コナン「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は殺人者と変わらねぇよ」 (67)

新一「俺は高校生探偵、工藤新一」

新一「幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地へ遊びに行って、黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した」

新一「取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった」

新一「俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら……」

コナン「体が縮んでしまっていた!」

コナン「工藤新一が生きてると奴等にばれたらまた命を狙われ周りの人間にも危害が及ぶ」

コナン「阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は蘭に名前を聞かれてとっさに江戸川コナンと名乗り」

コナン「やつらの情報をつかむ為に父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ」

コナン「小さくなっても頭脳は同じ、迷宮なしの名探偵」

コナン「真実はいつも一つ!」

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遅くなってすみません
ゆっくり書いていきます

【阿笠邸】

光彦「大変です!博士がボウガンで撃たれました!」

光彦「でも命に別状はないようです。良かったですね!」

コナン「バーロー!!!!!」

光彦「な、なんですか急に!?」ビクッ

コナン「1人目は目暮警部、2人目は妃弁護士が狙われたんだぞ!」

コナン「そして3人目の阿笠博士……」

コナン「事件はまだ続くんだよ!!」

元太「おいコナン、どうして事件が続くって分かるんだ?」

コナン「ここまでの被害者を見てみろ」

コナン「1人目の被害者、目暮警部の本名は目暮十三。十三は13って書くだろ」

コナン「2人目は妃弁護士。妃は英語でクイーンと訳せる。クイーンはトランプの12だ」

コナン「そして3人目の阿笠博士。本名は博士と書いてヒロシ」

コナン「博士の士は漢字の十一と読むことができる」

歩美「あっ!数がどんどん少なくなってるのね!」

コナン「そう、つまり次の被害者は……」

光彦「数字の10に関係してる人物ですね!」

元太「それじゃさっそく次に狙われる人の所へ行こうぜ!」

コナン「いや、それが……」

コナン「まだ10に関係してるのが誰なのか分からねえんだ……」

光彦「ちょっと何やってるんですかコナン君!」

光彦「そこまで推理できて次が誰か分からないなんて!」

コナン「すまねえ……今考えてるとこだから……」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「み、光彦!?」

歩美「光彦君の右脚にボウガンの矢が!」

元太「おい、犯人はあそこだぞ!」

??「」ブーーーーーン

歩美「バイクで逃げたわ!」

コナン「くそっ!スケボー!」ウィーン

コナン「…………」ウィーン……

コナン「ってあれ……」

灰原「まだ博士が修理してる途中よ」

コナン「おい!こんな時に!」

光彦「くっ……うぅぅぅ……」

歩美「光彦君大丈夫!?」

光彦「な、なんとか大丈夫みたいです……」

灰原「次の被害者は10に何の関係もない円谷君だったわ」

灰原「あなたの推理が外れることもあるのね、名探偵さん」

コナン「バーロー、俺の推理は当たってたぜ」

灰原「えっ?」

コナン「光彦の顔をよーく見てみろ」

コナン「そばかすの数がちょうど10個だ!」

灰原「ほ、本当だわ!」

灰原「たしかに円谷君のそばかすは右頬に5個、左頬に5個、合わせて10個ね」

コナン「感心してる場合じゃねえ!早く9に該当する人物を見つけねえと!」

元太「おいコナン……もしかして次は俺が狙われる番かも……」ガクガク

コナン「元太!?お前9に何か関係してるのか!?」

元太「うん……実は1日でうな重を最高9杯食べたことがあって……」

コナン「バーロー!そんなのは9に関係してると言えねえだろっ!」

元太「そ、そうか……ならよかった……」

コナン「一体9は誰なんだ……?」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「み、光彦!?」

歩美「光彦君の左脚にボウガンの矢が!」

元太「今度はあっちからだ!」

??「」ブーーーーーン

歩美「あっ、またバイクで逃げたわ!」

コナン「くそっ!スケボーさえ使えれば追いかけることができるのにっ!」

光彦「くっ……うぅぅぅ……」

元太「大丈夫か、光彦!?」

光彦「こ、これくらい……なんてことないです……」

灰原「きっと犯人は命を仕留めることができなかったからもう一回来たのね」

コナン「バーロー! 13~11までの被害者は誰も命を奪われてねえ」

コナン「犯人が10の人間だけに固執してるとは考えられないだろ」

コナン「つまり次の犠牲者……9に該当する人物こそ光彦だったんだっ!」

灰原「なんですって!?」

コナン「光彦の『彦』の字をよく見てみろ」

灰原「あっ、『彦』の画数は9画……」

コナン「そういうことだ」

光彦「あの……ちょ、ちょっといいですか……?」

コナン「どうした光彦?あんまりしゃべると傷口が広がるぞ。安静にしてろ!」

光彦「心配してくれてありがとうございます……」

光彦「でも、とても大事なことに気付いたんでこれだけは言わせてください」

光彦「もしもですよ、もしも画数で狙われるとするなら光彦の『光』……」

光彦「『光』の画数は6画だから、6で狙われるのはまた僕かもしれません……」

元太「あっ、確かにそうだっ!よく気付いたな光彦!」

歩美「さすが光彦くん!」

コナン「心配すんな光彦。6がお前かもしれねえってことは俺も考えてた」

コナン「幸いにも6が狙われるまでに、まだ8と7が残っている」

コナン「8と7で何としても犯人を捕まえてみせるからな!」

光彦「ありがとうございます」

元太「あーーーーーーーーーーっ!!!!!」

コナン「どうした元太!?」

元太「お、俺の名前……『元太』って8画じゃねえか……!?」

元太「次は絶対俺の番だぜ……」ガクガク

灰原「それはないわね」

灰原「円谷君は『彦』1文字の画数で狙われた」

灰原「小嶋君、あなたのは2文字でしょ」

元太「あ、そっか!助かったぜー」フゥー

灰原「それよりも心配なのは……吉田さん、あなたよ」

歩美「え?歩美!?」

コナン「ああ、歩美ちゃんの『歩』は8画だからな」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「み、光彦!?」

歩美「光彦君の右腕にボウガンの矢が!」

光彦「ぐっ……うぅぅぅ……あぁぁぁぁぁ…………」

歩美「ど、どういうこと!?まだ6になってないよ!?」

元太「もしかしてもうどこかで8と7の被害者が出たんじゃねえか!?」

コナン「いや、まだそんなに時間は経ってない……」

灰原「やっぱりあなたの推理間違ってるんじゃない?」

灰原「円谷君の狙撃は数字とは関係のない別の事件ということだって考えられるわ」

コナン「バーロー……俺の推理に間違いがあるわけ……」

コナン「ん?円谷……?」

コナン「そうかっ!何も下の名前だけってわけじゃねえ!」

コナン「苗字だ!!」

コナン「12の妃弁護士だって苗字だった!光彦が苗字で狙われたっておかしくない!」

コナン「円谷の『谷』の上の部分だ!」

コナン「『谷』には漢数字の八がついている!!」

灰原「なるほど」

コナン「くそっ!画数に気を取られてこんな簡単なことに気付かないとはっ!」

コナン「ん、待てよ……じゃあ、もしかして次の7は……」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「光彦っ!!」

歩美「光彦君の左腕にボウガンの矢が!」

光彦「ぐっ……ぬぁぁぁ……ぬおぉぉぉぉぉ……」

コナン「くそっ!遅かったかっ!」

元太「おい、どういうことだコナン!?」

コナン「どうもこうもねえ!見りゃわかるだろ!」

コナン「7は光彦だったんだ!」

灰原「小嶋君、画数を数えながら円谷の『谷』を書いてみなさい」

元太「えっと、1……2……3……4……」

元太「5……6…………7…………」

元太「あっ、円谷の『谷』は7画だ!」

灰原「そういうことよ」

コナン「とうとう6になっちまった……次は『光』の6画で光彦が狙われる番だ……」

コナン「この家は危険だ!どこから矢が飛んでくるかわからねえ!」

コナン「とりあえずこの場から離れるぞ!」

光彦「うっ……うぅぅぅ……ぁぁぁぁぁ……」

歩美「光彦君、立てる?」

元太「俺が肩を貸すぜ」

光彦「あ、ありがとうございます……」

灰原「で、どこに行くの?」

コナン「そうだな……」

コナン「病院に行くぞ!」

光彦「コナン君、僕の体を心配してくれてるんですね……」

コナン「バーロー!そうじゃねえっ!!」

コナン「6の光彦の後に襲われるのは5の人間」

コナン「みんなもよく知ってる名前に数字の5が入ってる人物がいるだろ!」

歩美「……毛利探偵ね!」

コナン「ああ、毛利小五郎には漢数字の五がもろに入っている」

コナン「おっちゃんは今、妃弁護士のお見舞いに米花総合病院にいるんだ」

コナン「早く危険を知らせねえと!」

灰原「急ぎましょう」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「み、光彦!?」

歩美「光彦君の背中にボウガンの矢が!」

光彦「くっ……うぅぅぅ……ぁぁぁ……」

光彦「も、もう歩けません……」

歩美「光彦くん歩けないって」

灰原「やっぱりここで安静にしてた方が良いみたいね」

コナン「しょうがねえ、おっちゃんには電話で知らせるとするか」

光彦「で、でも良かったです……5が毛利探偵で」

光彦「これで……これでもう僕が撃たれることはありませんね……」

コナン「バーローっ!おっちゃんが殺されるかもしれねえんだぞっ!」

コナン「何が良かっただっ!!」

元太「そうだぞ光彦!」

光彦「す、すみません」

光彦「僕としたことが意識が朦朧として変なことを口走ってしまいました……」

光彦「そうですよね……それに、どちらにせよ5と僕はどうやったって結びつきませんし……」

光彦「今は毛利探偵の無事を祈りましょう」

コナン「ん……いや、待てよ……」

コナン「まだ5がおっちゃんだと確定したわけじゃない」

コナン「そういう意味じゃ5で光彦が狙われる可能性だって否定できねえぞ!」

コナン「何か!何かあるはずだっ!5と光彦を結び付ける何かがっ!」

光彦「コナン君……むりやり僕と5をつなげようとしてませんか……」

コナン「バーロー!そんなこと言って、もしも5が光彦だったら撃たれるのはお前なんだぞ!」

コナン「おい、お前らも探せ!光彦の5を!」

歩美「うん、歩美頑張る!」

光彦「」

コナン「うーん、円谷……円谷光彦……そばかす……みつひこ…………」

コナン「……ハッ!!」

コナン「キーボードだっ!」

歩美「キーボード?」

コナン「ああ、キーボードのひらがなの配置を思い出してみろ」

コナン「キーボード上の『み』『つ』『ひ』『こ』は偶然にも同じ列に並んでいる」

コナン「そしてこの列は、またまた偶然にもキーボードの上から5段目に位置しているんだ」

コナン「やった!5と光彦がつながったぞっ!!」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

コナン「み、光彦!?」

歩美「光彦君のお尻にボウガンの矢が!」

光彦「そ、そんなバカな……」

光彦「今のはほとんどこじつけみたいなもんですよ……」

コナン「バーロー!現に5で光彦が撃たれたじゃねえかっ!」

元太「論より証拠だな」

灰原「次に狙われるのは4の人物ね」

歩美「また光彦君が撃たれたら大変だよ!」

コナン「心配すんな光彦。オメーに4が関係してないか探してやるからな」

コナン「光彦の4……光彦の4……」

コナン「……ハッ!!」

コナン「お、おい灰原……円谷光彦って名前を紙に書いてみろ」

灰原「嫌よ、なんで私が」

コナン「いいから書けって!」

灰原「わ、わかったわよ。書けばいいんでしょ、書けば」

灰原「じゃあ書くわね……」

灰原「円谷…………光彦…………っと」

灰原「ハッ!!も、もしかしてこれって!?」

コナン「そう、円谷光彦という名前は……」

灰原「4文字っ!!!!」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

灰原「まさか4が円谷君だったとはね」

コナン「よし、次は光彦の3を探すぞ」

歩美「あっ!ねえ、こんなのはどう?」

歩美「光彦……みつひこ……」

歩美「みつ……みっつ……」

歩美「3つ!!!」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

灰原「あら、なかなかやるじゃない吉田さん」

歩美「えへへ」

元太「お前らばっかりズルいぞ!俺にもやらせろよ!」

コナン「いいけど、ちゃんと光彦の2を見つけろよ元太」

元太「分かってるって」

元太「確か光彦って姉ちゃんいたよな」

元太「えっと、光彦は2人姉弟だから……」

コナン「おいおい、いくらなんでもそれは」

元太「2人姉弟だから2は光彦だっ!!」

ビュンッ

光彦「ぎゃああああああああああ」グサッ

光彦「ぅぅ……ぅぅぅ……」

歩美「元太君すごーい!」

元太「見たかコナン!俺だってやればできんだよ!」

コナン「ああ、よくやった元太」

灰原「とうとう1になったわね」

コナン「1ならもう分かってるぜ」ボソッ

灰原「ま、まさかそれって!?」ヒソヒソ

コナン「ああ、最後の1は工藤新一……」

コナン「おそらく俺のことだ……!」

歩美「どうしたの哀ちゃんコナン君?」

灰原「なんでもないわ」

コナン「おい、みんな聞いてくれ!今から病院に行くぞ!」

光彦「あ、ありがとうございますコナン君……」

光彦「僕の体はもう限界です……やっと病院に連れて行ってくれるんですね……」

コナン「お、おう、まあそんなところだ」

灰原「ちょっと!あなたが撃たれるかもしれないのよ!?」ヒソヒソ

灰原「外を歩くなんて危険だわ!」ヒソヒソ

コナン「大丈夫、俺に考えがある」

【外】

コナン「いいか、光彦はそこ、元太はそこ、歩美ちゃんはそこ、灰原はそこだ」

コナン「この陣形を崩さずに今から病院へ向かうぞ。気を抜くなよ」

灰原「なるほど、あなたの四方を囲むようにして動けば犯人はあなたを撃つことはできないってわけね」

コナン「ああ、もし撃ってきたとしても俺に当たる確率は限りなく低い」

灰原「最低ね」

コナン「バーロー」

【病院】

コナン「何事もなく着いたな」

灰原「で、誰なの犯人」

コナン「えっ」

灰原「本当は円谷君のために病院に来たんじゃないんでしょ」

灰原「この病院の中に犯人がいる……」

コナン「フッ、オメーにはばれてたか」

コナン「ああ、そうだよ」

コナン「犯人は……あの人だ……!」

元太「犯人が分かったって本当かよ!?」

コナン「ああ、今から犯人の所へ行く。危険だからお前らは付いて来るなよ」

元太「何だよ!また手柄を独り占めか!」

歩美「えー!コナン君だけズルい!」

光彦「僕に酷いことをした犯人が捕まるところくらい見させてください」

コナン「ったく、しょうがねえなあ。気を付けるんだぞ」

コナン「こんな事なら連れてくるんじゃなかったぜ」

灰原「私たちを盾にしたくせに、よくそんなセリフが言えるわね」

コナン「バーロー」

【病室】

コナン「ここか……」ガチャッ

蘭「あ、コナン君、それにみんなも。どうしたの?」

コナン「う、うん、ちょっとね」

小五郎「なんだなんだ?ガキは出てけ!」

目暮「おお、子供たちみんなでお見舞いかね」

白鳥「今は事件について話し合っているんだ。お見舞いならまた後でね」

コナン「ねえ、みんなずっと病院にいたの?」

蘭「ええそうよ」

コナン「阿笠博士は!?」

蘭「そういえば博士はずっと見てないわね」

コナン「やっぱりか……」

阿笠「わしならここにおるぞ」ガチャ

阿笠「……」ナイフ キラッ

ブンッ

コナン「ぅわっ……!!」

阿笠「チッ、外したか」

コナン(麻酔針で……)カチッ

コナン(くそっ、これにも細工かっ!)

小五郎「何をやってるんだ阿笠博士!?」

コナン「犯人は博士なんだ!早く捕まえて!」

小五郎「なんだって!?」

一同「!?!?!?!?!?!?」

阿笠「チッ、来るんじゃ!」グイッ

光彦「うわっ……」

阿笠「……」ダッダッダッ

コナン「しまった!光彦が人質に!」

コナン「くそおおおおおおおおおお」タタタタ

蘭「あ、コナン君!」

目暮「まさか阿笠さんが犯人だったとは!」

小五郎「追いかけろ!」

白鳥「言われなくても!」

元太「俺たちも行くぞ!」

歩美「うん!」

灰原「……」

【屋上】

コナン「光彦ーーーーーっ!」タタタタ

阿笠「来るなああああああああああ!」

阿笠「来ると光彦君の命はないぞ!!」

コナン「くっ……」スタッ

コナン「追いかけられないように俺のスケボーを使えなくしたのは博士……」

コナン「11で自分も被害者になったのは容疑者から外れるため……」

コナン「5で小五郎のおっちゃんを狙わなかったのは病院との往復に時間がかかるから……」

コナン「……ただこれだけが分からねえ、どうして人を襲っているんだ!?」

コナン「しかも数字になぞらえて!!」

阿笠「名探偵なら自分で考えるんじゃな!話す義理はない!」

コナン「フッ、言ってくれるじゃねえか」



小五郎「待てええええええええええ」タタタタ

小五郎・白鳥・目暮・蘭「……」タタタタ

阿笠「おっと、それ以上近づくんじゃないぞ!!」キラッ

小五郎「やめろ阿笠博士!もうどこにも逃げ場はない!」

阿笠「いいや、まだある!!逃走用のヘリを用意するんじゃ!!」

阿笠「ヘリを1台、この屋上に持って来い!!」

阿笠「でなければ光彦君を殺してわしも死ぬ!!」

コナン「もう光彦は関係ないだろ!」

コナン「俺を狙った時点で博士の計画は終わったはずだ!博士、目を覚ませ!」

阿笠「何をたわごと言っとるんじゃ!数字が1で最後だなんて誰が決めた!」

コナン「な、なにっ……!?」

コナン「ハッ……そ、そうかっ……!!」

コナン「1の次は……ゼロっ……!!!!!」


 ゼロ → 0 → 〇 → 円 → 『円』谷光彦

阿笠「ふん!ようやく気付いたか!」

光彦「こ、コナン君……た、助けて……」

コナン「くっ……」

白鳥「光彦君を離せ~、離さないと撃つぞ~」カチャッ

阿笠「面白い!撃てるものなら撃ってみろ!!」

白鳥「……」プルプルプル

コナン(手が震えている!これじゃ光彦に当たっちまう!)

目暮「白鳥君、よせ」

白鳥「くっ……」

小五郎「警部殿、白鳥刑事の銃の腕前は……?」

目暮「わしと同じでからっきし駄目なんだ……」

小五郎「……」



阿笠「おい!早くヘリを持って来るんじゃ!」キラッ

目暮「わ、わかった。ヘリは手配するからおとなしくしてくれ」

阿笠「急ぐんじゃぞ!!!!」



小五郎「おい白鳥……俺に銃を寄越せ……」

白鳥「えっ!?」

小五郎「寄越せって言ってるんだ」

白鳥「冗談じゃない。あなたなんかに渡せませんよ……!」

小五郎「いいから寄越せ!」グイッ

白鳥「ちょ、ちょっと……」

小五郎「お前より俺の方が上手いんだよ!」

白鳥「や、やめてください……」

白鳥「うわっ……」拳銃 ポロッ

目暮「何をしてる!!二人ともやめるんだ!!」

目暮「ぬおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ……」ガクッ

小五郎「だ、大丈夫ですか警部殿!?」

白鳥「ボウガンで撃たれた傷口が開いたんだ!」

 拳銃

コナン「しめたっ!!!!!」サッ

蘭「あっ!コナン君が!」

小五郎「お、おい何してるんだ!?それはガキのおもちゃじゃねえんだぞ!!」

コナン「いいから下がってて!!!!!」

小五郎「なっ……」

歩美「元太君早く!」

元太「ハアハアハア……やっと追いついたぜ……」

元太「って、何やってんだコナンの野郎!?」

灰原「どうやら、とんでもない展開になってるみたいね……」




コナン「…………………………」

コナン「……………………」

コナン「………………」

コナン「…………」

コナン「……」

~昨夜~

蘭「ねえ……新一なら撃つ……?」

新一『え?』

蘭「私分かったのよ……お母さんがお父さんのもとから去った訳が……」



新一『ふーん、あの小五郎さんがオメーの母さんをねぇ』

蘭「いくら腕に自信があるからって……私もうお父さんのこと信じられない」

蘭「新一だったら絶対にそんなことしないよね?」

新一『さあなぁ……俺には分からないな……』

蘭「えっ?」

新一『ただ、おじさんがおばさんを撃ったのは事実でも、それがイコール“真実”とは限らねえんじゃないか』

蘭「どういうこと!?意味が分かんないよ!」

新一『とにかく俺に言えるのはそれだけだ。元気出せよ蘭、じゃあな』

蘭「え、ちょっと待って!新一!?新一!?」ツー…ツー…

蘭「真実……」

【屋上】


コナン「……」メガネ キラッ


コナン(そうか……そうだったのか……)


コナン(だから……おっちゃん……)





――――――――――――――――


――――――――


――――


――

――


――――


――――――――


――――――――――――――――





コナン「……」スッ


阿笠「……!?」


コナン「……」撃鉄 カチャッ


光彦(こ……コナン君……)


コナン「……」





ズキュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン

蘭「!?」



小五郎「!?」



白鳥「!?」



目暮「!?」



元太「!?」



歩美「!?」



灰原「!?」



阿笠「!?」



光彦「」

BGM
https://www.youtube.com/watch?v=VDhr69DLEgI



光彦「」バタッ

阿笠「くそっ!おい、立て!立つんじゃ!」

小五郎「今だ!うりゃああああああああああ!!!!!」タタタタ

阿笠「し、しまった!ええい!!」シュッ

小五郎「……」サッ

小五郎「……」ガシッ

小五郎「はああああああああああああああああああ!!!!!」背負投 ブンッ

阿笠「あーーーーーーーーーーっ」ドサッ




白鳥「へ、ヘッドショット!?」

白鳥「そ、そうか、だからあの時、毛利さんは撃ったんだ」

白鳥「人質を助けるためじゃなく、犯人を逮捕するために」

目暮「ああ、死んでしまった人質は逃走する犯人にとって、もはや何の意味も成さんからな」

蘭(お母さんを助けるためじゃなかった……これが真実だったのね、お父さん……)

目暮「阿笠博士!殺人未遂容疑および傷害拉致等の現行犯で逮捕する」カチャッ

阿笠「離せ!離すんじゃ!死なせろ!死なせてくれえええ!!」ジタバタ

小五郎「死なせやしねえ!てめえに自分の犯した罪の重さを分からせてやる!!!!!」

阿笠「ハッ……」

目暮「動機は署でゆっくり聞かせてもらうぞ」

阿笠「……」



元太・歩美「少年探偵団大勝利ーーーー!!!!」

灰原「あなたなら出来ると信じてたわ工藤君……」



コナン「はい」スッ

コナン「知らないうちに飛び出したんで僕びっくりしちゃったー」

白鳥「ったく、たまたま光彦君の眉間に当たったからよかったものの」

白鳥「一つ間違ったら大変なことになってたんだよ」

コナン「ごめんなさい」

コナン(本当はハワイの別荘に行ったとき、あっちの射撃場で親父に教わってよく撃ってたなんて……言えねえよな)



目暮「ほら、歩くんだ」

阿笠「……」チラッ

阿笠「新一、最後に教えてくれ」

阿笠「どうして……どうして、わしじゃなく光彦君を撃ったんじゃ?」

阿笠「あの時の新一には、わしの眉間を撃ち抜くこともできたはずじゃ」

コナン「バーロー、んなこと今更言わせんな」

コナン「犯人を追いつめて死なせちまうような探偵はな……」




コナン「殺人者と変わらねえんだよ」







『劇場版名探偵コナン 14番目の光彦』 完

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月10日 (日) 20:54:14   ID: _pkzTM14

自殺させる以前の問題なんですがそれは

2 :  SS好きの774さん   2016年09月09日 (金) 13:28:13   ID: Nx-hV2HQ

光彦死んでますけどw

3 :  SS好きの774さん   2017年12月01日 (金) 19:34:20   ID: gTD34cy8

光彦ってなんでこんなに殺されるん?

4 :  SS好きの774さん   2017年12月01日 (金) 23:45:31   ID: 9O3Y1ZrY

面白すぎwww

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