大通り
ザワザワガヤガヤ
黒猫『すっかり冬で今日は週末か…』タシタシタシ
黒猫『さて、飯でも調達するか』タシタシタシタシ
町人1『ヤダ黒猫よ』
町人2『キモいし縁起悪いから行こ』
黒猫『……フン』
子供1『あー黒猫だぁ!』
子供2『石でもぶつけてやれ!』ヒュン
黒猫『チッ、当たったら痛ぇだろ』ダダッ
子供2『あ!逃げたぞー追えー!』
子供1『追えー!』
黒猫『ったくしつこいな』
ワイワイキャイキャイ
黒猫『よくもまぁ馴れ合うよ』
キャッキャウフフ
黒猫『面倒クセェだけだろ…』
黒猫『いくら思い遣ったっていつか裏切りにあうんだから』
黒猫『独りが一番だ』
ガヤガヤザワザワ…
黒猫『日が暮れてきたな』
黒猫『この時季は冷え込むし宿探しといくか』タシタシタシ
バンプのkかい?
>>3
もうバレた(´;ω;`)
若干アレンジしちゃってるから書かない方がよさ気かな?
いや…そんなことはない。自分のやりたいようにやるのが一番だ!
…さぁ続けるんだ。
>>5
ありがとう。がんばるお(`・ω・´)
黒猫『めぼしい寝床がない、まいったな…』タシタシタシ
?『…………』ザッザッザッ
黒猫『もう少し探してみるか』
黒猫『ん!?』
?『こんばんわ♪』ヒョイッ
黒猫『うっ、うおぉおぉおお!?』
?『素敵なおチビさん♪私達よく似てるね』
黒猫『な、なんだこの女は!?』
女『私の名前は女、ヨロシクね♪』
黒猫『何を言っているんだコイツは!?』
女『あん!そんな怯えないで!アナタを傷つけたりはしないから』
黒猫『何だってんだ一体!?』ジタバタ
女『暴れないで大人しくして?』
黒猫『んな事言われてはいそうですかなんて言ってられるか!』ガリッ
女『痛っ!!』
黒猫『今だっ!』サッ
女『あ!ちょっと待って!!』
黒猫『待てと言われて待つノラなんかいねえよ』タタッ
黒猫『しっかし一体なんだったんだ?』タッタッタッ
黒猫『人間てのは勝手な生き物だ』
素敵なおチビさん♪私達よく似てるね
黒猫『…ドコが似てるんだよ』タッタッタッ
アナタを傷つけたりはしないから
黒猫『………嘘に決まってる』タッタッ
黒猫『でも暖かかったな』タッ…
黒猫『…………………』
黒猫『チクショウ、なんだっつうんだよ!』
黒猫『随分走ったな』
黒猫『また1から宿探しか』
………ぃ…………ぉ…ぃ
黒猫『ん?』
女『おーい!待ってよー!』タッタッタッ
黒猫『あの女……』
女『あはは…見ぃつけた♪』ゼェゼェ
黒猫『どこまで追いかけてくんだよ!?』
女『そんな警戒しないで、私はただアナタと一緒にいたいだけなの』ゼェゼェ
黒猫『………俺を痛めつけようってワケじゃないのか?』
女『あー疲れた!あんなに走ったのいつ以来だろ?』
黒猫『コイツの目的は何なんだ?』
女『外も寒いんだし私の家に行こう?』
黒猫『……………』
女『温かいミルクくらいならご馳走するわよ♪』
黒猫『コイツ俺をミルクで釣り上げる気か!?』
女『大丈夫、何度も言うけど私はアナタを傷つけたりはしないから』
黒猫『くそう、確かに腹は減った』
女『仲良くしよ?』ニコッ
黒猫『悪い奴…ではなさそうだ』
女『ね?』ニコニコ
黒猫『…飯だけなら』タシタシタシ
女『たっだいまぁーて誰もいないんだけどね』
黒猫『一人で住んでるのか』
女『黒猫クンも入って入って!今日からココがキミのお家よ♪』
黒猫『俺の…家?』
女『ホラ!早く入って!ドア開けっ放しだと部屋の中まで冷えちゃう!』
黒猫『お、あ…あぁ』タシタシタシ
女『ふふん♪改めてこれからヨロシクね!』パシャ
黒猫『な、何だ!?眩しっ!!』サッ
女『驚かせちゃったね、ゴメンゴメン』
黒猫『目が眩む…何だったんだ!?』
イエーイ(^ω^)ノ・
女『私ね写真家目指しててイイ被写体を探してたらアナタがいたの!』
黒猫『カメラ…ってヤツか』
女『今は売れない底辺カメラマンだけどアナタをモデルに必ず成功させるわ!』
黒猫『俺をモデルにねぇ…売れるワケがねぇだろ』
黒猫『悪い奴ではないってのは何となく分かったけど…』
女『あ!ミルクだったね!今持ってくる』
黒猫『……………』
女『おまたせ!って温め忘れてた!』
黒猫『こいつバカだろ』
女『それじゃあ、いっただっきまぁーす!』
黒猫『俺ミルクだけ!?』ニャー
女『ミルクだけじゃ足りないよね、私のご飯半分あげるからそれで許して☆』
黒猫『食えりゃ何でもいいけど…』
女『頑張って売れる写真撮らないとなぁ』
黒猫『半分も俺によこしたら自分が足りねえだろ』ズイッ ニャーニャー
女『ん?いいんだよ?全部食べな』ニコ
黒猫『ダイエット…ってヤツか?』
女『明日はいい写真撮れそうだしっ!ね?』
黒猫『え?』
女『いいねー♪もうちょっとコッチ向いてくれるかな!』パシャッ
黒猫『さっきからパシパシ眩しい…』
女『あぁーそこ!んーいいよぉー♪』パシャパシャッ
黒猫『コイツ…オッサンみたいだな』
女『いいよソレ!サイッコー!!』パシャパシャッ
黒猫『…落ち着け、悪いヤツではない』
女『あぁちょっと!動きすぎ!』パシャッ
黒猫『んな事俺が知るか』タタッ
女『あぁーもう!ちゃんと帰ってくるんだよぉ!』
黒猫『ったく、眩しすぎだっつうの』タシタシタシ
黒猫『俺なんか撮ったって売れねえよ』
子供1『わー!黒猫だぁ!やっつけろー!』
子供2『これでもくらえー!』シュッ
黒猫『!?』ガッ
子供1『当たったぞー!どんどんぶつけろー!!』
子供2『今度は特大の石だぁ!』
黒猫『痛ってえ…俺とした事が』クラクラ
子供2『うーん…重くて投げられない』
子供1『何やってんだよ!?手伝うか?』
女『コラー!アナタ達なにやってるの!』
子供1『うわっ!やべぇ!』
子供1,2『逃げろ!』ダダダ
女『っとにもう!大丈夫?ケガはない?』
黒猫『流石にあの石が飛んできたらヤバかったな』ニャーゴ
女『!血が出てるじゃない!!』
黒猫『コイツもうるせえな、ほっとけよ』ヨロリ
女『フラフラじゃない!帰って大人しくしてなきゃダメ!』ヒョイッ
黒猫『………………フン』
女『取り敢えずキズの消毒くらいなら人間のでも平気だよね?』シュ
黒猫『!!染みる!クサい!』ジタバタ
女『染みるだろうけど大人しくて
!』
黒猫『くっせえ…鼻がもげそうだ』
女『…と、こんなトコかな』
女『大ケガじゃなくて本トに良かった…』ギュッ
黒猫『うぉ!く、苦しい…』
女『折角できた友達なのに…』グスッ
黒猫『トモダチ?』
女『傷つけないって言ったのに』ポロポロ
黒猫『そりゃあのガキ共の仕業だろ』
女『本当にっ…ごっ、ごべんね…』グスッグスッ
黒猫『いつもの事だから気にしてねえのに』
女『うっ、うえぇ…うええぇん…ヒック』
黒猫『色んな人間がいるもんだ』
女『うわああぁん!…ヒック…グスッ』
黒猫『………………』
黒猫『友達……か』
黒猫『信じよう、コイツは悪いヤツじゃない』スリスリ
女『うええぇ…え!?』
黒猫『俺の友達だ!』
女『ゆ…ゆるぢで…ぐれる…の?』グシュグシュ
黒猫『許すも何もないだろ…アンタのせいじゃないのに』スリスリ
女『は…初めてアナタからすり寄ってくれたね』グスッ…ヒック
黒猫『俺の唯一の友達だ』ニャーゴ
女『嬉しい…ありがとう』ギュッ
黒猫『友達ってのは暖かいものなんだな』スリスリ
今書いてるのが黒猫ってこと次はtoloveるですね
女『うーんなかなか売れないなぁ』
黒猫『俺なんかじゃ売れねえつーの』
女『あ!そのポーズいいねぇ♪』パシャッ
黒猫『こういう時言葉が通じないのって不便だな…』タシタシ
女『いいー鍵シッポ!』パシャパシャッ
黒猫『だろ?俺の自慢なんだぜ』ドヤァ
女『今、ネコなのにドヤ顔した様な…』
黒猫『ま、ドヤ顔だろうが鍵シッポだろうが売れませんけどね』
女『これじゃあ今日はねこまんまだぁ』
>>24
ダークネスでお前が書くんだ
女『こんなに可愛いのに写真は売れない…』
黒猫『俺オスなのに…可愛いって…』
女『はぁ…今日も寒いから鍋とか食べたいなぁ』
黒猫『俺、ネコなんですが…』
女『たまにはお肉とか食べたぁーい!』
黒猫『俺、魚がいいなぁ…』
女『これじゃあ今日もねこまんまだぁ』
黒猫『俺はねこまんま好きだぜ?』
黒猫『ネコなだけに!』キラーン
女『うーっ、寒いぃ…凍えちゃうぅ』ガタガタ
黒猫『このアパートじゃ寒さ凌ぎも一苦労だな』ポカポカ
女『ネコはいいよねぇ、コタツにスッポリ入れるんだもん』
黒猫『ネコの特権だ』フフン
女『あぁー背中が寒い!足しか暖かくないっ!』ガタブル
黒猫『あぁー暖かいなぁ!むしろ暑いくらいだ』ドヤァ
女『うぅーっ寒いっ』ブッ
女『あっ…』黒猫『!!?』
黒猫『く…クッサァ!!』ジタバタ
女『お昼に食べたサツマイモのせいだね///』
女『あーっ!雪だぁ♪』キャッキャウフフ
黒猫『雪で喜ぶのはワン公だけじゃなかったのか…』
女『凄い降ってくるねぇ♪』
黒猫『寒いのに浮かれるもんなんだな…』
女『こんなに降ってきたらすんごい積もっちゃいそう♪』
黒猫『俺の身体にまでどんどん積もってきやがる』モサモサ
女『風邪ひく前に帰ろっか…て黒猫クンはドコいった?』キョロキョロ
黒猫『何いってんだ?俺はここだ』ニャーゴ
女『あ、いたいた!ってえ?白猫?』
黒猫『積もり過ぎだろ…』
女『ようやく春の到来だねっ!』
黒猫『ネズ公共が目覚めやがる時季か』
女『春は曙ってね♪』
黒猫『これで当面エサには困らなさそうだ』
女『花も咲き始めてきたし♪』
黒猫『たまには腹に溜まった毛玉でも出すか』モグモグ
女『え?ちょっと!雑草なんか食べて平気なの!?』
黒猫『うっ!うげえぇ!』オロロロロロ
女『ああっ!ごめんね、私がちゃんとご飯をあげられれば…』グスッ
黒猫『ものすごい誤解を招いてしまった…』
黒猫『春はあっという間だな』ジリジリ
女『灼熱の太陽!溢れるパッション!夏だねっ☆』キラーン
黒猫『人間てのは寒くても暑くても浮かれるモンなんだな』ジリジリ
女『はぁー陽射しが気持ちいい♪』
黒猫『オレ タマラナク アツイ』ジリジリ
女『ネコはひなたぼっこ好きだっていうもんね!』
黒猫『夏の陽射しは別物だ』ジリジリ
女『決めたっ!今日はずっと日光浴してよう♪』
黒猫『焦げてキジトラになっちまうわ』ジリジリ
女『今日は真夏の草原と黒猫ってコンセプトで撮ろう!』
黒猫『それでこんな草っ原に連れてこられたワケだ』
女『よーし!じゃあ早速撮っちゃうよぉ!』
黒猫『そういえばしばらく毛玉出してねえな』ウロウロ
女『うーん!いいねぇ♪いいカンジだよぉ!』パシャパシャッ
黒猫『ちょうどいいトコに良さげな草があるじゃねえか』モグモグ
女『あーっ!伏せたら草に隠れちゃって見えないよぉ!』
黒猫『ふぅ、こんなモンかな』ヒョコッ
女『あぁー!そうそう!いいカンジ!んじゃ撮るねぇ♪』
黒猫『おーキタキタ!』オロロロロロ
女『ああっ!』パシャ
女『涼しくなってきたね、夏も終わりかぁ』
黒猫『この季節ほど黒い自分を呪う事はない』
女『今年は黒猫クンと一緒に色々行ったねー』
黒猫『友達ってのも悪くないモンだ』ナーゴ
女『少しは仲良くなれたかな?』ニコッ
黒猫『アンタだけは信じるよ』スリスリ
女『私も猫語が話せたら良かったのになぁ』ナデナデ
黒猫『アンタが俺の言葉を分からずとも俺はアンタの言葉が分かる』ゴロニャーゴ
女『お?甘えてくるなんて珍しい♪』ナデナデ
黒猫『友達なんだしたまにはいいだろ』ゴロゴロゴロ
女『読書の秋!』パラパラ
黒猫『ヒマだなぁ』ウロウロ
女『芸術の秋』パシャパシャッ
黒猫『眩しいなぁ』イライラ
女『食欲の秋!』モグモグ
黒猫『足りないなぁ』モソモソ
女『たまには美味しい物食べたいよね』ショボン
黒猫『俺はねこまんま好きだぜ』
黒猫『ネコなだけにっ!』ドヤァ
女『天丼かよ』
黒猫『えっ!?』
黒猫『秋の夜長とは聞くが』
女『うーん、風流だね♪』
黒猫『こういう静けさは嫌いじゃない』
女『月もキレイだしお団子も美味しい♪』
黒猫『…………………』
女『秋の味覚は最高だねっ☆』
黒猫『食ってばっかだな…風情の欠片もない…』
女『ほら!そろそろ秋刀魚が焼けるよー』
黒猫『ニャーン』
女『キミと出会ったのもこの季節だったね』
黒猫『寒い冬の到来か』
女『キミと過ごす二度目の冬…振り返るとあっという間だったね』
黒猫『いつでも俺は撮られてたけどな』
女『あっという間だったけど色んな思い出もあるね』ケホッ
黒猫『アンタとならこれからも友達でいられるよ』
女『アレ?風邪かなぁ?咳が…』ケホケホッ
黒猫『俺も気を付けないとな』
女『今日はもう寝よう!』ゲホッ
俺『よし寝よう!』
女『今日はキミと初めて出会った場所での撮影でーす!』
黒猫『そういえばこんなトコだったか』
女『顔つきもすっかり変わって』パシャッ
黒猫『………………』タシタシ
女『いいカンジの黒猫になったねぇ!』パシャパシャッ
黒猫『写真はサッパリ売れねえけとな』
女『ビンボー暮らしでごめんね』
黒猫『元がノラだから気にならんのだがね』
女『私はキミを撮ってる時が何よりも楽しいんだ』パシャッ
黒猫『………つくづく変わってるよな』
女『ただいまーっと』
黒猫『うー冷えるなぁ』ブルブルッ
女『そっかあ、この部屋でキミと過ごす冬も二度目になるんだぁ』
女『これだけ一緒にいてキミやら黒猫クンって呼ぶのも何かよそよそしい…』
黒猫『俺はアンタ呼ばわりしてるけどな』
女『……ホーリーナイト!…うん決めたっ!』
女『黒き幸 ホーリーナイト…今日からキミじゃなくホーリーナイトって名前で呼ぶね!』
黒猫『俺に名前?ホーリーナイト?』
女『カッコイイでしょ?ホーリーナイト、聖なる夜って意味よ!』
黒猫『気味悪がられた俺が聖なる夜に?』
女『いい名前だと思うんだけどなぁ』
黒猫『……悪くないんじゃね?』
女『気に入らなかったかな?』
黒猫『俺が…俺の……名前』
女『ホーリーナイト!』
黒猫『悪くない…ありがとう』ニャー
女『お!初めて通じたっぽい!?』
女『よし!名前も決まった事だし記念撮影しよう!』
黒猫『ホーリーナイト様に任せろぉ!』ドヤァ
女『早速のドヤ顔いただき!』パシャパシャッ
黒猫『んもっとおおぉぉ!』ドヤアアァァ
女『このコ最近カメラ慣れしてきてる気がする』パシャパシャッ
黒猫『そりゃ毎日ウンザリするほど撮られてるからな』
女『何か本当に売れそうな気がしてきた!』パシャパシャッ
黒猫『それはない』スッ
女『あら?ちょっとドコ行くのぉ!?』
女『うーん上出来ぃ♪』ケホッ
黒猫『疲れた…』ニャーゴ
女『あらドコ行ってたの?』ケホッケホッ
黒猫『また風邪か』
女『うーん風邪かなぁ?』ケホン
黒猫『大人しく寝ときゃいいのに』
女『さぁ!この調子でホーリーナイトの勇士を写真に残すぞ!』
黒猫『売れもしないのによくやるよ』
女『さぁ今日はドコで撮ろうか!』ゲホッゲホッ
女『流石に明日はちょっとしんどいや』ゴホッケホッ
黒猫『この時季は風邪ひきやすいらしいな』
女『たまにはゆっくりするのもいいでしょ!』ケホン
黒猫『飯がないのがタマにキズだが』
女『ホーリーナイト』
黒猫『ん?』ナーゴ
女『一緒にいてくれてありがとう』ギュッ
女『これからもずっと一緒にいてね』ナデナデ
黒猫『俺達は友達だ!当たり前だろ』スリスリ
女『よっ!はっ!』ジュージュー
黒猫『お?風邪は良くなったのか?』タシタシ
女『…よし!上手くいったぁ!』ジュウー
黒猫『美味そうなニオイがする』タシタシタシ
女『はいっ!ホーリーナイト用のご飯!』カタン
黒猫『今日はねこまんまじゃない!?』
女『今日は私特製焼き秋刀魚丼です!』ホカホカ
黒猫『こりゃあたまらん!』ジュルリ
女『私は向こうで写真整理してるから先食べてていいからね』トテトテトテ
黒猫『猫舌には熱くて食べられません』
黒猫『秋刀魚丼うめえ』クチャクチャ
黒猫『ん?あんなとこにアルバムが…』
黒猫『俺しか写ってねえから真っ黒だな』
黒猫『他の物も撮ればいいのに』
黒猫『……何か力になれないモンか』
黒猫『美味いモンとか食わせてやりたいなぁ』
ガタガタッ…バターン!!
黒猫『何だ?』
黒猫『ちょっと見てくるか』タシタシタシ
黒猫『おーい、バナナの皮でスッ転びんだかぁ?』
黒猫『!?』
黒猫『おい!どうした!?』タタタッ
女『う…ぐっ』ゲホッ
黒猫『血?一体どうしたってんだ!?』
女『あ、あぁ…ごめん…ね…ぐっ』ゲホゲホッ
黒猫『風邪で血ぃ吐くってどういう事だよ!?』
女『ちょっと…もう…ダメみたい……あはは』
黒猫『風邪じゃなかったのかよ!?』
女『いつも…ねこまんまばかりで
ごめんね』カリカリ
黒猫『こんな時に何書いてんだよ!?』
女『美味しい物…食べさせて…あげられなくてごめんね』カリカリ
黒猫『ちょ…ちょっと待ってろ!!』タタタッ
黒猫『クソッ!俺じゃ何も出来ねえ!!』
黒猫『女ぁ!大丈夫か!?』タタタタッ
女『う…ゲホッ!ぐっ!…はぁ』カリカリ
黒猫『吐くモン全部血じゃねえか!』
女『よし…出来…た……っはぁ』ゼェゼェ
女『さ…最後に……一個だけ…お願いがあるんだ』ゲホゲホッ
黒猫『一個でも何個でも聞くし最後とか言うな!!』
女『ちょっと…遠い……けど…この手紙を……届けて欲しいん…だ』ゼェゼェ
黒猫『手紙?』
女『写真家の…夢を追って……ぐっ!ゲホッゴホッ』
黒猫『取り敢えず落ち着け!ソレ以上喋るな!!』
女『飛び…出した……私にも…帰りを待って…て』ハアハア
女『くれ…る…人が……いるんだ』ニコッ
黒猫『ニコッじゃねえよ!』
女『この…人の所に行けば…アナタの事も……迎え入れて…くれる…から』ゼェハァ
黒猫『俺の事なんかより自分の心配をしろ!』
女『地図も…ゲホゲホッ!ここ…に…書いて…おいたから……うっ!』ゴホッ
黒猫『どうすりゃいいんだよ!?死んじまうじゃねえか!』
女『ホーリー…ナイト……アナタと過ごせた日々は…かけがえのない日々……だったよ』ゲホゴホッ
黒猫『過去形に…すんじゃねぇよ!』
女『私を…信じてくれた……その心を…どうか……忘れないで』ハァハァ
黒猫『忘れるワケがない!!アンタ以外誰を信じるっていうんだ!?』
女『この世界にはアナタがまだ知らない喜びや感動に満ち溢れているわ』
女『今の…アナタ……なら…ゴホッ…っう、大丈夫』ゼェゼェ
黒猫『何も大丈夫じゃねえよ…』
女『きっと…うん……いや…必ず』ゲホゲホッ
女『幸せ…に……ゴホッ…なれる……から』
黒猫『今以上の幸せなんて何処にもない!』
女『そろそ…ろ……お別れ…ゲホッ……みた…い』
黒猫『おい?…おい!!嘘だろ!?』
女『…………………』
黒猫『嘘だあああぁああぁぁ!!!!』
この世界にはアナタがまだ知らない
喜びや感動に満ち溢れているわ
黒猫『……………』
黒猫『不吉な黒猫の写真なんか売れないのに』
黒猫『それでもアンタは俺だけ撮った』
黒猫『それ故アンタは冷たくなった』スッ
黒猫『手紙は…確かに』
黒猫『………………』ハグッ
黒猫『受け取った!!』
黒猫『俺はこの手紙を必ず届ける』ダダダダッ
黒猫『アンタの帰りを待つ人の元へ』ハッハッ
黒猫『それがアンタの願いだから』ダダダダダ
黒猫『アンタから俺への…』
黒猫『最初で最後の願いだから!』
黒猫『雨が降ろうが雪が降ろうが必ず届ける』ダダダダッ
黒猫『山でも谷でもいくつあろうが越えてやる』
黒猫『待ってろよ……』ハッハッ
黒猫『すぐに届けてやるから!』
黒猫『……雪か』ハァハァ
黒猫『結構走ったはずだが…』
黒猫『さて、今はドコら辺だ?』カサカサ
黒猫『この山を越えればすぐ着きそうだな』
黒猫『それにしてもアバウトな地図だ』
黒猫『いかんいかん必死に書いてくれたのに!』
黒猫『足は…ちょっと痛むけどまだ行けるな』
黒猫『いや、行けるんじゃない』
黒猫『何があっても行くんだ!』
黒猫『さっきの地図だとこの山道が一番の難関ぽかったな』ザフザフザフッ
黒猫『足がすっかり霜焼けになっちまった』ザフザフッ
黒猫『雪が深くて走りづらい…』ザフザフザフ
黒猫『何か痛むと思ったら擦りきれて血が出てら』
黒猫『でもまだまだ行くぜ!』ザフザフザフッ
黒猫『陽が落ちる前に越えないと』
黒猫『確実に凍え死ぬなこりゃ』ブルブルッ
黒猫『ん?あそこは…町か?』
黒猫『ちょうどいい、あそこでちょっと休んでいこう』ザフッザフッザフッ
ザワザワ…ガヤガヤ
黒猫『ふぅ、さてどっかで暖をとりたいな』タシタシタシ
ワイワイキャイキャイ
黒猫『…ドコの町も変わらんな』ポロッ
黒猫『おっと手紙を落としちまった、アブナイアブナイ』タシタシタシ
黒猫『コレを無くしたら死んでも死にきれんよ』ハグッ
子供1『あー!黒猫だぁ!』
子供2『見ろよ!悪魔の使者だぁ!』
子供3『やっつけろー!!』ビュン
黒猫『チッ…ドコの町にもいやがる……!!!?』ガンッ
子供3『当たったぞー!』
子供2『今だ!悪魔の使者をやっつけろー!!』
黒猫『痛ぅ…』クラクラ
子供1『よーし!今のうちだぁ!』
子供2『悪魔の使者め!これでもくらえ!』ビュン
黒猫『悪魔の使者か…フン!何とでも呼ぶがいいさ!』ガッ
黒猫『俺には…痛っ……』フラフラ
黒猫『消えない名前があるから!』
がんばれ
子供3『このぉ!』ボガッドカッ
子供1『いけいけぇ!』
ホーリーナイトって名前で呼ぶね!
黒猫『聖なる夜と呼んでくれた』ボロッ
黒猫『優しさも温もりも全てつめ込んで』ヨロヨロ
黒猫『呼んでくれた!』タッタッ
子供2『ああっ!逃げたぞー!』
子供1『追えー!逃がすなぁ!!』
子供3『悪魔の使者め!』
>>60
ありがとう
ワーワー…カクレルナ!アクマノシシャ!!
黒猫『…ふぅ一先ずは安全か』
黒猫『こっぴどくやられたなぁ』ボロッ
黒猫『手紙は!?…っと、良かったあった』
黒猫『しかし俺も随分嫌われたモンだな』
黒猫『……だけどまだ死ねない』
黒猫『忌み嫌われた俺にも』
黒猫『意味があるとするならば』
黒猫『この日のために生まれてきたんだろう』スクッ
黒猫『何処までも走るよ!!』ダダダッ
ザッザッザッザッザッザッーーーー
黒猫『景色が開けてきた…』ザッザッ
黒猫『山を…越えた…のか?』ゼェゼェ
黒猫『あそこに見える町は…?』タッタッ
黒猫『………着いた……のか?』
黒猫『ここがアンタの故郷なのか?』
黒猫『だとすれば…アンタを待つ人の家まであと数キロだ!』ダダッ
黒猫『もうすぐ着く!もうすぐなんだ!!』
黒猫『チクショウ…さっきのガキ共のおかげで足が……』ゼェゼェ
黒猫『身体中が痛ぇ……っ!?』ズシャア
黒猫『痛てててて…』ヨロリ
黒猫『コケてるヒマなんてねえのに!
』ヨロヨロ
子供1『おい!こんな所に黒猫がいるぞ!』
子供2『気味悪ぃ!やっちまおうぜ!』ビュン
黒猫『クソッ!どいつもこいつも!』ヨタヨタ
子供1『死ねっ!黒猫め!!』ドガッ
子供2『この町から出てけ!』ボガッ
黒猫『どんな罵声を浴びせられようと』ヨタヨタ
黒猫『どんな暴力を振るわれようと』
黒猫『負けるか!俺はホーリーナイト!!』ダダダッ
黒猫『この手足が千切れようと!』ダダダッ
子供1『あっ!くそっ!逃げたぞ!』
黒猫『この手紙だけは!』ハッハッ
子供2『悪魔の使者が逃げた!』
黒猫『アンタの願いは絶対届けるっ!』ダダダダダッ
�・�・�・�・�・�・�・
黒猫『流石に…もう……走れねえ…か…な』ゼェゼェ
黒猫『ドコだ?アンタの家はドコにある?』ヨタヨタ
黒猫『……見つけた…この家だ!』ハァハァ
黒猫『後は…この手紙を……渡すだけ…だ』ドン
黒猫『居ねえのか?クソッ!声もロクに出やしねえ』ンニャーゴ
黒猫『手だってもうボロボロだよ』ガリガリガリ
黒猫『くそっ!頼むから出てくれよ』ドンドン
黒猫『俺は…届けなきゃ……いけない…ん…だ』ドンッ
黒猫『たった一人の友達の…』ゼェゼェ
黒猫『願いを叶えてやりたいんだ!』ニャーーゴ
黒猫『チクショウ…ここまで来たのに』ヨロッ
黒猫『もう…ダメかも……分から…んね』
男『誰か来たのかな?』ガチャッ
黒猫『……!!』ニャーゴ
男『ネコ?…ボロボロじゃないか!?』
黒猫『コイツを…お前に……』パサッ
男『ん?手紙?何故ネコが?』ヒョイッ
男『この字は!?…まさか女の!?』
黒猫『…アンタの願いは……叶えた…ぜ』ドサッ
男『マズいな…取り敢えず家の中へ!』ガシ
黒猫『疲れた…な……眠くなって…きたし』
�・�・�・�・�・�・�・
こんばんわ素敵なおチビさん♪
私達よく似てるね♪
黒猫『あぁ…よく似てる』
�・�・�・�・�・�・�・
アナタと一緒にいたいだけなの
アナタを傷つけたりはしないから
黒猫『あぁ…信じるよ』
黒猫『俺は意地っぱりだったのかなぁ』
�・�・�・�・�・�・�・
今日からココがキミのお家よ♪
アナタをモデルに必ず成功させるから!
黒猫『寒いけど暖かい家だったなぁ』
�・�・�・�・�・�・�・
私のご飯半分あげるからそれで許して☆
ん?いいんだよ?全部食べて
黒猫『お人好しにも程があるよ』
黒猫『アンタは自分を大事にしなさすぎだ』
�・�・�・�・�・�・�・
大ケガじゃなくて本トに良かった…
傷つけないって言ったのに
黒猫『優しすぎるよ、アンタのせいじゃない』
�・�・�・�・�・�・�・
今年は黒猫クンと一緒に色々行ったねぇ
私も猫語が話せたらいいのになぁ
黒猫『話せたらきっと楽しかっただろうな』
黒猫『それでも十分楽しかった』
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キミと過ごす二度目の冬…
私はキミを撮ってる時が何よりも楽しいんだ
黒猫『カメラを構えたアンタはオッサンみたいだったけどな』
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今日からキミじゃなくホーリーナイトって名前で呼ぶね!
カッコイイでしょ?ホーリーナイト
黒猫『そうさ俺はホーリーナイト』
黒猫『アンタにつけてもらった大切な名前だ』
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一緒にいてくれてありがとう
これからもずっと一緒にいてね
黒猫『…約束だったんじゃねえのかよ…』
黒猫『信じるという事を教えてくれた』
黒猫『たった一人の俺の友達』
黒猫『俺ももうじきそっちへ行くよ』
黒猫『そっちへ行ってもまた友達になってくれよな』
黒猫『アンタに出会えて本トに良かった』
男『holy night…聖なる夜』
男『これがキミの名前か』
黒猫『…………………』
男『さぞや遠くから来たのだろう…』
男『手紙は全部読ませてもらった』
男『命を懸けてまで届けてくれて』
男『本当に…ありがとう』ポロッ
男『女からもキミにありがとうと書いてあったよ』
男『後…キミと出会えて本トに良かったと…』
男『キミの事を宜しく頼むとも書かれてた』
男『一緒に暮らせれば良かったのだろう…』
男『出会ったばかりなのに残念だ』
男『キミの眠る場所は俺が用意しよう』
男『こんな事しか出来なくて』
男『本当に……すまない…』ポロポロ
男『そしてありがとう』スッ
男『キミの名前は忘れない』
男『ちゃんと毎日会いに行くよ』
男『俺もキミの友達だ』
ザッ…ザッ……ザクッ…ザッ…
男『ウチの庭ならいつでも会える』
男『友達のために命を懸けて駆け抜けた』
男『聖なる騎士よどうか』
男『どうか安らかに眠ってくれ』
男『そして意味は変わってしまうが』
男『その名前に俺から一文字だけ贈らせてくれ』
男『勇敢な聖なる騎士に捧ぐ』カリカリ
【holy knight】
fin
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