八幡「卒業式だな。」 (5)

雪乃「そうね…それで大切な話って何かしら…?由比ヶ浜さんと約束があるのだけれど?」

八幡「雪ノ下…この約2年間で俺は気づいたことがある。」

雪乃「何かしら?」

八幡「単刀直入に言えば戸塚や小町よりも好きだと思える人間が出来たって事だ。」

雪乃「由比ヶ浜さん…かしら?」

八幡「確かに由比ヶ浜も俺にとっては大切な人間の一人だ。だがそれ以上に大事な人間が俺にはいる。」

雪乃「それを何故私に言うのかしら…?」

八幡「それが…雪ノ下…お前だからだ…!」

雪乃「え?」

八幡「振られるのを覚悟で言う。雪ノ下雪乃さん。好きです。俺と付き合ってください。」



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雪乃「貴方と私が付き合う…笑わせないでくれるかしら?そもそも私と貴方が釣り合うとでも思っているのかしら?」

八幡「だよな…俺と雪ノ下が釣り合う訳なんてないよな。今のは忘れてくれ。」

雪乃「貴方は本当に脳みそが腐っているわね?」

八幡「おい、俺じゃなかったら振られたあとにそんな事言われたら自殺しちゃうレベルだぞ。」

雪乃「釣り合わないなら貴方が私に釣り合う様に努力しなさい。いいわね?」

八幡「つまり…どういう事だ?」

雪乃「貴方と付き合ってあげると言っているのよ。貴方が私に釣り合う男になる事を条件に。」

八幡(こいつなりの照れ隠しって事か。素直じゃないがまたそこがいい)

八幡「あと、お前が気にしてるかもしれないが由比ヶ浜の事は気にするな。あいつにはお前に告白する事を伝えた上で告白されて振った。これからはずっと俺達の親友として接してくれるらしい」

雪乃「本当に私はいい親友を持ったわ。でも由比ヶ浜さんなら大学に行けばすぐに彼氏が出来るんじゃないかしら?」

八幡「まぁ、あいつ俺達と違ってコミュ力高いしな。」

雪乃「貴方と一緒にしないでくれるかしら?気持ちが悪いわね。」

八幡「俺達、恋人関係になったんだよな…?なのにそんなに罵倒されるの?」

雪乃「当たり前よ?付き合ったからといって変わることは特にないわよ?そんなのどこか気味が悪いでしょう?」

八幡「まぁ確かにな。雪ノ下は雪ノ下らしくいてくれると俺も嬉しい。」

雪乃「貴方もそんな臭いセリフを言えるのね。臭いのは体臭だけかと思っていたわ。」

八幡「酷すぎる…俺の彼女酷すぎる。」

雪乃「じゃあ早速、今日初デートをしましょう。」

八幡「由比ヶ浜と約束あるって言ってただろう?」

雪乃「貴方はやはりバカなのね?いつから由比ヶ浜さんより貴方を優先させる様になったのかしら?私たちのデートは由比ヶ浜さんとの約束が終わってからよ。」

八幡「へいへい。じゃあ由比ヶ浜との約束が終わったら連絡してくれ。俺も戸塚と材木座とメシに行くから。」

雪乃「貴方の連絡先知らないのだけれど?恋人としてそれはどうかしら?」

八幡「ほらよ。俺の番号とLINEだ。」

雪乃「恋人になったからといって卑猥な送信を許可したわけではないわよ?場合によっては法的に…」

陽乃「へぇ~二人は恋人になったんだぁ~お姉ちゃんビックリ」

八幡「ゲッ…」

陽乃「あそこに両親いるから挨拶して行ったら?」

八幡「な、何かお腹痛くなってきたなぁ…」

陽乃「私が呼ぶまでも無かったみたいだね♪」

母「雪乃…何やってるの?早く帰るわよ。」

八幡「あ、あの…」
(何この裏ボスに出会った感覚…)

母「貴方は確か、雪乃のお友達ね?お世話になったわね。」

八幡「その…今日から雪乃さんとお付き合いさせて頂く。比企谷八幡でしゅ…です。何卒よろしくお願いします。」
(絶対に別れろって言われるパターンだこれ。30分もしないうちに破局か)

母「そう。貴方が八幡さんね。陽乃から話は聞いていたわ。今度うちでゆっくりお話しましょう。娘をよろしくね。」

八幡「は、はい…」
(あ、あれ?…何か認められちゃった?でもゆっくりお話って…大魔王は一体俺のことを何て…)

陽乃「お姉ちゃんに感謝してね?」ニコッ

八幡「い、一体何を言ったんですか?絶対、別れろって言われると思いましたよ?」

陽乃「雪乃ちゃんを見つけてくれた人って言っただけだよ?」

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