秋月律子「イキ……ガミ?」 (15)
この国には、国家の繁栄を維持するための法律がある。
「従ってさえいれば、幸せに暮らしていける」
国民に、そう信じられてるこの法律の名を…
「国家繁栄維持法」というーーー
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アイドル。
何年か前、日高舞という空前のアイドルの出現を発端に、この国にはアイドルブームが渦巻き続けている。
いや、もはやブームとゆうよりかは『文化』と言ってもいいのかもしれない。 TVでアイドルを見ない日なんてここ最近1日たりともない。
正に目映いばかりの星。
だがーー夢破れ、星を掴めなかった者も
当然、いる。
秋月「こら! 亜美!! 真美!! ま〜たこんなイタズラなんかしちゃってえ!」
真美「あうあう〜〜…見つかっちゃったよ亜美ぃ…」
亜美「鬼に見つかってしまいましたなぁ真美」
秋月「だぁれぇがあ鬼ですってぇえ?」
真美・亜美「「うわぁあああごめんなさい〜〜〜」」
眠いのでここまで
P「ははは。 もうその辺にしてやったらどうだ?」
律子「甘い! 甘いですプロデューサー! ほんっとーにこの子たちは何回言っても聞かないんですから!」
私が亜美と真美にせっか……もとい、教育的指導を行ってるところに、プロデューサーが微笑み混じりで止めに入ってきた。
律子「大体真美は貴方の担当でしょう。 プロデューサー殿からも何か言って下さい!」
P「あ、ああ。 亜美、真美。 俺と律子は今、明日のライブの為に働いてるから今は大人しくしてくれないか?」
亜美・真美「「む〜〜しょうがないな〜〜」」
声がピタっと合うのは流石双子と言った所かしら?
けどなんでプロデューサーの言う事は素直に聞くのかしらねこの子達…
律子「プロデューサー、亜美と真美のご両親はまだ来ないんですかね? 明日は大事なライブなんですから少しでも休んでもらわないと」
もう夜の8時に差し掛かっている。 明日のライブに差し支えてはいけない。 早くこの子達を家に帰さないと。
P「もうそろそろ来ると思うぞ? 真美も亜美も帰る準備しとけ」
亜美「え〜」
真美「まだゲームしたいよ兄ちゃん」
律子「だーめ! 明日は大事なライブだって何回もいってるでしょうが」
亜美「ブー。 りっちゃんもライブに出るのに何時まで仕事する気なのさ」
真美「そーだそーだ」
律子「私は大人だから大丈夫なのよ」
ああ言えばこう言うってのはこいうことねまったく……。
でもこの緊張しない姿勢は頼もしいというか何というか……。
P「律子ももう帰ったらどうだ? 後は俺と音無さんでやるからさ」
音無「そうですよ。 律子さんも明日ステージに立つんですから。 はい、どうぞ」
律子「あ、ありがとうございます」
音無さんがコーヒーを淹れて戻ってきた。
律子「でもまだ仕事が……」
P「もうそんなに残ってないだろ? 律子も明日のライブの為に頑張ってきたんだから、万全の態勢で出るべきだ」
音無「そうですよ。 後は私たちに任せて下さい」
亜美「りっちゃんガンバってたもんね→真美」
真美「うん。 すごくガンバってたよ」
うぅ…なんだか恥ずかしい……。
でも、確かにプロデューサーと音無さんの言う通りだ。
私が今ここで無理してもし明日のライブに影響が出たら本末転倒だ。
律子「そう…ですね。 それじゃあお言葉に甘ーーー」
ーーーTRRRRRRRRR。
私の言葉を遮るように事務所の電話が、鳴った。
ーーー
・PM0800・
ピンポーン
「は〜い」ガチャッ
?「……」
「? どちらさまですか?」
藤本「区役所・戸籍課の藤本と申します」
「……はあ」
藤本「秋月律子さんはいらっしゃいますか?」
「いえ、あの子はまだ仕事ですけど……」
藤本「死亡予告証…イキガミのお届けに参りました」
「……はっ?」
藤本「これが、秋月律子さんの死亡予告証になります」
「なに…をっ」
藤本「本人に、お早く連絡してください」
藤本「1秒でも……彼女の時間が、無駄にならないように」
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