提督「深海提督だけど人類の味方です」 (55)


【鎮守府 周辺海域】

提督「おーい…あれ、この辺だと思ったんだけどな」

イ級「…?」ザパッ

提督「おお、そこにいたのか!ちょっとその辺の海域を散策したいから、乗っけてくれないか?」

イ級「!」

提督「そうかそうか、お前は良い子だなぁ」ヨーシヨシヨシヨシ

イ級「…♡」

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前スレ

提督「新しく着任したけど誰もいない」
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提督「艦娘が一人もいないけど、寂しくない」
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イ級「…!」

提督「って今日を投ーげ出さない、やくそーくしましょーっと」

提督「うーん、もうこの辺りには深海棲艦はいないかな」

イ級「…?」

提督「まぁほとんどうちに来ちゃったしなぁ、もっと遠くの海域に行かないとだめか」

提督「でも他の鎮守府では深海棲艦が減ることはないって言ってたけど、どういうことだろう?」


イ級「…」

提督「そうだな、考えて分かるものでもないし、気楽にいこうか」

提督「目指せ、全海域の解放!ってね」

提督「そうすれば君たちも艦娘も、誰も傷つくことはなくなる」

提督「平和な日々が訪れるんだ」

イ級「…?」

提督「うん、そのためには皆の力が必要だ」

提督「これからもよろしくな」

イ級「…!」

提督「…ところで、さっきから気になっていたんだが」

提督「どうして君は発光しているんだ?」

イ級「?」ペカー


【???】

提督「…なんてこともあったなぁ、懐かしい」ザザーン

提督「もうあいつの背中には乗れないけどさ」

提督「いやまぁ…乗れないことはないけど、流石に人型の女の子におぶってもらうのはちょっとなぁ」

ハ級「…」

提督「だから、こうして今でも乗れる君はありがたいというか…」

提督「とっても助かっているよ」

ハ級「…」

提督「それに、君の姉妹艦だったかな?彼女も人型になれたんだ、君も時期が来ればなれるかもしれない」

提督(…にしてもあの子、すげぇデカかったな…この子もあんなにデカいのだろうか…?)

ハ級「…」


提督「んん、まぁそれはさておき…」

提督「ここ、どこだろう?」

ハ級「…」

提督「見渡す限り島一つないけど、どうしてこうなった」

ハ級「…!」

提督「うん、まぁこの辺りに深海棲艦がいないことは分かったし、収穫はあった…かな」

提督「妖精さんがいれば、羅針盤を回して出た方に行くと必ずどこかに着くけど、うちにはいないしなぁ」

提督「うーむ…」


提督「…このままじっとしていても仕方ないし、とりあえず西に進んでみようか」

ハ級「…」

提督「大丈夫大丈夫、そのうち島の一つくらい見えてくるって」

提督「なーに、嵐でも来ない限り夕方までには帰れるさ」

提督「はっはっは」


――――ビュオオオオオオオオオ


提督「…」

ハ級「…」

提督「いやぁこれはひど」バッシャーン

提督「ぶっは!やばいやばい…これはやばい!」

ハ級「!」

提督「おk、もう喋らないしちゃんと掴まってる」

提督「…頼んだ」

ハ級「…!」


提督「……」

ハ級「…!…!」

提督「……」


(…起■■■■■、こ■■■■督!!!)


提督「!!」


【鎮守府 海岸】

提督「ゲホッ…」

提督「……」

提督「……」

提督「…あれ、生きてる」

ハ級「…!」

提督「…あぁ、良かった。君も無事だったか」

提督「ここは…鎮守府?」

提督「はは…すごいじゃないか、あの嵐の中辿り着いたのか」

提督「…ありがとう」

ハ級「…」


提督「なんだ、声が震えてるぞ。泣いてるのか?」

ハ級「…!」

提督「…なら、しょうがないな。うん」


ロ級「…!」


提督「おー、ただいま。悪いけど、皆を呼んできてくれないか?」

提督「…また、皆に謝らないとなぁ」


【寝室】

<ガチャッ

イ級「…、…?」

提督「…ん、あぁお前か。お見舞いに来てくれたのか?」

イ級「…!」

提督「ありがとう、まぁ寝ていれば良くなるらしいから、大丈夫だよ」

イ級「…」ジー

提督「ん、リンゴが食べたいのか?」

イ級「…!」

提督「はは、なら剥いて食べようか」


イ級「…」シャリシャリ

提督「うまいか?」

イ級「…!」

提督「どれ…ふむ、うまい」

イ級「…」アーン

提督「ほい」

イ級「…♪」シャリシャリ


レ級「…!」

提督「ん?おお、お前もきてくれたのか」

レ級「…?」

提督「別に怪我をしたわけでもないから大丈夫だよ、ありがとう」

レ級「…」

レ級「!」ガシッ

提督「そのぬいぐるみがどうかしたのか?」


レ級「…」ジー

提督「去年のクリスマスの時にいつの間にか提督室に置いてあってな」

提督「流石にそのまま置いとく訳にもいかないからここに移動させたんだ」

レ級「…」

提督「もしかしてお前のだったか?」

レ級「…」フルフル

提督「そうか、まぁ誰のか分からないし何だったら持っていっていいぞ」


レ級「…」

レ級「…!」

提督「あぁ、大切にしてやってくれ」


<バタンッ


提督「…あいつにもああいうのを好む趣味があったんだな」

提督「にしても嬉しそうだったが、昔見たことがあったのかねぇ?」


ロ級「…」スヤァ

提督「んー…よしよし、ちゃんと洗ってるな」サラサラ

提督「せっかくの綺麗な銀髪なんだ、小まめに手入れしろよ?」

ロ級「…」

提督「やれやれ、初めて会った時と随分印象が変わったなぁ…」

提督「頼りになるのにどこか放って置けないというか」

ロ級「…//」


提督「いや、本当に大丈夫だから」

ネ級「…」

提督「待て、服を脱がそうとするな!体を拭くくらい自分ででき」

ネ級「…」バッ

提督「…」

ネ級「…」

提督「照れるくらいなら最初からしないでくれ…」

ネ級「…!」

提督「おぉいやけになるな落ち着けーっ!!」


ヌ級「…」

提督「あぁ、ありが…誰だお前は」

ヌ級「…?」

提督「いや、俺が知ってるお前はそんなムキムキでヘビみたいな声は出さないんだが」

ヌ級「…」

提督「いや、待ってない」

提督「後俺は大佐じゃないし、その眼帯チ級のだろ、返してやれ」


提督「…それじゃあすまないが、この書類をタウイタウイ泊地にいる提督に渡してきて欲しいんだ」

駆逐棲姫「ハイ、わかりました」

提督「悪いな外にばかり行かせて、他の奴に任せたいところだが、人語を話せるのが君しかいないからなぁ」

提督「本当に助かるよ、ありがとう」

駆逐棲姫「…イ、いえ」


提督「そういえば、最近顔色が良くなった気がするな」

駆逐棲姫「ソウ、ですか?」

提督「うん、ここの食事のおかげかもなぁ」

提督「まるで…」

提督「…」

駆逐棲姫「…?」

提督「いや、何でもない」


【提督室】

提督「提督代理、お疲れ様」

ヲ級「…!」

提督「大丈夫、皆のおかげでかなり良くなったよ」

提督「それにもうすぐ全海域を解放できそうなんだ、いつまでも寝てられないさ」

ヲ級「…?」

提督「あぁ、もう無茶はしない。約束だからな」


提督「それよりも、さっきタ級が興味深いものを持ってきてくれてね」

提督「駆逐艦が人型に変わる条件を調べていたら、同じ駆逐艦の艦娘につながりがあることが分かったらしいんだ」

ヲ級「…?」

提督「何でも、あの子達はある駆逐艦の改二状態と、火力や回避性能が酷似しているらしい」

ヲ級「…」

提督「そうだね、ただの偶然かもしれない」

提督「でも俺は、君たち深海棲艦は…生まれ方が違うだけで」

提督「艦娘と同じ存在だと考えている」


ヲ級「…」

提督「いや、これはとても重要なことだよ」

提督「もし本当に深海棲艦が艦娘と同じ存在なら、海域で発見されている艦娘は元深海棲艦という可能性が生まれる」

提督「そしてこの仮定が正しければ、君は…」

ヲ級「…?」

提督(彼女と出会った南西諸島沖で発見されている正規空母の艦娘は、一人しかいない…が)

提督(舞鎮で出会った彼女とまるでイメージが違うな、人それぞれということか?)


【鎮守府 周辺海域】

提督「何、超重力砲が撃ちたい?」

レ級「…!」

提督「超重力砲ねぇ…」

提督「…超重力砲ってなんだ?」

レ級「…」アレ


ソ級「…」


提督「あーあの子が頭から出してるあれか」


レ級「!」

提督「いやでもあれはかなり無茶な改装をして無理やり撃ってるところあるからなぁ」

提督「あの子だけじゃ演算能力?とやらが足りなくて撃てないらしいし、そもそも適性がないと撃つことすらできないんじゃないか?」

レ級「…」

提督「あぁでも聞いたところによると、昔タカオやハルナが撃ってたって情報があるらしいし、戦艦でも撃てるかもな」

提督「試しに改装してみるか?」

レ級「…!」


<カッ

提督「あーらら、本当に撃っちゃったよ」

提督「しかもほとんど改装せずに、というか、枷を外しただけって感じだなぁありゃ」

提督「もともと撃てる素質があったってことか、やっぱすげぇわあいつ」


レ級「…♪」


提督(そんなこんなで、回復した俺はその後も海域の解放を進め、全海域の解放に成功した)

提督(その間、深海棲艦の親玉的な存在と酒盛りなんかもあったが、なんとかなった)

提督(あと少しでこの戦いも終わる、平和な日々が訪れるんだ)

提督(そう確信していたある時、一通の手紙が届いた)


【提督室】

提督「…」

提督「全深海棲艦の解体を命ず、ねぇ…」

提督「…ま、そりゃそうだよな」

提督(今じゃ深海棲艦のほとんどがこの鎮守府にいる状態だ、後はここを潰せば終わりってか)

提督(…だけど)

提督「そうはさせるかよ」


【鎮守府 周辺海域】

提督「…あー、皆集まったみたいなんで、話を始める」

提督「後ろの方、聞こえてるかー?…おk、サンクス」

イ級「…?」

提督「ん?あぁ、ハ級は後から来るから大丈夫だよ」

提督「さて、まずは皆の協力のおかげで、全海域の解放及び和解が成立したことを感謝したい、本当にありがとう」

提督「…んで、ここからが大事な話なんだが、皆にこれからのことを決めて欲しいと思う」


提督「大本営からの通達で、君たち深海棲艦の解体を命じられてしまったのだが、当然俺はその命令を鵜呑みにするつもりはない」

提督「そこで、君たちに俺から2つの案を提案したいと思う」

提督「1つは、ある海域に移り住んでもらう案」

提督「これはまぁ、前々から話していた通りだ。すでに決めているやつは問題ないから気にしないでくれ」

提督「そして、もう1つの案なんだが…」

提督「おーい、こっちにきてくれ」


「…」


ザワザワ…

イ級「…!」

ロ級「…」

提督「あー、なんでここに艦娘がいるのかと思っているだろうが、ちゃんと説明する」

提督「この子はある程度のリスクを恐れず新しい改装に挑戦し、見事成功した艦娘だ」

提督「…その、改装というのが―――――」


【1年後】


提督「はぁ…やっぱり陰で糸を引いてたやつがいたか、おかしいとは思ってたんだよなぁ」

提督「ま、これで深海棲艦と艦娘による代理戦争は完結、めでたしめでたしってか」


「…そんなことより司令官、大本営から連絡みたいだよ」ドサッ


提督「…oh、何だこの書類の山は?」


「例の独断行動の事後処理のようですね、どうしますか提督?」


提督「マジかー…めんどくせぇ」


「なに嫌がってんのよ、そうなったのも無理やり話を進めたからじゃないっ!このk」

「あ、あの…元気出してください司令官、司令官のやったことは、正しかったと思います」


提督「お、慰めてくれるのか?よーしよしお前はやっぱり良い子だなぁ」ヨシヨシ


「ひゃうっ!し、司令官…//」


「「「…」」」


「司令官」


提督「ん?どした」


「実は書類の半分は既に終わってるんだ、残りは司令官の確認が必要なものだけだよ」


提督「マジで!?…本当だ、ほとんど書き込んである。ってことは」


「…」チラッ


提督「あぁもう艦娘になっても可愛いなぁお前は」ガバッ


「…Хорошо」ニッコリ


「…そういえば提督、そろそろお腹が空きませんか?」


提督「え、もうそんな時間か…確かに腹減ったな」


「よろしければ、夕食は私が作りましょうか?既に仕込みは済んでいますので」


提督「おお!忙しかったのにいつの間に、流石だなぁ」


「いえ、そんな…」テレッ


提督「料理は上手いし気配りも出来るし、君が秘書艦で本当に良かったよ」

提督「…今まで、本当にありがとう」


「…提督」


「…ん、んんっ!さっきからベタベタイチャイチャして、本当にk」

「提督ー!見て見てこれ、すっごく可愛くない?さっき原宿から届いたんだけどさー」


提督「んー?どれどれ…おお、良く似合ってるじゃないか」


「えへへーでしょう?熊野と一緒に選んだんだー」

「…こんの」


提督「へ?」


「クソ提督ーー!!」


―――バァァァン


「…全く、退屈しない艦隊だなここは」ザザーン

「熊の人形が喋ったっぽい!?」

                            艦!!


以上で完結です、依頼出してきます

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