伊58「私の彼はパイロットでち」 (34)



※艦これSS
※短編
※マクロスF知ってるともっと楽しめると思います。よろです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452763257



TV《ワターシノ カレハー パイロォットー♪》


伊58「……」

伊58「このアイドル、すごく声がいいでち」

伊58「それに容姿もかわいい」

伊58「歌詞も良い」

伊58「ゴーヤの彼も、パイロットがいいなぁ」

ガラッ

伊168「あら、なに見てるの? ゴーヤ」

伊58「あ、イムヤちゃん。今アニメ見てたでち」


TV《リュウセイニ マッターガアッテ アナタニキュウコウカーアァアアン》


伊168「なかなか良い歌ね。センスあるわこの子」

伊58「だよねだよね? ゴーヤもこのキャラ大好きでち!」

伊168「ランカ・リーさん、っていうのかな。顔も良いわね。誰かに似てる気もするけど」

伊58「えへへ。ゴーヤのことかな? 似てるよね!」

伊168「あ?」



伊58「イ、イムヤちゃんどうしたんでち? 怖いよぉ」

伊168「なによ。イムヤのこと嫌いになった?」

伊58「き、嫌いにはならないけど……急に怖い声出すから」

伊168「だってゴーヤがこのテレビの子に似てるって言うからさ。どこからどう見ても似てないわよ」

伊58「そうでちかねえ」

伊168「どちらかと言うと、私に似てるわよね」

伊58「あ?」



伊168「こ、こわっ! 急にどうしたのゴーヤ」

伊58「イムヤちゃんが心にもないことを言うからでち」

伊168「なんでよ。だってそうでしょ? このランカって子、私に声そっくりだし、かわいいし」

伊58「ゴーヤも似てるでち。そこは譲れないでち」

伊168「むむむ」

伊58「むむむ」


ガラッ


衣笠「はーーーいっ! 衣笠さんの登場よ!」

伊168「……」

伊58「……」

衣笠「……」

衣笠「はーーーいっ! 衣笠さんの登場よ!」

伊168「二回言った」

伊58「二回言ったでち」

衣笠「いいじゃない! だってあんた達二人とも反応してくれないんだもん!」


伊168「でも珍しいですね。どうしたんですか潜水艦の寮まで来るなんて」

衣笠「いやー、なんだか呼ばれた気がして」

伊58「一言も呼んだ覚えないでち」

衣笠「そんなこと言わなーーい。まあいいじゃない、たまには」


TV《キーーーミーハッ ダーレットーキッスヲッスゥルゥ~》


衣笠「あら。可愛いわねこのアニメの子」

伊168「ランカ・リーちゃんっていうのよ」

伊58「かわいいでちよね!」

衣笠「まるで美しいこの私、衣笠さんのようね」

伊168「ワァオ」



ガラッ


三隈「どうもおばんですわ。くまりんこ!」

伊168「……」

伊58「……」

衣笠「……」

三隈「もがみんはどこかしら……。あら?」


TV《アルトクーン》


三隈「この緑の髪の子、とってもかわいいですわね」

三隈「まるでくまりんこのよう」

伊58「戦争が始まるでち」


衣笠「三隈ちゃん。何言ってるの、この子は衣笠さんに激似でしょ?」

伊168「いいえ。イムヤ以外ありえないわ」

伊58「ゴーヤでち。間違いなくゴーヤでち」

三隈「ええ? どうされたの皆さん。目が血走っているわ。助けてもがみん!」


ガラッ


ビスコ「私を呼ぶ声がしたわ」

伊58「いやほんと誰も呼んでないでち」

マックス「出番と聞いたわ」

伊58「マジでやめてくだち。戦争どころじゃなくなるでち」



ビスコ「なるほど。私がこのテレビに映っている金髪の可愛らしいアイドルに似ているということね。何言ってるの。当たり前じゃない」

伊58「まだTVでシェリルさん流れてないんでちけど」

マックス「ビスコさん何言ってるの。この人に似ているのは私しか有り得ないわ」

ビスコ「ほう。言うようになったじゃないマックス。いいわ、決着をつけてあげる」


ビスコ「私の歌を聞けええっ!!!」


TV《デーレーデーレーデッデデデッ》


伊168「な、なに!? この心が跳ね上がるような衝撃的音楽はッ!」

衣笠「ぬ、ぬぬぬ……悔しいけどバックミュージックが流れる中、往々しく立つビスコさんはかっこいいわね!」

三隈「くまりんこ!」


マックス「くっ。さすがドイツを代表する戦艦ね。このままじゃ……!」

レーベ「マックス、どうしたんだい?」

マックス「レーベ! どこ行ってたのよ。あんたも一緒に歌うのよ」

レーベ「そうなの? でも僕、歌は下手なんだけど」

マックス「そんなことあるわけ……」


ガラッ

足柄「ないじゃない!!」

伊58「足柄さんどこから来たでち」

伊168「もう無茶苦茶ね」



TV《ジュウリョークハンピッレイ♪》


ビスコ「……」

伊58「……あれ?」

伊168「ん?」


TV《ダイタンナキッスデー♪》


ビスコ「……」

衣笠「ビスコさん、歌わないの? 前奏始まってるけど」

ビスコ「はっ。気安いのね。歌うなんてお断りよ」

衣笠「え、ええー……」


伊58「確信犯でち! ビスコさんは歌が下手なんでちね!」

ビスコ「そ、そんなことあるわけ」

足柄「ないじゃない!!」


レーベ「足柄さんそのためだけにいたのか」

マックス「世も末ね」



ビスコ「大体、この鎮守府は規律が緩んでいるわ。休日にアニメなんか見て。恥ずかしいと思わないの?」

伊58「思わないでち」

伊168「思わないです」

衣笠「思わないかな」

三隈「くまりんこ」

マックス「思わないわね」

レーベ「僕達一応駆逐艦だし」

足柄「カツ食べたい」


ビスコ「返答に一貫性が全くないじゃない。大体足柄は何故ここにいるの?」

足柄「戦場が!! 私を呼んでいたからよ!!」

ビスコ「ああ、うん」



伊58「まあ、せっかくなんで決めるでち」

ビスコ「決める? 何をよ」

伊58「ランカ派か、シェリル派か」

ビスコ「ふん、何言ってるの。シェリル派の圧勝に決まってるじゃない」

伊168「あ? ランカ派に決まってんだろ」

衣笠「シェリル実際歌ってねーし!」

三隈「くまりんこ!」


ビスコ「ぬぬぬ。ほら、あんたたちもなんか言ってやりなさいよ」

マックス「声優に歌は必要とされていないわ。歌と声は別物よ」

レーベ「そうだよ! 僕みたいな男の子風な声だって出せるんだよシェリルさんは!」

伊58「そんなこと言ったら中島さ……あいや、ランカだってそんな声出せるでち」

伊168「そうよ! あの、まあ、最近姿見ないけど」

衣笠「という訳で私は断然、ランカ派ね」

三隈「三隈もですわ」


足柄「私はジェフリー館長だわ!! 彼ほどかっこいい人はいないと思うの!!」

レーベ「足柄黙っててくれないかな」


ビスコ「ふんっ。まあいいわ。どうやらこの日本の艦隊はドイツ艦と戦争がしたいようね」

マックス「受けてたってやるわ」

レーベ「僕だってやってやるよ」


伊58「ほう。大した度胸でち」

伊168「正規空母だって仕留めちゃうんだから」

衣笠「衣笠スペシャルお見舞いしてやるわ」

三隈「くまりんこ」


足柄「ど、どうしてこんなことになってしまったのかしら……」オロオロ

足柄「このままではまずいわ。本当に戦争になってしまう……私がなんとかするしか」

足柄「ないじゃない!!」


ガラッ


プリンツ「あれぇ? どうしたんですか皆揃って」

ビスコ「プ、プリンツ!?」



プリンツ「ほわわぁ。皆さんどーしたんですかあ! 部屋の中で艤装なんか持ってえ!」


レーベ「い、いや、これは」

マックス「た、大したことじゃないわ」

伊58「そ、そーでち。ゴーヤたちは仲良くお話してただけでち」

伊168「シェリランで戦争なんてしようと思ってないわ」


プリンツ「せ、せせせ戦争!?」

プリンツ「ダメですよそんなことぉーっ! もーーっ!!」


ビスコ(はっ……!)

衣笠(しまった、この子まさか……!)

三隈(今業界でノリノリんこの……!)


TV《ウーウー♪ ハンタイノーハンタイノーハンタイノー フォーチューン ウーウー♪》


プリンツ「わあ、可愛らしい歌が流れてますねえ」

プリンツ「ノザーキーくん? って言うアニメかぁ。あっ! このリボンのヒロインの子かわいい!」

プリンツ「んん? でもこの子、誰かに似てるような……」



ガラッ


秋月「防空型駆逐艦秋月、失礼します!」

伊58「失礼すんなでち。もういっぱいでち」


ガラッ


野分「のわっちとか呼ぶのやめてもらえないでしょうか」

伊168「誰も呼んでないわよ」


プリンツ「あー分かった! この子私に似てますよねえ? さくーらーちーよちゃんっていうのかあ」

秋月「プリンツさん。それは少し違う気がします。この佐倉さんは私に似てるとしか思えないかと」

野分「秋月。のわっちを忘れてもらっては困る。私こそ佐倉さんに似ていると思う。まあ、那珂さんのカッコ良さには負けるけど」

伊58「今自分でのわっちって言ったでち。ほんで今那珂ちゃん全然関係ないでち。ていうか人数増えすぎてややこしくなったので皆ここから出て行ってくだち。大体このSSのタイトルゴーヤがパイロットに恋する話のはずでちよね」


足柄「お腹すいたー」

ビスコ「足柄カレー作って」

レーベ「あー。僕もほしいな」

衣笠「衣笠さんも欲しい」

三隈「くまりんこ!」


伊58「ああ。もうめちゃくちゃでち……」



伊168「まあ、元気出しなさいよゴーヤ。見てるアニメがいけなかったのよ、多分番組を変えればこの嵐のような騒ぎもおさまるわ」

伊58「そ、そうでちね。じゃあ別のアニメにかえるでち」


ピッ ピッ


伊58「えーっと。これなら大丈夫と思うでち」


TV《アン アアン アアアアンアン》


伊168「ん? なにこれ。初めてみるわね。あんこうみたいな格好した女の子が踊ってるわ」

伊58「えへへ。最近ゴーヤがハマってるアニメでち。すっごく面白いんだよ?」

伊168「えー。でも私戦闘もののアニメが好きなのよね。これちょっと萌えアニメっぽくない?」

伊58「大丈夫! これは女の子がいっぱい出るんだけど、戦車で戦う熱血アニメなんでちよ!」

伊168「へえー。戦車。珍しいわね」

伊58「その名も、ガールズ&パンツァーでち!!」


TV《ウラーーー!! パーパーパーパーパーパパパーパ パーパパーパパパパパー》

TV《ラースツヴェターリ ヤーブラニイグルーシ パプルィーリ トゥマヌイ ナドリェコーイ》


ガラッ


吹雪「第十一駆逐隊吹雪、失礼します!」



【艦!!】


※後悔、結構ある
※ただただシェリラン戦争を描きたかっただけ
※作者はランカでもシェリルでもなく杏さん派

ご愛読ありがとうございました。

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