エレン「……この人殺しがぁァァ!!!」(15)



――― 座学

「……巨人を倒す方法はひとつ」

「後頭部より下…… うなじにかけてのこの部分」

「………ここを 『丸太』 で叩き潰す!!」

「巨人はここを大きく損傷すると、再生することなく絶命する」



  カンカンカンカンカンカン……


ジャン「―― あったぞ! 憲兵団管轄の品だ!」

アルミン「でかした、ジャン!」

ジャン「弾は本当に散弾でいいのか?」

アルミン「無いよりはずっとマシだろ」



コニー「けど… 立体機動装置も無しで巨人を仕留め切れるか?」

ライナー「いけるさ! 相手は3~4m級だ。 急所は狙いやすい」

ジャン「あぁ… 大きさに拘わらず頭より下、うなじにかけて」

サシャ「丸太で叩き潰す!!」

ライナー「もしくは丸太を奴らのケツにブチ込む!!」

コニー「知らなかった! そんな手があったのか!」

サシャ「痛そうですね……」

ジャン「先を尖らせればイケるかもしれねぇな…」



マルコ「サシャとコニーが潰し損ねた! ―― 援護を!!」

ミカサ「!!」ボグッ!

アニ「」ドモン!


コニー「大変だ! こんな思いをしてやって来たのに、立体機動装置のガスがどれもこれも穴空いちまってる!!」

サシャ「ありましたよ! 無傷な物がいっぱい!!」

ベルトルト「サシャでかした!!」



ダズ「………マルコ… 俺… もう駄目だ」ハァ ハァ ハァ

ダズ「俺… 気付いちまったんだ」」ハァ ハァ ハァ

ダズ「俺達に仕事ってのはつまり… 巨人に食われるまで戦わされ続けるってことなんだろ?」

ダズ「食い殺されるくらいなら… いっそ今!!」

サシャ「」グツグツ…

マルコ「やめろダズ! お前だけじゃないんだぞ!」」ハァ ハァ ハァ

マルコ「サシャを見ろ!!」」ハァ ハァ ハァ



サシャ「」グツグツグツ…



マルコ(何故かな… とても良い匂いがする……)クンクン

ダズ(こんな場所… こん状況なのに、なんて良い匂い…)スンスン


サシャ「上官室から盗んだ肉でとん汁を作りました!!」グツグツグツ

サシャ「私、こんなこともあろうかと味噌だけはずっと持ち歩いていたんです!!」ドンッ

ダズ「おー! 来たァーー! とん汁!!」ズズッ

マルコ「やっぱりサシャのとん汁は最高だ!!」ズズッ

ダズ「サシャ、おかわり」


サシャ「たーーんと食べて、トロスト区奪還に向けて頑張りますよ!!」



ジャン(そうして何やかや…… すったもんだはあったものの、人類は再びトロスト区の扉を封鎖することができた)

ジャン(そこにおびただしい犠牲が払われたのは、言うまでもないだろう…)

ジャン(なぁ… マルコ……)

ジャン(もう… どれがお前の骨だかわかんなくなったよ…)


ジャン「俺が… 今何をするべきか……」ギュッ



ジャン「……おい… お前ら……」

  ザワッ…

コニー「お、食糧が届いたぞ!!」

サシャ「今日はパンだけですか?」

ライナー「とん汁も欲しかったところだが……」

サシャ「さぁ! 腹が減ってはなんとやらと言いますし、ジャンも食べてください!」ズイズイ

コニー「…うめェ! けど、堅ェ!」バリバリ

ジャン「……くっ!」



サシャ「? ジャン…?」

ジャン「マルコ…… 思い出しちまった…」

ジャン「アイツはさ… 歯ごたえある物が大好きだったんだよ」

ジャン「よく噛むし、なんか腹が膨れたような気になるっつってよ……」

コニー「!!」

ジャン「アイツは堅ェパンが大好物なんだ!」

ジャン「このBreadがカチカチだからちくしょう!!!」

ジャン「くぅ… マルコ… せめてアイツに一口食わせてやりたかった……」

コニー「なんかゴメン、ジャン…」

ジャン「イヤ… 俺こそ取り乱してスマネェ。 ……だが、俺は決めたぞ」

ジャン「俺は………」



ジャン「調査兵団になる」



アルミン(新兵勧誘式…… エルヴィン団長は、エレンの家の地下室の話をした)

アルミン(エレンの家の地下室から続く炭鉱に、巨人の謎を解くカギが隠されているのだと……)

アルミン(そこに辿り着きさえすれば、100年に渡る巨人の支配から脱却できる手掛かりを掴めるのだと…)

アルミン(そこまで話してしまう必要性の有無はともかく、今期の調査兵団入団志願者は21名……)

アルミン(それから約1か月の間、僕らは壁外から生きて帰るための訓練を受け、いよいよ壁の外へと出る)




エルヴィン「――― 総員! 丸太は持ったか!!」

エルヴィン「これより第57回、壁外調査を開始する!!」


エルヴィン「…前進せよ!!!」ドドドドドド



アルミン(……いわゆる 『通常種』 までは行動が予測しやすい)ドドドド

アルミン(だが…… さっきから変だ…)

巨人「」ヌッ… ドッドッドッド

アルミン「……間違いない! ヤツは 『奇行種』 だ!!」

ネス「下がれアルミン! シス、行くぞ! フンッ!!」ザザッ… ザクッ!

アルミン「凄い! 奇行種をやったっ!」


  ドォドォドォドォドォ…


ネス「なんてこった! 奇行種がもう一体やって来た!?」

アルミン「ひっ…ひぃっ!」

ネス「しょうがねぇ… もう一度、たたっ斬る!」ズザッ

  ベチッ…!
    …グシャッ!!



アルミン(……女型!? ネス班長とシスさんがやられた…!)

アルミン(なんてことだ…… アレはただの奇行種じゃない!!)

女型「ア゛ア゛ア゛ア゛………」ドドドドド

アルミン(何故なら……)

アルミン(何故なら、こちらへ走ってきた当初は虚ろな目をしていたのに……)

アルミン(ネス班長と目が合った瞬間、顔色を変えたからだ!!)

アルミン(顔を歪ませ、ウ゛ウ゛ウ゛と唸りながら、2人を襲った……!!)


アルミン(奴には…… 『知性』 がある!!)

アルミン(目が合った者を 『それ』 と認識し、襲いかかるだけの知性がある!!)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom