男（机の上をしっかり整理整頓して、と……）

男（散らばってる小説と漫画を本棚にきちんと入れて、と……）

男（夜中だからホコリを取るのはコロコロ転がすテープでやろう）ｺﾛｺﾛ…

男（それと、よく絞った雑巾で拭けるとこは拭いておこう）ﾌｷﾌｷ…

男（見えてる部分はだいたい終わったから、次は押し入れの中を掃除しよう）

男「……」ｶﾞｻｺﾞｿ…

男「――おっ！」

男「この漫画、懐かしいなぁ。そういやまだ捨ててなかったんだっけ」

男「どれどれ……」ﾍﾟﾗ…

男（いけないいけない、すっかり夢中になって読んじまった）

男（片付けを再開しないと……）ｶﾞｻｺﾞｿ…

男「――あっ！」

男「これは昔大好きだったヒーローの人形だ！」

男「今見るとダサいデザインだけど、昔は本気でこいつに憧れてたよなぁ……」

男「――これは！」

男「昔ハマってたテレビゲームのソフトだ！　これまた懐かしい……」

男（どれ、試しにプレイしてみるかな）

男「……」ｶﾁｯ

男（接触が悪いらしく、なかなかゲームが始まらない）

男（……息を吹きかけてみるか）ﾌｰｯ

男「……」ﾋﾟｺﾋﾟｺ…

男（ストーリーはあってないようなもんだし、グラフィックも粗いけど……）ﾋﾟｺﾋﾟｺ…

男（この単純さが案外クセになるな）ﾋﾟｺﾋﾟｺ…

男（おっと、そうこうしてるうちに一時間以上ゲームをしてしまった！）

男（部屋の片づけを再開しないと！）

男（卒業アルバム発見！）

男「懐かしいなぁ……みんな元気にしてるかなぁ」

男「この頃は、難しい試験に追われたりしなくて、楽しかったなぁ……」

男「って、現実逃避してる場合じゃない！　もう数時間も経てば試験なんだから！」

男（そういや机の引き出しを掃除してなかった。灯台下暗しとはよくいったもんだ）

男「……」ｶﾞｻｺﾞｿ…

男「なんだこりゃ？　“ぼくのモンスターずかん”？」ﾍﾟﾗ…

男「俺が子供の頃に描いたオリジナルのモンスターがいっぱい書いてある！」

男（ほとんどどっかのゲームのパクリみたいなデザインだけど……）

男（中にはこれイケるんじゃないか、と思えるような奴もいるな）

ﾁｭﾝ…　ﾁｭﾝﾁｭﾝ…　ﾁｭﾁｭﾝ…



男「！」ﾊｯ

男「そうこうするうち、朝になっちまった……」

男「今日の日の出は、６時３０分か……」

男「今日はいよいよ試験だ……頑張るぞ！」

試験問題――



問１　自分の部屋を片付けることについて自由に論じなさい。


問２　懐かしの漫画やＴＶゲームを一つ挙げ、感想を述べなさい。


問３　自分が昔作ったオリジナルモンスターを下記の空欄に描きなさい。


問４　自身の卒業アルバムについての思い出を述べなさい。


問５　本日の日の出時刻を答えなさい。