アラフィフ騎士「退職しようかなあ」(9)

アラフィフ騎士「『もう高齢だから最前線はキツイです。司令部か、せめて体に鞭を打つ必要のない部隊に配属してください』と何度も願い出てるのに」

アラフィフ騎士「『君が最前線にいてくれるお陰で士気が高まるんだ』なんて調子のいいこと言われて・・・」

アラフィフ騎士「よし、辞めよう。騎士団を退職だ」

ーー騎士団本部・団長室

アラフィフ騎士「私です。入っても宜しいですか」コンコンガチャ

騎士団長「・・・返事を聞いてから入室して下さい」

アラフィフ騎士「辞めさせていただきたい」

騎士団長「・・・本気、ですか?」

アラフィフ騎士「はい」

騎士団長「そうですか。分かりました」

アラフィフ騎士「え、いいんですか?」

騎士団長「ええ」

アラフィフ騎士「(やけにすんなりと・・・)」

騎士団長「その代わり条件があります」

アラフィフ騎士「条件、とは」

騎士団長「退職金を受け取らないことです」

アラフィフ騎士「なっ!」

騎士団長「どうしますか?」

アラフィフ騎士「(退職金がなければ老後はカツカツな生活を送らなければならなくなる・・・)」

騎士団長「私としては、あなたを手放したくないんです。私はあなたを高く評価しています」

アラフィフ騎士「・・・」

アラフィフ騎士「騎士団長」

アラフィフ騎士「辞めさせていただきたい」

騎士団長「・・・そうですか。残念です」

ーー最前線基地

アラフィフ騎士「というわけで皆。世話になったな」

新人騎士たち「アラフィフ騎士さん!そんなこと言わないで下さい!」

新人騎士たち「そうですよ!俺たちアラフィフ騎士さんがいなくなったら・・・」

アラフィフ騎士「ありがとうな」

中年騎士「アラフィフ騎士さん・・・あなたの抜けた穴、俺がちゃんと埋めて見せます」

アラフィフ騎士「ああ。よろしく頼むぞ、弟子一号」

ーーアラフィフ騎士の家

アラフィフ騎士「1LDKの賃貸を借りたが、結構住み心地がいいな」

アラフィフ騎士「まあ騎士団宿舎がひどすぎたからなあ」コンコン

アラフィフ騎士「ん?はーい」

お隣「あ、どうも。隣に住んでいる『お隣』です」

アラフィフ騎士「あー、どうも。ご挨拶が遅れてしまいまして。アラフィフ騎士です」

アラフィフ騎士「どうぞよろしくお願いします」

お隣「よろしくお願いします。あの、引っ越されて来て早々に申し訳ないのですが・・・」

アラフィフ騎士「はい?」

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