ!? あっちちちい!?」パッ

クリン「よっと」スタッ

ノエル「あいたっ」ドテッ

クリン「助かりました、ありがとうございます」

ノエル「腰打ったー……」

ゼブル「これで思い切りぶっ叩けるわね、覚悟しなさい」

クラーケンマン「あちちち……焼きイカにする気か!」

クラーケンマン「そんなにオイラ様を怒らせたイカ!」

クラーケンマン「だったらこっちは串刺しの刑にしてやるゲソ!」

キリが悪いですが今回はここまで

どうもです、続き投下しますー

ゼブル「ふん、ただ突き刺しても、私には効かないわよ」

クラーケンマン「舐めてもらっちゃ困るゲソな!」

クラーケンマン「さっきの攻撃でお前が炎属性なのはわかったゲソ」

クラーケンマン「だったら水属性で攻めればいいだけゲソ!」

クラーケンマン「アイシングピラー!」ズガガッ

ゼブル「っ! 氷の触手!」サッ

クラーケンマン「ほらほら、逃げるだけゲソか?」

ゼブル「こんなものいくらでもかわせるわよ」

ゼブル「当たらなければ意味は無いの、アンタは分かってる?」

クラーケンマン「ほう? じゃあお前がオイラ様の策に見事にハマったのは分かってるゲソか?」

ゼブル「え? ……な!?」

ピキィン

リバースマン「周りが氷の触手に囲まれてやがる!」

パイルマン「上手く誘導しやがったのか、あんな言動で頭が回る奴だな」

ゼブル「しまった……逃げ場が無い」

クラーケンマン「さあくらえ! イカスミブラスト!」ボシュッ

ベチャッ!

ゼブル「きゃあ!?」

ゼブル「うぐ……目が見えない……」

クラーケンマン「あらよっと」ブン

バシッ

ゼブル「うあっ!?」

ザバァンッ

クラーケンマン「電脳プールに落として、おーしまい」

クラーケンマン「ま、こんなもんで許してやるゲソね」


~バトル終了~

リバースマン「ゼブル!」

パイルマン「てめえ!」

クラーケンマン「うん? お前らも楯突くと言うのか?」

クラーケンマン「鬱陶しいゲソね、オイラ様は早く嫁とハネムーンに行きたいんだゲソ」

クラーケンマン「邪魔するなら片っ端からぶっ飛ばしてやろうじゃなイカ!」

パイルマン「だったら次は俺が相手だ!」

クラーケンマン「ふん、誰が相手でもサクッとやって……」

ピシュンッ

警備ナビA「お前ら何してる!」

警備ナビB「このエリアでのバトルは禁止されているぞ!」

ブレーカーマン「うげ!? 警備ナビだ!」

警備ナビA「暴れているのは誰だ!」

パイルマン「あいつ」スッ

リバースマン「あいつ」スッ

ブレーカーマン「あいつ」スッ

クリン「あの人」スッ

ノエル「あ、あの人」スッ

ゼブル「ぶはっ!」ザバァ

ゼブル「酷い目に遭ったわ……ん? 何これ? あいつがどうかした?」スッ

クラーケンマン「ぬおあ、皆してオイラ様を指差している!?」

警備ナビA「確保する!」

クラーケンマン「やっべえ、逃げるしかないゲソ!」

ブゥン

十兵衛「クラーケンマン、そろそろ帰るで!」

クラーケンマン「おお十兵衛、丁度良かった! さっさとプラグアウトさせろゲソ!」

十兵衛「あ? いきなりなんやねん」

警備ナビA「逃がすな!」

十兵衛「はああ!? 警備ナビ!?」

十兵衛「お前一体何やらかしたんや!?」

クラーケンマン「いいから早くしなイカ!」

十兵衛「しゃーないなあもう!」

クラーケンマン「くっそー、お嫁さんを二人も逃がすとは、惜しいことになったゲソ!」

ピシュンッ

パイルマン「……逃げやがった」

警備ナビB「君達も騒ぐのは控えるように!」

クリン「はい、申し訳ありませんでした」

…………

勝斗「お前ら一体何やったんだ」

銀太郎「係員から注意されたんだけどよ」

パイルマン「いやあ、ちょっと不良?に絡まれてな」

リバースマン「結構大変だったんだぜ?」

ジョー「お前何したんだ!? ボロボロじゃねーか!」

ゼブル「ブスって言われたからカッとなって」

Mr.キャノン「ふぅむ……チャットルームの方も気を配るべきでありましたかな」

キャノンマン「まあ、そこは仕方ないだろう」

アームズ長男「俺も電脳プールで泳ぎたかったぜ!」

アームズ次男「俺達みたいな鎧騎士がどうやって泳ぐのだ、沈むだろう」

アームズ長男「お前相変わらずつまんねーやつだな」

アームズ次男「あ?」

アームズ長男「あ?」

アームズ三男「や、やめてよ二人共……」

ココット「こいつはチャットルームに入れなくてよかったと思うわ」

アームズマン「「「!?」」」

勝斗「ま! 楽しかったからいいじゃん!」

銀太郎「おう! また来ようぜ!」

電太「うん、また来たいよね」

ジョー「次は負けないぞ!」

銀太郎「お前は泳ぎ方を覚えてから勝負を挑め」

勝斗「じたばた暴れて水しぶきあげるだけで、全然前に進んでなかったじゃねーか」

ジョー「ぬぬぬぬ……!?」

ジョー「そ、そ、そういう勝斗だって犬かきだったじゃねーかよ! だっせーの!」

勝斗「な、な!? 何言いやがる! まだ本気出してねーだけだし!」

維音「勝斗、無理しなくていいよ」

勝斗「やめろ! 惨めになるだろが!」

維音「今度泳ぎ方教えてあげるから」

勝斗「あ? いや、でも」

銀太郎「やーい! 女に泳ぎ方教えてもらうのかよ!」

勝斗「う、うっせーよバカ!」

Mr.キャノン「そろそろ帰りましょうか、送っていきますぞ」

電太「ありがとうございます」

…………

「二門博士」

光流「ん? どうしたんだい」

「例のデータ……所在が掴めました」

光流「何、本当かい!?」

「ええ、ただ……」

「その場所がウラインターネットの奥地でして……」

光流「むう、よりによってウラに流れていたとは……」

「しかも、それと一緒に強大なパワーも感知されてます」

「おそらく、プラネットデータを取り込んでいるのかと」

光流「そうなのか、厄介だな……」

光流「……うん? このデータのパターン、見覚えが……」

光流「……!?」

光流「(この反応、二年前の……!)」

光流「……」

プルルル

ピッ

セラス『はい』

光流「セラスか、至急ウラインターネットの奥地に向かってくれ」

光流「最後のプラネットデータが見つかった」

セラス『! ……分かりました、すぐにアウロラを送ります』

光流「プラネットデータと一緒に強大な反応も感知されている、無理はするんじゃないぞ」

光流「俺も準備を済ませたらまた連絡する」

セラス『了解です』

ピッ

光流「……さて」

光流「(まさかあいつが復活しているとは)」

光流「(これもプラネットデータの力なのか?)」

光流「……とにかく、準備だな」

光流「(また使うことになるとはね……ゲットアビリティプログラムの対抗プログラムを)」

…………


クローム「ただいま」

Mr.キャノン「ただいま戻りました!」

ココット「戻りました」

マイタ「ああ、おかえり……」

Mr.キャノン「おやマイタ殿、どうかしましたかな?」

マイタ「……お前らはいいよな、皆で遊びに行ってさ」

マイタ「俺はずっと留守だぞ、ずっと」

ココット「あ、あはは……そ、そう」

マイタ「ま、いいけどよ、外で遊ぶより機械いじってる方が好きだし……好きだし」

クローム「(これは確実に拗ねてるわね)」

ココット「(ここは私に任せて)」

ココット「マイタさん、あなたにおみやげ買ってきてるのよ」

マイタ「……おみやげ?」ピクッ

クローム「(あら、これはうまくいきそうな反応……)」

マイタ「で、おみやげって?」

ココット「それは……」

ココット「………………」

ココット「ほら、Mr.キャノン、早く」

Mr.キャノン「え!? 私ですか!?」

クローム「(そこで他人任せなの!?)」

Mr.キャノン「あーっと、ですな……」ガサゴソ

Mr.キャノン「こ、これを……」スッ

マイタ「…………何これ」

Mr.キャノン「私が屋台で買った焼きそば……の食べかけ……」

マイタ「お前らふざけんなよ!?」

クローム「(まあ、そうなるわよね……)」

ギアーマン「……」

キャノンマン「……」

アームズマン「……」

クリン「……」

ギアーマン「俺へのおみやげもあんなのか?」

クリン「……あー……」

キャノンマン「……こ、これを」スッ

ギアーマン「…………これは?」

キャノンマン「さっきそこで拾った歯車」

ギアーマン「おみやげですらねえ!?」

アームズ長男「でも大好物だろ? 歯車」

ギアーマン「食べねーよ! 好きだけど食べねーっての!」

メインキャラリストNo.023

殻毱 十兵衛(からまり じゅうべえ)
男子小学生。全国大会出場者の一人。
アキンドシティ出身。バリバリに方言を使う。
かなりの軟派者でカワイコちゃんを見つけたらとりあえず口説きにかかる。

クラーケンマン
イカ型ナビ。アクア属性。
非常に自己中心的で、人の話を聞かない。お嫁さん募集中。
十本の触手を使い、相手を追い詰める。
触手を凍らせて氷の槍とする他、イカスミを吐いて相手の視界を奪う。

おまけ

作中で登場したナビの技一覧


■パイルマン
・バンカーショット
あらゆるものを砲台で撃ち出す。
ホウガンやストーンキューブからネットナビまで、色々撃てる。
呼び名は〇〇・バンカーになる。

・パイルバンカー
ソード系統チップを至近距離で撃ち込む。


■ゼノア
・イッセイソウシャ
一斉掃射。大砲をぶっ放し、前方全てを攻撃する。

・ギガントフィスト
鋼鉄の右腕を振り下ろし、粉砕する。


■ノエル
・マジカルロッド
剣や三節棍やモーニングスターなど、あらゆる武器に変形させる。
呼び名はマジカルロッド・〇〇となる。

・マジカルアロー
マジカルロッドを吹き矢に変形させ、撃ち出す。
チップ破壊効果がある。


■ホップマン
トレッドダウン
大きく飛び上がり、相手を踏みつける。

・パニックトーン
バイオリンで敵をぶっ叩く。
混乱効果がある。

■バスターマン
・エッジブーメラン
・ヨーヨーシュート
・ロックミサイル
身体中に仕込んだ武器で相手を攻撃する。
ブーメランは頭から、ヨーヨーはかかとから、ミサイルは肘から撃ち出す。

・ラピッドマックス
チャージ性能を捨てて、連射性能を最大限に高めたバスターをぶち込む。


■リバースマン
・リバースハンド
手で触れた攻撃を反射する。

・リバースハンド・バズーカ
反射の力を纏わせた腕で殴りつける。

・リバースボディ
全身で攻撃を反射する。


■クリン
・ハキボウキ
箒を使って、パネルをノーマルパネルに戻し、障害物を綺麗に掃除する。

・シコミガタナ
箒に仕込んだ刀で切りつける。

・スラッシュクロス
飛ばした衝撃波に自身の斬撃を重ね合わせ、クロスに切りつける。


■アームマン
・ファイアナックル
炎を纏った腕でぶん殴る。

・ギミックハンド
チェーンで繋がれた腕を発射し、相手を拘束する。
マヒ効果のあるナイフが仕込まれている。


■ガンマン
・エイムショット
相手にカーソルを合わせ、属性弾で狙い撃つ。
属性弾は炎、水、雷、草の四種類。

・パネルクリエイト
弾の属性によって、パネルの効果を塗り替える。

・ペネトレイター
相手の防御や障害物を貫通する弾を発射する。

■キャノンマン
・キャノン
言わずもがな。


■ドールマン
・チェーンハンド
鎖付の腕を飛ばし、相手を雁字搦めにする。

・ホーミングハンド
相手を追尾する腕を飛ばす。

・フィンガーマイン
辺りに爆発する指をばら撒く。指は地雷になる。

・スプラッターチェーンソー
分離した下半身からチェーンソーが飛び出る。

・バラバラアタック
分離した身体で相手を全方向から攻撃する。


■ニトロマン
・オイルアバランチ
ガソリンをばら撒く。
ガソリンまみれになったところに炎属性攻撃を受けると炎上する。

・ヒキニゲバースト
全速力で相手を轢き飛ばす。


■ジェントルマン
・ステッキバッシュ
ステッキで紳士的に殴る。

・ハットブーメラン
ハットをブーメランのように紳士的に飛ばす。

・ハットトリック
ハットから鳩を召喚する。鳩は紳士的に爆発する。

・ジェントルガン
不意打ち気味に懐から銃を取り出し、紳士的に撃つ。


■モノノフマン
・ヒバシリ
火走。突進しながら槍で薙ぎ払う。

・レッカ、ダイレッカ
烈火、大烈火。槍による連続突き。
ダイレッカはレッカの強化版。

・オウホウラク
凰鳳落。飛び上がって相手の攻撃をかわしながら、頭上から攻撃する。

・グレンキャク
紅蓮脚。槍を軸に回転蹴りを放つ。

・ネッケツダイフンカ
熱血大噴火。全身全霊をかけた飛び蹴り。
まともにくらった相手は遥か彼方に吹き飛び、星となる。

■ブレーカーマン
・パワーアブソーブ
相手の攻撃を吸収する。
吸収した力を相手に注入することで相手を破裂させる。

・アースクラッカー
吸収した力を地面にぶつけ、地震を起こす。

・プラズマバースト
フルパワーの電撃を発射する。


■ゼブル
・セパレートアーツ
分離させた腕や足で相手を攻撃する。

・フライガトリング
分離したハエを飛ばして攻撃する。

・バーニングフライ
分離したハエが炎を纏い、突撃する。


■クラーケンマン
・テンタクルランス
触手を突き刺して攻撃する。

・アイシングピラー
凍らせた触手で攻撃。

・イカスミブラスト
イカスミを発射する。
くらうと盲目状態になる。

今回はここまでになります
抜けてる技とか無いよね?(チップにある技は省いてます)

どもです、続き投下しますよい

勝斗「町内大会の予選?」

維音「うん、今日の午後からあるんだ」

勝斗「ふーん」

勝斗「まあ俺は全国大会があるから出れないけどな」

維音「そうだよね」

店長「町内大会か……」

店長「あいつをメッタメタに出来る数少ない機会だぜ」

勝斗「なんか気合入ってね?」

維音「まあ、いつも通りだから……」

勝斗「ところであいつって……」

バンッ

「頼もう!」

勝斗「!?」

ジョー「へー、ここにチップショップがあったんだな!」

店長「お、来やがったな!」

「やい掘田! 今回こそ決着つけてやっからな!」

店長「いきなりやってきていきなりそれかよヴァニラ! いきなり喧嘩売りやがって、ああ?」

ヴァニラ「ふん! アンタにはこれくらいでも足りないくらいだよ!」

店長「言ってくれるじゃねえか!」

ヴァニラ「アンタこそお客さんにその態度かい?」

店長「どこにお客さんがいるって? んんー?」

勝斗「なあ、あの人誰?」

維音「ええっと……中華料理屋の店長さん、いつも出前頼んでるところの」

勝斗「へー、それでなんでジョーがここに?」

ジョー「ああ、俺の母ちゃんの付き添い」

勝斗「え、母ちゃん!?」


サブキャラリストNo.004

ヴァニラ・ロースー
中華料理店「飯飯」の店長。ジョーの母親。
チップショップ掘田屋の店長とは何かといがみ合っている。
チンジャオ拳法創成者にして初代継承者。

ジョー「それよかなんでお前がここにいるんだ?」

勝斗「俺はここの常連だからな」

ジョー「へー、じゃあ俺も今度からここに」

ヴァニラ「ダメだよジョー! ここに来たらハゲるよ!」

ジョー「えっ!? ハゲるの!?」

店長「おい、誰の頭見てハゲるっつった?」

ヴァニラ「ここにハゲてる奴は1人しかいないだろう?」

店長「テメエ!」

勝斗「俺、ハゲるのかな」

維音「いや、それはないと思うけど……」

店長「ふん、ここで俺の筋肉の餌食にしてやるのもいいが……」

ヴァニラ「アタシのチンジャオ拳法で返り討ちにしてやってもいいけど……」

勝斗「なあ、なんでこんな言い争ってんの?」

維音「昔から何かと張り合ってるんだよね」

勝斗「チップショップと飲食店が?」

維音「うん……」

勝斗「謎だ……それでいて頻繁に出前とってんだよな」

維音「喧嘩するほど……ってやつだよ」

店長「せっかく大会があるんだ、それで白黒つけるぞ!」

ヴァニラ「望むところだ、覚悟するんだね!」

店長「ボロボロに負かしてやるよ!」

ヴァニラ「ギャフンと言わせてやる!」



店長「うちの維音がな!」

ヴァニラ「うちのジョーがね!」

維音「えっ!?」

ジョー「は!?」

維音「えっ、ちょ、ちょっと、何、父さん?」

店長「頼む維音! あいつ倒してギッタンギタンにしてくれ!」

維音「なんで私なのー!?」

店長「ほら、俺チップは持っててもネットバトルはからっきしだから」

店長「何度もネットバトルで戦ったことがあるがダメだった、もう頼めるのはお前しかいねぇ!」

維音「えぇー……」

ヴァニラ「はっ、娘に頼むとか、落ちたもんだねぇ」

店長「テメエだって息子に任せてるじゃねえか!」

ヴァニラ「アタシはナビをジョーに譲ったからね」

ヴァニラ「つまりそれはアタシが戦ってるのと同じなのさ!」

ゼブル「ぶっちゃけオペレートの仕方は親子で全然違うんだけどね」

パイルマン「あぁ、そうなの」

ジョー「よく分からないけど、戦えるんならやってやるぜ!」

維音「気が乗らないなぁ……」

ゼブル「ジジジ……こういう形で戦うとは思わなかったけれど、よろしくね」

ノエル「う、うん……自信無いなぁ……」

ヴァニラ「甘く見るんじゃないよ、うちのジョーは地区予選ベスト4なんだからね!」

店長「へっ、だったらうちの維音は地区代表が友達にいるんだよ!」

勝斗「それ何の自慢になってるんだ!?」

店長「そうと決まったら選手登録に行くぞ!」

店長「軽く予選突破してこい!」

維音「か、簡単に言わないでよー……」

ヴァニラ「さ、アタシ達も行くよ!」

ヴァニラ「予選なんて楽勝だろ?」

ジョー「へへ、まあな!」

勝斗「えっと、俺は」

店長「今日は店じまいだ、帰れ!」

勝斗「……えぇー……」

今回はここまで。
あれ、短いな……

どもです、続き投下しますー

町内大会予選会場


店長「登録完了!」

店長「じゃあ、あとは頑張れよ!」

維音「あ、うん……」

維音「どうしよう、勢いでここまで連れてこられちゃった……」

ノエル「ね、ねえ、今からでもキャンセルしたらどうかな?」

維音「……まあ、予選くらいはやってもいいかもしんないね」

ノエル「えー?」

「御館様! 早くしないと受け付けが終わってしまいますぞ!」

「ま、待て急かすでない、まだ体を動かすのに慣れておらぬのだ……」

維音「ん?」

松姫「お?」

維音「どこかで見たような……」

松姫「ふむ、ワシも見覚えがあるような……」

維音「思い出した、疫病神の子だ!」

松姫「なんじゃその覚え方は!」

維音「えっと、勝斗がPETに入れてた子だよね」

松姫「おヌシは勝斗が病院に向かいに行った子だったの」

維音「身体と精神が分離とか聞いてたけど……元に戻ったんだね」

松姫「お陰様での」

松姫「それはいいんじゃが、元の身体が数年寝たきりだったから、体が思うように動かなくての」

松姫「精神はずっと電脳世界にいたから違和感もまだ覚えるし……」

松姫「正直、歩くのがやっとじゃ」

維音「この数日間で杖無しで歩けるようになるのは充分すごいと思うけれど……」

松姫「ところで、まだ名前を聞いておらんかったの」

維音「あ、そうだね、私は掘田 維音だよ」

松姫「維音か、ワシは武田 松姫じゃ、よろしくの」

モノノフマン「久方振りでござるな! 某がモノノフマンにござる!」

ノエル「の、ノエルです……相変わらず元気ですね」

松姫「それで、維音はこの町内大会に出るのか?」

維音「う、うん、成り行きだけどね」

松姫「ワシもリハビリがてら出場する予定なんじゃ、よろしく頼むぞ」

維音「うん、よろしくね!」

「HEY! 久しぶり!」

維音「あ、REIJIさん」

REIJI「君達も町内大会に出るのKAI?」

維音「まあ、そうです」

維音「突き指は大丈夫なんですか?」

REIJI「大丈夫じゃないYO! だいぶ良くなってきたけどまだ痛いんだよNE」

松姫「誰じゃ、この語尾が特徴的な男は」

REIJI「人のこと言えないと思うんだけどNA」

維音「この人はREIJIさん、DJやってるんだ」

松姫「でぃーじぇい?」

REIJI「よろしくNE!」

松姫「うむ、よろしく頼むぞ」

ステップマン「あ、お前は」

モノノフマン「ん? あー……あの節はご迷惑をおかけしたでござる」

ステップマン「いや、謝らなくていいよ、その代わり大会で当たったら手を抜かないでくれよ!」

モノノフマン「ふむ、そう言われるのならば、承知仕った!」

「はえー、人がいっぱい……」

「町内大会と言っても、すごく賑わうんですね……」

「でも、これじゃあ誰が落としたかなんて……」

松姫「うん? あそこにすごいキョロキョロしとる人がおるの」

「あ……!」

「あの、すみません」

REIJI「何かNA?」

「誰かがPETを落としてたみたいで……」

維音「PETを?」

松姫「この人ゴミの中でか?」

「はい」

「あ、私は倉綴 芽久莉(くらとじ めくり)と申します……よろしくお願いします」

芽久莉「それで、落とし物のPETなんですが……」

REIJI「それだったら、大会運営に届けたらいいんじゃないかNA」

REIJI「確か、運営本部はあっちの方にあったよ」

芽久莉「あ、あっちですね、それじゃあ……」

「うん? ミオボえがあるな……」

維音「あれ? その声って……」

ドールマン「おお、イオンじゃないか」ヌッ

松姫「おわっ」

REIJI「うおっ」

ノエル「ひっ」

維音「ドールマン! 久しぶりだね」

松姫「びっくりした、妖怪かと思ったぞ」

REIJI「俺、ホラーは苦手なんだよNE、勘弁してYO」

ドールマン「ひどいイわれようだな」

ドールマン「そしておマエはなぜオドロくのだ」

ノエル「な、何回見ても驚くものは驚くよぅ……」

芽久莉「あれ、知り合い、なんですか?」

維音「はい、知り合いのナビです」

芽久莉「でしたらそのPET、お願いしてもいいですか?」

維音「いいですよ」

芽久莉「ありがとうございます……」

芽久莉「……ところで、あなた達は予選に出るんですか?」

REIJI「そうだYO、もしかして君も?」

芽久莉「あ、いえ、私は科学省の仕事で来ていて、出場はしないです……」

維音「科学省の方なんですか?」

芽久莉「ええ、そうですよ」

芽久莉「それで、仕事と言ってもナビに任せていて私は暇なので……」

芽久莉「よかったら、あなた達のPETの調子を見てあげましょうか?」

維音「いいんですか?」

芽久莉「ええ、落としたPETを預かってもらったお礼もありますし」

松姫「ふむ、それじゃあお願いしようかの」

芽久莉「では、PETをお預かりしますね」

維音「それでドールマン、瑠奈ちゃんはどうしたの?」

ドールマン「ミてのトオりだ、またPETをオとした」

維音「ま、またぁ?」

松姫「なんじゃ、抜けてるオペレーターじゃな」

ドールマン「オレもそうオモう」

REIJI「それで、オペレーターはどんな人か知ってるのKAI?」

維音「はい、その、すごく特徴的な格好してるけど、いい子ですよ」

維音「(普段は)」

REIJI「ふーん……」

松姫「特徴的と言えば、おヌシのその頭も珍妙な髪じゃのう」

REIJI「これはDJの嗜みSA!」

維音「嗜みなんだ……」

芽久莉「……」

芽久莉「PETのチェック、終わりましたよ」

芽久莉「特に問題はありませんでした」

維音「あ、ありがとうございます」

芽久莉「あと、武士のナビさんのPETはバージョンが古かったのでアップデートしておきました」

松姫「おお、感謝するぞ、本当に何を手をつけてなかったからの」

モノノフマン「身体が軽くなったように感じまする!」

芽久莉「それでは、私はこれで……」

REIJI「サンキューNE!」

REIJI「さて、それじゃあPETを落としたオペレーターさんを探しますKA」

松姫「あ、先にワシが選手登録してからでいいかの?」

維音「ああ、そうだったね、いいよ」

松姫「すまぬな」

芽久莉「……」

ピピピッ

「も、戻ったよ……」

芽久莉「おかえりなさい、シオル」

シオル「どう、だった?」

芽久莉「こっちは空振りだったわ」

芽久莉「だからそっちが当たりで間違いないと思う」

シオル「り、了解……」

シオル「今、インターネットに、アクセスしてるの、確認したから」

シオル「誘導、してくるね……」

芽久莉「了解、任せるわ……」

ピシュンッ

芽久莉「……」

芽久莉「……後は二門博士とセラスちゃんが上手くやってくれるわね……」


メインキャラリストNo.024

倉綴 芽久莉(くらとじ めくり)
女性。科学省で働く研究者の一人。
引っ込み思案だが集中力は凄まじく、一度研究に没頭すると周りが見えなくなる。
メガネを外すと美人とかいう、よくある設定の人。

シオル
司書型女性ナビ。
コミュ症。顔を見られると目を逸らし、話しかけられると言葉に詰まり、しまいには逃げる。
しかし、珍しいナビやウイルスには興味津々で、スイッチが入ると興奮しながら延々と喋り出す。
栞型のソードやブーメランを使う他、相手の情報をリサーチし、相手の攻撃方法を分析して細かに戦略を立てる。

…………

松姫「よし、これで登録完了、じゃな」

モノノフマン「うおお! 今から滾ってきたでござる!」

松姫「モノノフマン、落ち着かんか」

「こ、困ったなあ……」

松姫「ん?」

「ナビがいないと、選手登録できない、のに……うう」

松姫「なんだか珍妙な格好した子がおるの」

モノノフマン「……は! あやつは!」

モノノフマン「あの眼帯、伊達軍の大将に違いありませぬ!」

松姫「アホか、何言うとるんじゃ」

モノノフマン「そこの御仁!」

「……あ、え、私……?」

モノノフマン「伊達軍の大将とお見受けした!」

「え、え!?」

モノノフマン「いざ尋常に勝負!」

松姫「こらやめんか!」

「えーと……」

「……く、ククク」

モノノフマン「む!?」

「我が魔翌力を感知するとは、そなたも選ばれし者、のようね」

松姫「は?」

「良いであろう、我が力、存分に味わうが良い、ぞ」

モノノフマン「……」

松姫「……」

モノノフマン「お、御館様! この相手、どうやら一筋縄ではいかないようでござる!」

松姫「……」

松姫「こ、これはとんでもないことに巻き込まれたやもしれぬ……!」

「ふむ、我が魔力に怯まず立ち向かうか」

松姫「モノノフマン、ここはワシが出る」

松姫「本腰を入れて挑まねばならぬ……」

モノノフマン「そんな! 御館様はまだ本調子では無いはず!」

松姫「止めるな! ここで退いてはならぬのだ!」

「よかろう、その勇を以て、我が黒魔術の領域に踏み込んでくるがよいわ!」

松姫「この武田がお相手致す!」

松姫「風林火山の兵法、しかと見よ!」

維音「松姫ちゃーん、登録終わった?」

維音「ってあれ、何してるの?」

松姫「来るな維音! それ以上近づくと巻き込んでしまう!」

維音「え? 何言って……あ、瑠奈ちゃんだ」

瑠奈「あ、い、維音ちゃん、こんにちは……」スッ

松姫「なんと!? この窮地を難なく収めるとは……」

松姫「というか二人は知り合いじゃったのか?」

維音「もー、またPET落としてたよ?」

瑠奈「あ、ありがとう……!」

ドールマン「もうちょっとなんとかならないのか」

瑠奈「ど、努力はしてるんだけど、き、気付いたら、落としてるんだもん……」

松姫「なんじゃ、いつも落としておるのか?」

瑠奈「お、お恥ずかしながら……」

松姫「こりゃ筋金入りのようじゃな……」

維音「じゃあ、登録も終わったし、予選に行こっか」

松姫「そうじゃな、軽く蹴散らしてやろう」

瑠奈「うん、頑張ろう……」

モノノフマン「ノエル殿、片倉小十郎殿! 某、負けるつもりは無いでござる!」

ノエル「わ、私も頑張るよ、出来る限り」

ドールマン「なあ、カタクラコジュウロウって、オレのことか……?」

松姫「あ、自己紹介がまだじゃったの」

松姫「ワシは武田 松姫じゃ、よろしくの伊達」

瑠奈「い、いや、伊達じゃなくて……暮月 瑠奈……ですけど」

今回はここまでですー

どもです、続き投下していきますよー

…………


勝斗「あーあ、チップショップも追い出されたし、いよいよやることが無くなっちまったな」カチャカチャ

パイルマン「そう言いながらせっせと手を動かしてんじゃねえか、何やってんだ?」

勝斗「ん? ゼノアのカスタマイズ」

パイルマン「ゼノアの?」

勝斗「おう、見た目がチグハグなのが前から気になってて、なんとか見れる姿にしようと思ってさ」

勝斗「こんなもんでどうだ、ゼノア起動」ピッ

ゼノア「……ん」

勝斗「調子はどうだ?」

ゼノア「……なんだか、体が軽くなった気がする、すごく歩きやすい」

パイルマン「おわ、すげえ見た目が変わったな!?」

勝斗「左右非対称のアンバランスな体型を修正してみたんだ」

勝斗「右足の砲台は左腕にセット、戦闘時に切り替わるように設定した」

勝斗「ゴツい右腕も普段は普通の手になっているように改造してみた」

パイルマン「なんというか、綺麗になったな」

ゼノア「ありがとう……」

パイルマン「しかし、勝斗がこういう乙女心を知ってるとは思わなかったぜ」

勝斗「うっせ!」

ゼノア「乙女心、関係あるの?」

勝斗「しかし、今の俺にはここまでが限界だ!」

勝斗「ゼノアのデータコードがバラバラすぎて、俺にはほとんど手がつけられなかった」

勝斗「見た目を変えるのが精一杯で、能力自体は弄れなかったぜ」

ゼノア「これで、十分……」

勝斗「そう言ってもらえると頑張ったかいがあるな」

勝斗「……さて、これで本当にやることが無くなったぞ」

勝斗「ヒマだ!」

パイルマン「大声張り上げて言うことかよ」

ゼノア「……そういえば」

ゼノア「町内大会の予選、インターネットでやってるらしいよ」

勝斗「そうなのか?」

ゼノア「メルマガに書いてた」

ゼノア「選手登録自体は、会場に行かないとダメらしいけど」

勝斗「あー、俺には関係ねーからメール開いただけで読んでなかったな」

勝斗「じゃあ予選の様子でも見に行って、維音の冷やかしでもするか」

パイルマン「動機が不純だな」

勝斗「いいからプラグインだ」

勝斗「パイルマン.EXE、トランスミッション!」

ピッ

予選会場

パイルマン「おー、結構人がいるんだな」

勝斗「去年まではこんな規模じゃなくて、もっとちんまりしたものだったと思うんだけどなあ」

パイルマン「さーて、ノエルのやつはどこかな?」キョロキョロ

ドンッ

「ひゃう!?」

パイルマン「うおわっ」

「あ、たた……」

パイルマン「あー、大丈夫か?」

「あ、はひ、だ、大丈夫、れす……」

「……あ!」

パイルマン「ん?」

「も、も、もしかして、全国大会出場者の、パイルマンさん?」

パイルマン「そうだけど、なんで知ってるの?」

「えっと、テレビで、見ました、突撃インタビューの」

勝斗「あれか、ウリ子さんのやつだな」

パイルマン「あーなるほどな」

パイルマン「俺もついに有名人になっちまったわけだな、ナハハ」

勝斗「俺そんなチヤホヤされてなかったぞ?」

パイルマン「で、お前は?」

「あ、そ、そですよね、ごめんなさい」

「わわ、私、シオルって、いいます」

シオル「よろしく、お願いしましゅ……します」

パイルマン「おう、よろしく」

シオル「……あ、あの!」

シオル「パイルマンさんに、お願いしたいことが、あるんです」

パイルマン「お願い?」

シオル「じ、実は、私の友達と、はぐれてしまって」

シオル「その、探してほしいんです……その腕を見込んで」

パイルマン「あー、ナビ探し?」

パイルマン「それなら、俺じゃなくてもいいんじゃね?」

勝斗「その友達のオペレーターは?」

シオル「あ、その、友達はナビじゃないので、オペレーターとか、でなくて」

勝斗「ナビじゃないのか、じゃあプログラムくんかな」

シオル「それに、その、はぐれた場所が、その……」

シオル「……ウラ……なんです」

パイルマン「ウラァ!?」

シオル「はわぁ、しーっ、しーっ!」

パイルマン「ウラって、あのウラか?」

シオル「は、はひ……ウラインターネットの、ウラです……」

パイルマン「なんでそんなところに……」

シオル「え、えっと、私、お仕事の関係で、よくウラの近くに行くんです」

パイルマン「ウラの近くに行く仕事ってなんだよ」

シオル「えと……ウイルス研究、です」

パイルマン「ウイルス研究?」

シオル「ええ、ウラは様々なウイルスが潜んでいますから」

シオル「特に興味深いのはウイルスの分布ですね」

シオル「どういう理由か分かりませんが、ウラに生息するウイルスは短い期間に生息場所がガラリと変わってしまうんです」

シオル「同じウラインターネットでも、久しぶりに来てみれば以前と全く違うウイルスが出てくるんですよ」

シオル「では以前いたウイルスがどこに行ってしまったのかと言うと全く分かってないんです、研究中なんですよ」

シオル「例えばあのウイルス……結構知られていて……」ペチャクチャ

パイルマン「……」

シオル「前までは幅広く生息……結構な驚異で……」ペチャクチャ

パイルマン「…………」

シオル「それが今ではどこにも……いつの間にかぱったり……」ペチャクチャ

パイルマン「おい」

シオル「それにしてもあのクモのようなフォルム……くーっ!……」ペチャクチャ

パイルマン「おーい」

シオル「触ってみると……はわーっ! やみつき!……」ペチャクチャ

パイルマン「おいってば!」

シオル「はわわっ!?」

シオル「ご、ご、ごめんなさい! 話に、夢中になっちゃって……」

パイルマン「はあ、まあウラではぐれたのは分かったよ」

シオル「え、ええ……でも私、ウラの深くまで潜るほど、バスティングは上手くなくて……」

パイルマン「うーん……どうする勝斗?」

勝斗「いいんじゃねーの? ヒマだし」

パイルマン「いやウラだぜ?」

勝斗「余裕余裕! 全国大会出場者なんだぜ俺達」

勝斗「それにアレだろ、強いウイルスが出るから、結構レアなチップが手に入るんだよな」

シオル「分かりますかっ!」

勝斗「まあウラのウイルスのチップはあまり出回らないから詳しくは無いんだけどな」

シオル「なら私が説明しますよ! 例えばこういうウイルスが……」ペチャクチャ

勝斗「へえ、こんなウイルスが……」ペチャクチャ

シオル「でも、強いからチップも強いとは、一概に言えなくて……」ペチャクチャ

勝斗「へえ……やっぱりそういう……」ペチャクチャ

シオル「あと、今でこそ市場に……元々はウラに潜むウイルスの……」ペチャクチャ

勝斗「そうなのか?」

シオル「はい、例えば……こんなチップ……」ペチャクチャ

勝斗「マジで!? 俺結構使ってる!」

パイルマン「……」

パイルマン「誰か止めてくれ……」

数十分後

勝斗「よしパイルマン! ウラに行くぞ!」

パイルマン「ぐごーっ……」

勝斗「おい! 何寝てんだよ!」

パイルマン「んがっ……ああ、話終わった?」

シオル「いやあ、ヒートアップ、しちゃいました……」

勝斗「すげー興味深かったぜ」

パイルマン「あーそう、よかったな、うん」

勝斗「なんだよ素っ気ないな」

パイルマン「お前は良くても俺は良くなかったんだってことだよ」

勝斗「???」

パイルマン「で、ウラだっけ? 勝斗が行くっていうなら行くけどさ」

勝斗「え? おう、頼むぜ」

シオル「お、お願いしますです……」

パイルマン「そんで、ウラってどっから行くの?」

シオル「あ、み、道案内します」

今日はここまでです
たまには本編と関係無い番外編でも書いてみようかなと思ったり思わなかったり

どもです、続き投下していきまーす

ウラインターネット入口


パイルマン「初めて来たけど、おどろおどろしいな……」

勝斗「なんつーか、暗い雰囲気が漂ってるな……」

シオル「ここら辺で、はぐれてしまったんです……」

「おうおうおうおうおうおう!」

「許可無くウラインターネットに踏み込んでくる馬鹿はどこのどいつだ!」

シオル「ひっ」

パイルマン「あん? 誰だ?」

「俺かあ? 俺はこのウラインターネットの番人、ファイバーマン様よ!」

ファイバーマン「ウラのこと知るんなら、俺のことは覚えときなあ!」


メインキャラリストNo.025

ファイバーマン
光回線型ナビ。オペレーターがいない野良ナビ。
自称、ウラインターネットの番人。誰も頼んでもいないのに我が物顔でウラの入口に仁王立ちする。
それでもって、いつの日かウラの頂点に立とうと企んでいる。
光ファイバーを使った光速攻撃で相手を一瞬で叩きのめす。

ファイバーマン「それでお前ら、ウラに何の用で来やがった」

シオル「あ、あの、友達を探しに……」

パイルマン「護衛みたいなもん」

ファイバーマン「友達だあ?」

ファイバーマン「最近オモテからウラに来たナビと言えば」

ファイバーマン「バイク型のナビと水色の女性ナビくらいしか見てねえな」

シオル「あ、あの、友達は、ナビじゃなくて……」

ファイバーマン「ああ!? ナビじゃない?」

ファイバーマン「じゃあ知らねーや」

パイルマン「まあとにかく、ここから先に進みたいわけなんだが」

ファイバーマン「ふうむ、進むのは別にいいさ、来るもの拒まずがウラの慣例だしな」

ファイバーマン「ただ、デリートされても文句は受け付けねーぞ、自己責任だ」

パイルマン「わーってるよ」

ファイバーマン「じゃーさっさと行け」

パイルマン「はいはい」

シオル「ど、ども……」

パイルマン「なあ、お前の友達とやらは大丈夫なのか?」

シオル「あ、は、はい、そこらのナビには負けない実力はあるので……」

勝斗「ナビに負けないプログラムくん? とんでもねえな……」

ザッ

パイルマン「……ん?」

ゴロツキナビA「へっへっへ」

ゴロツキナビB「どうした嬢ちゃん、こんなところに迷い込んじまったか?」

シオル「ひ、ひいっ……」サッ

パイルマン「ぬっ……」

勝斗「早速絡まれたか……」

ゴロツキナビC「ここに来たら、悪ーい奴らに襲われちゃうぜぇ?」

ゴロツキナビC「俺達のような奴らにな!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「フウジンラケット!」ブンッ

ゴロツキナビA「むうっ!?」

ゴロツキナビB「ちいっ!」

勝斗「距離を離したところを各個撃破だ!」

パイルマン「おう! センシャホウ!」

ズドンッ!

ゴロツキナビB「ぐああ!?」

ゴロツキナビC「B! クソが!」ザッ

パイルマン「速い!?」

勝斗「だが想定内! チップ転送!」

パイルマン「アースクエイク・バンカー!」

ドガッ!

ゴロツキナビC「ぐええ!?」

パイルマン「あと一人! どこ行った!」

ゴロツキナビA「……ここさ!」ガシッ

シオル「ひやああ!?」

パイルマン「しまった!?」

ゴロツキナビA「へっへ、よくも仲間をやってくれたな」

シオル「は、離してぇー」ジタバタ

ゴロツキナビA「お礼にコイツをデリートしてやる!」

パイルマン「くっ!」

バシュンッ

ゴロツキナビA「ぐあっ!?」

パイルマン「ん!?」

シオル「おっとと」

ゴロツキナビA「くそっ、誰だ! 俺を攻撃したのは!」

「ピギィ!!」

バシュンバシュンッ

ゴロツキナビA「あだだ!?」

ウイルス「ピギギッ!」

ゴロツキナビA「……ウイルスだとお?」

ゴロツキナビA「引っ込んでやがれ! ギガキャノン!」ズドンッ

キィンッ

ウイルス「ピギッ」

ゴロツキナビA「なっ、効いてない!? オーラか!?」

パイルマン「パイルバンカー!」

ズドンッ!!

ゴロツキナビA「がああああ!?」

パイルマン「背中がガラ空きだぜ」

パイルマン「……よし、片付いたな」

パイルマン「で、こいつは……」

シオル「ビ、ビッちゃん!」

ビッちゃん「ピギィ!」

シオル「よ、よかった、無事で」

ビッちゃん「ピギィ♪」

パイルマン「なあ、こいつって……」

勝斗「ドリームビット……ウイルスだよな……」

シオル「わ、私の友達、ビッちゃん……」

ビッちゃん「ピギッ!」

パイルマン「ナビじゃないとは言っていたが……まさかウイルスだとは」

シオル「ウ、ウイルスの飼育は、数年前から研究が行われていて」

シオル「最近では、オペレーターがナビをオペレートするように、ナビがウイルスをオペレートできるようになったんです」

シオル「ですが課題がまだまだ残っていて、実用段階には至っていません」

シオル「そんな中、敵意の無いウイルスが昔から確認されていて、このビッちゃんはその一体で」

パイルマン「あーあー、長話はまた今度な」

シオル「あ、ご、ごめんなさい、またやっちゃった……」

シオル「そ、それじゃあ、友達と会えたので、帰ります」

シオル「あ、ありがとう、ございまひ、ました」

ビッちゃん「ピギィ」

パイルマン「おうよ」

ピシュンッ

パイルマン「あーあ、随分とウラの奥まで来ちまったな」

勝斗「じゃあ用事も済んだし、そろそろ帰るか」

パイルマン「しかしなんでここまで来たんだかな」

パイルマン「最初はノエルの様子でも見ようと思ってたのにな」

勝斗「それな」

勝斗「それじゃあプラグアウト……」

グオオオオオオオオオッッ!!

パイルマン「っ!?」ビクッ

パイルマン「な、なんだ今の雄叫び……?」

勝斗「一体何が……?」

「うあっ!?」

ドゴッ!

パイルマン「うげえ!?」

勝斗「どうした!?」

パイルマン「と、突然誰かが吹っ飛んできたんだが……今日はよくぶつかるな……」

アウロラ「くっ……」

セラス「アウロラ、無事か!?」

アウロラ「ええ、なんとか……ん?」

パイルマン「……お、おう、無事か?」

セラス「パイルマン!? ということは……」

勝斗「あれ、お前……誰だ?」

セラス「勝斗!? 何故ここに!?」

勝斗「え? なんで俺のこと知ってんの?」

セラス「それは……」

アウロラ「セラス、来る!」

「カッ!」

アウロラ「!」

パイルマン「え?」

ドゴオオオオオン

アウロラ「くう!」

パイルマン「ぬわああ!?」

勝斗「な、なんだ!? どこから!」

アウロラ「……あそこ」

「データ、クワセロ……!」

パイルマン「は!? あんな遠くから撃ってきたのか!?」

セラス「……悪いことは言わない、早くプラグアウトするんだ」

アウロラ「……あなたを守りながら戦う自信が無い」

パイルマン「おいおい、俺を足手まといのように扱われちゃあ困るな」

勝斗「見るからに不利じゃねーかよ」

勝斗「誰だか知らないけど、お前だけ残して逃げるわけにはいかないだろ」

セラス「……どうなっても、知らないよ」

勝斗「分かってるさ」

「グゴゴ……カッ!」

パイルマン「また来た!」

「おらぁ! リフレクター!」

ガキィンッ!

ファイバーマン「ふん、俺の庭で暴れ回ってんのはあいつか……」

パイルマン「ファイバーマン!」

ファイバーマン「俺はいつの日かウラの頂点になるんだ」

ファイバーマン「少し前までは大人しかったが、最近になって暴れだしたからもう我慢ならねえ」

ファイバーマン「好き勝手にウラを壊し回る輩には制裁を加えなきゃあならねえな!」

パイルマン「よし、3対1だな」

ファイバーマン「あ? 誰が共闘するって言ったよ?」

ファイバーマン「あいつは俺1人で十分だ、下がってろ!」

「ガアッ!」

ガガガガッ

ファイバーマン「……何ぃ、こいつは……」

アウロラ「アイスシールド!」

ガキィンッ

アウロラ「……今の攻撃、全方向から来てかわせなかったでしょ」

ファイバーマン「……」

アウロラ「1人で戦うのは無理よ」

アウロラ「3人で協力するべき」

ファイバーマン「……ちっ、仕方ねえな」

パイルマン「よし、行くぞ! オペレート頼む!」

勝斗「任せろ!」

勝斗「バトルオペレーション、セット!」

パイルマン「イン!」

ファイバーマン「ところでよ、あいつは何者なのか知ってるか?」

アウロラ「……あいつは昔、デリートされたはずの亡霊」

アウロラ「名前は……アルティメットマン!」

アルティメットマン「データ、クワセロ!!」


~バトル開始~
パイルマン・アウロラ・ファイバーマンVSアルティメットマン

今回はここまでですー

どもです、続き投下していきます

アルティメットマン「デストロイ、ビーム!」カッ

ドゴオオオオオン

パイルマン「くっそ、近づかなきゃ始まんねえのに、このビームは厄介だな」

ファイバーマン「接近は任せな!」シュバッ

アルティメットマン「!」

ファイバーマン「俺の動きが捉えられるかァ?」

アルティメットマン「クアッド・ブレイズ……!!」カッ

ファイバーマン「さっきの全方向攻撃か」

ファイバーマン「同じ技には何回も当たんねえよ!」スッ

ファイバーマン「くらえ! ファイバーストリング!」

ガガガッ

アルティメットマン「ッ!」

アウロラ「ケーブルによる刺突攻撃か、しかし……」

アルティメットマン「……」

ファイバーマン「何、効いてないだと!?」

アルティメットマン「……ヒュージ・アックス!!」ブンッ

ファイバーマン「やべっ……!」

アウロラ「ブリザード!」

ガキィンッ

アルティメットマン「!」

セラス「凍らせて動きを止めた!」

勝斗「次は俺達だ! 粉々に砕いてやれ!」

パイルマン「くらいな、パイルバンカー!」

ズドンッ!!

アルティメットマン「グウウウッ……!」

パイルマン「これなら効いたはず……」

アルティメットマン「ガアッ!!」

カッ

パイルマン「うおわっ!?」

ファイバーマン「ぬあっ!?」

アルティメットマン「グググ……」

パイルマン「今の一撃でも大したダメージじゃねえのかよ」

アウロラ「……おそらく、過度に取り込んだデータがシールドになってるのね」

アウロラ「だから、いくら攻撃してもあいつ自身にはダメージが通らない」

パイルマン「そうは言ってもよ、あいつ周りのデータをどんどん取り込んでるじゃねえか」

アルティメットマン「グゴゴゴ……データ、クワセロ……」

ズズズ……

ファイバーマン「そういやなんなんだ? あの片っ端からデータを取り込む能力は?」

アウロラ「……あれはゲット・アビリティ・プログラムによるものよ」

パイルマン「なんだそりゃ?」

アウロラ「詳しく説明する暇は無いわ……!」

アルティメットマン「グオオ……メテオ・レッド・サン、ブルー・ムーン・レイッ!!」

パイルマン「!!」

ドゴオオオオオン!

アウロラ「うぐっ!」

ファイバーマン「くっ!」

勝斗「おい、今のってギガチップだろ!?」

勝斗「なんであいつが使えるんだ!」

セラス「……それもゲット・アビリティ・プログラムによるものだ」

アルティメットマン「グガガ……メテオ・ナックル!」

ズガガガッ!!

ファイバーマン「ぬうう!」

パイルマン「おい、なんでこんなに連発出来るんだよ!」

ファイバーマン「どうすりゃいいんだ、キリがねえぜ!」

セラス「……策はある」

勝斗「あるのか? どんな?」

セラス「……説明する時間は無い」

セラス「ただ、時間を稼いでくれれば何とかする!」

勝斗「……しゃーねーな」

ファイバーマン「時間を稼げばいいんだな?」

ファイバーマン「ファイバーストリング!」バッ

ガシッ

アルティメットマン「グ……!」

ファイバーマン「縛りつけてやったが……」

アルティメットマン「オオオオオオ!」グググ

ファイバーマン「くうっ! なんてパワーだ! 抑えきれねえ!」

アルティメットマン「ガアッ!」ブチィ

ファイバーマン「くそっ」

アウロラ「ブリザード!」

ガキィンッ

アルティメットマン「ググッ」

アルティメットマン「オオオッ!」バリィンッ

アウロラ「凍らせてもダメか……!」

勝斗「……だったら、これならどうだ!」

勝斗「チップ転送!」

パイルマン「ドリームオーラ・バンカー!」

バシュンッ

アルティメットマン「?」

パイルマン「そして、サンクチュアリ・バンカー!」

バシュッ

ファイバーマン「はあ? あいつにドリームオーラを纏わせてどうすんだよ」

アウロラ「しかもホーリーパネルまでつけて」

パイルマン「まあ見てな」

アルティメットマン「……デストロイビーム!」

ガキィンッ!

アルティメットマン「!?」

アウロラ「攻撃がオーラの内部で打ち消された?」

勝斗「オーラを逆向きに纏わせたのさ!」

勝斗「普通は外からの攻撃を遮断するが、これなら内からの攻撃を遮断する!」

勝斗「これでオーラが破られるまでは時間が稼げるぜ!」

アルティメットマン「ググッ……オオオオオオ!!」バンッバンッ

パイルマン「ホーリーパネルで耐久性は2倍だ! そう簡単に破るこたあできねえぜ!」

アルティメットマン「……オオオ」

ズズズッ

パイルマン「ってあれ? なんでホーリーパネルが消えて……」

アウロラ「……いけない!」

アルティメットマン「……ホーリー・ドリーム!!」

バリィンッ!

パイルマン「んなっ!?」

ドオオオオンッ!!

ファイバーマン「くっ、リフレクター!」

ガキィンッ!

ファイバーマン「ぬあっ!? なんて衝撃だ……!」

パイルマン「くそ、オーラが破られたか……」

アルティメットマン「データ……ヨコセ……」

アウロラ「あれだけギガチップを連発しておいて、疲れも見せないなんて……」

ブゥンッ

光流「セラス! 準備は整った!」

勝斗「えっ、父さん?」

光流「なっ、勝斗!? なぜここに!」

セラス「博士、話は後です!」

光流「っと、そうだな……」

光流「今から例のプログラムを起動する!」

セラス「了解です!」

ファイバーマン「俺達は何すりゃいいんだ?」

光流「何、簡単さ」

光流「……俺の合図で、ありったけを叩き込め!」

パイルマン「へっ、分かったぜ!」

セラス「アウロラ、撹乱を頼む!」

アウロラ「了解」

アウロラ「ノーザンライト!」

カッ

アルティメットマン「……!?」

アルティメットマン「視界ガ、ユガム……!?」

セラス「今です!」

光流「よし! データオーバー、起動!!」

ズガガガッ!!

アルティメットマン「ガアア、ガ!?」

パイルマン「な、なんだ!?」

ファイバーマン「これは……データの波?」

アルティメットマン「ガッ、グッ……!?」

セラス「動きが鈍くなった!」

勝斗「これは一体……」

光流「今だ! 叩き込め!」

勝斗「お、おう! チップ転送!」

アウロラ「フロストドリル!」

ファイバーマン「ブリッツランス!」

パイルマン「パイルバンカー!」

ズドンッッッ!!

アルティメットマン「ウガアアアアアアアアア!?」

ファイバーマン「しゃあ! これは効いただろ!」

アウロラ「かなりのダメージになったはず……」

アルティメットマン「……グググ……」

アルティメットマン「データ……データアアアア!」

パイルマン「んなっ、あれだけの攻撃を受けて、まだ動けるってのか!?」

光流「だがあいつは満身創痍だ、早くトドメを……」



「ハンタークロー!」

ズバンッ!

アルティメットマン「ガハッ……!?」

アウロラ「!?」

ファイバーマン「鳥型のナビ……!?」

「クルルル……貴様らのおかげで手間が省けたぞ」

パイルマン「何?」

「こうして……簡単にプラネットデータを手に入れられたからな!」

セラス「なっ!? アルティメットマンからもぎ取ったのか!?」

光流「アルティメットマンと一体化していたものをどうやって……いや、その右腕……」

「気付いたか、俺の右腕にはゲット・アビリティ・プログラムの一部が組み込まれてある」

アルティメットマン「ガ……アアァァァ……」

「ふん、所詮はプラネットデータのおかげで残骸から復活した、自我も無い亡霊だな」

「こうしてプラネットデータを奪い取ったら、ただ消えていくだけか」

勝斗「お前は一体……」

「……俺の名はホークマン」

ホークマン「ゾディアックの特別遊撃部隊隊長であり、そして……」

ブゥンッ

アイザック「この俺のナビだよ」

光流「……アイザック!!」

アイザック「久しいな……二門光流!!」

光流「今回のアルティメットマンも、お前の仕業か?」

アイザック「いや、これに関しては俺は関与していないさ」

アイザック「こうしてわざわざプラネットデータを回収しに来ているのだからな」

セラス「……やはりそれの回収が目的か」

パイルマン「ん? あれって……」

アイザック「そういうお前は、やはり光流と共に俺に刃向かうのだな、セラスよ」

セラス「……父さん」

勝斗「(……話についていけねえ)」

アイザック「それにしても、このプラネットデータはやはり素晴らしいな」

アイザック「これ一つだけで、アルティメットマンほどのナビを不完全とはいえ、残骸データから復活させるのだからな」

アイザック「これが9つ全て揃った時には……ククク」

光流「……それが最後の一つ、だったな」

アイザック「そういうことだ……となれば、次の俺の目的が分かるな?」

アイザック「科学省に厳重に保管されていることは知っているぞ」

光流「……」

アイザック「近いうちに奪いに……いや、返してもらうぞ、コアデータを!」

光流「……あれだけは渡すわけにはいかない」

アイザック「クク、せいぜい対策してるといいさ」

アイザック「ホークマン、プラネットデータを持ち帰るのだ」

ホークマン「はっ!」

ファイバーマン「待ちな!」

ファイバーマン「何の話かなんざ知ったこっちゃねえが、これ以上ウラで暴れてもらっちゃあ困るな!」

ファイバーマン「プラネットデータだったか? そいつを持ってかれたら嫌な予感がすんだよ」

ファイバーマン「置いてってもらうぜ!」

ホークマン「……」

アイザック「丁度いい機会だ、お前の実力を知ってもらおうじゃないか」

ホークマン「了解しました」

ファイバーマン「くらえ、ファイバーストリング!」

ホークマン「ふん」

ガキンッ

ファイバーマン「防いだ!?」

ホークマン「それなりのスピードを持つようだが……見切るのは簡単だな」

ファイバーマン「ならこれでどうだ!」シュバババッ

パイルマン「ケーブルを周りに刺した?」

ファイバーマン「デンコウセッカ!」バッ

ホークマン「ほう……」

アウロラ「ケーブルを通して高速移動しているのね」

ファイバーマン「この攻撃が見切れるか! オラァ!」

ホークマン「……」

ホークマン「フェザースロー!」バッ

ザシュッ

ファイバーマン「ぐあっ!?」

ファイバーマン「み、見切られた、だと……!?」

パイルマン「なんだあいつ……両足を正確に狙って攻撃しやがった」

ホークマン「足をやられては自在に動けまい」

ホークマン「まあ、そうしなくとも、デリートするだけなら足を狙うより簡単だったがな」

ファイバーマン「……クソが! ファイバーストリング!」バッ

ホークマン「無駄なあがきを……」サッ

ホークマン「フェザーストーム!」

ズガガガッ!

ファイバーマン「がはっ!?」

ホークマン「こんなものか」

アウロラ「こんなにあっさり……」

アイザック「そのくらいで充分だろう」

アイザック「ホークマン、プラネットデータを持って帰還するのだ」

ホークマン「はっ!」

ピシュンッ

アイザック「これであと、コアデータさえ手に入れば、あの時のプログラムを再び作ることが出来る」

アイザック「光流、次に貴様と合う時は、破滅が始まる時だ!」

プツンッ

光流「……アイザックめ……」

勝斗「なあ父さん、何がなんだかさっぱり分からないんだけど……」

セラス「……どうします?」

光流「勝斗……」

光流「お前だけは巻き込むわけにはいかない」

光流「だから、話せない」

勝斗「……この後に及んでそれか」

勝斗「どうしてもダメか?」

光流「すまない……」

勝斗「……」

セラス「……相手が相手だ」

セラス「一般市民は大人しく退いてくれ」

勝斗「……そうかよ」

勝斗「パイルマン、プラグアウトだ」

パイルマン「勝斗、いいのか?」

勝斗「話す気が無いんだから、しょうがねーだろ」

パイルマン「はいよ」

ピシュンッ

アウロラ「……」

ファイバーマン「……ぐっ」

アウロラ「手当、いる?」

ファイバーマン「いらん、ツバつけときゃ治る!」

アウロラ「そう……」

ファイバーマン「次は面倒事をウラに持ち込んでくるんじゃねーぞ!」

ファイバーマン「あばよ」

ピシュンッ

アウロラ「……」

セラス「アウロラ、僕達も戻ろう」

アウロラ「了解」

勝斗「……ふう、今日は疲れたな」

パイルマン「本当によかったのか?」

勝斗「いいんだよ、今は」

勝斗「それに、聞こうと思えばいつでも聞けるさ」

勝斗「あの鳥ナビが持ってったデータ……」

パイルマン「ああ、あれか」

パイルマン「あれ、病院でバッタ野郎が落としたものと同じだったな」

勝斗「これを持ってれば、いつかは知ることができるさ」

勝斗「そもそもの話、父さんも一緒にいた奴も、俺の実力を信用してないみたいなんだよな」

勝斗「だから、俺にも戦える力があるってことを、証明してやるんだ」

パイルマン「証明? どうやって?」

勝斗「うってつけの機会が、もうすぐあるだろ?」

パイルマン「……なるほどな!」

勝斗「……全国大会、優勝してやるのさ!」

メインキャラリストNo.026

アルティメットマン
ウラインターネットの奥地で暴れているナビ。
ゲットアビリティプログラムが搭載されており、ウラに流れ着いているデータをメモリ容量の許す限り何でもかんでも取り込んでいる。
以前にデリートされたが、ウラに漂流した残骸データがプラネットデータを取り込み、精神が壊れていながらも復活した。
ギガチップのデータをも取り込んでおり、無差別に連発する。
他にも全属性の攻撃とか破壊光線とか、わりと何でもあり。


メインキャラリストNo.027

アイザック・スィニエーク
悪の組織『ゾディアック』の首領。例によって天才科学者。
プラネットデータを集めて究極破壊プログラムを作り、世界の破壊を目論む。

ホークマン
鳥型ナビ。
非情な性格で、主であるアイザックの命令に忠実に従う。
背中の翼で縦横無尽に飛び回り、あらゆる角度から攻撃を仕掛ける。
ゲットアビリティプログラムの一部を組み込まれており、相手のチップデータを奪い取って使用することが出来る。

今回はここまでです
>>227あたりで言っていたオリナビがやっとこさ出てきました

どもです、続き投下します

維音「……うーん」

維音「町内大会の予選、本当に突破しちゃうとは思わなかったなあ……」

ノエル「私もびっくりしたよー……」

松姫「おーっす」

松姫「予選、どうじゃった?」

維音「うん、突破できたよ」

松姫「おお! やったの!」

維音「松姫ちゃんは?」

松姫「ワシはもちろん、余裕の突破じゃ!」

モノノフマン「某の障害には至らず!」

維音「そうなんだ! おめでとう!」

REIJI「UUMMM……」

維音「あ、REIJIさん」

維音「予選、どうでした?」

REIJI「あと1歩ってところでダメだったYO……」

松姫「むむ、そうなのか……」

REIJI「あと1勝ってトコまで行ったんだけどねえ……」

REIJI「君達と同じくらいの女の子が相手だったんだけど、すごく強かったんだよNE」

松姫「ふむ?」

維音「どんな子なんだろ?」

瑠奈「…………」

維音「あ、瑠奈ちゃん」

松姫「おヌシはどうじゃった?」

瑠奈「……」

瑠奈「選手登録……してなかった……」

維音「あっ……」

松姫「あっ……」

………………

プルルルルル

勝斗「もしもし」ピッ

維音「あ、もしもし、勝斗?」

勝斗「おー、維音か」

維音「あのね、私町内大会の予選突破したんだ!」

勝斗「マジで? やったじゃん!」

維音「ありがとう!」

勝斗「しかしなんだ、お前も強くなったよなあ」

維音「そうかな?」

勝斗「まあ? 俺の方がまだ強いけどな?」

維音「ふふ、調子に乗ってると足をすくわれるよー」

維音「もうすぐ全国大会なんだから、気を引き締めなきゃね」

勝斗「……ああ、そうだよな」

維音「うん、そういうわけだから全国大会の応援には行けないけれど、頑張ってね」

勝斗「おう、お前も町内大会頑張れよ」

維音「うん、じゃあねー」プツッ

勝斗「ふう……ほんとに頑張らなきゃな」

勝斗「そしたら、セラスって言ったか? あいつをギャフンと言わせて、父さんもついでにゲフンと……」

プルルルルル

勝斗「あ、また電話? もしもし」ピッ

勝斗「……あーお前か、なんか久しぶりだな、あ、そうでもない?」

勝斗「…………」

勝斗「えっ、お前も?」

町内大会 本戦当日



維音「勝斗は今頃全国大会の会場に向かってる頃かな」

維音「……よし、私も頑張ろう!」

ノエル「う、うん、自信無いけど頑張るよ」

瑠奈「えっと……本戦って、8人のトーナメント戦、だったよね」

松姫「ふむ、誰と当たるのかは分からない仕組みになっておるようじゃな」

ジョー「ふっははは! お前も予選突破したようだな!」

維音「あ、ジョー君」

ジョー「親同士の争いとはいえ、そして女相手とはいえ、戦うのであれば容赦はしない!」

ジョー「さあ勝負だ!」

維音「いやあの、戦うのはトーナメントで当たった時に……ね?」

ゼブル「ジョーはいつもせっかちなんだから」

モノノフマン「……」ウズウズ

松姫「静かにしておるのだぞ、おヌシが叫ぶとうるさくてかなわん」

モノノフマン「わ、分かっておりますとも!」

松姫「で、誰?」

ジョー「俺はジョー・ロースー! チンジャオ拳法の使い手にしてこの大会で勝利を……」

スタッフ「出場者は準備お願いしまーす!」

維音「あ、はーい!」

松姫「よし行くか!」

ノエル「こうなったら、頑張るしかないね!」

モノノフマン「滾ってきたぞおお!」

瑠奈「み、みんな、頑張って、ね……」



ジョー「…………」

ジョー「聞けよ! そっちから聞いてきたんだろ!」

維音「それで……私の相手って、あの人かな?」

鈴「……んー」モグモグ

ノエル「焼きそば食べてる……」

維音「あれ出店の焼きそばだね」

鈴「もごっ?……んっ」スッ

維音「あ、待ってほしいんですね、はい」

鈴「……ごくんっ」

鈴「やーやー、おまた!」

鈴「キミがアタシの対戦相手かな?」

維音「そうみたいです」

鈴「アタシ神来 鈴、巫女さんやってるんだー」

維音「巫女? あー、神来神社の?」

鈴「そそ!」

維音「私は掘田 維音です」

鈴「あーあー! チップショップのトコの?」

維音「あ、知ってるんですか?」

鈴「うん、チップトレーダー置かせて貰ってるからねー」

キュウビマン「もごもご」モグモグ

鈴「ほらキュウビマン! 時間だよ! いつまで食べてんの!」

キュウビマン「待たれい! 今すごく丁度良い温度なのだ」モグモグ

鈴「はあ……ごめんねー、もう少し待って」

維音「は、はあ……」

キュウビマン「……」モグモグ

ノエル「(……おいしそう)」

キュウビマン「……ふう、やはり肉まんも旨いな」

鈴「大丈夫?」

キュウビマン「お待たせいたした、いつでも」

鈴「よし! じゃあ始めよっか!」

維音「あ、はい、ノエルは大丈夫?」

ノエル「う、うん!」

ノエル「(食べてる姿見てたら小腹が空いたなんて言えないよぉ)」

維音「じゃあ、バトルオペレーション、セット!」

ノエル「イン!」

鈴「キュウビマン、やっちゃってー!」

キュウビマン「いざ、推して参る!」

今回はここまでです

どもです、続き投下していきます

~バトル開始~

ノエルVSキュウビマン



キュウビマン「では、早速」

キュウビマン「いでよ、シキガミ!」

ボンボンッ

シキガミ1「こんっ」

シキガミ2「こふっ」

ノエル「召喚!?」

キュウビマン「ゆけ! キツネビ!」

シキガミ1「かっ!」

シキガミ2「ふぁっ!」

ボオッ

ノエル「うわっ!?」

維音「チップ転送!」

ノエル「アクアタワー!」

バシャアッ

キュウビマン「ふむ、炎を打ち消すか」

維音「放っておいたら厄介だよね」

ノエル「マジカルロッド・ワイドソード!」

ズバッ!

シキガミ1「がっ!?」

シキガミ2「ごっ!?」

キュウビマン「むっ」

ノエル「マジカルアロー!」

キュウビマン「オフダシールド!」バッ

ガキィンッ

ノエル「防がれた!」

キュウビマン「そして、シキガミ!」

ボンボンッ

シキガミ3「ふるるっ」

シキガミ4「ばうっ」

ノエル「これキリが無いよ!」

維音「……キュウビマン自身はあまり動かない」

維音「なら一気に近づく!」

維音「チップ転送!」

ノエル「エリアスチール!」バシュンッ

キュウビマン「ぬっ」

ノエル「マジカルロッド、ジャベリン!」バッ

キュウビマン「むうっ!」サッ

ノエル「かわされた!」

キュウビマン「ゆけっ、シキガミ!」

維音「すかさず反撃! チップ転送!」

ノエル「エンゲツクナイ!」

ズバァンッ!

シキガミ3「!?」

シキガミ4「こふぅ!?」

キュウビマン「くっ!?」

鈴「やるじゃーん!」

鈴「だったらこれはどう?」

キュウビマン「はああ、シキガミブンシン!」

ボンッ

キュウビマンA「……」

キュウビマンB「……」

キュウビマンC「……」

ノエル「えっ、増えた!?」

鈴「チップ転送ー!」

キュウビマンA「ヘルズバーナー!」

キュウビマンB「ヘルズバーナー!」

キュウビマンC「ヘルズバーナー!」

ノエル「嘘ぉ、三人同時に!?」

ボオオオッ!

ノエル「きゃああ!?」

維音「ノエル!?」

ノエル「あつ、あつつ!」

維音「大丈夫?」

ノエル「な、なんとか……」

維音「(……ん? ダメージは一発分みたい)」

維音「(分身の攻撃は幻ということね)」

維音「(とすれば……)」

維音「これを試してみて、チップ転送!」

ノエル「これ? えーと」

ノエル「フウジンラケット!」ブンッ

ビュオオオオ!

キュウビマンB「うお!?」

キュウビマンC「ぬああ!?」

ボンボンッ

ノエル「御札に戻った!」

キュウビマン「なんと!?」

維音「やっぱり!」

維音「分身二体の攻撃が幻なら、本体自身も幻」

維音「幻ということは、変身させた御札はそのまま」

維音「御札なら、風で飛ばせると思ったんだよね!」

鈴「わちゃー、こんな早く見破られるなんてねー……」

維音「このまま行くよ! チップ転送!」

ノエル「ダッシュアタック!」ズドンッ

鈴「このままやられないよ!」

キュウビマン「テイルファン!」

ビュオオオオ!

ノエル「うわっ!?」グラッ

維音「ええ! 尻尾を回転させて風を起こすの!?」

ノエル「わひゃっ」ドテッ

鈴「体制を崩してる今に決めるよー!」

キュウビマン「承知! はああ!」ボオッ

維音「尻尾に炎が!」

キュウビマン「奥義を受けよ! ツクモホムラ!!」

ボオオオッ!

ノエル「わわっ!?」

キュウビマン「試合故に火力は抑えた、だが戦闘不能にするには充分な火力だ」

鈴「これでしゅーりょーってね!」

維音「……いや、まだだよ! ノエル!」

ノエル「マジカルロッド・チェーンシックル!」

鈴「鎖鎌?」

ノエル「てやあ!」ブンッ

キュウビマン「上? どこを狙って……なっ!?」

ノエル「よいしょっ」スタッ

キオルシン「……」フワフワ

鈴「上空にキオルシン!?」

キュウビマン「先程のダッシュアタックの時のか……!」

ノエル「えへへ、鎖で引っ張ってもらって、上に逃げることが出来たよ」

維音「このまま反撃!」

ノエル「いっけー! 急降下ダッシュアタック!」

鈴「やばっ、防御、防御!」

キュウビマン「うおっ、間に合わ……」

ドゴンッッ!

キュウビマン「ぐはあああ!?」

キュウビマン「む、無念……」ガクッ

ノエル「やった勝った!」

鈴「うっそー、負けちゃったー……」

維音「一回戦突破だね!」

鈴「うへー、悔しいー!」

鈴「こうなったらヤケ食いしてやるー!」

鈴「まずは屋台の焼き鳥食べまくる! うおー!」

鈴「そういうわけなんで、次の試合も頑張ってねー、じゃ!」スタスタ

維音「あ、行っちゃった」

今回はここまでです

どもです、続き投下していきます

ジョー「ほう、一回戦は突破したみたいだな」

維音「まあ、なんとかね」

ジョー「ま、俺も余裕だったぜ!」

松姫「ぬぬぬぬ……」

維音「松姫ちゃんはどうだった?」

松姫「負けてしもうた……」

維音「あー、残念だったね……」

松姫「ワシと同じくらいの女子が相手だったのだが、手強い相手でのお」

松姫「モノノフマンの猛攻を掻い潜って的確に攻撃してきおった」

維音「そうなんだ……どんな相手なんだろ?」

スタッフ「準備お願いしまーす!」

維音「あ、はーい!」

ジョー「ん? どうやら俺の次の相手はお前じゃないみたいだな」

ジョー「だとすれば、お前と戦うのは決勝戦なわけだな!」

ジョー「さあ勝ち上がってこい! 俺は全力で迎え撃つぞ!」

松姫「維音ならもう行ってしまったぞ?」

ジョー「…………」

維音「えーと、次の相手は……」

弾「おんや、維音ちゃんが相手っすか」

維音「え、弾さん?」

維音「弾さんも大会に出てたんですか?」

弾「そっす、店長に出ろ出ろ言われたもんで、ヤハハ」

維音「ええー、そっちジョー君と弾さんの2人で大会に出てるの?」

維音「なんかずるくない?」

ノエル「うちの店長だったらガミガミ文句言うところだよね」

ノエル「2対1じゃねーかー! って」

弾「そんなこと言われても……」

維音「まあ私はいいんですけど、手加減してくださいね」

弾「そりゃ無理っす、後で店長に怒られるっす」

弾「こちとらバイトの身なもんで色々と切羽詰ってるんすよ」

維音「……な、なんか大変そうですね」

弾「そういうわけなんで、手抜きはしないっすよ」

バスターマン「叩きのめしてやるぜ!」

ノエル「う、うーん、弾さん、ネットバトルは強い方だからなあ……」

維音「まあ、行けるとこまで頑張ろう!」

維音「バトルオペレーション、セット!」

ノエル「イン!」

弾「さあ行くっす、バスターマン!」

バスターマン「よっしゃ、行くぜ!」


~バトル開始~

ノエルVSバスターマン

弾「ガンガンいくっす!」

バスターマン「ラピッドマックス!」ガガガッ

ノエル「きゃあ!?」

維音「いきなり激しいわね……」

バスターマン「ヨーヨーシュート!」

ノエル「わったった!?」サッ

維音「この距離だとこのまま削られるだけね」

維音「なんとか近付かないと! チップ転送!」

ノエル「カースシールド!」キンッ

バスターマン「うおっ!?」サッ

維音「今! 一気に距離を詰めて!」

ノエル「わかった!」

弾「近づいたところで、簡単にやらせないっす!」

バスターマン「バスタードソード!」ブンッ

ノエル「うっひゃあ!?」サッ

バスターマン「間一髪でかわしたか」

維音「剣も持ってるのかあ……」

弾「遠近共に隙は無いっす!」

維音「隙が無いなら、作っちゃえ!」

維音「チップ転送!」

ノエル「ブラインド!」カッ

バスターマン「ぬあっ!?」

ノエル「よし!」

弾「とりあえず振り回すっす!」

バスターマン「バスタードソード! 当たれー!」ブンブン

維音「やみくもに振り回しても当たらないって」

ノエル「マジカルロッド・チェーンシックル!」ガシッ

バスターマン「ぬぐ、剣が……」

維音「よし、チップ転送!」

ノエル「ドリルアーム!」ガガガッ

バスターマン「ぐああ!?」

弾「敵は目の前にいるっす!」

バスターマン「ぐっ、そうか! ボムショット!」ズドンッ

ノエル「胸から!?」

ドゴォンッ

ノエル「きゃあ!?」

維音「胸から爆弾が!?」

弾「バスターマンは体中に武器を仕込んでるっすからね」

弾「そういう意味で死角は無いっす!」

バスターマン「おらおらどうした! ラピッドマックス!」ガガガッ

ノエル「くっ……」

バスターマン「うおおお!」カチッ

バスターマン「……あれ?」カチッカチッ

弾「どうした?」

バスターマン「やっべえ、弾切れだ!」

弾「ええ!?」

維音「よくわからないけど、チャンスみたい!」

ノエル「わかった!」

バスターマン「ええい、弾が切れたのはバスターだけだ!」

バスターマン「ロックミサイル!」ズドンッ

ノエル「さっきの弾幕と比べたら、簡単にかわせる!」サッ

バスターマン「ちっ、バスタードソード!」ブンッ

維音「チップ転送!」

ノエル「ブレイクハンマー! おりゃあ!」ブンッ

バキィッ!

バスターマン「あーっ!? 剣が!」

維音「トドメ!」

ノエル「マジカルロッド・ロングソード!」

ザシュッ!

バスターマン「ぐううう!?」

弾「こうなったら一か八かっす!」

バスターマン「み……ちづれだ! 全弾発射、フルバースト!」ズガガガッ

ノエル「きゃああ!?」

維音「ノエル!?」

バスターマン「ぜえ、ぜえ……もう撃ち出せるものが無いぜ……」

ノエル「うぐ……」

弾「お互いに満身創痍っすか……」

ノエル「もう、立ってるだけでやっとだよぉ……」

弾「こうなりゃもう殴り合いしかないっす!」

弾「気力の勝負っすよバスターマン! 突っ込め!」

バスターマン「この野郎、ヤケだ! 行くぞおらァ!」ダッ

ノエル「マジカルアロー!」バシュッ

ブスッ

バスターマン「はぎゃっ」ドサッ

弾「ああああっっ!? バスターマーーン!」

維音「こっちにまだ飛び道具があって助かったね……」

ノエル「殴り合いになってたら、正直勝てなかったよ……」


~バトル終了~

弾「うわああ、負けちまったっす……」

弾「店長にどやされる……」

維音「流石に苦戦したね……」

ノエル「正直、危なかったよ……」

弾「しかしまあ、維音ちゃんもすごく強くなったっすね!」

弾「自分ビックリっす!」

維音「そ、そうかな?」

弾「これなら勝斗君といい勝負ができるんじゃないっすか?」

維音「ええっ? そ、そんなことは無いと思うけれど」

弾「ま、あっちは全国大会に出てるっすからね」

維音「うん」

維音「(勝斗も大会、頑張ってるかな?)」

今回はここまでです
書き始めてからもうすぐ半年かあ、よく続いたもんだ

いけない、筆が進まない……
お茶濁しに土曜日に番外編を投下しようと思います

土曜日に投下(いつの土曜日とは言ってない)
あかんな……とにかく番外編を投下します

※本編とは一切の関係がありません



ウリ子「桜花ウリ子の!」

ウリ子「突撃電脳クッキングー!」

カウントマン「よし、時間通りのスタートだ」

ウリ子「今日のシェフは、コックマンさんでーす!」

コックマン「なあ、その……大丈夫なのか?」

ウリ子「何がですか?」

コックマン「えっとだな、出る場所を間違えたというか、フライングというか……」

ウリ子「何を言ってるのかよく分からないのでスルーします!」

コックマン「あ、そう……」

ウリ子「そして材料調達係は私のナビ、カウントマン!」

カウントマン「うむ、時間通りに材料を取ってこよう」

カウントマン「して、料理人よ、献立は?」

コックマン「今回はシーフードカレーだ」

カウントマン「シーフードカレー! なるほど聞いただけで旨そうだ」

コックマン「なんというか、材料はほぼ揃っているんだが、一つだけ足りないのだ」

コックマン「カウントマンにはそれを取ってきてもらいたい」

カウントマン「ふむ、その足りない材料とは?」

コックマン「イカだ!」

カウントマン「イカ!」

コックマン「カウントマンには、ぜひイカを取ってきてほしい!」

カウントマン「承知した!」

コックマン「では、とってくる間に、私は下準備を整えておくとしよう」

カウントマン「聞いたかウリ子よ、イカが足りないようだ」

ウリ子「分かった! スーパーで買ってくるね!」

カウントマン「馬鹿者! 現実世界で買ってどうする!」

カウントマン「タイトルコールしただろ! 電脳クッキングだぞ!」

カウントマン「イカも電脳世界で探すのだ!」

カウントマン「こんな説明をさせるのに時間を使わせるな!」

ウリ子「うっひゃー、ごめんなさい! 今日のカウントマンは一段と厳しい!」

カウントマン「さて、イカを探すのだが手がかりが無いな」

カウントマン「このまま探しても時間の浪費だ、まずは移動する足が欲しいな」

ウリ子「足なら、あそこにちょうど良さそうなナビがいますよ!」

ニトロマン「ブロロン? なんだおめーら」

カウントマン「ほう、バイクか! これは丁度いい」

カウントマン「そこのあなた、バイクとしてしばし私に使われなさい」

ニトロマン「はあ? 何言ってんだお前?」

ウリ子「ダメみたいですね!」

カウントマン「時間が惜しい、力づくにでも従ってもらう!」

ニトロマン「ちょっ、ええっ!? 何なんだよマジで!」


~バトル開始~

カウントマンVSニトロマン

ニトロマン「クソが! かかってくるんなら容赦しねえ!」

ニトロマン「オイルアバランチ!」

カウントマン「おっと、油を飛ばしてくるとは」サッ

ウリ子「その油、料理に使えませんか!」

カウントマン「アホ、これガソリンだぞ」

ニトロマン「ホイールブレード!」ブンッ

カウントマン「なんの、カウントガード!」ガッ

ニトロマン「あぁ? なんだそいつは」

カウントマン「こいつに数字がついているだろう」

カウントマン「この数字によって……反撃の技が変わる!」

カウントマン「カウント1! ショックカウンター!」

バチィッ!

ニトロマン「ぐあっ! クソ……」ビリビリ

ウリ子「よっし! チップ転送!」

カウントマン「カウントボム!」ドンッ

ニトロマン「ぐっ……麻痺が解けたらソッコーぶっ壊して……」

カウントマン「タイムアドバンス!」

カチッカチッカチッ

ニトロマン「うわっ、カウントダウンがはええ!?」

カウントマン「私はカウントする時間を早めることが出来るのだ」

カウントボム「カチッ」

ドゴンッッ!

ニトロマン「ぎゃあああ!?」


~バトル終了~

カウントマン「私の勝ちだ! 私に従ってもらうぞ!」

ニトロマン「ぐぐぐっ……誰がテメーなんかに!」

ステア「あら、別にいいんじゃないの?」

ニトロマン「ステア!? マジで言ってんのか!」

ステア「どうせ暇してたんだしいいじゃない、それに面白そうだし」

ウリ子「話はまとまりましたね!」

ニトロマン「……ちっ! 仕方ねーな」

ニトロマン「言っとくが乗せるだけだかんな! 運転まではさせてやんねーぞ!」

カウントマン「それで充分だ」

ニトロマン「で、どこに行けばいいんだ?」

カウントマン「イカが獲れる場所に行きたいのだが」

ニトロマン「イカぁ? どこで獲れるってんだよ」

カウントマン「うーむ、分からないか……」

ニトロマン「しゃあねえ! 知ってそうな奴を探すぞ!」

ニトロマン「全速力でいくぜ! 振り落とされねえようにしっかり捕まってな!」

ニトロマン「飛ばすぜオラァ!!」

ブオオオオオッッ!!

カウントマン「ぬおお!? かなりのスピードだァ……!」

…………


ニトロマン「おっ! 知ってそうな奴発見!」

シオル「はわわぁ!? だ、誰でしょうか……?」

カウントマン「ふむ、確かに知ってそうだな」

ウリ子「カウントマン、聞きこみ開始です!」

カウントマン「単刀直入に聞こう! イカが獲れる場所を知らないか?」

シオル「い、イカですか? うーん……」

シオル「……あ! そういえば」

ニトロマン「知ってるみたいだぜ!」

カウントマン「よし、力ずくでも聞き出すぞ!」

シオル「はわあっ!? た、戦うんですか!?」


~バトル開始~

カウントマンVSシオル

カウントマン「カウントセット!」

シオル「ううっ、あちらはやる気満々、みたいです……」

シオル「戦うしかありません!」

シオル「アナライズ!」ピピピッ

カウントマン「む? 一体何を……」

シオル「むむむ……あの3つのカウンターに攻撃したらいけないみたいです」

カウントマン「む!? 私の能力を調べたのか!」

シオル「カウンターには極力攻撃せずに、本体を狙います!」

シオル「シオリブーメラン!」バッ

カウントマン「ぐあっ」

シオル「? わざとくらったように見えますが……」

カウントマン「くっくく、3つのカウンターがあると分析しているが」

カウントマン「分析ばかりで、人のことをあまり見ていないようだな」

シオル「えっ? ……ああっ!?」

カウントマン「カウンターの一つは、本体の私についているのだ!」

カウントマン「カウント2! パニックカウンター!」

ボンッ!

シオル「ひゃああ!? く、くらくら、しますぅ……」

カウントマン「よし、トドメを……」

ニトロマン「ヒキニゲアタック!」

ドカッ

シオル「ひぎぃ!?」

ニトロマン「しゃあ! トドメ刺してやったぜえ!」

カウントマン「ぬうう、美味しいところを持っていかれたか……」


~バトル終了~

シオル「うう……ひ、ひどい目に遭いました……」

カウントマン「さて、知っていることを話してもらおうか」

シオル「ええと、イカ、でしたっけ」

シオル「イカなら、さっきあっちの方で見かけました」

ウリ子「よし、すぐに向かいましょう!」

ニトロマン「しゃあ! 乗り込みな!」

ガシッ

シオル「はわぁ!? 私も行くんですか!?」

ニトロマン「行くぜ! フルスロットル!」

ブオオオオオッッ!!

シオル「ひゃわわあああああ!?」

…………


ニトロマン「いたぜ! イカだ!」

カウントマン「ふむ、まさにイカだな」

シオル「は、速すぎて、き、気持ち悪い……ああ、あいつです」

クラーケンマン「ゲソ? なんなんだお前達は」

カウントマン「貴様を料理の材料として調達に来た!」

クラーケンマン「ゲソォ!? 何言ってるゲソか!?」

カウントマン「大人しくシーフードカレーとなるといい!」

クラーケンマン「なんだか分からんが、命の危機を感じるゲソ!」

クラーケンマン「そう簡単にやられるオイラ様じゃないゲソ! 返り討ちにしてやろうじゃなイカ!」


~バトル開始~

カウントマンVSクラーケンマン

シオル「アナライズ!」

シオル「地中から触手で突き刺してきます!」

クラーケンマン「テンタクルランス!」ズドド

カウントマン「下か! カウントガード!」

ガガガッ

カウントマン「一気にカウントが溜まったぞ!」

カウントマン「カウント3! ブラインドカウンター!」

ドゴンッ!

クラーケンマン「ゲソぉ!? ま、周りが見えないじゃなイカ……」

ニトロマン「ヒキニゲアタック!」

ドカッ

クラーケンマン「あぎゃあ!?」

ウリ子「勝ちました!」

シオル「……あ、あっという間、ですね……」


~バトル終了~

クラーケンマン「ぐへぇ」バタッ

ウリ子「これでイカを確保できましたね!」

カウントマン「よし、気絶している間に連れていくぞ!」

ニトロマン「しゃあ! しっかり押さえてろよ!」

ニトロマン「飛ばすぜ! トップギアあああ!!」

ブオオオオオッッ!!

シオル「や、やっぱり、速すぎますぅぅぅ……」

…………


カウントマン「料理人よ! イカを持ってきたぞ!」

コックマン「あーすまん、イカな、こっちの方で調達できたんだわ」

カウントマン「なっ……なんと!」

ウリ子「あちゃー、徒労でしたか!」

カウントマン「無駄足だったと言うのか」

カウントマン「俺に無駄な時間を使わせたというのか!!」

コックマン「すまないな」

ウリ子「カウントマン、落ち着いて」

カウントマン「ぐぬぬ……仕方あるまい」

コックマン「そして今、新たに問題が発生していてな」

カウントマン「聞こう」

コックマン「コンロが壊れているのだ、これでは調理できぬ」

コックマン「大火力が欲しい」

カウントマン「ふむ、大火力か」

ウリ子「ふっふっふ!」

カウントマン「どうしたのだウリ子」

ウリ子「実は私、スタッフさんから事前に聞いていました」

ウリ子「コンロがなんだか不調だと!」

ウリ子「なので私は万一のことを考えて、助っ人を呼んでおきました!」

カウントマン「おお! 流石はウリ子だ!」

カウントマン「して、助っ人とは?」

ウリ子「助っ人は、こちら!」

モノノフマン「はて、呼ばれたはいいのだが、某にどんな御用でござるか?」

シオル「はわぁ! 見るからに熱そうなナビさんです!」

ニトロマン「これは期待できそうだな!」

カウントマン「そこの熱そうな方! ぜひ協力をお願いしたい」

モノノフマン「協力でござるか?」

カウントマン「大火力が欲しい!」

モノノフマン「大火力でござるか!」

モノノフマン「よし、某に任せよ! このモノノフマン、立派に大火力を務めて見せましょうぞ!」

モノノフマン「んんんんんんん…………」

モノノフマン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ボオオオッ!!!

カウントマン「おお! すごい熱気だ!」

コックマン「申し分無い大火力だ! これで調理が進められるぞ!」

モノノフマン「お役に立ったようで、何よりでござるううう!」

コックマン「あ、弱火にしてくれ」

モノノフマン「あ、うむ」

…………


コックマン「出来たぞ! 渾身のシーフードカレーだ!」

ウリ子「どうやら料理が完成したようです!」

カウントマン「美味しそうな香りが漂ってきているな」

ウリ子「さて、ここでこの料理を試食していただく3人のナビの紹介です!」

ゼブル「これでも料理店のナビだからね、味にはうるさいわよ」

ジェントルマン「さあ、紳士たる私を唸らせることができるかな?」

キュウビマン「御託はいい! 早く食べさせるのだ!」

ウリ子「では三人それぞれに試食をしてもらいましょう!」

ゼブル「いただきます」

ゼブル「……! これは……」

ゼブル「程よい辛さのスパイス、弾力たっぷりで味が引き締まったエビとイカ」

ゼブル「野菜にはシーフードのエキスが染み込んでいてとても濃厚」

ゼブル「……美味しいわ、素晴らしいの一言に限る」

ウリ子「ゼブルさんはとても高評価です!」

ジェントルマン「いただこう……むむむむむむ!?」

ジェントルマン「この料理を作ったのは誰だあ!」

コックマン「私ですが」

ジェントルマン「誠に美味! 紳士である私が褒めてつかわそう!」

ジェントルマン「一流レストランで出されても遜色無い味である! 見事ッ!」

ウリ子「ジェントルマンさんも高評価!」

ウリ子「さて、残るキュウビマンさんは……」

キュウビマン「……ご馳走になった」

ウリ子「ああっ! 既に完食しています!」

ウリ子「して、感想は?」

キュウビマン「……」

キュウビマン「うまい!」

キュウビマン「うまい!!」

キュウビマン「うーまーいーぞーーー!!!」

ウリ子「素晴らしく高評価です!」

ウリ子「さて、ここまで協力していただいた皆さんにも食べてもらいましょう!」

カウントマン「これは! 美味しいな!」

ニトロマン「うめぇ! いくらでもいけるぜ!」

シオル「はっわー! 美味しいです!」

クラーケンマン「ふむ、美味いじゃなイカ……材料にされなくてよかった……」

モノノフマン「これがカレエ! 某、感服致した!」

ウリ子「あー、みんな美味しそうに食べてますね」

ウリ子「私も晩御飯はカレーにしましょう!」

カウントマン「あ、ウリ子、そろそろ時間だ」

ウリ子「どうやら時間のようです! また次週お会いしましょう!」

ウリ子「桜花ウリ子の! 突撃電脳クッキングでしたー!」


番外編おしまい

番外編終わりです、本編進めなあかんな……

保守

保守

保守

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