千夜「ココアちゃん。寝ている時はちゃんと『ZZZ』と言わなくちゃダメよ?」 (50)

ココア「なに『ZZZ』って?」

千夜「自分は眠っているのだと示す言葉よ」

ココア「………寝ている時に言うの?」

千夜「もちろん。寝ていることを示す言葉だもの」

ココア「それを言えるんだったら、起きているよね?」

千夜「起きてないわ。『ZZZ』と言う人は眠っているの」

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ココア「いやいや、おかしいよ! 起きていないと『ZZZ』なんて言えるはずないよね!?」

千夜「ココアちゃん………あなたは人を信じる気持ちを失ってしまったのね」

ココア「信じるとか信じないの問題!?」

千夜「信じましょう人の良心をね? もしココアちゃんが『ZZZ』と言っているなら、私はココアちゃんが眠っているのだと信じるわ! ココアちゃんは嘘をつかないもの」

ココア「………そもそもなんで寝ていることを言葉で示さないといけないの?」

千夜「じゃあ、朝チノちゃんに起こされる時、ココアちゃんがもし無言だったらの場合を考えてちょうだい。こうなるはずよ」

チノ『おはようございます。ココアさん朝ですよ? 起きてください』

チノ『ココアさーん。朝ですよ。起きてください』ゆさゆさ

チノ『ふふ、もう本当にしょうがないココアさんですね』

チノ『ココアさんが来てからというもの、ラビットハウスも賑やかになりました。でも、ココアさんが寝ている今は静かです』なでなで

チノ『これでも感謝しているんですよ? ココアさんにはどうせ届かないのでしょうけど』

チノ『ココアさん。私はココアさんのことが………―――――』

ココア「何このイメージ!?」

千夜「ほらね?」

ココア「何が?」

千夜「ココアちゃんには今のチノちゃんがどう見えたかしら?」

ココア「どうって、普通に私の可愛い妹に見えたよ?」

千夜「惜しい! 二十点!」

ココア「赤点だ!? どこが悪いの!?」

千夜「なぜなら、今の場面でココアちゃんが死んでいる可能性を考慮できてないからよ!」

ココア「どういうこと!? なんで私が死んでることを想定しなくちゃいけないの!?」

千夜「別に死んでいなくても、ココアちゃんが監禁されている場合や、チノちゃんが壁に向かって一人で語りかけている場合でもいいわ」

ココア「チノちゃんはそんなことしないよー!!」

千夜「それはどうかしら? 人は心の奥底に闇を抱えるものよ。いずれにしても、ココアちゃんには、チノちゃんが精神的に病んでいると想定する視点が決定的に足りないのよ!」

ココア「いやいや! そもそもチノちゃんはそんな病的じゃないよ! 私も至って健康だし、千夜ちゃんが言うような状況はありえないよ!」

千夜「ええ、そうね。私もチノちゃんが精神的に病んだり、ココアちゃんを監禁したりするとは思ってないわ。もちろんココアちゃんが死んじゃったりするとも考えてないわ」

ココア「じゃあ『ZZZ』なんてわざわざ言わなくてもいいよね?」

千夜「ココアちゃんのお馬鹿!」

ココア「ええ………? 私なにか罵倒されること言ったかな?」

千夜「さっきの起床場面でチノちゃんが病んでないと分かるのは、チノちゃんをよく知っている私たちだから分かるってだけで、赤の他人から見た場合、必ずしも私たちと同じ理解に達するとは限らないの」

ココア「さっきの場面だと、私の部屋にチノちゃんが朝起こしに来ているだけだから、他人なんていないはずだし、そんなの気にする必要ないと思うよ?」

千夜「ココアちゃん、その油断が命取りよ! 今の情報化社会、どこに世間の目があるかわからない!」

千夜「ココアちゃんが『ZZZ』って言わなかったばかりに、チノちゃんが世間から精神病者扱いされるかもしれないのよ!?」

チノ『ココアさん、起きてください』ゆさゆさ

ココア『ZZZ』

千夜「たったこれだけのことで、全ては平和的に解決するというのに、それでもココアちゃんは『ZZZ』と言わないの!?」

ココア「言わないよ! というか、言えないよ! 寝ているときにどうやって言えっていうの!?」

千夜「そこはチノちゃんを想う心よ! ココアちゃんはチノちゃんのお姉さんなのでしょ!? だったら、無意識にでもチノちゃんが誤解されないように努力しなくちゃいけないの!」

千夜「たった一言。『ZZZ』というたった一言さえ怠るなんて、チノちゃんのお姉さん失格よ! ココアちゃんのばかー!!」

ココア「お姉ちゃん失格!?」

千夜「そうよ!」

ココア「そ、そんな………ってやっぱりおかしくない!?」

千夜「おかしくないわ!」

ココア「いやいや」

千夜「ココアちゃんも『ZZZ』と言うことでチノちゃんに対する流言飛語を防げることは納得してくれたと思うの」

ココア「え? うん? まあ、なんとなく………?」

千夜「『ZZZ』の有用性を知ったにもかかわらず、それでもココアちゃんがそこまで渋るのは、きっと寝ているときに『ZZZ』と言う行為そのものを難しく感じているからだと思うの」

ココア「難しいというより、無理だと思うけど………」

千夜「出来るのなら、やっぱりした方がいいと考え直してくれた?」

ココア「………千夜ちゃんがそこまで言うんだったら『ZZZ』と言った方がいいのかもしれないね」

千夜「でもね、自分から提案しておいてなんだけれど、やっぱり『ZZZ』は素人がいきなり出来るようなものじゃないと思うの………」

ココア「そうだね」

千夜「だからといって、諦めるには早いわ! 私もチノちゃんがみんなから精神病者扱いされるのは嫌だもの! だから、ココアちゃん練習しましょう! 『ZZZ』を!」

ココア「えっ、練習!?」

千夜「そう! 練習よ! ココアちゃん、布団は既に敷いてある、準備は万端! さあ眠って!」

ココア「えええ………」

千夜「時間は待ってくれないわ! 早く!」

ココア「………ぜっと、ぜっと、ぜっと」

千夜「ココアちゃんのばか! そんな片言の『ZZZ』があるわけないでしょ!? 全然ネイティブスリーパーらしくないわ! もっと感情を込めて!」

ココア「そ、そんなこと言われても、私、文系全般苦手だし………」

千夜「睡眠に文系も理系もないわ!」

ココア「で、でも文系志望の娘って授業中によく寝てるよね?」

千夜「なに? 理系の娘は真面目で文系の娘は不真面目だとでも言いたいのココアちゃん?」

ココア「そ、そんなわけじゃ………でも、よく寝てるなーって」

千夜「じゃあ、その寝ていた娘は『ZZZ』って言っていたかしら?」

ココア「いや、言ってなかったけど………」

千夜「だったら、その娘は寝てなかったのよ」

ココア「そんなばかな。先生にだって注意されてたんだよ!?」

千夜「それは先生にある特権のせいよ」

先生『こら! 保登! 授業中に寝るんじゃあない!』

千夜「先生のこの一言だけで、実際のココアちゃんは静かに授業を聞いていただけだったとしても、ココアちゃんは寝ていたことになってしまうの!」

ココア「えええ! 起きていたのに!?」

千夜「ココアちゃん、事実というのはね、社会的な地位が高い人の発言によって作られるの。たといココアちゃんが、どれだけ善行を積み重ねても、例えば先生の一言で極悪人に仕立て上げられたりする世界なの」

ココア「なんかシビアすぎない!? 怖い! 社会って怖い!」

千夜「そうよ。だから、ココアちゃんには真面目に『ZZZ』に取り組んでもらいたいの。もしチノちゃんが一旦世間から「危ない娘」だと思われたら、もう私たちが何を言っても無駄なの。チノちゃんの未来は永遠に閉ざされてしまうのよ」

ココア「………『ZZZ』って重要なことだったんだね。わ、私、知らない間にチノちゃんを社会的に殺すところだったんだ………お姉ちゃん失格だ」

千夜「大丈夫。安心して。ココアちゃんは最悪の事態になる前に、自分がその引き金となりかねないことに気づけた。まだ取り返しがつくわ」なでなで

ココア「ううっ………千夜ちゃん、私頑張るね………!」

千夜「ありがとう。ココアちゃんが本気になってくれて私も嬉しい」

ココア「立派なネイティブスリーパーになれるよう頑張るよ!」

千夜「じゃあ、早速寝てちょうだい?」

ココア「………ずーずーずー」

千夜「ココアちゃん! 女の子がそんなはしたない寝息をたてちゃダメ! ソバでも啜って寝ているのかって世間に思われちゃうわ!」

ココア「ご、ごめんね、千夜ちゃん」

千夜「私とお話して起きている時にはちゃんと『ZZZ』と言えているのに………」

ココア「やっぱり眠りながら言うのって難しいよー!」

千夜「それじゃあ、段階を踏みましょう?」

ココア「段階?」

千夜「そう。まず目を閉じただけの外見上は眠った覚醒状態で『ZZZ』と言うの。眠った姿勢で『ZZZ』が習慣となれば、きっと本番でも実力が発揮できると思うわ」

ココア「そっかー。じゃあやってみるね」

ココア「………ZZZ」

千夜「そうよ! ココアちゃんいい調子!」

ココア「ZZZ」

千夜「ココアちゃんはもう完璧にネイティブよ! それじゃあ………」さわさわ

ココア「きゃあっ! 千夜ちゃん、どうして触ってくるの!?」がばっ

千夜「ダメよ! ココアちゃんは今眠っているのだから、何があっても動じたらダメ! やり直し。もう一回よ!」

ココア「こんなの絶対おかしいよ………」

千夜「これもチノちゃんのためよ? 理解してちょうだい」

ココア「いや、でも流石に触られたら起きると思うんだけど………」

千夜「ココアちゃんは朝そんなに寝起きが良かったかしら? いいえ、ココアちゃんはちょっとやそっとじゃ起きないわ! 今のでココアちゃんが起きたら不自然なの。練習だからって気を抜かないで」

ココア「………うん。わかった………ZZZ」

千夜「それでいいの。ココアちゃんは今眠っているのだから、反応しちゃダメよ?」さわさわ

ココア「………んっ、ZZZ」

千夜「ちゃんと寝ているわね。ちょっと服を脱がせるわねー」ぷちぷち

ココア「………ZZZ」ぬがされ

千夜「ああっ、ココアちゃんのお肌、白くて、すべすべ………!」つー

ココア「………や、やめて、千夜ちゃん」もじもじ

千夜「ココアちゃんは眠っているのよね? チノちゃんのお姉さんだもの、まさかココアちゃんが起きているなんてないわよね? 私の考えすぎよね?」

ココア「………ううっ、ZZZ」

千夜「流石ココアちゃん。胸も柔らかいわ」ふにふに

ココア「ZZZ」

千夜「ココアちゃんを直に感じ取りたい………私も脱ごうかしら」ぬぎぬぎ

ココア「ZZZ」

千夜「それじゃ、お邪魔して………ココアちゃん暖いわ」すりすり

ココア「………ZZZ」ねがえり

千夜「だーめ。逃がさないわ」ひしっ

ココア「ZZZ」ばたばた

千夜「ふふふ、ココアちゃんって、そういえば寝癖が悪かったわね」ぎゅう

ココア「ZZZ」

千夜「大丈夫。大丈夫」なでなで

ココア「ZZZ」

千夜「ああ、ココアちゃんっココアちゃんっ………!」くちゅくちゅ

ココア「………んっぃぅ、………ZZZ」もぞもぞ

千夜「ココアちゃんのお股も濡れてる………可愛い」くちゅくちゅ

ココア「………ZZZ」

千夜「さて、そろそろ貝合わせをしましょうか」よいしょ

ココア「ZZZ」されるがまま

千夜「ああっ! ココアちゃん、いいわ! すごくいい………!」ぬちゃぬちゃ

ココア「ZZZ」

千夜「………んあっ、いい、くる、くるわっ―――――」ぐちゅぐちゅ

ココア「ZZZ」

チノ「―――――あの、ココアさーん。迎えにきましたよー」がらっ

千夜「あああっ!!」ぷしゃー

チノ「」

千夜「………あら、チノちゃん。こんにちは」がばっ

ココア「ZZZ」

チノ「ふ、二人で、な、な、な何をやってたんですかー!!」

千夜「そ、それはね、チノちゃんっ。誤解なのよ? ココアちゃんもねえ?」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさん寝ているじゃないですか! まさか千夜さん、ココアさんの意識がないことをいいことに………!?」

千夜「違うわ! チノちゃん!」

チノ「何がですか!」

千夜「私はココアちゃんに、無理やりいやらしいことをしたわけじゃないの! 信じて!」

チノ「信じられません! だって………」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさん、眠っているじゃないですか!」

千夜「待って! チノちゃんは私がココアちゃんの意識がないのをいいことに、勝手に睡眠姦を行ったと考えているのね?」

チノ「そうです!」

千夜「それは誤解なの。この睡姦は合意の上での睡姦なの!」

チノ「どういうことですか!?」

千夜「だって、常識的に考えて!? 本当に眠っている人が『ZZZ』と言うと思う!?」

チノ「!? た、確かに!」

千夜「でしょう!? だから………」

ココア「ZZZ」

千夜「今のココアちゃんは睡眠覚醒状態なの! つまり、自分から動くことはないけど、私との行為を消極的に受け入れ肯定しているの!」

チノ「そ、そんな………っ!」

千夜「よって、この睡姦は合意の上! 合意の上で成立しているとみなしていいの! 私とココアちゃんは性的に愛し合っていると言っても過言じゃないのよ!」

チノ「そ、そうなんですか!? ココアさん!?」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさん! あの千夜さん、ココアさんを起こしてください」

千夜「無理よ。言ったでしょう? ココアちゃんは眠ったフリをしているだけだって? もう起きている人を起こすなんて、おかしな話じゃない」

チノ「じゃあ、質問に答えさせてください!」ゆさゆさ

ココア「ZZZ」

千夜「チノちゃん、ココアちゃんは起きているのよ? もし私の言ったことが間違いなら、すぐに否定すると思うの。それなのに、沈黙を続けるということは………」

チノ「………そういうことですか」

千夜「ええ、だから、ココアちゃんのことは諦めて―――――」

チノ「ココアさんは私に毎朝起こされたいですよね?」

千夜「え、何を?」

ココア「ZZZ」

チノ「それではココアさんは持って帰らせてもらいます」おひめさまだっこ

千夜「そ、そんな、私とココアちゃんは愛し合っているのよ? それを引き裂こうだなんて………」

チノ「ココアさんは千夜さんよりも私を愛してくれますよね? 一緒に住みたいですよね?」

ココア「ZZZ」

チノ「………沈黙は肯定でしたよね、千夜さん?」

千夜「ま、待って、ココアちゃんはチノちゃんより私の方を―――――」

チノ「それでは千夜さん。ごきげんよう。またいつかお会いしましょう」さっすたすた

千夜「ううううっ、ココアちゃん………」しくしく

§

チノ「おはようございます。ココアさん朝ですよ? 起きてください」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさーん。朝ですよ。起きてください」ゆさゆさ

ココア「ZZZ」

チノ「ふふ、もう本当にしょうがないココアさんですね」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさんが来てからというもの、ラビットハウスも賑やかになりました。でも、ココアさんが寝ている今は静かです」なでなで

ココア「ZZZ」

チノ「これでもココアさんには感謝しているんですよ? ココアさんにはどうせ届かないのでしょけど」

ココア「ZZZ」

チノ「ココアさん。私はココアさんのことが大好きです。本当は起きているんですよね? 寝たふりをしてまで私の気を惹こうとしているんですよね?」

ココア「ZZZ」

チノ「ふふふ、今日だけですよ?」ぬぎぬぎ

ココア「ZZZ」

チノ「本当にしょうがないココアさんです。………でも、大好きです」


おわり

なんか続けるとココアちゃんが死にそうな気がしたので、最後ちょっと無理して、ココチノの相思相愛純愛オチにしました。

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千夜「大変よ! ココアちゃんが女の子になっちゃったのー!」
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