ピビピピ…… ピピピピ……ピピピピ……ピピピピ……
京子「ん、ぅ…………もう朝になっちゃったんだ…………あんまり眠れなかったのに」
京子「でももう起きないとダメだよね……そうしないとあかりちゃんに迷惑かけちゃう…………」
京子「あ、お母さんおはよう」
「おはよう京子、よく眠れたかしら?」
京子「う、ううん…… 緊張してあんまり眠れなかったの…………」
「あらあら。でも仕方がないのかもしれないわね。朝ご飯食べちゃいなさい」
京子「え、でも遅刻しちゃったら……」
「そんなわけないでしょ。まだ前々時間前よ。それに迎えに来てもらうんでしょう?」
京子「う、うん……あっ、でも制服の着方が分からないかも…………」
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「あんまり焦らないの。時間はあるからゆっくりと落ち着いても平気よ」
京子「う、うん……それじゃあ頂きます…………」
ピンポーン♪
京子「!?」
「あら、誰かしら? 京子はそこで食べてなさい」
京子「う、うん……」
京子(こんな朝早く誰だろう………… も、もしかして私が中学校に入学できないっていう知らせが…………)ガクガク
「京子、お客様よ」
京子「え、へ……?」
京子(そ、そんなぁ……やっぱり私が中学校に行けるだなんてなんかの間違い…………きっと先生とかが私は中学に行けないって言いに来たんだ…………)ジワァ
京子「う、うぅ…………」ポロポロ
あかり「おっはよー京子ちゃ……ってなんで泣いてるの!?」
京子「ふぇ……? あ、あかりちゃん……?」
あかり「ほ、ほら早くこのハンカチで涙を拭いて! このままじゃお味噌汁が塩辛くなっちゃうよぉ!」
京子「う、うん……ありがとうあかりちゃん」
「あらあら、この子ったらまた何もないのに泣き出したりして……」
あかり「どうしたの京子ちゃん? 中学校に行くのが怖くなっちゃったの?」
京子「う、ううん……そうじゃなくて実はね……………」
あかり「あっははは、そんなわけないよぉ。京子ちゃんはしっかりと中学生になれるから安心して」ニコッ
京子「う、うん………」
「この子はまた変な風に考えて1人で泣き出して…………」
京子「だ、だって凄く心配になったんだもん………」
あかり「うんうん、そうだよねぇ。あかりも1年前は不安で仕方なかったもん」
京子「あかりちゃんも不安だったの……?」
あかり「もちろんだよぉ。でもね、実際に学校に行ってみたらみんな優しくていい人ばっかりだったんだ。きっと京子ちゃんもすぐにお友達ができると思うよぉ」
京子「そ、そうかな…………」
あかり「うん! あかりが保証するよぉ。さ、そろそろ制服に着替えてきてね京子ちゃん」
京子「分かった、行ってくるねあかりちゃん」ニコッ
あかり「あははは、相変わらず可愛いなぁ京子ちゃんは」
「ごめんなさいねあかりちゃん。あの子昨日からあんな感じなのよ」
あかり「全然大丈夫です! 京子ちゃんはいい子ですから」
「ありがとうあかりちゃん。それとこんな事お願いしちゃって悪いんだけど」
あかり「え?」
「京子の事、よろしく頼むわね」ペコリ
あかり「はい、任せてください!!」
京子「ねぇあかりちゃん。学校に行ったらまずどんな事するのかな……」
あかり「最初は掲示板を見てクラスを確認してね、その後体育館で集会をするんだ。その後にクラスのみんなの前で自己紹介……」
京子「や、やだっ!」
あかり「へ?」
京子「み、みんなの前でだなんて嫌だよぉ…………怖い……」ウルッ
あかり「大丈夫だよぉ~ みんな緊張してるもん。京子ちゃんだけが怖がってるわけじゃないから!」
京子「でもぉ……」
あかり「大丈夫、あかりがついてるよ!」
京子「え、あかりちゃん私の自己紹介を手伝ってくれるの!」パァァ
あかり「さ、さすがにそれは無理かな……」
京子「あかりちゃん……あかりちゃんの自己紹介はどんな風にしたの…………?」
あかり「え…………………………」
京子「……あかりちゃん?」
あかり「え、えっとぉ…………」ダラダラ
京子「汗凄いよ?」
あかり「京子ちゃん! とりあえず自己紹介するときは絶対に普通にしなきゃダメだよ! 間違ってもウケ狙いとか狙っちゃダメだからね!」
京子「…………う、うん」
あかり(なんであかりあんな自己紹介しちゃったんだろぉ………… うう、いま思い出しても顔が真っ赤になっちゃうよぉ~)
京子「……………?」
ーーーーー
ーーー
ー
あかり「それじゃあ京子ちゃん、帰りのホームルームが終わったらさっき言った通りに中庭まで来てね」
京子「う、うん……… またねあかりちゃん…………」
京子(ど、どうしよう……あかりちゃん行っちゃった………… ここからひとりぼっちになっちゃうよ……)
京子(うぅ……緊張で足がすくむよぉ…………あ、あかりちゃん……)ウルッ
「どないしたん?」
京子「ひゃあ!!」
「あ、ごめん。びっくりさせてしもたかな?」
京子「あ、あの……だ、誰……ですか……?」
「あ、うちは池田千歳。このクラスなんよぉ~」ニコッ
千歳「なんか具合悪そうやったから少し心配になってなぁ。大丈夫?」
京子「ぁ……その…………」ガクガク
千歳「んん?」ニコッ
京子「あ、ありがとう……ございました……!」ダッ
千歳「あらあら、元気そうで良かったわぁ」ニコニコ
「千歳、どうかしたの?」
千歳「あ、お姉ちゃん。いまここに可愛らしい子がおってな、うちと同じクラスみたいなんよ」
千鶴「ふぅ~ん、その子が羨ましいな」
千歳「お姉ちゃんは一組やもんねぇ。五組とはだいぶ離れてしもたな。残念やね」
千鶴「双子は同じクラスになれないって決まってるらしいから。全然期待してなかったから平気」
千歳「そっか。それよりもお姉ちゃん」
千鶴「なに?」
千歳「取り敢えず涙拭いた方がええと思うで?」
千鶴「泣いてない」
千歳「そこ誤魔化さんでも……」
千鶴「泣いてない」
「それじゃあ自己紹介を始めましょうか。名前順に読んでいくから1人ずつ前に出てきて頂戴」
「とりあえず名前と誕生日と趣味と入りたい部活、その後に一言なにかお願いします」
京子(つ、ついに始まっちゃった………… もういや帰りたいよぉ………………)ブルブル
千歳「池田千歳といいます。3月10日生まれで血液型はO型、関西出身なのでこんな感じに喋ります~」ニコニコ
千歳「趣味はお漬物を漬ける事で、家でもたくさん作ってます。もし欲しい人がおったらプレゼントしますのでドンドン話しかけてきて下さい」
「池田さんは何か部活とかに入る予定とかあるのかしら?」
千歳「今のところはまだ決まってません。でも何かに入りたいとは思ってます。あ、これから一年間よろしくお願いします」ペコリ
京子(あ、あの人さっきの人だ…………全然緊張してないみたいで堂々としてる…………)
京子(そ、それどころかここに居るみんな誰も緊張なんてしてない…………緊張してるの私だけだよぉ…………)ガクガク
京子(こ、こうなったらもうお腹痛い事にして早退を……………)
「すっすすすすっ!! すぎっ! すぎうっ…………」ガクガク
京子(!?)
「あ、あの杉浦さん落ち着いて!」
綾乃「す、杉浦です………! あの、よろしくお願いします!!」ペコリ
これは最終的に京あかですか?
「えっと、誕生日はいつなのかしら?」
綾乃「た、たたっ……誕生日ですか!? そ、それは誰のでしょうかぁ!?」
「えっと……杉浦さんので良いんだけど」
綾乃「たっ……誕生日は1月20日だったと思いますぅ! きゅ、旧暦に直すと…………えっと!?」
「あ、あんまり緊張しないでも平気よ? そのっ……落ちついて、ね? あとは趣味と入りたい部活があったら………」
綾乃「しゅ、趣味は部活に入ることです!」
「……あ、あはは。もう座って良いわよ」
綾乃「は、はい!」ガクガク
京子(うわぁ、あの子すごく緊張してたなぁ……それでも頑張ってるなんて凄いなぁ…………)
京子(……………頑張らなくちゃダメだよね)
「えっと、それじゃあ次は歳納さん。自己紹介してくれるかしら」
京子「は、はい………」
京子(やれる限りやってみよう…………)
とりあえずここまでで
>>8
本家のように特定のカップリングは無しと思われ
いや結京、綾→京、さくひま、ちなあか、あか→あか、とも→あかは本家で公認だろ
>>12
そこはなるべく原作準拠で
ただ京子の生い立ちや性格の違いに応じて、殆どの登場人物の性格がそれぞれ変化しているので原作通りにはいかないかと……
>>10は誰かと誰かが恋仲になることはない 感じで
ゆるゆり無印の1話(ifバージョン)までとりあえず書いていきます
2話以降は未定
乙
渋にある京あかの話に似てるな
再開します
>>14
できれば詳細を
ー放課後ー
京子(えっと………あかりちゃんが言ってた中庭ってこっちの方だよね…………なんか建物があるって言ってたけれども……あ、あれかな?)
京子「うわぁ、でっかい建物…… なんか和風な感じ?」
京子「あかりちゃん入って良いって言ってたけれども……一体なんなんだろう…………」
ガラガラ
京子「お、お邪魔しま~す……」
京子「あ、あかりちゃん……どこにいるの?」キョロキョロ
京子「あかりちゃ~ん…………」ガラッ
京子「ねぇ、あかりちゃ…………」
「あん? どちら様ぁ~? あ~いもチップス美味しいわぁ~」ダラダラ
京子「ひっ……」
京子(な、なにこの人………)
「あ、もしかして茶道部の入部希望者ぁ? だとしたら悪いんだけど、茶道部はもう廃部になってるから無理よ。ま、諦めてね」ポリポリ
京子「あ、いや……その…………」
「それとも迷子? それなら池の左側にある道を行けば戻れるわよ。あ、そうそう、それとね」ズイッ
京子(ひっ…… ち、近っ…………!)
「ここで見たことは誰にも言っちゃダメよ。お友達はもちろん先生にも。もしも言ったら!」ズイッ
京子「ひっ……ぁ…………あぁ……」ウルッ
「あん?」
京子「う、うわぁああああん!! 助けてあかりちゃん!! 殴られちゃうよぉおお!!」
「うわっ! きゅ、急に泣き出さないでよ! てかいまあかりちゃんって言った?」
ガラガラ
あかり「おまたせちなつちゃん! 今日はあかりのお友達がここに来るからーーー」
ちなつ「ああもう! 別に怖くなんてないったらぁ!! いいから早く泣き止みなさいよ!!」
京子「いやぁ……助けてあかりちゃん…………食べられちゃうよぉ…………」ポロポロ
ちなつ「誰があんたなんて食うか!!」
京子「ひぃっ…………ふ、ふわぁあああん!」
あかり「これどういう状況!?」
ちなつ「ちょっとあかりちゃん! この子誰? なんかあかりちゃんの知り合いなんでしょ!」
京子「ふぇ……あ、あかりちゃん…………」ギュッ
あかり「だ、大丈夫京子ちゃん? こんなに震えちゃって……」ナデナデ
京子「う、うぅ…………」グスッ
ちなつ「なにこれ、私が悪いの?」ムスッ
あかり「い、いやそういうわけじゃないと思うけども………ちょっと、間が悪かったみたいだねぇ」
ちなつ「とりあえず説明してよね。一体その子が誰なのか」
ちなつ「幼馴染? あかりちゃんにそんなのが居たなんて初耳なんだけど」
あかり「えへへ、そういえば言ってなかったねぇ」
ちなつ「えへへじゃないわよ! 大体一言言っておいてくれれば歓迎の準備とかちゃんとしたのに! この子に私のダラけてるところ見られちゃったじゃない!!」
あかり「ちなつちゃんはもうちょっとしっかりした方がいいんじゃないのかな……」
ちなつ「なにをぉ~ この団子むしり取ってやろうかぁあああっ!!」ガシッ
あかり「あはは、ちなつちゃん止めてよぉ~」
京子「………………」オロオロ
ちなつ「……てか、本当に入れるの? この子」
京子「!!」ビクッ
ちなつ「ああいや、別に入ってこないで欲しいわけじゃないのよ? でもここが何部か知ってて入ろうとしてるの?」
あかり「あはは、実はまだ何も言ってないんだよねぇ」
ちなつ「あかりちゃんったら………それならとっとと説明しなさい!」ビシィッ
あかり「は~い」
京子「あのっ……あかりちゃん…………」オロオロ
あかり「あ、ごめんね京子ちゃん」
京子「ううん大丈夫……そ、それでその人は…………?」
あかり「あぁ、この子はちなつちゃん! あかりと同じクラスのお友達でごらく部の部長さんなんだぁ」
ちなつ「部長はあかりちゃんでしょ! 何かあった時に責任取るの嫌だしぃ」
あかり「ごらく部作ったのはちなつちゃんだよね!?」
ちなつ「でも部長はあかりちゃんよ? ほら、目立った特徴がないあかりちゃんに一筋の輝きを、ね?」
あかり「何かあった時の責任を負うのは嫌だよぉ~」プンプン
京子「あ、あの……ごらく部ってなに? それにさっき外に茶道部って…………」
あかり「茶道部が廃部になったからそこの部室を使ってるんだぁ」
京子「え、でもそれっていいの……?」
あかり「えへへ、本当はダメなんだけどもね。ちょっと黙って借りちゃってるんだ。ごらく部って特に何も活動しない部活だから今まで一度もバレてないんだよねぇ」
京子「そ、それってもしかして不良って言うんじゃ……」
あかり「そ、そこまで気にしなくてもいいと思うよ! あ、でもここの事は誰にも秘密にしなくちゃダメだからね? 分かったかな、京子ちゃん」
京子「うん、あかりちゃんがそういうなら絶対に黙ってる」
ちなつ「なんかこの子ヤケにあかりちゃんに従順じゃない? あかりちゃんがそこの池に飛び込めって言ったら飛び込むんじゃないの?」
京子「と、飛び込まなくちゃダメなの……?」
あかり「あかりそんな事言わないよぉ! ほら、それよりも京子ちゃん自己紹介して!」
京子「う、うん………」オドオド
ちなつ「あぁ~とりあえずこっちから自己紹介するわよ。吉川ちなつ、あかりちゃんと同じクラスの2年生。気軽にちなつ様と呼んでいいわよ!」
あかり「全然気軽じゃないですよねそれ!?」
京子「え……あの、ちなつ、様?」
あかり「京子ちゃんも真に受けなくていいから! これはちなつちゃんなりのジョークだから!」
京子「え、えと……それなら、吉川……先輩?」
ちなつ「別にちなつ先輩でもいいわよ。てかそっちの方が良いかも」
京子「は、はい……えと…………ち、ちな…………吉川先輩……」
ちなつ「別に良いって言ってんのに……」
あかり「京子ちゃんって人見知りだから受け解けるのに時間がかかるんだよ。そのうちちなつ先輩って呼んでくれるよ!」
ちなつ「あ、今日からあかりちゃんは私の事ちなつ様って呼びなさい!」
あかり「一年間育んだ友情はどこに行っちゃったの!?」
ちなつ「うふふ、冗談だってば。それでこの子、京子って言ったっけ?」
京子「と、歳納京子っていいます……1年生であかりちゃんとは幼馴染で昔からずっと一緒にいました」
ちなつ「歳納京子ちゃん、ね。ふ~ん……なかなか可愛い顔してるじゃないの」
京子「…………その、よろしくお願いします……」ペコリ
あかり「京子ちゃんってすごく良い子だから、絶対にすぐ仲良くなれるよぉ!」
ちなつ「あかりちゃんに良い子呼ばわりされるって事はそれなりに良い子なんでしょうね」ジーッ
あかり「良い子呼ばわりってどういう事!? 完全に褒め言葉だよ!?」
京子「……………」オドオド
ちなつ「ま、いいわ。とりあえず京子ちゃんの入部を認めましょう。そんじゃあかりちゃん、ちょっと部屋の片付けしといて。んでアンタは私と一緒に来なさい」
京子「わ、私ですか……?」ビクッ
ちなつ「そ、歓迎会するから。お菓子とか自分で好きなもの選んだ方がいいでしょ?」
京子「で、でもお金持ってきてないです…………」
ちなつ「歓迎される側がお金の心配なんてするもんじゃないの。ほら、とっとと行くわよ」グイッ
京子「えっ! で、でもあかりちゃんも一緒に行った方が……!」
ちなつ「あかりちゃん来たらアンタそっちに付きっきりになるでしょ? いろいろ話しましょう、一対一で」
京子「そ、そんなぁ…………」
あかり「大丈夫だよ京子ちゃん、ちなつちゃんとっても優しいんだから! あかりを信じて2人で行ってきて」
ちなつ「そういうこと。ほら、とっとと行くわよ」グイッ
京子「た、助けてあかりちゃぁああん!!」ズルズル
あかり「いってらっしゃーい」ニコニコ
一週間後
「はーい、それじゃあ今日は体力測定するわよ。んじゃ適当にペア組んで」
京子(ペア…えっと、誰か………)キョロキョロ
綾乃「ち、千歳。組んでくれるかしら」オドオド
千歳「よろしくなぁ、綾乃ちゃん」ニコニコ
京子(私が少しお話しできるあの2人はもう組んじゃって………私、もしかしてひとりぼっちに…………)オドオド
「ねぇ、君組む子いない?」
京子「は、はい!?」ビクッ
「良かったら組まない? 私も余っちゃって」
京子「う、うん……よ、よろしく」
京子(この子って確か船見さん……だっけ? クラスの中でいろんな子と仲がいい子なんだよね………)
結衣「仲が良かった子と組み分けじゃんけんしたら余っちゃって。歳納さんが組んでくれて助かったよ」
京子「う、うん……私も1人だったから…………ありがとう」ニコッ
結衣「……っ!! う、うん!」
京子「ど、どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」オドオド
結衣「い、いや何でもない…… と、とりあえず腹筋するから足押さえといて」
京子「うん……頑張って数えるね」
結衣(な、なんだあの笑顔……!? 凄く庇護欲をそそられる笑顔だ……! なんか守ってやりたくなる!)
京子「?」
結衣「そう言えば歳納さんって帰りのホームルーム終わったらすぐに教室から出ていくよね」
京子「ぇ……」
結衣「なにか部活とかに入ってるの?」
京子「っ!!」
京子(ご、ごらく部の事がバレちゃう!? な、何とかごまかさないと!!)
京子「う、ううん……そんなんじゃないよ? ちょっと用事があるから…………」
結衣「へぇ、なにか習い事でもしてるの?」
京子「う、ううん……そういうわけじゃないんだけど…………」
結衣「え?」
京子「あぅぅ…………」
結衣(なにか隠してる………? はっ、もしかして!!)
京子「?」
結衣(少年漫画で読んだけど、もしかして歳納さん誰かに虐められてる!? な、なんか漫画に出てくる虐められる子も歳納さんみたいにおとなしい性格してるし……!)
京子「ふ、船見……さん?」
結衣(どうしよう……先生に言うべき? いや、それよりもまずは虐められてるのが本当なのかを確認すべきか?)
京子「ね、ねぇ……」
結衣(あ、相手が複数の場合も考えなくちゃ………小学校の頃から男子と喧嘩しても負けたことはないけど……中学の先輩とかが相手だとすると…………)
京子「ふ、船見さん!」
結衣「え、どうかした?」
京子「えと………30秒で背筋2回だったよ」
結衣「…………あ」
京子「つ、次は50メートル走だね……」
結衣「久しぶりに測るから結果が楽しみだな。歳納さんは走るの速いの?」
京子「ううん、ぜんぜん。昔から走るのが遅くてみんなから馬鹿にされちゃって……」
結衣「足が遅いから人を馬鹿にするだなんてそんなの絶対変だよ。精一杯走ればそれだけでも褒めるに値する! 馬鹿にするなんて許せない!」
京子「…………うん」
結衣「だから頑張って走ろう」
京子「そ、そうだね……」
京子(こういう事をすらっと言えるだなんて格好良いなぁ…………)
結衣「歳納さんって髪の毛長いよね。走るとき邪魔になっちゃわない?」
京子「ふ、普段あまり走らないから……」
結衣「リボンでサイドを結わえてるよね。ツーサイドアップって言うんだっけ? 似合ってるね」
京子「あ、ありがとう………えへへ、私の大好きなお友達の真似をしてるんだ」ニコニコ
結衣「大好きなお友達?」
京子「左右の髪の毛をお団子してるんだ。それに私と同じくらい長い髪の毛してるんだぁ。赤みがかった髪の毛が綺麗なんだよ」ニコニコ
結衣(なんかいきなり饒舌になったな…… よほど好きなんだろうなぁ)
京子「船見さんも髪の毛長いんじゃないかな……? 後ろで結ってるから短く見えるだけで……髪の毛解かないの……?」
結衣「昔から男子と混ざってスポーツとかで遊んでたから。だから何となくこんな感じで固定しちゃってるんだ。やっぱり女の子っぽくないかな……」
京子「ううん、似合ってると思うよ。船見さんだって可愛い女の子なんだから……自信持った方が、いいんじゃ………」
結衣「か、可愛っ!? いきなり何言って……!?」カアァァ
京子「ご、ごめん……! へ、変なこと言っちゃって…………」オロオロ
結衣「い、いや……別にいいけど…………その、あまり言われた事ないから…………」ブツブツ
京子「い、言われた事なかったの? だって男の子と一緒に遊んでたんでしょ? それって絶対に変だと思うよぉ……」
結衣「う、うぅ………」カアァァ
京子「私は船見さん、とってもかわいいと思うな」ニコッ
結衣「う、うわぁああああっ!!」ダッ
京子「ちょ、ちょっと船見さん……ま、まだ船見さんの順番じゃないよぉ……」オロオロ
ー放課後ー
結衣「とりあえず放課後になったわけだが………やっぱり歳納さんは一番に出て行ってしまうのか」
「あ、船見さん! 今日は確か陸上部の体験入部しに行くんだよね。私もだから一緒に行かない?」
結衣「あっ、ごめん。私ちょっと用事で出来ちゃったから…… 今日は帰るね、ごめん!」
「あっ……行っちゃった」
「船見さんって本当に格好良いね」
「うんうん!」
「ああいうのを王子様って言うんだよきっと!」
結衣(格好良い、か。やっぱり私は可愛くなんてないのかな………)
結衣(てかもしもこの後、歳納さんの事を助ける事になっちゃったら、さらに格好良いとか思われちゃうのかな………)
結衣(あ、いた!)
京子「」キョロキョロ
京子「」スタスタ
結衣「やっぱり周りを気にしてる。もしかして誰かに呼び出しされてるとか!? それにこの先って中庭だったはず……呼び出すには格好の場所なんじゃ…………」
京子「」スタスタ
京子「」キョロキョロ
京子「」ガラガラ
結衣「な、なんだあの建物? 茶道部? でもこの学校茶道部なかったはずじゃ……?」
結衣「はっ!? ま、まさかあれが噂の不良のたまり場という奴か!? そ、それじゃあ歳納さんはあそこで虐められて!?」
結衣(く、くそ……先生を呼んでくるしか…………)
ガラガラ
結衣(だ、誰か出てきた! 隠れないと!)サッ
京子「あ、あのっ…………」
ちなつ「なによ? ほら、さっさと行くわよ」
京子「い、いやでもっ……!」
ちなつ「でももへったくれもないっての。アンタは私の言う事を黙って聞いてれば良いのよ」
京子「そ、そんなこと言われてもぉ…………」オドオド
ちなつ「いいから!」グイッ
京子「うぅ…………」
結衣(も、もう間違いない! こうなったら!!)
結衣「おいお前!!」
ちなつ「ん?」
京子「ふ、船見さん!? ど、どうしてここに………」
ちなつ「なに、友達なの?」
京子「え、えと………今日体育の授業でペアを組んだんです……」
ちなつ「ふ~ん、ボッチじゃなかったんだアンタ」
結衣「なっ!」カチン
結衣「なんだよその言い方は! 歳納さんに謝れ!」
ちなつ「はぁ? 別にいいでしょ、私がどんな事を言っても。見ず知らずのガキにとやかく言われる筋合いわないわね」
結衣「その子は私の友達だ! 友達を侮辱されて黙ってはおけない! いますぐその手を離せ!」
京子「と、友達……えへへ……」
ちなつ「アンタも笑ってないの」コツン
京子「で、でもやっぱり嬉しいので……」
ちなつ「アンタも大概現金ねぇ。この前まで友達できるか不安で、泣きながら怯えてたとはとても思えないわよ」
結衣「と、とにかく行こう歳納さん! こんな人なんかについて行っちゃダメだよ」グイッ
ちなつ「なに後から来て好き勝手言ってるのよ。今からこの子は私と駄菓子屋さんに行くの」グイッ
京子「ちょ、ちょっと………引っ張らないで……ください……」
結衣「お前なんかに歳納さんを好き勝手にはさせない!」ググッ
ちなつ「京子はうちのものなの! とっとと帰りなさい!」グイッ
京子「い、痛いよぉ……も、もうやめてぇ…………」グスッ
結衣「あっ……!」バッ
ちなつ「大丈夫!?」バッ
京子「え、ぁ…………」
京子(こ、転ん……だ…………)
あかり「おっと………」ダキッ
京子「きゃあ!」
ちなつ「あ、あかりちゃん!! いつの間に!?」
結衣「ぜ、全然気づかなかった……!」
京子「あ、あかり……ちゃん…………」ジワァ
京子「う、うわぁあああん!」
あかり「よしよし、大丈夫だよぉ。もう怖くないからね京子ちゃん」ナデナデ
ちなつ「ふぅ、助かった……京子って泣き出すとあかりちゃん抜きで泣き止ませるの難しいのよね」
結衣「赤みがかった髪の毛に歳納さんと同じくらいの髪の長さ、サイドにお団子……この人がさっき歳納さんが言ってた…………」
ちなつ「ったく……アンタがさっさと手を離さないのが悪いんでしょ!」
結衣「そ、それはこっちのセリフだ! 無理やり歳納さんを連れ去ろうとした癖に!」
ちなつ「なによ!」
結衣「なんだよ!」
あかり「ねぇ、ちなつちゃん。ちょっとお話があるんだけどいいかな?」ニコッ
ちなつ「え? いや、今から京子と駄菓子屋行くからその後でいいなら……」
あかり「今すぐ」ニコニコ
ちなつ「あ、あの……あかりちゃん?」
あかり「今すぐに、ね?」ニコニコ
ちなつ「は、はいぃ!!」
あかり「それじゃ行こっかぁ」
ちなつ「は、はい! ついて行きます!!」
京子「あ、あかりちゃ…………」
結衣「あ、あの歳納さん……さっきはゴメンね。腕、大丈夫?」
京子「う、うん……もう平気だよ…………」
結衣「あの、さっきの子が歳納さんの大事なお友達?」
京子「うん! 昔っからいつも一緒にいる私の一番のお友達なんだよ!」
結衣「そうなんだ。すごく優しそうな人だったね」
京子「うん!」
あかり「ほら、どうしたの京子ちゃん! 早くこっちに来なよぉ!」
ちなつ「きょ、京子ちゃん! 私の……私の弁護をお願いぃいい!!」
京子「あ、船見さんも一緒に行こ?」
結衣「え? 私がついて行って平気なの?」
京子「うん! あかりちゃんもきっと喜ぶと思うから」
ちなつ「あんっ? つまり私が京子のことをいじめてたと思ったってこと?」
結衣「私から見たら完全にいじめられてた! だって歳納さんすごく嫌がってたじゃないか!」
ちなつ「い、嫌がってなんかないでしょ! そ、そうよね京子!!」
京子「ぁ…………あぅ…………」
あかり「ちなつちゃん、京子ちゃんを怯えさせないで」
ちなつ「このくらいで怯えてんじゃないわよ! こっちも進退かかってる大事なとこなんだから!」
京子「い、いじめられてるとは……思ってない、です…………」
ちなつ「ほらぁ!」
結衣「で、でも無理やり引っ張ってたのは事実じゃないか! それはどう釈明するつもりだ!」
あかり「ちなつちゃん、少し強引なところがあるからねぇ。そりゃこの子が勘違いしちゃっても無理ないよぉ」
ちなつ「なっ! なんてことを言うのあかりちゃん! 私が悪いってことなの!?」
あかり「悪いとまでは言わないけどもね、京子ちゃんの性格を考えてもう少し穏便にした方が良いんじゃないかな。京子ちゃんを大事に思ってくれてる事はあかりが一番よく知ってるんだから」
ちなつ「う、うぅ……あかりちゃんの癖に返す言葉がない………」
あかり「どういう意味!?」
京子「あ、あの………」
あかり「どうしたの、京子ちゃん?」
京子「そのっ……私、とっても人見知りで…………」
ちなつ「知ってるわよ。未だに私と目を見て話してこないし」
結衣「それはアンタの目つきが悪いからだろ」ボソッ
ちなつ「なんか言ったかしら?」
結衣「別に?」
京子「で、でもやっぱり………駄菓子屋さん…に連れて行ってくれることとか、お菓子を買ってくれることとか………とても嬉しいです、本当に感謝……してます」
ちなつ「きょ、京子! そんなに私の事を……」ウルッ
京子「ただ…その……無理に引っ張られるのは…………ちょっと……」
ちなつ「ちーなショック!!」ズーン
あかり「でも京子ちゃん。ちなつちゃんはね、本当に京子ちゃんのことを大事に思ってるんだよ? お友達作りとか学校の事とか色々教えてもらったんでしょ? みんな京子ちゃんの事を心配しての事なんだからね!」
京子「うん! それは私もとっても嬉しかった!」ニコッ
あかり「よしよし」ナデナデ
京子「えへへへ、あかりちゃんに撫でられるの好きだなぁ」
あかり「ちなつちゃんもね。京子ちゃんったらあかりにちなつちゃんのお話結構してくれるんだよぉ。京子ちゃんもちなつちゃんに感謝してるし、好きでもあるんだからぁ」
ちなつ「え、そうなの!? てっきり嫌われてたのかと!!」ガバッ
あかり「大丈夫。京子ちゃんもだんだんちなつちゃんに慣れてきてるから!」
ちなつ「ちーなハッピー!!」
あかり「あ、でも今後は京子ちゃんを泣かしちゃダメだからね? もし泣かしたらあかり、怒っちゃうからねぇ」ニコニコ
ちなつ「わ、分かりましたあかりさん! それとゴメンね京子! 無理やり引っ張っちゃって!」
京子「……ぁ、全然大丈夫……です…………」
ちなつ(この話し方見てる限りは、全然距離縮まってないように感じちゃうんだけどなぁ~)
あかり「えっと、そう言えばお名前まだ聞いてなかったよね。私は赤座あかり、京子ちゃんの幼馴染なんだぁ」
結衣「私は船見結衣。歳納さんと同じ五組なんだ。よろしく、あかり」
あかり「あ、そうなんだぁ! という事は京子ちゃんのお友達かな?」パァァ
結衣「えっと……たまたま今日の体育でペアを組んだだけなので……実はほとんど話したことが……」
ちなつ「さっきは私に面と向かって友達を侮辱するなとか粋がってきた癖に」
結衣「べ、別に良いだろ! あの時は必死だったんだから!」
ちなつ「てか京子もまんざらじゃないみたいだし、2人はもう友達なんでしょ」ハァ
結衣「そ、それは…………その……」チラッ
京子「………………」チラッ
ちなつ「なにあんた達? もしかして友達を作るときに、お互いの友達認定が必要な面倒くさい人種なの?」
あかり「2人ともあかり達から見たらもう完全にお友達だよぉ! 自信を持ってね」
結衣「そ、そっか…………よろしく、歳納さん」
京子「う、うん……よろしくね……船見さん」
ちなつ「違うでしょ馬鹿共! なに苗字呼びしてんの!」
あかり「べ、別にそんなに怒らなくても……」
ちなつ「なんか見てるとイライラしてくんのよ、こーゆーの」イライラ
あかり「誰もかれもがちなつちゃんみたいにできるわけじゃないんだから………」
結衣「え、えと…………それじゃあ、コホン。よろしくね京子」
京子「う、うん! よろしく結衣ちゃん!」ニコッ
結衣「ふぐっ!!」カアァァ
京子「ど、どうしたの結衣ちゃん……! なにか顔にぶつかっちゃったの…………」
結衣「な、なんでもない…………」カアァァ
結衣(やっぱりこの子可愛い過ぎるだろ! なんだこの気持ちは! これが恋なのか!!)
ちなつ「ったく、変なやつね。そんじゃアンタはとっとと出て行きなさい。邪魔よ」
あかり「こら、ダメだよちなつちゃん! そんなこと言っちゃ可哀想でしょ!」
ちなつ「大体部活入部希望者でもないのにここまで入って来ちゃって! ここでのことをバラしたらただじゃ済まないからね!」
結衣「あ、そうだ! ここ茶道部の部室なんだろ! それなのになんでお前ここにいるんだよ!」
ちなつ「そんなの私の勝手でしょ。アンタには関係ないんだからさ」
結衣「か、関係なくなんてない! 友達がここにいるんだから!」
あかり「ふ、2人とも落ち着いて! とりあえず結衣ちゃんにはここの事をお話しするね」
結衣「ごらく部ねぇ……そんなものを勝手に作っちゃったのか」
ちなつ「なによ、文句あんの?」ギロッ
あかり「ちなつちゃん! そんな喧嘩腰にならないの!」
ちなつ「ふんっ!」
結衣「でも、それって良いのか? 先生とかに見つかったら絶対に怒られると思うけども……」
あかり「だから先生とかには内緒にしてるんだぁ。ここにいる人たち以外でここを知ってるのは、あと4人しかいないんだよぉ」
結衣「他に4人もいるのかよ!! バレすぎじゃん! 大丈夫なの!?」
ちなつ「大体あかりちゃんがヘマやらかしたんだけどね」
あかり「うぅ………あれは失敗だったよぉ~」
ちなつ「でもま、みんな黙っててくれるし。それにここに遊びに来ることもあるんだから同罪よ、同罪!」
あかり「あ、あはははは…………」
ちなつ「で、アンタはどうなの? ここの事バラす気?」
結衣「別にそんなことはしないよ」
ちなつ「あっそ、それならもう用無しよ。ほら、とっとと出てって」
結衣「いちいち神経を逆撫でするようなこと言うな! いい加減殴るぞ!」
ちなつ「やれるもんならやってみなさい! 京子のストーカーしてきた気持ち悪い奴の癖に。え、なにぃ? アンタこの子のこと好きなの~?」
結衣「な、な、なっ……!」カアァァ
ちなつ「え、なにガチ?」キョトン
結衣「そんなわけあるかぁあああ!! 変な妄想に私を巻き込むな! このピンク女!」
ちなつ「あ、こら! 殴ってくるんじゃないわよこのゴリラ女!!」
結衣「うるさい! このもふもふねじり切ってやる!!」
京子「で、でも私は結衣ちゃんのこと好きだよ」
結衣「んなっ……!?」
京子「だって……お友達、だから…………」
結衣「う、うん……お、お友達…だから、ね…………」
あかり「ねぇ結衣ちゃん。もし良かったら、このままごらく部に入らないかな?」
結衣「え?」
ちなつ「は、はぁあああ!?」
あかり「京子ちゃんも結衣ちゃんのこと気に入ってるみたいだしさ。それに結衣ちゃんは京子ちゃんのことを心配してくれる優しい子だし、京子ちゃんもそんな同学年のお友達がいてくれると嬉しいと思うんだぁ。ね?」
結衣(こ、これは渡りに船なんじゃないか!? もし部活に入れば京子ちゃんともっと仲良くなれるんじゃ…………いや、別に好きってわけじゃないぞ!? お友達としてだぞ!?)
結衣「そ、それなら……!」
京子「ぁ……でも…………結衣ちゃんって、陸上部に入りたいって……自己紹介で…………」
結衣「いや、大丈夫! 全然大丈夫!」
ちなつ「無理なんてしなくて良いわよ~ 陸上したいなら素直に陸上部に入りなさい~」
あかり「ちなつちゃん……大人げなさ過ぎるよ」ハァ
結衣「そ、それにコイツから京子を守らないと! あかりだけじゃコイツの魔の手から守れない時が出てくるかもしれない!」
ちなつ「誰が魔の手だっていうのよ! 私と京子はとても仲良いの!! ね、京子!!」
結衣「そうやって無理強いしてる所が京子を怯えさせてるんだ!」
あかり「あはは、2人とも凄く仲が良いねぇ。ね、京子ちゃん」
ちなつ・結衣「良くない!!」
京子「…………ふふ、本当だねあかりちゃん」
ちなつ「グヌヌヌ……」
結衣「グヌヌヌ……」
ドタドタドタドタ…………
京子「な、なんの音…………?」
結衣「誰かこっちに来てるのか?」
櫻子「あかりちゃん、ちなつちゃん! 遊びに来たぞぉ~!!」ガラッ
あかり「あ、櫻子ちゃんいらっしゃ~い」
ちなつ「相変わらず煩いわねぇ、もう少しゆっくり入ってきてもらえないかしら」
櫻子「えへへ、元気なのが取り柄だからね!」
あかり「それよりも平気なの? もう作業は全部終わった?」
櫻子「そ、それは……あははは!」タラー
ドタドタドタドタ!
櫻子「げっ……この重量感のある音は!」
向日葵「櫻子っ! ここですのね!」ガラッ
櫻子「やっぱり向日葵! なんでここに来たんだよ!」
向日葵「それはこっちのセリフですわ! まだ仕事が山のようにあるというのになんでごらく部に遊びに来てるんですか貴方は!」
櫻子「だって面倒なんだもん~ せっかく後輩2人入ったんだし、その子達にやってもらえば良いじゃん~」
向日葵「手本となる先輩が不在でどうするんですか! ほら、早く帰りますわよ!」
櫻子「い~や~だ~! 私はここで遊ぶんだぁ~!!」
向日葵「あかりさんもちなつさんもご迷惑お掛けして済みません」
あかり「う、ううん……平気だよ向日葵ちゃん」
ちなつ「櫻子ちゃんも遊びに来るなら仕事終わらせてから来なさいよ~」
櫻子「そ、そんなぁ~!」
向日葵「それでは失礼します。こら、櫻子! 早くこっちに来なさい!」
櫻子「やだやだ! 私はごらく部に入るんだぁ~!」ジタバタ
向日葵「こ、この! 身体の凹凸がないから掴みにくい……ですわ!」
櫻子「黙れこのおっぱい魔人!!」
ガラガラ
あかり「あはは、櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも相変わらずだね」
ちなつ「まぁ一緒にいて飽きることはないでしょうね、あの2人には。クラスでは落ち着いてほしいものだけど」ハァ
京子「あ、あの人たちって……」
あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんって言うんだ。一年生の頃から同じクラスであかり達のお友達だよぉ!」
結衣(………………あれ?)
ちなつ「ほら、騒がしいのがいなくなったからそろそろお茶でも淹れたら? あかりちゃんよろしくね」
あかり「はいはい」
結衣(も、もしかして………この2人….………)タラー
京子「あ、あの……吉川先輩、しゅ、宿題を……見てもらっても、いいですか……?」
ちなつ「はいはい、ドンと来なさい! 伊達に2年生やってる訳じゃないからね」
結衣(せ、先輩だったのかぁあああ!!)
【ゆるゆりif 1話 完】
京子
小さい頃の性格そのままで、泣き虫人見知り
結衣がいなかった為、あかりにべったり
髪型は無印11話(幼少期)
あかり
京子と妹がいるため、やや姉気質あり
その他はほぼ本家通り
髪型は無印11話(幼少期)
ちなつ
結衣に恋することがなかったのでぶりっ子をすることもなく、全体的に黒くて口も悪い
京子は大切な後輩、結衣は気に入らない後輩
妹がいるので意外と世話好き
髪型は本家のまま
結衣
京子とあかりがいなかった為、男子とスポーツをして遊ぶことが多かった
そのため男勝りな性格
一年生かつ“自分がしっかりしなくちゃ”と思わせる人がいなかった為、本家よりもかなり子供っぽい性格
髪型は無印11話(幼少期)
向日葵
おっぱい
生徒会副会長
櫻子
ぺったんこ
自称生徒会福会長
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